本発明の実施例を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L,32C,32R(図2参照)によって回転させることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L,2C,2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では後述の通常遊技状態においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図2参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図2参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33Rからなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、本実施例では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態においては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図2は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図2に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aには、処理を実行するのに必要なデータの読み出し及び書き込みが行われる複数のレジスタ(記憶領域)が設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるA、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用データが格納されるB、C、D、E、H、Lレジスタ、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ、スタックポインタ(後述するスタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ、後述するリフレッシュ動作を行うRAM41cのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ、RAM41cの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタが設けられている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施例では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うための前述したR(リフレッシュ)レジスタが設けられている。Rレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、CPU41aは、起動時において、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効、自動精算機能の有効/無効を設定するようになっている。打止スイッチ36及び自動精算スイッチ29の状態は起動時においてのみ取得し、取得した状態に基づいて打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されるため、その後に打止スイッチ36や自動精算スイッチ29が操作されても、新たに打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されることはない。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、遊技状態として、レギュラーボーナス、通常遊技状態があり、このうちレギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、通常遊技状態に対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が通常遊技状態にあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス、レギュラーボーナスが、小役としてチェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。また、スロットマシン1における役の組み合わせとしては、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーが定められている。すなわち、役及び役の組み合わせの合計は7となっている。
本実施例のスロットマシン1においては、遊技状態が通常遊技状態であるか、レギュラーボーナスであるか、によって抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。更に遊技状態が通常遊技状態である場合には、いずれかの特別役の持ち越し中か否か(特別役の当選フラグにいずれかの特別役が当選した旨が既に設定されているか否か)によっても抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。本実施例では、遊技状態に応じた状態番号が割り当てられており、内部抽選を行う際に、現在の遊技状態に応じた状態番号を設定し、この状態番号に応じて抽選対象となる役を特定することが可能となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態である場合には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリー、リプレイ、チェリー、ベル、すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態である場合には、リプレイ、チェリー、ベル、すなわち役番号5以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態がレギュラーボーナスである場合には、チェリー、ベルの組み合わせが内部抽選の対象となる。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、通常遊技状態においては2枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL3、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組み合わせが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、通常遊技状態においては4枚のメダルが払い出されることとなるが、レギュラーボーナスでは、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞しても、1ゲームにおいて払い出されるメダル枚数の上限が15枚に設定されているため、15枚のみメダルが払い出されることとなる。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態においては8枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
レギュラーボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
ビッグボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスに移行すると、ビッグボーナスへの移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナスが終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナスが終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス中は、常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
尚、前述したレギュラーボーナス、ビッグボーナスをまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態及び設定値に応じて定められた各役及び役の組み合わせの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組み合わせの判定値数から、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
次に、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される各種遊技用電子部品との配線接続状態の詳細について、図3に基づいて説明する。尚、図3は、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33L,33C,33R、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、演出制御基板80が接続されている。
図3には、遊技制御基板40と接続される各種スイッチ、センサ等の電子部品のうち、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5,MAXBETスイッチ6、ゲームを開始させる際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31、リール2L,2C,2Rの回転を検出するためのリールセンサ33L,33C,33R、入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ35及び演出制御基板80が示されており、他のスイッチ、センサ等の図示は省略されている。
演出制御基板80を除く上記遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L,2C,2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの回転検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L,2C,2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5,MAXBETスイッチ6及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板40にBET信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ5,MAXBETスイッチ6及び投入メダルセンサ31はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ7は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にスタート信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ7はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール2L,2C,2Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ8L,8C,8Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にストップ信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール2L,2C,2Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール2L,2C,2Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ8L,8C,8Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール2L,2C,2Rの回転を検出するリールセンサ33L,33C,33Rは、該回転の検出(回転基準位置の検出)に基づいて遊技制御基板40にリール回転信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該リール回転信号の受信に基づいて該当するリール2L,2C,2Rの図柄の変動表示状況に応じて回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール2L,2C,2Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ33L,33C,33Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ35は、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板40にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ35はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、リール2L,2C,2Rを回転させるリールモータ32L,32C,32Rは、スタート操作の検出に応じて遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ32L,32C,32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてリール2L,2C,2Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール2L,2C,2Rを回転しなかったとしても、メイン制御部41は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ33L,33C,33Rからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ33L,33C,33Rから信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ32L,32C,32Rは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ34は、入賞の発生に応じて遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ34は、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてホッパータンクを駆動させてメダルを払い出すものであるが、該信号入力に基づいて実際にホッパータンクを駆動しなかったとしても、メイン制御部41は、ホッパータンクの駆動信号を出力した後に上記払出センサ35からの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ35から信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、ホッパータンクの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパータンクの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ34は、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、これら遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35との配線接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35と遊技制御基板40とは中継基板を経由して配線接続されているとともに、これら基板と配線とはコネクタを介して接続されている。
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、投入メダルセンサ31は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L,32C,32R及びリールセンサ33L,33C,33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34及び払出センサ35は、電源基板100を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板80は、演出中継基板90を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板100、演出制御基板80には、遊技制御基板40と各電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
また、このように各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体所定箇所に取り付けた各中継基板110,120,100,80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
遊技制御基板40と操作部中継基板110とは、配線600aを介して接続され、遊技制御基板40とリール中継基板120とは、配線600bを介して接続され、遊技制御基板40と電源基板100とは、配線600cを介して接続されており、また、演出制御基板90と演出中継基板100とは、配線600dを介して接続されている。
操作部中継基板110と1枚BETスイッチ5とは配線601aを介して接続され、操作部中継基板110とMAXBETスイッチ6とは配線601bを介して接続され、操作部中継基板110とスタートスイッチ7とは配線601cを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Lとは配線601dを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Cとは配線601eを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Rとは配線601fを介して接続され、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31とは配線601gを介して接続されている。
また、リール中継基板120とリールモータ32Lとは配線601hを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Cとは配線601jを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Rとは配線601lを介して接続されている。また、リール中継基板120とリールセンサ33Lとは配線601iを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Cとは配線601kを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Lとは配線601mを介して接続されている。また、電源基板100とホッパーモータ34とは配線601nを介して接続され、電源基板100と払出センサ35とは配線601oを介して接続され、演出中継基板80と演出制御基板90とは配線601pを介して接続されている。
これら各配線600a〜600c,601a〜601oは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、配線600aの両端には、配線側コネクタ610a,611aが設けられており、一方の配線側コネクタ610aは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方の配線側コネクタ611aは、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。配線600bの両端には、配線側コネクタ610b,611bが設けられており、一方の配線側コネクタ610bは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方の配線側コネクタ611bは、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。配線600cの両端には、配線側コネクタ610c,611cが設けられており、一方の配線側コネクタ610cは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方の配線側コネクタ611cは、電源基板100に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。配線600dの両端には、配線側コネクタ610d,611dが設けられており、一方の配線側コネクタ610dは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方の配線側コネクタ611dは、演出中継基板80に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
また、一端が1枚BETスイッチ5に接続された配線601aの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622aに接続可能な配線側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ6に接続された配線601bの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622bに接続可能な配線側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ7に接続された配線601cの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622cに接続可能な配線側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ8Lに接続された配線601dの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622dに接続可能な配線側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ8Cに接続された配線601eの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622eに接続可能な配線側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ8Rに接続された配線601fの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622fに接続可能な配線側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ31に接続された配線601gの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622gに接続可能な配線側コネクタ612gが設けられている。
また、一端がリールモータ32Lに接続された配線601hの他端及び一端がリールセンサ33Lに接続された配線601iの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622hに接続可能な配線側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ32Cに接続された配線601jの他端及び一端がリールセンサ33Cに接続された配線601kの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622iに接続可能な配線側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ32Rに接続された配線601lの他端及び一端がリールセンサ33Rに接続された配線601mの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622jに接続可能な配線側コネクタ612jが設けられている。
また、一端がホッパーモータ34に接続された配線601nの他端及び一端が払出センサ35に接続された配線601oの他端には、電源基板100に固設された基板側コネクタ622kに接続可能な配線側コネクタ612kが設けられている。
また、配線601pの両端には、配線側コネクタC2,C3が設けられており、一方の配線側コネクタC2は、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタC1に接続可能なコネクタであり、他方の配線側コネクタC3は、演出制御基板90に固設された基板側コネクタC4に接続可能なコネクタである。
尚、本実施例では、各電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていてもよい。
上述のように、各基板と各配線とは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a〜620d,621a〜621d,622a〜622k,C1,C4と、配線側に設けられる配線側コネクタ610a〜610d,611a〜611d,612a〜612k,C2,C3とからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタから配線側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板40、操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板100、演出制御基板80は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタから配線側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板40や演出制御基板90の交換が容易に行うことができる。
また、遊技店に出荷する際には、これら配線側コネクタと基板側コネクタとのコネクタ接続部に、基板側コネクタからの配線側コネクタの抜脱を規制するコネクタ規制部材500,650,660,670,680,690,700(解除規制部材)が設けられ、遊技店において基板側コネクタから配線側コネクタが容易に抜脱されることを防止する。
すなわち、前述した各遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35と遊技用制御基板40との間に設けられる配線600a〜600c、601a〜601oのコネクタでの接続が解除されると、従来例にて説明したように、不正な打ち込み器具のコネクタに差し替えられ、遊技用制御基板40に入力する信号に偽装を図ってゲームを自動的に進行させるといった不正営業が行われる可能性があるからである。
