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JP2008183563A - 気体中の異種物質の除去装置 - Google Patents

気体中の異種物質の除去装置 Download PDF

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JP2008183563A
JP2008183563A JP2008121451A JP2008121451A JP2008183563A JP 2008183563 A JP2008183563 A JP 2008183563A JP 2008121451 A JP2008121451 A JP 2008121451A JP 2008121451 A JP2008121451 A JP 2008121451A JP 2008183563 A JP2008183563 A JP 2008183563A
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Hisao Kojima
久夫 小嶋
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ANEMOSU KK
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Abstract

【課題】除去効率と化学反応の向上による高性能化、省エネルギー化、省スペース化、及び固形物の付着成長の防止によるメンテナンスフリー、低圧力損失化及び運転管理の容易化を図ることができる気体中の異種物質の除去装置を提供する。
【解決手段】 静止型混合器1を内設した洗浄塔23と、静止型混合器1の上部から、異種物質を含有する第1の気体を供給する第1の供給手段と、第1の供給手段の外周に配置された第2の気体を供給する第2の供給手段と、下向きに液体を供給する第3の供給手段29と、洗浄塔の下方に配設されたタンク26と、洗浄塔の下部から第3の供給手段29に液体を供給する洗浄液循環供給ライン41とを有し、洗浄塔の下部から排出された液体と気体とがタンク26内の液体中に導入されて分離され、分離された液体が洗浄液供給ライン41を通じて第3の供給手段29に供給される除去装置を構成する。
【選択図】図8

Description

本発明は、気体中にHCL,CL,HF,NO,SO,NH等の有害ガスやSiCL,SiF,SiHCL等の半導体製造用ガス及びSiO,ZnO,SiN等の微細な粉塵等の異種物質を含有している気体と液体との気液接触により液体側に捕集または溶解或いは化学反応させて、異種物質を除去する気体中の異種物質の除去装置に関し、特に気体中の例えば、焼却灰、未燃カーボン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ケイ素等の微細な固体粒子から成る異種物質と液体とを気液混合接触させて気体中の異種物質を液体側に捕集、除去させることによる気体の清浄化や精製若しくは異種物質の回収、又は気体中のSiCL,SiF等の異種物質を加水分解反応により液体側に溶解捕集させて、気体の洗浄化に利用可能な気体中の異種物質の除去装置に関する。更に、原ガス中に含有しているSiCL,SiF,SiHCL,SiHCL,B等の異種物質の加水分解反応による除去装置に関する。これらガスの加水分解反応は下記の通りである。
SiCL+3HO→HSiO+4HCl
SiCL+2HO→SiO+4HCl
SiF+3HO→HSiO+4HF
SiF+2HO→SiO+4HF
+6HO→2HBO+6H
これらの反応により、SiO,HSiO,HBO等の固形物とHCL,HF等が生成される。
従来、気体中の異種物質の除去装置としては、充填塔式、スプレー式、ベンチュリスクラバー式等の除去装置が知られている。
特開昭63−182014号公報 特開平5−168882号公報 特開平7−284642号公報 特開2001−187313号公報
しかしながら、充填塔式の装置は、1μ以下の微細な固体粒子の除去効率は低く、水分を含む気体の場合は、装置内部に固体粒子の付着成長による圧力損失の増加や目詰まり等が発生する。そのために、保守管理費が必要となる。また、SiCL,SiF等を含有している気体の処理の場合、加水分解反応により固形物が生成して目詰まりの原因となり使用は不適当である。
更にスプレー式の場合は、スプレー塔内のガスの空塔速度は0.5〜1m/秒である。そのために塔径が大きくなり、また偏流がおこりやすく、除去効率も低く、特にSiCL,SiF等の加水分解反応における未反応生成物が生成しやすい。更に、スプレーノズルの目詰まりが起きやすい等の欠点がある。更に又、未反応生成物による水素爆発の危険性がある。
