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JP2008159266A - 光記録媒体、光記録再生方法および再生方法 - Google Patents

光記録媒体、光記録再生方法および再生方法 Download PDF

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JP2008159266A JP2008060184A JP2008060184A JP2008159266A JP 2008159266 A JP2008159266 A JP 2008159266A JP 2008060184 A JP2008060184 A JP 2008060184A JP 2008060184 A JP2008060184 A JP 2008060184A JP 2008159266 A JP2008159266 A JP 2008159266A
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Abstract

【課題】光入射側から第1の情報記録層および第2の情報記録層を有する光記録媒体において、第2の情報記録層のほぼ全ての記録可能領域に対して、複雑な記録再生システムを用いることなく、均一な強度で光を照射できるようにする。
【解決手段】光記録媒体は、第1および第2記録層10,8が積層され、片面側から入射される光により各記録層10,8について独立に情報の記録再生が可能でディスク形状である。光入射側の第1記録層10の記録可能領域は、半径方向の内周側端部あるいは外周側端部に拡張領域62を有し、拡張領域62のディスク半径方向の長さは、第1記録層10と第2記録層8との間の中間層の層厚と、第1記録層10と第2記録層8との間の偏心幅とを加えた長さ以上に設定されており、拡張領域62には試し書きのための領域が割り当てられ、この試し書きのための領域は、拡張領域62の範囲内に収まる。
【選択図】図10

Description

本発明は、記録再生可能な複数の情報記録層を有する光記録媒体、光記録再生方法および再生方法に関するものである。
近年、デジタル動画のような大容量の情報を記録し、ランダムアクセスが可能な光記録再生装置の開発が進められている。また、このような光記録再生装置の記録媒体として使用する光ディスクの高密度化が様々な角度から検討されている。
光記録再生装置においては、例えば、対物レンズの開口数を大きくし、光源を短波長化することにより、光ビームスポット径を小さくして記録密度を高くする方向で検討が進められている。これにより、光ディスクの記録容量は年々大きくなりつつある。また、光ディスクとしてのDVD−ROM(Digital Versatile Disc for Read Only Memory)においては、2層化技術によりディスク容量をほぼ2倍にする技術が確立されている。
さらに、記録再生可能な2層の情報記録層を有する光ディスクの高密度化については、Joint International Symposium on Optical Memory and Optical Data Storage 1999 において発表されている、文献名「 A 16.8GDB Double-Decker Phase Change Disc 」においても検討されている。
上記文献に記載の光ディスクでは、2層の情報記録層がそれぞれ相変化材料にて構成されている。このような光ディスクには、記録マーク部が記録マーク部間のスペース部よりも高い反射率を有するローツウハイ媒体と、逆にスペース部が記録マーク部より高い反射率を有するハイツウロー媒体とがある。これら何れの媒体も、相変化材料が多結晶状態であるか、または、非晶質状態であるかにより、その反射光量および透過光量が変化することを利用して再生が行われる。なお、上記のような相変化材料を使用している光ディスクについては、例えば特開2001−52342号にも開示されている。
特開2001−52342号 特開2000−285469号 特開平09−231613号 「 A 16.8GDB Double-Decker Phase Change Disc 」(Joint International Symposium on Optical Memory and Optical Data Storage 1999)
ところが、例えば、スペース部が記録マーク部より高い反射率を有するハイツウロー媒体では、記録が完了した領域に、案内溝に沿って、反射率が低くなった非晶質領域からなるマーク列が形成されることになる。また、このような光ディスクでは、光入射側に近い位置に存在する第1の情報記録層と、光入射側から遠い位置に存在する第2の情報記録層とが、同一の側からの入射光により記録再生される。即ち、第2の情報記録層は、第1の情報記録層を経た光ビームにより、記録再生される。したがって、第2の情報記録層に対して記録再生を行う際には、第1の情報記録層が記録状態であるか、または未記録状態であるかにより、第1の情報記録層を透過して第2の情報記録層に達する光ビームの強度が異なり、第2の情報記録層に対する記録パワー感度および再生パワー感度が異なってくる。
このため、第2の情報記録層に対して記録再生を行う際には、第1の情報記録層の記録状態を検出した上で、記録時および再生時の光ビーム強度を決定しなければならず、記録再生システムが複雑になる。この結果、このような光ディスクを使用した光記録再生システムは極めて現実性の低いものになるという問題点を有している。
したがって、本発明は、第1の情報記録層の記録可能領域での光の透過率がその記録可能領域が記録済であるか否かにより異なる場合であっても、複雑な記録再生システムを用いることなく、第2の情報記録層のほぼ全ての記録可能領域に対して、均一な強度で光を照射できるようにする光記録媒体、光記録再生方法および再生方法の提供を目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明の記録媒体は、複数の情報記録層が積層され、片面側から入射される光により、各情報記録層について独立して情報の記録再生が可能な、ディスク形状に形成された光記録媒体において、複数の前記情報記録層のうち、光入射側のものを第1の情報記録層とし、第1の情報記録層に対して光入射側とは反対側に隣り合うものを第2の情報記録層としたときに、第1の情報記録層における記録可能領域は、第1および第2の情報記録層の積層方向において、第2の情報記録層の記録可能領域と重なり合う領域よりも拡張された拡張領域をディスク半径方向の内周側端部あるいは外周側端部に有しており、前記拡張領域のディスク半径方向の長さは、第1の情報記録層と第2の情報記録層との間の中間層の層厚と、第1の情報記録層と第2の情報記録層との間の偏心幅とを加えた長さ以上に設定されており、前記拡張領域には、試し書きのための領域が割り当てられており、前記試し書きのための領域は、前記拡張領域の範囲内に収まるように割り当てられていることを特徴としている。
本発明の光記録再生方法は、上記の光記録媒体を使用し、前記情報記録層に対する試し書きを前記試し書きのための領域において行うことを特徴としている。
本発明の再生方法は、上記の光記録媒体を使用し、前記拡張領域を含む記録可能領域を介して第2の情報記録層へ再生光の照射を行うことを特徴としている。
〔参考例〕
本発明の参考例を図1ないし図8に基づいて以下に説明する。
