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JP2008148707A - 樹状細胞に特異的な抗体 - Google Patents

樹状細胞に特異的な抗体 Download PDF

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JP2008148707A
JP2008148707A JP2007340422A JP2007340422A JP2008148707A JP 2008148707 A JP2008148707 A JP 2008148707A JP 2007340422 A JP2007340422 A JP 2007340422A JP 2007340422 A JP2007340422 A JP 2007340422A JP 2008148707 A JP2008148707 A JP 2008148707A
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Derek Nigel John Hart
ナイジェル ジョン ハート デレク
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Canterbury Health Ltd
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Canterbury Health Ltd
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Abstract

【課題】DC上に見出される新しい活性化抗原のエプトープ(単数又は複数)を認識する免疫学的試薬を提供するか又は少なくとも公衆に有用な選択を提供する。
【解決手段】本発明は、活性化された樹状細胞に対する活性化抗原CMRF−56に特異的である抗体に関し、特にモノクローナル抗体(mAb)CMRF−56に関し、さらにこのような抗体の治療および予防のための用途、ならびに、活性化された樹状細胞を精製するための免疫学ベースの方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は一般的に、活性化された樹状細胞と結合し得る免疫学的試薬(抗体)、このような抗体を発現する細胞系及びこのような抗体を使用して血液から樹状細胞を同定しそして精製する方法に関する。
樹状細胞(DC)は、骨髄由来でありそして循環中並びにリンパ及び非リンパ組織内で痕跡量の集団として見出される強力な抗原提示細胞(APC)の1つの明らかに異なる群を構成する(非特許文献1〜3)。これら細胞が初期免疫応答開始に関与する最も有効な造血細胞として重要であることは十分に証明されている(非特許文献4〜7)が、ヒトDC特異的系譜マーカーは同定されておらず、そしてこれら細胞の個体発生や他の白血球との関係に関する大部分の特徴は依然として明らかにされていない。
表現型としては、ヒトDCは高密度のMHCクラスII抗原、広範囲の接着分子の存在及び或る範囲の系譜特異的細胞表面抗原(CD3、CD14、CD16、CD19、CD57)の不存在又は低発現を特徴(非特許文献1〜3、7〜11)としている。ヒトDCでは、特に活性化後に、IRAC(非特許文献12)、HB15(非特許文献13)、4F2(非特許文献8)、IL-2R(非特許文献7、8)及びB7/BB-1(非特許文献7、14)を含む多数の活性化抗原も報告されているが、抗-IRAC及びHB15試薬が 単離された新鮮な血中DCを染色することは示されていない。このような表現型の特徴付けにも拘わらず、DCの同定、そしてそれ故DCの精製は、これら抗原の大部分が他の休止及び活性化された細胞型で発現されているので、依然として困難である。DCの機能的及び表現型の特徴の多くはホジキン細胞(HC)とホジキン病(HD)由来細胞系の両方に共有されており、そして或る場合には、HCがDCの悪性形態を表しているという仮説を支持する証拠が増加している(非特許文献15〜17)。
それ故、DCを同定しそして精製する方法に使用される免疫学的試薬は明白な有用性を有している。このような試薬はDCに特異的なエピトープ又は抗原を認識することが必要であろう。今日までのところ、初期活性化抗原CD83(非特許文献18、19)及びCMRF-44(非特許文献20)に対する抗体が産生されている。しかしながら、CD83及びCMRF-44以外のDC上の種々のエプトープと結合し得る利用可能な抗体を取得する需要が依然として存在する。
Steinman, R.。M.1991年。樹状細胞系及びその免疫原性における役割。Ann. Rev. Immunol. 9:271。 Macpherson, G. G.。1989年。リンパ系樹状細胞:これらの生活歴及び免疫応答における役割。Res. Immunol. 140:877。 Hart, D.N. J. 及び J. L. McKenzie。 1990年。間質樹状細胞。Intern Rev Immunol. 6:127。 Steinman, R. M., B. Gutchinov, M. D. Witmer, 及び M. C. Nussenweig。1983年。樹状細胞はマウスにおける初期混合リンパ球反応の初期刺激物質である。J. Exp. Med. 147:613。 Inaba, K., M. D. Witmer-Pack及び R.M. Steinman。1984年。インビトロ初期T細胞応答中の樹状細胞、ヘルパーTリンパ球及び組織適合性B細胞のクラスター形成。J. Exp. Med. 160:858。 Kuntz Crow, M. 及び H. G. Kunkel。1982年。ヒト樹状細胞:自家及び同種混合白血球反応の主要な刺激物質。Clin. Exp.Immunol. 49:338。 Thomas, R., L. S. Davis及び P. E. Lipsky。1993年。ヒト末梢血樹状細胞の単離及び特徴決定。J Immunol 150:821。 Hart, D. N. J.及びJ. L. McKenzie。1988年。ヒト扁桃樹状細胞の単離及び特徴決定。J Exp Med 168:157。 Prickett, T. C. R., J. L. McKenzie及びD. N. J. Hart。1992年。ヒト扁桃樹状細胞の接着分子。Transplantation 53:483。 Freudenthal, P. S.及びR. M. Steinman。1990年。改良された単離法後に観察される、ヒト血中樹状細胞の明らかに異なる表面。PNAS 87:7698。 Hart, D. N. J.及びT. C. R. Prickett。1993年。ヒト樹状細胞での細胞間接着分子−2(ICAM-2)発現。Cellular Immunol. 148:447。 Hsu, P. L.及びS. M. Hsu。1990年。リード・シュテルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞及び相互連結細網細胞に関連したMr 70,000抗原の同定。 Cancer Res. 50:350。 Zhou, L.J, R. Schwarting, H. M. Smith及びT. F. Tedder。1992年。ヒト相互連結細網細胞、ランゲルハンス細胞及び活性化されたリンパ球によって発現される新規な細胞表面分子はIgスーパーファミリーの新たなメンバーである。J. Immunol. 149:735。 Hart, D. N. J., G. C. Starling, V. L. Calder及びN. S. Fernando. 1993年。.B7/BB-1は、活性化で誘導されたヒト樹状細胞の白血球分化抗原である。Immunol 79:616。 