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JP2008154952A - バイオセンサ用試料採取器具及びバイオセンサシステム - Google Patents

バイオセンサ用試料採取器具及びバイオセンサシステム Download PDF

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JP2008154952A JP2006350053A JP2006350053A JP2008154952A JP 2008154952 A JP2008154952 A JP 2008154952A JP 2006350053 A JP2006350053 A JP 2006350053A JP 2006350053 A JP2006350053 A JP 2006350053A JP 2008154952 A JP2008154952 A JP 2008154952A
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Shingo Kaimori
信吾 改森
Takahiko Kitamura
貴彦 北村
Akira Harada
章 原田
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
Masao Karube
征夫 輕部
Masao Goto
正男 後藤
Hideaki Nakamura
秀明 中村
Takeshi Fujimura
剛 藤村
Tomoko Ishikawa
智子 石川
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】 容易に試料を採取することができ、測定に必要な試料の採取量を少量にして、使用者の負担を軽減することができるバイオセンサ用試料採取器具及びバイオセンサシステムを提供する。
【解決手段】 被検体から試料を採取するために穿刺する穿刺用器具11と、穿刺用器具11によって被検体に形成される穿刺口から流出する試料を収納し、試料内の特定成分を検知する検出部を有する中空反応部19に穿刺口から採取した試料を導入する試料導入口16aを備えるバイオセンサユニット12と、穿刺用器具11とバイオセンサユニット12とを別個に移動可能とする駆動機構14及び可撓部材15と、を備えるバイオセンサ用試料採取器具10。
【選択図】 図1

Description

本発明はバイオセンサ用試料採取器具に係り、例えば被検体を穿刺する穿刺用器具と、穿刺後に試料を導入するバイオセンサユニットとを備えたバイオセンサ用試料採取器具及びバイオセンサシステムに関する。
従来より、例えば血液中のグルコースの濃度を検出するバイオセンサチップが知られている(例えば特許文献1参照)。
図6は特許文献1に記載されているグルコースセンサを示す分解斜視図である。図6に示すように、バイオセンサであるグルコースセンサ100は、対極101と作用極102を有している。対極101は、長さ方向に半裁された中空針状をしており、その先端部103は穿刺しやすいように注射針状に斜切されている。そして、半裁された切断面には、一般に接着剤層を兼ねた絶縁層104、104'、例えばエポキシ樹脂接着剤、シリコーン系接着剤あるいはガラスなどが塗布されており、この絶縁層104、104'を介して作用極102が取り付けられている。作用極102は、グルコースオキシダーゼ(GOD)を固定化した平板状の部材であり、GODが固定化された面を内側に向けて対極101に接着されている。
従って、針状対極101の先端部103を対象者に穿刺して血液を採取し、採取した血液と固定化GOD105との反応を作用極102により検出して、グルコースの定量を行う。
また、バイオセンサチップとランセットを一体化したバイオセンサが開示されている(例えば特許文献2参照)。
図7(A)は特許文献2に記載されているセンサの斜視図、図7(B)はセンサの分解斜視図である。図7に示すように、ランセット一体型のセンサ110は、チップ本体111、ランセット113、保護カバー115を有している。チップ本体111は、カバー111aと基板111bとを開閉可能に有しており、カバー111aの内面には内部空間112が形成されている。内部空間112は、ランセット113を移動可能に収納できる形状をしている。
ランセット113の先端に設けられている針114は、ランセット113の移動に伴ってチップ本体111の内部空間112の前端部に形成されている開口部112aから出没可能となっている。内部空間111aの形状は、突起113aが位置する端部において、その幅がランセット113より若干狭くなるよう湾曲しており、互いの押圧力や摩擦力によってランセット113がチップ本体111に係止されるようになっている。保護カバー115は針114を挿嵌する管部115aを有しており、針114の移動に伴って管部115aもチップ本体111の内部に収納可能となっている。従って、使用前の状態では、保護カバー115を針114に被せて、針114を保護するとともに誤って使用者を傷付けないようにしている。なお、基板111bには、一対の電極端子116が設けられており、測定装置(図示省略)に電気的に接続できるようになっている。
