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JP2008164984A - 積層位相差フィルム - Google Patents

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JP2008164984A
JP2008164984A JP2006355006A JP2006355006A JP2008164984A JP 2008164984 A JP2008164984 A JP 2008164984A JP 2006355006 A JP2006355006 A JP 2006355006A JP 2006355006 A JP2006355006 A JP 2006355006A JP 2008164984 A JP2008164984 A JP 2008164984A
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Tatsuya Ekinaka
達矢 浴中
Kunio Hatanaka
邦夫 畠中
Hideaki Nitta
英昭 新田
Kinji Hasegawa
欣治 長谷川
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

【課題】透明性、耐熱性および機械的特性に優れ、波長分散特性が良好で且つ光弾性係数の小さい積層位相差フィルムを提供する。
【解決手段】正の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるAフィルムと、負の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるBフィルムとを、その遅相軸が直交するように貼りあわせることにより構成された、下記式(1)〜(4)を満足することを特徴とする積層位相差フィルム。 β≦20×10−12Pa−1 (1) 50μm≦dA+dB≦180μm (2) 15μm≦dA≦50μm (3) R(450)<R(550)<R(650) (4)(βは積層フィルムの光弾性係数、dAおよびdBはフィルム厚み(μm)、R(450)、R(550)およびR(650)はそれぞれ積層位相差フィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差。)
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、耐熱性、機械的特性および光学特性に優れた、液晶表示装置において好適に使用される積層位相差フィルムに関する。
位相差フィルムは液晶ディスプレイにおいて、偏光された光の成分の相対位相を変化させるために用いられる複屈折性のフィルムである。液晶ディスプレイにおいて鮮明かつ精細な画像を得るためには、複屈折層の全面が光学的に均一であるとともに、温度や湿度等の環境の変化によっても光学的特性が変化しないこと、複屈折の値が全ての波長においてその液晶表示装置に適切であることが要求される。
位相差フィルムとしては、従来ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート等の高分子フィルムを延伸配向したものが用いられてきた。しかし、これらの材料は光弾性係数が大きくわずかな応力で光学的感度(レターデーション)が変化するため、光学的な均一性に劣るという問題があった。また、このような材料では耐熱性や耐湿熱性が必ずしも十分ではなく、特に、自動車搭載用の液晶ディスプレイに用いられる場合には、過酷な条件での使用が予測されるため、改善が求められていた。
ところで近年、透明性樹脂材料として、環状オレフィンの単独重合体(又はその水素添加物)、環状オレフィンを環状オレフィン以外のオレフィンと共重合した環状オレフィン系共重合体(又はその水素添加物)等が提案されている。
これらの重合体は、低複屈折性、低吸湿性、高耐熱性などの特徴を有しており、光学材料として開発が進められている。これらの重合体は、光弾性係数が比較的小さいため、光学的な均一性が高く、また、環境の変化に対しても安定的な光学特性を維持できることが報告されている。特許文献1には、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを用いた液晶ディスプレイ用位相板が開示されている。
しかし、このような環状オレフィン系の重合体を用いても、光学特性の波長分散特性に関しては不十分な特性のものであり、この結果液晶表示の色調が十分に改善されていなかった。
このような、光学特性の波長分散特性を改善する方法として、光学特性の異なる2種類のポリマーをブレンドする方法、ポリマー中に屈折率異方性を持つ棒状無機分子をブレンドする方法、光学特性の異なる2種類のフィルムを貼り合わせ延伸する方法、2種類以上の位相差フィルムを光軸(延伸軸)を交差させて組み合わせて使用する方法、位相差が大きく位相差の波長分散性が低いフィルムと、位相差が小さく位相差の波長分散性が大きなフィルムとを、その遅相軸が直交する向きに貼りあわせる方法等が提案されている。
特許文献2には、ポリカーボネート樹脂とポリスチレン樹脂とをブレンドした延伸フィルムを積層する方法や該ブレンドした延伸フィルムとノルボルネン系ポリマーの延伸フィルムとを積層する方法が示されている。しかしながら、これらの積層フィルムはポリカーボネート樹脂とポリスチレン樹脂との相溶性が悪く、ブレンド物の光学特性にムラが出る等の問題がある。