McKenzie, J. L., W. Egner, V. L. Calder及びD.N.J. Hart。1992年。ホジキン病細胞系・インターロイキン−1非依存性補助細胞機能用モデル。Immunol 77:345。 Kadin, M. E。1982年。相互連結細網細胞由来のリード・シュテルンベルグ細胞の考え得る起源。Cancer Treat. Rep. 66:601。 Hsu, S. M。1990年。ホジキン病における終わり無き論争。Blood 75:1742。 Zhou, L., Schwarting, R., Smith, H. M.及びTedder, T. F. ( 1992年) ヒト相互連結細網細胞、ランゲルハンス細胞及び活性化されたリンパ球によって発現される新規な細胞表面分子はIgスーパーファミリーの新たなメンバーである。J. Immunol 149:735。 Zhou, L.及びTedder, T. F. ( 1995年)ヒト血中樹状細胞は免疫グロブリンスーパーファミリーの1メンバー、CD83を選択的に発現する。J. Immunol 154.3821。 Hock, B. D., Starling, G. C, Daniel, P. B.及びHart, D. N. J. (1994年) 樹状細胞を含んでいる末梢血液内の同種刺激細胞によって発現される活性化抗原に対する新規なモノクローナル抗体、CMRF-44の特徴決定。Immunol 83:573。
それ故、本発明の1つの目的は、DC上に見出される新しい活性化抗原のエプトープ(単数又は複数)を認識する免疫学的試薬を提供するか又は少なくとも公衆に有用な選択を提供することである。
第1の特徴において、本発明は、DC活性化抗原CMRF-56と特異的に結合する抗体又はその結合フラグメントを提供すると言うことができる。
好都合には、上記抗体はモノクローナル抗体、好ましくはモノクローナル抗体CMRF-56(mAb CMRF-56)である。
更にそれ以上の特徴において、本発明はハイブリドーマ細胞系CMRF-56を 提供する。
尚それ以上の特徴において、本発明は、活性化されたヒトDCのエプトープと特異的に結合するが活性化抗原CMRF-44及びCD83とは結合しないハイブリ ドーマ細胞系CMRF-56によって分泌されるmAb CMRF-56を提供する。
更にそれ以上の特徴において、本発明は、mAb CMRF-56が結合するヒトDCのエプトープに特異的な抗体又は抗体結合フラグメントを提供する。
尚それ以上の特徴において、本発明は活性化されたDCを含有する試料中でDCを同定する方法を提供し、そしてこの方法は上記試料を上記で特定したような抗体又は抗体結合フラグメントと接触させる段階を含んでいる。
尚それ以上の特徴において、本発明はDCを含有する試料からDCを精製及び/又は濃縮する方法を提供し、そしてこの方法は上記試料を上記で特定した抗体又は抗体結合フラグメントと接触させる段階を含んでいる。
これら方法の好ましい実施態様においては、同定又は精製すべき細胞は活性化されたヒトDCであり、そして抗体はmAb CMRF-56である。
更にそれ以上の特徴において、本発明は、上記で特定した抗体又は抗体結合フラグメントを含んでいるDC含有試料からDCを精製又は濃縮する際に使用されるDC精製系を提供する。
好都合には、上記精製系は活性化されたヒトDCを精製するように設計されており、そして上記抗体は任意に標識したmAb CMRF-56である。
更にそれ以上の特徴において、本発明は、上記で特定した方法によるか又は上記で特定した精製系を使用して回収される活性化されたDCにある。
尚それ以上の特徴において、本発明は、上記のようにして得られる活性化されたDCと、或る疾病に罹り易い動物においてこのような疾病に対する保護免疫学的応答を生じさせ得る少なくとも1つの抗原を含んでいる免疫強化組成物を提供する。
更にそれ以上の特徴において、本発明は、上記で特定した抗体と、或る疾病に罹り易い患者においてこのような疾病に対する保護免疫学的応答を生じさせ得る少なくとも1つの抗原を含んでいる免疫強化組成物を提供する。
更にそれ以上の特徴において、本発明は、上記のようにして得られる活性化されたDC、上記で特定した抗体及び、或る疾病に罹り易い患者においてこのような疾病に対する保護免疫学的応答を生じさせ得る少なくとも1つの抗原を含んでいる免疫強化組成物を提供する。
更にそれ以上の特徴において、本発明は上記で特定した抗体を含んでいる免疫強化組成物を提供する。
更にそれ以上の実施態様において、本発明は或る疾病に関連した予防法及び/又は治療法を提供し、そしてこの方法はこのような疾病に罹り易い対象に上記で特定した免疫強化組成物を投与することを含んでいる。
尚それ以上の特徴において、本発明は、活性化されたDCの診断マーカーとして使用されるmAb CMRF-56を含んでいるアッセイキットを提供する。
(図面の要約)
本発明は上記で特定したように広範囲であるが、本発明はそれらに限定されるものではなく、実施例を提供して以下で説明されている実施態様も含むことが認められよう。加えて、本発明は以下に説明する添付図面を参照してより良く理解されよう:
(発明の説明)
上記で示したように、第1の特徴において、本発明は活性化されたDCと特異的に結合し得る免疫学的試薬(抗体)を提供する。これら抗体はCMRF-56抗原と呼ばれているDCの新しい活性化抗原と結合する。
活性化抗原CMRF-56と結合する上記抗体はポリクローナル抗体を含有する 抗血清の形態又は、好ましくは、ハイブリドーマ技術を使用して得られるモノクローナル抗体であることができるものと認められよう。更にそれ以上に、抗体又は結合フラグメントは生化学的又は組換えDNA技術を使用して産生させることができる。
本発明の免疫学的試薬はモノクローナル抗体又はこのような抗体の結合フラグメントであることが最も望ましい。それ故、コーラー(Kohler)及びミルスタイン(MIlstein)21の一般的な方法が使用される。一般的には、この方法は動物由 来の抗体産生細胞を取得し、そしてこれらの抗体産生細胞を骨髄腫細胞株と融合させてハイブリドーマを産生させることに係わっている。これらのハイブリドーマは樹状細胞に特異的なモノクローナル抗体を産生させるために増殖又は培養される。
骨髄腫細胞系NS-1を使用する方法の1つの例を以下に示す。細胞系NS-1はシー ミルスタイン教授、エムアールシー ラボラトリー オブ モレキュラー バイオロジー(MRC Laboratory of Molecular Biology)、英国ケンブリッジCB2 2QHヒルズロードから得ることができる。
他の骨髄腫細胞系は当該技術分野で知られており、そしてこれらには、例えば、次の細胞系: X63Ag8 653、SP2/0、FO及びNSO/1が含まれる。免疫グロブリンのH又はL鎖を合成も分泌もしない細胞系(例えばSP2/0)は、免疫 グロブリン鎖を合成するが分泌しない細胞系より一般的に好ましい。
所望の場合、抗体フラグメントはツィセン(Tjissen)22に記載されているような全免疫グロブリン分子の制御されたプロテアーゼ消化によって調製することができる。
或いは、抗体フラグメントは分子生物学的技術を使用して、ハイブリドーマ細胞からモノクローナル抗体のH鎖、L鎖又はこれら両鎖の可変領域をコードする遺伝子材料を単離し、そしてこれらを、モノクローナル抗体の組換え抗原結合フラグメント(Fv、ScFv、Fab等)の産生に適する生物内で発現させることに よって調製することができる23
本発明を説明するために、ヒト樹状細胞の活性化抗原CMRF-56のエピトー プと結合し得るmAb CMRF-56と称されるモノクローナル抗体の産生及び特徴決定をここで記載する。この説明から、当該技術分野の熟練者は、ヒトDC又は他の動物由来DCの抽出に使用される活性化抗原CMRF-56と結合する他の 抗体(又はこれらの結合フラグメント)がどのようにして取得されるのかについても了解するであろう。
