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JP2008158621A - Ed表示機能付きicカード及びその製造方法 - Google Patents

Ed表示機能付きicカード及びその製造方法 Download PDF

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JP2008158621A JP2006344065A JP2006344065A JP2008158621A JP 2008158621 A JP2008158621 A JP 2008158621A JP 2006344065 A JP2006344065 A JP 2006344065A JP 2006344065 A JP2006344065 A JP 2006344065A JP 2008158621 A JP2008158621 A JP 2008158621A
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Abstract

【課題】耐久性があり、連続的に安定生産が可能であり、印画性に問題がなく、かつED表示部が破損しにくいED表示機能付きICカードの製造方法を提供する。
【解決手段】基材上に、金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するエレクトロンデポジション(ED)表示部を有するED表示機能付きICカードの製造方法であって、ED表示部の少なくとも一部が硬化性樹脂により覆われるED被覆工程を有することを特徴とするED表示機能付きICカードの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明はICカードに関し、特に金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するED表示機能付きICカード及びその製造方法に関する。
近年、ICカードの普及により、各個人が複数枚のカードを所有するようになっている。ICカードは銀行カードやクレジットカードの他に、現金をチャージして物を購入するという、現金の代わりの電子マネーとしての機能や、店舗で購入した金額に対して一定の割合のポイントを付与し、その店でお金と同等の役割をするポイントカードとしての機能を持つようになってきた。
電子マネーやポイントカードとしての機能を持つようになると、カードの中にどれくらいの価値のお金又はポイントがあるか記憶していることは難しく、表示機能が必要となってきた。
従来からの表示手段としては磁気データで表示することが行なわれてきている。しかしながら、常に内部情報が表示されるため、セキュリティの面から好ましくないという欠点がある(例えば、特許文献1参照。)。
このような電子情報の閲覧手段として液晶ディスプレイやLCD、有機LED等をカードに使用することが知られている(例えば、特許文献2参照。)が、消費電力が嵩む、目が疲労する、などの欠点があるほか、表示素子そのものの構成が複雑でコストが高いと言う問題があった。
これら欠点を補う手段として、外光を利用し、像保持に電力を消費せず、色品質に問題のない、金属または金属塩の溶解/析出を利用したエレクトロデポジション(ED)方式が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、ED方式を従来のICカードに単純に応用した場合、電解質層の上下に電極を配置する形状となっており、実際に携帯されて強い曲げ応力がかかった場合には、たとえ表示素子だけを強固にした場合でも、周囲にある電極が破損し、動作不良となるといった問題が生じることを見出した。
また、完成したユニットをカードに組み込むことは困難であり、慎重に組み込む場合でも、壊れ易いため生産性が低下するという問題があった。
また、カードとして個人認証用の顔画像を形成しようとした場合にED表示部が印画ヘッドと干渉して顔画像部にカスレが生じたり、これらのED表示ユニットをICカード化する手段を効率化して安定生産を可能にする技術が求められてきた。
本発明の目的は、耐久性があり、連続的に安定生産が可能であり、かつED表示部が破損しにくいED表示機能付きICカード及びその製造方法を提示することである。
特開2005−107658号公報 特開平10−162111号公報 特開2005−283986号公報
本発明の第1の目的は、耐久性があり、かつED表示部が破損しにくいED表示機能付きICカード及びその製造方法を提示することである。
本発明の第2の目的は、ED表示機能付きICカードを連続的に安定生産する方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、解像度が高く、かつ耐久性の高いED表示機能付きICカード及びその製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
1.基材上に、金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するエレクトロンデポジション(ED)表示部を有するED表示機能付きICカードの製造方法であって、ED表示部の少なくとも一部が硬化性樹脂により覆われるED被覆工程を有することを特徴とするED表示機能付きICカードの製造方法。
2.第1基材の片側の少なくとも一部に硬化性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記第1基材上に形成された硬化性樹脂層の一部にED表示部を設置する設置工程、第1基材と第2基材を対向させて貼り合わせる貼り合わせ工程を有することを特徴とする前記1に記載のED表示機能付きICカードの製造方法。
3.上記硬化性樹脂が、熱硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂、二液硬化型樹脂又は光硬化型樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする前記1又は2に記載のED表示機能付きICカードの製造方法。
4.ED表示機能付きICカードであって、ED表示部の一部が硬化性樹脂と密着したED表示部を有することを特徴とするED表示機能付きICカード。
