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JP2008191645A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents

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JP2008191645A JP2007288141A JP2007288141A JP2008191645A JP 2008191645 A JP2008191645 A JP 2008191645A JP 2007288141 A JP2007288141 A JP 2007288141A JP 2007288141 A JP2007288141 A JP 2007288141A JP 2008191645 A JP2008191645 A JP 2008191645A
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Abstract

【課題】一対の基板間に設けた表示画素による横電界に基づいた画像表示を同じ基板間に設けた視角制御画素によって視角制御する液晶装置において、電極及び配線構造を簡単化し、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくする。
【解決手段】互いに対向する第1基板としての素子基板8及び第2基板としてのカラーフィルタ基板9と、第1基板と第2基板との間に設けられた液晶層と、第1基板及び第2基板の平面領域内に配列されて表示領域を構成する複数の表示画素Paと複数の視角制御画素Pbとを有する液晶装置である。表示画素Pa及び視角制御画素Pbは、それぞれ第1基板上に設けられた第1電極(31,51)と第2電極(22,42)との間で生じる電界によって液晶層を駆動しており、視角制御画素Pbでは、第1電極(51)と第2電極(42)との間で生じる電界の平面方向と液晶層の液晶分子14aの初期配向方向が略平行である。
【選択図】図2

Description

本発明は、広視角の視認状態と狭視角の視認状態とを切替える視角制御機能を備えた液晶装置及び電子機器に関する。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機、コンピュータディスプレイ等といった電子機器に液晶装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種情報を画像として表示するために液晶装置が用いられている。この液晶装置に関しては、広い視角特性が求められることもあるし、狭い視角特性が求められることもある。
液晶装置の表示を多くの人が多方向から見る場合には広い視角特性が求められる。他方、一人の使用者が表示を見ているときに他人には覗かれたくない場合、例えば大勢の人が居る中で携帯電話機の表示を見る場合には狭い視角特性が求められる。この要求に答えるため、従来、視角が広い状態と狭い状態とを切替えて使用できる液晶装置が提案されている。
例えば、液晶装置等といった表示素子に液晶パネルから成る視角制御素子を付加的に設けた液晶装置が知られている(例えば特許文献1から特許文献5参照)。これらの液晶装置では視角制御素子を傾いた方向(すなわち極角度の大きい方向)から見たときに表示を暗くすることにより狭視角性を達成するものである。また、広視角と狭視角とを切替えるための技術として、従来、バックライト内に光拡散性又は光指向性の異なる2種類の光源を設け、それらの光源の切替えによって広視角と狭視角とを切替えるものが知られている。
さらに、最近では、IPS(In-Plain Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードに代表される横電界型の動作モードを有する液晶装置の液晶パネルの表示画素内に、縦電界によって駆動される視角制御画素を組み込んだ構成の液晶装置が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2004−361917号公報(第8〜9頁、図10) 特開2005−275342号公報(第10〜11頁、図12) 特開2006−064882号公報(第10〜11頁、図1) 特開2006−072239号公報(第10〜11頁、図1) 特開2006−106439号公報(第7〜8頁、図1) H.S. Jin et al. 「Novel Viewing-Angle Controllable TFT-LCD」、SID(Society for Information Display)06 DIGEST P-139
非特許文献1に開示された液晶装置では、視角制御画素をオン状態とオフ状態とで切替えることにより、横電界モードで行われる画像表示を狭視角に制限したり、広視角のままで表示したりするという視角制御が行われる。この視角制御は、表示用の液晶パネル以外に視角補償用の液晶パネルを付加する必要がなく、1枚の液晶パネルだけで視角補償ができるという長所を有している。しかしながら、上記の非特許文献1では、視角制御画素内で縦電界を形成させるために互いに対向する一対の基板のそれぞれに電極を設ける必要があり、一対の基板に関して電極構造及び配線構造が複雑であるという問題があった。また、一対の基板を貼り付ける際に組みズレの発生を厳しく規制しなければならないという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、一対の基板間に設けた表示画素によって横電界に基づいて画像表示を行うと共に同じ基板間に設けた視角制御画素によって視角制御を行う構造の液晶装置及び電子機器において、一対の基板における電極構造及び配線構造を簡単化でき、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくできる液晶装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の液晶装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、前記第1基板及び前記第2基板の平面領域内に配列されて表示領域を構成する複数の表示画素と複数の視角制御画素とを有し、前記表示画素及び前記視角制御画素は、それぞれ前記第1基板上に設けられた第1電極と第2電極との間で生じる電界によって前記液晶層を駆動しており、前記視角制御画素では、前記第1電極と前記第2電極との間で生じる前記第1基板の表面に平行な電界の方向に前記液晶層の液晶分子の初期配向方向が沿っていることを特徴とする。
本発明によれば、表示画素において、共通の基板である第1基板上に設けられた第1電極と第2電極との間で生じる電界、いわゆる横電界によって液晶層を駆動する。例えば、オフ電圧印加時には黒表示(すなわち暗い表示)で、オン電圧印加時には白表示(すなわち明るい表示)とすることができる。そして、所望の表示画素にオン電圧を印加することにより所望の画像を表示できる。オン電圧印加時における白表示は、横電界に基づいた液晶分子の配向制御によるものなので、広い視角特性を有している。すなわち、正面から見た場合及び斜めに大きく傾いた方向(すなわち極角度の大きい方向)から見た場合でも白表示を視認できる。
一方、視角制御画素においては、液晶分子の初期配向方向が第1電極と第2電極との間で生じる第1基板の表面に平行な電界の方向に対して沿って設定されている、言い換えれば視角制御画素では、液晶層の液晶分子の初期配向方向と電極線状部の延在方向が交差しているので、オフ電圧印加時には正面方向あるいは極角度の大きい斜め方向から見ても黒表示である。他方、オン電圧印加時には正面方向から見ると黒表示のままであり、斜め方向から見ると特定の極角度位置において白表示となる表示特性が得られる。これは、視角制御画素をオン電圧印加状態にすれば、液晶分子が基板に対して略平行方向ではなくて基板間で垂直方向に配向変化するためであると考えられる。
以上のことから、複数の表示画素に走査信号及びデータ信号を印加して画像表示を行っている最中に、視角制御画素にオフ電圧を印加しておけば、表示画素による広視角表示を実現できる。一方、表示画素によって横電界モードに基づいた広視角表示を行っている最中に視角制御画素にオン電圧を印加すれば、正面方向では表示画素による画像表示を何等の規制なしに視認できるが、視角制御画素によって白表示が行われる特定の斜め方向位置においては視角制御画素によって白表示が行われるために、表示画素によって行われる表示のコントラストが低下し、画像表示を視認できなくなる。こうして、正面から画像表示を視認でき、横方向からは画像表示を視認できない、という狭視角表示を実現できる。この視角制御画素に印加する電圧を制御すれば、斜め方向位置における白表示を制御することが出来るため斜め方向の視角の度合いを調整することも可能となる。
以上のように、本発明によれば、視角制御画素への電圧印加をオフ状態とオン状態との間で切替えまたは制御することにより、表示領域における表示形態を広視角表示と狭視角表示とで切替えることができる。このような視角制御は、一対の基板間に設けた表示画素と視角制御画素との動作によって得られるもの、すなわち1つの液晶パネルによって得られるものであるので、複数の液晶パネルを用いて視角制御する従来の液晶装置に比べて、液晶装置及びそれを用いた電子機器の全体の厚さを薄く維持したままで、それらに視角制御の機能を持たせることができる。
また、本発明によれば、視角制御画素も表示画素と同様に横電界型の電極構造、すなわち1つの基板に一対の電極を設ける構造であり、一対の基板の両方に電極を設ける構造ではないので、一対の基板における電極構造及び配線構造を簡単化でき、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくでき、それ故、不良の液晶装置が製造されることを大幅に低減できる。
次に、本発明に係る液晶装置において、表示画素の保持容量と視角制御画素の保持容量は互いに等しいことが望ましい。この構成は、例えば、共通電極と画素電極とが平面的に重なる面積を表示画素と視角制御画素とで同一にすることで達成できる。この構成により、表示画素と視角制御画素のインピーダンスを等しくでき、両画素の駆動制御を行い易くできる。
次に、本発明に係る液晶装置において、液晶層を構成する液晶は正の誘電率異方性を有する液晶であり、表示画素の第1電極と第2電極のいずれか一方は、間隙を有して平行に配列した複数の電極線状部を有しており、該電極線状部の延在方向は表示画素の長手方向に対して傾斜角度0°〜±45°の範囲内にあることを特徴とする。本発明態様は、液晶としてポジ液晶を用いた場合に、画素電極の電極線状部(従ってそれに隣接する溝状の間隙)が表示画素の長手方向に延びる形状、いわゆる縦ストライプ形状であることを規定している。