特許文献3には、ポリマーフィルム中に屈折率異方性を有する棒状の無機物を分散させた延伸フィルムが示されている。しかしながら、波長分散性は改善されるものの、フィルムの光弾性係数に関しては改善されない。
特許文献4には、2種類の位相差フィルムを光軸(延伸軸)を交差させて、1/2波長板や1/4波長板を得る方法が示されている。この方法は、具体的には2枚以上のポリカーボネート樹脂製の位相差フィルムをその遅相軸を直交でも平行でもない向きに組み合わせる方法であり、光弾性係数が高くなるという欠点がある。
特許文献5には、位相差の値が大きく位相差の波長分散性が低い(波長にかかわらず位相差の値がほぼ一定)フィルムと、位相差の値が小さく位相差の波長分散性が大きな(波長と位相差の値が大きく反比例の関係)フィルムとを、その遅相軸が直交する向きに貼りあわせる方法が示されている。この方法では、表示品位の良好な光学フィルムを提供するものの、積層フィルムの光弾性係数が大きくなり、わずかな応力で位相差が変化し、光学的な均一性に劣るという問題があった。
特開平04−245202号公報 特開2005−031626号公報 特開2005−227427号公報 特開平05−100114号公報 特開2002−303723号公報
本発明の第1の目的は、透明性、耐熱性および機械的特性に優れ、波長分散特性が良好(下記式(4)を満足する逆波長分散特性を示す)で且つ光弾性係数の小さい積層位相差フィルムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、液晶表示装置における良好なコントラスト、広い視野角を実現できる積層位相差フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため、特定の厚みを有する正の光弾性係数を持つポリマーからなるフィルムを一軸延伸してなる位相差フィルムと、特定の厚みを有する負の光弾性係数を持つポリマーからなるフィルムを一軸延伸してなる位相差フィルムとを、その遅相軸が直交するように積層した積層位相差フィルムが極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
1.正の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるAフィルムと、負の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるBフィルムとを、その遅相軸が直交するように貼りあわせることにより構成された、下記式(1)〜(4)を満足することを特徴とする積層位相差フィルム、
β≦20×10−12Pa−1 (1)
50μm≦dA+dB≦180μm (2)
15μm≦dA≦50μm (3)
R(450)<R(550)<R(650) (4)
(ここで、βは積層フィルムの光弾性係数(Pa−1)であり、dAおよびdBはそれぞれAフィルムのフィルム厚み(μm)およびBフィルムのフィルム厚み(μm)であり、R(450)、R(550)およびR(650)はそれぞれ積層位相差フィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示す。)
2.前記AフィルムおよびBフィルムが、さらに下記式(5)〜(8)を満たす請求項1記載の積層位相差フィルム。
Ra(550)<Rb(550) (5)
Ra(450)>Ra(550)>Ra(650) (6)
Rb(450)>Rb(550)>Rb(650) (7)
Rb(450)−Ra(450)<Rb(550)−Ra(550)
<Rb(650)−Ra(650) (8)
(Ra(450)、Ra(550)およびRa(650)はそれぞれAフィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示し、Rb(450)、Rb(550)およびRb(650)はそれぞれBフィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示す。)
3.前記正の光弾性係数を有するポリマーの光弾性係数が20×10−12〜120×10−12Pa−1、負の光弾性係数を有するポリマーの光弾性係数が−20×10−12〜−5×10−12Pa−1である前項1または2記載の積層位相差フィルム、
4.前記正の光弾性係数を有するポリマーが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂およびポリエーテルスルフォン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂である前項1〜3のいずれか1項に記載の積層位相差フィルム、
5.前記正の光弾性係数を有するポリマーが、ポリカーボネート樹脂である前項4記載の積層位相差フィルム、
6.前記負の光弾性係数を有するポリマーが、環状シクロオレフィン系重合体である前項1〜5のいずれか1項に記載の積層位相差フィルム、
7.前記負の光弾性係数を有するポリマーが、ノルボルネン系シクロオレフィンとビニル化合物との共重合体である前項6記載の積層位相差フィルム、
8.前記Aフィルムのフィルム厚み(dA)と前記Bフィルムのフィルム厚み(dB)との関係式が、下記式(9)を満たす前項1〜7のいずれか1項に記載の積層位相差フィルム、
