携帯電話などの小型軽量で高周波の無線信号に対応する電子機器では、小型軽量化、高密度実装を進めるためにプリント基板相互間を立体的に配線し、電磁遮蔽および高周波対応が可能な電線部品の適用が増加している。
従来、プリント基板とプリント基板との接続には、コネクタ付電線、コネクタ付同軸電線、コネクタ付フレキシブル基板などコネクタを有する電線部品を適用していた。また、コネクタを適用しないものとして、フレキシブル基板とリジッド基板を複合したフレキシブルリジッド多層プリント配線板を用いていた。
図23は、従来例1に係るフレキシブルリジッド多層プリント配線板の平面図である。図24は、図23の矢符B−Bでの断面の端面を拡大して示す拡大端面図である。なお、断面でのハッチングは図面の見易さを考慮して省略する。
4層構造として製造された従来例1に係るフレキシブルリジッド多層プリント配線板101は、概略次のような工程で製造される。
まず、内層基板としての両面フレキシブル基板(第1絶縁基材110および第1導体層115)を準備し内層パターン(第1導体層パターン115p)を形成する。つまり、第1絶縁基材110に第1導体層パターン115pを形成する。なお、第1導体層パターン115pはフレキシブル領域Afでは、フレキシブルリードパターン115pfとして構成される。
次に、第1導体層パターン115pの表面にフィルムカバーレイを圧着する。つまり、保護絶縁膜(フィルムカバーレイ)130(保護フィルム131および保護接着剤132)を形成する。
さらに、外層基板としてフレキシブル領域Afに対応する部分を除去した樹脂付き銅箔を準備し、内層基板と外層基板を積層プレスして積層(接着)する。つまり、第2絶縁基材140、第2導体層141を積層、形成する。
なお、樹脂付き銅箔の代わりに外層基板としてフレキシブル領域Afに対応する部分を除去した片面リジッド基板を準備する場合もある。このときは、片面リジッド基板に対応させた接着部材を準備し、片面リジッド基板、接着部材、両面フレキシブル基板、接着部材、片面リジッド基板の順に重畳して積層プレスして積層する。
第2絶縁基材140、第2導体層141を形成した後、第2導体層141と第1導体層パターン115pを導通する導通孔143を開口する。その後、全体に銅メッキして導通孔導体144を形成し、第2導体層141と第1導体層パターン115pを接続する。
次に、導通孔導体144および第2導体層141をパターニングして外層パターンを形成する。つまり、第2導体層パターン145を形成する。さらに、ソルダーレジスト150を形成し、適宜の表面処理を施す。
その後、フレキシブル領域Afの外形、およびリジッド領域Arの外形を形成する。
外形を完成したフレキシブルリジッド多層プリント配線板101の検査を実施する。
上述したとおり、従来例1に係るフレキシブルリジッド多層プリント配線板101は、内層基板として全面にフレキシブル基板を適用していた。
フレキシブルリジッド多層プリント配線板101のリジッド領域Arには、多くの部品が実装される。つまり、回路配線(第2導体層パターン145)、導通孔143などが多く、高い平滑精度(例えば表面凹凸)、高い接続性能(例えば導通孔内壁の荒さ制限。一般的に導通孔内壁の凹凸が小さいほど温度衝撃による導通孔導体の金属疲労が小さく信頼性が高くなる。)などが要求される。また、高い電気性能(例えば導通抵抗、絶縁抵抗)、高い耐熱性能(例えば半田溶融耐熱)なども要求される。
つまり、リジッド領域Arでは、導体は一定の厚さがある材料であり、絶縁体は一定の硬さ、一定の絶縁性がある材料であること、また、均質な材料であることが好ましい。したがって、一般的にはガラス繊維入りエポキシ樹脂が多く使われる。
また、フレキシブルリジッド多層プリント配線板101のフレキシブル領域Afは、リード線として機能する回路配線(フレキシブルリードパターン115pf)が多く、高い屈曲性能(例えば組み立て曲げ、開閉屈曲)などが要求される。
つまり、フレキシブル領域Afでは、導体は一定の薄さに加工することが可能で一定の柔軟性がある材料であること、絶縁体は一定の柔軟性がある材料であることが好ましい。したがって、一般的には可撓性と絶縁性に優れたポリイミド樹脂フィルムが多く使われる。
しかしながら、従来例1に係るフレキシブルリジッド多層プリント配線板101は、内層基板として全面にフレキシブル基板を使用することから、リジッド領域Arでは、絶縁体がリジッド絶縁基材(第2絶縁基材140)とフレキシブル絶縁基材(第1絶縁基材110)の複合材料として形成されるので積層加工が難しいという問題がある。
また、リジッド領域Arが複合材料で形成されることから、導通孔143の開口が難しく、導通孔導体を形成するためのメッキが難しいという問題がある。リジッド領域Arにフレキシブル絶縁基材(例えばポリイミド樹脂フィルム)が含まれることから、吸湿性が高く、耐熱性能が劣るという問題がある。
さらに、リジッド領域Arの導体(第2導体層141)とフレキシブル領域Afの導体(第1導体層115)の厚さの調整が難しく、また、リジッド領域Arの導体とフレキシブル領域Afの導体の材質を最適化することが困難であるという問題がある。
つまり、フレキシブル領域Afおよびリジッド領域Arそれぞれに要求される積層構造特性(リジッド領域での硬質性、フレキシブル領域での可撓性、積層構造の加工容易性および信頼性、導体層特性、リジッド領域とフレキシブル領域の相互間の結合強度など)を満たすことが困難であるという問題がある。
なお、リジッド領域とフレキシブル領域に異なる絶縁基材を適用する技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1に記載の技術では、内層パターン(第1層導体パターン)をリジッド領域とフレキシブル領域で個別に形成することから、内層パターンを高精度に位置合わせすることが困難であり微細化、高密度化が困難であるという問題がある。また、フレキシブル基板を利用することから、インピーダンス整合が困難であり、シールド層を設けると基板が硬くなり折り曲げが困難になり、屈曲性能が低下するという問題がある。
次に、図25ないし図27に基づいて従来の電線部品の適用状況を説明する。
図25は、従来例2に係るプリント基板を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符Bでの側面図、(C)は(B)の矢符Rotに従って電線部品を折り曲げた状態での側面図である。
プリント基板210相互間を電線部品220で接続してプリント基板ユニット(組プリント基板ユニット)としてあり、電線部品220はコネクタ225を備えたコネクタ付電線、コネクタ付同軸電線で構成してある。
図26は、従来例3に係るプリント基板を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符Bでの側面図、(C)は(B)の矢符Rotに従って電線部品を折り曲げた状態での側面図である。
プリント基板310相互間を電線部品320で接続したプリント基板ユニット(組プリント基板ユニット)としてあり、電線部品320はコネクタ325を備えたコネクタ付フレキシブル基板で構成してある。
図27は、従来例4に係るプリント基板を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符Bでの側面図、(C)は(B)の矢符Rotに従って電線部品を折り曲げた状態での側面図である。
プリント基板410相互間を電線部品420で接続したプリント基板ユニット(組プリント基板ユニット)としてあり、プリント基板410はリジッドプリント基板(リジッド部)で構成してあり、電線部品420はフレキシブル基板(フレックス部)で構成してある。つまり、プリント基板ユニットは、フレキシブルリジッド多層プリント配線板で構成してある。
コネクタ付電線、コネクタ付同軸電線(従来例2)、コネクタ付フレキシブル基板(従来例3)で接続する場合は、電気的な接続をコネクタの接触によって行なうことから、電気的な接続が不安定になるため信頼性に問題があった。また、コネクタを機械的に嵌合して接続することから、接続強度が不安定になるという問題があった。さらに、コネクタをプリント基板上に実装することからプリント基板上に占有面積が必要となるので、プリント基板の表面面積を十分に活用できないという問題があった。
コネクタ付フレキシブル基板、フレキシブルリジッド多層プリント配線板のフレックス部(従来例4)で接続する場合は、フレキシブル基板を形成するエッチング加工でパターン幅やパターン間隔にばらつきが発生するため、高周波での電気特性が不安定になるという問題があった。また、構造的に信号パターンの全周を遮蔽パターンで囲むことができないことから、不要輻射を遮断できないことから電磁遮蔽性能に問題があった。また、リジッド部の内層構造とフレックス部の構造を一体の導体や絶縁体で形成することから、フレックス部での電気性能や機械性能を最優先することができないという問題があった。さらに、平面状のフレキシブル部材による接続となることから、平行移動による配置や捩り移動による配置ができないという問題があった。
なお、電線部品としての同軸ケーブルを配線基板に組み込んだ技術が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)が、配線基板相互間を電線で接続するものではなく、上述した問題を解決するものではない。
特開2006−140213号公報
特開2003−273496号公報