表示画素の長手方向は、例えば表示領域の縦方向であり、あるいは、表示領域に表示される画像に関して上下方向となる方向である。表示領域を構成する画素は一般には長方形状であるが、表示領域の縦方向は一般的には画素の長手方向に一致する。また、表示領域は、通常、走査信号が付与される画素列方向である走査方向とそれに直交する副走査方向の両方向に行列状に並べられた複数の画素(ここではサブ画素)によって形成されるが、表示画素の長手方向は、一般的には、走査方向に直交する副走査方向と同じ方向である。
次に、本発明に係る液晶装置において、液晶分子の初期配向方向は表示画素内において電極線状部の延在方向に対して0°〜15°であることが望ましい。この構成により、表示画素内において第1電極と第2電極との間に印加する電圧の制御によって液晶分子を正確に駆動することができる。
次に、本発明に係る液晶装置において、表示画素内には所定色の着色膜が設けられ、視角制御画素には着色膜は設けられないことが望ましい。表示画素内に着色膜を設ければ、表示画素を用いた横電界モードの制御によりカラーの画像表示を行うことができる。視角制御画素内に着色膜を設けないことにより、視角制御画素をオン状態にしたときに極角度の大きい横斜め方向から表示領域を見たときに色表示されていない明るい表示を視認できる。このことは、狭視角表示時に斜め方向から見た表示画素の画層表示のコントラストを低下させることに関して好都合である。
次に、着色膜を用いることにした本発明に係る液晶装置において、複数の表示画素は複数の色のサブ画素の集まりによって1画素を構成し、その1画素が複数並べられて表示領域が構成され、視角制御画素は表示画素の1画素ごとに1つずつ設けられることが望ましい。この構成は表示画素の数に対して視角制御画素の数が比較的多い構成であり、この構成は、表示画素によって形成される画像が明るい場合、例えばNTSC比が小さかったり、解像度が低い場合に有効な構成である。
次に、着色膜を用いることにした本発明に係る液晶装置において、複数の表示画素は複数の色の画素の集まりによって1つのセットを構成し、そのセットが複数並べられて表示領域が構成され、視角制御画素は表示画素の2以上のセットに対して1つずつ設けられることが望ましい。この構成は表示画素の数に対して視角制御画素の数が少ない構成であり、この構成は、表示画素によって形成される画像が暗い場合、例えばNTSC比が大きかったり、解像度が高精細の場合に有効な構成である。
次に、着色膜を用いることにした本発明に係る液晶装置において、表示画素の1画素は複数の色の着色膜を個々に有するサブ画素から成り、それらのサブ画素は表示画素の長手方向としての第1方向に同色が並びそれと直角な第2方向に異色が並ぶストライプ配列で並べられ、視角制御画素は、表示画素の1画素とそれに前記第2方向で隣接する他の1画素との間に設けられることが望ましい。この構成によれば、複数の表示画素及び複数の視角制御画素の配列構造を簡単にすることができる。また、複数の表示画素の個々に視角制御画素を付属させる構成に比べて開口率を高く維持できる。
なお、複数の色、R(赤)、G(緑)、B(青色)等の着色領域は、波長に応じて色相が変化する可視光量域(380nm〜780nm)のうち、「R」は赤系の色相の着色領域、「G」は緑系の色相の着色領域、「B」は青系の色相の着色領域から成る領域である。例えば、「B」は波長のピークが415nm〜500nm、「G」は波長のピークが485nm〜535nm、「R」は波長のピークが600nm以上、のそれぞれの領域にある着色領域である。もちろん、本発明は着色領域を限定するものではないので、必要に応じて、その他の任意の波長領域を選定できるのはもちろんであり、必要に応じR、G、B以外のY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、(EG)エメラルドグリーンの着色膜を組み合わせてもよい。
次に、着色膜を用いることにした本発明に係る液晶装置において、表示画素の1画素はR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の着色膜を個々に有するサブ画素から成り、前記3色のうちの2色のサブ画素が前記表示画素の長手方向に互いに隣接して並び、前記3色のうちの残りの1色のサブ画素が前記2色のサブ画素のうちのいずれか一方に対して前記長手方向に直交する方向に隣接して並び、前記視角制御画素が前記残りの1色のサブ画素に対して前記長手方向で隣接して並ぶことが望ましい。この構成によれば、視角制御画素がR、G、Bのそれぞれの表示画素に隣接する位置にあるので、R、G、B3つの表示画素によって形成される1画素に対して1つの視角制御画素しか設けられない構成であるにもかかわらず、3つの表示画素によって成される表示を視角制御画素によって効率良く視角制御できる。
次に、本発明に係る液晶装置において、表示画素の合計の1画素の面積は視角制御画素の合計の面積よりも大きいことが望ましい。この構成によれば、十分な視角制限効果を発揮しながら、表示画素による画像表示を明るくすることができる。
次に、本発明に係る液晶装置において、表示画素内の第1電極及び第2電極はそれぞれ、互いに間隙を有して平行に配列した複数の電極線状部を有しており、第1電極の電極線状部と第2電極の電極線状部の互いに対向する端辺間の距離をD0とし、液晶層の層厚をD1とするとき、D1>D0であることが望ましい。この構成は、横電界を形成する第1電極と第2電極の双方が電極線状部を有する構成であって、それらの電極間の間隔が液晶層の層厚よりも小さく設定されることを規定するものである。この構成は、横電界モードのうちのFFSモードを規定するものである。FFSモードの液晶装置は、IPSモードの液晶装置とは違って、第1電極及び第2電極の直上領域にも電界を形成することができるので、明るくて鮮明な画像を表示することができる。
次に、本発明に係る液晶装置において、表示画素内の第1電極は互いに間隙を有して平行に配列した複数の電極線状部を有し、表示画素内の第2電極は間隙を持たない面状電極であることが望ましい。この構成は、横電界を形成する第1電極と第2電極の一方が電極線状部を有するストライプ状の電極であり、他方が面状(いわゆるベタ状)の電極であることを規定するものである。この構成は、別の見方をとれば、第1電極の電極線状部と第2電極の電極線状部との間隔が0(ゼロ)である電極構造であると考えることもできる。この構成においても、第1電極と第2電極の間隔が液晶層の層厚よりも小さく設定されるものであり、この構成は、横電界モードのうちのFFSモードを規定するものである。FFSモードの液晶装置は、IPSモードの液晶装置とは違って、第1電極及び第2電極の直上領域にも電界を形成することができるので、明るくて鮮明な画像を表示することができる。
次に、本発明に係る液晶装置において、第1基板は第1偏光板を有し、第2基板は第2偏光板を有し、第1基板と第2基板の液晶配向方向は逆平行、いわゆるアンチパラレルであり、第1偏光板の透過軸と第2偏光板の透過軸は互いに直角であり、第1偏光板の透過軸又は第2偏光板の透過軸は液晶配向方向と平行であることが望ましい。この発明態様は、本発明で用いる偏光板と液晶配向方向との光軸関係を規定するものである。光軸関係を本発明態様のように規定することにより、正確な視角制御を行うことができる。
次に、本発明に係る第2の液晶装置は、表示画素内には所定色の着色膜が設けられ、視角制御画素内には視角制御画素に隣接する表示画素の1画素内の着色膜と同色で濃度の低い着色膜が設けられることを特徴とする。
この第2の液晶装置が上記第1の液晶装置と異なる点は、第1の液晶装置においては「視角制御画素内に着色膜が設けられない」のに対し、第2の液晶装置においては「視角制御画素内に、当該視角制御画素に隣接する表示画素内の着色膜と同色で濃度の低い着色膜が設けられる」ことである。つまり、第1の液晶装置では視角制御画素内に着色膜が設けられないが、第2の液晶装置では視角制御画素内に濃度の低い着色膜が設けられる、ということである。視角制御画素内にも着色膜が設けれれることで、特別に視角制御画素内に白または透明の着色膜を配置しなくて良く製造コスト的に有利となる。また特定の斜め方向位置において視角制御時、視角制御画素により白表示の代わりに着色膜により色表示が行われコントラストの調整が可能となる。カラー画像での表示色に合わせ斜め方向から見た時の色表示を選択可能となる。
次に、本発明に係る第3の液晶装置は、表示画素内には所定色の着色膜が設けられ、視角制御画素内には視角制御画素に隣接する表示画素の1画素内の着色膜と同じ着色膜であって一部に非着色領域を有する着色膜が設けられることを特徴とする。
この第3の液晶装置が上記第2の液晶装置と異なる点は、第2の液晶装置においては「視角制御画素内に、当該視角制御画素に隣接する表示画素内の着色膜と同色で濃度の低い着色膜が設けられる」のに対し、第3の液晶装置においては、「視角制御画素内に、当該視角制御画素に隣接する表示画素内の着色膜と同じ特性の着色膜であって一部に非着色領域を有する着色膜が設けられる」ことである。つまり、第2の液晶装置では視角制御画素内に一様な色濃度の着色膜が設けられるのであるが、第3の液晶装置では視角制御画素内に着色膜が抜けている領域があるということである。この構成を取ることにより斜め方向において視角制御時に、視角制御画素により白表示と色表示の調整が可能となり、斜め方向でのコントラストの微調整が可能となる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の液晶装置を有することを特徴とする。本発明に係る液晶装置は、広視角表示と狭視角表示との間で視角制御を行うにあたって、複数枚の液晶パネルを重ねることなく1枚の液晶パネルによってその視角制御を行うことができるので、液晶装置の全体の厚さを薄く維持できる。従って、この液晶装置を用いて構成された本発明の電子機器においても、その電子機器の厚さを厚くすることなしに、視角制御の機能を持たせることができる。
(液晶装置の第1実施形態)
以下、液晶装置の一例として、透過型でカラー表示が可能なアクティブマトリクス方式の液晶装置に本発明を適用した場合を例に挙げて本発明の実施形態を説明する。また、本実施形態では、チャネルエッチ型でシングルゲート構造のポリシリコンTFT素子をスイッチング素子として用いた液晶装置に本発明を適用する。また、本実施形態における液晶装置では、横電界型動作モードの1つであるFFS(Fringe Field Switching)モードを採用するものとする。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、以下の説明で用いる図面では、特徴部分を分かり易く示すために、複数の構成要素の寸法を実際とは異なった比率で示す場合がある。
図1は本発明に係る液晶装置の一実施形態を示している。図1において、液晶装置1は、液晶パネル2と照明装置3とを有する。この液晶装置1に関しては、矢印Aが描かれた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置されてバックライトとして機能する。照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)4と、透光性の樹脂によって形成された導光体5とを有する。LED4から出射した光は導光体5の光入射面5aから導光体5の内部へ取り込まれ、光出射面5bから面状の光となって液晶パネル2へ供給される。照明装置3は、LED4のような点状光源を用いたものでなく、冷陰極管のような線状光源を用いたものでも良い。
液晶パネル2は、矢印A方向から見て長方形又は正方形で環状(すなわち枠状)のシール材7によって互いに貼り合わされた第1基板としての素子基板8及び第2基板としてのカラーフィルタ基板9を有する。素子基板8はスイッチング素子が形成される素子基板である。カラーフィルタ基板9はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板である。本実施形態では、観察側にカラーフィルタ基板9が配置され、観察側から見て背面に素子基板8が配置される。シール材7は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性の樹脂、例えばエポキシ系樹脂によって形成されており、例えばスクリーン印刷によって所望の環状に形成されている。
液晶パネル2の内部であってシール材7に囲まれた領域内において、複数の互いに平行な走査線11が行方向Xへ延びて設けられている。また、複数の互いに平行な信号線12が列方向Yへ延びて設けられている。複数の走査線11と複数の信号線12とによって囲まれる複数のドット状(すなわち島状)の領域が矢印A方向から見て行列状(いわゆるマトリクス状)に並んでいる。そして、これらの各領域内にサブ画素Pが設けられる。これらのサブ画素Pが行列状に並ぶことによって表示領域Vが形成されている。なお、図1ではサブ画素Pを実際のものよりも拡大して模式的に示している。行方向X及び列方向Yは、それぞれ、観察者が液晶パネル2の画像表示を見たときに横方向及び縦方向となる方向である。
サブ画素Pは明表示(白表示)及び暗表示(黒表示)のスイッチングの単位となる領域であり、このサブ画素Pが複数集まって表示の単位となる1画素(以下、画素セット又はセットということがある)が形成される。例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各1色に対応してサブ画素Pが形成され、R、G、Bの3色の個々に対応する3つのサブ画素Pが集まって1画素が形成される。また、R、G、Bの3色に他の1色(例えば、青緑)を加えた4色のサブ画素Pが集まって1画素が形成されることもある。本実施形態では、R、G、Bの3色のサブ画素によって1画素が形成されるものとする。
なお、本実施形態では、R、G、Bの各色に対応するサブ画素Pの集まりから成る画素セットによって所望の画像を表示し、その画素セットに他のサブ画素Pを付随して設け、その付随するサブ画素Pによって視角制御を行うことにする。本明細書では、画素セットを構成する3つのサブ画素Pを個々に「表示画素Pa」と呼び、視角制御を行うための追加のサブ画素Pを「視角制御画素Pb」と呼ぶことにする。視角制御とは、液晶パネル2(図1参照)を正面から見た場合に広視角(視野角が広い状態)を実現し、液晶パネル2を斜めに傾いた方向から見た場合に狭視角(視野角が狭い状態)を実現するための制御である。
図2は、図1の素子基板8上の1画素(画素セット)近傍の平面構造を矢印A方向から見た状態を示している。図3は、図1に示すカラーフィルタ基板9の1つの画素セット近傍の平面構造を矢印A方向から見た状態を示している。図4は、図2及び図3におけるZ4−Z4線に従った1つのサブ画素P(特に表示画素Pa)の断面構造を示している。図5は、図2及び図3におけるZ5−Z5線に従った1つのサブ画素P(特に視角制御画素Pb)の断面構造を示している。図6は、図2及び図3におけるZ6−Z6線に従って1つの画素セット及び1つの視角制御画素の行方向Xに沿った断面構造を示している。
図1において、素子基板8とカラーフィルタ基板9との間には所定厚さの間隙、いわゆるセルギャップが形成されている。このセルギャップの厚さは、シール材7の中に含まれているギャップ材と、素子基板8又はカラーフィルタ基板9の表面に置かれたスペーサ(図示せず)とによって維持される。スペーサは球状部材を素子基板8又はカラーフィルタ基板9上に分散して形成しても良いし、フォトリソグラフィ処理によって素子基板8又はカラーフィルタ基板9上に形成しても良い。このようにして形成されるセルギャップが図4において符号Gで示されている。このセルギャップGの中に液晶が注入されて液晶層14が形成されている。本実施形態では、液晶として正の誘電率異方性(Δε>0)を持つネマチック液晶を用いるものとする。符号14aは液晶内に含まれる液晶分子14aを模式的に示している。本実施形態では、液晶分子14aの初期配向は素子基板8及びカラーフィルタ基板9に対して平行に設定されている。なお、ここでいう平行とは、液晶分子が基板に対して所定のプレチルト角を持っている場合も含む意味である。
素子基板8は矢印A方向から見て長方形又は正方形の第1透光性基板15を有する。この第1透光性基板15は、例えば透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成されている。第1透光性基板15の外側表面には第1偏光板16(図1参照)が貼り付けられている。一方、カラーフィルタ基板9は矢印A方向から見て長方形又は正方形の第2透光性基板17を有する。この第2透光性基板17は、例えば透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成されている。第2透光性基板17の外側表面には第2偏光板18(図1参照)が貼り付けられている。
次に、第1透光性基板15及び第2透光性基板17のそれぞれの内側表面(液晶側表面)に形成される膜要素を説明するが、本実施形態ではその膜構成が図2及び図3の表示画素Paと視角制御画素Pbとで異なっている。以下、それらのサブ画素ごとに膜要素を説明する。
(表示画素Pa内の素子基板8上の構成)
まず、図2、図4、図6を用いて素子基板8に関する表示画素Pa内の第1透光性基板15上の膜構成について説明する。図4において第1透光性基板15の内側表面(すなわち液晶側表面)に、ゲート線20及び共通線21が設けられている。ゲート線20は、図2に示すように、複数本が互いに平行に行方向Xに延びて形成されている。共通線21は、複数本がゲート線20と平行に行方向Xに延びて形成されている。ゲート線20は、図1の走査線11として機能する。
互いに隣り合うゲート線20の間の第1透光性基板15上に、図7に示すように、略長方形状で面状(いわゆるベタ状)の第2電極としての共通電極22が各表示画素Paごとに1つずつ設けられている。この共通電極22は図4に示すようにその一部分が共通線21の上に重なった状態に形成されており、これにより、各共通電極22と共通線21との電気的な導通がとられている。
ゲート線20、共通線21及び共通電極22の上に、これらを被覆する面状の樹脂膜であるゲート絶縁膜23が形成され、その上にソース線24が列方向Yに延びて形成されている。ソース線24は、図1の信号線12として機能する。図2において、ゲート線20とソース線24とによって囲まれる長方形状の領域がサブ画素Pとしての表示画素Paの領域である。本実施形態ではR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色によってカラー表示を行うものとしており、表示画素Paは個々の色に対応した単位画素であり、行方向Xに並ぶそれら3つの色に対応する3つの表示画素Paの集まりによって表示の単位である1画素(画素セット)が構成される。図2において、符号(R)、(G)、(B)はそれぞれ赤色の表示画素Pa、緑色の表示画素Pa、青色の表示画素Paが列方向に一列に並べられることを示している。
図2において、ゲート線20とソース線24との交差部分の近傍に、スイッチング素子として機能するアクティブ素子であるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子26が設けられている。TFT素子26は、ボトムゲート構造及びシングルゲート構造のチャネルエッチ型のポリシリコンTFTとして形成されている。このTFT素子26は、図4において、ゲート線20の一部分であるゲート電極20aと、ゲート絶縁膜23と、ポリシリコンを用いて形成された半導体膜27と、ソース電極28と、そしてドレイン電極29とを有する。ソース電極28及びドレイン電極29は、スイッチング素子としてのTFT素子26の電極端子である。ソース電極28は、図7に示すように、ソース線24から分岐して形成されている。本実施形態のTFT素子26はボトムゲート構造であるが、これをトップゲート構造とすることもできる。
図4において、TFT素子26及びソース線24を被覆するための面状の樹脂膜である保護膜としてのパシベーション膜30がゲート絶縁膜23の上に設けられている。パシベーション膜30は、例えば感光性樹脂によって形成されている。パシベーション膜30の上に第1電極としての画素電極31が設けられ、その上に配向膜32が設けられている。図2では配向膜32の図示を省略している。図4において、TFT素子26のドレイン電極29の上部領域においてパシベーション膜30の内部にスルーホール33が形成され、このスルーホール33を介して画素電極31とドレイン電極29とが導電接続されている。
本実施形態では、図7においてソース線24が信号線であってその信号線からTFT素子26のソース電極28が延びており、TFT素子26のドレイン電極29が画素電極31に接続される構成となっている。これに代えて、ソース線24につながる電極がドレイン電極であり、画素電極31につながる電極がソース電極であるとすることもできる。