3dA≦dB≦12dA (9)
9.前項1〜8のいずれか1項に記載の積層位相差フィルムを含む積層偏光板、
10.液晶セルの少なくとも一方の表面に、前項1〜8のいずれか1項に記載の積層位相差フィルムまたは前項9記載の積層偏光板が配置された液晶表示装置、
が提供される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の積層位相差フィルムは、正の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるAフィルムと、負の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるBフィルムとを、その遅相軸が直交するように貼りあわせることにより構成された、下記式(1)〜(4)を満足することを特徴とする積層位相差フィルムである。
β≦20×10−12Pa−1 (1)
50μm≦dA+dB≦180μm (2)
15μm≦dA≦50μm (3)
R(450)<R(550)<R(650) (4)
(ここで、βは積層フィルムの光弾性係数(Pa−1)であり、dAおよびdBはそれぞれAフィルムのフィルム厚み(μm)およびBフィルムのフィルム厚み(μm)であり、R(450)、R(550)およびR(650)はそれぞれ積層位相差フィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示す。)
ここで光弾性係数βは張力をかけた方向の屈折率をna、張力と直交する方向の屈折率をnb、フィルムの断面積をS、フィルムに加えた張力をFとしたとき、(na−nb)×S/Fで示される。光弾性定数βは幅1cm、長さ6cmの積層フィルムを準備し、このフィルムの無荷重状態の位相差、1N、2N、3N荷重時の波長550nmの光の位相差をエリプソメーター(JASCO社製、商品名M−220)で測定し(位相差)×(フィルム幅)/(荷重)を計算することにより求めることができる。積層位相差フィルムの光弾性係数βは20×10−12Pa−1以下であり、10×10−12Pa−1以下が好ましく、5×10−12Pa−1以下がより好ましい。下限は0×10−12Pa−1が好ましい。光弾性係数βが20×10−12Pa−1を超えると、貼り合わせ時やその後の温度変化による応力の発生により位相差が変化し、目的の位相差を実現できなくなるので好ましくない。
該積層位相差フィルムは前記式(4)を満足する。式(4)を満足することにより、該積層位相差フィルムは全ての波長領域に渡って目的の位相差をほぼ実現する。ところで、ポリマーを延伸してなる位相差フィルムの位相差は一般的にa+b/λ+c/λ+d/λ(a,b,c,dは比例定数、λは測定波長)という式を近似的に満たし、波長450nmから650nmの範囲では位相差は単調に増加、もしくは単調に減少することが知られている。したがって、450nmと550nmの位相差を測定し、R(450)<R(550)を満足することを確認することで、R(450)<R(550)<R(650)を満足することが分かる。
前記Aフィルムは、正の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるフィルムである。正の光弾性係数をもつポリマーとしては分子主鎖に芳香族環を持つ化合物を挙げることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂およびポリエーテルスルフォン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂が挙げられる。
該正の光弾性係数を有するポリマーの光弾性係数の好ましい範囲は20×10−12〜120×10−12Pa−1であり、より好ましい範囲は30×10−12〜100×10−12Pa−1である。光弾性係数が120×10−12Pa−1を超えると、これを打ち消すための負の光弾性係数をもつポリマーからなるフィルムの層を厚くする必要があり、積層フィルムが厚くなる。光弾性係数が20×10−12Pa−1未満のポリマーは位相差の発現が困難であったり、位相差の波長依存性が小さくなったりする。
前記Bフィルムは、負の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるフィルムである。負の光弾性係数をもつポリマーとしては剛直な脂環式構造を持つ環状オレフィン系重合体、分子側鎖に芳香族環を持ち、延伸時に平均で芳香族環が分子主鎖に対して直交するポリスチレン等が挙げられる。
該負の光弾性係数を有するポリマーの光弾性係数の好ましい範囲は−20×10−12〜−5×10−12Pa−1であり、より好ましい範囲は−15×10−12〜−6×10−12Pa−1である。光弾性係数が−5×10−12Pa−1を超えると、正の光弾性係数を持つポリマーからなるフィルムの光弾性を打ち消すために該負の光弾性係数を有するポリマーからなるフィルム層を厚くする必要がある。光弾性係数が−20×10−12Pa−1未満の場合は位相差の波長依存性が大きくなり、積層位相差フィルムの位相差の波長依存性の制御が困難になる。
また、前記AフィルムおよびBフィルムは、さらに下記式(5)〜(8)を満たすことが好ましい。
Ra(550)<Rb(550) (5)