特開2004−63725号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、電線部品と第1配線基板を並置し、電線部品の導線用接合子と第1配線基板に積層される第2配線基板の第2導体層パターンとを当接させて接続することにより、導線(電線部品)と第2導体層パターンとを容易かつ強固に接続して、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品と第2導体層パターンとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、電線部品と第1配線基板を並置し、電線部品の導線用接合子と第1配線基板に積層される第2配線基板の第2導体層パターンとを当接させて接続する電線複合プリント配線基板を製造する方法であって、電線部品を嵌合する電線部品嵌合用開口部を第1配線基板に開口する工程と、第2絶縁基材と第2導体層パターンを形成するための第2導体層とを積層した第2配線基板に電線への積層を防止する電線積層防止用開口部を形成する工程と、電線部品嵌合用開口部に電線部品を嵌合し、電線部品および第1配線基板に第2配線基板を重ねる工程と、導線用接合子が導線用台座部と一体として有する導線用突起部が第2絶縁基材を貫通して第2導体層に当接するように第2配線基板を第1配線基板および電線部品に積層する工程と、第2導体層をパターニングし導線用突起部に当接した第2導体層パターンを形成する工程とを備えることにより、電線部品(導線)と第2導体層パターンとを容易かつ高精度に接続し、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品と第2導体層パターンとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板を生産性良く製造することが可能な電線複合プリント配線基板製造方法を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し第1配線基板に積層された第2配線基板と、第1配線基板に並置され第2導体層パターンに接続された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板に適用される電線部品であって、導線および導線を絶縁する被覆部を有する電線と、導線に接続された導線用台座部および導線用台座部と一体に形成され第2絶縁基材を貫通して第2導体層パターンに当接する導線用突起部を有する導線用接合子とを備えることにより、電線複合プリント配線基板の第2配線基板(第2導体層パターン)に導線を容易かつ高精度に接続できる電線部品を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し第1配線基板に積層された第2配線基板と、第1配線基板に並置され第2導体層パターンに接続された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板に適用される電線部品を製造する方法であって、導線に接続される導線用台座部と第2絶縁基材を貫通して第2導体層に当接する導線用突起部とが一体に形成された導線用接合子を準備し、導線に導線用台座部を接続する接合子接続工程と、導線および導線用台座部を樹脂封止して導線用突起部を突出させた樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えることにより、電線複合プリント配線基板に接続される導線用接合子を高精度に位置決めできる電線部品を容易に生産性良く製造することが可能な電線部品製造方法を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、電線部品を接続された電線複合プリント配線基板を搭載した電子機器であって、電線複合プリント配線基板を本発明に係る電線複合プリント配線基板とすることにより、筐体形状を小型化、薄型化して所望の形状とすることが可能で接続の信頼性が高い電子機器を提供することを他の目的とする。
本発明に係る電線複合プリント配線基板は、第1絶縁基材および第1導体層パターンを有する第1配線基板と、該第1配線基板に並置された電線部品と、前記第1配線基板に積層された第2絶縁基材および前記電線部品に接続された第2導体層パターンを有する第2配線基板とを備えた電線複合プリント配線基板であって、前記電線部品は、導線および該導線を絶縁する被覆部を有する電線と、前記導線に接続された導線用台座部および該導線用台座部と一体に形成され前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層パターンに当接する導線用突起部を有する導線用接合子とを備えることを特徴とする。
この構成により、導線(電線部品)と第2導体層パターンとを容易かつ強固に接続できることから、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品と第2導体層パターンとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板とすることができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記電線部品は、前記被覆部の外周に配設された遮蔽線および該遮蔽線を被覆する外装被覆部を有する前記電線と、前記遮蔽線に接続された遮蔽線用台座部および該遮蔽線用台座部と一体に形成され前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層パターンに当接する遮蔽線用突起部を有する遮蔽線用接合子とを備えることを特徴とする。
この構成により、遮蔽線と第2導体層パターンとを容易かつ確実に接続できることから、電線部品(遮蔽線)と第2導体層パターンとの接続の信頼性を向上させて遮蔽特性を向上させ、優れた高周波特性を有する電線部品を備えた電線複合プリント配線基板とすることができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用突起部および前記遮蔽線用突起部は、前記第2導体層パターンが構成する平面に当接させてあることを特徴とする。
この構成により、第2導体層パターンが構成する平面を維持した状態で導線および遮蔽線を第2導体層パターンに接続することから、配線基板(第1配線基板および第2配線基板)の平面性を維持して配線基板と電線部品との連結強度を保持することができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用突起部の前記導線用台座部からの高さと前記遮蔽線用突起部の前記遮蔽線用台座部からの高さとは、異ならせてあることを特徴とする。
この構成により、導線用台座部と遮蔽線用台座部がそれぞれ異なる形状の場合でも、導線用突起部および遮蔽線用突起部それぞれの高さを調整して容易かつ高精度に第2導体層パターンに当接させることが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用突起部の前記導線用台座部からの高さと前記遮蔽線用突起部の前記遮蔽線用台座部からの高さとは、等しくしてあることを特徴とする。
この構成により、導線用突起部および遮蔽線用突起部を同一の形状として、容易かつ高精度に第2導体層パターンに当接させることができることから、導線用突起部の第2導体層パターンに対する接続強度と遮蔽線用突起部の第2導体層パターンに対する接続強度を同等にして生産性および信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用台座部および前記遮蔽線用台座部は、外形を直方体としてあることを特徴とする。
この構成により、導線との連結が容易な導線用台座部、遮蔽線との連結が容易な遮蔽線用台座部を容易に製造でき、また、位置を安定させて固定することが容易であることから、導線用突起部および遮蔽線用突起部の位置を安定させて導線および遮蔽線と第2導体層パターンとの接合の信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用台座部および前記遮蔽線用台座部は、外形を円柱状としてあることを特徴とする。
この構成により、導線との連結が容易な導線用台座部、遮蔽線との連結が容易な遮蔽線用台座部を容易に製造でき、導線および遮蔽線と第2導体層パターンとの接合の信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用台座部の前記導線用突起部の方向での大きさと前記遮蔽線用台座部の前記遮蔽線用突起部の方向での大きさとは、等しくしてあることを特徴とする。
この構成により、導線用突起部および遮蔽線用突起部を第2導体層パターンに対して平坦性良く配置できることから、電線部品と第2導体層パターンとの接続に対する生産性および信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記導線用突起部は、相互に逆方向となる2方向に前記導線用台座部から突出させて配置してあることを特徴とする。
この構成により、導線用突起部の位置決めと接合を容易かつ高精度に行なうことが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記遮蔽線用突起部は、相互に逆方向となる2方向に前記遮蔽線用台座部から突出させて配置してあることを特徴とする。
この構成により、遮蔽線用突起部の位置決めと接合を容易かつ高精度に行なうことが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記電線部品は、前記導線および前記導線用台座部を樹脂封止して前記導線用突起部を突出させた樹脂封止部を備えることを特徴とする。
この構成により、相互に接続している導線と導線用台座部を保護し、導線用突起部を第2導体層パターンへ容易かつ確実に当接させることができるので、導線の接続強度が強く高い信頼性を有する信号伝送を行なうことが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂封止部は、前記遮蔽線および前記遮蔽線用台座部を樹脂封止して前記遮蔽線用突起部を突出させてあることを特徴とする。
この構成により、相互に接続している遮蔽線と遮蔽線用台座部を保護し、遮蔽線用突起部を第2導体層パターンへ容易かつ確実に当接させることができるので、遮蔽線の接続強度が強く高い信頼性を有する雑音遮蔽を行なうことが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂封止部は、前記第2絶縁基材に埋設された樹脂突起部を有することを特徴とする。
この構成により、樹脂封止部と第2絶縁基材の間の連結強度を向上させて電線部品と配線基板との接続強度を向上させ、信頼性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂突起部は、前記導線用突起部が突出した方向と反対方向に設けてあることを特徴とする。
この構成により、導線用突起部と樹脂突起部に対して外層構成とした第2絶縁基材を均等な圧力で積層することが可能となることから、導線用突起部を第2導体層パターンに対して高精度に当接することができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂突起部は、前記導線用突起部が突出した方向に沿って設けてあることを特徴とする。
この構成により、導線用突起部と第2導体層パターンを正対させることができることから、導線用突起部と第2導体層パターンとの当接を高精度に行なうことが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂突起部は、前記遮蔽線用突起部が突出した方向と反対方向に設けてあることを特徴とする。
この構成により、遮蔽線用突起部と樹脂突起部に対して外層構成とした第2絶縁基材を均等な圧力で積層することが可能となることから、遮蔽線用突起部を第2導体層パターンに対して高精度に当接することができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂突起部は、前記遮蔽線用突起部が突出した方向に沿って設けてあることを特徴とする。
この構成により、遮蔽線用突起部と第2導体層パターンを正対させることができることから、遮蔽線用突起部と第2導体層パターンとの当接を高精度に行なうことが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板では、前記樹脂突起部に対応させて第2導体層パターンが形成してあることを特徴とする。