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5,MAXBETスイッチ6または投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作が行われていないのにメイン制御部41にを行うことなく賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ8L,8C,8Rと遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。リールセンサ33L,33C,33Rと遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール2L,2C,2Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ35と遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ32L,32C,32Rと遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ33L,33C,33Rから遊技制御基板40に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。また、ホッパーモータ34と遊技制御基板40との間に設けられる配線のコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ35から遊技制御基板40に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品5、6、7、8、31、33L,33C,33R、35から出力され、本来であれば遊技制御基板40に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるとともに、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力され、本来であれば第2の電子部品32L,32C,32R、34に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、メイン制御部41がリールモータやホッパーモータの駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号がメイン制御基板40に入力された場合には、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。よって、以下に説明するコネクタ規制部材を用いて配線のコネクタでの接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難とする。
次に、前述した遊技制御基板40を収納する基板収納ケース200及びコネクタ規制部材の詳細な構造について説明する。尚、ここでは、前述したコネクタ規制部材500,650,660,670,680,690,700のうち、遊技制御基板40に設けられる基板側コネクタ620a〜620dからの配線側コネクタ610a〜610dの抜脱を規制するコネクタ規制部材500を一例として説明することとする。
図4は、基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図5は、(a)は図4の要部拡大斜視図であり、(b)は(a)のケース本体の要部を示す平面図であり、図6は、基板収納ケース及び遊技制御基板の組み付け状態を示す分解斜視図であり、図7は、ケースカバーに対する遊技制御基板の取り付け状態を示す斜視図であり、図8は、配線側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、図9は、コネクタ規制部材の取り付け状況を示す斜視図であり、図10は、ケース本体とケースカバーとを閉鎖した状態を示す縦断面図であり、図11は、基板収納ケースの封止状態を示す斜視図であり、図12は、図11のA−A断面図であり、図13は、基板収納ケースを示す一部破断側面図であり、図14は、(a)は図13のB−B断面図であり、(b)は図13のC−C断面図である。
尚、図4〜図14に示される遊技制御基板40においては、演出中継基板80と接続するための配線600d,配線側コネクタ610d,基板側コネクタ620dの図示は省略しているが、実際には配線側コネクタ610dは、他の配線側コネクタ610a〜600cと並設されているものとする。
基板収納ケース200は、図4に示されるように、遊技制御基板40の裏面側を覆うケース本体としてのケース本体201と、遊技制御基板40の実装面31a(図10参照)側を覆うケースカバー202と、から構成され、遊技制御基板40を挟持するように組み付けられるものである。尚、遊技制御基板40の実装面31aには、特に詳細な図示はしないが、CPU41a、ROM41b、RAM41c等の電子素子や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a〜620c等が多数実装されている。尚、本実施例においては、3つの基板側コネクタ620a〜620cが記載されているが、これら実装されるコネクタの実装数量は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。
また、基板収納ケース200は、ケースカバー201の外側に装着され、後述する基板側コネクタ620a〜620cに接続される配線側コネクタ610a〜610cの抜脱を防止するためのコネクタ規制部材500を備えている。尚、遊技制御基板40は、後述するようにケースカバー202の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるようになっている。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206と、により上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、図11に示される封止状態(閉鎖状態)において遊技制御基板40の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203及び後述する閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、特に図5(a)に示されるように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、該中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dと、により、平面視で略凹状に形成されている。つまり、これら膨出壁203b,203c及び連接壁203dにより、中央側壁203aの長手方向の左右側には、本体内部側から外側に向けて膨出する平面視略長方形状をなす膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される平面視略長方形状の基板収納空間S1(図5(b)中2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されており、つまり内部が中空状に構成されており、一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、後述する複数(本実施例では3本)の予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられている。
ネジ収納部209は、図5(b)に示されるように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、該板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bと、から構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイネジ281のネジ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の挿入孔209cが上方から所定深さ形成されており、挿入孔209cの上面開口から予備用ワンウェイネジ281を挿通して収納できるようになっている(図14(a)参照)。
板状部209aは、その長手方向の両端が、それぞれ側壁206及び連接壁203dの内面に連設されているとともに、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、後述するケースカバー202の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図14(a)参照)。
予備用ワンウェイネジ281は、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである(図5参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたネジ部283と、該ネジ部283の上端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図14(a)参照)。尚、ワンウェイネジ280も予備用ワンウェイネジ281と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明及び図示は省略することとする。
中央側壁203aの外側には、後述するワンウェイネジ280が螺入される複数(本実施例では4つ)のネジ孔211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図5及び図13に示されるように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ネジ孔211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、該固着片212aの下面における各ネジ孔211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bと、から構成され、ネジ孔211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、中央側壁203a及び両連接壁203dに対向する3辺がそれぞれ側壁203に連設されているとともに、中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと面一になるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されているため、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bにより保護されて損傷しないようになっている。
他方の短寸の側壁204は、図4及び図10に示されるように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、該内向片204aの先端から下方に垂設される垂下片204bとが連設されており、これら側壁204、内向片204a及び垂下片204bの内面により、後述するケースカバー202の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図10参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図10に示されるように、底板201aにおける被係止凹部215の鉛直下方位置には開口が形成されているとともに、該開口端縁部からは、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立設されており、封止状態においてケースカバー202の側壁下端と底板201aの上面との間を外側から被覆できるようになっている。
底板201aの下面には、スロットマシン1に設けられる基板収納ケース取付板(図示略)に取り付ける際に、該基板収納ケース取付板に係止可能な複数の取付板用係止爪217と、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突設されている。
ケースカバー202は、透明な合成樹脂からなり、図4及び図5(a)に示されるように、略長方形状に形成される上板220と、該上板220の周縁辺のうち3つの縁辺を囲むように形成された側壁230〜232とにより下面が開放する直方体状に形成されている。上板220における2つの長辺のうち一方側は、長手方向に向けて下方に凹設されており、上板220の一部に所定幅を有する帯状の凹部234が形成されている。
具体的には、上板220は、図6及び図12に示されるように、実装面31aとの対向面(裏面)が該実装面31にほぼ当接する位置に設けられる低被覆面部220aと、該低被覆面部220aよりも実装面31aから離間した位置に設けられる高被覆面部220bと、低被覆面部220aと高被覆面部220bとを連設する傾斜被覆面部220cと、から構成されており、低被覆面部220a及び傾斜被覆面部220cにより前記凹部234が形成されている。
低被覆面部220aは、図6に示されるように、平面視略長方形状に形成された遊技制御基板40の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図6中斜線で示される領域)を被覆するとともに、該コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ620a〜620cの接続口620d及び本体上部をそれぞれ挿通して外部に露呈(開放)可能とするコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
また、低被覆面部220aの裏面は、後述するように遊技制御基板40が取り付けられた状態で、図12に示されるように該遊技制御基板40の実装面31aにほぼ当接するようになっており、コネクタ用開口236a〜236cを介して各種基板側コネクタ620a〜620cの接続口620d及び本体側面の上部がケースカバー202の外部に露呈されるようになっている。尚、各コネクタ用開口236a〜236cは、これら開口端縁と各種コネクタ620a〜620cの本体側面との間から針金等の異物や配線等が容易に進入されることがないように、開口端縁と各種コネクタ620a〜620cの本体側面との間が例えば約1mm以内の隙間となるように形成されている。