使用時には、保護カバー115を外して、ランセット113を押して針114をチップ本体111から突出させる。この状態で被検体を穿刺した後、針114をチップ本体111内部に収納し、チップ本体111の前端に設けられている開口部112aを穿刺口に近づけて、流出した血液を採取する。
特開平2−120655号公報 国際公開第02−056769号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載のグルコースセンサ100では、針状対極101と作用極102とを貼り合わせて形成されるため、穿刺針の径がグルコースセンサ100の幅と同程度となり大きくなる。このため、採血量が多くなるとともに穿刺時の痛みが大きくなり、使用者の負担が大きくなるという問題がある。
また、特許文献2に記載のランセット一体型センサ110では、穿刺口から流出した血液を開口部112aから吸収する構造となっているが構造が複雑である。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に試料を採取することができ、測定に必要な試料の採取量を少量にして、使用者の負担を軽減することができるバイオセンサ用試料採取器具及びバイオセンサシステムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明の第1の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、被検体から試料を採取するために穿刺する穿刺用器具と、前記穿刺用器具によって前記被検体に形成される穿刺口から流出する試料を収納し、試料内の特定成分を検知する検出部を有する中空反応部に前記穿刺口から採取した試料を導入する試料導入口を備えるバイオセンサユニットと、前記穿刺用器具と前記バイオセンサユニットとを別個に移動可能とする駆動機構とを備えることにある。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具は、穿刺用器具とバイオセンサユニットとを別個に移動可能とする駆動機構を備えることにより、穿刺用器具で被検体を穿刺後、穿刺用器具を穿刺口から離すと共に、バイオセンサユニットの試料導入口を穿刺口に近づけ、穿刺口から流出した試料を迅速にバイオセンサユニットの中空反応部に導入することが可能であり、測定に必要な試料の採取量を少なくして、対象者の負担を軽減することが可能である。
また、本発明の第2の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第1の特徴において、前記穿刺用器具と前記バイオセンサユニットとが、個別に脱着可能とされることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具は、穿刺用器具とバイオセンサユニットとが個別に脱着可能とされることにより、既存の穿刺用器具やバイオセンサユニットを用いることができ、コスト削減も可能である。
また、本発明の第3の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第1の特徴において、前記穿刺用器具と前記バイオセンサユニットとが、一体的に脱着可能とされることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具は、穿刺用器具とバイオセンサユニットとが一体的に脱着可能とされることにより、使用後の穿刺用器具とバイオセンサユニットを迅速に交換することが可能である。
また、本発明の第4の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第1から第3のいずれかの特徴において、前記駆動機構が、前記バイオセンサユニットの試料導入口を前記被検体の穿刺口に近づける方向に移動させる機構を有することを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具においては、駆動機構がバイオセンサユニットの試料導入口を被検体の穿刺口に近づける方向に移動させる機構を有するので、迅速且つ確実にバイオセンサユニットを移動させて、試料の採取を行うことができる。
また、本発明の第5の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第4の特徴において、前記バイオセンサユニットの試料導入口を前記被検体の穿刺口に近づける方向に移動させる機構として、弾性体を用いることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具においては、バイオセンサユニットの試料導入口を弾性体によって被検体の穿刺口に近づける方向に移動させるので、簡易な機構によって迅速且つ確実にバイオセンサユニットを移動させて、試料の採取を行うことができる。