本発明により、耐久性があり、かつED表示部が破損しにくいED表示機能付きICカード及びその製造方法を提示することができた。又、ED表示機能付きICカードを連続的に安定生産する方法を提供することができた。更には、解像度が高く、かつ耐久性の高いED表示機能付きICカード及びその製造方法を提供することができた。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
以下、本発明のED表示機能付きICカード製造方法及びその実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものである。
先ず、本発明により形成されたED表示機能付きICカードの表裏の外観を図6に示す。
図6(a)は、本発明により形成されたED表示機能付きICカードの未記録のブランクカードの表面を示し、表面にはカードフォーマットが印刷されており、印字部には未だ情報の印字がなく、ED表示部にも何も表示がない。図6(b)はカードの裏面を示し、裏面にはフォーマットが印刷された筆記層が形成されている。図6(c)は、内蔵するICにデータが記録され、ED表示部にはICに記録された内容の一部が表示され、カード表面には記録情報が印字された状態を示す。
次に、本発明のED表示機能付きICカードの製造方法について説明する。
図1は、本発明のED表示機能付きICカードの製造装置の一例を示す概略構成図である。このED表示機能付きICカードの製造工程では、枚葉シート状の第1基材(表シート)1が第1基材供給部Aに配備され、長尺シート状の第2基材(裏シート)2が第2基材供給部Bに配備される。本図では、第1基材が枚葉で、第2基材がロール状の長尺シートのものを示したが、本発明においては、何れもが枚葉であっても、何れもがロール状で有っても良い。図2(a)は枚葉の第1基材1を、同図(b)はロール状の第2基材を示し、第1基材1には、(a)に示す如くED表示部用孔4が設けられている。
図1の、第1基材1に硬化性樹脂供給部Cから硬化性樹脂を供給して塗工し、インレット供給部Eへ送る。第1基材搬送ベルトにはED表示用孔に対応した突起部を有する構造(不図示)とし、ED表示用孔には硬化性樹脂が塗布されない機構とした。
インレット供給部Eでは、インレットシート3が供給される。図3はインレットシートの構成図を示す。図3(a)にはインレットシート3の平面図、同(b)にはインレットシート3の断面図を示す。インレットシート3には、ED表示部21、ICチップ22、アンテナコイル23等の必要部品がフィルムシート24に予めモジュールとして組み込まれ、結線されたものである。ICを保護する補強板25を有していることが好ましい。
図1の、インレットシート供給部Eにインレットシート3が供給され、第1基材1の所定位置(ED表示部とED表示用孔の位置合わせ等)に載置され、この第1基材1をラミネート部Fへ搬送される。
第2基材2に硬化性樹脂供給部Dから硬化性樹脂を供給して塗工し、ラミネート部へ送る。
ラミネート部において、第1基材1の硬化性樹脂塗工面と第2基材2の硬化性樹脂塗工面をインレットシート3を介して相対するようにして貼り合わせる。
このラミネート部Fの後に後処理部Gが配置され、ラミネート部Fにより貼り合わされた後、後処理部Gの搬送ベルトにより挟持搬送される。
ラミネート部F、後処理部Gにおいて、用いた硬化性樹脂の特性により、加熱加圧、加湿等の処理が行われ硬化が進行し、必要により冷却処理を行う。なお、二液混合や加熱、加湿や活性光線照射等の硬化処理は、用いられる硬化性樹脂の性質により、各基材に塗布される前に硬化処理が開始されてもよく、またラミネート終了後に硬化処理を開始しても良い。
なお、この後処理部Gで完全に硬化が完了している必要は無く、その後のエージング過程で硬化を完了できれば良い。その後、貼り合わされたシートはシート裁断部Hへ送られる。裁断部Hで枚葉シート状に断裁され、断裁されたシートは回収機により回収され集積される。必要によりSUS板等でサンドイッチして集積し、エージング処理を行い、カードの平面性を形成、保持される。次に打ち抜き機によりシートをカード状に打ち抜く。この打ち抜き部でカード状に打ち抜く前に、第1基材1と第2基材2のいずれか一方又は両方にフォーマット印刷を施しても良い。
カード状に打ち抜く前に、貼り合わせ品を枚葉シート状に断裁することで、取扱が容易で、かつ打ち抜き精度を向上することができる。また、フォーマット印刷はどの段階で行ってもよいが、カード状に打ち抜く前に、フォーマット印刷を施すことで、取扱が容易で、かつフォーマット印刷の精度を向上することができる。
図4は、上記のようにして形成された本発明のED表示機能付きICカードの断面構成図である。
図4(a)は、第1基材1と第2基材2との間で、ED表示部21の少なくとも一部が硬化性樹脂により覆われた構造を有することを示す。
即ち、本発明のED表示機能付きICカードにおいては、ICカードの2枚の基材の間にED表示部を搭載する際、硬化前の硬化性樹脂によりED表示部の少なくとも一部を覆い、その後硬化することにより、2枚の基材の間にED表示部を固定するものである。またED表示部に付随する結線部分等も同時に硬化することにより、歪み等を発生することなく固定することができ、使用時の耐久性を向上することができたものである。
更に、図4(a)は、第1基材1と第2基材2との間には、ED表示部21と共にICチップ22、アンテナコイル23等が硬化性樹脂により覆われた構造を示している。これらのED表示部21、ICチップ22、アンテナコイル23等は予めインレット3に配置、結線することにより、同時に硬化性樹脂により覆う構造とすることができ、より好ましい態様である。
上記の様に、予め、必要な部品をフィルム等のシートに配置したインレットシートを用いて基材上の所定位置に部品を配置し、その後周囲の硬化性樹脂を硬化することにより、部品の相対的位置を正確に規定することができ、振動等を含む部品の移動を抑え、形成後の耐久性(断線等)の向上を図ることができる。
また、ICチップ22は補強板25により覆われていることが好ましく、この補強板25はICチップ22より大きな形状であり、ICチップ22を保護している形状であることが好ましい。
