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JP2008144921A - エンジンマウント - Google Patents

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JP2008144921A
JP2008144921A JP2006335129A JP2006335129A JP2008144921A JP 2008144921 A JP2008144921 A JP 2008144921A JP 2006335129 A JP2006335129 A JP 2006335129A JP 2006335129 A JP2006335129 A JP 2006335129A JP 2008144921 A JP2008144921 A JP 2008144921A
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Japan
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rebound
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support
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JP2006335129A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawabata
義博 川畑
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

【課題】従来のエンジンマウントに較べて所要部品点数を削減でき、また接着処理の工数を省略ないし削減して全体の製造工程数を少なくし、所要コストを低減することのできるエンジンマウントを提供する。
【解決手段】インナ部材12とアウタ部材14とゴム弾性体16とを有するエンジンマウント10において、アウタ部材14に押込室56を内側に形成する外壁部48を設けておくとともに外壁部48の部分で第1分割体14-1と第2分割体14-2とに分割し、これらにてゴム弾性体16を軸線方向と軸線と直角方向の拡がり方向とに予圧縮した状態で押込室56に押し込んでエンジンマウント10の組付けを行う。
【選択図】 図1

Description

この発明はゴム弾性体の弾性変形に基づいてエンジンを防振支持するエンジンマウントに関する。
従来、自動車のエンジンをゴム弾性体の弾性変形に基づいて防振支持するエンジンマウントとして図12,図13に示すものが用いられている。
これらの図において200はエンジンマウントで、エンジン側に取付固定される上取付金具202と、車体側に取付固定される下取付金具204と、それらを連結する状態に間に介在させられたゴム弾性体206とを有している。
上取付金具202は、プレート金具207とこれに固定された締結ボルト208とを有しており、その締結ボルト208においてエンジン側に締結される。
一方、下取付金具204は全体がプレート状の金具からなっており、図12(B)に示すように一対の舌片状の固定部210を有していて、それぞれに固定孔212が備えられ、各固定孔212において車体側に取付固定される。
ゴム弾性体206は、それら上取付金具202及び下取付金具204に加硫接着により固着されている。
ゴム弾性体206は、エンジンの荷重を受けこれを弾性支持する本体ゴム部としてのブロック状の支持ゴム部214と、一対のストッパゴム部216,218を有している。
図中216A,218Aはバウンド時にストッパ作用をなすバウンド側ゴム部を、216Bはリバウンド時にストッパ作用をなすリバウンド側ゴム部を表している。
上記下取付金具204は、互いに逆向きに延び出した一対のアーム220,222を一体に有しており、それらアーム220,222にストッパゴム部216,218が加硫接着にて一体に固着されている。
尚支持ゴム部214とストッパゴム部216,218とはゴム膜を介して連続し、互いに繋がっている。
224は逆カップ状をなすストッパ金具であって貫通の嵌込孔226を有しており、その嵌込孔226が締結ボルト208に嵌め込まれ、上取付金具202に組み付けられている。
このストッパ金具224は、ゴム弾性体206を取り囲む周壁部を有しており、その一部がストッパゴム部216,218に対向するストッパ部228,230とされている。
尚図12,図13(A)はエンジンマウント200を車両への取付け前の状態で表しており、図13(B)は、角度θで傾斜して車両に取り付け、エンジンの荷重を支持した状態で表している。
しかしながらこのエンジンマウント200の場合、エンジン側及び車体側への取付けのための上取付金具202及び下取付金具204の他に、逆カップ状をなすストッパ金具224を必要とすることから部品点数が多くなり、またストッパ金具224の組付けのための工程も必要となる。
またこのエンジンマウント200にあっては、上取付金具202及び下取付金具204に対し、ゴム弾性体206を加硫接着するための接着処理も必要となる。
この接着処理は、上取付金具202,下取付金具204をそれぞれ予め脱脂洗浄し、これを乾燥した上で接着剤の塗布処理及びその後の乾燥処理が必要であり、しかも通常は複数種類の接着剤を塗布する必要があって、各接着剤を塗布処理するごとにその塗布後の乾燥処理が必要であり、多くの工程を要する面倒な処理となる。
そしてストッパ金具224の組付けのための工程、及び接着剤の塗布処理の工程を必要とすることからエンジンマウント200の製造のための全体の工数が多くなり、このことがエンジンマウント200のコストを押し上げる要因となっていた。