図4において、第2電極としての共通電極22及び第1電極としての画素電極31は、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ酸化物)等といった透光性の金属酸化物によって形成されている。パシベーション膜30及びゲート絶縁膜23は、それぞれ、共通電極22と画素電極31との間に設けられた層間絶縁膜として機能すると共に、他の要素を被覆するための樹脂膜であるオーバーコート層として機能する。パシベーション膜30及びゲート絶縁膜23は、例えばアクリル系樹脂、SiN(窒化シリコン)、又はSiO2(酸化シリコン)によって形成されている。配向膜32は、例えばポリイミドによって形成されている。
画素電極31は、図7に示すように、サブ画素としての表示画素Paに対応して長方形状の平面形状に形成されており、その内部に斜めに傾斜した複数のスリット、すなわち間隙35を有している。間隙35は画素電極31を貫通する溝状の開口であり、当該間隙35を通して画素電極31の下層であるパシベーション膜30を見ることができる。また、複数の間隙35は、行方向Xに沿って上端が右側へ傾斜した状態で、列方向Yに沿って互いに間隔を空けて平行に設けられている。これらの間隙35の間に帯状の電極線状部31aが形成されている。本明細書の図面に示す間隙35及び電極線状部31aは模式的に描かれており、それらの実際の数は図示のものと異なることもある。
間隙35及び電極線状部31aは列方向Yに延びており、従って、間隙35及び電極線状部31aと列方向Y(すなわち表示領域の縦方向、又は上下方向、又はソース線24)との成す角度は0°〜±45°の範囲内である。
本実施形態では間隙35の両短辺が閉じた状態となっているが、間隙35の両短辺の一方は開放状態とすることができる。この開放状態の場合には、複数の電極線状部31aのそれぞれは片持ち梁の状態となり、全体的には櫛歯形状となる。また、間隙35の両短辺を開放状態とすることもできる。以上のように本実施形態では、表示画素Paにおいて1つの基板である素子基板8上に一対の電極である共通電極22及び画素電極31の両電極が設けられており、両電極間に所定の電圧を印加することにより素子基板8の表面に平行な電界、いわゆる横電界が形成され、この横電界によって液晶層14内の液晶分子14aの配向が横面内で制御される。
図8(a)及び図8(b)は図6に示した画素電極31及び共通電極22から成る電極構造の変形例を示している。図6に示す本実施形態では共通電極22が面状電極として形成されていたが、図8(a)及び図8(b)では共通電極22が画素電極31と同様に電極線状部22aと間隙35との組み合わせによってストライプ状に構成されている。図8(a)及び図8(b)に示す変形例では共に、共通電極22の電極線状部22aが矢印A方向から平面視で画素電極31の電極線状部31aの間に設けられており、特に、図8(a)では両電極線状部31a,22aが電極間隔D0だけ隔たって設けられており、図8(b)では両電極線状部31a,22aの電極間隔D0がD0=0(ゼロ)となっている。図6に示す本実施形態の場合は、共通電極22が面状電極であって画素電極31に平面視でオーバーラップして(すなわち重なって)いるので、結果的に電極間隔D0=0(ゼロ)となっている。
横電界型の動作モードとしてIPS及びFFSの各モードがあることは知られているが、本発明では、FFSモードを実現するための横斜め電界(すなわち放物線状電界)を形成できるようにするため、図8(a)に示す電極間隔D0が液晶層14の液晶層厚D1よりも小さく、すなわちD1>D0に設定される。特に本実施形態では、図6に示すように共通電極22が第1透光性基板15上のサブ画素P(表示画素Pa)領域内に面状(いわゆるベタ状)に設けられており、それ故、D0=0(ゼロ)の状態となっている。なお、図8(a)において、電極間隔D0を液晶層厚D1よりも大きく、すなわちD1<D0に設定すれば、FFSモードに代えてIPSモードを実現できる。
次に、図7において間隙35及び電極線状部31aから成る画素電極の構成は図示された構成に限られず、例えば、個々の間隙35の傾斜方向を、サブ画素Pの短手方向(すなわち行方向X)の中心を境として行方向Xで対称に配置することもできる。つまり、サブ画素P内の左側半分では上端が右側へ傾斜する状態とし、右側半分では上端が左側へ傾斜する状態とすることができる。
(表示画素Pa内のカラーフィルタ基板9上の構成)
次に、図3、図4、図6を用いてカラーフィルタ基板9に関する表示画素Pa内の第2透光性基板17上の膜構成について説明する。図6において第2透光性基板17の内側表面(すなわち液晶側表面)には、カラーフィルタを構成する着色膜36が形成され、その周囲に遮光膜37が形成されている。個々の着色膜36は矢印A方向から見て図3に示すように、表示画素Pa(サブ画素P)に対応する長方形又は正方形のドット状(すなわち島状)に形成されている。また、着色膜36は複数個が行方向X及び列方向Yにマトリクス状に配列されている。遮光膜37はそれらの着色膜36を囲む格子状に形成されている。
着色膜36の個々はR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の1つを通過させる光学的特性に設定され、それらR、G、Bの着色膜36がストライプ配列で並べられている。本明細書において符号36に添えられた(R)、(G)、(B)の符号は、それぞれ、着色膜の色が赤色、緑色、青色であることを示している。ストライプ配列は、列方向YにR、G、Bの同色が並び、行方向XにR、G、Bが1色ずつ順々に交互に並ぶ配列である。ストライプ配列に代えてその他の配列、例えばモザイク配列、デルタ配列で各色の着色膜36を並べることもできる。なお、着色膜36の光学的特性は、R、G、Bの3色に限られず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色とすることもでき、あるいは、その他の4色以上とすることもできる。遮光膜37は異なる色の着色膜36を2色又は3色重ねることによって樹脂膜として形成されている。しかし、遮光膜37はCr等といった金属膜によって形成することもできる。
図4及び図6において、着色膜36及び遮光膜37の上にオーバーコート層38が形成され、その上に配向膜39が形成されている。オーバーコート層38は、着色膜36及び遮光膜37を覆って面状(ベタ状)に設けられる層である。着色膜36は、例えば、感光性樹脂材料に顔料や染料を混合することによって形成されている。オーバーコート層38は、例えばアクリル系樹脂によって形成されている。配向膜39はポリイミドによって形成されている。オーバーコート層38は、カラーフィルタの構成材料が液晶に混入することを防止する保護膜及びカラーフィルタの表面を平坦化する平坦化膜として機能する。
図6において、カラーフィルタ基板9側の配向膜39及び素子基板8側の配向膜32に施されるラビング方向は、列方向Yに平行な逆平行(すなわちアンチパラレル)方向である。また、素子基板8側(観察背面側)の第1偏光板16及びカラーフィルタ基板9側(観察側)の第2偏光板18の各透過軸は互いに直角であり、観察側の第2偏光板18の透過軸は、配向膜39,32のラビング方向と平行であり、観察背面側の第1偏光板16の透過軸はラビング方向と直交している。
(表示画素Paの動作)
表示画素Pa内の構成は以上の通りであるので、図1において照明装置3から液晶パネル2へ面状の光が供給されると、図2において紙面奥側から表示画素Paへ光が供給される。表示画素Pa内の共通電極22と画素電極31との間にオフ電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18によって吸収されて外部へ出ることが阻止されて黒表示が行われる。共通電極22と画素電極31との間にオン電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18を透過して外部へ出射して白表示が行われる。
図1の表示領域V内の複数のサブ画素P(特に表示画素Pa)の個々において上記の黒表示及び白表示の制御を行うことにより、表示領域V内に画像が表示される。このとき、1つの画素セット内のR、G、Bの透過光強度を適宜に制御することにより、所望のフルカラー画像を表示できる。本実施形態では、黒表示及び白表示の制御の際に液晶分子14aは横電界に従って基板水平面内においてその配向が制御されるので、TN(Twisted Nematic)型に代表される縦電界方式の場合に液晶分子が基板垂直面内で配向制御されるときに比べて、広い視野角特性を実現できる。つまり、図1において表示領域Vの正面(すなわち極角度=0°又はその近傍)から画像を見る場合はもとより、正面から斜めに大きく傾いた横方向(極角度が大きい方向)から画像を見る場合にも画像を正常に認識できる。
(視角制御画素Pb内の素子基板8上の構成)
次に、図2、図5、図6を用いて素子基板8に関する視角制御画素Pb内の第1透光性基板15上の膜構成について説明する。図5において、視角制御画素Pb内の素子基板8内の第1透光性基板15上に、ゲート線20、共通線21及び第2電極としての共通電極42が形成され、それらの上にゲート絶縁膜23が形成され、その上にTFT素子26のゲート電極20a以外の各要素及びソース線24が形成され、それらの上にパシベーション膜30が形成され、その上に第1電極としての画素電極51が形成され、その上に配向膜32が形成されている。
ゲート線20、共通線21、ゲート絶縁膜23、TFT素子26、ソース線24、パシベーション膜30、そして配向膜32は、図4に示した表示画素Pa内で同一符号によって示した各要素と同じものであり、それらの要素はそれぞれ同じ材料で同じ工程において形成されたものである。また、共通電極42も表示画素Pa内の共通電極22と同じ材料で同じ工程において形成される。なお、表示画素Pa内の共通電極22と視角制御画素Pb内の共通電極42は、必要に応じて、異なる大きさ(すなわち面積)の長方形状に形成しても良い。