図2に示すように、光ディスク(光記録媒体)1は、中心部にセンター穴2を有し、このセンター穴2に対する径方向の外方側に記録可能領域3を有している。この記録可能領域3では、記録再生のための案内溝がスパイラル状に形成され、情報の記録再生が可能となっている。なお、記録可能領域3の最内周端部4と最外周端部5とを破線にて示している。
上記の光ディスク1は、その縦断面図である図3に示すように、ディスク基板6上に、案内溝形成層7、第2記録層(第2の情報記録層)8、案内溝形成中間層9、第1記録層(第1の情報記録層)10および表面コート層11が順次積層された構成となっている。この光ディスク1の第1記録層10および第2記録層8に対する記録再生は、光ビーム12を同一の側、即ち表面コート層11側から第1および第2記録層10、8のそれぞれに集光させて照射することにより行われる。
上記光ディスク1の構成は、さらに詳細には図4に示すようになっている。同図において、ディスク基板6は、たとえば、板厚1.2mmの透明なポリカーボネート製の基板からなる。案内溝形成層7は、例えば層厚20μmの紫外線硬化樹脂層からなり、第2記録層8側の面に、凹凸パターンからなるスパイラル状の案内溝13が形成されている。この案内溝形成層7は、例えば2P法と呼ばれるパターン転写技術を用いて形成される。
第2記録層8は、例えば、AlTi合金反射膜14、ZnS−SiO干渉膜15、SiN保護膜16、GeSbTe相変化記録膜17、SiN保護膜18およびZnS−SiO干渉膜19を有し、これら各膜がスパッタリングにより順次案内溝形成層7上に積層されることにより形成されている。
案内溝形成中間層9は、案内溝形成層7と同様、例えば層厚20μmの紫外線硬化樹脂層からなり、第1記録層10側の面に前記案内溝13が形成されている。この案内溝形成層9は、同様に、例えば2P法と呼ばれるパターン転写技術を用いて形成される。
第1記録層10は、第2記録層8と同様、例えば、ZnS−SiO干渉膜20、SiN保護膜21、GeSbTe相変化記録膜22、SiN保護膜23およびZnS−SiO干渉膜24を有し、これら各膜がスパッタリングにより順次案内溝形成中間層9上に積層されることにより形成されている。
表面コート層11は、例えば層厚80μmの紫外線硬化樹層からなり、脂紫外線硬化樹脂をスピンコーティングにより第1記録層10上に塗布した後、紫外線照射により硬化させることにより形成されている。
なお、光ディスク基板6としては、上記のように透明なポリカーボネート製の基板を使用している。しかしながら、光ディスク1のように、表面コート層11側から光ビーム12を入射させる構成の場合、ディスク基板6は、透明である必要は無く、不透明な金属製の基板であってもよい。
また、光ディスク1では、案内溝13を有する案内溝形成層7を備え、この案内溝形成層7を2P法により形成した構成としている。しかしながら、例えば射出成形法によりディスク基板6を形成し、光ディスク基板6の表面に直接案内溝13を形成した構成としてもよい。この場合には、案内溝形成層7が不要となる。
また、表面コート層11は、スピンコート法により第1記録層10上に形成しているが、均一な厚みを有する表面コート層11としての透明シートを第1記録層10上に貼り付けたものであってもよい。
また、光ディスク1は、光ディスク基板6上に、案内溝形成層7、第2記録層8、案内溝形成中間層9、第1記録層10および表面コート層11が順次積層された構成としているが、光ディスク基板6上に、案内溝形成層7、第1記録層10、案内溝形成中間層9、第2記録層8および表面コート層11が順次積層され、光ディスク基板6側から光ビーム12を照射する構成とすることも可能である。ただし、この場合には、第1記録層10および第2記録層8を構成する各膜の成膜順序を図4に示した場合と逆にすることが必要である。
上記の光ディスク1に対して記録再生を行う光ディスク記録再生装置(光記録再生装置)は、図5に示す構成となっている。この光ディスク記録再生装置31において、光ディスク1は、センターハブ32によってモータのスピンドル33に固定され、回転駆動される。
光ディスク記録再生装置31は、光学系部34および信号処理・制御部(制御手段)35を備えている。光学系部34は、半導体レーザ等の光源41、コリメートレンズ42、ビームスプリッター43、対物レンズ44、2軸アクチュエーター45、集光レンズ46および受光素子47を備えている。対物レンズ44は、2軸アクチュエーター45により支持され、かつフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動される。受光素子47は、再生信号検出素子、フォーカス誤差信号検出素子およびトラック誤差信号検出素子を有し、これら各検出素子の出力は信号処理・制御部35へ入力される。
また、光学系部34は、図示しないスライド駆動部に駆動されて、光ディスク1の半径方向へ往復移動するようになっている。
信号処理・制御部35は、各種信号処理および各種制御を行う。例えば、記録再生時の光源41のパワー制御を行うとともに、対物レンズ44のフォーカシングおよびトラッキングを行うため、フォーカス誤差信号検出素子およびトラック誤差信号検出素子からの出力に応じて、2軸アクチュエーター45の駆動を制御する。さらに、前記スライド駆動部による光ディスク1の半径方向への光学系部34の移動を制御し、光学系部34、即ち対物レンズ44を、所定のトラックについて記録再生可能な位置へ移動させる。その他、後述の各制御等を行う。
光ディスク記録再生装置31では、上記のようにして光ビーム12を第1記録層10または第2記録層8の何れかに集光させ、案内溝13に沿って第1記録層10または第2記録層8の記録再生を行う。
ここで、光ディスク記録再生装置31では、第2記録層8に対する記録再生を、第1記録層10の記録可能領域3の全領域についての記録が完了した後に行うようになっている。この場合の動作は、前記光学系部(光照射手段)34およびスライド駆動部(光照射手段)に対する信号処理・制御部35の制御により行われる。
この場合の動作は図1に示すものとなる。同図に示すように、記録あるいは再生のための光ビーム12が第2記録層8に照射されるとき、第1記録層10の記録可能領域3は、予め、黒塗りで示す記録済状態となっている。したがって、光ビーム12は、記録済の第1記録層10を経て第2記録層8に照射される。
上記の構成において、光ディスク記録再生装置31による光ディスク1に対しての記録再生動作について以下に説明する。
光ディスク記録再生装置31において、光源41から出射した光ビーム12は、コリメートレンズ42により平行光とされ、ビームスプリッター43を透過し、対物レンズ44に入射する。その後、光ビーム12は、対物レンズ44により、光ディスク1の第1記録層10上または第2記録層8上に集光される。光ディスク1からの反射光は、対物レンズ44を経た後、ビームスプリッター43により反射され、集光レンズ46により受光素子47上に集光される。
その後、受光素子47からの出力に基づき、信号処理・制御部35は、2軸アクチュエーター45を制御して、対物レンズ44のフォーカシング制御およびトラッキング制御を行う。光ディスク記録再生装置31では、このようにして光ビーム12を第1記録層10または第2記録層8の何れかに集光させ、案内溝13に沿って第1記録層10または第2記録層8の記録再生を行う。