またこのエンジンマウント200にあっては、上取付金具202,下取付金具204及びゴム弾性体206からなる加硫品が大型のものとなり、加硫に際して1つの成形型での取り個数が必然的に少なくなり、このこともまたエンジンマウント200のコストを増大させる要因となっていた。
尚、本発明に対する先行技術として下記特許文献1,特許文献2に開示されたものがある。
これらはエンジンマウントとして用いられる筒形マウントに関するもので、インナ部材に対してゴム弾性体を予め一体に加硫しておいてこれを予備組付体と成し、そしてそのゴム弾性体を取付部材にて構成した分割構造のアウタ部材にて、即ち一対の分割体でゴム弾性体を挟み込んでマウント組付体となすものであるが、その構成において本発明とは異なったものである。
特開2005−163976号公報 特開平6−264968号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、従来のエンジンマウントに較べて所要部品点数を削減でき、また接着処理の工数を省略ないし削減し得て、全体の製造工程数を少なくし得るとともに、ゴム弾性体の加硫の際の一成形型当りの取り個数を増大し得、全体としてコストを効果的に低減することのできるエンジンマウントを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、エンジン側又は車体側の一方への取付部材としての剛性のインナ部材と、他方への取付部材としての剛性のアウタ部材と、それらインナ部材とアウタ部材とを連結する状態に間に介在せしめられたゴム弾性体とを有するエンジンマウントであって、前記ゴム弾性体は、エンジン荷重を支持する支持ゴム脚とリバウンド時に前記インナ部材の相対変位規制をなすリバウンド側ゴム部が該支持ゴム脚の軸線方向において互いに逆向きに突出する状態で該インナ部材に加硫時に固着してあって、該インナ部材とともに予備組付体を成しており、前記アウタ部材は、前記ゴム弾性体の押込室を内側に形成する外壁部を有しているとともに、該外壁部の部分で第1分割体と第2分割体とに分割され、それら第1分割体と第2分割体とで前記ゴム弾性体における前記リバウンド側ゴム部及び支持ゴム脚を前記軸線方向に挟み込み、該ゴム弾性体を前記押込室に押し込んだ状態で該第1分割体及び第2分割体のそれぞれに設けられた固定部で締結固定されるようになしてあり、且つ前記押込室は自由形状時の前記ゴム弾性体に対して前記軸線方向寸法が小、前記支持ゴム脚の先端部に対応する部分の軸線直角方向寸法が自由形状時の該支持ゴム脚の先端部の該軸線直角方向寸法よりも大とされていて、前記外壁部が、前記ゴム弾性体の前記軸線方向の挟込みにより前記支持ゴム脚の先端部の位置移動を伴って該支持ゴム脚を前記軸線直角方向に拡がり変形させた上、該軸線方向と拡がり方向との両方向に該支持ゴム脚を予圧縮した状態で前記ゴム弾性体を前記押込室に押し込むものとなしてあり、該外壁部には、押込完了状態で前記支持ゴム脚の先端面に前記軸線方向に当接して該支持ゴム脚に該軸線方向の予圧縮を加え且つ拘束する軸線方向拘束部及び該支持ゴム脚の先端部の外側面に対し前記拡がり方向に当接して該拡がり方向に予圧縮を与え且つ拘束する軸線直角方向拘束部がコーナー部に備えてあるとともに、前記挟込みによる押込み時に前記支持ゴム脚の先端面に軸線方向に当接して該支持ゴム脚の先端部の位置移動を伴って該支持ゴム脚を拡がり変形案内する案内面が備えてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記押込室は、前記リバウンド側ゴム部の先端部に対応する部分の前記軸線直角方向寸法が自由形状時の該リバウンド側ゴム部の先端部の該軸線直角方向寸法よりも大とされていて、前記外壁部が、前記ゴム弾性体の前記軸線方向の挟込みにより該リバウンド側ゴム部の先端部の位置移動を伴って該リバウンド側ゴム部を該軸線直角方向に拡がり変形させた上、該軸線方向と拡がり方向との両方向に該リバウンド側ゴム部を予圧縮した状態で前記ゴム弾性体を前記押込室に押し込むものとなしてあり、該外壁部には、押込完了状態で前記リバウンド側ゴム部の先端面に前記軸線方向に当接して該リバウンド側ゴム部に該軸線方向の予圧縮を加え且つ拘束する軸線方向拘束部及び前記リバウンド側ゴム部の先端部の外側面に対し前記拡がり方向に当接して該拡がり方向に予圧縮を与え且つ拘束する軸線直角方向拘束部がコーナー部に備えてあるとともに、前記挟込みによる押込み時に前記リバウンド側ゴム部の先端面に軸線方向に当接して該リバウンド側ゴム部の先端部の位置移動を伴って該リバウンド側ゴム部を拡がり変形案内する案内面が備えてあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1において、前記支持ゴム脚は前記先端部が開放形状の筒形状をなしていることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記支持ゴム脚には周方向所定箇所に該支持ゴム脚の前記拡がり変形を助ける軸線方向のスリットが設けてあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項2において、前記リバウンド側ゴム部は前記先端部が開放形状の筒形状をなしていることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項2において、前記支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部は、自由形状状態でそれぞれの先端部が開放形状の筒形状をなしているとともに、前記外壁部が対応する筒形状をなしており、押込完了状態で該支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部のそれぞれの拡がり変形によって前記ゴム弾性体が全