高被覆面部220bは、遊技制御基板40の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)、つまりメイン制御部41等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆するため、低被覆面部220aよりも高い位置、つまり低被覆面部220aに比べて実装面31aから離れた位置に配置される。
傾斜被覆面部220cは、高被覆面部220bの一側縁から低被覆面部220aの一側縁に向けて下方に傾斜するように設けられているとともに、高被覆面部220b側の上部位置には、後述するコネクタ規制部材500に形成された複数の係止爪501それぞれが係合される複数の係合穴502が長手方向に向けて所定間隔おきに形成されている。
上板220の裏面四隅には、図7に示されるように、遊技制御基板40を取り付けるための基板取付ネジ239が取り付けられるネジ孔240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突設されているとともに、取り付けの際に位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突設されており、ケースカバー202の裏面側に遊技制御基板40を取り付けできるようになっている。
遊技制御基板40を取り付けるには、遊技制御基板40の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cから各コネクタ620a〜620cが挿通されるように、遊技制御基板40における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、遊技制御基板40の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
このようにケースカバー202に遊技制御基板40を取り付けた状態において、前述したように、上板220における低被覆面220aの裏面と実装面31aとが対向してほぼ当接した状態となる(図12参照)。これにより、各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁と各種コネクタ620a〜620cの本体側面との間から進入させた針金等の異物や配線等を、遊技制御用マイコン等が実装されている遊技制御基板40の中央部に向けて差し込むことが困難となるため、ROM41b等への不正行為が効果的に防止される。
また、高被覆面220bの裏面所定箇所には、後述するワンウェイネジ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数吊支されたキャップ吊支体245(図6中拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに凸設されている。キャップ吊支体245に吊支されているキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の合計数(4個)のキャップを有している。
尚、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられており、該係止爪を後述する被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することで、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持されるようになっている。
上板220の上面には、図4に示されるように、スロットマシン1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247が凹設されているとともに、遊技制御基板40を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が凹設されている。
また、上板220表面には、各被固着部255a〜255dそれぞれに対応する箇所に、後述するようにワンウェイネジ280及びワンウェイネジ281を用いて第1被固着部255及び第2被固着部212とを固着する順番、つまり、各被固着部255a〜255d及び各ネジ孔211a〜211dの使用順序を示す使用順番号(図4、図5中に示す「1,2,3,4」の白抜き数字参照)が印刷等により表示されている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりもそれぞれ一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。つまり、これら膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203c及び連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞するように構成されている。
これら膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成されており、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202における基板収納空間と区画されて独立した空間となっているとともに(図5参照)、他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれていることにより、ケースカバー202の基板収納空間と連通している(図14(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されており、該係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成されており、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止されるようになっている。
また、図14(a)に示されるように、前述したネジ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるネジ規制用リブ253が下方に向けて垂設されている(図5参照)。詳しくは、ネジ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ネジ収納部209の板状部209aの直上に該板状部209aと平行をなすように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向けて垂設されている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、該挿入孔209cの上面開口に向けて鉛直方向に向けて所定長さ延設されており、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接する長さを有している。
このように、上記封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209内に収納された予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの逸脱が防止されるようになっているため、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図5に示されるように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(本実施例では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ネジ孔211a〜211dに対向する箇所に複数形成されており、これら固着部により第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図13,図14(b)に示されるように、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、該筒状部256と側壁230とを連接する連接部257と、から構成されており、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されているため、連接部257をニッパ等の工具で切断できるようになっている。また、連設部257は、ケースカバー202の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数突設されており、各連設部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイネジ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイネジ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。この取付孔259は、封止状態において、各ネジ孔211a〜211dの対向位置に配置されるようになっている。
図4及び図10に示されるように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に向けて延設された係止片261が外方に向けて延設されている。
このように構成されたケース本体201及びケースカバー202は、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉塞した状態において、ケース本体201の側壁205の内面と、ケースカバー202の低被覆面部220aにおける側壁205の内面との対向辺である長辺220d(図8参照)端面との間に、後述する垂直板500bが挿通可能な間隙部505が、側壁205の内面に沿って形成されるようになっている(図12参照)。
次に、コネクタ規制部材500の構造について説明する。図9に示されるように、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されており、ケースカバー202の外側に装着可能に構成されている。板材の幅寸法は、ケースカバー202の長辺202dにおける長手方向の幅寸法よりも若干短寸の幅寸法を有している。具体的に説明すると、コネクタ規制部材500は、装着時においてケースカバー202における低被覆面220aよりも若干大きめに形成される上板500aと、該上板500aの外端から下方に向けて延設される垂直板500bと、該垂直板500bの下端から上板500aと平行をなすように同方向に延設される下板500cと、から側面視略コ字形に形成されている。
上板500aにおける長辺500dには、前述した複数の係合穴502それぞれに差し込み可能に、かつ、弾性変形可能に構成されるとともに、先端に上向きの係止爪501が形成された係止片が該上板500aとほぼ平行をなすように突設されており、該係止片を係合穴502からケースカバー202内に挿通した状態において、ケースカバー202の裏面における係合穴502の上縁に係止爪501が係止されるようになっている。
上板500aには、前述した各配線側コネクタ610a〜610cから延出された配線600a〜600cを挿通可能な細長長方形状の配線挿通用開口503a〜503cが長手方向に向けて形成されているとともに、各配線挿通用開口503a〜503cからは、各配線600a〜600cを挿通可能な配線挿通用スリット504a〜504cが長辺500dに向けて延設されている。
各配線600a〜600cは、複数本のケーブルを列状に並設することにより帯状に束ねて形成されてなるいわゆるフラットケーブルであるため、配線挿通用開口503a〜503c及び配線挿通用スリット504a〜504cは横長長方形状に形成されている。詳しくは、配線挿通用開口503a〜503cは、長辺及び短辺が、配線側コネクタ610a〜610c本体の長辺及び短辺よりも短寸に形成され、配線側コネクタ610a〜610cを挿通不可能であり、かつ、配線600a〜600cを挿通可能に形成されている。また、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線600a〜600cを該配線挿通用スリット504a〜504cに対して平行な姿勢とした状態で長辺500d側から差し込み可能な幅寸法に形成されている。
よって、各配線600a〜600cは、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込んで配線挿通用開口503a〜503cまで引き込むことで、配線挿通用開口503a〜503c内に配置することができるようになっている。
また、これら配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの開口長縁辺に対して傾斜するように、かつ、互いに平行に形成されているとともに、該開口長縁辺における長手方向の中央位置から長辺500d側に向けて斜めに延設されている。これにより、配線挿通用スリット504a〜504cを介して引き込んだ配線600a〜600cを、配線挿通用開口503a〜503c内に斜めに進入させることができるため、配線挿通用開口503a〜503c内にスムーズに進入させることができる。
また、開口長縁辺の長手方向の中央位置から配線挿通用スリット504a〜504cが延設されていることで、配線挿通用開口503a〜503c内に配線600a〜600cを配置した状態において、該配線600a〜600cの列方向の両端が配線挿通用スリット504a〜504cとの連設部から離れるため、配線600a〜600cが配線挿通用スリット504a〜504c内に逆戻りすることがない。すなわち、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの一辺よりも幅狭であることが望ましい。