ここで、光ディスク記録再生装置31による光ディスク1に対しての記録再生動作において、光ディスク1の第1記録層10に対して記録可能領域3の最内周端部4から記録を開始し、記録可能領域3の途中で第1記録層10の記録を終了した後、第2記録層8の記録再生に移行した場合について説明する。なお、光ディスク1にはスペース部が記録マーク部より高い反射率を有するハイツウロー媒体が使用され、相変化記録が行われるものとする。
上記の第1記録層10に対する記録動作では、図6および図7に示すように、第1記録層10の記録可能領域3における最内周端部4から記録可能領域3の中途位置までの間に、網目模様によって示す記録完了領域51が生じる。
このとき、第1記録層10では、記録完了領域51の光透過率が、それ以外の領域の光透過率よりも高くなる。したがって、同一強度の光ビーム12を第2記録層8に照射した場合、記録完了領域51を通過して第2記録層8へ集光される光ビーム12bの強度は、記録完了領域51以外の領域(未記録領域)を通過して第2記録層8へ集光される光ビーム12aの強度よりも強くなる。即ち、第2記録層8に記録を行う際、第1記録層10を経て第2記録層8に達する光ビーム12の強度は、光ビーム12が記録完了領域51を通過したものであるか否かにより異なるものとなる。この場合には、第2記録層8の記録を行う際には、第1記録層10の記録の有無に応じて光ビーム12の強度を変化させる複雑な記録システムが必要となる。
この点については、第2記録層8の再生を行う場合も同様であり、光ビーム12が第1記録層10の記録完了領域51を通過したものであるか否かにより、第2記録層8からの反射光量が異なるものとなり、同様に、複雑な再生システムが必要となる。
そこで、光ディスク記録再生装置31では、図1に示したように、第1記録層10の記録領域3の全領域を記録完了状態とした後に、第2記録層8への記録再生を行うようにしている。即ち、光ディスク記録再生装置31は、光ディスク1に対して記録を行う際に、まず、第1記録層10から記録を開始し、第1記録層10の記録可能領域3の全領域について記録が完了した後に、第2記録層8への記録または再生に移行するように動作する。
このような動作により、第2記録層8に対して記録再生を行う際、第2記録層8に照射する光ビーム12は、常に、記録が完了した第1記録層10を通過して第2記録層8へと入射する。したがって、記録および再生の各場合において、第2記録層8に照射す光ビーム12の強度を一定なものとすることができ、この結果、光ビーム12の強度を制御するための複雑な記録再生システムを用いることなく、安定した記録再生を実現することができる。
上記の動作を行うため、信号処理・制御部35は、図8に示すように、記録開始アドレス生成回路81および光照射部制御回路82を備えている。この光照射部制御回路82により制御される光照射部には、前記光学系部34やスライド駆動部等が含まれる。
光ディスク1への記録の際には、まず光ディスク1の記録状態管理領域に記録された記録状態管理信号が読み出され、この信号が、信号処理・制御部35の記録開始アドレス生成回路81に逐一記録されていく。上記の記録状態管理領域は、第1記録層10における特定位置に設けられている。なお、記録状態管理領域には、記録範囲を示すアドレスとともに、記録内容の表題等を合わせて記録しておていもよい。
その後、記録開始アドレス生成回路81が光ディスク1の記録開始アドレスを生成し、光照射部制御回路82が、光ビームスポットを記録開始アドレスに移動させるべく、フォーカシング制御およびトラッキング制御を行う。このようにして、第1記録層10の記録可能領域3への記録が開始される。
その後、第1記録層10への記録が完了し、第1記録層10の最終アドレスを検出すると、続いて第2記録層8への記録を行う場合には、第2記録層8に対するフォーカシングを行い、同様にして、第2記録層8の記録可能領域3への記録を行う。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図9ないし図11に基づいて以下に説明する。なお、本実施の形態に示す光ディスク61は、前記動作を行う光ディスク記録再生装置31において使用可能である。
本実施の形態の光ディスク61は、図9および図10に示すように、第1記録層10の記録可能領域3aにおける最内周端部4aと最外周端部5aとに拡張領域62を有している。したがって、第1記録層10の最内周端部4aは、第2記録層8の最内周端部4bよりも光ディスク1の径方向の内方に位置している。また、第1記録層10の最外周端部5aは、第2記録層8の最外周端部5bよりも径方向の外方に位置している。
即ち、第1記録層10の記録可能領域3aは、第2記録層8の記録可能領域3bよりも、最内周端部4a側および最外周端部5a側の拡張領域62の分だけ広くなっている。なお、図9は、簡略化のため、最内周端部4a、4bと最外周端部5a、5bとの明示に兼用している。
上記拡張領域62は、その大きさに関わらず、少なくともこれが設けられていることにより、後述のように、第2記録層8の記録可能領域3bに照射される光ビーム強度の低下を抑制することができる。しかしながら、さらに良好に上記光ビーム強度の低下を防止するために、拡張領域62における幅、即ち光ディスク1の径方向における長さは、第2記録層8の記録可能領域3bにおける最内周端部4b、あるいは最外周端部5bに光ビーム12が集光されたとき、それぞれの場合において光ビーム12が第1記録層10の拡張領域62を含む記録可能領域3aを透過するように設定されていることが好ましい。
ここで、上記光ディスク61の機能を説明するための比較用の光ディスクを図11に示す。この光ディスク63では、第1記録層10の記録可能領域の広さと第2記録層8の記録可能領域の広さとが同一であり、第1記録層10と第2記録層8とで最内周端部4の位置同士、および最外周端部5の位置同士が第1記録層10と第2記録層8との積層方向において一致している。
図9および図11において、上記光ディスク61、63の第1記録層10および第2記録層8は、それぞれ、案内溝13を有している。各第1記録層10は、案内溝13に沿って記録可能領域3a、3の最内周端部4a、4または最外周端部5a、5まで記録が完了した状態となっている。両図においては、この記録完了状態を示すため、案内溝13を太線により記載している。即ち、これら光ディスク61、63に対する記録再生においても、光ディスク記録再生装置31により、まず第1記録層10の記録可能領域3a、3の全領域に対する記録が行われた後、第2記録層8の記録可能領域3b、3に対する記録再生が行われる。
上記の構成において、拡張領域62を有していない記録可能領域3を第1記録層10に備えた光ディスク63では、第2記録層8に対して記録再生を行う場合、第2記録層8の記録可能領域3における径方向の内方に照射される光ビーム12bは、その全部が第1記録層10の透過率の高くなった記録可能領域3(記録完了済領域)を通過する。
一方、第2記録層8の最内周端部4付近または最外周端部5付近に照射される光ビーム12cは、その一部が第1記録層10の透過率の高くなった記録可能領域3(記録完了済領域)を通過するものの、残りの一部が第1記録層10の記録可能領域3以外の、透過率の低い記録不可領域64領域を通過する。したがって、光ビーム12cの強度は、上記光ビーム12bの強度よりも弱くなる。このため、第2記録層8の記録再生時に、第2記録層8における記録可能領域3の最内周端部4、最外周端部5およびこれらの付近において、光ビーム強度の低下、即ち変動が発生し、第2記録層8の記録可能領域3全体において、安定した記録再生が困難となる。
