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JP2008151837A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法 Download PDF

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JP2008151837A
JP2008151837A JP2006336823A JP2006336823A JP2008151837A JP 2008151837 A JP2008151837 A JP 2008151837A JP 2006336823 A JP2006336823 A JP 2006336823A JP 2006336823 A JP2006336823 A JP 2006336823A JP 2008151837 A JP2008151837 A JP 2008151837A
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Yutaka Yoshihama
豊 吉濱
Yoshiki Tsujita
芳樹 辻田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】高精細度プラズマディスプレイパネルであっても安定した維持放電を発生させて、品質の高い画像表示を行う。
【解決手段】走査電極および維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と、放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と、走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加して書込み放電を発生させた放電セルで維持放電を発生させる維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設け、所定のサブフィールドの維持期間において、最初の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧を最後の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧よりも高く設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が複数形成された前面板と、複数の平行なデータ電極が形成された背面板とを対向配置し、その間に多数の放電セルが形成されている。このような構成のパネルの放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有し、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を形成する。書込み期間では、表示を行うべき放電セルにおいて書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に維持パルスを印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
また、サブフィールド法の中でも、緩やかに変化する電圧波形を用いて初期化放電を行い、さらに維持放電を行った放電セルに対して初期化放電を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させた新規な駆動方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−242224号公報
しかしながら近年の高精細度の要望に応えるために、放電セルの微細化が進むにつれて維持放電が不安定となり、書込み放電を起こした放電セルで維持放電が発生しない等、画像表示品質が低下することがあった。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、高精細度パネルであっても安定した維持放電を発生させて、品質の高い画像表示を行うことが可能なパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明は、走査電極および維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルの駆動方法であって、放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と、放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と、走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加するとともにデータ電極に所定の電圧を印加して書込み放電を発生させた放電セルで維持放電を発生させる維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設け、所定のサブフィールドの維持期間において、最初の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧を最後の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧よりも高く設定したことを特徴とする。この方法により、高精細度パネルであっても安定した維持放電を発生させて、品質の高い画像表示を行うことが可能なパネルの駆動方法を提供することができる。
また本発明のパネルの駆動方法は、所定のサブフィールドの維持期間において、最初の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧を2回目以降の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧よりも高く設定してもよい。
本発明によれば、高精細度パネルであっても安定した維持放電を発生させて、品質の高い画像表示を行うことが可能なパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、例えばネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。本実施の形態におけるパネル10は、例えば42インチの高精細度パネルであり、n=768、m=4098、1つの放電セルの寸法は、225μm×675μmである。
なお、図1、図2に示したように、走査電極SCiと維持電極SUiとは互いに平行に対をなして形成されているために、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間には大きな電極間容量が存在する。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。パネル10は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。それぞれのサブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。このときの初期化動作には、全ての放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作(以下、「全セル初期化動作」と略記する)と、維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作(以下、「選択初期化動作」と略記する)とがある。書込み期間では、発光させるべき放電セルで書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、輝度重みに比例した数の維持パルスを表示電極対に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