図4(b)は、上述の様にして形成されたED表示機能付きICカードに、種々の情報を記録、印字した後、本発明の好ましい形態として、記録表面の保護のため透明保護層8を形成したカードの断面図を示す。
図4(b)中、第1基材1の片面に受像層7を有し、受像層7上には、熱転写方式またはインクジェット方式による氏名、顔画像を含む個人識別情報10が設けられている。また、氏名、顔画像を含む個人識別情報10を設けた上面に透明保護層8が形成されている。この図4(b)では、透明保護層8は記録情報を直接保護する転写箔aと更にその上に転写箔bが転写によって設けられている例が示されているが1層であっても良い。この転写箔a,bは何れも活性光線硬化樹脂からなり、光照射により硬化される。個人識別情報10を設けた上面に透明保護層8を設けることで、個人識別情報10が保護され、耐久性が向上する。
また、この実施の形態では、第2基材2の片面に、筆記可能な筆記層9が設けられている。また、ICチップ22は、顔画像の部分と重なる位置以外の位置に配置することが好ましく、ICチップ22が顔画像部分と重なる位置に存在しないことで、表面の平滑性がよくなり、印字性が向上する。
このようにして形成された本発明のED表示機能付きICカードは、ICに記録されたデータの一部をED表示部に表示することができ、また該カードを非接触式ICカードとすることにより、安全性に優れ、データの機密性と偽変造防止性が高く、必要により記録内容をED表示部に表示確認することができ、高機能性カードとして種々の用途に使用することができる。
次に本発明に用いられるED表示部の構成について説明する。
図5は、本発明のICカードに用いられるED表示部の概略構成断面図である。
図5中、透明支持体31の上には透明電極32が形成されており、もう一方には対向電極32が形成され、その間には、金属の溶解/析出を生じさせる電解質33が充填されている。,両電極間を電荷駆動することにより、金属の溶解/析出を生じ、析出部が黒化することにより画像を形成することができ、画像形成のための白色散乱層32,駆動するTFT35、電解液をシーするシール剤、間隙をコントロールする画像領域スペーサー36、シールスペーサー37等で構成されている。
金属としては、種々のものを用いることができるが、駆動電圧が低く、形成される画像のコントラストが高いことから銀が好ましく用いられる。
ED表示部に用いられる、透明支持体、電解液、シール剤、スペーサ材料については、特開2005−283986号等に記載の材料を用いることができる。
本発明で言うED表示部の少なくとも一部が硬化性樹脂により覆われるとは、ED表示部の少なくとも一部が硬化性樹脂と密着状態にあることを言い、ED表示部と共にICチップ、アンテナ線、それらとの結線部分等が硬化性樹脂により一体となり覆われていることが好ましく。
次に、本発明のED表示機能付きICカードに用いられる各材料について説明する。
本発明に用いられる硬化性樹脂としては、塗工後硬化が可能な材料であれば特に限定されるものではないが、熱硬化型、湿気硬化型、二液硬化型或いは光硬化型等の樹脂を挙げることができ、これらの組合せで有っても良い。
a)湿気硬化型樹脂としは、特開2000−036026号、特開2000−219855号、特開2000−211278号、特開2002−175510号に開示されている。湿気硬化型樹脂の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型樹脂としては、例えば住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製Macroplast QR 3460、積水化学工業社製エスダインシリーズ等があげられる。また、湿気硬化型樹脂は素材の安全性から遊離MDI量が1.0%以下の物を使用することが好ましい。
b)二液混合型樹脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭63−63716に開示されるような、エポキシ樹脂とメルカプタン系硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物や、複素環状ジアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂が用いられてきた。作業環境特性、支持体との接着性、接着安定性を得るために特開平10−120764号に開示されているような、ビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤として(C)ポリアミドアミン、(D)芳香族変性アミン、及び(E)脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ樹脂組成物が用いられている。また、特開2000−229927号には、エポキシ樹脂とアミンイミド化合物系硬化剤との組み合わせからなる硬化速度が早いエポキシ樹脂が得られている。特開平6−87190号、特開平5−295272号には特殊変性シリコーンプレポリマーを硬化剤と用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示されている。
この発明で用いることができるエポキシ接着剤とは、例えば、セメダイン株式会社製、セメダインEP−001、株式会社スリーボンド社製、3950シリーズ、3950,3951,3952、コニシ株式会社製ボンドMOSシリーズ、MOS07、MOS10、東邦化成工業株式会社ウルタイト1500シリーズ、ウルタイト1540等を用いることが好ましい。
c)光硬化型樹脂としては、特開平10−316959号、特開平11−5964号等で開示されている。光硬化型樹脂としては公知の光硬化型樹脂であれば特に制限はないが、i)エポキシ基を1分子内に2個以上含んだ化合物、ii)10〜150℃の温度でカチオンを発生する化合物を少なくとも含む樹脂を用いることが好ましい。カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70質量%以上であるのが好ましい。市販品として、EMI社性一液型エポキシUV硬化型接着剤の3505.3506.3507.3514.3553シリーズなどがある。