これに対し、本実施の形態の光ディスク61では、拡張領域62を有する記録可能領域3aを第1記録層10に備えているので、第2記録層8に対して記録再生を行う場合、第2記録層8の記録可能領域3bに照射される光ビームは、第2記録層8における径方向の内方に照射されるものは勿論、第2記録層8の最内周端部4bおよび最外周端部5bに照射されるものも、第1記録層10の透過率の高くなった記録可能領域3a(記録完了済領域)を通過した光ビーム12bとなる。
このように、本実施の形態の光ディスク61では、第2記録層8の記録可能領域3bに照射される光ビームが常に第1記録層10の透過率の高くなった記録可能領域3a(記録完了済)を通過した光ビーム12bとなるので、第2記録層8の記録可能領域3bにおける何れの位置に対して記録再生を行う場合であっても光ビーム強度の変動が発生せず、安定した記録再生を実現することができる。
なお、第2記録層8に対して記録再生を行う場合、第1記録層10に照射される光ビーム12の半径は、大きくても案内溝形成中間層9の層厚程度である。したがって、拡張領域62の幅(光ディスク径方向の長さ)は、少なくとも案内溝形成中間層9の層厚分だけあればよい。また、第1記録層10の案内溝13と第2記録層8の案内溝13との間に偏心が存在する場合、拡張領域62は、案内溝形成中間層9の層厚にその偏心幅を加えた寸法に設定すればよい。
また、図9は模式図であるため、拡張領域62は、案内溝13を2本分含む領域の幅に設定されているように記載されている。しかしながら、実際上は、案内溝13のピッチが0.3μm程度、案内溝形成中間層9の層厚が20μm程度であることから、拡張領域62は、少なくとも60本以上の案内溝13を含む領域の幅に対応する幅となる。
また、拡張領域62は、第1記録層10の最内周端部4aと最外周端部5aとの何れか一方のみに形成されてもよく、この場合にも拡張領域62が形成されている側において、上記の機能を得ることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態を図12ないし図20に基づいて以下に説明する。なお、本実施の形態に示す光ディスク71は、前記動作を行う光ディスク記録再生装置31において使用可能である。
前記の光ディスク61では、第1記録層10の記録可能領域3aにおける最内周端部4aと最外周端部5aとに拡張領域62を有するものとしているが、本実施の形態の光ディスク71では、図12および図13に示すように、上記拡張領域62に相当する領域が、予め記録完了状態とされた擬似記録領域72となっている。したがって、本実施の形態の光ディスク71においては、通常の情報を記録する記録可能領域3は、第1記録層10と第2記録層8とでほぼ同一の広さとなっている。上記の擬似記録領域72は、例えば、光ディスク71の出荷前に形成されていてもよい。
上記の構成において、光ディスク71に対する通常の記録再生の際には、前述の場合と同様、光ディスク記録再生装置31により、まず第1記録層10の記録可能領域3の全領域に対する記録が行われた後、第2記録層8の記録可能領域3に対する記録再生が行われる。この場合、擬似記録領域72は既に記録完了状態となっている。
上記のように、本実施の形態の光ディスク71では、第1記録層10における記録可能領域3の最内周端部4bの径方向内方および最外周端部5bの径方向外方に擬似記録領域72を有している。したがって、第2記録層8に対して記録再生を行う場合、前記光ディスク61の場合と同様、第2記録層8の記録可能領域3に照射される光ビームは、常に第1記録層10の透過率の高くなった記録完了済領域を通過した光ビーム12bとなる。これにより、第2記録層8の記録可能領域3における何れの位置に対して記録再生を行う場合であっても光ビーム強度の変動が発生せず、安定した記録再生を実現することができる。
さらに、光ディスク71では、光ディスク61の場合と異なり、第1記録層10と第2記録層8の記録可能領域3の広さが同じであるので、記録可能領域3における案内溝13のフォーマットを同一にすることができる。この結果、光学系部34に対する位置制御については、第1記録層10の記録再生と第2記録層8の記録再生とにおいて、同一の制御により対応することができる。
なお、上記の擬似記録領域72は、拡張領域62を有する前記光ディスク61に対して、その拡張領域62を前記光ディスク記録再生装置31が記録完了状態とすることにより形成されてもよい。これにより、光ディスク61は光ディスク71とすることができる。このような構成では、光ディスク61に対して出荷前に予め擬似記録領域72を形成して光ディスク71とする必要がなく、この分の工程減少により、光ディスク61(71)の低コスト化を図ることができる。
光ディスク記録再生装置31により拡張領域62を記録完了状態として擬似記録領域72を形成する動作は、第1記録層10への通常の記録に先立って、例えば光ディスク61を光ディスク記録再生装置31に装填したときに行われる。この場合、光ディスク記録再生装置31は、まず、装填された光ディスク61の拡張領域62を読み取り、そこが記録完了状態となっていなければ、拡張領域62を記録完了状態とする。この場合の処理は光ディスク記録再生装置31における信号処理・制御部35にて行われる。
上記の動作を行うために、信号処理・制御部35は、図14に示すように、拡張領域記録状態判別回路83および前記光照射部制御回路82を備えている。
上記の構成において、光ディスク記録再生装置31では、光ディスク61が装填されると、まずその拡張領域を再生する。拡張領域記録状態判別回路83では、拡張領域62からの再生信号に基づき、拡張領域62が記録完了状態であるか否かを判別する。この判別において、拡張領域62が記録未完了状態であれば、拡張領域記録状態判別回路83は、装填されている光ディスク61を未使用のものと判断し、第1記録層10に対する記録動作の開始に先立って、拡張領域記録指示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して、光ディスク61の拡張領域62を記録完了状態とする。
一方、前記の判別において、拡張領域62が記録完了状態であれば、拡張領域記録状態判別回路83は、装填されている光ディスク61を既使用のものと判断し、通常記録指示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して光ディスク61に対する通常の記録動作をさせる。
また、擬似記録領域72には、全く内容の無い情報や無意味な情報を記録してもよい。あるいは、擬似記録領域72の出荷前に擬似記録領域72を形成する場合には、擬似記録領域72に個々の光ディスク72に対応したディスクID情報(識別情報)または暗号コード情報(暗号化情報)を記録しておくことも可能である。
擬似記録領域72に暗号コード情報を記録した場合には、その暗号コード情報に基づいて光ディスク記録再生装置31が光ディスク71の記録可能領域3に記録する情報を暗号化した後、記録可能領域3に記録するようにしてもよい。この場合、光ディスク記録再生装置31は、光ディスク71への記録の際に、まず擬似記録領域72の暗号コード情報を読み取り、その暗号コード情報に基づいて記録する情報を暗号化する。また、暗号化された情報が記録されている光ディスク71を再生する際、光ディスク記録再生装置31は、記録可能領域3から読み出された情報を復号化する。これらの処理は信号処理・制御部35により行われる。