この構成により、導線用突起部、遮蔽線用突起部に対する第2導体層パターンの偏在を防止して第2導体層パターンをバランス良く配置した積層構造とし、歪みを抑制した信頼性の高い電線複合プリント配線基板とすることが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板製造方法は、第1絶縁基材および第1導体層パターンを有する第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し前記第1配線基板に積層された第2配線基板と、導線および該導線を絶縁する被覆部を有する電線と前記導線に接続された導線用接合子とを備えて前記第1配線基板に並置された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板を製造する電線複合プリント配線基板製造方法であって、前記導線用接合子が有する導線用台座部を前記導線に接続した前記電線部品を準備する電線部品準備工程と、前記電線部品を嵌合する電線部品嵌合用開口部を前記第1配線基板に開口する電線部品嵌合用開口部形成工程と、前記第2絶縁基材と前記第2導体層パターンを形成するための第2導体層とを積層した前記第2配線基板に前記電線への積層を防止する電線積層防止用開口部を形成する電線積層防止用開口部形成工程と、前記電線部品嵌合用開口部に前記電線部品を嵌合し、前記電線部品および前記第1配線基板に前記第2配線基板を重ねる電線部品組込工程と、前記導線用接合子の前記導線用台座部と一体とされた導線用突起部が前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層に当接するように前記第2配線基板を前記第1配線基板および前記電線部品に積層する第2配線基板積層工程と、前記第2導体層をパターニングし前記導線用突起部に当接した前記第2導体層パターンを形成する第2導体層パターン形成工程と、前記第1配線基板および前記第2配線基板の外形を形成する外形形成工程とを備えることを特徴とする。
この構成により、導線に接続された導線用接合子(導線用突起部)を第2導体層パターンに容易かつ高精度に当接できることから、電線部品(導線)と第2導体層パターンとを容易かつ高精度に接続し、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品と第2導体層パターンとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板を生産性良く製造することが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板製造方法では、前記電線部品は、前記被覆部の外周に配設された遮蔽線および該遮蔽線を被覆する外装被覆部を有する前記電線と、前記遮蔽線に接続された遮蔽線用台座部および該遮蔽線用台座部と一体に形成され前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層パターンに当接する遮蔽線用突起部を有する遮蔽線用接合子とを備えてあり、前記電線部品準備工程で、前記遮蔽線用台座部を前記遮蔽線に接続し、前記第2配線基板積層工程で、前記遮蔽線用突起部は前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層に当接され、前記第2導体層パターン形成工程で、前記遮蔽線用突起部に当接した前記第2導体層パターンを形成することを特徴とする。
この構成により、遮蔽線と第2導体層パターンとを容易かつ高精度に接続できることから、電線部品(遮蔽線)と第2導体層パターンとの接続の信頼性を向上させて遮蔽特性を向上させ、優れた高周波特性を有する電線部品を備えた電線複合プリント配線基板を生産性良く製造することが可能となる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板製造方法では、前記電線部品準備工程は、前記導線を露出させて前記電線を準備する電線準備工程と、前記導線用台座部を前記導線に接続する接合子接続工程と、前記導線および前記導線用台座部を樹脂封止して前記導線用突起部を突出させる樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えることを特徴とする。
この構成により、第2導体層パターンに接合する導線用接合子を保護する樹脂封止部を備える電線部品を容易に準備することが可能となり、生産性の良い電線複合プリント配線基板製造方法とすることができる。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板製造方法では、前記電線準備工程で、前記遮蔽線を露出させ、前記接合子接続工程で、前記遮蔽線用台座部を前記遮蔽線に接続し、前記樹脂封止部形成工程で、前記樹脂封止部は前記遮蔽線および遮蔽線用台座部を樹脂封止して前記遮蔽線用突起部を前記樹脂封止部から突出させることを特徴とする。
この構成により、第2導体層パターンに接合する遮蔽線用接合子を保護する樹脂封止部を備える電線部品を容易に準備することが可能となり、生産性の良い電線複合プリント配線基板製造方法とすることができる。
また、本発明に係る電線部品は、第1絶縁基材および第1導体層パターンを有する第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し前記第1配線基板に積層された第2配線基板と、前記第1配線基板に並置され前記第2導体層パターンに接続された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板に適用される電線部品であって、導線および該導線を絶縁する被覆部を有する電線と、前記導線に接続された導線用台座部および該導線用台座部と一体に形成され前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層パターンに当接する導線用突起部を有する導線用接合子とを備えることを特徴とする。
この構成により、導線用接合子を介して導線と第2導体層パターンとを容易かつ高精度に接続できるので、電線複合プリント配線基板の第2配線基板(第2導体層パターン)に導線を容易かつ高精度に接続できる電線部品とすることが可能となる。
また、本発明に係る電線部品では、前記電線は、前記被覆部の外周に配設された遮蔽線および該遮蔽線を被覆する外装被覆部を有してあり、前記遮蔽線に接続された遮蔽線用台座部および該遮蔽線用台座部と一体に形成され前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層パターンに当接する遮蔽線用突起部を有する遮蔽線用接合子を備えることを特徴とする。
この構成により、遮蔽線用接合子を介して遮蔽線と第2導体層パターンとを容易かつ高精度に接続できるので、電線複合プリント配線基板の第2配線基板(第2導体層パターン)に遮蔽線を容易かつ高精度に接続できる電線部品とすることが可能となる。
また、本発明に係る電線部品では、前記電線および前記導線用台座部を樹脂封止して前記導線用突起部を突出させた樹脂封止部を備えることを特徴とする。
この構成により、相互に接続している導線と導線用台座部を保護し、導線用突起部を第2導体層パターンへ確実かつ容易に当接させることができるので、導線の接続強度が強く高い信頼性で信号の伝送を行なう電線部品とすることが可能となる。
また、本発明に係る電線部品では、前記樹脂封止部は、前記遮蔽線および前記遮蔽線用台座部を樹脂封止して前記遮蔽線用突起部を突出させてあることを特徴とする。
この構成により、相互に接続している遮蔽線と遮蔽線用台座部を保護し、遮蔽線用突起部を第2導体層パターンへ容易かつ確実に当接させることができるので、遮蔽線の接続強度が強く高い信頼性の雑音遮蔽機能を有する電線部品とすることが可能となる。
また、本発明に係る電線部品製造方法は、第1絶縁基材および第1導体層パターンを有する第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し前記第1配線基板に積層された第2配線基板と、前記第1配線基板に並置され前記第2導体層パターンに接続された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板に適用される電線部品を製造する電線部品製造方法であって、導線および該導線を絶縁する被覆部を有する電線を準備し前記導線を露出させる電線準備工程と、導線に接続される導線用台座部と前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層に当接する導線用突起部とが一体に形成された導線用接合子を準備し、前記導線に前記導線用台座部を接続する接合子接続工程と、前記導線および前記導線用台座部を樹脂封止して前記導線用突起部を突出させた樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えることを特徴とする。
この構成により、電線複合プリント配線基板に接続される導線用接合子を高精度に位置決めできる電線部品を容易に生産性良く製造することが可能となる。
また、本発明に係る電線部品製造方法では、前記電線部品は、前記被覆部の外周に配設された遮蔽線および該遮蔽線を被覆する外装被覆部を有する前記電線と、前記遮蔽線に接続された遮蔽線用台座部および該遮蔽線用台座部と一体に形成され前記第2絶縁基材を貫通して前記第2導体層パターンに当接する遮蔽線用突起部を有する遮蔽線用接合子とを備えてあり、前記電線準備工程で、前記遮蔽線を露出させ、前記接合子接続工程で、前記遮蔽線用台座部を前記遮蔽線に接続し、前記樹脂封止部形成工程で、前記樹脂封止部は前記遮蔽線および遮蔽線用台座部を樹脂封止して前記遮蔽線用突起部を前記樹脂封止部から突出させることを特徴とする。
この構成により、電線複合プリント配線基板に接続される遮蔽線用接合子を高精度に位置決めでき、有効な遮蔽機能を有する電線部品を容易に生産性良く製造することが可能となる。
また、本発明に係る電線部品製造方法では、前記樹脂封止部形成工程で、前記導線の先端を前記樹脂封止部の外側で保持して前記樹脂封止部を形成し、前記樹脂封止部から突出した前記導線を除去することを特徴とする。
この構成により、導線を正確に位置決めした状態で樹脂封止部を形成することから、導線用接合子および遮蔽線用接合子をより高精度に位置決めした樹脂封止部を形成することが可能となる。
また、本発明に係る電子機器は、電線部品を接続された電線複合プリント配線基板を搭載した電子機器であって、前記電線複合プリント配線基板は、本発明に係る電線複合プリント配線基板であることを特徴とする。
この構成により、筐体形状を小型化、薄型化して所望の形状とすることが可能で接続の信頼性が高い電子機器とすることが可能となる。