体として鼓形状をなしていることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項6において、前記インナ部材には前記支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部の内径よりも大径且つ環状の押圧部が設けられており、該インナ部材の前記支持ゴム脚の側への相対移動により該押圧部にて該支持ゴム脚を押圧し、前記リバウンド側ゴム部の側への相対移動により該押圧部にて該リバウンド側ゴム部を押圧するようになしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、ゴム弾性体の加硫時にゴム弾性体をインナ部材と一体に固着して予備組付体を構成し、そして取付部材をなすアウタ部材を分割構造として、各分割体にてリバウンド側ゴム及び支持ゴム脚を軸線方向に挟み込み、アウタ部材に形成した押込室の内部にゴム弾性体を押し込んでエンジンマウントの組付体を構成するようになし、そしてその挟込みの際に支持ゴム脚を軸線方向に圧縮変形させるとともに軸線直角方向に拡がり変形させた上で、その拡がり方向にも圧縮変形させ、組付状態で支持ゴム脚に軸線方向と軸線直角方向の両方向に予圧縮を与えるようになしたものである。
本発明のエンジンマウントにあっては、アウタ部材が図12及び図13に示した従来のエンジンマウントの逆カップ状のストッパ金具としての働きをなすことから、このようなストッパ金具を別途に必要とせず、エンジンマウントを構成する所要部品点数を少なくすることができ、またその組付けのための工数も削減することができる。
またゴム弾性体とアウタ部材とは、押込室へのゴム弾性体の押込みによって互いに強固に連結された状態となるから、ゴム弾性体とアウタ部材との連結のためにそれらを加硫接着する必要が無く、従ってアウタ部材に対する接着処理を省略でき、接着処理のために従来要していた工程を削減することが可能となる。
これによりエンジンマウントの全体の製造工程数を少なくし得て、エンジンマウント製造のコストを低減することができる。
またゴム弾性体、詳しくは予備組付体とアウタ部材との組付けは単にアウタ部材の各分割体でゴム弾性体を軸線方向に挟み込み、押込室にこれを押し込んだ状態で各分割体を締結するだけで良いので、予備組付体とアウタ部材との組付自体も簡単に行うことができる。
更に本発明ではゴム弾性体の加硫時にアウタ部材に対する固着は必要でなく、インナ部材に対してだけ固着しておけば良いので加硫品(予備組付体)がコンパクトとなり、従ってゴム弾性体加硫時の成形型1個あたりの加硫品の取り個数を多くし得て生産性を高めることができるとともに、エンジンマウントのコスト低減に寄与することができる。
本発明はまた、ゴム弾性体(即ち予備組付体)とアウタ部材との組付けの際、支持ゴム脚を軸線方向に圧縮弾性変形させるのみならず、軸線直角方向にも拡がり変形させ、支持ゴム脚に軸線方向及び軸線直角方向の拡がり方向の両方向に予圧縮を加えるようになしている点を特徴としている。
組付けに際して支持ゴム脚を軸線方向にだけ圧縮弾性変形させるといったことも考えられるが、この場合、リバウンド時のエンジンの大きな相対変位に対して支持ゴム脚を良好に追従変形させるべく、同方向への戻り変形のストロークを大きく確保するには支持ゴム脚を予め軸線方向に大きく圧縮弾性変形させておかなければならない。
しかしながらそのようにすると支持ゴム脚に大きな歪みが発生し、そのことが耐久性低下の原因となるとともに、組付けのために大きな力を必要とする。
また支持ゴム脚を軸線方向にだけ圧縮変形させる場合には、あるところからゴム反力が急激に増大するために十分な圧縮量(予圧縮量)を確保することが難しく、また組付状態でゴム弾性体の軸線方向のばね剛性が大きくなり過ぎてしまう。
しかるに本発明では、支持ゴム脚を軸線方向のみならず軸線直角方向の拡がり方向にも変形させ、軸線方向と軸線直角方向の両方向に支持ゴム脚を予圧縮した状態に組付けをなすようにしていることから、組付けに際して支持ゴム脚に部分的且つ過大な歪みが発生するのを回避することができ、耐久性を良好となすことができる。
また組付時に支持ゴム脚に発生するゴム反力を小さくできるため、組付けを小さな力で容易に行うことができ、しかも組付完了状態で支持ゴム脚のばね剛性が過大とならず、適正なばね剛性を容易に付与することができる。
更に支持ゴム脚に軸線方向と軸線直角方向の両方向に予圧縮を与えた状態で組付けを行うことができるため、詳しくはエンジンのリバウンド方向の相対変位に対して支持ゴム脚が軸線方向のみならず軸線直角方向にも戻り変形することが可能であるため、しかも軸線方向と軸線直角方向の両方向に支持ゴム脚を弾性変形させることによって全体として十分な予備圧縮量を支持ゴム脚に予め付与しておくことができるため、エンジンのリバウンド方向への相対変位に対する支持ゴム脚の戻り変形のストローク(自由長)を大きく確保することが可能となる。
次に請求項2は、支持ゴム脚のみならずリバウンド側ゴム部もまた、軸線方向と軸線直角方向の拡がり方向に変形させた状態で、即ちそれら両方向に予圧縮を与えた状態でゴム弾性体を押込室に押し込み、ゴム弾性体(予備組付体)とアウタ部材とを組み付けるようになしたもので、この請求項2によれば、リバウンド側ゴム部に対しても十分な予圧縮量を付与することができるとともに、上記支持ゴム脚におけるのと同様に予圧縮に際してリバウンド側ゴム部に過大な歪みを発生させることもなく、またリバウンド側ゴム部のばね剛性が過大となってしまうことも回避できる。
更にリバウンド側ゴム部に大きな変形ストローク(自由長)を与えることができる。
しかもこの請求項2によれば、支持ゴム脚とリバウンド側ゴム部との両方に、軸線方向の圧縮変形と軸線直角方向の圧縮変形とをその組付時に同時に生ぜしめ得、軸線方向と軸線直角方向の予圧縮を与えることができる。