この場合、光ディスク記録再生装置31が暗号化された情報を復号化する機能を備えていなければ、光ディスク71から読み出した情報を復号化することができない。したがって、光ディスク71の違法コピー等の複製や違法な使用を阻止することができる。
上記のように、擬似記録領域72の暗号コード情報に基づいて情報を暗号化し、光ディスク71に記録するために、上記信号処理・制御部35は、図15に示すように、暗号化回路84および前記光照射部制御回路82を備えている。
上記の構成では、光ディスク71への記録動作に先立ち、光ディスク71の擬似記録領域72に予め記録されている暗号コード情報が再生される。暗号化回路84では、上記暗号コード情報に基づいて記録情報を暗号化し、暗号化した記録情報を光照射部制御回路82へ出力する。光照射部制御回路82ではその記録情報が光ディスク71に記録されるように前記光照射部を制御する。
また、擬似記録領域72にディスクID情報を記録した場合には、そのディスクID情報を光ディスク記録再生装置31側で管理すること、あるいはそのディスクID情報を光ディスク記録再生装置31と接続されたサーバー等にて管理すること等の手法により、光ディスク71の違法コピー等の複製や違法な使用を阻止することができる。なお、ディスクID情報の上記管理とは、例えば、光ディスク71が使用された回数をカウントし、使用回数を制限する等の処理である。
また、擬似記録領域72を再生のみ可能な領域とすることにより、該擬似記録領域にディスクID情報または暗号コード情報が記録されている場合に、これらの情報の書換えを禁止することができる。これにより、光ディスク71の違法コピー等の複製や違法な使用をさらに適切に阻止することができる。
また、前述のように、光ディスク記録再生装置31にて光ディスク61に擬似記録領域72を形成し、光ディスク61を光ディスク71とする場合、光ディスク記録再生装置31に固有の装置ID情報、または光ディスク記録再生装置31に固有の暗号コード情報を光ディスク記録再生装置31が擬似記録領域72に記録するようにしてもよい。
光ディスク記録再生装置31にて擬似記録領域72に装置ID情報を記録する場合、光ディスク記録再生装置31の信号処理・制御部35は、図16に示すように、識別情報有無判別回路85および前記光照射部制御回路82を備えている。
上記の構成において、光ディスク記録再生装置31では、光ディスク61が装填されると、まずその拡張領域を再生する。識別情報有無判別回路85では、拡張領域62からの再生信号に基づき、拡張領域62に装置ID情報が記録されているか否かを判別する。この判別において、拡張領域62に装置ID情報が記録されていなければ、識別情報有無判別回路85は、装填されている光ディスク61を未使用のものと判断し、第1記録層10に対する記録動作の開始に先立って、識別情報記録指示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して、光ディスク61の拡張領域62に装置ID情報を記録させる。なお、この装置ID情報は信号処理・制御部35(識別情報記憶手段)が備えている。
一方、前記の判別において、拡張領域62に装置ID情報が記録されていれば、識別情報有無判別回路85は、装填されている光ディスク61を既使用のものと判断し、通常記録再生指示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して光ディスク61に対する通常の記録再生動作をさせる。
また、光ディスク記録再生装置31にて擬似記録領域72に暗号コード情報を記録する場合、光ディスク記録再生装置31の信号処理・制御部35は、図17に示すように、暗号化情報有無判別回路86および前記光照射部制御回路82を備えている。
上記の構成において、光ディスク記録再生装置31では、光ディスク61が装填されると、まずその拡張領域62を再生する。暗号化情報有無判別回路86では、拡張領域62からの再生信号に基づき、拡張領域62に暗号コード情報(暗号化情報)が記録されているか否かを判別する。この判別において、拡張領域62に暗号コード情報が記録されていなければ、暗号化情報有無判別回路86は、装填されている光ディスク61を未使用のものと判断し、第1記録層10に対する記録動作の開始に先立って、暗号化情報再生信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して、光ディスク61の拡張領域62に暗号コード情報を記録させる。なお、この暗号コード情報は信号処理・制御部(暗号化情報記憶手段)35が備えている。
一方、前記の判別において、拡張領域62に暗号コード情報が記録されていれば、暗号化情報有無判別回路86は、装填されている光ディスク61を既使用のものと判断し、通常記録再生指示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して光ディスク61に対する通常の記録再生動作をさせる。
また、上記のように、光ディスク記録再生装置31にて擬似記録領域72(拡張領域62)に装置ID情報または暗号コード情報を記録した場合には、この記録を行った光ディスク記録再生装置31のみが、光ディスク71(61)の記録可能領域3に記録された情報を再生可能となるようにしてもよい。
この場合の処理は、例えば次のようにして行われる。
光ディスク71の擬似記録領域72に装置ID情報が記録されている場合、光ディスク記録再生装置31は、光ディスク71の再生に際し、まず、光ディスク71の擬似記録領域72に記録されている装置ID情報を読み取る。そして、読み取った装置ID情報と光ディスク記録再生装置31が備える装置ID情報との一致の有無を判定し、この結果、両者が一致している場合のみ、光ディスク71の再生を行う。
上記の動作を行うため、信号処理・制御部35は、図18に示すように、識別情報一致判別回路87および前記光照射部制御回路82を備えている。
上記の構成において、光ディスク記録再生装置31では、光ディスク71が装填されると、まず擬似記録領域72を再生する。識別情報一致判別回路87では、擬似記録領域72の再生信号から得られた装置ID情報と、光ディスク記録再生装置31が備えている装置ID情報とを比較し、両装置ID情報の一致の有無を判定する。この判別において、両装置ID情報が一致していれば、記録再生指示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、前記光照射部を制御して光ディスク71に対する記録再生動作をさせる。
一方、両装置ID情報が一致していなければ、識別情報一致判別回路87は、その旨を示す識別情報一致表示信号を光照射部制御回路82に出力する。この信号を受けた光照射部制御回路82では、例えば、その旨を示す表示を図示しない表示部に表示させる。この場合、光ディスク71に対する記録再生は、行われない。
また、光ディスク71の記録可能領域3に暗号コード情報に基づいて暗号化された情報が記録されている場合、光ディスク記録再生装置31では、光ディスク71の再生に際し、光ディスク記録再生装置31が備える暗号コード情報に基づいて、記録可能領域3から読み取った情報の復号を行う。この復号は、図19に示すように、信号処理・制御部35が備える復号化回路88により行われる。このとき、光ディスク71に使用されている暗号コード情報と光ディスク記録再生装置31が備える暗号コード情報とが一致している場合のみ、記録可能領域3から読み取った情報の復号が可能となる。このような構成とすることにより、光ディスク71の違法コピー等の複製を阻止することが可能となる。
