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JP2008150304A - 歯磨剤組成物 - Google Patents

歯磨剤組成物 Download PDF

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JP2008150304A JP2006338249A JP2006338249A JP2008150304A JP 2008150304 A JP2008150304 A JP 2008150304A JP 2006338249 A JP2006338249 A JP 2006338249A JP 2006338249 A JP2006338249 A JP 2006338249A JP 2008150304 A JP2008150304 A JP 2008150304A
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将人 荒井
Keiji Ishiguro
敬二 石黒
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幸夫 山本
Hiroyuki Shimizu
裕之 清水
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Abstract

【解決手段】(a)イソプロピルメチルフェノール、(b)ラウロイルサルコシンナトリウム及び(c)ポリビニルピロリドンを含有し、(c)と(b)との質量比が(c)/(b)=0.1〜3.0であることを特徴とする歯磨剤組成物。
【効果】本発明の歯磨剤組成物は、殺菌効果に優れ、かつ長期保存しても固液相分離がほとんど生じることがなく長期保存安定性に優れ、安全面も良好である。
【選択図】なし

Description

本発明は、殺菌効果に優れ、かつ長期保存安定性に優れた歯磨剤組成物に関する。
う蝕、歯周病の2大口腔疾患の原因は、口腔内プラーク中の各種細菌によるものであると考えられ、特に、う蝕は、ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)等の連鎖球菌、歯周病はポルフィロモナス ジンジバリス(P.gingivalis)等の偏性嫌気性グラム陰性桿菌を主とした細菌による感染症であり、また、口臭の原因としてはフゾバクテリウム ヌクレアタム(F.nucleatum)等の口腔内細菌が関与している。従って、口腔内疾患の予防、改善に有効な手段として、プラークコントロール、即ち、口腔内の病原性細菌数を低レベルに保つことが有用であることが言われている。
口腔内の病原性細菌数を低下させる手段としては、難水溶性殺菌剤やカチオン性殺菌剤を口腔ケア製品に配合することが有効な手段となっており、口腔ケア製品に配合される殺菌剤の中でイソプロピルメチルフェノール等の難水溶性殺菌剤は、カチオン性殺菌剤に比べ抗菌スペクトルが広い傾向にある特徴を有することから、幾つかの歯磨剤組成物に配合され上市されている。
しかしながら、これら難水溶性殺菌剤は安全性などの面から配合量が規制されており、実際に有効な殺菌活性を示す量を配合できないことが多い。
この課題の解決として、難水溶性殺菌剤に加えラウロイルサルコシンナトリウムをはじめとするアニオン性抗菌成分を配合することにより殺菌効果を向上させる研究もなされているが、この場合、固液相のバランスが崩れ固液相分離が生じるという課題が生じてしまい、満足な解決策とはなり得ず実用化できなかった。
このように難水溶性殺菌剤は抗菌スペクトルが広いことから歯磨剤組成物の抗菌成分として有効であるが、歯磨剤組成物に難水溶性殺菌剤を配合して、人体への安全性や製剤安定性等を満足させつつ高い殺菌効果を発揮させることは従来技術では難しく、実用化し難いものであり、よって、高い殺菌活性が発揮され、しかも品質的にも満足できる、難水溶性殺菌剤を含有する歯磨剤組成物の開発が望まれる。
特開平11−209256号公報 特開2001−131042号公報 特開2001−278761号公報 特開2002−255772号公報 特開2005−187377号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高い殺菌効果を発揮し、かつ固液相分離が抑制されて長期保存安定性に優れ、安全面も良好な歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、難水溶性殺菌剤である(a)イソプロピルメチルフェノールと、アニオン性抗菌成分である(b)ラウロイルサルコシンナトリウムとを配合し、(c)ポリビニルピロリドンをラウロイルサルコシンナトリウムの配合量に対して特定の質量比で組み合わせて配合することにより、上記したようなイソプロピルメチルフェノールにラウロイルサルコシンナトリウムを併用した場合に生じる固液相のバランスの崩れがほとんどない上、イソプロピルメチルフェノールとラウロイルサルコシンナトリウムの併用によって人体への安全面で問題のない範囲の配合量で高い殺菌活性が発揮されること、よって、優れた殺菌効果を有し、固液相のバランスが満足に保たれて長期保存安定性に優れ、人体への安全面も良好な歯磨剤組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