Ra(450)>Ra(550)>Ra(650) (6)
Rb(450)>Rb(550)>Rb(650) (7)
Rb(450)−Ra(450)<Rb(550)−Ra(550)
<Rb(650)−Ra(650) (8)
(Ra(450)、Ra(550)およびRa(650)はそれぞれAフィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示し、Rb(450)、Rb(550)およびRb(650)はそれぞれBフィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示す。)
上記式(5)〜(8)を満たすことにより、本発明の積層位相差フィルムは目的の良好な波長分散性(式(4)で示される逆波長分散特性)を満足するため好ましい。
正の光弾性係数を有するポリマーとしては、耐熱性、位相差の波長依存性等の観点からポリカーボネート樹脂を好ましい樹脂として挙げることができる。ポリカーボネート樹脂の光弾性係数は用いられるビスフェノール化合物により様々な値をとるが、代表的な2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニルプロパンを原料としたポリカーボネート樹脂の場合、その光弾性係数は75×10−12Pa−1である。
負の光弾性係数を有するポリマーとしては、耐熱性、位相差発現の容易さ、位相差の波長依存性等の観点から環状シクロオレフィン系重合体を好ましい樹脂として挙げることができる。特にノルボルネン系シクロオレフィンとビニル化合物との共重合体が光弾性係数の絶対値が大きい点で好ましい。環状シクロオレフィン系重合体の光弾性係数は樹脂の種類によって異なるが−5×10−12〜−10×10−12Pa−1の範囲である。
正の光弾性係数を持つAフィルムのフィルム厚み(dA)と負の光弾性係数を持つBフィルムのフィルム厚み(dB)との厚みの比は、許容される積層フィルムの光弾性係数や厚み、積層フィルムに求められる位相差およびその波長依存性、使用する樹脂の種類(光弾性係数や位相差発現の容易さ)によって異なるが、例えばAフィルムがポリカーボネート樹脂からなるフィルムで、Bフィルムが環状シクロオレフィンからなるフィルムの場合、3dA≦dB≦12dAの範囲が好ましく、4dA≦dB≦10dAの範囲がより好ましい。Bフィルムの厚みがAフィルムの厚みの3倍未満だと積層によってAフィルムの光弾性係数を打ち消す効果が充分ではなく、フィルム装着、使用時に熱ムラ(フィルム貼り合わせ、使用時に積層フィルムと被着材の熱膨張係数が違うためフィルムの特に4隅に応力がかかり、4隅の位相差が初期目標の位相差と異なってしまう現象)が発生する。Bフィルムの厚みがAフィルムの厚みの12倍を超えるとBフィルムの光弾性係数の影響が強く出るようになり、かえって積層フィルムの光弾性係数が負に大きくなる。また、Aフィルムの厚みを薄くすることには技術上の制約があるので結果として積層フィルムの厚みが厚くなってしまう。
次に、本発明の積層位相差フィルムの製造方法の一例を説明する。
まず、前記Aフィルム(以下、位相差フィルムAと称する)を準備する。位相差フィルムAは、例えば、従来公知の方法、例えば押出成形、カレンダー法、溶媒キャスティング法、フィルム流延法等を用いて形成されたフィルムを縦または横方向に一軸延伸して得ることができる。具体的な延伸方法は特に限定されず、公知の方法を適宜使用することができるが、例えば、ロール法縦延伸、テンター横延伸、フィルムのMD方向に一軸に延伸する自由端縦延伸、フィルムのMD方向は固定しながらTD方向に一軸に延伸する固定端横延伸などが挙げられる。
次に前記Bフィルム(以下、位相差フィルムBと称する)を準備する。位相差フィルムBについても位相差フィルムAと同様従来公知の方法、例えば押出成形、カレンダー法、溶媒キャスティング法、フィルム流延法等を用いて形成されたフィルムを縦または横方向に一軸延伸して得ることができる。
前記位相差フィルムA、Bの延伸倍率は、延伸方法によって異なるが、通常未延伸のフィルムA、Bの長さに対して、5〜400%延伸することが好ましく、10〜200%延伸することがより好ましい。
前記、未延伸フィルムA、Bを延伸する温度は、使用するフィルムのガラス転移点(Tg)やフィルム中の添加物の種類などに応じて適宜選択される。前記未延伸フィルムを延伸する温度は、例えば80〜220℃、好ましくは100〜200℃である。特に、Tg〜Tg+10℃の範囲で行うことが好ましい。Tg未満の温度で延伸を行うとフィルムの破断等が起きやすい。Tg+10℃を超える温度で延伸を行うと、延伸フィルムの位相差が発現し難くなる。
前記未延伸フィルムA、Bの延伸温度、延伸方向、延伸倍率、延伸方法は同一でも良いし、それぞれ異なっていても良い。
本発明においては、未延伸フィルムA、Bをそれぞれ延伸した後で貼り合わせる方法が採用される。未延伸フィルムAと未延伸フィルムBとを貼りあわせた後で、延伸を実施するとフィルム間の密着性が悪化し好ましくない。未延伸フィルムA、Bをそれぞれ延伸した後で貼り合わせる方法は、各未延伸フィルムの延伸温度、延伸方向、延伸倍率、延伸方法を相手方フィルムに制限されずに選択できるので、ポリマー選択の幅、フィルム厚み設定、位相差の制御等の点でも有利である。