本発明では、請求項3に従い支持ゴム脚を先端部が開放形状の筒形状となしておくことができる。
このようにしておけば、支持ゴム脚の軸線方向を上下方向としてエンジンマウントを車両に取り付けたとき、車両前後方向にも左右方向にも支持ゴム脚による適正なばね剛性を与えることができる。
この場合において支持ゴム脚を断面円形の筒形状としておけば、前後方向にも左右方向にも同じばね剛性を与えることができる。
また請求項4に従い支持ゴム脚には周方向所定箇所に、支持ゴム脚の拡がり変形を助ける軸線方向のスリットを設けておくことができる。
このようにすれば、支持ゴム脚を小さな力で容易に軸線直角方向に拡がり変形させることができ、ひいてはその拡がり方向に大きな変形量即ち予圧縮量を与えることが可能となる。
本発明では、請求項5に従いリバウンド側ゴム部を先端部が開放形状の筒形状となしておくことができる。
ここでリバウンド側ゴム部においても周方向所定箇所に、リバウンド側ゴム部の拡がり変形を助ける軸線方向のスリットを設けておくことが可能である。
本発明では、支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部を、自由形状状態でそれぞれの先端部が開放形状の筒形状となすとともに、上記外壁部を対応する筒形状となし、そして押込完了状態で支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部のそれぞれの拡がり変形によって、ゴム弾性体が全体として鼓形状をなすように構成することができる(請求項6)。
この場合においてインナ部材には支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部の内径よりも大径且つ環状の押圧部を設けておき、インナ部材の支持ゴム脚の側への相対移動によりその押圧部にて支持ゴム脚を押圧し、またリバウンド側ゴム部の側への相対移動により押圧部にてリバウンド側ゴム部を押圧するようになしておくことができる(請求項7)。
このような押圧部をインナ部材に設けておくことにより、エンジンの上下方向の相対変位に対する防振作用を支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部にて良好に行わせることができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は本実施形態のエンジンマウントで、エンジン側への取付部材を兼ねたインナ金具(インナ部材)12と、車体側への取付部材を兼ねたアウタ金具(アウタ部材)14と、それらを連結する状態に間に介在させられたゴム弾性体16とを有している。
ここでゴム弾性体16とインナ金具12とはゴム弾性体16の加硫時に一体に固着され、図3に示す予備組付体18を構成している。
インナ金具12には中心部に雌ねじ孔20が設けられており、インナ金具12はこの雌ねじ孔20への締結ボルトのねじ込みによりエンジン側に固定される。
ゴム弾性体16は、図3に示す加硫時の自由形状の状態で上端及び下端が開放形状の全体として略円筒形状をなしており、後述の支持ゴム脚24を含むゴム弾性体16全体及びインナ金具12の軸線方向である上下方向の中央位置よりも若干上側の位置に、筒体を軸線直角方向に連結するように延びるゴム壁22が設けられている。
ゴム弾性体16は、そのゴム壁22の下側にエンジン荷重を下側から弾性支持する支持ゴム脚24を有し、また上側にリバウンド時に変位規制をなすリバウンド側ゴム部26を有しており、そして支持ゴム脚24が図中下向きに、リバウンド側ゴム部26が図中上向きに突出する状態でインナ金具12に固着されている。この固着はゴム弾性体16の加硫時において行われている。
インナ金具12は、軸線直角方向外方に円環状に突出するフランジ状の押圧部28を有しており、その押圧部28がゴム壁22の内部に埋め込まれている。
この押圧部28には周方向の複数箇所に上下に貫通した連結孔30が設けられおり、この連結孔30において押圧部28の下側のゴムと上側のゴムとが互いに連結されている。
尚、この実施形態ではインナ金具12とゴム弾性体16とは加硫接着されておらず、連結孔30におけるゴムの連結によってインナ金具12とゴム弾性体16とが固着されているが、必要に応じてインナ金具12とゴム弾性体16とを加硫接着しておいても良い。
インナ金具12にはまた、図中下向きに突出するバウンド側のストッパ部32が設けられており、そしてゴム弾性体16には、このストッパ部32を被覆するようにしてバウンド側のストッパゴム部34が設けられている。
ここで押圧部28は、その外径が支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26の内径よりも大径とされており、その外周面が筒形をなすゴム弾性体16の外周面近くに位置している。
支持ゴム脚24は、加硫時の自由形状において軸線方向にストレート形状をなす円筒形状をなしている。
詳しくは、支持ゴム脚24は内周面及び外周面の何れもが軸線方向に平行をなすストレート形状をなしている。そしてその先端部(下端部)の内周側と外周側には、向きが互いに逆向きをなすテーパ形状の被拘束面36,38が形成されている。
ここで内周側の被拘束面36は、ゴム弾性体16を上記のアウタ金具14に組み付ける際、支持ゴム脚24を拡がり変形させる際の被案内面となり、また組付完了状態においてアウタ金具14の後述の第1軸線方向拘束部60に接触し、拘束される面となる。
一方外周側の被拘束面38は、図1の組付完了状態でアウタ金具14の後述の第1軸線直角方向拘束部62に接触し、拘束される面となる。
尚この実施形態において、内周側の被拘束面36と外周側の被拘束面38とで形成される頂部は、支持ゴム脚24の肉厚の中心位置よりも外周側に位置している。