更にまた、ベンチュリスクラバー式の場合、圧力損失が3〜10kPaGと非常に高く、動力費が高価となる。また、気体と液体との接触時間が短時間であるので未反応生成物が生成されて、水素爆発や大気汚染の原因となる。
他方、これまでに本発明者は、静止型混合器を利用した処理装置として、気体中の異種物質の除去装置(例えば、特許文献1参照)、物質移動装置及びその製造方法(例えば、特許文献2参照)、ミキシングエレメント及びその製造方法(例えば、特許文献3参照)、湿式排煙脱流装置(例えば、特許文献4参照)等に種々開示されている。
しかしながら、これら開示されている技術では、除去効率の問題や気体の供給部での固形物の付着成長による目詰まりが生じる等の問題点があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、除去効率と化学反応の向上による高性能化、省エネルギー化、省スペース化、低圧力損失化、及び固形物の付着成長の防止による保守管理の低減化及び運転管理の容易化を図ることができる気体中の異種物質の除去装置を提供することを目的とする。
本発明の気体中の異種物質の除去装置は、長手方向を実質的に垂直にして配置された液体と気体とを混合して気体中の異種物質を液体中に移動させる静止型混合器を内設した洗浄塔と、静止型混合器の上部から、種物質を含有する第1の気体を供給する第1の供給手段と、第1の供給手段の外周に配置された、第2の気体を供給する第2の供給手段と、第1の供給手段及び第2の供給手段の下方に配設された、下向きに液体を供給する第3の供給手段と、洗浄塔の下方に配設されたタンクと、洗浄塔の下部から、タンクを介して、第3の供給手段に液体を供給する、洗浄液循環供給ラインとを有し、洗浄塔の下部から排出された液体と気体とが、洗浄液循環供給ラインを通じてタンク内の液体中に導入され、タンク内の液体中で排出された気体と排出された液体とが分離され、タンク内で分離された液体が、洗浄液供給ラインを通じて第3の供給手段に供給されることを特徴とする。
また、本発明の気体中の異種物質の除去装置は、長手方向を実質的に垂直にして配置された液体と気体とを混合して気体中の異種物質を液体中に移動させる静止型混合器を内設した、第1の洗浄塔、第2の洗浄塔、及び、第3の洗浄塔と、第1の洗浄塔に内設された静止型混合器の上部から、異種物質を含有する第1の気体を供給する第1の供給手段と、第1の供給手段の外周に配置された、第2の気体を供給する第2の供給手段と、第1の供給手段及び第2の供給手段の下方に配設された、下向きに液体を供給する第3の供給手段と、第1の洗浄塔、第2の洗浄塔、及び、第3の洗浄塔の下方に配設されたタンクと、第1の洗浄塔の下部から、タンクを介して、第3の供給手段に液体を供給する、洗浄液循環供給ラインとを有し、第1の洗浄塔の下部から排出された液体と気体の一部が、洗浄液循環供給ラインを通じてタンク内の液体中に導入されて、タンク内の液体中で気体と液体とが分離され、第1の洗浄塔から排出された液体及び気体の一部が、第2の洗浄塔の上部から、第2の洗浄塔内に内設された静止型混合器に供給されて、第2の洗浄塔の下部からタンク内に液体及び気体が排出され、タンク内で分離された液体及び気体が、タンクから第3の洗浄塔に供給されることを特徴とする。
本発明においては、異種物質を含有する気体及び液体は並流で静止型混合器内を下降し、気体中に含有される異種物質を液体側に捕集または溶解させて、気体から異種物質を除去することができる。このため、洗浄化された気体と異種物質を含有する液体とを夫々排出または精製及び回収することができる。
また、従来の方式とは異なり、本発明においては、異種物質を含有する気体(原ガス)の供給部の外周に窒素や乾燥空気等の第2の気体を供給することで、異種物質の除去効率を向上させ、装置の高性能化を図ることができる。また、原ガスの供給部の排出口での固形物の付着成長を防止して、保守管理費を低減できる。
以上詳述したように本発明によれば、異種物質を含有する気体と第2の気体とを静止型混合器の上方から供給し、これら気体の下方から液体を静止型混合器内に並流で通流させて両者は静止型混合器内の内部で気液混合接触し、気体に含有される異種物質を液体側に捕集又は溶解又は化学反応させて、気体から異種物質の除去又は気体を精製することができる。このため、清浄化された気体と異種物質を含有する液体とを夫々排出又は回収することができる。