本発明に係る電線複合プリント配線基板によれば、電線部品と第1配線基板を並置し、電線部品の導線用接合子と第1配線基板に積層される第2配線基板の第2導体層パターンとを当接させて接続することから、導線(電線部品)と第2導体層パターンとを容易かつ強固に接続して、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品と第2導体層パターンとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る電線複合プリント配線基板製造方法によれば、電線部品と第1配線基板を並置し、電線部品の導線用接合子と第1配線基板に積層される第2配線基板の第2導体層パターンとを当接させて接続する電線複合プリント配線基板を製造する方法であって、電線部品を嵌合する電線部品嵌合用開口部を第1配線基板に開口する工程と、第2絶縁基材と第2導体層パターンを形成するための第2導体層とを積層した第2配線基板に電線への積層を防止する電線積層防止用開口部を形成する工程と、電線部品嵌合用開口部に電線部品を嵌合し、電線部品および第1配線基板に第2配線基板を重ねる工程と、導線用接合子が導線用台座部と一体として有する導線用突起部が第2絶縁基材を貫通して第2導体層に当接するように第2配線基板を第1配線基板および電線部品に積層する工程と、第2導体層をパターニングし導線用突起部に当接した第2導体層パターンを形成する工程とを備えることから、電線部品(導線)と第2導体層パターンとを容易かつ高精度に接続し、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品と第2導体層パターンとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板を生産性良く製造することが可能な電線複合プリント配線基板製造方法を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る電線部品によれば、第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し第1配線基板に積層された第2配線基板と、第1配線基板に並置され第2導体層パターンに接続された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板に適用される電線部品であって、導線および導線を絶縁する被覆部を有する電線と、導線に接続された導線用台座部および導線用台座部と一体に形成され第2絶縁基材を貫通して第2導体層パターンに当接する導線用突起部を有する導線用接合子とを備えることから、電線複合プリント配線基板の第2配線基板(第2導体層パターン)に導線を容易かつ高精度に接続できる電線部品を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る電線部品製造方法によれば、第1配線基板と、第2絶縁基材および第2導体層パターンを有し第1配線基板に積層された第2配線基板と、第1配線基板に並置され第2導体層パターンに接続された電線部品とを備える電線複合プリント配線基板に適用される電線部品を製造する方法であって、導線に接続される導線用台座部と第2絶縁基材を貫通して第2導体層に当接する導線用突起部とが一体に形成された導線用接合子を準備し、導線に導線用台座部を接続する接合子接続工程と、導線および導線用台座部を樹脂封止して導線用突起部を突出させた樹脂封止部を形成する樹脂封止部形成工程とを備えることから、電線複合プリント配線基板に接続される導線用接合子を高精度に位置決めできる電線部品を容易に生産性良く製造することが可能な電線部品製造方法を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る電子機器は、本発明に係る電線複合プリント配線基板を搭載した電子機器とすることから、筐体形状を小型化、薄型化して所望の形状とすることが可能で接続の信頼性が高い電子機器を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1ないし図6に基づいて、本発明の実施の形態1に係る電線部品および電線部品を製造する電線部品製造方法について説明する。なお、本実施の形態に係る電線部品は、第1絶縁基材11および第1導体層パターン12pを有する第1配線基板10と、第2絶縁基材21および第2導体層パターン22pを有し第1配線基板10に積層された第2配線基板20と、第1配線基板10に並置され第2導体層パターン22pに接続された電線部品30とを備える電線複合プリント配線基板1(実施の形態3、図20参照。)に適用される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電線部品を製造する電線部品製造方法の概略工程フローを示すフロー図である。
図2Aないし図2Dは、本発明の実施の形態1に係る電線部品が備える電線の構造を模式的に示す説明図であり、それぞれ(A)は正面図、(B)は先端側を示す側面図である。
図3Aないし図3G、図4A、図4Bは、本発明の実施の形態1に係る電線部品の構成を模式的に示す説明図であり、それぞれ(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は先端側を示す側面図である。
図5A、図5Bは、本発明の実施の形態1に係る電線部品の変形例(樹脂封止部)の構成を模式的に示す説明図であり、それぞれ(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は先端側を示す側面図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る電線部品の変形例(樹脂封止部)の構成を模式的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は先端側を示す側面図である。
工程S1:
導線31cおよび導線31cを絶縁する被覆部31hを有する電線31(図2Aないし図2D参照。)を準備する。電線31は、被覆部31hの外周に配設された遮蔽線31sおよび遮蔽線31sを被覆する外装被覆部31fをさらに有する同軸ケーブル(同軸電線)としてあることが望ましい。
電線31の先端で外装被覆部31f、遮蔽線31s、被覆部31hを順次除去し、導線31cの端部を露出して電線31を準備する(電線準備工程)。また、電線準備工程で併せて、外装被覆部31fをさらに除去して遮蔽線31sの端部を露出する。
図2Aに示した電線31は、信号線を構成する導線31cを単線、導線31cを遮蔽する遮蔽線31sを撚り線とした同軸電線である。図2Bに示した電線31は、信号線を構成する導線31cを複線(3本)、導線31cを遮蔽する遮蔽線31sを撚り線とした同軸電線である。図2Cに示した電線31は、信号線を構成する導線31cを複線(3本)、導線31cを遮蔽する遮蔽線31sを撚り線とした同軸電線である。なお、遮蔽線31sは、絶縁性樹脂の遮蔽分離部31shで相互に分離してある。図2Dに示した電線31は、信号線を構成する導線31cを単線、導線31cを遮蔽する遮蔽線31sをシース状とした同軸電線である。
導線31cは、信号線であることから、導通抵抗が低いこと、柔軟性があること、また、劣化しにくいことが望ましい。例えば、銅または銅合金などに錫メッキなどを施したものを適用することができる。
被覆部31hは、耐熱性があること、吸湿性が低いこと、柔軟性があること、また、電気特性(絶縁性)が優れていることが望ましい。例えば、フッ素系樹脂などを適用することができる。
遮蔽線31sは、導通抵抗が低いこと、柔軟性があること、また、劣化しにくいことが望ましい。例えば、銅または銅合金などに錫メッキなどを施したものを適用することができる。また、遮蔽線31sを構成する撚り線は、通常の撚り線の他、柔軟性と強度をさらに向上させた編組線などであっても良い。
なお、導線31c、遮蔽線31sは、金属線そのものでなく、線状体(あるいは帯状体)に蒸着や鍍金などで線状導体を構成したものでも良い。
工程S2:
導線31cに接続される導線用台座部32sと、第2絶縁基材21を貫通して第2導体層22(図18参照。第2導体層パターン22p)に当接する導線用突起部32bとが一体に形成された導線用接合子32を準備し、導線31c(電線31)に導線用台座部32sを接続する(接合子接続工程。図3Aないし図3G参照。)ことにより電線部品30を構成する。
つまり、電線部品30は、導線31cおよび導線31cを絶縁する被覆部31hを有する電線31と、導線31cに接続された導線用台座部32sおよび導線用台座部32sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する導線用突起部32bを有する導線用接合子32とを備える。
この構成により、導線用接合子32を介して導線31cと第2導体層パターン22pとを容易かつ高精度に接続できるので、電線複合プリント配線基板1の第2配線基板20(第2導体層パターン22p)に導線31cを容易かつ高精度に接続できる電線部品30とすることが可能となる。
なお、導線用台座部32sおよび導線用突起部32bは、全体を例えば鋳型で形成して完全に一体とする他、導線用台座部32sおよび導線用突起部32bを相互に溶着して一体化することも可能である。
また、接合子接続工程で併せて、遮蔽線31sに接続される遮蔽線用台座部33sと第2絶縁基材21を貫通して第2導体層22(第2導体層パターン22p)に当接する遮蔽線用突起部33bとが一体に形成された遮蔽線用接合子33を準備し遮蔽線31s(電線31)に遮蔽線用台座部33sを接続する。
つまり、電線部品30は、被覆部31hの外周に配設された遮蔽線31sおよび遮蔽線31sを被覆する外装被覆部31fを有する電線31と、遮蔽線31sに接続された遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用台座部33sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する遮蔽線用突起部33bを有する遮蔽線用接合子33とを備える。
この構成により、遮蔽線用接合子33を介して遮蔽線31sと第2導体層パターン22pとを容易かつ高精度に接続できるので、電線複合プリント配線基板1の第2配線基板20(第2導体層パターン22p)に遮蔽線31sを容易かつ高精度に接続できる電線部品30とすることが可能となる。
なお、遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用突起部33bは、全体を例えば鋳型で形成して完全に一体とする他、遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用突起部33bを相互に溶着して一体化することも可能である。
導線31cと導線用台座部32sとの接続、遮蔽線31sと遮蔽線用台座部33sとの接続は、導線用台座部32s、遮蔽線用台座部33sに設けた例えば貫通孔に導線31c、遮蔽線31sを通し、導線用台座部32s、遮蔽線用台座部33sを周囲からかしめることにより圧着して行なうことが可能である。なお、接続方法は、かしめによる圧着に限るものではなく、例えば導電性接着剤を介在させて接続することが可能である。また、圧着と導電性接着剤を併用することも可能である。