(方法)
モノクローナル抗体及び免疫標識化
モノクローナル抗体CMRF-15(赤血球シアロ糖タンパク質、IgM)、CMRF-31(CD14、IgG2a)、CMRF-44(IgM)及びビオチン結合CMRF-44はこの実験室で産生された。HB15a(CD83、IgG2b)はティ テッダー(T Tedder)博士、デューク大学、ノースカロライナ州から贈与された。CD19 mAb FMC63(IgG2a)及びイソタイプ対照mAb X63(IgG1)、Sa14(IgG2b)及びSa15(IgG2a)はエイチ ゾラ(H Zola)教授(Flinders Medical Centre、オーストラリア国アデレイド)から贈与された。CD1a mAb NaI/34はエイ マックマイケル(A McMichael)教授(Institute of Molecular Medicine、英国オックスフォード)から贈与された。HuNK-2(CD16、IgG2a)はアイ マッケンジー(I McKenzie)教授(Austin Research Institute 、オーストラリア国メルボルン)から贈与された。OKT3(CD3、IgG2a) 、HNK-1(CD57、IgM)及びOKM1(CD11b、IgG1)はATCCから入手したハイブリドーマから産生された。CD3(leu4、IgG1)、CD14(leuM3、IgG2b)、CD16(leu11c、IgG1)、CD19(leuM12、IgG1)及びHLA-DR(L243、IgG2b)抗原に対するフィコエリトリン抱合抗体はベクトン ディキンソン(Becton Dickinson)、カリフォルニア州マウンテンビューから購入した。イソチオシアン酸フルオレセイン抱合ヒツジ抗マウス(FITC-SAM)はシレナス(Silenus)、オーストラリア国ホーソーンから購入した。
標識化は、標準的な技術を使用して氷上で実施した。簡単に述べると、細胞を初期抗体と共にインキュベートし(30分)、洗浄し、次いでFITC-SAMと共にインキュベートした後、更に洗浄して分析した。mAb/FITC-SAM標識 細胞の二重標識化は、10%マウス血清中で5分間細胞を更にインキュベートし、続いて第2のPE抱合又はビオチン結合抗体を添加して実施した。ビオチン結合抗体に関しては、更なる洗浄工程に続いてアビジン-PE(Becton Dickinson)と共にインキュベート(30分)した。細胞はFACSバンテージ(Vantage)(Becton Dickinson)で分析するか又は分離した。直ちに分析できなかった試料は1%パラホルムアルデヒド中で固定して4℃で貯蔵した。
関連抗原のキャップ形成を試験するために、L428細胞をsal4か又はHB15/PE-SAMのどちらかで標識し、その後37℃で60分間インキュベートした。次いで、細胞を4℃で洗浄し、その後CMRF-56-FITC、L243-FITC、X63-FITC又はFITC-SAMのいずれかで(氷上で)標識した。
(CMRF-56 mAbの産生)
balb/cマウスをHD由来細胞系L428で免疫感作し、そして骨髄腫系NS-1と融合した脾細胞で4日後に免疫感作した。CMRF-56ハイブリドーマを限界希釈で3回クローン化し、そしてこれを使用して腹水液を生じさせた。イソタイプ化は間接エリザキット(Sigma、ミズーリー州セントルイス)を使用して実施 した。精製CMRF-56はタンパク質Aクロマトグラフィーを利用して調製し、そしてビオチン-X-NHS(Calbiochem、カリフォルニア州ラジョラ)を使用してビオチン化した。簡単に述べると、0.05M NaHCO(pH 8.5)中2mg/mlのCMRF-56をビオチン-X-NHS(7.5μg/ml、Calbiochem、カリフォルニア州ラジョラ)と共に30分間(室温)インキュベートした後に透析した。
(細胞系)
T細胞系(HSB-2、Molt4及びJurkat)、EBV形質転換B細胞系(WT49、Mann)、バーキットリンパ腫系(Raji及びDaudi)、プレ-B(Nalm 6)、骨髄赤血球系(K562)及び単細胞系白血病(HL60、U937、KG1、KG1a、THP-1、HEL)細胞系を培地(2mMのグルタミン、0.06g/lペニシリン及び0.1g/lストレプトマイシンを補充したRPMI-1640(Gibco、ニュージーランド国オークランド)中10%のFCS(Irvine Scientific、カリフォルニア州サンタアナ))中で増殖させた。ホジキン細胞系L428はヴィ ディール(V Diehl)博士(Clinik for Innere Medizine、ドイツ国ケルン)から入手して、ホジキン細胞系KM-H2及びHDLM-2(20%の培地中で増殖させた)はエイチ ジー ドレクスラー(H G Drexler)博士(German Collection of Micro-organisms and Cell Cultures、ドイツ国ブラウンシュバイク)から入手した。
(リンパ球、顆粒球及び単球の調製)
血液は、倫理委員会の指針に従って適切なインフォームド・コンセントが得られた自発的提供者から入手した。末梢血単核細胞(PBMC)は無菌フィコール/ハイパク(d=1.077g/cm3、Pharmacia、スウェーデン国ウプサラ)勾配で遠心して調製した。Tリンパ球に富むフラクション(ER+)及び非Tフラクショ ン(ER-)は、以前に記載された34ようにしてノイラミニダーゼ処理ヒツジ赤 血球でロゼットを形成させてPBMCから調製した。顆粒球は、以前に記載された34ようにしてRBCのデキストラン沈降法に従って末梢血液から調製した。活性化されたTリンパ球は、5μg/mlのPHA(Sigma)か又は500ng/mlのホルボールエステル、ホルボール 12-ミリステート 13-アセテート(PMA、Sigma)25ng/ml+カルシウムイオノホアA23187(Sigma)のどちらかを補充した培地中でER+PBMC(2×106個/ml)を培養して調製した。
ER-PBMCは濃厚な単球供給源として使用した。活性化された単球はIFNγ(500U/ml、ドイツ国のBoehringer Ingelheimから贈与された)、細菌性LPS(100ng/ml)、TNFα(20ng/ml)又はGM-CSF(500u/ml、Novartis )のいずれかを補充した培地中でER-PBMC(2×106個/ml)を培養して得 た。単球集団はCD14-PEで二重標識してモニターした。
インビトロ活性化の有効性は、活性化抗原CD25、CD71、HLA-DR及び CMRF-44の発現におけるフローサイトメトリーの変化をモニターすることに よって決定した。
(樹状細胞の調製)
非常に濃厚なDC集団は確立された次の実験室方法を使用して調製した:
i)休止DCは直接免疫枯渇法33,34で調製した。簡単に述べると、ER-PBMCをCD3、CD11b、CD14、CD16及びCD19 mAbの混合物で標識した。MACS磁気ミクロスフェア(Miltenyl Biotech、ドイツ国)と共にインキュベートした後、標識された細胞を磁気免疫枯渇法で取り出し、そしてその後mAb陰性細胞をFITC-SAMで標識し、そしてFACS分離で更に精製した。 次いで、多数の実験では、休止DCを培地中(2×106個/ml)で培養した(37℃、5%CO)後に分析した。
ii)培養された低密度血中DCは、培養された(16時間、37℃、5%CO)ER-PBMCから調製した36。次いで、ニコデンツ(Nycodenz)(Nycomed Pharma、ノルウエー国)勾配36で遠心して低密度フラクションを単離し、そしてDCに富む(10〜30%)フラクションとして直接使用するか又は上記したようにして免疫枯渇法で更に精製して使用した。