また、本発明第6の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、本発明の第1から第5のいずれかの特徴において、前記駆動機構が、前記穿刺用器具の穿刺時の動きに連動して、前記バイオセンサユニットの試料導入口を前記被検体の穿刺口から遠ざける方向に移動させる連動機構を有することを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具は、連動機構が、穿刺用器具の穿刺時の動きに連動して、バイオセンサユニットの試料導入口を被検体の穿刺口から遠ざける方向に移動させることにより、穿刺時に穿刺位置の近傍にあるバイオセンサユニットの試料導入口が、この穿刺用器具の穿刺時の動きに連動して被検体の穿刺口から遠ざかる方向に移動させられるので、穿刺用器具はバイオセンサユニットに邪魔されずに被検体を確実に穿刺することができる。
また、本発明の第7の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第1〜第6のいずれかの特徴において、前記穿刺用器具の穿刺方向と、前記バイオセンサユニットに設けられている試料導入口における試料導入方向とが、10〜60度の角度をなしていることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具においては、バイオセンサユニットに設けられている試料導入口からの試料導入方向を穿刺用器具の穿刺方向に対して、10度以上とすることにより穿刺用器具に邪魔されずにバイオセンサユニットの試料導入口を穿刺口に移動できる。また、60度以下とすることにより、バイオセンサユニットの中空反応部への試料導入をスムーズに行うことができる。
また、本発明の第8の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第1〜第7のいずれかの特徴において、前記バイオセンサユニットが、互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に挟装されるスペーサ層と、前記2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた検知用電極と、前記2枚の基板及び前記スペーサ層により形成される中空反応部と、前記穿刺用器具により穿刺された穿刺口から試料を採取して前記中空反応部に導入する試料導入口とを有するバイオセンサチップを含むことを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具においては、バイオセンサユニットが上記構成のバイオセンサチップを含むことにより、必要採血量が少なく迅速に測定できるので、対象者の負担を更に軽減することが可能である。また、既存のバイオセンサチップを用いることができ、コスト削減が可能となる。
また、本発明の第9の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具は、上記本発明の第1〜第7のいずれかの特徴において、前記バイオセンサユニットが、互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に挟装されるスペーサ層と、前記2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた検知用電極と、前記2枚の基板及び前記スペーサ層により形成される中空反応部と、前記穿刺用器具により穿刺された穿刺口から試料を採取して前記中空反応部に導入する試料導入口とを有するバイオセンサチップであることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサ用試料採取器具においては、バイオセンサユニットが上記構成のバイオセンサチップであることにより、必要採血量が少なく迅速に測定できるので、対象者の負担を更に軽減することが可能である。また、既存のバイオセンサチップを用いることができ、コスト削減が可能となる。
また、本発明の第10の特徴であるバイオセンサシステムは、上記本発明の第8又は9の特徴であるバイオセンサ用試料採取器具と、このバイオセンサ用試料採取器具におけるバイオセンサチップの検知用電極に接続して採取された試料の情報を得る測定器とを備えることを特徴とする。
このように構成されたバイオセンサシステムにおいては、バイオセンサ用試料採取器具によって被検体から採取した試料の情報を検知用電極を介して測定器に伝達することにより、短時間且つ容易に測定することができ、対象者の負担を軽減することができる。