なお、導線用接合子32、遮蔽線用接合子33は、例えば銅、または銅合金で形成してあり、導線31c、遮蔽線31sとの接続を確実にできる構成としてある。また、導線31c、遮蔽線31sとの接続が確保できる材料であれば良く、銅などに限るものではない。
図3Aに示した電線部品30では、例えば複数(3本)の導線31cは横列状態とされ、導線31cと導線用台座部32sは、導線31cを囲むように配置され外形を直方体としてある導線用台座部32sをかしめて導線31cに圧着することで相互に接続してある。なお、導線用突起部32bが導線用台座部32sから突出させてある。
また、遮蔽線31sと遮蔽線用台座部33sは、例えば撚り線とされた遮蔽線31sを囲むように配置され外形を円筒状としてある遮蔽線用台座部33sをかしめて圧着することで相互に接続してある。なお、遮蔽線用突起部33bが遮蔽線用台座部33sから突出させてある。
なお、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sには、かしめ作業を効果的に行えるように適宜の切込み(不図示)を設けておくことが望ましい(以下において同様である)。
導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bは、第2導体層パターン22pが構成する平面に当接させることから、同一の平面を構成するように頂点の位置を調整して一致させてある。したがって、第2導体層パターン22pが構成する平面を維持した状態で導線31cおよび遮蔽線31sを第2導体層パターン22pに接続できることから、第1配線基板10および第2配線基板20の平面性を維持して第1配線基板10および第2配線基板20と電線部品30との連結強度を保持することができる。
遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsに比較して導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcの方を高くしてある。つまり、導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcと遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsとは、異ならせてある。
したがって、導線用台座部32sと遮蔽線用台座部33sがそれぞれ異なる形状の場合でも、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bそれぞれの高さを調整して容易かつ高精度に第2導体層パターン22pに当接させることが可能となる。
図3Bないし図3Gに示した電線部品30は、導線31cを単線としたが、撚り線であっても良い。その他の点は基本的に図3Aと同様であるので、以下主に異なる点について説明する。
図3Bに示した電線部品30では、遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsと導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcとは等しくしてある。
この構成により、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bを基本的に同一の形状として、容易かつ高精度に第2導体層パターン22pに当接させることができることから、導線用突起部32bの第2導体層パターン22pに対する接続強度と遮蔽線用突起部33bの第2導体層パターン22pに対する接続強度を同等にして生産性および信頼性を向上させることが可能となる。
また、高さHsと高さHcとを等しくするために、導線31cの頂点に溶着して接続した導線用台座部32sの外形を直方体とし、導線用台座部32sの導線用突起部32bの方向での大きさ(厚さTc)を予め調整してある。
なお、遮蔽線用接合子33は、図3Aに示した遮蔽線用接合子33と同様としてある。
図3Cに示した電線部品30では、遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsと導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcとは等しくしてある。また、高さHsと高さHcとを等しくするために、導線31cの先端を第2導体層パターン22pの方向へ折り曲げて先端に導線用台座部32sが接続してある。
導線31cの先端を折り曲げて導線用台座部32sの接続位置を調整することにより、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sの外形が異なる場合でも、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bを同一の高さ(同一の形状)にすることができる。
なお、遮蔽線用接合子33は、図3Aに示した遮蔽線用接合子33と同様としてある。
図3Dに示した電線部品30では、図3Aの場合と同様、遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsに比較して導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcの方を高くしてある。なお、導線31cが単線であることから、導線用台座部32sの形状を図3Aの場合とは異ならせてある。
導線用台座部32sは直方体の各面に導線31cに沿う円弧柱状の膨らみを持たせた形状とし、遮蔽線用台座部33sは図3Aに示した遮蔽線用接合子33と同様としてある。
図3Eに示した電線部品30では、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sは、外形を円柱状とし、中心に導線31cおよび遮蔽線31sをそれぞれ通すための貫通孔が図3Aの場合と同様に形成してあり、肉厚を持たせた円筒状としてある。したがって、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sを周囲からかしめるだけでそれぞれ導線31cおよび遮蔽線31sと接続できる。
この構成により、導線31cとの連結が容易な導線用台座部32s、遮蔽線31sとの連結が容易な遮蔽線用台座部33sを容易に製造でき、導線31cおよび遮蔽線31sと第2導体層パターン22pとの接合の信頼性を向上させることが可能となる。
また、導線用台座部32sの導線用突起部32bの方向での大きさ(外径Rc)と遮蔽線用台座部の遮蔽線用突起部の方向での大きさ(外径Rs)とは、等しくしてある。つまり、円筒状部分での肉厚の大きさを異ならせてある。導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bを第2導体層パターン22pに対して平坦性良く配置できることから、電線部品30と第2導体層パターン22pとの接続に対する生産性および信頼性を向上させることが可能となる。
外径Rcと外径Rsが等しいことから、導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcと遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsとは、等しくすることができる。
図3Fに示した電線部品30では、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sは、外形を直方体とし、中心に導線31cおよび遮蔽線31sをそれぞれ通すための貫通孔が形成してあり、肉厚を持たせてある。したがって、図3Eの場合と同様、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sを周囲からかしめるだけでそれぞれ導線31cおよび遮蔽線31sと接続できる。なお、直方体は、立方体を含み、また、適宜の面取りなどを施すことが可能である。直方体としてあることから、導線用台座部32sおよび遮蔽線用台座部33sは、安定して配置することができる。つまり、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bは、本来の向かうべき方向に対して左右に回転(ねじれ)を生じることがない。
この構成により、導線31cとの連結が容易な導線用台座部32s、遮蔽線31sとの連結が容易な遮蔽線用台座部33sを容易に製造でき、また、位置を安定させて固定することが容易であることから、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bの位置を安定させて導線31cおよび遮蔽線31sと第2導体層パターン22pとの接合の信頼性を向上させることが可能となる。
また、導線用台座部32sの導線用突起部32bの方向での大きさ(厚さTc)と遮蔽線用台座部の遮蔽線用突起部の方向での大きさ(厚さTs)とは、等しくしてある。つまり、直方体部分での肉厚の大きさを異ならせてある。導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bを第2導体層パターン22pに対して平坦性良く配置できることから、電線部品30と第2導体層パターン22pとの接続に対する生産性および信頼性を向上させることが可能となる。
厚さTcと厚さTsが等しいことから、導線用突起部32bの導線用台座部32sからの高さHcと遮蔽線用突起部33bの遮蔽線用台座部33sからの高さHsとは、等しくすることができる。
図3Gに示した電線部品30では、導線用突起部32bは、相互に逆方向となる2方向に導線用台座部32sから突出させて配置してある。その他の構成は図3Fに示した場合と同様である。
導線用突起部32bと第2導体層パターン22pとの当接方向で、逆方向に対称的に導線用突起部32bを配置することから、積層するときに加えられる圧力を当接部分に直接加え、圧力の逃げを抑制することが可能となる。したがって、導線用突起部32bの位置決めと接合を容易かつ高精度に行なうことが可能となる。
また、遮蔽線用突起部33bは、相互に逆方向となる2方向に遮蔽線用台座部33sから突出させて配置してある。遮蔽線用突起部33bと第2導体層パターン22pとの当接方向で、逆方向に対称的に遮蔽線用突起部33bを配置することから、積層するときに加えられる圧力を当接部分に直接加え、圧力の逃げを抑制することが可能となる。したがって、遮蔽線用突起部33bの位置決めを容易かつ高精度に行なうことが可能となる。
図3Aないし図3Gで示した導線用接合子32、遮蔽線用接合子33は、第2導体層パターン22pと当接して接合するときに、一定の圧力が印加されるように変形が同様に生じることが望ましい。また、圧接接合により金属結合を生じることが望ましい。また、劣化しないことが望ましく、銅、リン青銅などの銅合金、銀、金などを適用することが可能である。