iii)LC及び皮膚DCは、ジスパーゼ(PBS中0.25%、Boehringer-Mannheim)で一夜消化して(4℃)表皮シーツと真皮に分離した皮膚(同意を得て入手した)から単離した33。表皮細胞(EC)懸濁物は、0.25%のトリプシン(Sigma)の存在下で細胞解離カップ(グレード40メッシュ、Sigma)で組織を分離させて得られた。新鮮なLCは、記載された37リンホプレプ(lymphoprep)勾配によってこの段階で濃厚化された(2〜15%)。皮膚細胞懸濁物は、培地中でコラーゲナーゼD(Boehringer-Mannheim、1mg/ml)及びDNアーゼIと共にインキュベートして(1時間、37℃)皮膚シーツから得た。ナイロンメッシュ(80μm)でろ過して単一細胞懸濁物を得、そしてリンホプレプ勾配(d=1.077g/cm3、10分 、500×g)で遠心した後、この低密度フラクションを濃厚(30〜50%)皮膚DC集団として使用した。
iv)滑液DC(SFDC)は以前に記載された38ようにして単離した。イン フォームド・コンセント後に、SFを慢性関節炎患者から定型的な膝関節吸引によってEDTA血液管中に集めた。ER-細胞をCD3、CD14、CD15、CD16及びCD19に対するmAb混合物で標識し、そしてこれらの細胞を上記したようにして免疫磁気MACSビーズを使用して枯渇させて血中DCを調製した。残存する標識細胞はFACSを使用して更に枯渇させた。残っている非標識MHCクラスII陽性細胞でSFDC集団は構成されていた。
v)扁桃DCは、インフォームド・コンセント後に定型的な扁桃摘出で得られた扁桃から調製した。これらを直ちに処理し、そして上記組織を微細に切断しそしてこれをワイヤーメッシュ篩に通して単一細胞懸濁物を調製した。単核細胞をF/H密度勾配で単離し、そしてSFDCについて上記したようにして扁桃DCを単離した。
vi)インビトロ誘導DCは、ファルコン(Falcon)6ウェルプレート(BD)中で2時間培養した(37℃)後に得られたPBMCの接着フラクションから産生された。接着細胞はGM-CSF(800U/ml)及びIL-4(500U/ml)を補充した培地中で5日間培養し、ここでTNFαを添加して最終濃度を20ng/mlにし て、細胞を更に2日間培養した後に分析した。
(免疫組織学)
扁桃及びリンパ節(Canterbury Health Ethical Committeeによって承認される適切な倫理的許可を得て入手した)のクリオスタット切断表面露出切片(7μm)を一夜乾燥し、その後氷冷アセトン中で10分間固定し、そして30分間風乾した。切片を10%ヤギ血清と共にインキュベートした後、初期モノクローナル抗体(mAb)、続いてビオチン結合ヤギ抗マウスIg(DAKO)と共にインキュベートし、そしてその後ストレプトアビジン-HRP(DAKO)を添加した。スライドは各30分のインキュベーション間にTBSで3回洗浄した。酵素活性は3,3'-ジアミノベンジジン溶液で明らかになった。PBS中での最終洗浄後、スライドを対比染色して(標準的なH&E染色)載せた。
アセトン固定組織切片の免疫蛍光二重標識化は細胞懸濁物について上記したようにして実施した。
(機能アッセイ)
同種MLR:105個のTリンパ球を、単一の同種提供者から得られ分離されたAPCサブセットの等級付けした3重複物を用いて、96ウェルプレート中5%CO中37℃で培養した。ウェルは、5日目の採集直前に0.5Ciの三重水素化チミジン(Amersham)と共に12時間振動させた。細胞をろ紙上に採集し、そして液体シンチレーションカウンターでチミジン取り込みを測定した。データは3重複ウェルのCPM平均値±SDとして表す。T細胞又はAPC単独を含有する対照ウェルは全ての実験で三重水素化チミジン取り込みが<500cpmであった。
(CD83トランスフェクション体の調製)
培地中で増殖させたCOS-7細胞をナンク(Nunc)ペトリ皿に播いて概ね50 %の集密度とした。トランスフェクションはバイオラッド ジーン パルサー(biorad Gene Pulser)中でCD83プラスミド(Tedder博士の好意で提供されたCDM8-CD83)又は対照プラスミド2μgを用いて細胞(400μlの培地中4×106個)をエレクトロポレーション(300V、500μF)して実施した。次いで、細胞を培地中で72時間培養した後、HB15a mAbで免疫蛍光分析してCD83発現を確認した。
(CD83融合タンパク質の発現)
CD83-Igを真核細胞中で発現させた。CD83細胞外ドメインのDNAフラグメント(シグナルペプチドを含有している)を、1対のプライマー(下線を引いた特有のHindIII及びEcoRI部位を有するMK001; 5'-CCC AAG CTT ATG TCG CGC GGC CTC CAG-3'(前方向)及びMK002; 5'-GCG AAT TCA CTT ACC TGT CTC CGC TCT GTA TTT CTT-3'(逆方向))を使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で CD83 cDNAから増幅させた。得られたフラグメントをEcoRI及びHindIIIで消化し、そしてEcoRI及びHindIII消化pBluescriptと結合させて、DNA配列決定用のpBS-CD83を得た。DNA配列を確認した後、このフラグメン トをEcoRI及びHindIIIで切断し、そしてEcoRI及びHindIII消化pIGベクターと結合させた。このベクターをエレクトロポレーションでCOS細胞にトランスフェクションさせ、そしてCD83-Igを、タンパク質Aカラムクロマトグラフィーを使用してCOS細胞のならし培地から精製した。
CD83-ヒスタミン(CD83-Hist)を原核細胞中で発現させた。CD83細胞 外ドメインのDNAフラグメント(シグナルペプチドを除いている)を、1対のプライマー(特有のBglII部位(下線を引いた)を有するMK010; 5'-GAA GAT CTA CGC CGG AGG TGA AGG TG-3'(前方向)及び MK011; 5'-GAA GAT CTC TCC GCT CTG TAT TTC T T-3'(逆方向))を使用してPCRでCD83 cDNAから増幅させた。得られたフラグメントをBglIIで消化し、そしてBglII消化pQE12と結合させて、pQE-CD83を得た。DNA配列及びフレーム内状態を確認した後、このベクターを使用してXL-ブルー細菌を形質転換し、そしてこの細菌培養物にIPTGを添加してCD83-Hist融合タンパク質を誘導した。この融合タンパク質は、Ni-NTA樹脂カラムクロマトグラフィーを使用して上記細菌溶解物から精製した。
(CD83エリザ法)
CMRF-56及びHB15とCD83構築物との結合はエリザ法で分析した。エリザプレート(Maxisorp、 Nunc)は10μg/mlの濃度のCD83-Ig、CD83-H又は ヒトIg(hIg、塩析した)と共にインキュベートして(37℃、1時間)被覆した 。停止させた(2%のBSA/PBS)後、ウェルを、1%BSA/PBS中で希釈した培養上清液、腹水液又は精製mAbのいずれかと共にインキュベートした(1時間、37℃)。洗浄(0.1%トゥイーン 20/PBS)後、プレートをGAM-HRP(Dako、1:1500)と共にインキュベートした(1時間、37℃)後、洗浄しそしてo-フェニレンジアミン(OPD)基質を使用して発色させた。次いで、プレートをMRX微量プレート読み取り器(Dynatech Laboratories)で分析 した(492nm/650nm)。
(酵素及び阻止試験)