また、従来の充填塔、スプレー塔、ベンチュリスクラバー等の洗浄方式とは異なり、螺旋状の複数の羽根体が配設された1又は複数のミキシングエレメントで構成された静止型混合器内を流体が通流するので、圧力損失を低くすることができ、また、原ガス供給部を2重管方式にすることで、動力費及び保守管理費を低減することができると共に、気体と液体は並流で下降するので、気液の混合接触効率が高くなり、異種物質の除去効率が向上し、装置の高性能化を図ることができる。更に、気液の混合接触効率の高効率化に伴い、加水分解反応等の化学反応も瞬時に終了させることができる。これにより、未反応生成物の発生及び水素爆発等の危険を防止することができる。
更に又、圧力損失が低いので、装置内の気体の空塔速度を早くすることが可能となり、装置を小型化することができる。更に又、気液接触効率が高いので、液体と気体との比が大幅に変わった場合でも、気体から異種物質の除去又は気体の精製ができるので、装置の運転管理が容易になる。また、気液の接触効率が高いので、デッドスペースがなくなり、固形物の付着成長を防止して、保守点検を不要とすることができる。
以下、本発明の実施例に係る気体中の異種物質の除去装置について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る気体中の異種物質の除去装置を示す模式図、図2(a)は本実施例に使用される静止型混合器のミキシングエレメントを示す横断面であり、(b)はその斜視図である。
本実施例に使用される静止型混合器1のミキシングエレメント2は、図2(a)及び(b)に示すように、筒状の外筒管3(通路管)と、外筒管3内に設けられた羽根4(羽根体)と、この羽根4を外筒管3内に配設するために間欠的に設けられた内筒管6とを有しており、羽根4は、例えば、多孔板からなる。なお、内筒管6は羽根4の捩り応力に対して機械的強度を強くするために設置されている。
即ち、内筒管6は羽根4の接続部に必要な長さ分だけ設けられ、それ以外のところには配置されていない。羽根4は内筒管6の外周面に一端部が接続され、外筒管3の内周面に向かうにつれて、時計方向(右側)に捩られて他端部が外筒3の内周面に接続されている。内筒管6は中心部が開口されているので、羽根4は外筒管3の軸心部に存在せず、この部分が欠落している。これにより、図2A及び図2Bに示すように、内筒管6の軸心部に羽根が存在しない開口部7が形成されている。同様に、内筒管6の外周面上に複数の羽根4が右捩りで接続され、流体通路が形成されている。1段又は複数段に亘って、ミキシングエレメント2をその長手方向に連続して配置することにより静止型混合器1が組み立てられる。なお、ミキシングエレメント2間にスペーサ(図示せず)又はスペーサを配置しない空間部を介在させてもよい。
このような静止型混合器1の流体通路を同一方向に流れる2種の流体(液体及び気体)が通流する間に、流体の一部が羽根4に沿って螺旋状に回転し、右向きの旋回流になり、一部は羽根4の孔5を通過し、一部は羽根4にせん断され、この孔5を通過した流体と合流し、更に分割される。このように、回転、通過、せん断、合流又は分割が繰り返され、同一方向に並流で流れる2種類の流体が混合接触される。また、羽根4は多孔板により形成されているので、孔5を流体が通過し、外筒管3内の同一方向の流れが整流されると共に、旋回流によって移動する流体と混合接触して、ミキシングエレメント2全体に均一に流体が分散される。このため、気液接触効率が増加し、デッドスペースがなくなり、固体粒子の付着成長が防止されて、保守点検が不要になる。なお、本発明の静止型混合器1の羽根4は右捩りに限定されるものではなく、左捩りであってもよい。
また、羽根4に使用される多孔板の開口率が5乃至60%であると、製作加工上の容易性が図れ、生産コストの低減化が図れると共に、羽根の機械的強度、気液接触効率の優位性及び固体粒子の付着成長の防止が図れる。このため、多孔板の開口率は5乃至60%であることが好ましい。なお、更に好ましい、多孔板の開口率は10乃至40%である。
更に、羽根4に使用される多孔板の孔5径が5乃至30mmであると、製作加工上の容易性が図れ、生産コストの低減が図れると共に、気液接触効率の優位性及び固形物の付着成長の防止が図れる。このため、多孔板の孔5径は5乃至30mmであることが好ましい。