図4に示した表示画素Pa内における画素電極31は、図7に示したように、列方向Yに細長い形状の間隙35と、それらの間隙35に対して交互に設けられた電極線状部31aによって形成した。これに対し、本実施形態の画素電極51は、図2に示すように、行方向Xに細長い形状の間隙45と、それらの間隙45に対して交互に設けられた電極線状部51aとによって形成されている。画素電極51は表示画素Pa内の画素電極31と同じ材料により同じ工程で形成されるものであるが、その画素電極51を構成する間隙45及び電極線状部51aは、表示画素Paの画素電極31を構成する間隙35及び電極線状部31aと異なって、列方向Yに配向した液晶分子14aの配向方向に対して略直交する位置関係となっている。つまり、視角制御画素Pb内の画素電極51と共通電極42との間で生じる第1透光性基板の表面に平行な電界の方向に液晶分子14aの初期配向方向が沿っている。ここで沿っているとは電極の製造精度ばらつき、電界の方向ばらつき、その他製造バラツキにより±5°程度の角度バラツキを含む数字であり、視角制御画素Pb内の画素電極51と共通電極42との間で生じる第1透光基板の表面に平行な電界の方向に液晶分子14aの初期配向方向が沿っている場合が視角制御を一番効率良く制御できる角度となり、ここからずれるにしたがって効果が低下し、±15°以上では効果が激減する。
(視角制御画素Pb内のカラーフィルタ基板9上の構成)
次に、図3、図5、図6を用いてカラーフィルタ基板9に関する視角制御画素Pb内の第2透光性基板17上の膜構成について説明する。既述の通り、表示画素Paに関しては第2透光性基板17上に着色膜36を形成し、その上にオーバーコート層38及び配向膜39を形成した。これに対し、視角制御画素Pbに関しては図5及び図6に示すように、着色膜36を形成することなく、第2透光性基板17上に直接にオーバーコート層38を形成している。
(視角制御画素Pbの動作)
以上の通り、視角制御画素Pbにおいては、第2電極としての共通電極42及び第1電極としての画素電極51が1つの基板である素子基板8上に設けられているので、それらの電極間にオン電圧が印加されれば、視角制御画素Pb内には表示画素Pa内と同様に基板間平行方向の電界である横電界が発生する。しかしながら、視角制御画素Pb内に設けられている画素電極51の電極線状部51aは表示画素Pa内に設けられた電極線状部31aとは異なって液晶分子14aの初期配向方向に対して交差して形成されている。言い換えれば視角制御画素Pb内の画素電極51と共通電極42との間で生じる素子基板8の表面に平行な電界の方向に液晶分子14aの初期配向方向が沿っている。従って、視角制御画素Pb内で共通電極42と電極線状部51aの間にオン電圧が印加されると、液晶分子14aの配向は基板間平行方向ではなく、基板間垂直方向に変化する。
視角制御画素Pb内の液晶層14に所定のオフ電圧が印加されたときは、液晶分子が初期状態である横配列の状態を維持し、その視角制御画素Pbは正面(極角度=0°又はその近傍)から見ても、傾いた方向(極角度が大きい方向)から見た場合でも黒表示である。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた画像表示を行えば、正面及び傾いた方向の両方(すなわち広角領域)においてその表示を見ることができる。これにより、広視角表示を実現できる。
一方、視角制御画素Pb内の液晶層14に所定のオン電圧が印加されたときは、共通電極42と電極線状部51aとの間の電界に基づいて液晶分子の配列が基板間垂直方向の縦配列方向に変化し、その視角制御画素Pbは正面から見ると変わらずに黒表示であるが、横側に傾いた方向から見ると視角制御画素Pbを透過した透過光を明るく視認できる。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた画像表示を行えば、正面においてその表示を見ることができる。他方、横側に傾いた方向から見た場合は、表示画素Paそれ自体からの光に変化はないが、視角制御画素Pbからの光が強くなり表示画素Paからの光のコントラストが低下して、表示画素Paからの光(すなわち画像表示)を視認できなくなる。これにより、狭視角表示を実現できる。
従来、画像表示パネルに加えて付加的な視角補償パネルを用いて視角制御を行うことが知られていたが、この従来の液晶装置においては、液晶装置の全体の厚さが厚くなったり、部品コストや製造コストが高くなったりするという問題があった。これに対し、本実施形態の液晶装置1によれば、1枚の液晶パネル2において視角制御画素Pbに対する電圧制御を行うだけで視角制御を行うことができるので、液晶装置1の全体を薄くでき、しかも部品コストや製造コストを低く抑えることができる。特に近年では、携帯電話機に代表されるように電子機器の厚さを薄くすることが強く要望されている。1枚の液晶パネルで視角制御を行うことができるということは、そのような薄型化の要望に大きく貢献するものである。
また、本実施形態によれば、視角制御画素Pbも表示画素Paと同様に横電界型の電極構造、すなわち1つの基板に一対の電極を設ける構造であり、一対の基板の両方に電極を設ける構造ではないので、一対の基板間における電極構造及び配線構造を簡単化でき、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくでき、それ故、不良の液晶装置が製造されることを大幅に低減できる。
本実施形態は、正面から見た場合の表示に比べて斜め方向から見た場合の表示を見え難くする技術の中で、画像表示のコントラストを無くす又は低減することによって斜め方向からの表示を見え難くする技術である。本実施形態では図2及び図3に示すように、R、G、Bの3つの表示画素Paに対して1個の視角制御画素Pbを設ける構造であり、後述する図10及び図11に示すように個々の表示画素Paに対して視角制御画素Pbを設ける構造に比べれば、コントラストを無くすことに関して性能が低下することが考えられる。しかしながら、本実施形態によれば、個々の表示画素Paに対して視角制御画素Pbを設ける構造に比べて、配線が簡単であり、しかも開口率を高く維持できる、という長所を有する。
(変形例)
上記実施形態では図6に示すように表示画素Pa内に着色膜36を設け、視角制御画素Pb内には着色膜36と同層となる膜部材を設けないことにした。この構成に代えて、視角制御画素Pb内に全ての波長の光を透過する膜部材、いわゆる全透過膜を着色膜36と同じ膜厚で設けても良い。
また、上記実施形態では図2及び図3に示すように、R、G、Bの3つの表示画素Pa(すなわち1つの画素セット)に対して1つの視角制御画素Pbを設けた。しかしながら、NTSC比が大きくなったり、解像度が高精細になったりすることにより表示画素Paの明るさが下がる場合には、視角制御画素Pbの合計の面積を小さくすることが可能である。このような場合には、R、G、Bの1つの画素セットに対して1つの視角制御画素Pbを設けるのではなく、R、G、Bの画素セット2つに対して、あるいは2つ以上に対して1つの視角制御画素Pbを設けるだけで十分な視角制御効果を得ることができる。そしてこの場合には、視角制御画素Pbの面積を減らした分だけ開口率を高くすることができ、広角表示において明るい表示を得ることができる。
(液晶装置の第2実施形態)
図9及び図10は本発明に係る液晶装置の第2の実施形態を示している。図9は、図2〜図6を用いて説明した第1実施形態における図2に対応する素子基板の平面図である。図10は、第1実施形態における図3に対応するカラーフィルタ基板の平面図である。本第2実施形態に係る液晶装置の全体的な構成は図1に示した第1実施形態の場合と同じである。
図9におけるZ4−Z4線に従った1つのサブ画素P(特に表示画素Pa)の列方向Yに沿った断面構造は、第1実施形態において図4に示した断面構造と同じである。図9におけるZ5−Z5線に従った1つのサブ画素(特に視角制御画素Pb)の列方向Yに沿った断面構造は、第1実施形態において図5に示した断面構造と同じである。但し、図9における表示画素Pa及び視角制御画素Pbの行方向X及び列方向Yの両方向の長さは、図2における表示画素Pa及び視角制御画素Pbの行方向X及び列方向Yの長さに対して、必要に応じて適宜に異なっている。
図9におけるZ61−Z61線に従ったR、G、Bの3つの表示画素Pa(すなわち1つの画素セット)の行方向Xに沿った断面構造は、第1実施形態において図6に示した断面構造のうちのR、G、Bの3つの表示画素Paの断面構造と同じである。図9におけるZ62−Z62線に従った視角制御画素Pbの行方向Xに沿った断面構造は、第1実施形態において図6に示した断面構造のうちの視角制御画素Pbの断面構造と同じである。
図2〜図6に示した第1実施形態においては、図3に示したように、視角制御画素Pbが表示画素Paの行方向X(すなわち横方向)に隣接して設けられていた。また、視角制御画素PbはR、G、Bの3つの表示画素Pa(すなわち1つの画素セット)に対して1つずつ設けられていた。これに対し本実施形態では、図10に示すように、表示画素Paの列方向Y(すなわち画素の長手方向又は縦方向)に隣接して視角制御画素Pbが設けられている。また、視角制御画素Pbは1つの表示画素Paのそれぞれに対して1つずつ設けられている。
(表示画素Paの動作)
本実施形態においても、図1において照明装置3から液晶パネル2へ面状の光が供給されると、図9において紙面奥側から表示画素Paへ光が供給される。表示画素Pa内の共通電極22と画素電極31との間にオフ電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18によって吸収されて外部へ出ることが阻止されて黒表示が行われる。共通電極22と画素電極31との間にオン電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18を透過して外部へ出射して白表示が行われる。
図1の表示領域V内の複数のサブ画素P(特に表示画素Pa)の個々において上記の黒表示及び白表示の制御を行うことにより、表示領域V内に画像が表示される。このとき、1つの画素セット内のR、G、Bの透過光強度を適宜に制御することにより、所望のフルカラー画像を表示できる。本実施形態では、黒表示及び白表示の制御の際に液晶分子14aは横電界に従って基板水平面内においてその配向が制御されるので、TN型に代表される縦電界方式の場合に液晶分子が基板垂直面内で配向制御される場合に比べて、広い視野角特性を実現できる。つまり、図1において表示領域Vの正面から画像を見る場合はもとより、正面から斜めに大きく傾いた横方向から画像を見る場合にも画像を正常に認識できる。こうして広視角制御が実現される。
(視角制御画素Pbの動作)