本実施の形態においては、1フィールドを10のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第10SF)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みを持ち、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第10SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。また各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに応じた数の維持パルスが表示電極対のそれぞれに印加される。
図3は、本発明の実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図であり、第1SFと第2SFとの駆動電圧波形を示している。
第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜Dm、維持電極SU1〜SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上および維持電極SU1〜SUn上には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜SUnに正の電圧Ve1を印加し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
続く書込み期間では、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。次に、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧の差とが加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
続く第1SFの維持期間では、データ電極D1〜Dmに0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SCnには0(V)を、維持電極SU1〜SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し、表示電極対の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して行う。
そして、維持期間の最後には走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間にいわゆる細幅パルス状の電圧差を与えて、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧を消去している。
第2SFの初期化期間では、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi3’から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkに対しては、直前の維持放電によってデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように第2SFの初期化動作は、選択的に行う初期化動作、すなわち直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作である。
続く書込み期間の動作は全セル初期化動作を行うサブフィールドの書込み期間の動作と同様であるため説明を省略する。
続く第2SFの維持期間では、まずデータ電極D1〜Dmに正の電圧、本実施の形態においては書込みパルス電圧Vdを印加する。そして走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。ただしデータ電極D1〜Dmに正の電圧Vdを印加しているため、この最初の維持放電ではデータ電極Dk上には大きな壁電圧は蓄積されない。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、データ電極D1〜Dmに0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜SCnには0(V)を、維持電極SU1〜SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。そしてこの維持放電ではデータ電極D1〜Dmに0(V)を印加しているため、データ電極Dk上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して行う。
そして、維持期間の最後には走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間に細幅パルス状の電圧差を与えて、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧を消去する。
続く第3SF〜第10SFの動作については、維持パルスの数を除いて第2SFの動作とほぼ同様であるため説明を省略する。
このように、第2SF〜第10SFの維持期間において走査電極SC1〜SCnに最初の維持パルス電圧Vsを印加して最初の維持放電を発生させるときのデータ電極D1〜Dmの電圧を、同じサブフィールドの維持期間において走査電極SC1〜SCnまたは維持電極SU1〜SUnに2回目以降の維持パルス電圧Vsを印加して2回目以降の維持放電を発生させるときのデータ電極D1〜Dmの電圧0(V)よりも高く設定している。
このように駆動する理由は以下のとおりである。書込み期間において書込み放電を発生した放電セルでは、走査電極SCi上に正の壁電圧、データ電極Dk上には負の壁電圧が蓄積されている。続く維持期間において、データ電極D1〜Dmに0(V)を印加した状態で走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vs、維持電極SU1〜SUnに0(V)を印加すると、書込み放電を起こした放電セルでは走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が放電開始電圧を超えるが、走査電極SCi上とデータ電極Dk上との電圧差も放電開始電圧を超えることがある。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の維持放電が発生する前に走査電極SCiとデータ電極Dkとの間の放電が発生すると、走査電極SCi上の壁電圧が緩和されるので走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が放電開始電圧未満となり維持放電が発生しない可能性がある。特に維持期間の最初の維持放電が発生しない可能性が高い。なぜなら、書込み放電により走査電極SCi上および維持電極SUi上に蓄積される壁電圧は維持放電により走査電極SCi上および維持電極SUi上に蓄積される壁電圧よりも小さくなる傾向があるので、特に維持期間の最初の維持放電が発生しない可能性が大きい。したがって本実施の形態においては、維持期間の最初の維持放電で走査電極SCiとデータ電極Dkとの間の放電を発生させないように、データ電極D1〜Dmに正の電圧を印加する。そして続く維持放電では走査電極SCi上および維持電極SUi上には十分大きい壁電圧が蓄積されると考えられるので、データ電極D1〜Dmに0(V)を印加して維持放電を発生させ、データ電極Dk上に正の壁電圧を蓄積するように駆動している。