CMRF-56抗原の酵素感受性は、プロナーゼ(50μg/ml、Sigma)か又はノイラミニダーゼ(0.1U/ml、Behring、ドイツ国マールブルグ)のどちらかを含有 するPBS中で細胞系L428をインキュベートする(30分、37℃)ことによって 試験した。細胞は洗浄(3回)後、フローサイトメトリーで分析した。酵素で誘導されるmAb結合強度の変化は処理した細胞のMFIをPBSだけでインキュベートした細胞と比較して測定した。
糖タンパク質のN-結合グリコシル化は0か又は10μg/mlのツニカマイシン(Sigma)を含有する培地中でのインキュベーション(12時間、37℃)によって停止させた。mAB結合に与える処理の効果はフローサイトメトリーで測定した。
(免疫沈降法)
細胞は、3つの方法、(i)ビオチン-X-NHS(Calbiochem)による細胞表面の標識化20,39、(ii)ビオチンヒドラジド(Calbiochem)による細胞表面のシアル酸標識化40、又は(iii)35S(NEN、マサチューセッツ州ボストン)による生合成的標識化20を使用して標識した。標識化後、0.5%のトリトンX-100か又は0.25%のCHAPSを含有しそして酵素インヒビターコンプリート(Complete(商標))(Boehringer)を補充した溶解緩衝液(100mMトリス、150mM NaCl、0.02%NaN、pH 7.8)1ml中で細胞(4×107個)をインキュベートして(氷上で1時間)、細胞を可溶化した。遠心(10,000g、10分)後、可溶化したタンパク質を(i)以前に記載された20,39ようなCNBrで活性化したセファロース4B(RAM-Sepharose)と共有結合したウサギ抗マウス免疫グロブリン を使用する免疫沈降又は(ii)マキシソルプ(Maxisorp)エリザプレート41上に捕捉されたmAbによる抗原の免疫吸着のどちらかによって分析した。溶出したタンパク質は、オートラジオグラフィーか又は化学発光視覚化と組み合わせたウエスタンブロット法と組み合わせた勾配SDS-PAGEで分析した。
脂質抽出物は以前に記載された20ようにしてL428から調製した。全細胞溶解物(上記したようにして調製された)又は脂質を抽出された物質のスロットブロット法及びそれに続く免疫染色法は以前に記載された20ようにして実施した。
(結果)
CMRF-56 mAbの産生
ハイブリドーマはNS-1骨髄腫細胞とHD由来細胞系L428で免疫感作したマウスから得られた脾細胞との融合によって産生された。L428と反応性であるがPBMCとは反応性でないmAbを産生するハイブリドーマが同定され、その後培養した低密度DCとの反応性を分析した。mAb CMRF-56(IgG1)はこれらDC調製物内の細胞集団を標識しており、そして以下のように特徴付けられた。
(CMRF-56と正常な造血非DC集団との反応性)
単離した血液及び扁桃白血球集団でのCMRF-56抗原の細胞表面発現は、フローサイトメトリーと一緒にした単一標識及び二重標識の両方で分析した。CMRF-56 mAbは循環中のPBMC(n=5)、末梢血顆粒球(n=3、図1A)、ER-PBMC調製物内のCD3+集団(n=4、図1A)又はER-PBMC調製 物内のCD16+、CD14+及びCD19+集団(n=6)(図1A)とは反応しなかった。
培地又はPHA若しくはPMA+CaI(n=3)を補充した培地中24時間及び72時間のER+PBMC(n=3)のインビトロ培養(16時間、37℃)はCD3+集団でCMRF-56抗原の発現を誘導しなかった。培地中でのER-PBMCの培養(16時間、37℃)はCD19+集団のサブ集団でCMRF-56、CD83及びCMRF-44抗原の発現を誘導し、一方CD19-集団(CD14+単球を含んでいる)はこれらの抗原を欠いていた(図1B)。ER-及びER+調製物をPMA/CaIの存在下で培養すると存在するCD19+細胞でCMRF-56及びCD83発現を誘導した。LPS、IFNγ、GM-CSF又はTNFαを更に補充した培地中でER-PBMCを24時間及び72時間培養してもCD14+単球集団でCMRF-56の発現を誘導しなかったが、CMRF-44又はMHCクラスII抗原発現の変化を誘導した(データは示していない、n=3)。単離した扁桃リンパ球のフローサイトメトリーによる分析によって、CMRF-56は扁桃Tリンパ球(n=4)を標識しなかったが、CD83やCMRF-44と共通して、或る割合の扁桃Bリンパ球を中程度の強さで 標識したことが確認された(図1C)。
分析した全ての扁桃リンパ球調製物(n=5)で、mAbによるBリンパ球標 識化の割合に明確な差が存在した; CMRF-44抗原はCMRF-56抗原より高い割合の細胞で、そしてCD83抗原はより低い割合の細胞で発現された。
(細胞系及びトランスフェクション体との反応性)
ヒト細胞系でのCMRF-56の細胞表面発現はフローサイトメトリーで分析した。CMRF-56抗原は多数のB細胞系(Mann、Raji)及びHD由来細胞系(L428、KM-H2、HDLM-2)で検出可能な値で発現され、最も強い染色はL428(図2A)及びMann細胞系で認められた。検出可能な値でCMRF-56抗原を発現しなかった細胞系には骨髄-赤血球系K562、Tリンパ球系HSB2及びMolt4、骨髄腫単球細胞系NB4、THP1、U937、KG1及びKG1a並びにプレBリンパ球系NALM6が含まれていた。CMRF-56mAbはCD83+Tリンパ細胞系Jurkatとは反応せず(図2A)そして図2Bに示されているようにCD83陽性COS細胞トランスフェクション体(n=3)を標識しなかった。
CMRF-56抗原は、CMRF-56 mAb FITC-SAMによって或る割合のL428細胞で顕著なキャップ形成を示した。CD83抗原もHB15/PE-SAMによってキャップ形成されて、染色された細胞の60%で別々のパッチが形成された。CMRF-56でキャップ形成させそして続いてCD83で染色した細胞のうち、或る割合の細胞は膜のCD83染色が均等に分布して残っていることを示しており、これら2つの抗原が別々の膜分子に局在していることが示唆された。
(生化学的分析)
酵素消化又はn-結合グリコシル化の遮断に対するCMRF-56抗原の感受性をフローサイトメトリーで試験した。CMRF-56 mAbとL428細胞との結合の増加は、この細胞をノイラミニダーゼ(1.5倍の増加、sd=0.2、n=5)か又はプロナーゼ(1.4倍の増加、sd=0.25、n=4)で処理した後に観察された。ツニカマイシンとのプレインキュベーションは観察される結合を顕著には変化させなかった。NC膜に適用されたL428界面活性剤溶解物の免疫染色によって、CMRF-56抗原が非イオン界面活性剤トリトンX-100及び双性イオン界面活性剤CHAPSで効果的に可溶化されることが証明された。L428細胞表面タンパク質(ビオチン)、細胞表面シアル酸(ビオチンヒドラジド)又は代謝(35S)標識化後に調製した溶解物による多数の免疫沈降実験では、抗MHCクラスII及びCD83試薬で適当な分子量の生成物が同時沈降した(データは示していない)が、CMRF-56抗原は同定されなかった。L428及びMann細胞系溶解物のウエスタンブロット法でも同様にCMRF-56抗原は同定されなかった。ニトロセルロース膜に適用されたL428脂質及び非脂質抽出物の免疫染色ではどのフラクションでもCMRF-56抗原が検出されず(データは示していない)、CMRF-56抗原エピトープは有機溶媒に感受性であることが示唆された。CMRF-56とCD83-Ig及びCD83-hist構築物との反応性はエリザ法で分析した(図3)。CD83 mAbとは対照的に、CMRF-56はCD83 Ig(n=3)又はCD-83-hist 組換え物質(n=3)のどちらとも結合しなかった。
(CMRF-56と単離DCの反応性)
CMRF-56と単離DC集団との反応性は間接免疫蛍光法及びフローサイトメトリーで試験した。