本発明によれば、穿刺用器具とバイオセンサユニットとを別個に移動可能とする駆動機構を備えることにより、穿刺用器具で被検体を穿刺後、穿刺用器具を穿刺口から離すと共に、バイオセンサユニットの試料導入口を穿刺口に近づけ、穿刺口から流出した試料を迅速にバイオセンサユニットの中空反応部に導入することが可能であり、測定に必要な試料の採取量を少なくして、対象者の負担を軽減することが可能である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(A)は本発明に係るバイオセンサ用試料採取器具の実施形態を示す断面図、図1(B)は(A)に示したバイオセンサチップの水平断面、図2は検出部の拡大断面図、図3は本発明に係るバイオセンサシステムの実施形態を示す平面図、図4(A)〜(C)はバイオセンサシステムを用いて血糖値を測定する動作を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るバイオセンサ用試料採取器具10は、対象者(被検体)から試料である血液Bを採取するために穿刺する穿刺用器具11と、この穿刺用器具11によって対象者の指等に形成される穿刺口から流出する血液Bを収納し、血液B内の特定成分を検知する検出部を有するバイオセンサチップ16に穿刺口から採取した血液Bを導入するバイオセンサユニット12とを、有しており、穿刺用器具11とバイオセンサユニット12は、採取器具本体13に対して個別に移動可能である。
穿刺用器具11の先端部には、大径の円盤状の鍔部11aが設けられている。また、穿刺用器具11はバイオセンサ用試料採取器具10の採取器具本体13に対して上下動可能に設けられている。本発明における穿刺用器具とは、針、ランセット針、カニューレ等を指すが、例えば、図4に示すようにスプリング等の駆動機構14によって上下動可能なランセット針であることが望ましい。従って、穿刺用器具11は、駆動機構14によって素早く下降するとともに、下降が完了したら所定位置まで上昇して戻るので、短時間で穿刺することができ、対象者の負担を軽減させることができる。
一方、バイオセンサユニット12は採取器具本体13の先端に、試料導入口16aを対象者の穿刺口に近づける方向に移動させる機構としての弾性体である可撓部材15を介して設けられている。従って、可撓部材15が弾性変形することにより、バイオセンサユニット12は穿刺用器具11と別個に容易に移動可能となっているが、常時は、可撓部材15がまっすぐ下方に延びた基準位置に位置し、試料導入口16aが穿刺用器具11の下方に位置するようになっている。バイオセンサユニット12は先端部が細くなった全体楔形状をしており、上傾斜面12aは穿刺用器具11の鍔部11aに接触可能となっている。
即ち、これら駆動機構14及び可撓部材15は、穿刺用器具11とバイオセンサユニット12とを別個に移動可能とする駆動機構を構成している。
図1および図2に示すように、バイオセンサユニット12には、先端に試料導入口16aを有するバイオセンサチップ16が設けられており、穿刺用器具11の穿刺方向と試料導入口16aにおける試料導入方向とでなす角度θが、15〜60度の角度をなしていることが望ましい。これにより、円滑に血液Bを採取することができる。
また、バイオセンサチップ16は、図1(B)に示すように、中空反応部19と一対の検知用電極17a、17bを構成要素とし、検知用電極17a、17bの真上、あるいは近傍の検出部には、血液Bと反応する試薬(図示省略)が設けられている。試料導入口16aはバイオセンサユニット12の先端に開口しており、穿刺前の常時すなわちバイオセンサユニット12の基準位置においては、穿刺用器具11の先端11bの近傍に位置するようになっている。
尚、本実施形態におけるバイオセンサユニット12は、互いに対向する2枚の基板及びこれら基板間に挟装されるスペーサ層(図示省略)と、2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた一対の検知用電極17a、17bと、2枚の基板及びスペーサ層により形成される中空反応部19と、穿刺用器具11によって対象者の指等に形成される穿刺口から血液Bを採取して中空反応部に導入する試料導入口16aと、を有するバイオセンサチップ16を含むものである。
そして、このバイオセンサチップ16を含むバイオセンサユニット12と穿刺用器具11とを採取器具本体13に対して個別に脱着可能とすることで、既存の穿刺用器具やバイオセンサユニットを用いることができ、コスト削減も可能である。また、穿刺用器具11とバイオセンサユニット12とを一体的に脱着可能とし、使用後の穿刺用器具11とバイオセンサユニット12を迅速に交換可能としても良い。