本発明のミキシングエレメント2の構成としては、特にこれに限定されるものではなく、以下に示すミキシングエレメントの構造とすることができる。図3及び図4は右捩り及び左捩りの90°回転型のミキシングエレメントの斜視図、図5はこのミキシングエレメントを使用した静止型混合器1aの側断面図である。ミキシングエレメント8、15は図3乃至図5に示すように、夫々、円筒状の通路管9、16と、この通路管9、16内に夫々設けられた螺旋状の羽根10、11及び17、18とを有する。この羽根10、11及び17、18により夫々流体通路12、13及び流体通路19、20が形成されている。羽根10、11及び17、18は、通路管9、16の軸心部に依存せず、この部分が欠落している。これにより、平面視で通路管9、16の軸心部に羽根10、11及び17、18が存在しない開口部14、21が形成されている。従って、流体通路12、13及び流体通路19、20は、開口部14、21を介して、通路管9、16の全長に亘って相互に連通している。
このようなミキシングエレメント8、15を円筒状のケーシング22内に交互に嵌入し、ミキシングエレメント8、15の夫々羽根10、11及び17、18の端縁どうしを直交させて配置すると静止型混合器1aが組み立てられる。
図5に示すように、静止型混合器1aの流体通路を液体FA及び気体FBが夫々同一方向に通流する間に、液体の一部が螺旋状に90°回転し、一部は開口部でせん断され、他方の流体通路を通流してきた液体と合流し更に分割された後、反対方向に螺旋状に90°回転する。このように回転、せん断、合流及び分断が繰り返される。また、気体においても同様に、回転、せん断、合流及び分断が繰り返される。これにより、同一方向に流れる液体及び気体が攪拌され、気液接触が行われる。なお、静止型混合器1aとしては、90°回転型の羽根体を使用する代わりに、180°回転型の羽根体を使用してもよい。また、いずれの羽根体も多孔板により形成することができる。更に、ミキシングエレメント9、16との間に、このミキシングエレメント9、16と同一内径を有するスペーサ(図示せず)又はスペーサを配置しない空間部を配置して、静止型混合器1aを組み立ててもよい。
更にまた、羽根体の回転角度は、上述のものに限定されることなく、15°、30°、45°、60°、135°、270°又は360°回転型の羽根体で静止型混合器1aを構成してもよい。なお、静止型混合器は上述のミキシングエレメントに限定されることなく、種々の静止型混合器を適宜利用可能である。
次に、本発明に係る気体中の異種物質の除去装置について実施例について述べる。
図1は、本発明をHCL,CL,HF,NH,HS等の有害ガス及びSiO,ZnO等の粉塵を含んだ原ガス中の異種物質の除去装置に適用した場合の第1の実施例を示す模式図である。原ガスは静止型混合器1を配置した洗浄塔23内に、その上部に配設されているガス供給部24から第2の気体である窒素ガスと共に供給されて、その原ガス中のHCL,CL,SiO等の異種物質は気体と液体との混合接触により気体側から液体側に移動される。除去装置25には、その下方に配設されたタンク26が連結されており、このタンク26において気体と液体とが分離される。清浄化された原ガスは排風機27を介して大気中に放出または回収される。タンク26内の水溶液は適宜バルブ28を開にして排水処理工程等に排出されると共に、適宜タンク26内に新液が補給される。洗浄塔23には、静止型混合器1の上部にスプレーノズル29が配設されており、このノズル29にはポンプ30によりタンク26内の液体が供給される。従って、この液体はノズル29により洗浄塔23内に噴射され、次いでタンク26内に集められた後、ポンプ30によって、ノズル29に供給されるというように、循環使用される。この液体は原ガス中の異種物質により適宜、水または酸性またはアルカリ性等の水溶液が適宜選択使用される。
本実施例の気体中の異種物質の除去装置25においては、上述の静止型混合器1を、図1に示すように、筒状の洗浄塔23内にその長手方向を鉛直にして配置する。この場合、洗浄塔23の上端及び下端は、例えば、断面形状が円状に形成されている。洗浄塔23の上部には、異種物質を含む気体を静止型混合器1内に供給する第1の供給部が配置され、その供給部の外周に窒素や乾燥空気等の気体を供給する第2の供給部が配置されている。また、洗浄塔23の上部には、異種物質の除去又は回収等に使用される液体を静止型混合器1内に供給する第3の供給手段が配置されている。
次に図1に示す気体中の異種物質の除去装置25の動作に付いて説明する。先ず、除去したい異種物質を含有する気体(原ガス)と、付着防止用の窒素ガスとを第1及び第2の供給手段により所定の割合で並流で静止型混合器1の上部に供給する。更に、この異種物質の除去に使用する液体を第3の供給手段により静止型混合器1の上部から供給する。原ガスと窒素ガス及び液体は静止型混合器1内を下降して、気体と液体とが混合され、気体が十分に接触する。そして、静止型混合器1内において、気液接触により、気体中の異種物質を溶解させたり、微細な粉塵を液体中に捕集させたり、または、化学反応を進行させたりして、液体側に異種物質を移動させて気体を洗浄し、または精製する。