なお、ポリビニルピロリドンは、歯磨剤組成物に配合される水溶性高分子化合物として公知で、特許文献1〜5(特開平11−209256号、特開2001−131042号、特開2001−278761号、特開2002−255772号、特開2005−187377号公報参照)等が提案されているが、特許文献1〜3ではイソプロピルメチルフェノールに対しラウロイルサルコシンナトリウム、ポリビニルピロリドンの併用配合はなく、特許文献4ではイソプロピルメチルフェノールに対しラウロイルサルコシンナトリウム及びポリビニルピロリドンとを特定割合で配合することの記載はない。また、特許文献5では3成分の組み合わせの実施例もなく、特定割合で配合することの記載もない。本発明では、(a)イソプロピルメチルフェノールに(b)ラウロイルサルコシンナトリウムを併用し、(c)ポリビニルピロリドンを特定割合で配合することで、高い殺菌効果を発揮し、かつ固液相分離が抑制されて長期保存安定性に優れる効果が得られることを見出したものである。
従って、本発明は、(a)イソプロピルメチルフェノール、(b)ラウロイルサルコシンナトリウム及び(c)ポリビニルピロリドンを含有し、(c)/(b)の質量比が0.1〜3.0であることを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。
本発明の歯磨剤組成物は、殺菌効果に優れ、かつ長期保存しても固液相分離がほとんど生じることがなく長期保存安定性に優れ、安全面も良好なもので、各種剤型に調製して幅広く使用することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明すると、本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等として調製されるもので、(a)イソプロピルメチルフェノール、(b)ラウロイルサルコシンナトリウム、(c)ポリビニルピロリドンを必須に含有することを特徴とする。
本発明で用いる(a)イソプロピルメチルフェノールは、1−ヒドロキシ−4−イソプロピル−3−メチルフェノールであり、例えば商品名ビオゾールとして大阪化成(株)から入手可能である。配合量は組成物全量に対して0.01〜0.5%(質量%、以下同様。)が好ましく、殺菌効果及び固液相分離の点からより好ましくは0.05〜0.1%である。0.01%未満では十分な殺菌効果が発揮されない場合があり、0.5%を超えると固液相分離を生じるおそれや口腔粘膜に対して刺激を生じるおそれがある。
(b)ラウロイルサルコシンナトリウムは、市販品を用いることができ、例えば商品名ソイポンSLPとして川研ファインケミカル(株)から販売されているものを使用することができる。ラウロイルサルコシンナトリウムの配合量は、組成物全量に対して0.05〜2%、特に0.1〜1%が好ましい。配合量が0.05%未満では十分な殺菌効果が発揮されない場合があり、2%を超えると固液相分離を生じるおそれや口腔粘膜に対して刺激を生じる場合がある。
本発明で用いられる(c)ポリビニルピロリドンとしては、重量平均分子量10,000〜1,500,000、特に30,000〜1,300,000、とりわけ40,000〜1,200,000のものが好ましい。重量平均分子量が10,000より小さいものは固液相分離を防ぐ点で十分な効果が発揮されない場合があり、1,500,000を超えると曳糸性を生じ使用感が悪くなるおそれがある。
このようなポリビニルピロリドンとしては、市販品を使用することができ、具体的には重量平均分子量約40,000のルビスコールK30(BASFジャパン(株))や、重量平均分子量1,200,000のルビスコールK90(BASFジャパン(株))等が挙げられる。なお、上記重量平均分子量は、USPにおいて規定されたK値を光散乱法により測定された重量平均分子量に換算したものである。
ポリビニルピロリドンの配合量は、組成物全量に対して0.01〜2%、特に0.05〜1%が好ましい。0.01%未満では固液相分離を抑制する点で十分な効果が発揮されない場合があり、2%を超えると曳糸性を生じ使用感が悪くなるおそれがある。
本発明では、殺菌効果を維持しつつ固液相分離を抑制するために、(b)ラウロイルサルコシンナトリウムに対して(c)ポリビニルピロリドンを質量比で(c)/(b)=0.1〜3.0、好ましくは0.5〜2.0の割合で配合することが必要である。上記質量比が0.1未満では固液相分離が生じ、3.0を超えると十分な殺菌活性が確保できない。
本発明の歯磨剤組成物は、上記必須成分に加えて任意成分としてその他の添加剤を配合できる。例えば研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、イソプロピルメチルフェノールやラウロイルサルコシンナトリウム以外の有効成分、色素、香料等を配合でき、これら成分と水とを混合して通常の方法で製造できる。
研磨剤としては、無水ケイ酸、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、2酸化チタン、結晶性ジルコニウムシリケート、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤などが挙げられる(通常配合量2〜50%、特に10〜40%)。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、分子量200〜6000のポリエチレングリコール、エチレングリコール、還元でんぷん糖化物等の多価アルコール等の1種又は2種以上が使用できる(通常配合量5〜50%)。