直接単離した新鮮なDC(図5A)は検出可能な値のCMRF-56又はCD83抗原のいずれも発現しなかった。しかしながら、インビトロ培養6時間以内に両抗原の発現は直接単離したDCで急速に誘導された。対照的に、CMRF-44抗 原の発現は直接単離したDCのサブ集団で一定して検出され、そしてCMRF-44抗原の更なる上方調節はCMRF-56及びCD83の両抗原に先行した。
培養したER-PBMCのDCに富む低密度フラクションを分析すると、CD83及びCMRF-44で検出されるDC集団と同一のCMRF-56+細胞のサブ集団(10〜30%、n=20)が常に同定された(図4A)。二重標識化(図4B)によって、CMRF-56の反応性はlin-、CMRF-44+及びCD83のDC集団に関係していることが確認された。CMRF-56発現に基づく低密度ER-PBMCのFACS分離によって、強力な同種刺激活性はCMRF-56+集団に関係しておりそしてCMRF-56-集団は弱い刺激にすぎないことが明確に示された(n=3、図4C)。mAbの結合はDC同種刺激活性に影響を与えなかった。
単離したLC(n=3)のフローサイトメトリー分析によって、これらの細胞の概ね40%が高密度のCMRF-56及びCMRF-44抗原を発現し、CD83はかなりより低い割合の細胞で弱く発現されることが示された(図6A)。皮膚DC(n=3)は、強いCMRF-44及びCMRF-56陽性であるが、CD83に関しては 細胞のサブ集団の弱い染色が示されただけであった(図6B)。
直接単離したSFDCは、CD83抗原を欠いているが、CMRF-56+細胞のサブ集団を含有していた(n=5、図7A)。これらSFDC調製物のインビトロ培養後には、CMRF-56とCD83の両抗原の更なる上方調節が観察された。
直接免疫枯渇法で調製した扁桃DCは、新たに単離した血中DCと共通して、CD83及びCMRF-56陰性であったが、インビトロ培養期間後に高密度の両抗原を発現した(n=5、図7B)。
インビトロ産生Mo-DC集団も試験した(n=3)。GM-CSF、IL-4及びTNFαの存在下で単球を培養した後、得られたMo-DCは強いCMRF-56+であった。CMRF-56+細胞の割合はCD1a+陽性細胞の割合より顕著に少なかった(図6C)。
(CMRF-56発現の免疫組織学的分析)
リンパ節及び扁桃切片の免疫組織学的染色によって、胚中心リンパ球で弱いCMRF-56抗原発現が検出され、そして散乱ろ胞間(T帯)細胞で強い発現が検出された。扁桃切片の免疫蛍光二重標識化によって、CMRF-56陽性のろ胞間 細胞はCD19及びCD20を欠いているがCD86を発現することが示された。CMRF-56とCD83による二重標識化によって、ろ胞間領域内ではCMRF-56抗原はCD83より少ない細胞数で発現されそしてCMRF-56陽性集団のサブ集団はCD83を発現しないことが示された。
(考察)
mAb CMRF-56の特徴付けによって、これがこれまで特定されなかった抗原性エピトープを認識し、ヒトDC集団での発現が制限されていることが確立された。循環中の血中白血球はCMRF-56抗原を発現せず、そして培養しただけか又はインビトロ活性化後に、CMRF-56抗原の発現は培養PBMCの低密度(DCに富む)フラクション内及びCD19+リンパ球サブ集団内だけで検出された。培養PBMCの低密度フラクションの免疫標識化及びFACS分離によって、CMRF-56はこれら調製物内のDC集団を染色していたことが確認された。循環中の血中DCはCMRF-56-であるが6時間以内の培養で高密度の抗原を発現するという知見によって、CMRF-56がDC上の初期分化/活性化マーカーを認識することが確認された。CMRF-56抗原はまた、単離されたLC及び皮膚DCを含む他のDC集団でも発現された。扁桃や滑液DC上のCMRF-56抗原の急速な上方調節は短期間のインビトロ培養後に生じた。CMRF-56抗原は、CMRF-44+細胞、例えば、インビトロ培養しそしてIFNγ活性化した単球並びに新たに単離した血中DCにCMRF-56が存在しないことに基づいて、CMRF-44と明白に識別することができる。同様に、CMRF-56がCD83トランスフェクション体、CD83組換えタンパク質及びCD83+細胞系Jurkatとの反応性が無いことによってこれら2つの抗原は明確に識別された。現在のところ、入手可能な選択的DC表面マーカーはCMRF-4431,20及びCD8318,19だけであり、そしてこれらはDCの初期活性化マーカーも認識する。CD83及びCMRF-56抗原ではなくて、CMRF-44抗原が循環中のDCのサブ集団で発現される31。3つのマーカーは全てDCの培養によって急速に上方調節するが、本試験で示したように、単離した血中DCでのCMRF-44の上方調節は明らかにCMRF-56及びCD83抗原に先行する。単離した皮膚DC、LC、滑液DC及び扁桃DCの分析によって、CMRF-56抗原の発現はこれらの集団でのCD83発現に先行することが示唆される。
かくして、これら3つの明らかに異なるDC分化/活性化抗原はCMRF-44抗原、CMRF-56抗原そしてその後CD83の順序で上方調節するように思われる。しかしながら、この解釈は、単離DCでのCMRF-44及びCMRF-56抗原の発現が短期間のインビトロ培養中に維持され、一方幾つかの実験で表面CD83抗原の標識化が24時間後に低下するという事実によって影響を受けよう。このCD83抗原発現の下方調節は表面タンパク質の開裂と、活性化されたBリンパ球で生じることが報告されている36可溶性CD83の放出によるものであろう。
CMRF-56とCD83は扁桃切片におけるIDCとの反応性に関してかなり異なっていた。二重標識化によって、CMRF-56抗原はろ胞間帯でCD83よりかなり少ない数の細胞で発現されそしてCMRF-56+/CD83+、CMRF-56-/CD83+及びCMRF-56+/CD83-細胞集団が存在することが示された。以前の研究で、CD83は扁桃組織内のIDCサブセットによって発現されることが示されている。CD83-細胞集団を含んでいるろ胞間帯内のCD19-、CD20-及びHLA-DR+集団でのCMRF-56抗原の発現は、CMRF-56及びCD83抗原がDC分化/活性化の種々の段階で発現されるという更なる証拠を提供している。しかしながら、CD83+ IDCのサブ集団にCMRF-56抗原が存在していないことは、単離した扁桃DC集団を使用して得られた結果と対照的である。かくして、CD83+及びCMRF-56-のDC集団はインビトロ培養の前又は後に分析した調製物のいずれでも検出されなかった。これは、単離扁桃DCの場合には、特に単離細胞をインビトロ酵素消化に暴露しないで組織から全ての細胞集団を単離する困難性を反映している。興味深いことに、インシトゥで分析したとき、胚中心B細胞は大部分が低密度CMRF-56及びCD83抗原を発現したが、単離扁桃B細 胞では1つのサブ集団しかこれらの抗原を発現せず、組織マトリックスからのB細胞放出が典型的でないことを示していた。
ヒト細胞系でのCMRF-56発現はCMRF-44及びCD83抗原の発現に匹敵し、多くの点でHD由来細胞系及びB細胞系に限定されており、一方骨髄腫起源の細胞系はこれらの抗原を欠いている。ER-PBMC又はER+PBMC集団の活性化後に同様なパターンが観察され、CMRF-56及びCD83の発現はBリンパ球で容易に誘導することができる。インビトロ活性化後に血中Bリンパ球は全てこれらの抗原を発現するが、これらの抗原は単離扁桃リンパ球で明らかに異なる発現値を有しており、CD83はCMRF-56より顕著に低い割合のBリンパ球で発現され、一方CMRF-44は顕著により高く発現された。