本実施例においては、気体中に微細な二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の固体粒子である異種物質を含有する気体(原ガス)を連続除去処理を行うことができる。例えば、微細な固体粒子を含有する気体(原ガス)を静止型混合器1内に上端側から供給し、同時に原ガスの供給排出口の外周から窒素ガスを供給し、更に、液体(洗浄液)をスプレーノズルを介して静止型混合器1内に上端側から供給して、静止型混合器1内で洗浄液と、原ガスとを下降させ0.1乃至8m/秒の流速となるようにして、原ガス中の異種物質と洗浄液とを、連続的に並流で混合接触させて、原ガスから異種物質を除去して原ガスを清浄化し、処理ガスとして排気ラインから排気又は回収される。又、異種物質を含有する洗浄液は、静止型混合器の下方に配置されたタンクに排出貯留される。貯留された洗浄液は循環使用される。適宜、タンクへの新液の供給とタンクからの貯留液の排出は行われる。なお、原ガスの下降速度の範囲は液ガス比により適宜選択可能である。
従来、固形物の装置内での付着成長(スケーリング)により、保守管理費が必要となるという問題点があったが、本実施例においては、原ガスの供給部の排出口は窒素ガスによる膜状の窒素カーテンの形成により水分等の湿気を遮断して、粉末の付着防止や未反応生成物の生成を防止している。固形物によるスケーリングの発生がないため、保守管理費が不要となると共に、保守保全が不要である。
次に、本発明に係る洗浄塔の実施例について図6をもとに詳しく説明する。この筒状の洗浄塔35内には、図3及び図4に示すように、ミキシングエレメント8、15を配置した静止型混合器1が配設され、この静止型混合器1の上部には洗浄液(循環液)を噴射供給するスプレーノズル31が配設されている。また、洗浄塔23の上部には、原ガス及び第2の気体の窒素ガスを供給するガス供給部32が配設されている。このガス供給部32は、中心部に原ガス供給管33とこの原ガス供給管33の周囲に窒素ガス供給管34とが配設されている。原ガス供給管33と窒素ガス供給管34とは2重構造になっている。第2の気体である窒素ガスを洗浄塔35内に供給することで、原ガス供給管33の原ガス排出口36周辺への水蒸気(水分)の上昇を防止し、またSiCL,SiFガスと水蒸気との加水分解反応を防止して、原ガス供給管33の原ガス排出口36周辺における固形物の付着成長による目詰まりを防止することが可能となる。
このように構成されたガス供給部32においては、HCL,CL,SiO,SiCL,SiF4等を含有する原ガスは原ガス供給管33から洗浄塔35内に供給されると共に、この原ガスの周囲に窒素ガスが窒素ガス供給管33から供給される。この場合、窒素ガスの供給管34におけるガス速度の範囲は、0.5〜20m/秒である。より好ましい範囲は3〜12m/秒である。又、好ましい洗浄塔内の洗浄液量の範囲は150〜500m/m・Hrである。このガス速度と洗浄液量の範囲は、原ガスの組成、濃度、流量等により適宜選択使用される。
更に、本発明に係る洗浄塔の第2の実施例について図7をもとに説明する。この洗浄塔37の基本的な構造は、図6に示した洗浄塔35と同様であるが、窒素ガス供給管38以外に、窒素ガスを窒素ガス供給ライン39、40を介して、洗浄塔37内の頂部に供給している。この窒素ガスの頂部への供給により固形物の付着成長は防止される。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図8は本実施例の除去装置を示す模式図である。なお、図8に示す第2の実施例において、図1に示す第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。本実施例においては、洗浄塔の下部から排出される液体と気体とを、分離し、液体と一部の気体はタンク内の洗浄液循環ライン41の液中に供給される。清浄化された気体は排気ライン42から排風機27を介して排気される。なお、洗浄液循環ライン41上に静止型混合器1を配設してもよい。これにより、一部の原ガスの流入による加水分解反応による未反応生成物の発生を防止し、下記の加水分解反応の1式及び2式により生成される水素の爆発等の事故を防止できる。
SiHCL+2HO→SiO+2HCL+H(1)
SiHCL+2HO→SiO+3HCL+H(2)