また、光ディスク61の拡張領域62は、次のように、試し書き領域として利用することができる。
例えば光ディスク61に記録する際の最適な光ビーム強度、即ち最適記録パワーは、環境温度等の変化に応じて変化する。したがって、光ディスク記録再生装置31では、最適記録パワーを導出するために、一般に光ディスクに対して試し書きを行っている。そこで、光ディスク61においては、上記拡張領域62の少なくとも一部を試し書き領域として利用する。このような構成とすれば、光ディスク61に別途試し書き領域を設ける必要がなくなり、光ディスク61の記録可能領域3を有効に活用することができる。
上記の動作を行うために、信号処理・制御部35は、図20に示すように、試し書き制御回路89、記録パワー判断回路90および前記光照射部制御回路82を備えている。
上記の構成において、光ディスク61に記録する際には、第1記録層10への記録に先立ち、試し書き制御回路89に試し書き記録指示命令が入力される。これにより、光ディスク61の拡張領域62に対して試し書き(試し書きとしての記録)が行われる。この試し書きは、記録パワーを少しずつ変化させて行われる。
次に、試し書きにより記録された情報が再生され、この再生信号が記録パワー判断回路90に入力される。記録パワー判断回路90では、上記の各再生信号に基づいて、光ディスク61へ記録する際の最適記録パワーを決定する。その後、この最適記録パワーを示す情報が光照射部制御回路82へ入力され、光照射部制御回路82は、上記最適記録パワーにより光ディスク61への記録が行われるように、前記光照射部を制御する。このような構成により、周辺温度等の変化により光ディスク61での記録感度が変化した場合であっても、常に最適な状態での記録が可能となる。
なお、以上の実施の形態においては、各光ディスクが、スペース部が記録マーク部よりも高い反射率、即ち低い透過率を有するハイツウロー型の相変化記録媒体である場合について説明したが、光ディスクは、スペース部が記録マーク部よりも低い反射率、即ち高い透過率を有するローツウハイ型の相変化記録媒体であっても、上記の各構成を適用可能である。
以上のように、本発明の光記録再生装置は、複数の情報記録層が積層され、これら各情報記録層について独立して情報の記録再生が可能な光記録媒体に対し、光照射手段より記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生装置において、前記光記録媒体における複数の情報記録層のうち、光入射側のものを第1の情報記録層とし、この第1の情報記録層に対して光入射側とは反対側に隣り合うものを第2の情報記録層としたときに、第1の情報記録層における記録可能領域の全領域についての記録が完了した後に、第2の情報記録層の記録可能領域についての記録または再生が行われるように、前記光照射手段を制御する制御手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明の光記録再生方法は、複数の情報記録層が積層され、これら各情報記録層について独立して情報の記録再生が可能な光記録媒体に対し、記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生方法において、前記光記録媒体における複数の情報記録層のうち、光入射側のものを第1の情報記録層とし、この第1の情報記録層に対して光入射側とは反対側に隣り合うものを第2の情報記録層としたときに、第1の情報記録層における記録可能領域の全領域についての記録が完了した後に、第2の情報記録層の記録または再生を行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、光入射側の第1情報記録層における記録可能領域の全領域についての記録が完了した後に、第1の情報記録層に対して光入射側とは反対側に隣り合う第2の情報記録層の記録または再生が行われる。
したがって、第2の情報記録層の記録再生の際に、第1の情報記録層を通過して第2の情報記録層に到達する記録再生のための光のほぼ全ては、記録済状態となっている第1の情報記録層の記録可能領域を通過することになる。これにより、第1の情報記録層の記録可能領域での光の透過率がその記録可能領域が記録済であるか否かにより異なる場合であっても、第2の情報記録層のほぼ全ての記録可能領域に対して、均一な強度で光を照射することができる。この結果、良好な記録再生特性を複雑な記録再生システムを用いることなく実現することが可能となる。
本発明の光記録媒体は、複数の情報記録層が積層され、片面側から入射される光により、各情報記録層について独立して情報の記録再生が可能な光記録媒体において、複数の前記情報記録層のうち、光入射側のものを第1の情報記録層とし、第1の情報記録層に対して光入射側とは反対側に隣り合うものを第2の情報記録層としたときに、第1の情報記録層における記録可能領域が、その端部に、第1および第2の情報記録層の積層方向において、第2の情報記録層の記録可能領域と重合する領域よりも拡張された拡張領域を有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、光入射側の第1の情報記録層における記録可能領域は、その端部に、第1および第2の情報記録層の積層方向において、第2の情報記録層の記録可能領域と重合する領域よりも拡張された拡張領域を有している。したがって、第1の情報記録層における記録可能領域の全領域についての記録が完了した後に、第2の情報記録層の記録可能領域についての記録または再生を行うようにすれば、第2の情報記録層の記録再生の際に、第1の情報記録層を通過して第2の情報記録層に到達する記録再生のための光のほぼ全てが、記録済状態となっている第1の情報記録層の記録可能領域を通過することになる。
これにより、第1の情報記録層の記録可能領域での光の透過率がその記録可能領域が記録済であるか否かにより異なる場合であっても、第2の情報記録層のほぼ全ての記録可能領域に対して、均一な強度で光を照射することができる。この結果、良好な記録再生特性を複雑な記録再生システムを用いることなく実現することができる。
また、本発明の光記録再生装置は、前記光記録媒体に対し、光照射手段より記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生装置において、前記光記録媒体の第1の情報記録層における記録可能領域の拡張領域以外の領域についての記録に先立って、前記拡張領域が記録完了状態となるように、前記光照射手段を制御する制御手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明の光記録再生方法は、前記光記録媒体に対し、前記光記録媒体の第1の情報記録層における記録可能領域の拡張領域以外の領域についての記録に先立って、前記拡張領域が記録完了状態となるように記録することを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の情報記録層の記録可能領域に前記拡張領域を有する光記録媒体を使用するので、前述のように、第2の情報記録層のほぼ全ての記録可能領域に対して、均一な強度で光を照射することができ、良好な記録再生特性を複雑な記録再生システムを用いることなく実現することができる。