或る範囲の単一刺激を使用して観察されたCD14+単球集団でのこれら抗原の発現は無視できるほどであった。それにも拘わらず、CD83発現及びCMRF-44は、特別のサイトカイン組合せ物の存在下で長期間培養した後に骨髄腫起源の細胞で誘導することができる。これらの細胞は、機能及び表現型に関してDCに近似しており、そしてこのインビトロ試験で示されるように、これらのMo-DCもCMRF-56抗原を発現する。
DC集団に対するCMRF-56及びCD83の特異性は絶対的ではないが、Bリンパ球マーカーと共同したこれら抗原の試験によって、インシトゥ及び単離白血球集団内の両方で、活性化の初期段階でDC集団を同定する高度に選択的な手段が提供されることが明白である。これらの分子の上方調節はDC機能の顕著な活性化相に関係している。かくして、これらのDCは同時刺激分子CD80、CD8630,32,19,14,43、CD4033及びICAM-17,44のような接着分子を上方調節する。
要約すると、CMRF-56抗原は、他の関連抗原CMRF-44及びCD83と同様にL428細胞系で発現される。それにも拘わらず、提供された血清学的データによってCMRF-56抗原のエピトープはCMRF-44抗原と明確に識別される。血清学的値でCMRF-56抗原に幾らか一致しているCD83抗原は、細胞表面タンパク質がCMRF-56抗原と関係なくキャップを形成するのでCMRF-56と明確に識別される。mAb CMRF-56がCD83でトランスフェクションした細胞又は組換え物とは結合しないことを証明することによって、これら2つの抗原の明らかに異なる更なる性質の証拠が得られた。かくして、mAb CMRF-56はDCに対する特異性を有している更なるmAbとなる。
CMRF-56 mAbは、48時間の観察期間中サイトカイン又はLPSで刺激した血中単球を標識しない。このためCMRF-56 mAbは多分、拘束されたDC前駆体から拘束された単球細胞を測定する試薬として特に有用なものとなる。CMRF-56抗原がDC活性化/分化経路の1部として上方調節することは明白である。図5に示された上方調節の動力学によって、CMRF-56抗原はCD83より後に発現されるが、48時間後に下方調節するように思われるCD83より長く持続することが示唆される。
(産業上の適用)
本発明の抗体(該抗体は活性化抗原CMRF-56を認識しそしてこれと結合する)を使用できる多数の用途が存在する。このような用途には、(1)活性化されたDCの同定(診断目的); 及び(2)活性化されたDCの精製/濃縮が含まれており、従ってこれらの用途は本発明の更なる特徴を表している。
本発明の代表的なmAb CMRF-56の診断適用には活性化されていない(CMRF-56陰性)DCに対して活性化された(CMRF-56陽性)DCを評価できることが含まれており、そしてこれは癌のような疾病の診断及び/又は治療における用途となろう。
このような適用では、当該技術分野で知られている任意の免疫学に基づくアッセイ方法は試料中の活性化されたDC量を定量するために使用することができよう。このような方法はチーセン(Tijssen)24に要約されており、例えば、なかんずくフローサイトメトリー、エリザ法、RIA及び蛍光顕微鏡法である。
活性化されたDCの単離に関して、初期免疫学的試薬として抗体(又はそれらの結合フラグメント)を使用する任意の方法又は精製系をもう1度使用することができる。このような多数の方法が知られており、同様にこれらの方法を実施可能にする精製系も知られている。市販で入手できる精製系の1例は、米国ワシントン州のセルプロ インク(CellPro, Inc.)から得られるアビジン・ビオチン免疫親和系29である。米国特許5,215,927、5,225,353、5,262,334、5,240,856及び1992年4月30日に公開されたPCT/US91/07646(これらは全て本明細書で参照する)も参照のこと。この系は標的細胞に向けたビオチン結合モノクローナル抗体及び固定化されたアビジンを含有するカラムを直接又は間接的に使用しており、そしてこの場合にはヒト末梢血液から、活性化されたヒト樹状細胞を抽出するように容易に適合させることができ、その際代表的なmAb CMRF-56を次のように使用する:
1.ヒト樹状細胞を含有するヒト末梢血液試料をビオチン結合mAb CM RF-56と混合し、そしてインキュベートしてmAb CMRF-56/ヒトDCコンプレックスを形成させる。
2.インキュベーション後、アビジン被覆ビーズを充填したセルプロ連続流免疫吸着カラム中に上記混合物を導入し、ビオチンとアビジン間の強い親和性によってビオチン被覆mAb CMRF-56を(これらが結合しているヒトDCと一緒に)アビジン被覆ビーズに接着させる。
3.上記混合物中に存在している望ましくない細胞を洗浄除去した後、捕獲され活性化されたヒトDCは静かに撹拌することによってカラムから取り出して使用するために入手できる。
初期抗体(活性化されたDCと結合する)としてのmAb CMRF-56とビオチン結合二次抗体(mAb CMRF-56と結合する)を使用するというこの主題に関しては他の形態も使用することができる。
上記プロトコールに従ってmAb CMRF-56と混合する前にヒト末梢血液試料を処理して上記試料に含有されるDCが確実に活性化されるようにすべきであることが認められよう。これは、例えば、試料を一夜インキュベートして容易に達成することができる。
上記プロトコールでの使用においては、mAb CMRF-56を多数の慣用の方法のうちの任意の方法でビオチン化することができる。例えば、ベレンソン(Berenson)等29のビオチン結合法を使用することができる。
上記で概略した方法の考えられ且つ好ましい予備段階は勾配遠心法25-27で試 料中のDCを豊富化することである。この任意の豊富化段階では任意の適当な既知勾配媒体(例えば、アルブミン又はメトリザミド)を使用できるが、16時間培養したTリンパ球欠失末梢血単核細胞に関連してニコデンツ培地(Nycomed Pharma、ノルウェー国オスロ)を使用することが好ましい28。本出願人は、この勾配を使用して、DCに非常に富んだ低密度細胞集団が確実に得られることを見い出した。
アビジン・ビオチン免疫親和性クロマトグラフィーに加えて、樹状細胞の免疫選択に関する多数の他の手段があることは当該技術分野の熟練者に明白であろう。これらには、磁気ビーズ、フェロフルーイズ(ferrofluids)、ディップスティックス、ペトリ皿、及びmAb CMRF-56標識DCと特異的に結合するように誘導し得る多種多様な他の固形相が含まれるが、これらに限定されない。
上記の方法又は他の任意の適当な方法でいったん精製/濃縮されると、この活性化されたDCは研究又は商業的適用で使用することができる。活性化されたDCの上記のような1つの潜在的な商業上の適用は、予防又は治療目的で疾病に対して保護的な抗原と一緒にされている免疫強化組成物の一部としてである。このような組成物は、保護的抗原に対して産生される免疫応答の速度と有効性の両方を高めると考えられる。
活性化されたDCの他の適用は当該技術分野の熟練者には勿論明白であろう。
mAb CMRF-56のもう1つの意図された適用は、免疫抑制を誘導するために患者の活性化されたDCを標的化することにある。
上記の説明は代表例にすぎずそして本発明は上記説明に限定されないことが理解されよう。
(寄託)
ハイブリドーマCMRF-56(骨髄腫細胞系NS-1を使用して産生された)は本発明の開示を補完するために寄託されている。寄託は米国菌培養収集所(ATCC)、米国 20852 メリーランド州ロックビルパークローンドライブ12301に1996年10月9日現在でなされた。ハイブリドーマCMRF-56のATCC受理番号はHB12202である。
ATCC寄託受領書の写しを添付する。
Figure 2008148707
(参照文献)