次に、本発明の第3実施例に付いて説明する。図9は、本実施例の除去装置を示す模式図である。なお、図9に示す第3の実施例において、図1に示す第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施例においては、除去効率を更に向上させることができる。
図9に示すように、除去装置41は第2の洗浄塔43とポンプ44が配設されている。洗浄塔43内には静止型混合器1が内設されている。この洗浄塔43の下部はタンク26に連通している。また、この静止型混合器1の下方にはポンプ44を介して洗浄液を噴射供給するスプレーノズル45が上向きに配設されている。なお、スプレーノズルは静止型混合器1の下端側のみでなく、上端側にスプレーノズル(図示せず)を配設してもよい。この場合、上端側のスプレーノズルに新液を供給することで、新液と気体とは向流で混合接触されて除去効率は更に向上する。特に、HCL,HF等の有害ガスの物理吸収による除去効率は更に向上する。
このように構成された第2の洗浄塔においては、第1の洗浄塔23で未処理の原ガスをタンク26の気体が通流する空間部を介して、洗浄塔43の下部から洗浄液と共に静止型混合器1の下端側に供給される。気体と液体とはこの静止型混合器1により混合接触して、更に除去効率は向上する。なお、液体はこの静止型混合器1内で気体と混合接触後、重力により下方に自然落下してタンク26内に返戻される。これにより、上方向と下方向の往復により2倍の接触時間が得られる。なお、洗浄塔43内のガス速度は1〜10m/secの範囲が好ましい。より好ましい範囲は2〜6m/secでる。この場合の好ましい液・ガス比は0.1〜30L/mの範囲である。なお、これらの数値に限定されることなく、ガスの組成、濃度、流量等により適宜選択使用される。
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図10は、本実施例の除去装置を示す模式図である。図10に示す第4の実施例において、図1、図8、図9に示す第1、第2、第3の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施例においては、除去効率をより一層向上させることができる。
図10に示すように、除去装置46は、第1の洗浄塔23、第2の洗浄塔47、第3の洗浄塔43が各々直列で連通されている。なお、静止型混合器1内の流体は、第1の洗浄塔23と第2の洗浄塔47は並流で、第3の洗浄塔43は向流で、夫々気液接触される。
このように構成された第4の実施例においては、気体と液体との混合接触時間の増加により除去効率は更に向上し、固形物の付着成長を防止して保守管理費を大幅に低減できる。
本発明の第1実施例に係る気体中の異種物質の除去装置を示す模式図である。 (a)は本実施例に使用される静止型混合器のミキシングエレメントを示す横断面であり、(b)はその斜視図である。 90°右回転型のミキシングエレメントの斜視図である。 90°左回転型のミキシングエレメントの斜視図である。 このミキシングエレメントを使用した静止型混合器の側断面図である。 本発明に係る洗浄塔を示す模式図である。 本発明に係る第2の洗浄塔を示す模式図である。 本発明の第2の実施例に係る気体中の異種物質の除去装置を示す模式図である。 本発明の第3実施例に係る気体中の異種物質の除去装置を示す模式図である。 本発明の第4実施例に係る気体中の異種物質の除去装置を示す模式図である。
符号の説明
1,1a:静止型混合器
2,8,15:ミキシングエレメント
3:外筒管
4,10,11,17,18:羽根
5:孔
6:内筒管
7,14,21:開口部
9,16:通路管
12,13,19,20:流体通路
22:ケーシング
23,35,37,43,47:洗浄塔
24,32:ガス供給部
25,41,46:除去装置
26:タンク
27:排風機
28:バルブ
29,31,45:スプレーノズル
30,44:ポンプ
33:原ガス供給管
34,38,39,40:Nガス供給管
36:原ガス排出口

Claims (12)

  1. 長手方向を実質的に垂直にして配置された液体と気体とを混合して気体中の異種物質を液体中に移動させる静止型混合器を内設した洗浄塔と、
    前記静止型混合器の上部から、異種物質を含有する第1の気体を供給する第1の供給手段と、
    前記第1の供給手段の外周に配置された、第2の気体を供給する第2の供給手段と、
    前記第1の供給手段及び前記第2の供給手段の下方に配設された、下向きに液体を供給する第3の供給手段と、
    前記洗浄塔の下方に配設されたタンクと、