下板500cは、垂直板500bの下端から上板500aと同方向に向けて延設されており、その延設幅は、遊技制御基板40の短辺の幅寸法よりも若干短寸とされている。つまり、遊技制御基板40の裏面31b(実装面31aの反対面)ほぼ全域を被覆可能な長さとされている(図12参照)。
このように形成されたコネクタ規制部材500は、上記のように、基板側コネクタ620a〜620cに接続された配線側コネクタ610a〜610cから延設される各配線600a〜600cを、配線挿通用スリット504a〜504cを介して配線挿通用開口503a〜503c内を挿通させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることで、ケースカバー202に対して仮止めすることができる。
この状態において、上板500aにより低被覆面部220aの上方および外側方が上板500a及び垂直板500bにより被覆されるとともに、遊技制御基板40の裏面31bが下板500cにより被覆される。
次に、このように構成されたケース本体201及びケースカバー202により、遊技制御基板40を内部に収納して封止状態とするとともに、コネクタ規制部材500により配線側コネクタ610a〜610cの抜脱を規制する状況を説明する。
遊技制御基板40を封止状態で収納するには、まず、ケースカバー202の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、遊技制御基板40をケースカバー202の裏面側に取り付ける。具体的には、図7に示されるように、遊技制御基板40の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ620a〜620cが挿通されるように、遊技制御基板40における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、遊技制御基板40の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
図8に示されるように、遊技制御基板40をケースカバー202の裏面側に取り付けた状態において、各コネクタ用開口236a〜236cからは、各基板側コネクタ620a〜620c本体上部がケースカバー202の外部に露呈される。つまり、各基板側コネクタ620a〜620cの本体上面に形成された接続口620dがケースカバー202の外部に上向きに開放されるため、ケースカバー202に配線側コネクタ610a〜610cを挿通させたりすることなく、各基板側コネクタ620a〜620cの接続口620dに各配線側コネクタ610a〜610cを差し込んで接続することができる。
次いで、図9に示されるように、各基板側コネクタ620a〜620cに接続された各配線側コネクタ610a〜610cから延設される各配線600a〜600cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込み、配線挿通用開口503a〜503c内を挿通させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることで、ケースカバー202に対して仮止めする。
このように、各基板側コネクタ620a〜620cに各配線600a〜600cの配線側コネクタ610a〜610cを接続した状態で、各配線600a〜600cを配線挿通用開口503a〜503cに簡単に挿通させることができる。また、配線600a〜600cにおける配線側コネクタ610a〜610cとは反対側の端部に設けられる配線側コネクタ(図示略)等を、配線挿通用開口503a〜503cに挿通させる必要がないばかりか、例えば、配線600a〜600cにおける配線側コネクタ610a〜610cとは反対側の端部が図示しない他の基板に対してコネクタ等を介さずに直接接続されている場合であっても、配線側コネクタ610a〜610cを配線挿通用開口503a〜503cに挿通させる必要がなく、上板500aに大きな開口を形成しなくて済むため、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
一方、ケース本体201の方は、図6に示されるように、ネジ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイネジ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からネジ部283を挿入孔209c(図5(b)参照)内に挿通するだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ネジ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されているため(図14(a)参照)、これら収納された予備用ワンウェイネジ281を使用する際において、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、遊技制御基板40が一体的に取り付けられるとともに、コネクタ規制部材500が外側に仮止めされたケースカバー202により、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図10に示されるように、ケースカバー202の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202を傾斜させた状態、すなわち、遊技制御基板40の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、該係止部を中心としてケースカバー202を図中矢印方向に向けて向けて回転させ、ケースカバー202をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ここで、ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。これにより、ケースカバー202の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202がケース本体201に対して仮止めされる。尚、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込むことで係止状態を解除することで、ケースカバー202を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253の下端が、ネジ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接した状態で配置されるため、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、遊技制御基板40の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態となるため、ケース本体201とケースカバー202との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ネジ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているため、遊技制御基板40が基板収納空間S1内におけるネジ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態においても(図14(b)参照)、ネジ収納部209と干渉することがない。
また、図12に示されるように、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の低被覆面部220aの長辺220dとの間に形成される間隙部505に、コネクタ規制部材500の垂直板500bが差し込まれた状態で配置されるとともに、下板500cの下面全域がケース本体201の底板201a上面に載置される。これにより、コネクタ規制部材500がケース本体201に対して安定的に保持されるとともに、遊技制御基板40の裏面31bが下板500cにより被覆される。
つまり、ケースカバー202に対して係止爪501を介して一端側が係止されたコネクタ規制部材500は、その一部を構成する他端側の下板500c及び垂直板500bの下部がケース内部に配置されることになる。
さらにこの状態において、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202の第1被固着部255が配置される。詳しくは、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ネジ孔211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイネジ280を挿通可能な状態となる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256(ここでは前述したようにケースカバー202に表示されている使用順番号「1」に対応する被固着部255dの筒状部256)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込む(図5参照)。
これにより、図13に示されるように、ネジ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用により、ネジ部283が取付孔259を貫通して、固着片212a及び筒状部212b内に貫通形成されたネジ孔211a内に螺入され、固着片212a及び被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)される。
すなわち、ケースカバー202は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイネジ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着され、遊技制御基板40は、実装面31a及び裏面31bがこれらケース本体201及びケースカバー202により被覆された状態で、基板収納ケース200内に封止状態で収納される。
尚、ワンウェイネジ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイネジ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることで、ワンウェイネジ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
また、この封止状態を解除してケースカバー202を開放しようとする場合、前述したようにワンウェイネジ280を反時計回りに回して取り外すことはできないため、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイネジ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残ることになるため、例えば不正行為によりケースカバー202が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。これにより、万が一不正な遊技プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができるため、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、ワンウェイネジ280によりケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態とされることで、ケースカバー202の外側に仮止めされたコネクタ規制部材500が、ケースカバー202から離脱不能に保持されるとともに、基板側コネクタ620a〜620cに接続された配線側コネクタ610a〜610cの抜脱が上板500aとの当接により規制される。すなわち、本実施例においては、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態は、前記各遊技用電子部品と遊技制御基板40との間における配線のコネクタでの接続を、該コネクタでの接続に関わる解除規制部位(例えば基板収納ケース200の連設部257等)を破壊しない限り解除不能な接続解除規制状態となる。
つまり、複数の被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255と、複数のネジ孔211a〜211dからなる第2被固着部212と、ワンウェイネジ280と、コネクタ規制部材500とにより、本発明の解除規制手段が構成されている。また、複数の被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255と、複数のネジ孔211a〜211dからなる第2被固着部212と、予備用ワンウェイネジ281と、コネクタ規制部材500とにより、本発明の予備用解除規制手段が構成されている。
具体的には、図12に示されるように、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態において、コネクタ規制部材500は、下板500cが遊技制御基板40の裏面31bを被覆するようにその下方に配置されることにより、その上方への移動が、ケース本体201に固着されたケースカバー202の裏面側に取り付けられた遊技制御基板40との当接により規制される。