d)熱硬化性接着剤とは、熱すると硬化が進み硬化後の分子は一般に3次元の網状となるもので、この性質を利用したものを別名ホットメルト型と呼ばれる。ホットメルト型としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられるが、熱可塑性接着剤は一般に分子が直線状で、熱をかけると軟化し冷えると硬化する性質を利用した接着剤であるため、耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂を用いた方が良い。
硬化された樹脂としては、硬いものであっても、柔軟性を持つものであっても良いが、形成されたICカードの耐久性の観点からは、弾性率が200〜1000MPaの樹脂であることが好ましく、更には弾性率が200〜700MPaの柔軟性の有る樹脂が好ましい。
[カード基材用支持体]
カード基材用支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。この発明のシート材の厚みは、30〜300μm、望ましくは50〜200μmである。
本発明においては、支持体の熱による収縮、反りなどによるカード基材搬送性の観点から低温接着剤の他に支持体として150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下が好ましい。又支持体上に後加工上密着性向上のため易接処理を行っていても良く、ICチップ保護のために帯電防止処理を行っていても良い。具体的には、帝人デュポンフィルム株式会社製のU2シリーズ、U4シリーズ、ULシリーズ、東洋紡績株式会社製クリスパーGシリーズ、東レ株式会社製のE00シリーズ、E20シリーズ、E22シリーズ、X20シリーズ、E40シリーズ、E60シリーズQEシリーズを好適に用いることができる。
本発明における第1基材は、当該カード利用者の顔画像を形成するため受像層が形成されていることが好ましく、更にその下にはクッション層が設けられていることが好ましい。本発明のICカード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられたものであってもよく、また全く印刷部分のないホワイトカードであってもよい。
[熱転写記録法で昇華もしくは熱拡散性染料画像を受容する受像層]
第1基材上に設けられた受像層は、バインダと各種の添加剤で形成することができる。
受像層は、昇華型熱転写方式により階調情報含有画像を形成すると共に、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式により文字情報含有画像を形成するものであることが好ましく、昇華性色素の染着性、または昇華性色素の染着性とともに熱溶融性インクの接着性も良好でなければならない。かかる特別な性質を受像層に付与するには、後述するように、バインダ及び各種の添加剤の種類及びそれらの配合量を適宜に調整することが必要である。
以下、受像層を形成する成分について詳述する。
受像層用のバインダとしては、通常に知られている昇華型感熱転写記録受像層用のバインダを適宜に用いることができる。主なバインダとしては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂などさまざまのバインダを使用することができる。
ただし、この発明によって形成される画像につき、実際的要求(たとえば発行されるICカードに所定の耐熱性が要求されるなど)が存在するのであれば、そのような要求項目を満たすようにバインダの種類あるいは組み合わせを考慮することが必要になる。画像の耐熱性を例にすると、60℃以上の耐熱性が要求されるのであれば、昇華性色素のにじみを考慮して、Tgが60℃以上であるバインダを使用するのが好ましい。
また、受像層を形成するに際して、必要に応じて、例えば金属イオン含有化合物を含有させるのが好ましい場合がある。特に熱移行性化合物がこの金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する場合である。
前記金属イオン含有化合物を構成する金属イオンとしては、例えば周期律表の第I〜第VIII族に属する2価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Zn等が好ましく、特にNi、Cu、Co、Cr、Zn等が好ましい。これらの金属イオンを含有する化合物としては、金属の無機または有機の塩および該金属の錯体が好ましい。
また、受像層には、離型剤を添加することが好ましい。有効な離型剤としては、用いるバインダと相溶性のあるものが好ましく、具体的には変性シリコーンオイル、変性シリコーンポリマーが代表的であり、例えばアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂などが挙げられる。このなかでもポリエステル変性シリコーンオイルはインクシートとの融着を防止するが、受像層の2次加工性を妨げないという点で特に優れている。受像層の2次加工性とは、マジックインキでの筆記性、できた画像を保護する際に問題となるラミネート性などを指す。この他離型剤としてはシリカ等の微粒子も有効である。2次加工性を問題としない場合は融着防止策として硬化型シリコーン化合物の使用も有効である。紫外線硬化型シリコーン、反応硬化型シリコーンなどが入手可能であり、大きな離型効果が期待できる。
この発明における受像層は、その形成成分を溶媒に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像層用塗工液を前記支持体の表面に塗布し、乾燥する塗工法によって製造することができる。
支持体の表面に形成される受像層の厚みは、一般に1〜50μm、好ましくは2〜10μm程度である。この発明においては、支持体と受像層との間にクッション層あるいはバリヤー層を設けることもできる。クッション層を設けると、ノイズが少なくて、画像情報に対応した画像を再現性良く転写記録することができる。クッション層を構成する材質としては例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、特開2002−222403等に記載の光硬化型樹脂等が挙げられる。クッション層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。