導線用接合子32、遮蔽線用接合子33は、導線31c、遮蔽線31sとの接続部分(導線用台座部32s、遮蔽線用台座部33s)で圧接による金属結合する構成としてあることが望ましい。また、適宜の溶着接合、導電性接着剤による接着とすることも可能である。
導線用接合子32、遮蔽線用接合子33は、鋳型成形、異種金属の溶着などにより台座部(導線用台座部32s、遮蔽線用台座部33s)と突起部(導線用突起部32b、遮蔽線用突起部33b)を一体に形成することが可能である。また、表面にメッキを施してもよい。
工程S3:
導線31c(の先端)および導線用台座部32sを樹脂封止して導線用突起部32bを突出させた樹脂封止部35を形成する(樹脂封止部形成工程。図4A、図4B参照。)。なお、樹脂封止部35は製造の容易性および形状の安定性、配置の安定性を考慮して直方体としておくことが望ましい。直方体とすることにより、電線部品30の先端を安定させることが可能となり、第2配線基板20に対する積層を安定的に行なうことができる。
この構成により、導線用接合子32を固定して高精度に位置決めできることから、高精度に位置決めした導線用突起部32bを有する電線部品30とすることが可能となる。つまり、相互に接続している導線31cと導線用台座部32sを保護し、導線用突起部32bを第2導体層パターン22pへ容易かつ確実に当接させることができるので、導線31cの接続強度が強く高い信頼性を有する信号伝送を行なうことが可能となる。
また、樹脂封止部形成工程で併せて、樹脂封止部35は遮蔽線31sおよび遮蔽線用台座部33sを樹脂封止して遮蔽線用突起部33bを樹脂封止部35から突出させる。
この構成により、遮蔽線用接合子33を固定して高精度に位置決めできることから、高精度に位置決めした遮蔽線用突起部33bを有する電線部品30とすることが可能となる。つまり、相互に接続している遮蔽線31sと遮蔽線用台座部33sを保護し、遮蔽線用突起部33bを第2導体層パターン22pへ容易かつ確実に当接させることができるので、遮蔽線31sの接続強度が強く高い信頼性を有する雑音遮蔽を行なうことが可能となる。
なお、上述したとおり、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bが、第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接するように樹脂封止部35の形状を画定する。つまり、樹脂封止部35の表面は、第2絶縁基材21に当接する構成としてある。
樹脂封止部35に適用する封止樹脂は、第1配線基板10、第2配線基板20と積層(接着)による一体性を持たせるように、物性(例えば、硬さ、放熱特性、電気特性)が同一のものが望ましい。また、電線31(導線31c、遮蔽線31s)を劣化させない性質を有することが望ましい。したがって、例えば、第1配線基板10および第2配線基板20と同様なエポキシ樹脂を適用することが望ましい。
図4Aに示した電線部品30では、図3Gに示した電線部品30を樹脂封止部35で樹脂封止し、導線用突起部32bを突出させてある。導線用突起部32bは、相互に逆方向となる2方向に配置してあることから、樹脂封止部35から相互に逆方向となる2方向に導線用突起部32bが突出することとなる。遮蔽線用突起部33bについても同様である。その他の構成は、図3Gと同様であるので説明は省略する。
図4Bに示した電線部品30では、図3Fに示した電線部品30を樹脂封止部35で樹脂封止し、導線用突起部32bを突出させてある。導線用突起部32bは、1方向にのみ配置してある。ここでは、図4Aの場合と異なり、導線用突起部32bと逆方向に突出させた樹脂突起部35bを樹脂封止部35に設けてある。その他の構成は、図3Fと同様であるので説明は適宜省略する。
樹脂突起部35bは、導線用突起部32bが突出した方向と反対方向に設けてあることから、導線用突起部32bと樹脂突起部35に対して外層構成とした第2絶縁基材21を均等な圧力で積層することが可能となり、導線用突起部32bを第2導体層22(第2導体層パターン22p)に対して高精度に当接することができる。
樹脂封止部35から突出した樹脂突起部35bは、第2導体層22(第2導体層パターン22p)に当接する構成とされ、第2絶縁基材21に埋設される。したがって、樹脂封止部35と第2絶縁基材21の間の連結強度を向上させて電線部品30と配線基板20との接続強度を向上させ、信頼性をさらに向上させることができる。
また、樹脂突起部35bは、遮蔽線用突起部33bが突出した方向と反対方向に設けてある。したがって、遮蔽線用突起部33bと樹脂突起部35に対して外層構成とした第2絶縁基材21を均等な圧力で積層することが可能となることから、遮蔽線用突起部33bを第2導体層パターン22pに対して高精度に当接することができる。
工程S4:
樹脂封止部形成工程で導線31cの先端を樹脂封止部35の外側で保持して樹脂封止部35を形成した後、樹脂封止部35から突出した導線31cを除去する(不要導線除去工程。図5A、図5B参照。)。導線31cを正確に位置決めした状態で樹脂封止部35を形成することから、導線用接合子32および遮蔽線用接合子33をより高精度に位置決めした樹脂封止部35を形成することが可能となる。
図5Aでは、樹脂封止部形成工程で導線31cの先端を樹脂封止部35の外側で保持して樹脂封止部35を形成した状態を示し、図5Bでは、樹脂封止部35から突出した導線31cを除去した状態を示す。なお、図5A、図5Bで示す電線部品30のその他の構成は、図4Bで示した電線部品30と同様であるので説明は適宜省略する。また、導線31cの先端の保持は、樹脂封止部35を形成する例えば金型(不図示)により行なうことが可能である。導線31cの除去は、例えばプレス型、カッターなどを適用して行なうことが可能である。
上述したとおり、本実施の形態に係る電線部品30は、電線31および導線用台座部32sを樹脂封止して導線用突起部32bを突出させた樹脂封止部35を備えることから、相互に接続している導線31cと導線用台座部32sを保護し、導線用突起部32bを第2導体層パターン22pへ確実かつ容易に当接させることができるので、導線31cの接続強度が強く高い信頼性で信号の伝送を行なう電線部品30とすることが可能となる。
また、本実施の形態に係る電線部品30は、樹脂封止部35は、遮蔽線31sおよび遮蔽線用台座部33sを樹脂封止して遮蔽線用突起部33bを突出させてあることから、相互に接続している遮蔽線31sと遮蔽線用台座部33sを保護し、遮蔽線用突起部33bを第2導体層パターン22pへ容易かつ確実に当接させることができるので、遮蔽線31sの接続強度が強く高い信頼性の雑音遮蔽機能を有する電線部品30とすることが可能となる。
上述したとおり、本実施の形態に係る電線部品30を製造する電線部品製造方法は、導線31cおよび導線31cを絶縁する被覆部31hを有する電線31を準備し導線31cを露出させる電線準備工程と、導線31cに接続される導線用台座部32sと第2絶縁基材21を貫通して第2導体層22に当接する導線用突起部32bとが一体に形成された導線用接合子32を準備し、導線31cに導線用台座部32sを接続する接合子接続工程と、導線31cおよび導線用台座部32sを樹脂封止して導線用突起部32bを突出させた樹脂封止部35を形成する樹脂封止部形成工程とを備える。
したがって、電線複合プリント配線基板1に接続される導線用接合子32を高精度に位置決めできる電線部品30を容易に生産性良く製造することが可能となる。
また、本実施の形態に係る電線部品30を製造する電線部品製造方法では、電線部品30は、被覆部35の外周に配設された遮蔽線31sおよび遮蔽線31sを被覆する外装被覆部31fを有する電線31と、遮蔽線31sに接続された遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用台座部33sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する遮蔽線用突起部33bを有する遮蔽線用接合子33とを備えてあり、電線準備工程で、遮蔽線31sを露出させ、接合子接続工程で、遮蔽線用台座部33sを遮蔽線31sに接続し、樹脂封止部形成工程で、樹脂封止部35は遮蔽線31sおよび遮蔽線用台座部33sを樹脂封止して遮蔽線用突起部33bを樹脂封止部35から突出させる構成としてある。
したがって、電線複合プリント配線基板1に接続される遮蔽線用接合子33を高精度に位置決めでき、有効な遮蔽機能を有する電線部品30を容易に生産性良く製造することが可能となる。
図6に示した電線部品30では、樹脂封止部35を拡大して樹脂突起部35bの個数と配置をさらに変更してある。電線部品30としての基本的な構成は図5Bと同様であるので主に異なる点について説明する。
樹脂突起部35bは、導線用突起部32bが突出した方向に沿って設けてある。例えば、樹脂封止部35の同一平面上で導線用突起部32bを挟む両側に2個の樹脂突起部35bが配置してある。つまり、導線用突起部32bに対して樹脂突起部35bが並置してある。この構成により、導線用突起部32bの両側で平面的位置決めを行なうことが可能となり、導線用突起部32bと第2導体層パターン22pを確実に同一平面で正対させることから、導線用突起部32bと第2導体層パターン22pとの当接(接合)を高精度に行なうことが可能となる。
樹脂突起部35bは、遮蔽線用突起部33bが突出した方向沿って設けてある。例えば、樹脂封止部35の同一平面上で遮蔽線用突起部33bを挟む両側に2個の樹脂突起部35bが配置してある。つまり、遮蔽線用突起部33bに対して樹脂突起部35bが並置してある。この構成により、遮蔽線用突起部33bの両側で平面的位置決めを行なうことが可能となり、遮蔽線用突起部33bと第2導体層パターン22pを確実に同一平面で正対させることから、遮蔽線用突起部33bと第2導体層パターン22pとの当接(接合)を高精度に行なうことが可能となる。
導線用突起部32bに並置した樹脂突起部35bに対して、樹脂封止部35の反対側の面に相互に逆方向となるように別の樹脂突起部35bを配置してある。この構成により、樹脂封止部35の配置の安定性をさらに向上させることが可能となる。
遮蔽線用突起部33bに並置した樹脂突起部35bに対して、樹脂封止部35の反対側の面に相互に逆方向となるように別の樹脂突起部35bを配置してある。この構成により、樹脂封止部35の配置の安定性をさらに向上させることが可能となる。
<実施の形態2>
図7ないし図9に基づいて、本発明の実施の形態2に係る電線部品について説明する。なお、本実施の形態に係る電線部品およびその製造方法での基本構成は、実施の形態1に係る電線部品30と同一であり、複数の電線31を1つの樹脂封止部35に対応させた点が異なるので、主に異なる点について説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る電線部品の樹脂封止部での構成を模式的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面図、(C)は(A)の矢符C−Cでの断面図である。なお、断面のハッチングは、図面の見易さを考慮して省略する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る電線部品の全体の構成を模式的に示す説明図であり、(A)は樹脂封止部の詳細を併せて示す平面図、(B)は(A)のB−Bでの断面図である。なお、断面のハッチングは、図面の見易さを考慮して省略する。