即ち、拡き変形の際の被案内面として働く内周側の被拘束面36が、外周側の被拘束面38に対しより広く且つ緩やかな傾斜角度で形成されている。
支持ゴム脚24には、図3(B)に示しているように周方向複数箇所(ここでは3箇所)に、支持ゴム脚24の軸線直角方向の拡がり変形を助けるための軸線方向のスリット40が設けられている。
ここでスリット40は鍵穴形状をなしおり、その上端部に部分円形状をなす大径部42が形成されている。
一方、リバウンド側ゴム部26は先端部(図中上端部)が若干軸線直角方向外向きに拡いた先拡がり形状をなしており、その先端面(上端面)が図1におけるアウタ金具14の後述の第2軸線方向拘束部64に接触し、拘束される被拘束面44とされ、またその外側面に、被拘束面44と直角をなし、アウタ金具14における後述の第2軸線直角方向拘束部66に接触し、拘束される被拘束面46が形成されている。
図2に示しているように、アウタ金具14は円筒形状をなす外壁部48を有している。
外壁部48は周壁部50と、上壁部52と、底壁部54とを有しており、内側にゴム弾性体16の押込室56を形成している。
また上壁部52には円形の開口58が形成され、その円形の開口58からインナ金具12が上向きに突き出している。
ここで円形の開口58は、その内径がインナ金具12の上記押圧部28の外径よりも小径とされており、上壁部52と押圧部28とが図中上下方向即ちインナ金具12の軸線方向に重複せしめられている。
外壁部48は図中下端のコーナー部に、支持ゴム脚24に対し軸線方向に当接し、支持ゴム脚24を軸線方向に予圧縮した状態に拘束する第1軸線方向拘束部60と、支持ゴム脚24に対し軸線直角方向に当接し、支持ゴム脚24の先端部を軸線直角方向に予圧縮し拘束する第1軸線直角方向拘束部62を備えている。
また図中上端のコーナー部に、リバウンド側ゴム部26に対し軸線方向に当接し、リバウンド側ゴム部26を軸線方向に予圧縮し且つ拘束する第2軸線方向拘束部64、及びリバウンド側ゴム部26に対し軸線直角方向に当接し、リバウンド側ゴム部26を軸線直角方向に予圧縮し且つ拘束する第2軸線直角方向拘束部66を備えている。
前記支持ゴム脚24は、アウタ金具14への組付状態で先端部の内周側の被拘束面36が第1軸線方向拘束部60に接触し、また外周側の被拘束面38が第1軸線直角方向拘束部62に接触し、それらにより軸線方向と軸線直角方向とに拘束される。
また組付状態でリバウンド側ゴム部26の上面の被拘束面44が第2軸線方向拘束部64に接触し、また外側面の被拘束面46が第2軸線直角方向拘束部66に接触し、それらによって軸線方向と軸線直角方向とに拘束される。
尚、ゴム弾性体16の押込室56は、図5に示すように上下(軸線方向)寸法が自由形状状態のゴム弾性体16の上下寸法よりも小寸法とされ、また径方向(軸線直角方向)寸法が支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26の各先端部よりも大径とされている。
但し押込室56は、後述するように支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26が軸線直角方向に拡き変形した後、それらに対し軸線直角方向に予圧縮を付与可能な径とされている。
この実施形態において、アウタ金具14は外壁部48の部分で第1分割体14-1と第2分割体14-2とに図中上下に、即ちゴム弾性体16及びインナ金具12の軸線方向に2分割されている。
外壁部48における上壁部52,周壁部50は第1分割体14-1の側に構成され、また底壁部54は第2分割体14-2の側に構成されている。
ここで第2分割体14-2は図4及び図5に示しているように平坦なプレート形状とされており、また第1分割体14-1は全体としてハット形状とされている。
これら第1分割体14-1と第2分割体14-2とのそれぞれには一対の固定部68,70が設けられており、それら固定部68,70が、それぞれに設けられた固定孔72において互いに固定されるようになっている。
アウタ金具14はこれら固定孔72において車体側に締結具にて締結固定される。
尚図1において、74はゴム弾性体16を外壁部48の内部に組み付ける際に支持ゴム脚24を拡がり変形案内する案内面を表しており、また76はリバウンド側ゴム部26を拡がり変形案内する案内面を表している。
この実施形態において、案内面74及び76は何れも軸線直角方向に平坦な面をなしている。
次に図4〜図6に基づいて本実施形態のエンジンマウント10の組付手順を説明する。
本実施形態では、アウタ金具14の第1分割体14-1と第2分割体14-2とを図4中上下方向に分離しておき、そしてそれらの間に図3の予備組付体18を位置させる。このときゴム弾性体16は加硫時の自由形状の状態にある。
この状態で第1分割体14-1と第2分割体14-2とを上下方向に接近させて行くと、図5に示しているようにあるところで支持ゴム脚24の先端が第2分割体14-2に接触し、またリバウンド側ゴム部26の先端が第1分割体14-1の上壁部52に接触する。
このとき、第1分割体14-1の固定部68と第2分割体14-2の固定部70とは上下方向に一定距離離れた状態にある。押込室56の上下方向寸法が、自由形状にあるゴム弾性体16の上下方向寸法よりも小寸法とされているからである。
本実施形態ではこの状態でゴム弾性体16を、即ちリバウンド側ゴム部26と支持ゴム脚24とを上下方向に挟み込むようにして、第1分割体14-1と第2分割体14-2とを互いに重ね合わせる。
詳しくはそれらの固定部68,70を互いに重ね合わせる。そして固定孔72においてそれら固定部68,70を固定する。
その際、図3に示す自由形状状態にあったゴム弾性体16は、支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26が図6の実線で示す形状から2点鎖線で示す形状に弾性的に形状変形し、押込室56内に押し込められた状態となる。