粘結剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カーボポール、グアガム、ゼラチン、アビセル、それにモンモリロナイト、カオリン、ベントナイト等の無機粘結剤等が挙げられる(通常配合量0〜5%)。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、両性界面活性剤として、例えばN−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキンエチルイミダゾリニウムベタイン、ノニオン活性剤として、例えばアルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリン酸デカグリセリル等が挙げられる(通常配合量0.1〜3%、特に0.5〜2%)。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチン等、防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
各種有効成分としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、酢酸dl−トコフェロール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、クロルヘキシジン塩類、アズレン、グリチルレチン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、メトキシエチレン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物などが挙げられる。なお、これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1.2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができる。
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
着色剤としては青色1号、責色4号、緑色3号等が例示される。なお、これら成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の歯磨剤組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨剤組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実験例〕
表1に示す組成の歯磨剤組成物を下記方法で調製し、下記評価を行った。結果を表1に示す。
(1)試験歯磨剤組成物の調製
表1に示す組成の歯磨剤組成物を調製し、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mm、口径8mmのラミネートチューブ(低密度ポリエチレン72μm/エチレン・アクリル酸共重合体樹脂90μm/アルミニウム10μm/エチレン・アクリル酸共重合体樹脂35μm/直鎖状低密度ポリエチレン50μm,厚み257μm(大日本印刷(株)製))に50g充填した。
これらの歯磨剤組成物の調製には、イソプロピルメチルフェノール(ビオゾール、大阪化成(株))、ラウロイルサルコシンナトリウム(ソイボンSLP、川研ファインケミカル(株))、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK30、ルビスコールK90、BASFジャパン(株))を用いた。他成分については、無水ケイ酸、ソルビット液、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、キシリット、サッカリンナトリウム、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、精製水は粧原基(化粧品原料基準)規格品、フッ化ナトリウムは外原規(医薬部外品原料規格)規格品、キサンタンガムは粧配規(化粧品種別配合成分規格)規格品を用いた。
(2)殺菌力評価
凍結保存してあったポルフィロモーナス ジンジバリス培養液40μLをそれぞれ5mg/Lヘミン(Sigma社製)及び1mg/LビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM)4mLに添加し、37℃で二晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)後、波長660nmでの濁度(OD660)=1に調整し、菌液とした。
表1に示す組成の歯磨剤組成物を作成し、歯磨剤組成物10gに人工唾液40mLを加え撹拌した後、遠心(10,000rpm、10分間)し、得られた上清を試料原液とした。この試料原液2mLを菌液2mLに30秒間作用させた後、50μLを分取し、殺菌力評価サンプル液とした。殺菌力評価は、殺菌力評価サンプル液(50μL)をTHB液体培地(4mL)に添加し、培養(37℃、8時間)した後、増殖した菌量を濁度(OD660)を指標に測定し、数値の小さいものがより高い殺菌力が得られたものとして評価を行った。
なお、人工唾液としては、3.73gの塩化カリウム、0.14gのリン酸2水素1カリウム、0.15gの塩化カルシウム・2水和物、0.02gの塩化マグネシウム・6水和物を精製水に溶解し、水酸化カリウムでpHを7に調整し、1,000mLとしたものを使用した。
(3)固液相分離安定性評価
表1に示す組成の歯磨剤組成物について、各3本を60℃で1ヶ月間保存し、これを評価サンプルとした。更紙上にサンプル20cmを口元から取り、更紙上に染みた範囲について以下の基準で評価を行い、平均値を求めて下記基準で評価した。
固液相分離の程度
評点:
3点:0平方センチメートル以上1.0平方センチメートル未満
2点:1.0平方センチメートル以上2.0平方センチメートル未満