また、第1の情報記録層の記録可能領域における拡張領域以外の領域と第2の情報記録層の記録可能領域との広さが同じになり、光記録媒体への光照射手段に対する位置制御については、第1の情報記録層の記録可能領域における拡張領域以外の領域と第2の情報記録層の記録可能領域との記録再生において、同一の制御により対応することができる。
本発明の光記録再生装置は、前記光記録媒体に対し、光照射手段より記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生装置において、個々の光記録再生装置に固有であり、その光記録再生装置を他のものと識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、前記光記録媒体の拡張領域に前記識別情報が記録されるように、前記光照射手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の光記録再生方法は、前記光記録媒体を使用し、この光記録媒体に対して記録再生を行う個々の光記録再生装置に固有であり、その光記録再生装置を他のものと識別するための識別情報を前記拡張領域に記録することを特徴としている。
上記の構成によれば、光記録媒体の拡張領域にその記録媒体に対して記録あるいは再生を行った光記録再生装置を識別するための識別情報を記録することができる。したがって、光記録媒体に対して記録または再生を行う際に、例えば、光記録再生装置が、まず拡張領域の識別情報を読み取り、読み取った識別情報とその装置が備えている識別情報とが一致したときのみ、記録または再生を行えるようにしておくことにより、光記録媒体についての違法な複製や違法な使用等を阻止することができる。
上記の光記録再生装置は、光記録媒体の前記拡張領域から得られた識別情報と前記識別情報記憶手段に記憶された光記録再生装置の識別情報との一致の有無を判定する判定手段を備え、前記制御手段が、光記録媒体を再生する際に、光記録媒体における前記拡張領域の識別情報が再生されるように前記光照射手段を制御するとともに、前記判定手段により前記両識別情報が一致していると判定されたときにのみ、情報記録層の前記拡張領域以外の記録可能領域についての再生を開始させる構成としてもよい。
上記の光記録再生方法は、光記録媒体を再生する際に、光記録媒体における前記拡張領域の識別情報を再生し、前記拡張領域から得られた識別情報と前記光記録再生装置の識別情報との一致の有無を判定し、前記両識別情報が一致していると判定したときにのみ、情報記録層の前記拡張領域以外の記録可能領域についての再生を開始する構成としてもよい。
上記の構成によれば、光記録媒体の再生を行う際に、光記録再生装置が、まず光記録媒体の拡張領域の識別情報を読み取り、読み取った識別情報とその装置が備えている識別情報とが一致したときのみ、光記録媒体の再生が行えるようになるので、光記録媒体についての違法な複製や違法な使用等を確実に阻止することができる。
本発明の光記録再生装置は、前記光記録媒体に対し、光照射手段より記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生装置において、光記録媒体に記録する情報を暗号化するための暗号化情報を記憶する暗号化情報記憶手段と、前記光記録媒体の拡張領域に前記暗号化情報が記録されるように、前記光照射手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
本発明の光記録再生方法は、前記光記録媒体を使用し、光記録媒体に記録する情報を暗号化するための暗号化情報を予め用意し、この暗号化情報を前記拡張領域に記録することを特徴としている。
上記の構成によれば、光記録媒体の拡張領域に光記録媒体に記録する情報を暗号化するための暗号化情報を記録することができる。したがって、光記録再生装置が、光記録媒体に情報を記録する際に、まず前記拡張領域の暗号化情報を読み取り、その暗号化情報に基づいて記録する情報を暗号化し、光記録媒体に記録するようにしておくことにより、光記録媒体から読み出された情報を復号できるのは、その暗号化情報を復号できる光記録再生装置のみとなる。したがって、光記録媒体の違法な複製や違法な使用を阻止することができる。
上記の光記録再生装置は、さらに、前記拡張領域の暗号化情報を参照して、光記録媒体への記録情報を暗号化する暗号化手段を備え、前記制御手段が、この暗号化手段により暗号化された記録情報が前記情報記録層に記録されるように、前記光照射手段を制御する構成としてもよい。
上記の光記録再生方法は、さらに、前記拡張領域の暗号化情報を参照して、光記録媒体への記録情報を暗号化し、暗号化された記録情報を前記情報記録層に記録する構成としてもよい。
上記の構成によれば、光記録媒体の拡張領域に記録された暗号化情報に基づき、光記録媒体に記録する情報を暗号化し、光記録媒体に記録することができる。
上記の光記録再生装置は、さらに、前記の制御手段が、前記暗号化情報記憶手段に記憶された暗号化情報と同一の暗号化情報に基づいて暗号化された記録情報のみについて再生動作が行われるように制御する構成としてもよい。
上記の光記録再生方法は、さらに、予め用意した前記暗号化情報と同一の暗号化情報に基づいて暗号化された記録情報のみについて再生動作を行う構成としてもよい。
上記の構成によれば、光記録再生装置が備える暗号化情報と同一の暗号化情報により暗号化された情報のみについて再生が可能となる。これにより、前記暗号化情報を備えていない他の光記録再生装置を使用しての光記録媒体の違法な複製や違法な使用を阻止することができる。
本発明の光記録再生装置は、前記光記録媒体に対し、光照射手段より記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生装置において、前記情報記録層に対する試し書きが前記拡張領域において行われるように、前記光照射手段を制御する制御手段を備えていることを特徴としている。
本発明の光記録再生方法は、前記光記録媒体を使用し、前記情報記録層に対する試し書きを前記拡張領域において行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、前記拡張領域を、例えば、光記録媒体に記録する際の最適な光ビーム強度を決定するための試し書き領域として利用することができる。これにより、光記録媒体の拡張領域以外の記録可能領域に別途試し書き領域を設ける必要がなくなり、光記録媒体の記録可能領域を有効に活用することができる。
上記の光記録媒体は、前記の拡張領域が、予め記録完了状態とされた擬似記録領域となっている構成とてもよい。
上記の構成によれば、擬似記録領域により前記拡張領域による機能を得ることができる。さらに、第1の情報記録層の擬似記録領域以外の記録可能領域と第2の情報記録層の記録可能領域との広さが同じになり、光記録媒体への光照射手段に対する位置制御については、第1の情報記録層の記録可能領域と第2の情報記録層の記録可能領域との記録再生において、同一の制御により対応することができる。