また、バイオセンサユニット12の先端部には、図2に示すように、穿刺口から流出している血液Bを試料導入口16aに導く案内部材18を設けても良い。これにより、穿刺口から流出した血液Bが、案内部材18によって試料導入口16aに導かれるので、少量の血液Bを確実に採取することができ、対象者の負担を軽減することができる。なお、案内面18aは親水性を有することが望ましい。これにより、血液Bの滴と案内面18aとの角度(接触角)が小さくなり、血液Bは滴を形成することなく一様の薄膜状に広がる。このため、少量の血液Bでも試料導入口16aに導くことできる。
次に、本発明に係るバイオセンサシステムについて説明する。図3には、上述したバイオセンサ用試料採取器具10を用いたバイオセンサシステム30の構成が示されている。
図3に示すように、バイオセンサシステム30は、前述したバイオセンサ用試料採取器具10と、バイオセンサユニット12からの反応電流から血液Bの分析を行う測定器31とを有している。なお、バイオセンサ用試料採取器具10の構成についてはすでに説明したとおりであり、前述したバイオセンサ用試料採取器具10と共通する部位には同じ符号を付すこととして、その説明はここでは省略する。
測定器31は電源32、制御装置33、端子挿入部34、表示部35を備え、これらが互いに接続されている。端子挿入部34には、バイオセンサ用試料採取器具10の採取器具本体13の後端部13bが挿入されて固定されることにより、採取器具本体13に設けられた接続回路(検知用電極17a,17bに一端がそれぞれ接続された導通部17c,17dの端部)が、電気的に接続されるようになっている。勿論、測定器13とバイオセンサ用試料採取器具10は、一体化されていても構わない。このバイオセンサシステム30は、小型であり、例えば、検査対象者が片手で持つことが可能なハンディタイプである。
次に、血液Bの採取動作について説明する。図4(A)〜(C)には、試料採取の動作が示されている。
図4(A)に示すように、穿刺前の状態である基準位置では、バイオセンサユニット12の試料導入口16aは穿刺用器具11の下方に位置している。
図4(B)に示すように、駆動機構14によって穿刺用器具11が下降(矢印A)されると、穿刺用器具11の穿刺時の動きに連動して、バイオセンサユニット12の試料導入口16aを穿刺用器具11によって形成される穿刺口から遠ざける方向に移動させる連動機構である鍔部11aが、バイオセンサユニット12の上傾斜面12aを押圧する。そこで、採取器具本体13に可撓部材15を介して設けられているバイオセンサユニット12は、矢印C方向へ退避する。これにより、穿刺用器具11の先端11bがバイオセンサユニット12を押しのけて下方へ突出することになるので、対象者の指F等を穿刺することができる。
図4(C)に示すように、穿刺後、穿刺用器具11は駆動機構14の働きにより上昇して対象者の指Fから抜ける。これに伴い、バイオセンサユニット12は可撓部材15の弾性復元力より矢印D方向へ移動して基準位置に戻るので、バイオセンサユニット12の先端の試料導入口16aは、穿刺口の近傍に位置することになる。これにより、穿刺口から流出した血液Bを採取することができる。なお、案内部材18が設けられている場合には、血液Bは案内部材18の案内面18aに沿って中空反応部19に導かれる。中空反応部19に導かれた血液Bは、試薬と反応し、この電気化学反応を検知用電極17a、17bで検知し、導通部17c,17dを介して測定器31に伝達して、分析し、表示部35に表示する(図3参照)。
尚、試薬としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)やグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、コレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ等の酵素と電子受容体が例示される。
例えば、血液中のグルコース量を測定するグルコースバイオセンサチップの場合は、この部分に、グルコースオキシダーゼ層やグルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物層、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物層、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物層等が形成される。グルコースオキシダーゼ以外の酵素、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ等を用い、これらの層が形成される場合もある。又、添加剤として緩衝剤や親水性高分子等を薬剤中に含めても良い。