本実施形態においても、図6に示すように、視角制御画素Pbにおいて、素子基板8上に第2電極としての共通電極42及び第1電極としての画素電極51が設けられ、その画素電極51は図9に示すように液晶分子14aの初期配向方向と直交する方向に延びる間隙45及び電極線状部51aを有している。視角制御画素Pb内の共通電極42、画素電極51間に所定のオフ電圧が印加されたときは、液晶分子が初期状態である横配列の状態を維持し、その視角制御画素Pbは正面から見ても、傾いた方向から見た場合でも黒表示である。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた表示を行えば、正面及び傾いた方向の両方(すなわち広角領域)においてその表示を見ることができる。これにより、広視角表示を実現できる。
一方、視角制御画素Pb内の共通電極42、画素電極51間に所定のオン電圧が印加されたときは、液晶分子14aの配列が基板垂直方向の縦配列方向に変化し、その視角制御画素Pbは正面から見ると変わらずに黒表示であるが、横側に傾いた方向から見ると視角制御画素Pbを透過した透過光を明るく視認できる。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた画像表示を行えば、正面においてその表示を見ることができる。他方、横側に傾いた方向から見た場合は、表示画素Paそれ自体からの光に変化はないが、視角制御画素Pbからの光が強くなり表示画素Paからの光のコントラストが低下して、表示画素Paからの光(すなわち画像表示)を視認できなくなる。これにより、狭視角表示を実現できる。
従来、画像表示パネルに加えて付加的な視角補償パネルを用いて視角制御を行うことが知られていたが、この従来の液晶装置においては、液晶装置の全体の厚さが厚くなったり、部品コストや製造コストが高くなったりするという問題があった。これに対し、本実施形態の液晶装置1によれば、1枚の液晶パネル2において視角制御画素Pbに対する電圧制御を行うだけで視角制御を行うことができるので、液晶装置1の全体を薄くでき、しかも部品コストや製造コストを低く抑えることができる。特に近年では、携帯電話機に代表されるように電子機器の厚さを薄くすることが強く要望されている。1枚の液晶パネルで視角制御を行うことができるということは、そのような薄型化の要望に大きく貢献するものである。
また、本実施形態によれば、視角制御画素Pbも表示画素Paと同様に横電界型の電極構造、すなわち1つの基板に一対の電極を設ける構造であり、一対の基板の両方に電極を設ける構造ではないので、一対の基板間における電極構造及び配線構造を簡単化でき、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくでき、それ故、不良の液晶装置が製造されることを大幅に低減できる。
本実施形態は、正面から見た場合の表示に比べて斜め方向から見た場合の表示を見え難くする技術の中で、画像表示のコントラストを無くす又は低減することによって斜め方向からの表示を見え難くする技術である。本実施形態では図9及び図10に示したように個々の表示画素Paに対して視角制御画素Pbを設ける構造であるので、コントラストを無くすことに関して高い能力を有している。
(液晶装置の第3実施形態)
図11は本発明に係る液晶装置の第3の実施形態の主要部であるカラーフィルタ基板を示している。ここに示す第3実施形態は図9及び図10に示した第2実施形態を改変することによって得られた改変例である。図11は、第2実施形態における図10に対応する平面図であり、従って、図2〜図6を用いて説明した第1実施形態における図3に対応するカラーフィルタ基板9の平面図である。本実施形態で使用する素子基板は第2実施形態で用いた図9に示す素子基板8と同じである。
図12は図11のZ12−Z12線に従って視角制御画素Pbの列方向Yに沿った断面構造を示している。図13は図11のZ13−Z13線に従って3つの表示画素Pa(すなわち1つの画素セット)の行方向Xに沿った断面構造を示している。図14は図11のZ14−Z14線に従って3つの視角制御画素Pbの行方向Xに沿った断面構造を示している。なお、本第3実施形態に係る液晶装置の全体的な構成は図1に示した第1実施形態の場合と同じである。
図10に示した第2実施形態においては、各表示画素Paの列方向Yに隣接する視角制御画素Pbに関して、図5及び図6に示したように、カラーフィルタ基板9上に着色膜36を設けない構成とした。これに対し、本第3実施形態では、図13に示すように表示画素Paに関してR、G、Bそれぞれの色の着色膜36(R),36(G),36(B)を設けることはもとより、図12及び図14に示すようにカラーフィルタ基板9上の視角制御画素Pb内にも着色膜36(R’),36(G’),36(B’)を設けている。
着色膜36(R’)は表示画素Pa内の着色膜36(R)と同様にR(赤色)の着色膜であるが、着色膜36(R)よりも色の薄い(従って強度の強い光を透過する)着色膜である。着色膜36(G’)は表示画素Pa内の着色膜36(G)と同様にG(緑色)の着色膜であるが、着色膜36(G)よりも色の薄い(従って強度の強い光を透過する)着色膜である。さらに、着色膜36(B’)は表示画素Pa内の着色膜36(B)と同様にB(青色)の着色膜であるが、着色膜36(B)よりも色の薄い(従って強度の強い光を透過する)着色膜である。着色膜の色の濃度はそれを形成する色材を適宜に選定することによって調整できる。
(表示画素Paの動作)
本実施形態においても、図1において照明装置3から液晶パネル2へ面状の光が供給されると、図11において紙面奥側から表示画素Paへ光が供給される。図9において、表示画素Pa内の共通電極22と画素電極31との間にオフ電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18によって吸収されて外部へ出ることが阻止されて黒表示が行われる。共通電極22と画素電極31との間にオン電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18を透過して外部へ出射して白表示が行われる。
図1の表示領域V内の複数のサブ画素P(特に表示画素Pa)の個々において上記の黒表示及び白表示の制御を行うことにより、表示領域V内に画像が表示される。このとき、1つの画素セット内のR、G、Bの透過光強度を適宜に制御することにより、所望のフルカラー画像を表示できる。本実施形態では、黒表示及び白表示の制御の際に液晶分子14aは横電界に従って基板水平面内においてその配向が制御されるので、TN型に代表される縦電界方式の場合に液晶分子が基板垂直面内で配向制御される場合に比べて、広い視野角特性を実現できる。つまり、図1において表示領域Vの正面から画像を見る場合はもとより、正面から斜めに大きく傾いた横方向から画像を見る場合にも画像を正常に認識できる。こうして広角制御が実現される。
(視角制御画素Pbの動作)
本実施形態においても、図12及び図14に示すように、視角制御画素Pbにおいて、素子基板8上に第2電極としての共通電極42及び第1電極としての画素電極51が設けられ、その画素電極51は図9に示すように液晶分子14aの初期配向方向と直交する方向に延びる間隙45及び電極線状部51aを有している。視角制御画素Pb内の共通電極42、画素電極51間に所定のオフ電圧が印加されたときは、液晶分子が初期状態である横配列の状態を維持し、その視角制御画素Pbは正面から見ても、傾いた方向から見た場合でも黒表示である。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた表示を行えば、正面及び傾いた方向の両方(すなわち広角領域)においてその表示を見ることができる。これにより、広視角表示を実現できる。
一方、視角制御画素Pb内の共通電極42、画素電極51間に所定のオン電圧が印加されたときは、液晶分子14aの配列が基板垂直方向の縦配列方向に変化し、その視角制御画素Pbは正面から見ると変わらずに黒表示であるが、横側に傾いた方向から見ると視角制御画素Pbを透過した透過光を明るく視認できる。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた画像表示を行えば、正面においてその表示を見ることができる。他方、横側に傾いた方向から見た場合は、表示画素Paそれ自体からの光に変化はないが、視角制御画素Pbからの光が強くなり表示画素Paからの光のコントラストが低下して、表示画素Paからの光(すなわち画像表示)を視認できなくなる。これにより、狭視角表示を実現できる。
従来、画像表示パネルに加えて付加的な視角補償パネルを用いて視角制御を行うことが知られていたが、この従来の液晶装置においては、液晶装置の全体の厚さが厚くなったり、部品コストや製造コストが高くなったりするという問題があった。これに対し、本実施形態の液晶装置1によれば、1枚の液晶パネル2において視角制御画素Pbに対する電圧制御を行うだけで視角制御を行うことができるので、液晶装置1の全体を薄くでき、しかも部品コストや製造コストを低く抑えることができる。特に近年では、携帯電話機に代表されるように電子機器の厚さを薄くすることが強く要望されている。1枚の液晶パネルで視角制御を行うことができるということは、そのような薄型化の要望に大きく貢献するものである。
また、本実施形態によれば、視角制御画素Pbも表示画素Paと同様に横電界型の電極構造、すなわち1つの基板に一対の電極を設ける構造であり、一対の基板の両方に電極を設ける構造ではないので、一対の基板間における電極構造及び配線構造を簡単化でき、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくでき、それ故、不良の液晶装置が製造されることを大幅に低減できる。
(変形例)
上記の実施形態では図11において、視角制御画素Pbに色濃度の低い着色膜を設けた。このように色濃度の低い着色膜を視角制御画素Pbに設けることに代えて、色濃度それ自体は表示画素Pa内の着色膜と同じであるが一部に非着色領域を有することにより透過光の色濃度を薄くできる着色膜を設けることもできる。非着色領域は着色膜の中に着色膜の無い領域を形成することによって実現できる。着色膜の無い領域の平面形状は、視角制御画素Pb内に納まる大きさの円形状、正方形状、長方形状、あるいはその他の任意の形状とすることができる。このような着色膜の無い領域はフォトリソグラフィ処理によって形成できる。
(液晶装置の第4実施形態)
図15及び図16は本発明に係る液晶装置の第4の実施形態を示している。この実施形態は図2〜図6を用いて説明した第1実施形態に関して改変を加えることによって得られた改変例である。図15は、第1実施形態における図2に対応する素子基板の平面図である。図16は、第1実施形態における図3に対応するカラーフィルタ基板の平面図である。本第4実施形態に係る液晶装置の全体的な構成は図1に示した第1実施形態の場合と同じである。