本発明においては、受像層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体層を設けることができる。フォーマット印刷からなる情報坦持体とは、識別情報及び書籍情報を記録した複数の選ばれる少なくとも一つが設けられた情報坦持体を表し、具体的には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等を表す。
フォーマット印刷からなる情報坦持体の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにカーボンなどのインキにより形成される。
また、場合により目視による偽造防止の為に透かし印刷、ホログラム、細紋等が採用されてもよく、偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、金属蒸着層、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、隣片顔料層、帯電防止層などから表シートに印刷等で設けることも可能である。
[クッション層]
本発明のクッション層を形成する材料としては、ポリオレフィンが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン、光硬化型樹脂層の様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。具体的には、特開2001−001693等のクッション層を使用することができる。
本発明でいうクッション層とは、受像層とIC等の電子部品の間にクッション層を有する形態であれば特に制限はないが、前記基体と実質的に同質の別支持体の第2のシート材もしくは第1、第2のシート材両面上に塗設あるいは貼り合わされて、形成されることが特に好ましい。
[筆記層]
筆記層は、ICカードの裏面に筆記することができるようにした層である。このような筆記層としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微細粉末を熱可塑性樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン類や、各種共重合体等)のフィルムに含有せしめて形成することができる。特開平1−205155号公報に記載の「書き込み層」をもって形成することができる。前記筆記層は支持体における、複数の層が積層されていない第1のシート材に形成される。筆記層にワックス等の滑り性を良好にする素材を添加すると、擦られた場合の破損や摩耗を防ぐために有効である。添加剤としては、ポリエチレンワックスが好ましく用いられる。
実施例1
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下において「部」は「質量部」を示す。
《ED表示素子Aの作製:図5を参照して説明する。》
ED表示素子Aの作製を図5を用いて説明する。
(電解質液の調製)
ジメチルスルホキシドの2.5g中に、ヨウ化ナトリウムを90mg、ヨウ化銀を75mgを加えて完全に溶解させた。この溶液に、ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA245)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解質液を得た。カールフィシャー法による含水率は0.2%であった。
(電極101の作製)
厚さ100μmで2cm×4cmのポリエチレンテレフタレート透明支持体50上に、ITO膜51を公知の方法で形成し透明電極101(観察側)を得た。
(電極102の作製)
厚さ100μmで2cm×4cmのポリエチレンテレフタレート透明支持体50上に、TFT素子54を公知の方法従って作製した。更に銀ペーストインキ(東洋紡績株式会社製 DW−250H−5)を用い、乾燥時の厚み10μmで、TFT素子54に接合して100μm×100μm角をスクリーン印刷し、120℃の真空オーブン中で30分加熱して、銀電極52とした。各電極間のスペース部分には絶縁膜59をスクリーン印刷して、電極102を得た。
(ED表示素子Aの作製)
電極102の上に、周辺部を平均粒子径30μmのガラス製球形ビーズ(シールスペーサ)を体積分率が10%含むオレフィン系シール剤で縁取りした。縁取りした中にゼラチン2質量%を含む水溶液中に酸化チタン20質量%を超音波分散機にて分散させた水混和液を、ワイヤーバーで100μm塗布し、その後15℃で30分間乾燥して水を蒸発させた後、45℃雰囲気中で1時間乾燥させて、白色散乱層56を作製した。
上記調製した電解質液に、スペーサとして平均粒子径が10μmのポリアクリル製の球形ビーズを体積分率として4体積%になるように加えて攪拌した溶液を、上記電極102の白色散乱層56上に塗布し、その上から透明電極101の電極面を対向させて、9.8kPaの圧力で押圧し、ED表示素子Aを作製した。
上記ED表示素子Aの、電解質液中のスペーサの平均粒径及びシール剤中のスペーサの平均粒径を各々表1に記載のスペーサに変更した以外はED表示素子Aと同様にしてED表示素子B〜Fを得た。
Figure 2008158621
〔ED表示機能付きICカードの作製〕
<第2基材(裏シート)の作製>
裏面シートの支持体として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W低熱収グレード188μm(PET)を使用した。
(筆記層の作製)
前記支持体(188μm)に下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 1部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕 4部
シリカ 5部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
(筆記層へのフォーマット印刷)
オフセット印刷法により、フォーマット印刷(罫線、発行者名、発行者電話番号)を行った。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
<第1基材(表シート)の作製>