具体的には、図5に示す状態から第1分割体14-1と第2分割体14-2とを図中上下方向に接近させて行くと、支持ゴム脚24が上下方向に圧縮変形しながら同時にその先端部の位置移動を伴って径方向(軸線直角方向)に拡がり変形し、図1に示す組付完了状態で支持ゴム脚24の先端部が押込室56のコーナー部に収まった状態となる。
即ち、支持ゴム脚24の内周側の被拘束面36が外壁部50の第1軸線方向拘束部60に接触し、また外周側の被拘束面38が第1軸線直角方向拘束部62に接触した状態となる。
このとき、支持ゴム脚24はそれら第1軸線方向拘束部60及び第1軸線直角方向拘束部62によって、図中上下方向と径方向の内方とにそれぞれ圧縮変形した状態で、即ち予圧縮された状態で拘束される。
この支持ゴム脚24の拡がり変形の際、支持ゴム脚24はその先端面に対して当接する第2分割体14-2側の案内面74によって拡がり変形案内される。
この実施形態ではリバウンド側ゴム部26もまた、第1分割体14-1と第2分割体14-2とによる挟み込みによって、上下方向に圧縮変形するとともに径方向に拡がり変形し、そして図1に示す組付完了状態で、リバウンド側ゴム部26の被拘束面44が、外壁部48の第2軸線方向拘束部64に接触し、また外側面の被拘束面46が第2軸線直角方向拘束部66に接触した状態となる。
これら第2軸線方向拘束部64,第2軸線直角方向拘束部66は、リバウンド側ゴム部26を上下方向と径方向の内方とに予圧縮を加え、且つその状態にリバウンド側ゴム部26を拘束する。
このリバウンド側ゴム部26の拡がり変形に際しても、外壁部48の上壁部52の案内面76が、リバウンド側ゴム部26の先端の被拘束面44に当接し、リバウンド側ゴム部26に対する挟込みと同時にこれを拡がり変形案内する。
この実施形態において、エンジンマウント10は図1に示す向き及び状態で車両に取り付けられ(但し図1はエンジン荷重がかかっていない状態を示す)、支持ゴム脚24によってエンジン荷重を支持する。
このとき、インナ金具12は図1に示す状態からエンジンの荷重を受けて図中下向きに変位し、これに伴って支持ゴム脚24が図1に示す状態から変形を生ずる。
支持ゴム脚24は、その状態の下でエンジンと車体との相対的な上下動に伴って弾性変形し、車体とエンジンとの間で自身の弾性変形に基づいて防振作用をなす。
このときリバウンド側ゴム部26もまた弾性変形を生じ、アウタ部材14に対するインナ部材12の図中上向きの相対変位を弾性的に規制する。
またインナ金具12の上向きの移動量が多くなったときには、インナ金具12の押圧部28と外壁部48の上壁部52との当接によって、インナ金具12の上向きの過大な変位を阻止する。
支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26は、互いに協働して車両の前後方向及び左右方向にも弾性変形し、その弾性変形に基づいて車体とエンジンとの間で前後方向入力,左右方向入力を吸収し、同方向において車体とエンジンとの間で防振作用をなす。
また前後方向及び左右方向に大きな入力が加わったときには、押圧部28がゴム弾性体16を介して外壁部48の周壁部50に当り、或いは周壁部50に対するゴム弾性体16の接触面積を大きくし且つゴム弾性体16の変形量増大に伴う反発力の増大によって、それら前後方向及び左右方向の過大な変位を規制する。
以上のような本実施形態においては、アウタ金具14が従来の図12,13に示すストッパ金具224としての働きをなすことから、ストッパ金具を別途に必要とせず、エンジンマウント10を構成する所要部品点数を少なくすることができ、またその組付けのための工数も削減することができる。
またゴム弾性体16とアウタ金具14とは、押込室56へのゴム弾性体16の押込みによって互いに強固に連結された状態となるから、ゴム弾性体16とアウタ金具14との連結のためにそれらを加硫接着する必要が無く、従ってアウタ金具14に対する接着処理を省略でき、接着処理のために従来要していた工程を削減することが可能となる。
これによりエンジンマウントの全体の製造工程数を少なくし得て、エンジンマウント製造のコストを低減することができる。
また予備組付体18とアウタ金具14との組付けは、単にアウタ金具14の各分割体14-1,14-2でゴム弾性体16を上下方向に挟み込み、押込室56にこれを押し込んだ状態で各分割体14-1,14-2を締結するだけで良いので、予備組付体18とアウタ金具14との組付自体も簡単に行うことができる。
また本実施形態では、ゴム弾性体16の加硫時にアウタ金具14に対する固着は必要でなく、インナ金具12に対してだけ固着しておけば良いので、予備組付体18がコンパクトとなり、従ってゴム弾性体加硫時の成形型1個あたりの加硫品の取り個数を多くし得て、生産性を高めることができるとともに、エンジンマウント10のコスト低減に寄与することができる。
更に本実施形態では、組付けの際に支持ゴム脚24を上下方向のみならず径方向の拡がり方向にも変形させ、上下方向と径方向の両方向に支持ゴム脚24を予圧縮した状態に組付けをなすようにしていることから、組付けに際して支持ゴム脚24に部分的且つ過大な歪みが発生するのを回避することができ、耐久性を良好となすことができる。
また組付時に支持ゴム脚24に発生するゴム反力を小さくできるため、組付けを小さな力で容易に行うことができ、しかも組付完了状態で支持ゴム脚24のばね剛性が過大とならず、適正なばね剛性を容易に付与することができる。