以上、説明したバイオセンサ用試料採取器具10およびこのバイオセンサ用試料採取器具10を用いたバイオセンサシステム30によれば、穿刺用器具11の動きに連動して、可撓部材15の弾性復元力により穿刺用器具11と別個に移動可能なバイオセンサユニット12の試料導入口16aを穿刺口に移動させるので、簡易な装置により穿刺口に流出した血液Bを確実に採取することができる。これに伴い、少量の血液Bで分析が可能になるので、対象者の負担を軽減させることができる。また、バイオセンサユニット12と別個に移動可能な穿刺用器具11は駆動機構14によって素早く穿刺するとともに、穿刺後は対象者から抜き取られるので、痛みを減少させることができ、対象者の負担を軽減させることができる。
なお、本発明のバイオセンサ用試料採取器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
図5は本発明の他の実施形態に係るバイオセンサ用試料採取器具20を示す断面図である。尚、上述したバイオセンサ用試料採取器具10と共通の部位には同符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示すように、バイオセンサ用試料採取器具20は、互いに対向する2枚の基板及びこれら基板間に挟装されるスペーサ層(図示省略)と、2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた一対の検知用電極17a、17bと、2枚の基板及びスペーサ層により形成される中空反応部19と、穿刺用器具11によって対象者の指等に形成される穿刺口から血液Bを採取して中空反応部19に導入する試料導入口16aと、を有するバイオセンサチップ16を含むバイオセンサユニット22を備えている。
バイオセンサユニット22は、採取器具本体13の保持部13aに対して水平動可能に設けられている。そして、保持部13aとバイオセンサユニット22との間には、試料導入口16aを対象者の穿刺口に近づける方向に移動させる機構としての圧縮コイルばね25が介装されている。従って、圧縮コイルばね25が弾性変形することにより、バイオセンサユニット22は穿刺用器具11と別個に容易に移動可能となっているが、常時は、試料導入口16aが穿刺用器具11の下方に位置する基準位置に位置するようになっている。バイオセンサユニット22の上傾斜面22aは、穿刺用器具11の鍔部11aに接触可能となっている。
即ち、圧縮コイルばね25は、穿刺用器具11とバイオセンサユニット12とを別個に移動可能とする駆動機構を駆動機構14と伴に構成している。
そして、駆動機構14によって穿刺用器具11が下降(矢印A)されると、穿刺用器具11の穿刺時の動きに連動して、バイオセンサユニット22の試料導入口16aを穿刺用器具11によって形成される穿刺口から遠ざける方向に移動させる連動機構である鍔部11aが、バイオセンサユニット22の上傾斜面22aを押圧する。そこで、採取器具本体13の保持部13aに圧縮コイルばね25を介して保持されているバイオセンサユニット22は、矢印C方向へ退避する。これにより、穿刺用器具11の先端11bがバイオセンサユニット22を押しのけて下方へ突出することになるので、対象者の指F等を穿刺することができる。
穿刺後、穿刺用器具11は駆動機構14の働きにより上昇して対象者の指Fから抜ける。これに伴い、バイオセンサユニット22は圧縮コイルばね25の弾性復元力より基準位置に戻るので、バイオセンサユニット22の先端の試料導入口16aは、穿刺口の近傍に位置することになる。これにより、穿刺口から流出した血液Bを採取することができる。
従って、本実施形態のバイオセンサ用試料採取器具20によれば、上述したバイオセンサ用試料採取器具10と同様に、穿刺用器具11の動きに連動して、圧縮コイルばね25の弾性復元力により穿刺用器具11と別個に移動可能なバイオセンサユニット22の試料導入口16aを穿刺口に移動させるので、穿刺口に流出した血液Bを確実に採取することができる。
更に、前述した実施形態において、市販の使い捨ての穿刺用器具やバイオセンサチップを用いることも可能であり、既存の穿刺用器具やバイオセンサチップを用いることによるコスト削減も可能である。
また、例えば、前述した実施形態においては、可撓部材15の弾性力により検出部12を穿刺用器具11の先端近傍に位置決めする場合を例示したが、この他、例えば弾性部材としてスプリング等のバネ部材を用いたり、圧縮空気による反発力を用いる構造とすることができる。
さらに、前述した実施形態で示した血糖値の測定は例示であり、その他の測定にも使用可能である。
以上のように、本発明に係るバイオセンサ用試料採取器具は、穿刺用器具とバイオセンサチップは個別に動くことが可能であり、穿刺用器具の動きに連動してバイオセンサチップの検出部を穿刺口に移動させるので、従来のように穿刺後に検出部を穿刺口へ近づける必要がなく、穿刺口に流出した試料を確実に採取することができる。これに伴い、少量の試料で分析が可能になるので、対象者の負担を軽減させることができるという効果を有し、穿刺用器具によって穿刺して試料を採取し、この試料を試薬を用いて分析することができるバイオセンサ用試料採取器具等として有用である。