放電セルが微細化するにつれて走査電極SCi上と維持電極SUi上との間の放電開始電圧が高くなる傾向があるが、上述したようにデータ電極D1〜Dmに正の電圧を印加して最初の維持放電を発生させることにより、微細な放電セルであっても安定した維持放電を発生させて、品質の高い画像表示を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、維持期間の最初の維持放電を発生させる際にデータ電極D1〜Dmに正の電圧を印加した。しかし、少なくとも最後の維持放電ではデータ電極Dk上に正の壁電圧を蓄積するように駆動すれば、最初の維持放電と2番目の維持放電、最初の維持放電と2番目および3番目の維持放電等、最初の維持放電を含み連続する複数の維持放電を発生させる際にデータ電極D1〜Dmに正の電圧を印加してもよい。
また、全セル初期化動作を行うサブフィールドの書込み放電において走査電極SCi上および維持電極SUi上に蓄積される壁電圧は比較的大きいので、本実施の形態においては輝度重みの小さい第1SFの維持放電における発光輝度を抑制するためにデータ電極D1〜Dmには0(V)を印加した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、第1SFの維持期間においても最初の維持放電を発生させる際にデータ電極D1〜Dmに正の電圧を印加してもよい。
図4は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置100の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置100は、パネル10、画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53、維持電極駆動回路54、タイミング発生回路55および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路51は、入力された画像信号をサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。データ電極駆動回路52はサブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し各データ電極D1〜Dmを駆動する。タイミング発生回路55は水平同期信号および垂直同期信号をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。走査電極駆動回路53は、維持期間において走査電極SC1〜SCnに印加する維持パルスを発生するための維持パルス発生回路60を有し、タイミング信号にもとづいて各走査電極SC1〜SCnをそれぞれ駆動する。維持電極駆動回路54は、初期化期間において維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1および電圧Ve2を印加する回路と、維持期間において維持電極SU1〜SUnに印加する維持パルスを発生するための維持パルス発生回路70とを有し、タイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜SUnを駆動する。
次に、維持パルス発生回路60、70およびデータ電極駆動回路52の詳細とその動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態における維持パルス発生回路60、70およびデータ電極駆動回路52の回路図である。なお、図5にはパネル10の電極間容量を「Cp」として示し、走査パルスおよび初期化電圧波形を発生させる回路は省略している。
維持パルス発生回路60は、電力回収部61とクランプ部63とを備えている。電力回収部61は、電力回収用のコンデンサC61、スイッチング素子Q61、Q62、逆流防止用のダイオードD61、D62、共振用のインダクタL61、L62を有している。また、クランプ部63は、スイッチング素子Q63、Q64を有している。そして電力回収部61およびクランプ部63は走査パルス発生回路(維持期間中は短絡状態となるため図示せず)を介して電極間容量Cpの一端である走査電極SC1〜SCnのそれぞれに接続されている。
電力回収部61は、電極間容量CpとインダクタL61またはインダクタL62とをLC共振させて維持パルスの立ち上がりおよび立ち下がりを行う。維持パルスの立ち上がり時には、電力回収用のコンデンサC61に蓄えられている電荷をスイッチング素子Q61、ダイオードD61およびインダクタL61を介して電極間容量Cpに移動する。維持パルスの立ち下がり時には、電極間容量Cpに蓄えられた電荷を、インダクタL62、ダイオードD62およびスイッチング素子Q62を介して電力回収用のコンデンサC61に戻す。こうして走査電極SC1〜SCnへの維持パルスの印加を行う。このように、電力回収部61は電源から電力を供給されることなくLC共振によって走査電極SC1〜SCnの駆動を行うため、理想的には消費電力が0となる。なお、電力回収用のコンデンサC61は電極間容量Cpに比べて十分に大きい容量を持ち、電力回収部61の電源として働くように、電源VSの電圧値Vsの半分の約Vs/2に充電されている。
クランプ部63は、スイッチング素子Q63を介して走査電極SC1〜SCnを電源VSに接続し、走査電極SC1〜SCnを電圧Vsにクランプする。また、スイッチング素子Q64を介して走査電極SC1〜SCnを接地し、0(V)にクランプする。このようにしてクランプ部63は走査電極SC1〜SCnを駆動する。したがって、クランプ部63による電圧印加時のインピーダンスは小さく、強い維持放電による大きな放電電流を安定して流すことができる。
こうして維持パルス発生回路60は、スイッチング素子Q61、Q62、Q63、Q64を制御することによって電力回収部61とクランプ部63とを用いて走査電極SC1〜SCnに維持パルスを印加する。なお、これらのスイッチング素子は、MOSFETやIGBT等の一般に知られた素子を用いて構成することができる。
維持パルス発生回路70は、電力回収用のコンデンサC71、スイッチング素子Q71、Q72、逆流防止用のダイオードD71、D72、共振用のインダクタL71、L72を有する電力回収部71と、スイッチング素子Q73、Q74を有するクランプ部73とを備え、パネル10の電極間容量Cpの一端である維持電極SU1〜SUnに接続されている。維持パルス発生回路70の動作は維持パルス発生回路60と同様であるので説明を省略する。
また、図5には、書込み期間時に維持電極に印加する電圧Ve2を発生する電源VE、電圧Ve2を維持電極SU1〜SUnに印加するためのスイッチング素子Q78、Q79も合わせて示している。
データ電極駆動回路52は、データ電極D1〜Dmのそれぞれに維持パルス電圧Vdを印加するためのスイッチング素子QH1〜QHmと、データ電極D1〜Dmのそれぞれに0(V)を印加するためのスイッチング素子QL1〜QLmとを備えている。図5には1つの放電セルのデータ電極Djに接続されたスイッチング素子QHjおよびスイッチング素子QLjを示している。
次に、維持パルス発生回路60、70の動作の詳細について説明する。図6は、本発明の実施の形態における維持パルス発生回路60、70およびデータ電極駆動回路52の動作を示すタイミングチャートである。維持パルスの1周期分をT1〜T6で示した6つの期間に分割し、それぞれの期間について説明する。なお、以下の説明において、スイッチング素子を導通させる動作をON、遮断させる動作をOFFと表記する。