上記の光記録媒体は、前記の擬似記録領域に、個々の光記録媒体に固有であり、その光記録媒体を他のものと識別するための識別情報が記録されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、光記録媒体に対して光記録再生装置により記録または再生を行う際に、前記識別情報に対応した光記録再生装置のみにより、その光記録媒体に対する記録または再生が可能となるようにすることができる。これにより、光記録媒体についての違法な複製や違法な使用等を阻止することができる。
上記の光記録媒体は、前記の擬似記録領域に、光記録媒体に記録する情報を暗号化するための暗号化情報が記録されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、光記録再生装置が、光記録媒体に情報を記録する際に、まず前記擬似記録領域の暗号化情報を読み取り、その暗号化情報に基づいて記録する情報を暗号化し、光記録媒体に記録するようにしておくことにより、光記録媒体から読み出された情報を復号できるのは、その暗号化情報を復号できる光記録再生装置のみとなる。したがって、光記録媒体の違法な複製や違法な使用を阻止することができる。
本発明の光記録再生装置は、前記光記録媒体に対し、光照射手段より記録再生のための光を片面側から入射させる光記録再生装置において、前記擬似記録領域の暗号化情報を参照して、光記録媒体への記録情報を暗号化する暗号化手段と、この暗号化手段により暗号化された記録情報が前記情報記録層に記録されるように、前記光照射手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
本発明の光記録再生方法は、前記光記録媒体を使用し、前記擬似記録領域の暗号化情報を参照して、光記録媒体への記録情報を暗号化し、暗号化された記録情報を前記情報記録層に記録することを特徴としている。
上記の構成によれば、光記録媒体の擬似記録領域に記録された暗号化情報に基づき、光記録媒体に記録する情報を暗号化し、光記録媒体に記録することができる。
上記の光記録媒体は、前記擬似記録領域における情報の書き換えが不可となっている構成としてもよい。上記の構成によれば、光記録媒体の擬似記録領域に記録されている識別情報や暗号化情報の書き換えを防止することができるので、光記録媒体の違法な複製や違法な使用をさらに確実に阻止することができる。
本発明の光ディスク記録再生装置による、光ディスクの第2記録層に対する記録再生動作を説明する縦断面図である。 図1に示した光ディスクの平面図である。 図1に示した光ディスクの構成を示す縦断面図である。 図3に示した光ディスクの要部を拡大してさらに詳細に示す縦断面図である。 本発明の実施の一形態における光ディスク記録再生装置の構成を示す説明図である。 図2に示した光ディスクにおいて、第1記録層における記録可能領域の中途位置までを記録完了領域とした状態を示す説明図である。 図6に示した光ディスクの第2記録層に対する記録再生動作を説明する縦断面図である。 図5に示した信号処理・制御部において、図1に示した光ディスクに対してまず第1記録層を記録完了状態とした後に、第2記録層の記録再生を行うための構成を示すブロック図である。 本発明の実施の一形態における光ディスクの第1記録層と第2記録層との構成、および第2記録層に対する記録再生動作を示す説明図である。 図9に示した第1記録層と第2記録層とを備えた光ディスクの縦断面図である。 図9に示した光ディスクに対する比較例としての光ディスクにおける第1記録層と第2記録層との構成、および第2記録層に対する記録再生動作を示す説明図である。 本発明の実施の他の形態における光ディスクの第1記録層と第2記録層との構成、および第2記録層に対する記録再生動作を示す説明図である。 図12に示した第1記録層と第2記録層とを備えた光ディスクの縦断面図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、図9に示した光ディスクの拡張領域を記録完了状態とするための構成を示すブロック図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、光ディスクへの記録情報を暗号化し、記録するための構成を示すブロック図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、図9に示した光ディスクの拡張領域に装置ID情報を記録するための構成を示すブロック図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、図9に示した光ディスクの拡張領域に暗号コード情報を記録するための構成を示すブロック図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、図9に示した光ディスクの拡張領域に記録された装置ID情報と光ディスク記録再生装置の装置ID情報との一致不一致に応じた動作を行うための構成を示すブロック図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、光ディスクに記録された暗号化情報を復号化するための構成を示すブロック図である。 図5に示した信号処理・制御部が備える、図9に示した光ディスクの拡張領域に試し書きを行うための構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 光ディスク
3,3a,3b 記録可能領域
4,4a,4b 最内周端部
5,5a,5b 最外周端部
6 光ディスク基板
7 案内溝形成層
8 第2記録層(第2の情報記録層)
9 案内溝形成中間層
10 第1記録層(第1の情報記録層)
11 表面コート層
12,12a,12b 光ビーム
13 案内溝
31 光ディスク記録再生装置
34 光学系部(光照射手段)
35 信号処理・制御部(制御手段、暗号化手段、暗号化情報記憶手段、
判定手段、識別情報記憶手段)
51 記録完了領域
61 光ディスク
62 拡張領域
71 光ディスク
72 擬似記録領域

Claims (3)

  1. 複数の情報記録層が積層され、片面側から入射される光により、各情報記録層について独立して情報の記録再生が可能な、ディスク形状に形成された光記録媒体において、
    複数の前記情報記録層のうち、光入射側のものを第1の情報記録層とし、第1の情報記録層に対して光入射側とは反対側に隣り合うものを第2の情報記録層としたときに、第1の情報記録層における記録可能領域は、第1および第2の情報記録層の積層方向において、第2の情報記録層の記録可能領域と重なり合う領域よりも拡張された拡張領域をディスク半径方向の内周側端部あるいは外周側端部に有しており、前記拡張領域のディスク半径方向の長さは、第1の情報記録層と第2の情報記録層との間の中間層の層厚と、第1の情報記録層と第2の情報記録層との間の偏心幅とを加えた長さ以上に設定されており、
    前記拡張領域には、試し書きのための領域が割り当てられており、前記試し書きのための領域は、前記拡張領域の範囲内に収まるように割り当てられていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 請求項1に記載の光記録媒体を使用し、前記情報記録層に対する試し書きを前記試し書きのための領域において行うことを特徴とする光記録再生方法。
  3. 請求項1に記載の光記録媒体を使用し、前記拡張領域を含む記録可能領域を介して第2の情報記録層へ再生光の照射を行うことを特徴とする再生方法。
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