また、下板500cから上向きに連設された垂直板500bが、ケースカバー202の長辺220dとケース本体201の側壁205内面とに挟持されるとともに、係止爪501が係合穴502に係止されることで、ケース本体201の底板201a上でのスライド移動が規制されるとともに、上板500aの変形も防止される。特に、垂直板500bの外面が側壁205の内面に上下方向にわたり密着した状態で保持されるため、垂直板500bの外側への変形も防止される。つまり、下板500c,垂直板500b,ケースカバー202の長辺220d及び側壁205は、本発明の解除規制手段の一部を構成している。
このように、コネクタ規制部材500の上方及び水平方向の移動が規制されることで、コネクタ規制部材500のケースカバー202からの離脱が防止され、安定して基板収納ケース200に保持される。そして、このように基板収納ケース200に保持されたコネクタ規制部材500の上板500aにより、ケースカバー202における低被覆面部220aの上面が被覆されるとともに、垂直板500bの上部,傾斜被覆面部220c,ケースカバー202の一部により低被覆面部220aの上方側周面が被覆されることで、基板側コネクタ620a〜620c及び配線側コネクタ610a〜610cが外部から遮断されるため、これらコネクタの接続部に対する不正行為が防止される。
また、図12に示されるように、基板側コネクタ620a〜620cに接続された配線側コネクタ610a〜610cの上方近傍に上板500aが配置されることで、配線側コネクタ610a〜610cを基板側コネクタ620a〜620cから抜脱しようとする際に、配線側コネクタ610a〜610cの本体上面における配線600a〜600cの延出部周囲が、上板500aの裏面における配線挿通用開口503a〜503cの周囲(当接規制部)に当接される。すなわち、配線側コネクタ610a〜610cの抜脱方向への移動が上板500aにより当接規制されるため、基板側コネクタ620a〜620cに正規以外の不正部品が接続された配線や、従来例にて説明したような不正な打ち込み器具が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、封止状態において、下板500cは遊技制御基板40の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていることで、裏面31bに形成された配線パターン等に対する不正行為も抑制できるとともに、安定性も向上する。尚、このように本実施例では、下板500cは遊技制御基板40の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていたが、コネクタ規制部材500の上方への移動を遊技制御基板40の裏面31bとの当接により規制可能な長さを有していれば、裏面31b全域を被覆可能な大きさに形成されていなくてもよい。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着して封止状態を構成した後、遊技制御基板40の故障や検査等により遊技制御基板40を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
尚、このようにネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカーが遊技制御基板40を遊技店等に出荷する際に、遊技制御基板40を基板収納ケース200内に封止状態で収納するために、1つのネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように遊技制御基板40が故障して交換する場合や検査等を行うために遊技制御基板40を取り出す場合等において、封止状態を解除することがある。その後再度封止状態とする際に他のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用するため、これらが第2被固着部212及び第1被固着部255が複数必要となる。
また、本実施例においては、複数の被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255と、複数のネジ孔211a〜211dからなる第2被固着部212と、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281は、コネクタ規制部材500による配線側コネクタ610a〜610cの基板側コネクタ620a〜620cからの抜脱を規制する解除規制手段の一部として機能するため、例えばコネクタの接続解除規制状態を形成した後、遊技用電子部品の故障により交換するために配線接続を解除する必要が生じた場合等において、電子部品の交換後に再度接続解除規制状態を形成する際に機能することになる。
まず、ケースカバー202を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281を1本取り出しておく。そして、前述と同様に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部(例えば前述した使用順番号「2」に対応する被固着部255b)に予備用ワンウェイネジ281を挿入し、ネジ孔211bに螺入することで、前述と同様に第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのネジ孔211a〜211d及び第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているため、ケース本体201やケースカバー202の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、本発明の実施例としての基板収納ケース200にあっては、遊技制御基板40をケースカバー202の裏面に取り付けることにより、基板側コネクタ620a〜620cがコネクタ用開口236a〜236cを介してケースカバー202の外部に開放されるとともに、該開放された基板側コネクタ620a〜620cに配線側コネクタ610a〜610cを接続した状態で、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を仮止めして基板収納ケース200に保持することで、配線側コネクタ610a〜610cの抜脱が当接規制部としての上板500aにより当接規制される。このように、ケースカバー202に、基板側コネクタ620a〜620cに接続された配線側コネクタ610a〜610cと反対側の配線側コネクタ(図示略)を挿通するための大きな挿通口等を形成しなくても、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を装着することができるため、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
また、下板500cは、封止状態とされたケース本体201及びケースカバー202により被覆されることで、封止状態を解除するかコネクタ規制部材500またはケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなり、これにより基板収納ケース200の一部を破壊したり封止状態を解除して配線側コネクタ610a〜610cを抜脱した際にはその痕跡が残り、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、本実施例では、封止状態においてケース内部に配置される下板500cが解除規制手段として機能するため、例えば前述したワンウェイネジ等の特殊な保持部材等を用いてコネクタ規制部材500をケースカバー202に保持したり、保持構造を複雑化することなく、ケースカバー202及びケース本体201を封止状態とするだけでケースカバー202に簡単に装着できるため、基板側コネクタ620a〜620cに正規以外の不正部品が接続された配線や不正な打ち込み器具等が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、コネクタ規制部材500の一部は、複数の配線側コネクタ610a〜610cを当接規制することが可能な1枚の上板500aにて構成されているため、複数の配線側コネクタ610a〜610cそれぞれに対応する複数の当接規制部を個別に形成する必要がないとともに、複数の配線側コネクタ610a〜610cをまとめて当接規制することができるため、保持作業の手間が軽減される。
さらに、配線側コネクタ610a〜610cの抜脱方向への移動を当接規制するだけでなく、これらの上方が被覆されるため、基板側コネクタ620a〜620cと配線側コネクタ610a〜610cとの接続部に対する不正行為が困難となるとともに、コネクタ規制部材500に配線側コネクタ610a〜610cを挿通するための大きな挿通口等を形成する必要がないので、強度低下が防止される。
また、コネクタ規制部材500の一部は、封止状態において間隙部505に配置される垂直板500bと、離脱方向への移動が遊技制御基板40により当接規制される下板500cと、から構成されることで、ネジ等の保持部材を使用することなく、垂直板500bを間隙部505に差し込んだ状態で封止状態とするだけで、係止部としての下板500cの係止作用により垂直板500bの抜脱方向への移動が規制されてケースに保持されるため、コネクタ規制部材500の装着作業が容易になる。
コネクタ規制部材500には、ケースカバー202に形成された係止穴502に係合可能な係止爪501が形成されているため、係止爪501が係合穴502に係合されることで、コネクタ規制部材500の上板500aが変形や破損しにくくなるので、上板500aを変形させて配線側コネクタ610a〜610cをケースカバー202との間に形成される隙間から抜脱すること等を確実に防止することができる。
また、遊技制御基板40の実装面31aにおけるコネクタ用開口236a〜236c近傍が低被覆面220aにより被覆されることで、コネクタ用開口236a〜236cと基板側コネクタ620a〜620cとの間に形成される隙間からセル板等の不正器具等を挿入しにくくなるので、遊技制御基板40に対する不正行為を防止することができる。
また、ケースカバー202に凹部234が形成され、コネクタ規制部材500は該凹部234に装着されるようにしたことで、装着状態においてコネクタ規制部材500がケースカバー202から大きく突出することがないので、スロットマシン1に配設された状態等において、コネクタ規制部材500が邪魔になることがない。
また、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板収納ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、遊技制御基板40の監視に支障をきたすことがない。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのネジ孔211a〜211d及び第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイネジ280により固着することで、遊技制御基板40を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケース200を破壊するかもしくは固着されたネジ孔211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202を開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイネジ281により固着することで、再度遊技制御基板40を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200を開放することにより、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるため、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、遊技制御基板40の封止状態においてネジ収納部209からの逸脱が、規制部としてのネジ規制用リブ253の下端との当接により規制されるため、逸脱した予備用ワンウェイネジ281により遊技制御基板40が損傷することを防止できる。