図15におけるZ4−Z4線に従った1つのサブ画素P(特に表示画素Pa)の列方向に沿った断面構造は、第1実施形態において図4に示した断面構造と同じである。図15におけるZ5−Z5線に従った1つのサブ画素(特に視角制御画素Pb)の列方向に沿った断面構造は、第1実施形態において図5に示した断面構造と同じである。但し、図15における表示画素Pa及び視角制御画素Pbの行方向Xの長さ及び列方向Yの長さは、図2における表示画素Pa及び視角制御画素Pbの行方向X及び列方向Yの長さに対して、必要に応じて適宜に異なっている。
図15におけるZD3−ZD3線に従った2つの表示画素Paの行方向Xに沿った断面構造は、第1実施形態において図6に示した断面構造のうちの符号D3で示す範囲内のR、Gの2つの表示画素Paの断面構造が連続する断面構造である。図15におけるZD4−ZD4線に従った2つのサブ画素Pの行方向Xに沿った断面構造は、第1実施形態において図6に示した断面構造のうち符号D4で示す範囲内の表示画素Paと視角制御画素Pbの2つのサブ画素Pの断面構造が連続する断面構造である。
図2〜図6に示した第1実施形態においては、図3に示すように、視角制御画素Pbが表示画素Paの行方向X(すなわち横方向)に隣接して設けられていた。また、視角制御画素PbはR、G、Bの3つの表示画素Pa(すなわち1つの画素セット)に対して1つずつ設けられていた。これに対し本実施形態では、図16に示すように、R、G、Bの3色のうちの2色「R」、「G」の着色膜36(R),36(G)が着色膜36の長手方向(行方向X)に互いに隣接して並び、残りの1色である「B」の着色膜36(B)が「R」の着色膜36(R)に対して長手方向に直交する方向(列方向Y)に隣接して並び、さらに、視角制御画素Pbが「B」の着色膜36(B)に対して長手方向(行方向X)で隣接して並んで配置されている。そして、このように配列された1つの画素セット及びそれに付随する視角制御画素Pbの集まりが行方向X及び列方向Yにマトリクス状に配列されることにより、図1の表示領域Vが形成されている。なお、R、G、Bを図16の配列状態の中で適宜に入れ替えても良い。
本実施形態においても、表示画素Pa内には図4に示したように素子基板8上に第2電極としての共通電極22及び第1電極としての画素電極31が設けられ、カラーフィルタ基板9上にカラーフィルタを構成する着色膜36が設けられる。一方、視角制御画素Pb内には図5に示したように素子基板8上に第2電極としての共通電極42及び第1電極としての画素電極51が設けられ、カラーフィルタ基板9上には着色膜が設けられていない。
(表示画素Paの動作)
本実施形態においても、図1において照明装置3から液晶パネル2へ面状の光が供給されると、図15において紙面奥側から表示画素Paへ光が供給される。表示画素Pa内の共通電極22と画素電極31との間にオフ電圧が印加されれば、液晶層14(図4参照)を透過した偏光が観察側の第2偏光板18によって吸収されて外部へ出ることが阻止されて黒表示が行われる。共通電極22と画素電極31との間にオン電圧が印加されれば、液晶層14を透過した偏光が観察側の第2偏光板18を透過して外部へ出射して白表示が行われる。
図1の表示領域V内の複数のサブ画素P(特に表示画素Pa)の個々において上記の黒表示及び白表示の制御を行うことにより、表示領域V内に画像が表示される。このとき、1つの画素セット内のR、G、Bの透過光強度を適宜に制御することにより、所望のフルカラー画像を表示できる。本実施形態では、黒表示及び白表示の制御の際に液晶分子14aは横電界に従って基板水平面内においてその配向が制御されるので、TN型に代表される縦電界方式の場合に液晶分子が基板垂直面内で配向制御される場合に比べて、広い視野角特性を実現できる。つまり、図1において表示領域Vの正面から画像を見る場合はもとより、正面から斜めに大きく傾いた横方向から画像を見る場合にも画像を正常に認識できる。こうして広角制御が実現される。
(視角制御画素Pbの動作)
本実施形態においても、図5に示したように、視角制御画素Pbにおいて、素子基板8上に第2電極としての共通電極42及び第1電極としての画素電極51が設けられ、その画素電極51は図15に示すように液晶分子14aの初期配向方向と直交する方向に延びる間隙45及び電極線状部51aを有している。視角制御画素Pb内の共通電極42、画素電極51間に所定のオフ電圧が印加されたときは、液晶分子が初期状態である横配列の状態を維持し、その視角制御画素Pbは正面から見ても、傾いた方向から見た場合でも黒表示である。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた表示を行えば、正面及び傾いた方向の両方(すなわち広角領域)においてその表示を見ることができる。これにより、広視角表示を実現できる。
一方、視角制御画素Pb内の共通電極42、画素電極51間に所定のオン電圧が印加されたときは、液晶分子14aの配列が基板垂直方向の縦配列方向に変化し、その視角制御画素Pbは正面から見ると変わらずに黒表示であるが、横側に傾いた方向から見ると視角制御画素Pbを透過した透過光を明るく視認できる。この状態において、表示画素Paにおいて横電界制御に基づいた画像表示を行えば、正面においてその表示を見ることができる。他方、横側に傾いた方向から見た場合は、表示画素Paそれ自体からの光に変化はないが、視角制御画素Pbからの光が強くなり表示画素Paからの光のコントラストが低下して、表示画素Paからの光(すなわち画像表示)を視認できなくなる。これにより、狭視角表示を実現できる。
従来、画像表示パネルに加えて付加的な視角補償パネルを用いて視角制御を行うことが知られていたが、この従来の液晶装置においては、液晶装置の全体の厚さが厚くなったり、部品コストや製造コストが高くなったりするという問題があった。これに対し、本実施形態の液晶装置1によれば、1枚の液晶パネル2において視角制御画素Pbに対する電圧制御を行うだけで視角制御を行うことができるので、液晶装置1の全体を薄くでき、しかも部品コストや製造コストを低く抑えることができる。特に近年では、携帯電話機に代表されるように電子機器の厚さを薄くすることが強く要望されている。1枚の液晶パネルで視角制御を行うことができるということは、そのような薄型化の要望に大きく貢献するものである。
また、本実施形態によれば、視角制御画素Pbも表示画素Paと同様に横電界型の電極構造、すなわち1つの基板に一対の電極を設ける構造であり、一対の基板の両方に電極を設ける構造ではないので、一対の基板間における電極構造及び配線構造を簡単化でき、しかも一対の基板間の組ズレの許容誤差を大きくでき、それ故、不良の液晶装置が製造されることを大幅に低減できる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上の各実施形態では、液晶パネルの動作モードとしてFFSモードを例示したが、IPSモードを動作モードとすることもできる。IPSモードは共通電極の電極線状部と画素電極の電極線状部とが基板表面に沿って比較的広い間隔(例えば液晶層の層厚よりも広い間隔)で設けられていて、画素電極の電極線状部の直上領域には電界が形成され難い電極構造を有するモードである。これに対し、FFSモードは、共通電極の電極線状部と画素電極の電極線状部とが基板表面に沿って比較的狭い間隔(例えば液晶層の層厚よりも狭い間隔)で設けられていて、画素電極の電極線状部の直上領域にも電界が形成される電極構造を有するモードである。
次に、図1に示した液晶装置1の全体構造は液晶装置の単なる一例である。図1では、素子基板8のカラーフィルタ基板9からの張出し辺が1個所であってその張出し辺に駆動用IC44が直接に実装された構成、いわゆるCOG(Chip On Glass)方式の実装構造を例示した。しかしながら、液晶装置は、複数の張出し辺を有した構成であってそれらの張出し辺に個々に駆動用ICが実装される構成とすることもできる。また、COG方式でなく、FPC(Flexible Printed Circuit:可撓性配線)基板によって液晶パネルに駆動用ICを接続する構成であっても良い。
(電子機器の実施形態)
図17は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示している。この携帯電話機61は、操作部62と、これに開閉可能に設けられた表示部63とを有する。操作部62には複数の操作ボタン64及び送話部65が設けられている。表示部63には、表示装置66及び受話部67が設けられている。
表示装置66は、例えば図1に示した液晶装置1を用いて構成される。表示装置66は、視角制御画素にオフ電圧が印加されて黒表示が行われる場合は、FFSモードによる表示画素の表示制御により、正面(R=0度)を中心とする極角度Rの広い範囲内で表示(いわゆる広視角表示)を行うことができる。他方、視角制御画素にオン電圧が印加されて白表示が行われる場合は、正面から見た画像表示に変化はないが、極角度Rが大きい領域である広角度領域から見た画像表示のコントラストが視角制御画素からの光によって低くなる又は無くなるので、画像表示を視認できなくなる。こうして、狭視角表示が実現される。
本実施形態の液晶装置は、2枚以上の液晶パネルによって視角制御を行うものではなく、1枚の液晶パネルによって視角制御を行うものであるので、液晶装置全体の厚さを薄く維持できる。よって、携帯電話機61の厚さが厚くなることが無い。
(他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明の電子機器を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。例えば、本発明は、携帯電話機に限られず、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話装置、POS端末、デジタルスチルカメラ、電子ブック、等といった各種の電子機器が考えられる。いずれの電子機器においても、非常に薄い構造の表示装置によって広視角表示と狭視角表示との間で視角表示制御を行うことができる。
図18は、液晶分子が初期状態で横方向(基板水平方向)に配列された液晶層を横電界構造の基板間に介在させ、表示画素Paと視角制御画素Pbの両方にオン電圧を印加したときの、視角方向(極角度)に対する透過光の明るさの変化を計算によってシミュレーションした結果の明るさ分布図を示している。この分布図の横軸は視認方向の極角度を示し、縦軸は透過光の明るさを示している。