位相差フィルムAと位相差フィルムBとの貼り合わせは粘着剤や接着剤を用いて行うことができる。これらの貼り合わせに用いられる粘着剤や接着剤としては例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤やゴム系接着剤等が挙げられる。
本発明の積層位相差フィルムは、該積層位相差フィルム単独または必要に応じて他の光学フィルム等と組み合わせた積層体として各種の光学用途、具体的には、各種液晶表示素子の光学補償部材などとして利用することができる。一例として、工業的に製造されているヨウ素系や染料系の偏光板(または偏光子)と本発明の積層位相差フィルムとを組み合わせることにより、液晶表示素子の複屈折性を補償、調整する機能を有する積層偏光板とすることができる。
本発明の積層位相差フィルムと任意に組み合わせて用いる偏光板は、特に限定されないが、その基本的な構成は、偏光子の片側または両側に、保護層(フィルム)を積層したものである。
前記偏光子(偏光フィルム)としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはヨウ素または二色性染料を吸着配向させたPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
前記保護層(フィルム)としては、従前公知の透明フィルムを使用できるが、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルフォン系、ポリスルフォン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物、液晶ポリマー等が挙げられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
前記透明保護層の厚みは、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、例えば、500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である。
前記透明保護層は、例えば、偏光フィルムに各種透明樹脂を塗布する方法、偏光フィルムに前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従前公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
積層位相差フィルム、偏光子、透明保護層等の各構成物同士を積層する方法は、従前公知の方法によって行うことができる。一般には、前述と同様の粘着剤や接着剤等が使用でき、その種類は、前記各構成物の材質等によって適宜決定できる。
前述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れることが要求される。具体的には、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、偏光子や透明保護層の表面に直接塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートを表面に施してもよい。また、水溶液として調製した場合には、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。
なお、前記接着剤を塗布する場合は、上述の接着剤水溶液に、添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1μm〜500μmであり、好ましくは10μm〜300μmであり、より好ましくは20μm〜100μmである。
本発明による積層偏光板は、各種液晶表示装置の構成に適用することができるが、その適用に際しては、必要に応じて接着層や粘着層を介して、反射板、半透過反射板、輝度向上フィルムなどの光学層を1層または2層以上に積層することができる。
次に、反射型偏光板または半透過反射型偏光板の一例について説明する。反射型偏光板は、本発明の積層偏光板にさらに反射板が、半透過反射型偏光板は、本発明の積層偏光板にさらに半透過反射板が、積層されている。
前記反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、背面から照射するための光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法が広く知られており、従前公知の方法によって作製できる。具体的には、偏光板の片面を、必要に応じて凹凸上に処理し、その上からアルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を施すことにより、反射板として形成した反射型偏光板が一例として挙げられる。
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等が挙げられる。
前記半透過型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に設けられており、液晶表示装置等を比較的明るい環境で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示しうる一方、比較的暗い環境においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示しうるといった明暗両環境下で使用できる液晶表示装置等に適用できる。