さらに、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向けて下方に延設されていることで、ネジ収納部209の配設位置が、ケースカバー202やケース本体201の形状により制限されたり、あるいはケースカバー202やケース本体201の形状をネジ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケース200の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281の頭部284からケースカバー202の裏面までの距離が、予備用ワンウェイネジ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱する虞がある。そこで、例えばケースカバー202におけるネジ収納部209に対応する箇所を該ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202全体の形状、あるいはネジ収納部209の配設位置を設計変更しなければならないが、ケースカバー202の裏面所定箇所からネジ規制用リブ253を延設することで、ケースカバー202全体の形状やネジ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、ネジ規制用リブ253は、3つの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を規制できるように、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されていることで、膨出部カバー250aの強度が高まる。これにより、例えばケースカバー202を過って床等に落下させてしまった場合等において、膨出部カバー250aが破壊されにくくなるので、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212及び第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられることで、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212及び第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイネジ281をまとめて収納可能であるため、各ネジ孔211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイネジ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、該膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられることにより、過って基板収納ケース200を床等に落下させた場合等においても、ネジ孔211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止されるとともに、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくことができるため、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、遊技制御基板40を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイネジ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にネジ孔211a〜211dとネジ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることで、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがないので、ケース本体201の構造を簡素化できるばかりか、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ネジ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、遊技制御基板40の封止状態において遊技制御基板40と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、遊技制御基板40は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられていることで、予備用ワンウェイネジ281の収納及び取り出しの際に遊技制御基板40と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイネジ281は、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるネジ部283と、該ネジ部283の一端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ収納部209は、予備用ワンウェイネジ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されていることで、予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、遊技制御基板40は、複数の電子部品及び基板側コネクタ620a〜620cが実装される実装面31aと該実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202は、コネクタ620a〜620cに対応する箇所に、該コネクタ620a〜620cの接続口620dをケース外部に開放するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、遊技制御基板40を取り付け可能に構成され、遊技制御基板40は、実装面31aをケースカバー202により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるため、基板収納ケース200を開放しても、実装面31aがケースカバー202により覆われた状態で遊技制御基板40が取り付けられていることで、ケースカバー202からの遊技制御基板40の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ620a〜620c等に対する不正行為を行いにくくなる。
次に、コネクタ規制部材の他の一例を、図15及び図16に基づいて説明する。図15は、基板側コネクタ、配線側コネクタ及びコネクタ規制部材を示す斜視図であり、図16は、(a)は図15のD−D断面図であり、(b)はコネクタ規制部材をコネクタ接続部に装着する前の状態を示す断面図であり、(c)は(a)のE−E断面図である。
以下に説明するコネクタ規制部材660は、遊技制御基板40とリール中継基板120とを接続する配線600bに設けられた配線側コネクタ611b及びリール中継基板120に設けられた基板側コネクタ621bとからなるコネクタ接続部における配線側コネクタ611bの抜脱を規制するコネクタ規制部材として適用されたものを説明する。
まず、配線側コネクタ611b及び基板側コネクタ621bの構造を説明すると、基板側コネクタ621bは、合成樹脂材により上面が開口する直方形に形成された本体からなり、内部に配線側コネクタ611bを嵌合可能に形成されているとともに、内部には複数の接続端子が突設されている。
基板側コネクタ621b本体の両長辺部それぞれの外面には、上下方向に延びる一対のリブ640が互いに離間配置されており、接続時において基板側コネクタ621b本体の長辺部側の外面と配線側コネクタ611b本体の長辺部側の内面とを離間させた状態で、基板側コネクタ621bに対して配線側コネクタ611bを保持できるようになっている。
基板側コネクタ621b本体の両長辺部のうち一方の外面における一対のリブ640間には、配線側コネクタ611bの外面に設けられる係止片643が係止される係止部641が突設されている。係止部641の上部には、上方から下方に向けて外方に向けて傾斜する傾斜面が形成されているため、配線側コネクタ611bが上方から差し込まれた場合に、係止片643が弾性変形により係止部641における傾斜面を乗り越えた後、弾性復帰力により下端に係止されるようになっている。
また、基板側コネクタ621b本体の両短辺部それぞれの外面には、後述するコネクタ規制部材660の装着時においてその内面に設けられた係合突起646が係合される被係合凹部642が形成されている。
配線側コネクタ611bは、合成樹脂材により下面が開口する直方形に形成された本体からなり、基板側コネクタ621bの内部空間に嵌合可能に形成されているとともに、内部には配線側コネクタ621bの接続端子が嵌合される複数の接続端子穴(図示略)が形成されている。
配線側コネクタ611b本体の両長辺部のうち一方の外面には、前記係止部641に下端が係止される係止凹溝644が内面に凹設された係止片643が設けられている。係止片643は、内面における係止凹溝644の上部両側から内向きに突設された一対の支持部645,645(一方は図示略)を介して本体に接続されているため、該支持部645,645を中心として、上端が本体に対して近接し、かつ下端が本体に対して離間する非係止状態と、上端が本体に対して離間し、かつ下端が本体に対して近接する係止状態との間で揺動するように支持されている。
係止凹溝644は上下方向に延設されており、その下端には係止部641が係止されるとともに、上端には後述するコネクタ規制部材660に設けられた弾性係止片647の係止爪647aが係止されるようになっている。
コネクタ規制部材660は、透明な合成樹脂材により下面が開口する直方形に形成されてなり、基板側コネクタ621b及び該基板側コネクタ621bに配線側コネクタ611bが接続された状態において、これら基板側コネクタ621b及び配線側コネクタ611bの外周を被覆するように装着可能に形成されている。
コネクタ規制部材660の上面及び一側面には、互いに連設される切欠部648,649が形成されており、該切欠部648,649を介して配線を内部側に挿通できるようになっているとともに、これにより基板側コネクタ621bに配線側コネクタ611bが接続された状態においても外方から装着できるようになっている。
内面における被係合部642,642に対応する箇所には、該被係合部642,642に係合される係合突起646,646が内向きに突設されており(図16(a)参照)、これら被係合部642,642及び係合突起646,646の係合作用により、基板側コネクタ621bからのコネクタ規制部材660の抜脱が規制されるようになっている。
また、上板内面における係止片643に対応する箇所には、基板側コネクタ621bに接続された配線側コネクタ611bの係止凹溝644上端に係止される係止爪647aを下端に有する弾性変形可能な弾性係止片647が下向きに垂設されている(図16(c)中拡大図参照)。
次に、このように構成されたコネクタ規制部材660をコネクタ接続部へ装着する際における作用を説明する。まず、基板側コネクタ621bに対してその上方から配線側コネクタ611bを差し込むと、内部にて接続端子が接続端子穴内に嵌合されて配線接続されるとともに、弾性変形により係止片643の下端が係止部641における傾斜面を乗り越えて非係止状態となった後、弾性復帰力により前記係止状態に復帰することにより、係止凹溝644の下端が係止部641の下端に係止され、基板側コネクタ621bからの配線側コネクタ611bの抜脱が規制される。
この状態においては、係止片643の上端を指で本体側に押し込めば、強制的に非係止状態とすることができるため、コネクタ接続状態の解除及び接続を簡単に行うことができる。
基板側コネクタ621bに配線側コネクタ611bが接続され、かつ抜脱が規制された係止状態において、図16(b)に示されるように、コネクタ規制部材660を上方からコネクタを覆うように、つまりコネクタ規制部材660の下端を基板側コネクタ621bの上部に嵌合させた状態で下降させると、弾性係止片647の下端が、配線側コネクタ611bの本体外面と係止片643との間に差し込まれ、装着状態において、係止爪647aが係止凹溝644の上端に係止される。
尚、弾性係止片647の下端が配線側コネクタ611bの本体外面と係止片643との間に差し込まれる際において、係止爪647aの先端により係止片643の上端が外方に向けて押圧されると、係止片643は、下端が基板側コネクタ621bの外面に当接されていることで、係止片643における支持部645よりも上部側が外向きに反るように弾性変形するとともに(図16(b)中拡大図参照)、係止爪647aが係止凹溝644の上端に係止されたときには、弾性復帰力にて本体側に向けて弾性復帰するため、係止凹溝644の上端に係止爪647aが係止される(図16(c)参照)。
この状態において、係止凹溝644の下端には係止部641が係止され、かつ係止凹溝644の上端には係止爪647aが係止される。つまり、係止片641は前記係止状態となるとともに、弾性係止片647の下端が配線側コネクタ611bの本体外面と係止片643との間に差し込まれることにより、係止片643の上端の配線側コネクタ611b本体側への移動が規制され、非係止状態とすることができなくなるため、前記係止状態で保持される。
また、このようにコネクタ接続部にコネクタ規制部材660を装着した状態において、係止片643の外方はコネクタ規制部材660により覆われているため、係止片643に外部から触れることはできない状態となるため、例えばコネクタ規制部材660を破壊するなどしない限り、係止凹溝644と係止部641及び係止凹溝644と係止爪647aとの係止状態を解除することはできない。すなわち、係止凹溝644と係止部641との係止状態を解除できないことで、配線側コネクタ611bの抜脱できないとともに、係止凹溝644と係止爪647aとの係止状態を解除することはできないことで、係止凹溝644と係止部641との係止状態が維持され、かつ、コネクタ規制部材660をコネクタ接続部から離脱できなくなるので、コネクタの抜脱が確実に規制される。
これら係止片643,係止凹溝644,係止部641,係止爪647a、コネクタ規制部材660は、一対のコネクタ(配線側コネクタ611bと基板側コネクタ612b)同士の抜脱の規制に関連する解除規制部位(コネクタ規制部材660等)を破壊しない限り配線接続を解除することができない接続解除規制状態を形成する解除規制手段を構成している。
また、コネクタ接続部を構成する一対のコネクタのうち一方の基板側コネクタ621bは、コネクタ接続状態において他方の配線側コネクタ611bに設けられた係止部としての係止凹溝644が係止される被係止部としての係止部641を有しており、コネクタ規制部材660は、係止凹溝644の係止部641からの離脱方向への移動を規制可能な移動規制部を構成する係止爪647aを有する弾性係止片647が設けられている。すなわち、コネクタ同士の接続及び解除に用いる係止片643を利用し、該係止片643の移動を移動規制部としての弾性係止片647により規制して係止状態で保持することが可能であることで、配線側コネクタ611bと基板側コネクタ612bの配線接続状態を維持したまま配線側コネクタ611bの抜脱を規制できるため、意図しない係止状態の解除による断線等が確実に防止される。