図9は、図8に示した電線部品の外観図であり、(A)は平面図、(B)は電線の長さ方向での側面図である。
本実施の形態に係る電線部品30は、図5Bに示した電線部品30を例えば4本まとめて1つの樹脂封止部35で集束したものである。複数の電線31を集束させて電線部品30を構成することから、必要に応じた本数の電線31を備えた電線部品30とすることが可能となり、電線複合プリント配線基板1の端子数に応じて必要な電線部品30を容易に提供することが可能となる。
<実施の形態3>
図10ないし図22に基づいて、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板1(要部)および電線複合プリント配線基板1を製造する電線複合プリント配線基板製造方法について説明する。
本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板1は実施の形態1、実施の形態2で説明した電線部品30を適用して構成してあるので、適宜援用して説明を省略することがある。また、実施の形態1、実施の形態2で説明した電線部品30の特徴をそのまま有する形態として適用してある。
なお、電線複合プリント配線基板1の電線部品30以外の部分はリジッド部として構成してあり、4層の配線構造(両面に配線層を有する内層基板、内層基板の両面外側に配置された各外層基板)を有する電線・リジッドプリント配線基板を例示して説明する。
図10は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の工程フローを概略的に示すフロー図である。以下、各工程について説明するが、各工程(S10ないしS21)に対応する図11ないし図20についても併せて適宜説明する。
本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板製造方法で製造する電線複合プリント配線基板1は、第1絶縁基材11および第1導体層パターン12pを有する第1配線基板10と、第2絶縁基材21および第2導体層パターン22pを有し第1配線基板10に積層された第2配線基板20と、導線31cおよび導線31cを絶縁する被覆部31hを有する電線31と導線31cに接続された導線用接合子32とを備えて第1配線基板10に並置された電線部品30とを備えた構成としてある(図18参照。)。なお、第1配線基板10は、4層構造での内層基板(2層)に対応し、第2配線基板20は外層基板(2層)に対応する。
実施の形態1、実施の形態2で示したとおり、導線用接合子32は、導線用台座部32sおよび導線用台座部32sと一体に形成された導線用突起部32bを有する。また、電線部品30は、被覆部31hの外周に配設された遮蔽線31sおよび遮蔽線31sを被覆する外装被覆部31fを有する電線31と、遮蔽線31sに接続された遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用台座部33sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する遮蔽線用突起部33bを有する遮蔽線用接合子33とを備える。
工程10:
図11は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の電線準備工程で準備した電線部品を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は電線の長さ方向での側面図である。
電線部品30を準備する(電線準備工程)。つまり、導線用接合子32が有する導線用台座部32sを導線31cに接続した電線部品30を準備する。また、電線準備工程で、導線用接合子32と同様、遮蔽線用接合子33が有する遮蔽線用台座部33sを遮蔽線31sに接続しておく。電線部品30の詳細は、実施の形態1、実施の形態2で説明したとおりである。
本実施の形態では、実施の形態2(図9)で示した電線部品30を適用することとする。したがって、電線部品30は、4本の電線31を備えた構成としてある。また、樹脂封止部35の一方の表面には、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bが配置してあり、他方の面には、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bに対応させた樹脂突起部35bがそれぞれ配置してある。樹脂封止部35の両面での突起部の構成を同様(導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bに対応させた樹脂突起部35b)としていることから、樹脂封止部35を安定して配置(積層)することが可能となる。
また、樹脂封止部35は電線31の両方の端部で対称的に配置してある。
工程S11:
図12は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の電線部品嵌合用開口部形成工程で準備した第1配線基板を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。なお、断面でのハッチングは図面の見易さを考慮して省略してある(図13ないし図20において同様とする)。
第1配線基板10を準備する。つまり、電線部品30を嵌合する電線部品嵌合用開口部10wを第1配線基板10に開口する(電線部品嵌合用開口部形成工程)。
第1配線基板10は、例えば両面リジッドプリント配線基板で構成してある。第1絶縁基材11に第1導体層12が両面に形成(積層)してある。具体的には、第1絶縁基材11は例えば厚さ0.5mmのガラスエポキシ樹脂板であり、第1導体層12は例えば厚さ18μmの銅箔で構成され、第1導体層12をパターニングして第1導体層パターン12pが形成してある。パターニングは、周知の技術を適用して行なうことが可能である。また、図示しない他の部分に対しても適宜のパターニングを行なう(図21参照。)。
電線部品嵌合用開口部10wの開口は、例えばNCルーター(数値制御ルーター)を適用して行なうことができる。第1導体層パターン12pと同一の位置基準(ピンら見ネーションガイド52。図22参照。)に対して位置合わせすることにより、第2導体層パターン22pに対して電線部品30を精度良く位置合わせできる電線部品嵌合用開口部10wを開口することができる。
工程S12:
図13は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の電線積層防止用開口部形成工程で準備した第1配線基板を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
第2配線基板20を準備する。つまり、第2絶縁基材21と第2導体層パターン22pを形成するための第2導体層22とを積層した第2配線基板20に電線30への積層を防止する電線積層防止用開口部20wを形成する(電線積層防止用開口部形成工程)。
第2配線基板20は、例えば、第2導体層22としての厚さ18μmの銅箔に、第2絶縁基材21としての接着剤(厚さ100μmのエポキシ系樹脂接着剤)を塗布して構成してある。
電線積層防止用開口部20wの開口は、例えばNCルーター(数値制御ルーター)を適用して行なうことができる。電線積層防止用開口部20wは、第2配線基板20が第1配線基板10および電線部品30の樹脂封止部35に対して積層し、電線31に対しては積層しない形状としてある。
工程S13:
図14は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の電線部品組込工程で電線部品、第1配線基板、第2配線基板を位置合わせした状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
電線部品30、第1配線基板10、第2配線基板20を組立る。つまり、第1配線基板10の電線部品嵌合用開口部10wに電線部品30を嵌合し、また、並置された第1配線基板10および電線部品30に第2配線基板20を位置合わせして重ねる(電線部品組込工程)。
まず、一方の外層基板となる第2配線基板20(20a)を配置し、次に、第1配線基板10および電線部品30を並置して第2配線基板20aに重ねる。さらに、並置した第1配線基板10および電線部品30に他方の外層基板となる第2配線基板20(20b)を重ねる。以下、第2配線基板20aと第2配線基板20bとを区別する必要がない場合は、単に第2配線基板20とすることがある。なお、相互間の位置合わせは、例えばピンラミネーションガイド52(図22参照。)を適用して行なうことが可能である。
工程S14:
図15は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の第2配線基板積層工程で電線部品、第1配線基板、第2配線基板を積層した状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
導線用接合子32が導線用台座部32sと一体として有する導線用突起部32bは、第2絶縁基材21を貫通して第2導体層22(第2導体層パターン22p。図18参照。)に当接するように第2配線基板20を第1配線基板10および電線部品30に積層する(第2配線基板積層工程)。また、第2配線基板積層工程で、導線用突起部32bと同様に、遮蔽線用突起部33bは第2絶縁基材21を貫通して第2導体層22(第2導体層パターン22p。図18参照。)に当接される構成としておく。
第2配線基板積層工程は、公知の多層配線基板の積層工程と同様に、真空中で加熱、加圧することにより行なう。加熱、加圧により、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bは、第2導体層22に確実に接合を形成することができる。電線部品嵌合用開口部10wに嵌合された電線部品30と第1配線基板10との隙間は、接着剤で構成される第2絶縁基材21で充填されることから、電線部品30は強固に第1配線基板10および第2配線基板20に接着される。
また、樹脂突起部35bを備えることから、樹脂封止部35は、第2導体層22に対して平行性良く対向することが可能となり、導線用突起部32bと第2導体層パターン22pとの当接形状(接合形状)、遮蔽線用突起部33bと第2導体層パターン22pとの当接形状(接合形状)を精度良く画定することができる。したがって、信頼性の高い接続とすることができる。