また、本発明の積層位相差フィルムは、各種位相差板、拡散制御フィルム、輝度向上フィルム等と組み合わせて用いることもできる。位相差板は、ポリマーを一軸延伸したもの、二軸延伸したもの、Z軸配向処理したもの、液晶性高分子を塗布したもの等が挙げられる。拡散制御フィルムは、視野角を制御するための拡散、散乱、屈折を利用したフィルムや、解像度に関わるギラツキ、散乱光等を制御する拡散、散乱、屈折を利用したフィルム等を用いることができる。輝度向上フィルムは、コレステリック液晶の選択反射とλ/4板を用いた輝度向上フィルムや、偏光方向による異方性散乱を利用した散乱フィルム等を用いることができる。また、ワイヤーグリッド型偏光子と組み合わせて用いてもよい。
本発明の積層位相差フィルムや積層偏光板等に、さらに輝度向上フィルムが積層された位相差フィルムや積層偏光板等の一例を挙げる。
前記輝度向上フィルムとしては、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、その他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムの市販品としては、3M社製の商品名「D-BEF」等が知られている。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用できる。これらは、左右一方の円偏光を反射して、その他の光は透過する特性を示すものであり、市販品としては、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等が知られている。
上述のとおり、光学層を2層以上に積層した光学部材は、液晶表示装置等の製造過程において、順次別個に積層する方式によって作製できるが、予め積層された光学部材として使用すれば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点がある。なお、この積層方法として、前述と同様に、粘着層等の各種接着手段を用いることができる。
本発明の位相差フィルムや積層偏光板等は、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着剤層や接着剤層を有していることが好ましい。これらは、前記位相差フィルムや積層偏光板等の片面または両面に配置することができる。前記粘着層の材料としては、アクリル系ポリマー等の従来公知の材料が使用でき、特に、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層を使用することが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を有する粘着層等でもよい。前記光学フィルムや積層偏光板等の表面に粘着剤層を施す方法は、各種粘着材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の方式により、前記光学フィルムや積層偏光板等の面に直接添加して粘着剤層を形成する方式や、セパレータ上に粘着剤層を施して、それを前記位相差フィルムや積層偏光板等の表面に移着する方式等によって行うことができる。
なお、上記の位相差フィルムや積層偏光板を構成する偏光子や透明保護フィルム、粘(接)着層などの各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で表面処理する方式により紫外線吸収能を持たせたもの等であってもよい。
本発明の位相差フィルムや積層偏光板は、VA(Vertical Aligned)セルの光学補償に非常に優れているので、VAモードの液晶表示装置用の視角補償フィルムとして、最も好適に用いることができる。
前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が挟持された構造であって、前記液晶セル基板としては、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に制限されず、従前公知の材料が適応できる。
また、本発明の位相差フィルムや積層偏光板の用途は、前述のような液晶表示装置には限定されず、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等の自発光型表示装置にも適応できる。自発光型フラットディスプレイに使用する場合は、例えば、本発明の位相差フィルムの複屈折層の面内位相差値Δndをλ/4にすることで、円偏光を得ることができるため、反射防止フィルターとしても利用できる。
近年、EL表示装置においても、黒状態における電極からの反射防止として、例えば、偏光子や偏光板等の光学フィルムをλ/4板とともに使用することが提案されている。本発明の積層偏光板や位相差フィルムは、特に、EL層から、直線偏光、円偏光もしくは楕円偏光のいずれかの偏光が発光されている場合、あるいは、正面方向に自然光を発光していても、斜め方向の出射光が部分偏光している場合等に、非常に有用である。
この有機EL表示装置は、例えば、有機発光層の表面側に透明電極を備え、裏面側に不透明な金属電極を備えた有機EL発光体を含む有機EL表示装置において、前記透明電極の表面に、本発明の位相差フィルムまたは積層偏光板が配置されることが好ましい。さらにλ/4板を偏光板とEL素子との間に配置することがより好ましい。このように、本発明の位相差フィルムを配置することによって、外界の反射を抑え、視認性を高めた有機EL表示装置を得ることが可能となる。また、前記透明電極と位相差フィルムとの間に、さらに位相差板を配置させることが好ましい。