更に支持ゴム脚24に上下方向と径方向の両方向に予圧縮を与えた状態で組付けを行うことができるため、詳しくはエンジンのリバウンド方向の相対変位に対して支持ゴム脚24が上下方向のみならず径方向にも戻り変形することが可能であるため、しかも上下方向と径方向の両方向に支持ゴム脚24を弾性変形させることによって全体として十分な予備圧縮量を支持ゴム脚24に予め付与しておくことができるため、エンジンのリバウンド方向の相対変位に対する支持ゴム脚24の戻り変形のストローク(自由長)を大きく確保することが可能となる。
またリバウンド側ゴム部26に対しても十分な予圧縮量を付与することができるとともに、予圧縮に際してリバウンド側ゴム部26に過大な歪みを発生させることもなく、またリバウンド側ゴム部26のばね剛性が過大となってしまうことも回避できる。
更にリバウンド側ゴム部26に大きな変形ストローク(自由長)を与えることができる。
しかも支持ゴム脚24とリバウンド側ゴム部26との両方に、上下方向の圧縮変形と径方向の圧縮変形とを、その組付時に同時に生ぜしめ得、上下方向と径方向の予圧縮を与えることができる。
本実施形態では、支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26を含むゴム弾性体16の形状を筒形状となしているため、車両前後方向にも左右方向にもゴム弾性体16による適正なばね剛性を与えることができる。
また更に支持ゴム脚24には、周方向所定箇所に支持ゴム脚24の拡がり変形を助ける上下方向のスリット40を設けているため、支持ゴム脚24を小さな力で容易に径方向に拡がり変形させることができ、ひいてはその拡がり方向に大きな変形量即ち予圧縮量を与えることが可能となる。
また本実施形態では押圧部28をインナ金具12に設けてあることから、エンジンの上下方向の相対変位に対する防振作用を支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26にて良好に行わせることができる。
上記実施形態では、支持ゴム脚24の拡がり変形を案内する案内面74が軸線直角方向の平坦な面として形成されているが、図7及び図8に示しているように、これをテーパ形状の案内面78となしておくことも可能である。
この実施形態では、案内面78によって図7に示すように外壁部48におけるコーナー部の内側に環状の溝80を形成しており、そこに支持ゴム脚24の先端部の一部が嵌り込んでそこに納まるようになっている。
尚、他の点については上記実施形態と同様であり、符号のみを示して詳しい説明は省略する。
次に図9〜図11は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態では、アウタ金具14が外壁部48の上下の中央位置で第1分割体14-1と第2分割体14-2とに上下に2分割されている。
これら第1分割体14-1と第2分割体14-2とは上下対称形状をなしており、外壁部48の上壁部52と周壁部50の半分が図中上側の第1分割体14-1側に構成され、また周壁部50の下半分と底壁部54とが図中下側の第2分割体14-2側に構成されている。
またこの実施形態では、外壁部50に横向きの開口82と、その開口82を内側に形成する筒状部84とが設けられている。
この実施形態ではまた、図11に示すように加硫時の自由形状の状態において支持ゴム脚24とリバウンド側ゴム部26とが上下対称形状で設けられている。
即ち、リバウンド側ゴム部26もまた支持ゴム脚24と同じく図中上下方向にストレート形状に形成され、支持ゴム脚24の側と同様に先端部の内周側にテーパ形状の被拘束面36が、また外周側にテーパ形状の被拘束面38が形成されている。
また周方向の複数個所(ここでは4個所)に上下方向のスリット40が形成されている。
この実施形態では、インナ金具86がプレート状をなしており、その先端部には上記実施形態と同様に環状且つ円形の大径の押圧部28が形成されている。そしてこの押圧部28から断面四角形状のアーム88が図中左向きに延び出している。
アーム88は図9の開口82から外部に突き出しており、そしてその端部の固定孔90においてエンジン側に固定される。
上記ゴム弾性体16は、この開口82の内側においてアーム86を取り囲む状態に形成されたストッパゴム部92を有している。ここでストッパゴム部92は、支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26と繋がった状態で一体に成形されている。
このストッパゴム部92は、アウタ金具14の筒状部84に当接してストッパ作用をなす。
この実施形態においても、アウタ金具14の第1分割体14-1と第2分割体14-2とで図11に示すゴム弾性体16、即ち支持ゴム脚24とリバウンド側ゴム部26とを上下方向に挟み込み、ゴム弾性体16を外壁部50の内側の押込室56に押し込む状態にゴム弾性体16に組み付けられ、全体のエンジンマウント10を構成する。
その組付けに対して、支持ゴム脚24,リバウンド側ゴム部26の何れも上下方向(軸線方向)と径方向(軸線直角方向)の拡がり方向に圧縮変形させられ、それら両方向に支持ゴム脚24及びリバウンド側ゴム部26が予圧縮された状態でアウタ金具14とともに組み付けられる。
以上本発明の実施形態を詳述したが、これらはあくまで一例示であり、本発明は非筒形のゴム弾性体を分割構造のアウタ金具で挟み込んで組み付けることにより構成されるエンジンマウントに対し適用することも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態のエンジンマウントを組付状態で示す断面図である。 同実施形態のエンジンマウントを組付状態で示す斜視図である。 同実施形態における予備組付体を示す図である。 同実施形態のエンジンマウントの組付けの要部工程を示す図である。 図4に続く要部工程を示す図である。 同実施形態におけるゴム弾性体の組付け前後の形状変化を示す図である。 本発明の他の実施形態のエンジンマウントの断面図を示す図である。 同実施形態のエンジンマウントの組付けの要部工程を示す図である。 本発明の更に他の実施形態のエンジンマウントを組付状態で示す断面図である。 同実施形態のエンジンマウントを組付状態で示す平面図である。 同実施形態における予備組付体を示す図である。 従来のエンジンマウントの例を示す図である。 図12のエンジンマウントを車両取付け前と取付け後の各状態を示す断面図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 インナ金具(インナ部材)