    前記洗浄塔の下部から、前記タンクを介して、前記第3の供給手段に液体を供給する、洗浄液循環供給ラインとを有し、
    前記洗浄塔の下部から排出された液体と気体とが、前記洗浄液循環供給ラインを通じて前記タンク内の液体中に導入され、
    前記タンク内の液体中で前記排出された気体と前記排出された液体とが分離され、
    前記タンク内で分離された液体が、前記洗浄液供給ラインを通じて第3の供給手段に供給される
    ことを特徴とする気体中の異種物質の除去装置。
  2. 前記第2の気体は窒素、ヘリウム、乾燥空気の1種類または混合気体であることを特徴とする請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  3. 前記第3の供給手段がスプレーノズルであることを特徴とする請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  4. 前記洗浄塔の頂部に第2の気体を供給する、第2の気体の供給手段を有することを特徴する請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  5. 前記洗浄塔の下部から排出された液体から分離される、清浄化された気体を排気する、排風機を有することを特徴する請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  6. 前記洗浄塔を複数有することを特徴とする請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  7. 前記洗浄塔が直列で連通されることを特徴とする請求項6に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  8. 前記洗浄塔と前記タンクとの間に、前記洗浄塔の下部から排出された気体の一部を排気するための排気ラインが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  9. 前記洗浄液循環供給ラインが、前記洗浄塔の下部と前記タンクとの間に配設された静止型混合器を備え、前記洗浄塔の下部から排出された液体と気体とが、前記洗浄液循環供給ラインに配設された前記静止型混合器を通過して前記タンク内の液体中に導入されることを特徴とする請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  10. 前記洗浄液循環供給ラインの前記洗浄塔の下部と前記タンクとの間に、排風機を備えた排気ラインが接続され、前記タンク内の液体中で分離された気体が、前記排風機により前記排気ラインを通じて排気されることを特徴とする請求項1に記載の気体中の異種物質の除去装置。
  11. 長手方向を実質的に垂直にして配置された液体と気体とを混合して気体中の異種物質を液体中に移動させる静止型混合器を内設した、第1の洗浄塔、第2の洗浄塔、及び、第3の洗浄塔と、
    前記第1の洗浄塔に内設された前記静止型混合器の上部から、異種物質を含有する第1の気体を供給する第1の供給手段と、
    前記第1の供給手段の外周に配置された、第2の気体を供給する第2の供給手段と、
    前記第1の供給手段及び前記第2の供給手段の下方に配設された、下向きに液体を供給する第3の供給手段と、
    前記第1の洗浄塔、前記第2の洗浄塔、及び、前記第3の洗浄塔の下方に配設されたタンクと、
    前記第1の洗浄塔の下部から、前記タンクを介して、前記第3の供給手段に液体を供給する、洗浄液循環供給ラインとを有し、
    前記第1の洗浄塔の下部から排出された液体と気体の一部が、前記洗浄液循環供給ラインを通じて前記タンク内の液体中に導入されて、前記タンク内の液体中で前記気体と液体とが分離され、
    前記第1の洗浄塔から排出された液体及び気体の一部が、前記第2の洗浄塔の上部から、前記第2の洗浄塔内に内設された前記静止型混合器に供給されて、前記第2の洗浄塔の下部から前記タンク内に液体及び気体が排出され、
    前記タンク内で分離された液体及び気体が、前記タンクから前記第3の洗浄塔に供給される
    ことを特徴とする気体中の異種物質の除去装置。
  12. 前記第1の洗浄塔及び前記第2の洗浄塔において、前記静止型混合器内の液体と気体とが並流であり、前記第3の洗浄塔において、前記静止型混合器内の液体と気体とが向流であることを特徴とする請求項11に記載の気体中の異種物質の除去装置。
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