1点:2.0平方センチメートル以上
評価基準:
◎ 固液相分離の程度の平均点が3.0点
○ 固液相分離の程度の平均点が2.5点以上〜3.0点未満
△ 固液相分離の程度の平均点が2.0点以上〜2.5点未満
× 固液相分離の程度の平均点が2.0点未満
Figure 2008150304
表1の結果から、本発明にかかわる(a)〜(c)成分のいずれかが無配合組成あるいは、(c)/(b)の質量比が本発明範囲外である組成では、殺菌力、固液相分離の程度のいずれかの点で満足な効果が発揮されないのに対して、本発明の歯磨剤組成物は、高い殺菌効果を有し、かつ固液相分離が抑制されていることが確認された。
[実施例8]練歯磨
イソプロピルメチルフェノール 0.1%
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
ポリビニルピロリドン(ルビスコールK30) 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
香料 1.2
トリクロサン 0.03
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.4
無水ケイ酸 20
ポリアクリル酸ナトリウム 0.7
キサンタンガム 0.5
ソルビット液(70%) 35
サッカリンナトリウム 0.2
プロピレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
酸化チタン 0.4
フッ化ナトリウム 0.21
水 残
計 100.0%
ポリビニルピロリドン/ラウロイルサルコシンナトリウムの質量比:1.0
上記の歯磨剤組成物は、殺菌力に優れ、固液相分離が抑制されていることを確認した。
[実施例9]練歯磨
イソプロピルメチルフェノール 0.1%
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.3
ポリビニルピロリドン(ルビスコールK30) 0.15
塩化セチルピリジニウム 0.05
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
香料 1.3
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル 0.8
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.4
無水ケイ酸 22
カルボキシメチルセルロース 1.0
キサンタンガム 0.4
ソルビット液(70%) 40
サッカリンナトリウム 0.2
プロピレングリコール 4.0
酸化チタン 0.4
フッ化ナトリウム 0.21
水 残
計 100.0%
ポリビニルピロリドン/ラウロイルサルコシンナトリウムの質量比:0.5
上記の歯磨剤組成物は、殺菌力に優れ、固液相分離が抑制されていることを確認した。
[実施例10]練歯磨
イソプロピルメチルフェノール 0.07%
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
ポリビニルピロリドン(ルビスコールK30) 0.3
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
香料 1.3
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.8
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル 0.8
無水ケイ酸 20
カラギーナン 0.4
キサンタンガム 0.6
アルギン酸ナトリウム 0.5
ソルビット液(70%) 45
サッカリンナトリウム 0.2
プロピレングリコール 3.0
ε−アミノカプロン酸 0.03
酸化チタン 0.4
フッ化ナトリウム 0.21
水 残
計 100.0%
ポリビニルピロリドン/ラウロイルサルコシンナトリウムの質量比:1.5
上記の歯磨剤組成物は、殺菌力に優れ、固液相分離が抑制されていることを確認した。
[実施例11]練歯磨
イソプロピルメチルフェノール 0.05%
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
ポリビニルピロリドン(ルビスコールK30) 0.05
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
香料 1.2
ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル 1.5
第2リン酸カルシウム2水和物 40
カラギーナン 0.4
カルボキシメチルセルロース 0.6
ソルビット液(70%) 25
サッカリンナトリウム 0.2
プロピレングリコール 4.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
酸化チタン 0.3
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
水 残
計 100.0%
ポリビニルピロリドン/ラウロイルサルコシンナトリウムの質量比:0.25
上記の歯磨剤組成物は、殺菌力に優れ、固液相分離が抑制されていることを確認した。

Claims (1)

  1. (a)イソプロピルメチルフェノール、(b)ラウロイルサルコシンナトリウム及び(c)ポリビニルピロリドンを含有し、(c)/(b)の質量比が0.1〜3.0であることを特徴とする歯磨剤組成物。
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