(A)は本発明のバイオセンサ用試料採取器具に係る実施形態を示す断面図である。 (B)は(A)に示したバイオセンサチップの水平断面図である。 本発明のバイオセンサ用試料採取器具に備えられた他の実施形態に係るバイオセンサユニットの検出部の拡大図である。 本発明に係るバイオセンサシステムを示す平面図である。 (A)〜(C)は本発明に係るバイオセンサ用試料採取器具を用いたバイオセンサシステムによる穿刺動作および測定動作を示す説明図である。 本発明のバイオセンサ用試料採取器具に係る他の実施形態を示す断面図である。 従来のバイオセンサチップを示す分解斜視図である。 (A)は従来のバイオセンサチップを示す斜視図である。 (B)は従来のバイオセンサチップを示す分解斜視図である。
符号の説明
10 バイオセンサ用試料採取器具
11 穿刺用器具
11a 鍔部
12 バイオセンサユニット
15 可撓部材(弾性体)
16 バイオセンサチップ
16a 試料導入口
17a、17b 検知用電極
17c、17d 導通部
18 案内部材
18a 案内面
19 中空反応部
30 バイオセンサシステム
31 測定器
B 血液(試料)

Claims (10)

  1. 被検体から試料を採取するために穿刺する穿刺用器具と、
    前記穿刺用器具によって前記被検体に形成される穿刺口から流出する試料を収納し、試料内の特定成分を検知する検出部を有する中空反応部に前記穿刺口から採取した試料を導入する試料導入口を備えるバイオセンサユニットと、
    前記穿刺用器具と前記バイオセンサユニットとを別個に移動可能とする駆動機構とを備えることを特徴とするバイオセンサ用試料採取器具。
  2. 前記穿刺用器具と前記バイオセンサユニットとが、個別に脱着可能とされることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  3. 前記穿刺用器具と前記バイオセンサユニットとが、一体的に脱着可能とされることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  4. 前記駆動機構が、前記バイオセンサユニットの試料導入口を前記被検体の穿刺口に近づける方向に移動させる機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  5. 前記バイオセンサユニットの試料導入口を前記被検体の穿刺口に近づける方向に移動させる機構として、弾性体を用いることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  6. 前記駆動機構が、前記穿刺用器具の穿刺時の動きに連動して、前記バイオセンサユニットの試料導入口を前記被検体の穿刺口から遠ざける方向に移動させる連動機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  7. 前記穿刺用器具の穿刺方向と、前記バイオセンサユニットに設けられている試料導入口における試料導入方向とが、10〜60度の角度をなしていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  8. 前記バイオセンサユニットが、互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に挟装されるスペーサ層と、前記2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた検知用電極と、前記2枚の基板及び前記スペーサ層により形成される中空反応部と、前記穿刺用器具により穿刺された穿刺口から試料を採取して前記中空反応部に導入する試料導入口とを有するバイオセンサチップを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  9. 前記バイオセンサユニットが、互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に挟装されるスペーサ層と、前記2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた検知用電極と、前記2枚の基板及び前記スペーサ層により形成される中空反応部と、前記穿刺用器具により穿刺された穿刺口から試料を採取して前記中空反応部に導入する試料導入口とを有するバイオセンサチップであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサ用試料採取器具。
  10. 請求項8又は9に記載のバイオセンサ用試料採取器具と、このバイオセンサ用試料採取器具におけるバイオセンサチップの検知用電極に接続して採取された試料の情報を得る測定器とを備えることを特徴とするバイオセンサシステム。
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