(表シートの作製)
裏シートに用いたものと同じ支持体(188μm)に下記組成物からなるクッション層、受像層を順次塗工乾燥してなる第1基材(表面シート1)用ロールを形成した。
(光硬化型クッション層:膜厚10μm)
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA512) 55部
ポリエステルアクリレート(東亞合成社製:アロニックスM6200) 15部
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA4000)25部
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ:イルガキュア184) 5部
メチルエチルケトン 100部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行った。
(受像層)
上記クッション層上に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕 9部
イソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕 6部
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕 2部
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
〔フォーマット印刷と枚葉断裁と穿孔〕
ロール状に形成された第1基材の受像層上にオフセット印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名)を行った。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
(透明樹脂層形成)
下記組成物からなる印刷インキを用いロールミルにより混合し、印刷インキを作製した。オフセット印刷法により受像層上に印刷を行った。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
(透明樹脂層組成物1)
ウレタンアクリレートオリゴマー 50部
脂肪族ポリエステルアクリレートオリゴマー 35部
ダイロキュア1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製) 5部
トリメチロールプロパンアクリレート 10部
(枚葉断裁とED表示用孔の形成)
フォーマット印刷を行ったロール状第1基材を複数枚(4〜20枚)のカードが形成できる単位で枚葉に断裁すると共にED表示用孔を穿孔した。
〔インレットシートの作製〕
帝人デュポンフィルム(株)製Sシリーズテトロンフィルム40μmの上に厚さ10μmのアルミニウム箔を蒸着させた後、アンテナコイルやリード線の形態のようにエッチング処理をした。こうして得られたシートの上にICチップ、補強板、ED表示部などを設置すると同時に結線を行ない、ICモジュール用インレットシートとした。
〔硬化性樹脂の調製〕
ED表示部を覆う硬化性樹脂として下記のものを用いた。
〈硬化性樹脂A〉
湿気硬化型、積水化学工業(株)製エスダイン2113MK
〈硬化性樹脂B〉
湿気硬化型、Henkel社製Macroplast QR3460
〈硬化性樹脂C〉
紫外線硬化型、EMI社製 3506
〈硬化性樹脂D〉
二液硬化型弾性エポキシ樹脂、株式会社スリーボンド社製3950セット(A液、B液)、B液には更に3質量%のメルク社製イリジオン211を添加し、硬化性樹脂供給部は二液混合して供給できるように改造したものを用いた。
〈熱硬化性樹脂E〉
熱硬化性樹脂として下記の組成のものを用いた。
セロキサイド2021(ダイセル化学工業(株)製) 36部
エポライト3002(共栄化学(株)社製) 25部
エピコート#828(油化シェルエポキシ社製) 30部
熱カチオン発生化合物:セトキサイドSI−60L(三新化学工業(株)社製) 7部
〔ED表示機能付きICカードの作製〕
上記各硬化性樹脂と、上記で作製したED表示素子A〜Fを組み合わせて、各ED表示機能付きICカードを、下記の方法により作製した(表2に記載)。
<第1基材、第2基材の接着>
図1に記載のED表示機能付きICカード製造装置を用い、上記作製された第1基材(表シート)は第1基材供給部Aに、第2基材(裏シート)は第2基材供給部Bに設置する。
上記各硬化性樹脂を硬化性樹脂供給部C及びDに投入し、ED表示機能付きICカードを作製した。
長尺シート状の第2基材(裏面シート)上に硬化性樹脂供給部Dから供給された各樹脂をTダイ塗布方式により塗布しラミネート部Fに搬送した。なお、第2基材に塗布される硬化性樹脂の塗布膜厚は後述の第1基材に塗布される硬化性樹脂の膜厚及びインレットシート膜厚40μmとの合計が全膜厚で350μmとなるように調整した。
一方、第1基材供給部にはED表示用孔に対応する突起を有する載置台を用い、その上に枚葉シート状の第1基材(表面シート)を配置し、第1基材上に特定温度で、窒素気流下で、硬化性樹脂供給部から硬化性樹脂を供給し、Tダイ塗布方式によりED表示部の厚さに合わせて樹脂層を形成した。硬化性樹脂を塗布した後、載置台を取り除くことにより、該ED表示用孔部分は硬化性樹脂が取り除かれて空孔が形成されている。予め図2に示すインレット3から構成されるICモジュールのED表示部を第1基材のED表示用孔に合わせて配置した後、ラミネート部Fに搬送した。
硬化性樹脂が塗布された第2基材及び硬化性樹脂とインレットシートが供給された第1基材をラミネート部Fに搬送し、両者を貼合し、加熱/加圧ロール(圧力0.3MPa、ロール表面温度90℃)、貼合され膜厚が制御される。更に搬送部において、加熱、加圧、必要により冷却等を行い、シート断裁部Kにおいて断裁され、回収機により枚葉の原反を回収、積載し保存する。
〔カード化断裁工程〕
カード化断裁工程は硬化性樹脂の初期硬化、基材との密着が十分に行われてから化粧断裁することが好ましい。断裁性を考慮すると接着剤は必ずしも完全に硬化させる必要はない。作製された原反はロータリーカッターにより55mm×85mmサイズのED表示機能付きICカード(ブランクカード)を得ることができた。
〔ICカードの保管〕