14 アウタ金具(アウタ部材)
14-1,14-2 分割体
16 ゴム弾性体
18 予備組付体
24 支持ゴム脚
26 リバウンド側ゴム部
28 押圧部
40 スリット
48 外壁部
56 押込室
60 第1軸線方向拘束部
62 第1軸線直角方向拘束部
64 第2軸線方向拘束部
66 第2軸線直角方向拘束部
68,70 固定部
74,76,78 案内面

Claims (7)

  1. エンジン側又は車体側の一方への取付部材としての剛性のインナ部材と、他方への取付部材としての剛性のアウタ部材と、それらインナ部材とアウタ部材とを連結する状態に間に介在せしめられたゴム弾性体とを有するエンジンマウントであって、
    前記ゴム弾性体は、エンジン荷重を支持する支持ゴム脚とリバウンド時に前記インナ部材の相対変位規制をなすリバウンド側ゴム部が該支持ゴム脚の軸線方向において互いに逆向きに突出する状態で該インナ部材に加硫時に固着してあって、該インナ部材とともに予備組付体を成しており、
    前記アウタ部材は、前記ゴム弾性体の押込室を内側に形成する外壁部を有しているとともに、該外壁部の部分で第1分割体と第2分割体とに分割され、それら第1分割体と第2分割体とで前記ゴム弾性体における前記リバウンド側ゴム部及び支持ゴム脚を前記軸線方向に挟み込み、該ゴム弾性体を前記押込室に押し込んだ状態で該第1分割体及び第2分割体のそれぞれに設けられた固定部で締結固定されるようになしてあり、
    且つ前記押込室は自由形状時の前記ゴム弾性体に対して前記軸線方向寸法が小、前記支持ゴム脚の先端部に対応する部分の軸線直角方向寸法が自由形状時の該支持ゴム脚の先端部の該軸線直角方向寸法よりも大とされていて、前記外壁部が、前記ゴム弾性体の前記軸線方向の挟込みにより前記支持ゴム脚の先端部の位置移動を伴って該支持ゴム脚を前記軸線直角方向に拡がり変形させた上、該軸線方向と拡がり方向との両方向に該支持ゴム脚を予圧縮した状態で前記ゴム弾性体を前記押込室に押し込むものとなしてあり、
    該外壁部には、押込完了状態で前記支持ゴム脚の先端面に前記軸線方向に当接して該支持ゴム脚に該軸線方向の予圧縮を加え且つ拘束する軸線方向拘束部及び該支持ゴム脚の先端部の外側面に対し前記拡がり方向に当接して該拡がり方向に予圧縮を与え且つ拘束する軸線直角方向拘束部がコーナー部に備えてあるとともに、前記挟込みによる押込み時に前記支持ゴム脚の先端面に軸線方向に当接して該支持ゴム脚の先端部の位置移動を伴って該支持ゴム脚を拡がり変形案内する案内面が備えてあることを特徴とするエンジンマウント。
  2. 請求項1において、前記押込室は、前記リバウンド側ゴム部の先端部に対応する部分の前記軸線直角方向寸法が自由形状時の該リバウンド側ゴム部の先端部の該軸線直角方向寸法よりも大とされていて、前記外壁部が、前記ゴム弾性体の前記軸線方向の挟込みにより該リバウンド側ゴム部の先端部の位置移動を伴って該リバウンド側ゴム部を該軸線直角方向に拡がり変形させた上、該軸線方向と拡がり方向との両方向に該リバウンド側ゴム部を予圧縮した状態で前記ゴム弾性体を前記押込室に押し込むものとなしてあり、
    該外壁部には、押込完了状態で前記リバウンド側ゴム部の先端面に前記軸線方向に当接して該リバウンド側ゴム部に該軸線方向の予圧縮を加え且つ拘束する軸線方向拘束部及び前記リバウンド側ゴム部の先端部の外側面に対し前記拡がり方向に当接して該拡がり方向に予圧縮を与え且つ拘束する軸線直角方向拘束部がコーナー部に備えてあるとともに、前記挟込みによる押込み時に前記リバウンド側ゴム部の先端面に軸線方向に当接して該リバウンド側ゴム部の先端部の位置移動を伴って該リバウンド側ゴム部を拡がり変形案内する案内面が備えてあることを特徴とするエンジンマウント。
  3. 請求項1において、前記支持ゴム脚は前記先端部が開放形状の筒形状をなしていることを特徴とするエンジンマウント。
  4. 請求項3において、前記支持ゴム脚には周方向所定箇所に該支持ゴム脚の前記拡がり変形を助ける軸線方向のスリットが設けてあることを特徴とするエンジンマウント。
  5. 請求項2において、前記リバウンド側ゴム部は前記先端部が開放形状の筒形状をなしていることを特徴とするエンジンマウント。
  6. 請求項2において、前記支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部は、自由形状状態でそれぞれの先端部が開放形状の筒形状をなしているとともに、前記外壁部が対応する筒形状をなしており、押込完了状態で該支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部のそれぞれの拡がり変形によって前記ゴム弾性体が全体として鼓形状をなしていることを特徴とするエンジンマウント。
  7. 請求項6において、前記インナ部材には前記支持ゴム脚及びリバウンド側ゴム部の内径よりも大径且つ環状の押圧部が設けられており、該インナ部材の前記支持ゴム脚の側への相対移動により該押圧部にて該支持ゴム脚を押圧し、前記リバウンド側ゴム部の側への相対移動により該押圧部にて該リバウンド側ゴム部を押圧するようになしてあることを特徴とするエンジンマウント。
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