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図1はmAb CMRF-56と血液及び扁桃白血球との反応性を示す。(A)(i)mAb CMRF-56(黒)又はイソタイプ対照で染色した顆粒球の蛍光強度ヒストグラム。(ii)CD3、CD14、CD16及びCD19-PEに対してCMRF-56で二重標識したER-PBMCのドットプロット。(iii)CD3-PEに対してCMRF-56で二重標識したER+PBMCのドットプロット。(B)CD19- PEに対してCMRF-56、CD83又はCMRF-44で二重標識して培養した(16時間、37℃)ER-PBMCのドットプロット。(C)CD19-PEに対してCMRF-56、CD83又はCMRF-56で二重標識した扁桃ER-リンパ球のドットプロット。全ての場合において、示された陽性染色を表すゲートは陰性対照の染色に基づいて定められた。データは代表的な実験によるものである。 図2は、CMRF-56及びHB15(CD83)とヒト細胞系及びCD83 Cos細胞トランスフェクション体との反応性を示す。(A)ヒト細胞系L428及びJurkatのデータは、イソタイプ対照(---)、CMRF-56又はCD83(---)のどれかで標識した後に得られる免疫蛍光プロフィールとして示されており、そして6回実施した代表的な実験によるものである。陰性対照を超えるCMRF-56及びHB15標識化の強度(MFI)はヒト細胞系の各ヒストグラムの右隅に示されている。(B)COS細胞トランスフェクション体のデータは対照トランスフェクション体(--)又はCD83トランスフェクション体(---)のどちらかをCMRF-56又はCD83で標識した後に得られる免疫蛍光プロフィールとして示されている。データは3回実施した代表的な実験によるものである。 図3はCMRF-56抗原を特徴付けるものである。エリザ法で分析されるCMRF-56、CD83及び陰性対照mAbとヒトIg、CD83-Ig及びCD83-ヒスチジンの結合。データはヒストグラムとして示され、そしてそれは3回実施した代表的な実験によるものである。 図4は、直接単離したDCでのCMRF-56の発現を示す。(A)直接単離した血中DCは培地中で0、3、6又は12時間培養し、その後DR-PEに対してCMRF-56、CMRF-44又はCD83で二重標識して分析した。全ての場合において、示された陽性染色を表すゲートは陰性対照の染色に基づいて定められた。データは3回実施した代表的な実験によるものである。 図5は、培養した低密度ER-PBMC調製物内でのCMRF-56発現の分析を示す。(A)PE抱合CD3、CD14、CD16及びCD19 mAbの混合物に対してCMRF-44、CD83又はCMRF-56で二重標識した調製物のドットプロット。(B)CMRF-56 ビオチンに対してCD83又はCMRF-44で二重標識した調製物のドットプロット。全ての場合において、示された陽性染色を表すゲートは陰性対照の染色に基づいて定められた。(C)CMRF-56発現に基づいて低 密度調製物を分離した後に実施した同種MLR。非標識対照(◇)及び標識されたが分離されなかった対照と一緒にCMRF-56陽性(△)及び陰性(▽)集団を同種Tリンパ球と共に5日間培養し、その後(3H)TdR取り込みを測定した。結果は3重複計数の平均値″SEMとして表されている。データは3回実施し た代表的な実験によるものである。 図6は、CMRF-56及びCD83と(A)単離LC(B)単離皮膚DC及び(C)インビトロ産生DCとの反応性を示す。LC及び皮膚DC調製物は、HLA-DRに対してCMRF-56、CMRF-44及びCD83で二重標識した。インビト ロで産生したDCはCD14-PEに対して抗-CDla、CMRF-44及びCMRF-56で二重標識した。全ての場合において、陽性染色を表すゲートは陰性対照の染色に基づいて定められた。各ドットプロットの右に示したパーセントは関連抗原を発現したLC、皮膚DC又はインビトロ産生DCのいずれかのパーセントを示す。データは各タイプの細胞調製物で3回実施した代表的な実験によるものである。 図7は、インビトロ培養前後のCMRF-56及びCD83と単離SF-DC及び扁桃DCとの反応性を示す。(A)扁桃DCと(B)SF-DCの調製物は、培地での培養前及び培養16時間後にHLA-DR-PEに対してCMRF-56、CD83/FITC SAMで二重標識した。全ての場合において、陽性染色を表すゲートは陰性対照の染色に基づいて定められた。データは各タイプのDC調製物で3回実施した代表的な実験によるものである。

Claims (17)

  1. 受理番号HB12202で米国菌培養収集所(ATCC)に寄託されたハイブリドーマCMRF−56によって産生された抗体または抗体結合フラグメントであって、活性化抗原CMRF−56のエピトープと結合する、抗体または抗体結合フラグメント。
  2. モノクローナル抗体CMRF−56である、請求項1に記載の抗体。
  3. 抗原CMRF−44およびCD83とは結合しない、請求項1または2に記載の抗体。
  4. ハイブリドーマ細胞系CMRF−56(ATCC HB 12202)。
  5. ハイブリドーマ細胞系CMRF-56(ATCC HB 12202)によって分泌されそして活性化されたヒト樹状細胞のエピトープと特異的に結合するが活性化抗原CMRF-44及びCD83とは結合しないモノクローナル抗体CMRF-56。
  6. 活性化された樹状細胞を含有する試料からこのような樹状細胞を精製する方法であって、該方法は:
    (i)上記試料を請求項1〜3および5のいずれか1項に記載された抗体または抗体結合フラグメントと接触させ;そして
    (ii)上記抗体または抗体結合フラグメントと結合している活性化された樹状細胞を回収する、
    段階を含んでいる、方法。
  7. 試料中の活性化された樹状細胞を同定する方法であって、該方法は:
    (i)上記試料を請求項1〜3および5のいずれか1項に記載の抗体または抗体結合フラグメントと接触させて抗体/活性化樹状細胞コンプレックスを形成させ;そして
    (ii)抗体/樹状細胞コンプレックスの存在を検出する、
    段階を含んでいる、方法。
  8. 抗体CMRF−56がビオチン化されている請求項7に記載の方法。
  9. 活性化された樹状細胞を含有している試料からこのような樹状細胞を精製および/または濃縮する際に使用される精製システムであって、請求項1〜3および5のいずれか1項に記載の抗体または抗体結合フラグメントを含んでいる、精製システム。
  10. 抗体CMRF−56がビオチン化されている請求項9に記載の精製システム。
  11. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法によってそして/又は請求項9または10に記載の精製システムを使用して精製及び/又は濃縮された活性化された樹状細胞。
  12. 活性化された樹状細胞の診断マーカーとして使用される請求項1〜3および5のいずれか1項に記載の抗体を含んでいるアッセイキット。
  13. 請求項1〜3および5のいずれか1項に記載の抗体または抗体結合フラグメントを含んでいる組成物。
  14. 抗原をさらに含んでいる請求項13に記載の組成物。
  15. 活性化された樹状細胞をさらに含んでいる請求項13または14に記載の組成物。
  16. 請求項11に記載の活性化された樹状細胞と、動物が罹り得る疾患に対する保護免疫学的応答を生じさせ得る少なくとも1つの抗原とを含んでいる組成物。
  17. 免疫を強化する際の使用のための、請求項1に記載の抗体を含んでいる薬剤。
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