上記で得られたブランクカード300枚をカードマガジンに上下左右同じ方向で重ねて装填した。
カードマガジンはカードプリンター装填部に装着可能な形態とした。
カードマガジンをシールした後、これらのマガジンを23℃55%環境下で10日間保管した。
〔カードへの画像記録〕
ICカードへの顔画像等の個人識別情報やその他の文字情報の記載方法を示す。
(昇華型感熱転写記録用インクシートの作製)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
〈イエローインク層形成用塗工液〉
イエロー染料(三井東圧染料(株)製MSYellow) 3部
ポリビニルアセタール〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕 5.5部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕 1部
ウレタン変性シリコンオイル〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕 0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンタ染料(三井東圧染料(株)製 MS Magenta) 2部
ポリビニルアセタール〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕 5.5部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕 2部
ウレタン変性シリコンオイル〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕 0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン染料(日本化薬(株)製 カヤセットブルー136) 3部
ポリビニルアセタール〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕 5.6部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕 1部
ウレタン変性シリコンオイル〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕 0.5部
メチルエチルケトン 20部
(溶融型感熱転写記録用インクシートの作製)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥してインクシートを得た。
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1部
〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3部
フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5部
メチルエチルケトン 90部
〔顔画像の形成〕
受像層と昇華型感熱転写記録用インクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより、階調性のある人物画像を受像層に形成した。この画像においては上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成している。
〔文字情報の形成〕
透明樹脂部と溶融型感熱転写記録用インクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報をICカード用画像記録体上に形成した。
〔ICカード表面に透明保護用の作製:図4(b)参照〕
(転写箔aの作製)
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に下記組成物を積層し転写箔aの作製を行った。
活性光線硬化性化合物:
A−9300(新中村化学社製) 35部
EA−1020(新中村化学社製) 11.75部
反応開始剤:
イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部
添加剤不飽和基含有樹脂 48部
その他の添加剤:
界面活性剤F−179(大日本インキ社製) 0.25部
〈中間層形成塗工液〉膜厚1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 3.5部
タフテックスM−1913(旭化成) 5部
硬化剤:
ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部
メチルエチルケトン 90部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
〈接着層形成塗工液〉膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部 水 45部
エタノール 45部
(転写箔bの作製)
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に下記組成物を積層し活性光線硬化型転写箔bの作製を行った。
活性光線硬化性化合物:
A−9300(新中村化学社製) 35部
EA−1020(新中村化学社製) 11.75部
反応開始剤:
イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部
添加剤不飽和基含有樹脂 48部
その他の添加剤:
界面活性剤F−179(大日本インキ社製) 0.25部
〈中間層形成塗工液〉膜厚1.5μm
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 2.5部
タフテックスM−1913(旭化成) 5部
硬化剤:
ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 2.5部
メチルエチルケトン 90部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
〈バリヤー層形成塗工液〉膜厚1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 1部