本発明の積層位相差フィルムは、それを組み込んだ液晶表示装置の良好なコントラストと、広い視野角と、着色防止、可使温度範囲を実現でき、その奏する工業的効果は格別である。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、フィルムの特性は以下の方法で評価した。
(1)面内の位相差(R)
面内の位相差(R)は、位相差計(王子計測機器社製、商品名KOBRA21ADH)を用いて測定した。また、波長分散αは波長550nmで測定したフィルムの位相差R(550)と波長450nmで測定したフィルムの位相差R(450)から
α=R(450)/R(550)
と表した。
(2)光弾性係数(β)
光弾性係数は幅1cm、長さ6cmの積層フィルムを準備し、このフィルムの無荷重状態の位相差、1N、2N、3N荷重時の波長550nmの光の位相差をエリプソメーター(JASCO社製、商品名M−220)で測定し(位相差)×(フィルム幅)/(荷重)を計算することにより求めた。
(3)フィルム厚み
フィルム厚みは、波長700〜900nmで光干渉法により、自記分光光度計(大塚電子(株)製、商品名MCPD−2000)を用いて測定した。
実施例1
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製AD−5503)をジクロロメタンに溶解し、流延法により製膜して厚さ35μmのポリカーボネート樹脂キャストフィルムを得た。該フィルムを151℃で自由端縦方向一軸1.3倍延伸して波長550nmの光でのReが262nmであり、フィルム厚み30μmの位相差フィルムA1を得た。位相差フィルムA1作成に用いたポリカーボネート樹脂キャストフィルムおよび位相差フィルムA1の光弾性定数を測定したところ延伸前後ともに75×10−12Pa−1だった。次にフィルム厚170μmの開環重合型ポリノルボルネン(日本ゼオン(株)製 ZEONOR)フィルムを143℃で自由端縦方向一軸2.0倍延伸して、屈折率の波長分散が前記位相差フィルムA1よりも小さくて波長550nmの光でのReが400nmであり、フィルム厚み120μmの位相差フィルムB1を作成した。位相差フィルムB1作成に用いたポリノルボルネンフィルムおよび位相差フィルムB1の光弾性係数を測定したところ延伸前後ともに−5.3×10−12Pa−1であった。
前記位相差フィルムA1と位相差フィルムB1とを、それらの遅相軸の成す角が90度となるように粘着剤を介し接着積層して面内位相差が138nmの積層位相差フィルムを得た。この積層位相差フィルムの光弾性係数は12×10−12Pa−1、αは0.93であった。
実施例2および3
表1に記す位相差フィルムを用いて実施例1と同様に積層位相差フィルムを作成した。得られた積層フィルムの特性を表2に示した。
実施例4
共重合型ポリノルボルネン樹脂(ダイセル化学工業(株)製TOPAS)を溶融押出して作成した厚み170μmのフィルムを143℃で自由端縦方向一軸2.0倍延伸して、波長550nmの光でのReが400nmであり、フィルム厚み120μmの位相差フィルムB4を作成した。位相差フィルムB4作成に用いたポリノルボルネンフィルムおよび位相差フィルムB4の光弾性定数を測定したところ延伸前後ともに−7.8×10−12Pa−1であった。この位相差フィルムB4と前記位相差フィルムA1とを実施例1と同様の方法で積層位相差フィルムを作成した。得られた積層位相差フィルムの特性を表2に示した。
実施例5および比較例1〜2
表1に示した位相差フィルムを用いて実施例1と同様の方法で積層位相差フィルムを作成した。得られた積層位相差フィルムの特性を表2に示した。
比較例3
表1に示した共重合型ポリノルボルネン樹脂フィルムを延伸した位相差フィルムについて、その特性を表2に示した。
液晶表示装置における評価
(i)液晶表示装置視野角特性(コントラスト)の評価
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた位相差フィルムと、偏光板(商品名:SEG1425DU、日東電工社製)とを、アクリル系粘着剤層(厚み20μm)を介して貼り合わせ、積層偏光板を得た。これらの積層偏光板と、偏光板(商品名:SEG1425DU、日東電工社製)とを、VA型液晶セルの両面に、偏光板の互いの遅相軸が直交するように配置して液晶表示装置を得た。なお、積層偏光板は、位相差フィルムが前記液晶セルに接するように配置され、前記液晶セルのリア側に配置した。次に得られた液晶表示装置の上下、左右、対角(45°〜225°)、対角(135°〜315°)の各方向でのコントラスト比(Co)≧10の視野角を測定した。コントラスト比は、前記液晶表示装置に、白画像および黒画像を表示させ、装置(商品名Ez contrast 160D:ELDIM社製)により、表示画面の正面、上下左右について、視野角0〜70°におけるXYZ表示系のY値を測定した。そして、白画像におけるY値(Y)と、黒画像におけるY値(Y)とから、各視野角におけるコントラスト比(Y/Y)を算出した。全方位コントラスト比が10以上を「○」とし、10未満を「×」とした。その結果を表2に示した。
(ii)液晶表示装置着色防止(色調)の評価