以上、遊技制御基板40に設けられる基板側コネクタ620a〜620dと配線側コネクタ610a〜610dとからなるコネクタ接続部における配線側コネクタ610a〜610dの抜脱を規制する解除規制手段(コネクタ規制部材500等)、及びリール中継基板120に設けられる基板側コネクタ621bと配線側コネクタ611bとからなるコネクタ接続部における配線側コネクタ611bの抜脱を規制する解除規制手段(コネクタ規制部材660等)について説明してきたが、他のコネクタ接続部にも同様の解除規制手段が設けられている。
具体的には、図3に示すように、操作部中継基板110に設けられる基板側コネクタ621aと配線側コネクタ611aとからなるコネクタ接続部にはコネクタ規制部材650が設けられ、操作部中継基板110に設けられる基板側コネクタ622a〜622gと配線側コネクタ612a〜612gとからなる複数のコネクタ接続部には、これら各コネクタ接続部における配線側コネクタの抜脱を規制可能な解除規制部を複数有するコネクタ規制部材680が設けられ、リール中継基板120に設けられる基板側コネクタ622h〜622jと配線側コネクタ612h〜612jとからなるコネクタ接続部には、これら各コネクタ接続部における配線側コネクタの抜脱を規制可能な解除規制部を複数有するコネクタ規制部材690が設けられ、電源基板100に設けられる基板側コネクタ621cと配線側コネクタ611cとからなるコネクタ接続部にはコネクタ規制部材670が設けられ、電源基板100に設けられる基板側コネクタ622kと配線側コネクタ612kとからなるコネクタ接続部にはコネクタ規制部材700が設けられる。
これらコネクタ規制部材650,670,680,690,700は、特に詳細な図示はしないが、前記コネクタ規制部材500,660いずれかと同様に構成されている。
尚、演出中継基板80に設けられる基板側コネクタ621dと配線側コネクタ611dとからなるコネクタ接続部、演出中継基板80に設けられる基板側コネクタC1と配線側コネクタC2とからなるコネクタ接続部、演出制御基板90に設けられる基板側コネクタC4と配線側コネクタC3とからなるコネクタ接続部には特にコネクタ規制部材は設けられていない。
これは、演出制御基板90に接続される演出用電子部品(液晶表示器51,演出効果LED52等)は、遊技の進行に関わる電子部品ではないとともに、前述したように演出制御基板90側からの信号や制御情報等は遊技制御基板40側に出力されることがない構成とされているからである。尚、本実施例において、遊技制御基板40に設けられる基板側コネクタ620dと配線側コネクタ610dとからなるコネクタ接続部に関してコネクタ規制部材660を設けているように、これら演出に関わるコネクタ接続部にコネクタ規制部材を設けてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、遊技制御基板40と操作部中継基板110,リール中継基板120,電源基板100とを接続するする配線600a〜600cにおける遊技制御基板40側に設けられる第1のコネクタ接続部(基板側コネクタ620a〜620cと配線側コネクタ610a〜610c)のみならず、操作部中継基板110,リール中継基板120,電源基板100側に設けられる第2のコネクタ接続部(基板側コネクタ621a〜621cと配線側コネクタ611a〜611c及び基板側コネクタ622a〜622kと配線側コネクタ612a〜612k)にも解除規制手段を構成するコネクタ規制部材650,660,670,680,690,700が設けられることで、遊技制御基板40と遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35とが中継基板110,120,100を介して配線接続される場合であっても、遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L,32C,32R、33L,33C,33R、34、35と遊技制御基板40とを接続する配線600a〜600c,601a〜601oに設けられる全てのコネクタ接続部におけるコネクタの抜脱が規制され、不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続するといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施を効果的に防止できるばかりか、コネクタ規制部材650,660,670,680,690,700を含む解除規制手段により接続解除規制状態が形成されることにより、配線のコネクタでの接続を解除するためには、例えばコネクタ規制部材500,650,660,670,680,690,700や基板収納ケース200の連設部257等の解除規制部位を破壊しなければならず、これにより接続を解除した後に再度接続解除規制状態を形成することが極めて困難となり、かつ、手間がかかるため、上記不正行為をより効果的に抑制することができる。
また、コネクタ規制部材500は、例えば基板収納ケース200のいずれかの連設部257が切断されてケースが開放され、コネクタ接続が解除された場合には、その後、例えば他の第1被固着部255、第2の被固着部212及び予備用ワンウェイネジ281を用いて基板収納ケース200を再度封止状態として接続解除規制状態を形成した場合、切断された連設部257の一部、つまり接続が解除されたことを特定可能な痕跡が基板収納ケース200に確実に残るため、打ち込み器具が接続された可能性があることを早期に発見することができる。
尚、例えば基板収納ケース200やコネクタ規制部材500,660等における解除規制部位を破壊してコネクタ接続を解除した後、該基板収納ケース200やコネクタ規制部材500,660が新規なものに交換されてしまった場合には、コネクタの接続が解除された痕跡は残らないが、不正者はこれらケースや部材を新たに製造する等の手間がかかることになるため、不正行為を行う意欲を効果的に低減させるという効果は得られる。
また、コネクタ規制部材500にあっては、該コネクタ規制部材500を含む解除規制手段(複数の被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255,複数のネジ孔211a〜211dからなる第2被固着部212,ワンウェイネジ280)に加えて、該解除規制手段による接続解除規制状態が解除された後、再度接続解除規制状態を形成するための予備用解除規制手段(複数の被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255,複数のネジ孔211a〜211dからなる第2被固着部212,予備用ワンウェイネジ281)が設けられているため、例えば機種変更に伴う遊技制御基板40の交換時以外で、電子部品の故障等により配線接続を解除しなければならない状況が発生した場合でも、解除規制部位であるコネクタ規制部材500や基板収納ケース200等を破壊したとしても、予備用解除規制手段により再度接続解除規制状態を形成することができ、電子部品の交換の度に新規な部材を用意する必要がないので、製造コストを低減できる。
尚、本実施例においては、解除規制手段及び予備用解除規制手段がコネクタ規制部材500ではなく、該コネクタ規制部材500が設けられる基板収納ケース200に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、コネクタ規制部材そのものに解除規制手段及び予備用解除規制手段を設けてもよい。
具体的には、例えばコネクタ規制部材660等を、本体及びカバー体により構成し、これらに前記第1被固着部及び第2被固着部を形成し、前述したワンウェイネジ等により本体とカバー体とを固着して一体化することによりコネクタの規制状態を形成可能とするとともに、複数のうちのいずれかの連設部が切断されるなどして本体とカバー体とが分離されてコネクタ接続が解除された場合には、予備用ワンウェイネジ281により別の被固着部255a〜255d及びネジ孔211a〜211dを固着して本体及びカバー体を一体化することにより、再度コネクタの規制状態を形成することができる。
また、本実施例では、図3に示すように、遊技用電子部品と遊技制御基板40とが中継基板等を介して配線接続されている場合において、遊技制御基板40に設けられる基板側コネクタと配線側コネクタとからなる第1のコネクタ接続部及び中継基板110,120,100に設けられる基板側コネクタと配線側コネクタとからなる第2のコネクタ接続部全てがコネクタ規制部材を含む解除規制手段が設けられていたが、例えば中継基板から延出される配線が、遊技用電子部品が有する基板に設けられた基板側コネクタとコネクタ接続されるようになっている場合には、該コネクタ接続部においても解除規制手段を設けることが好ましい。
また、一の遊技用電子部品と遊技制御基板40との間に複数の中継基板が接続されていてもよく、複数の中継基板が接続される場合においては、一の中継基板と該一の中継基板に接続される他の中継基板とを接続する配線の全てのコネクタ接続部に解除規制手段(第3の解除規制手段)を設けられることが好ましい。
つまり、各遊技用電子部品と遊技制御基板40との間に設けられる各配線における全てのコネクタでの接続の解除が解除規制手段により不能とされていればよい。
また、遊技制御基板40と遊技用電子部品とを接続する配線に設けられるコネクタ接続部は、例えば前面扉を開放した際において、筐体または前面扉の裏面等において、目視可能で、かつ作業しやすい箇所に配置されることが好ましい。
すなわち、遊技制御基板40に接続される複数種類の遊技用電子部品は、遊技制御基板40から離れた所定箇所に点在して設けられるものであり、配線の引き回しが複雑になるものであるため、例えば第2のコネクタ接続部が設けられる各種中継基板を所定箇所に取り付け、該中継基板から各遊技用電子部品まで配線接続することにより、遊技制御基板40から中継基板までの配線を容易に取りまとめることができるとともに、配線接続及び解除を作業しやすい場所で行うことができるばかりか、コネクタ規制部材の破壊等により接続解除規制状態が解除された場合において、破壊の痕跡等を発見しやすくなるからである。
さらに、コネクタ接続部を遊技制御基板40だけではなく、各中継基板にも設けることで、遊技用電子部品を交換する際において、該遊技用電子部品の近傍で配線接続を解除することができ、配線作業の負荷を極力低減することができるため、遊技制御基板及び遊技用電子部品双方の交換作業を容易にすることが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、解除規制手段の一部を構成する解除規制部材(コネクタ規制部材)の構造は、解除規制部位を破壊しない限り接続解除規制状態を解除することができないように構成されたものであれば、前述したように合成樹脂板で構成されるコネクタ規制部材500,660等に限定されるものではなく、例えば配線側コネクタや基板側コネクタを基板収納ケースに連結可能な結束バンド等にて構成されてもよい。
具体的には、コネクタ規制部材500,660は、接続解除規制状態が形成された状態においてコネクタ接続部を被覆可能な被覆部を有するカバー部材にて構成されていたが、抜脱を規制可能であれば必ずしもコネクタ接続部の少なくとも一部が被覆されるものでなくてもよい。
また、前記実施例に記載のコネクタ規制部材500,660は、コネクタ接続部を構成する一対のコネクタとは別体に設けられていたが、例えば一対のコネクタ本体に直接形成されていてもよい。具体的には、一対のコネクタのうち一方に取付片を形成するとともに、他方に被取付片を形成し、該取付片及び被取付片をワンウェイネジや接着剤等により固着することで、抜脱を規制するものであってもよい。
また、遊技制御基板40のように、該遊技制御基板40を収納可能な基板収納ケース200が設けられている場合においては、解除規制部を有するコネクタ規制部材等を基板収納ケース200に一体的に形成してもよい。すなわち、基板収納ケースの一部に解除規制部が形成されていてもよく、このようにすれば、ケースとは別個にコネクタ規制部材を形成しなくて済むため、製造コストを低減できる。
また、前記実施例では、遊技制御基板40や中継基板に設けられた基板側コネクタを含むコネクタ接続部にコネクタ規制部材を含む解除規制手段が設けられる一例が記載されていたが、コネクタ接続部は、一対のコネクタのうち少なくとも一方が基板側コネクタにて構成されているものに限定されるものではなく、両コネクタが配線に設けられた配線側コネクタにて構成されているもの、つまり配線と配線とがコネクタで直接接続されているものや、両コネクタが基板側コネクタにて構成されているもの、つまり基板と基板とがコネクタで直接接続されているものも含む。
また、前記実施例に記載のコネクタ規制部材500は、基板収納ケース200に設けられるものであり、コネクタ規制部材660はコネクタ本体に設けられるものであったが、コネクタ規制部材はこれら基板ケースやコネクタに設けられていなくてもよく、例えばスロットマシン1の本体所定箇所等に取り付けられるものであってもよい。
また、遊技用電子部品は、前記実施例に記載した部品に限定されるものではなく、遊技の進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力可能なものであれば、上記以外の電子部品も対象となる。
また、前記実施例のスロットマシン1は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に出力する第1の電子部品5、6、7、8、31、33L,33C,33R、35と、遊技制御基板40からのゲームの進行に関わる信号が入力される第2の電子部品32L,32C,32R、34と、をそれぞれ複数備えていたが、第1の電子部品または第2の電子部品のいずれか一方のみが備えられているものであってもよい。
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
更に、特に図示はしないが、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。