表示画素Paも視角制御画素Pbもオフ電圧印加時には正面から見ても、左右の斜め方向から見ても黒表示であるが、それらにオン電圧を印加すると、図18に示すように、明るさに相違が生じる。分布図に示す通り、オン電圧印加時に液晶パネルを正面から見た場合は表示画素Paは明るくなり、視角制御画素Pbは暗いままである。一方、斜めから見た場合(すなわち極角度が大きい場合、すなわち分布図の横軸の絶対値が大きい場合)には、表示画素Paはだらだらと暗くなるが、視角制御画素Pbは一度明るくなった後に暗くなるという性質を有している。これにより、視角制御画素Pbへのオン電圧印加とオフ電圧印加とを切替えることにより、液晶パネルの視角特性を広視角表示と狭視角表示とで切替えることができることが理解される。
図19は、図2〜図6に示した第1実施形態に係る液晶装置における視角制御時(視角制御画素Pbへオン電圧印加時)と視角非制御時(視角制御画素Pbへオフ電圧印加時)との視角特性の変化を計算によってシミュレーションした結果を示している。図19において、横軸は極角度を示し、縦軸はコントラスト(表示画素と視角制御画素とのコントラスト)を示している。視角制御画素Pbにオフ電圧が印加される視角非制御時には、極角度の±80度の範囲でコントラストが20以上に維持されており、広視角表示が行われることが分かる。一方、視角制御画素Pbにオン電圧が印加される視角制御時には、極角度の±50度以上ではコントラストが2以下という非常に見え難い状態、すなわち狭角表示状態が実現されていることが理解される。
図18及び図19に示す狭視角表示状態は、液晶のチルト状態や、液晶のチルトの画素内分布状態に依存する。そのため、画素への印加電圧や、電極幅や、電極間隔等に応じて所望の視角制御状態を得ることができる。
本発明に係る液晶装置の一実施形態を示す斜視図。 図1の液晶装置を構成する1つの基板上の1つの画素セット近傍を示す平面図。 図1の液晶装置を構成する他の基板上の1つの画素セット近傍を示す平面図。 図2及び図3のZ4−Z4線に従った表示画素内の列方向に沿った断面図。 図2及び図3のZ5−Z5線に従った視角制御画素内の列方向に沿った断面図。 図2及び図3のZ6−Z6線に従った1つの画素セット近傍の行方向に沿った断面図。 図2における1つのサブ画素Pを拡大して示す平面図。 本発明に係る液晶装置の電極構造の変形例を示す断面図であり、(a)は電極間隔D0がゼロでない場合であり、(b)は電極間隔D0がゼロの場合。 本発明に係る液晶装置の他の実施形態の主要部を示す図であって、特に1つの基板上の1つの画素セット近傍を示す平面図。 図9の基板に対向する基板を示す平面図。 本発明に係る液晶装置のさらに他の実施形態の主要部を示す図であって、特に1つの基板上の1つの画素セット近傍を示す平面図。 図11のZ12−Z12線に従った視角制御画素内の列方向に沿った断面図。 図11のZ13−Z13線に従った表示画素内の行方向に沿った断面図。 図11のZ14−Z14線に従った視角制御画素内の行方向に沿った断面図。 本発明に係る液晶装置のさらに他の実施形態の主要部を示す図であって、特に1つの基板上の1つの画素セット近傍を示す平面図。 図15の基板に対向する基板を示す平面図。 本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示す斜視図。 本発明に係る液晶装置の表示の明るさ分布の特性を示す図。 本発明に係る液晶装置において視角制御を行ったときと視角制御を行わなかったときとの表示画素と視角制御画素とのコントラストの違いを示す図。
符号の説明
1…液晶装置、2…液晶パネル、3…照明装置、4…LED、5…導光体、7…シール材、8…第1基板としての素子基板、9…第2基板としてのカラーフィルタ基板、11…走査線、12…信号線、14…液晶層、14a…液晶分子、15…第1透光性基板、16…第1偏光板、17…第2透光性基板、18…第2偏光板、20…ゲート線、20a…ゲート電極、21…共通線、22…第2電極としての共通電極、23…ゲート絶縁膜、24…ソース線、26…TFT素子、27…半導体膜、28…ソース電極、29…ドレイン電極、30…パシベーション膜、31…第1電極としての画素電極、31a…電極線状部、32…配向膜、33…スルーホール、35…間隙、36…着色膜、37…遮光膜、38…オーバーコート層、39…配向膜、42…第2電極としての共通電極、44…駆動用IC、45…間隙、51…第1電極としての画素電極、51a…電極線状部、61…電子機器としての携帯電話機、D0…電極間隔、D1…液晶層厚、G…セルギャップ、P…サブ画素、Pa…表示画素、Pb…視角制御画素、R…極角度、X…行方向、Y…列方向、V…表示領域。

Claims (16)

  1. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、
    前記第1基板及び前記第2基板の平面領域内に配列されて表示領域を構成する複数の表示画素と複数の視角制御画素とを有し、
    前記表示画素及び前記視角制御画素は、それぞれ前記第1基板上に設けられた第1電極と第2電極との間で生じる電界によって前記液晶層を駆動しており、
    前記視角制御画素では、前記第1電極と前記第2電極との間で生じる前記電界の平面方向と前記液晶層の液晶分子の初期配向方向が略平行であることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記表示画素の保持容量と前記視角制御画素の保持容量は互いに等しいことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記液晶層を構成する液晶は正の誘電率異方性を有する液晶であり、
    前記表示画素の前記第1電極と前記第2電極のいずれか一方は、間隙を有して平行に配列した複数の電極線状部を有しており、該電極線状部の延在方向は前記表示画素の長手方向に対して傾斜角度0°〜±45°の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置。
  4. 前記液晶分子の初期配向方向は前記表示画素内において前記電極線状部の延在方向に対して0°〜15°であることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置。
  5. 前記表示画素内には所定色の着色膜が設けられ、前記視角制御画素には着色膜は設けられないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 前記複数の表示画素は複数の色のサブ画素の集まりによって1画素を構成し、
    当該1画素が複数並べられて前記表示領域が構成され、
    前記視角制御画素は前記表示画素の1画素ごとに1つずつ設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液晶装置。
  7. 前記複数の表示画素は複数の色のサブ画素の集まりによって1画素を構成し、
    当該1画素が複数並べられており、
    前記視角制御画素は前記表示画素の2以上の1画素に対して1つずつ設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液晶装置。
  8. 前記表示画素の1画素は複数の色の着色膜を個々に有するサブ画素を備え、
    前記サブ画素は前記表示画素の長手方向である第1方向に同色が並び前記第1方向と直角な第2方向に異色が並ぶストライプ配列で並べられ、
    前記視角制御画素は、表示画素の1画素とそれに前記第2方向で隣接する他の1画素との間に設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の液晶装置。
  9. 前記表示画素の1画素はR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の着色膜を個々に有するサブ画素を備え、
    前記3色のうちの2色のサブ画素が前記表示画素の長手方向に互いに隣接して並び、前記3色のうちの残りの1色のサブ画素が前記2色のサブ画素のうちのいずれか一方に対して前記長手方向と直交する方向に隣接して並び、前記視角制御画素が前記残りの1色のサブ画素に対して前記長手方向で隣接して並んでいることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の液晶装置。
  10. 前記表示画素の1画素の面積は前記視角制御画素の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の液晶装置。
  11. 前記表示画素内の前記第1電極及び前記第2電極はそれぞれ、互いに間隙を有して平行に配列した複数の電極線状部を有しており、前記第1電極の電極線状部と前記第2電極の電極線状部の間隔をD0とし、前記液晶層の層厚をD1とするとき、D1>D0であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液晶装置。
  12. 前記表示画素内の前記第1電極は互いに間隙を有して平行に配列した複数の電極線状部を有し、前記表示画素内の前記第2電極は間隙を持たない面状電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液晶装置。
  13. 前記第1基板は第1偏光板を有し、前記第2基板は第2偏光板を有し、前記第1基板と前記第2基板の液晶配向方向は逆平行であり、前記第1偏光板の透過軸と前記第2偏光板の透過軸は互いに直角であり、前記第1偏光板の透過軸又は前記第2偏光板の透過軸は前記液晶配向方向と平行であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の液晶装置。
  14. 前記表示画素内には所定色の着色膜が設けられ、前記視角制御画素内には当該視角制御画素に隣接する前記表示画素の1画素内の着色膜と同色で濃度の低い着色膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  15. 前記表示画素内には所定色の着色膜が設けられ、前記視角制御画素内には当該視角制御画素に隣接する前記表示画素の1画素内の着色膜と同じ着色膜であり一部に非着色領域を有する着色膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の液晶装置を有していることを特徴とする電子機器。
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