上記のようにして得た液晶表示装置を、目視で、以下のようにして評価した。その結果を表2に示した。
◎ 全く着色が見られない。
○ 若干着色が見られるが、実用レベルで問題がない。
× 実用レベルで耐えることができないレベルの着色が見られる。
(iii)高温環境下での光抜けムラ(熱ムラ)の評価
上記液晶表示装置を80℃環境下30分間放置し、23℃環境下に取り出した直後のコントラスト比測定を行った。画面の全部位でコントラスト比20以上を実現できているものを◎、画面の全部位でコントラスト比10以上を実現できているものを○、画面の4隅等、一部の部位でコントラスト比10以上を実現できていないものを×とした。その結果を表2に示した。
表2に示すように、本発明の積層位相差フィルムは、それを組み込んだ液晶表示装置の良好なコントラストと、広い視野角と、着色防止および広い諧調維持温度範囲を実現できた。
Figure 2008164984
Figure 2008164984
本発明のAフィルムとBフィルムとの波長分散特性の一例を示すグラフである。 本発明の積層位相差フィルムの波長分散特性の一例を示すグラフである。
符号の説明
1.フィルムB5の位相差;波長分散依存性
2.積層フィルムの位相差
3.フィルムA4の位相差;波長分散依存性
4.理想の位相差;波長分散依存性
5.実施例5記載積層位相差フィルムの位相差;波長分散依存性

Claims (10)

  1. 正の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるAフィルムと、負の光弾性係数を有するポリマーを延伸配向してなるBフィルムとを、その遅相軸が直交するように貼りあわせることにより構成された、下記式(1)〜(4)を満足することを特徴とする積層位相差フィルム。
    β≦20×10−12Pa−1 (1)
    50μm≦dA+dB≦180μm (2)
    15μm≦dA≦50μm (3)
    R(450)<R(550)<R(650) (4)
    (ここで、βは積層フィルムの光弾性係数(Pa−1)であり、dAおよびdBはそれぞれAフィルムのフィルム厚み(μm)およびBフィルムのフィルム厚み(μm)であり、R(450)、R(550)およびR(650)はそれぞれ積層位相差フィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示す。)
  2. 前記AフィルムおよびBフィルムが、さらに下記式(5)〜(8)を満たす請求項1記載の積層位相差フィルム。
    Ra(550)<Rb(550) (5)
    Ra(450)>Ra(550)>Ra(650) (6)
    Rb(450)>Rb(550)>Rb(650) (7)
    Rb(450)−Ra(450)<Rb(550)−Ra(550)
    <Rb(650)−Ra(650) (8)
    (Ra(450)、Ra(550)およびRa(650)はそれぞれAフィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示し、Rb(450)、Rb(550)およびRb(650)はそれぞれBフィルムの波長450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差を示す。)
  3. 前記正の光弾性係数を有するポリマーの光弾性係数が20×10−12〜120×10−12Pa−1、負の光弾性係数を有するポリマーの光弾性係数が−20×10−12〜−5×10−12Pa−1である請求項1または2記載の積層位相差フィルム。
  4. 前記正の光弾性係数を有するポリマーが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂およびポリエーテルスルフォン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層位相差フィルム。
  5. 前記正の光弾性係数を有するポリマーが、ポリカーボネート樹脂である請求項4記載の積層位相差フィルム。
  6. 前記負の光弾性係数を有するポリマーが、環状シクロオレフィン系重合体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層位相差フィルム。
  7. 前記負の光弾性係数を有するポリマーが、ノルボルネン系シクロオレフィンとビニル化合物との共重合体である請求項6記載の積層位相差フィルム。
  8. 前記Aフィルムのフィルム厚み(dA)と前記Bフィルムのフィルム厚み(dB)との関係式が、下記式(9)を満たす請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層位相差フィルム。
    3dA≦dB≦12dA (9)
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層位相差フィルムを含む積層偏光板。
  10. 液晶セルの少なくとも一方の表面に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層位相差フィルムまたは請求項9記載の積層偏光板が配置された液晶表示装置。
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