タフテックスM−1913(旭化成) 8部
硬化剤:
ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1部
メチルエチルケトン 90部
〈接着層形成塗工液〉膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 7部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 3部
水 45部
エタノール 45部
〔転写箔の付与〕
画像、文字が記録された前記受像層上に前記構成からなる転写箔aおよび転写箔bを用いて、表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力15MPaで1.2秒間熱をかけて、転写箔aおよび転写箔bの順番で転写を行い透明保護層を形成した。
〔比較試料の作製〕
比較試料としては、素子3における第1基材に用いたPET支持体の代わりに、素子3の第1基材と硬化性樹脂層5の合計と同厚の270μmのPET−G(イーストマンケミカル社)シートを用い、一方の面に受像層を形成し、受像層と反対の面には、アンテナコイル、ICチップに対応する凹部を予め形成し、ED表示部に対応する部分は2cm×4cmの貫通孔を形成した枚葉のPET−Gからなる第1基材シート1とした。一方、素子3における第2基材2と硬化性樹脂層6の合計と同厚の440μmのPET−Gシートを用いて、その一方の面には筆記層を塗工し、第2基材シート2とした。素子3の形成装置と同様の装置を用いて、第1基材、第2基材を所定位置に配置し、素子3で用いたものと同様のアンテナコイル、ICチップ、ED表示部を積載したインレットシートを用いて比較のICカードを形成し、以下素子3と同様にして透明保護層を形成した。
以上のようにして得られた各ICカードの一覧を表2に示す。
Figure 2008158621
各ICカードを下記の様にして評価した。
〔カード耐久性評価〕
[耐折りまげ試験]
上記で得られたED表示機能付きICカードを、図7(a)に示すように、カードの長辺方向:たわみ35mm、カードの短辺方向:たわみ15mmとなるように、125回毎に長辺方向、短辺方向を周期30/minの条件で合計1000回の耐折りまげ試験を行った。
その後市販のリーダーライターでICへ書き込みを行い、試験後のEDの解像度を確認し、5段階で評価を行った。4以上が好ましい結果である。
〈耐折曲げ試験後のEDの解像度〉
5:変形もなく、EDの解像度に問題なし
4:ごく僅か変形があるが、EDの解像度に問題がない
3:変形が多少ある程度であるが、EDの解像度が若干低下している
2:大きく変形しており、EDの解像度が明らかに低下している
1:EDが折れ曲がってしまい、ED機能が失われている。
[耐衝撃性試験]
上記で得られたED表示機能付きICカードを、図7(b)に示すような、台上で、円筒を用いて鋼球(直径2cm、質量50g)を自由落下させたとき、ICやED表示部が機能しなくなる高さ(cm)をそのカードの耐衝撃性として評価した。
各評価結果を表3に示す。
Figure 2008158621
表から分かるとおり、比較試料はICカード15はED表示部、IC部分等が硬化性樹脂により被覆されていないことから耐久性が劣るのに対し、本発明の試料は優れた耐久性(耐衝撃性、耐折りまげ性)を示すことが分かる。
また、本発明の製造方法を用いることにより、図1に示すような製造装置を用いて連続的に安定生産することが可能となった。また、ED表示部の解像度及び耐久性の良いED表示機能付きICカードが得られた。
本発明のED表示機能付きICカードの製造装置の一例を示す概略構成図である。 インレットシートの構成図である。 第1基材及び第2基材を示す図である。 ED表示機能付きICカード基材の構成断面図である。 ED表示部の断面構成図である。 本発明のED表示機能付きICカードの表裏外観図である。 カード耐久性評価の方法を示す図である。
符号の説明
1 第1基材
2 第2基材
3 インレットシート
4 ED表示用孔
5,6 硬化性樹脂層
7 受像層
8 透明保護層
9 筆記層
10 個人識別情報
21 ED表示部
22 ICチップ
23 アンテナコイル
24 フィルムシート
25 補強板
50 透明支持体
51 ITO
52 銀電極
53 電解質
54 TFT素子
55 シール剤
56 白色散乱層
57 シールスペーサ
58 画素領域スペーサ
59 絶縁膜
101 透明電極
102 電極

Claims (4)

  1. 基材上に、金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するエレクトロンデポジション(EDと略す)表示部を有するED表示機能付きICカードの製造方法であって、ED表示部の少なくとも一部が硬化性樹脂により覆われるED被覆工程を有することを特徴とするED表示機能付きICカードの製造方法。
  2. 第1基材の片側の少なくとも一部に硬化性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記第1基材上に形成された硬化性樹脂層の一部にED表示部を設置する設置工程、第1基材と第2基材を対向させて貼り合わせる貼り合わせ工程を有することを特徴とする請求項1に記載のED表示機能付きICカードの製造方法。
  3. 上記硬化性樹脂が、熱硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂、二液硬化型樹脂又は光硬化型樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のED表示機能付きICカードの製造方法。
  4. ED表示機能付きICカードであって、ED表示部の一部が硬化性樹脂と密着したED表示部を有することを特徴とするED表示機能付きICカード。
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JP5316701B2 (ja) * 2010-03-24 2013-10-16 コニカミノルタ株式会社 電気化学表示素子

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