なお、樹脂突起部35bは、導線用突起部32bおよび遮蔽線用突起部33bと同様に第2導体層パターン22pと当接する構成としてあることから、導線用突起部32b、遮蔽線用突起部33bを第2導体層パターン22pに対してより高精度に正対させて位置決めできるという効果を奏する。
工程S15:
図16は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の導通孔形成工程で導通孔を形成した状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
配線相互間を接続するための導通孔40を形成する(導通孔形成工程)。第1導体層パターン12p相互間の接続、第2導体層22(第2導体層パターン22p)相互間の接続、あるいは、第1導体層パターン12pと第2導体層22との間の接続が必要な位置に適宜形成する。
なお、導通孔40は、貫通孔の形態で示しているが、上述した接続対象の位置に応じて、貫通孔以外の形態とすることが可能である。貫通孔とする場合は、例えばNCドリル(数値制御ドリル)を適用して加工することが可能であり、また、積層方向の途中で止まる導通孔とする場合は、例えばレーザー加工を適用して加工することが可能である。
工程S16:
図17は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の導通孔導体形成工程で導通孔に導通孔導体層を形成した状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。なお、断面でのハッチングは図面の見易さを考慮して省略してある。
全面に例えば銅メッキを施して、導通孔40に対して導通孔導体層41を形成する(導通孔導体層形成工程)。導通孔導体層41により、必要に応じた各層間での接続が可能となる。
工程S17:
図18は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の導通孔導体層形成工程で導通孔に導通孔導体層を形成した状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
導通孔導体層41および第2導体層22をパターニングして第2導体層パターン22pを形成する。つまり、第2導体層22をパターニングし導線用突起部32bに当接した第2導体層パターン22pを形成する(第2導体層パターン形成工程)。パターニングは、周知の技術を適用して行なうことが可能である。また、図示しない他の部分に対しても適宜のパターニングを行なう(図21参照。部品接続端子22ptおよび周辺配線パターンなど。)。
第2導体層パターン形成工程で、導線用突起部32bと同様に、遮蔽線用突起部33bに当接した第2導体層パターン22pを形成する。これにより遮蔽線31sを第2導体層パターン22pで構成される接地電位位置へ接続することが可能となる。
導線用突起部32b、遮蔽線用突起部33bと同様に、樹脂突起部35bに対応させて第2導体層パターン22pを形成する。第2導体層パターン22pの配置を均等化させて配線基板としての安定性を図ることが可能となる。また、樹脂突起部35bに対応させた第2導体層パターン22pは、寄生容量を低減するように小さく限定されたパターンとしておくことが望ましい。
工程S18:
図19は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法のソルダーレジスト形成工程で第2配線基板の表面にソルダーレジストを形成した状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
第2配線基板20の表面にソルダーレジスト層(例えばフォトソルダーレジスト層)を塗布し、適宜パターニングすることにより接続開口部43(図21参照。)を形成する(ソルダーレジスト形成工程)。また、外形形成工程(工程S20参照。)で除去する不要領域1mでも除去を容易にするためにソルダーレジスト層を除去しておく。
工程S19:
ソルダーレジスト42を形成した後、接続開口部43に露出する第2導体層22(第2導体層パターン22pとして形成される部品接続端子22pt)の表面に防錆処理を施す。防錆処理は、例えば水溶性フラックスを適用して行なうことが可能である。
工程S20:
図20は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板製造方法の外形形成工程で電線複合プリント配線基板を形成した状態を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面の端面を示す端面図である。
第1配線基板10および第2配線基板20の外形を形成する(外形形成工程)。この工程により、最終形状を有する電線複合プリント配線基板1が完成する。外形形成加工は、例えばNCルーターを適用して行なうことが可能である。
工程S21:
完成した電線複合プリント配線基板1に対して検査を行なう(検査工程)。検査の種類としては、例えば電気検査や外観検査などがある。
図21は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板の実際のレイアウト例を示す平面図である。
本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板1は、第2導体層パターン22pのレイアウトとして、部品を実装するための部品接続端子22pt(接続開口部43)を有する。なお、2点鎖線で示す中央部(樹脂封止部35および周辺領域)が図12ないし図20で説明した領域(電線複合プリント配線基板1の要部)に対応する。
上述したとおり、本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板1は、第1絶縁基材11および第1導体層パターン12pを有する第1配線基板10と、第1配線基板10に並置された電線部品30と、第1配線基板10に積層された第2絶縁基材20および電線部品30に接続された第2導体層パターン22pを有する第2配線基板20とを備えた電線複合プリント配線基板1であって、電線部品30は、導線31cおよび導線31cを絶縁する被覆部31hを有する電線31と、導線31cに接続された導線用台座部32sおよび導線用台座部32sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する導線用突起部32bを有する導線用接合子32とを備える。
したがって、導線31c(電線部品30)と第2導体層パターン22pとを容易かつ強固に接続できることから、自由な立体配置が可能で信号伝送を確実に行なえ、電線部品30と第2導体層パターン22pとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板1とすることができる。
また、本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板1では、電線部品30は、被覆部31hの外周に配設された遮蔽線31sおよび遮蔽線31sを被覆する外装被覆部31fを有する電線31と、遮蔽線31sに接続された遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用台座部33sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する遮蔽線用突起部33bを有する遮蔽線用接合子33とを備える。
したがって、遮蔽線31sと第2導体層パターン22pとを容易かつ確実に接続できることから、電線部品30(遮蔽線31s)と第2導体層パターン22pとの接続の信頼性を向上させて遮蔽特性を向上させ、優れた高周波特性を有する電線部品30を備えた電線複合プリント配線基板1とすることができる。
上述したとおり、本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板製造方法は、電線部品準備工程と、電線部品嵌合用開口部形成工程と、電線積層防止用開口部形成工程と、電線部品組込工程と、第2配線基板積層工程と、第2導体層パターン形成工程と、外形形成工程とを備える。
したがって、導線31cに接続された導線用接合子32(導線用突起部32b)を第2導体層パターン22pに容易かつ高精度に当接できることから、電線部品30(導線31c)と第2導体層パターン22pとを容易かつ高精度に接続し、小型化、薄型化および自由な立体配置が可能で、信号伝送を確実に行なえ、電線部品30と第2導体層パターン22pとの接続の信頼性が高い電線複合プリント配線基板1を生産性良く製造することが可能となる。
また、本実施の形態に係る電線複合プリント配線基板製造方法では、電線部品30は、被覆部31hの外周に配設された遮蔽線31sおよび遮蔽線31sを被覆する外装被覆部31fを有する電線31と、遮蔽線31sに接続された遮蔽線用台座部33sおよび遮蔽線用台座部33sと一体に形成され第2絶縁基材21を貫通して第2導体層パターン22pに当接する遮蔽線用突起部33bを有する遮蔽線用接合子33とを備えてあり、電線部品準備工程で、遮蔽線用台座部33sを遮蔽線31sに接続し、第2配線基板積層工程で、遮蔽線用突起部33bは第2絶縁基材21を貫通して第2導体層22に当接され、第2導体層パターン形成工程で、遮蔽線用突起部33bに当接した第2導体層パターン22pを形成する。
したがって、遮蔽線31sと第2導体層パターン22pとを容易かつ高精度に接続できることから、電線部品30(遮蔽線31s)と第2導体層パターン22pとの接続の信頼性を向上させて遮蔽特性を向上させ、優れた高周波特性を有する電線部品30を備えた電線複合プリント配線基板1を生産性良く製造することが可能となる。
図22は、本発明の実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板を製造するときに適用するワーク例を示す平面図である。
図21で完成品として示した電線複合プリント配線基板1は、実際の製造工程では、ワーク50に複数個(例えば8個)配置され、同時に8個の電線複合プリント配線基板1を製造することが可能な構成としてある。
ワーク50は、例えば500mm×400mmの外形としてあり、加工ガイド51、ピンラミネーションガイド52を備える。加工ガイド51、ピンラミネーションガイド52は、例えばワーク50の4隅に配置してある。加工ガイド51、ピンラミネーションガイド52により、工程S10ないしS21での位置合わせ作業などを高精度かつ効率的に行なえる構成としてある。
<実施の形態4>
本実施の形態に係る電子機器(不図示)は、実施の形態3に係る電線複合プリント配線基板1を搭載した電子機器としてある。つまり、電線部品30を接続された電線複合プリント配線基板1を搭載した電子機器としてある。
電線複合プリント配線基板1の小型化、薄型化、および、筐体の形状に応じた自由な立体配置が可能であることから、筐体形状を小型化、薄型化して所望の形状とすることが可能で接続の信頼性が高い電子機器とすることが可能となる。
なお、電子機器としては、高周波での優れた電気特性と小型軽量化が求められている携帯電話などの通信端末がある。