(期間T0)
維持パルスを印加する前に、時刻taでスイッチング素子QH1〜QHmをONにして、データ電極D1〜Dmに正の電圧、本実施の形態においては書込みパルス電圧Vdを印加する。
(期間T1)
時刻t1でスイッチング素子Q72をONにする。すると、維持電極SU1〜SUnからインダクタL72、ダイオードD72、スイッチング素子Q72を通してコンデンサC71に電流が流れ始め、維持電極SU1〜SUnの電圧が下がり始める。
そして、時刻t2でスイッチング素子Q74をONにする。すると、維持電極SU1〜SUnはスイッチング素子Q74を通して直接に接地されるため、維持電極SU1〜SUnは0(V)にクランプされる。
(期間T2)
時刻t2でスイッチング素子Q61をONにする。すると、電力回収用のコンデンサC61からスイッチング素子Q61、ダイオードD61、インダクタL61を通して走査電極SC1〜SCnへ電流が流れ始め、走査電極SC1〜SCnの電圧が上がり始める。そして、時刻t3でスイッチング素子Q63をONにする。すると、走査電極SC1〜SCnは電圧Vsにクランプされる。
(期間T3)
走査電極SC1〜SCnが電圧Vsにクランプされると、書込み放電を起こした放電セルでは走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧差が放電開始電圧を超え、最初の維持放電が発生する。このときデータ電極D1〜Dmに正の電圧Vdを印加しているため最初の維持放電で走査電極SCi上とデータ電極Dk上との電圧差が放電開始電圧を超えることがなく、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で安定した維持放電が発生する。そしてこの放電が収束した後の時刻tbでスイッチング素子QH1〜QHmをOFF、スイッチング素子QL1〜QLmをONにして、データ電極D1〜Dmに0(V)を印加する。
なお、スイッチング素子Q72は時刻t2以降、次の維持周期の時刻t5までにOFFすればよく、スイッチング素子Q61は時刻t3以降、次の維持周期の時刻t4までにOFFすればよい。また、維持パルス発生回路60、70の出力インピーダンスを下げるために、スイッチング素子Q74は次の維持周期の時刻t5直前に、スイッチング素子Q63は次の維持周期の時刻t4直前にOFFにすることが望ましい。
(期間T4)
時刻t4でスイッチング素子Q62をONにする。すると、走査電極SC1〜SCnからインダクタL62、ダイオードD62、スイッチング素子Q62を通してコンデンサC61に電流が流れ始め、走査電極SC1〜SCnの電圧が下がり始める。そして、時刻t5でスイッチング素子Q64をONにする。すると、走査電極SC1〜SCnはスイッチング素子Q64を通して直接に接地されるため、走査電極SC1〜SCnの電圧は0(V)にクランプされる。
(期間T5)
時刻t5でスイッチング素子Q71をONにする。すると、電力回収用のコンデンサC71からスイッチング素子Q71、ダイオードD71、インダクタL71を通して維持電極SU1〜SUnへ電流が流れ始め、維持電極SU1〜SUnの電圧が上がり始める。そして、時刻t6でスイッチング素子Q73をONにする。すると、維持電極SU1〜SUnはスイッチング素子Q73を通して直接に電源VSへ接続されるため、維持電極SU1〜SUnは電圧Vsにクランプされる。
(期間T6)
維持電極SU1〜SUnが電圧Vsにクランプされると、書込み放電を起こした放電セルでは走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧差が放電開始電圧を超え2回目の維持放電が発生する。そして2回目の維持放電では、走査電極SCi上および維持電極SUi上にはすでに十分大きい壁電圧が蓄積されているので、データ電極D1〜Dmに0(V)を印加して維持放電を発生させ、データ電極Dk上に正の壁電圧を蓄積させている。
なお、維持電極SU1〜SUnを電圧Vsにクランプしていたスイッチング素子Q73は次の時刻t1直前にOFFにする。
このように本実施の形態においては、走査電極と維持電極との間の放電開始電圧が高い高精細度パネルであっても、安定した維持放電を発生させて品質の高い画像表示を行うことができる。
なお、本発明はサブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上記の値に限定されるものではなく、他のサブフィールド構成においても同様に適用することができる。また、画像信号等にもとづいてサブフィールド構成を切換える構成であってもよい。
また、本実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
本発明のパネルの駆動方法は、高精細度パネルであっても安定した維持放電を発生させて品質の高い画像表示を行うことができるので、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるパネルの駆動方法として有用である。
本発明の実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 同パネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 同維持パルス発生回路およびデータ電極駆動回路の回路図 同維持パルス発生回路およびデータ電極駆動回路の動作を示すタイミングチャート
符号の説明
10 パネル
21 前面基板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
31 背面基板
32 データ電極
51 画像信号処理回路
52 データ電極駆動回路
53 走査電極駆動回路
54 維持電極駆動回路
55 タイミング発生回路
60,70 維持パルス発生回路
61,71 電力回収部
63,73 クランプ部
100 プラズマディスプレイ装置

Claims (2)

  1. 走査電極および維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と、前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と、前記走査電極および前記維持電極に交互に維持パルスを印加するとともに前記データ電極に所定の電圧を印加して書込み放電を発生させた放電セルで維持放電を発生させる維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設け、
    所定のサブフィールドの維持期間において、最初の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧を最後の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧よりも高く設定したことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 前記所定のサブフィールドの維持期間において、最初の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧を2回目以降の維持放電を発生させるときのデータ電極の電圧よりも高く設定したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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