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JP2008038844A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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JP2008038844A
JP2008038844A JP2006217146A JP2006217146A JP2008038844A JP 2008038844 A JP2008038844 A JP 2008038844A JP 2006217146 A JP2006217146 A JP 2006217146A JP 2006217146 A JP2006217146 A JP 2006217146A JP 2008038844 A JP2008038844 A JP 2008038844A
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rotor
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disk
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Tsutomu Takaada
勉 高阿田
Tsuyoshi Kabasawa
剛志 樺澤
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BOC Edwards Japan Ltd
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Abstract

【課題】ロータバランス修正作業が容易で、かつ、ロータ下部の円筒薄肉部を削るバランス修正に起因するロータの応力集中による破壊が起こらないターボ分子ポンプを提供する。
【解決手段】コラム挿入穴1aとアキシアル磁気軸受6の下側アキシアル電磁石6b外周部に設けた覗き穴61bとを通して、矢印A方向から、アキシアル磁気軸受6のディスク6d外周のネジ孔61dにバランス修正用ネジ20をねじ込んで回転体のバランス修正を行ない、バランス修正作業終了後は、ベース1下面の底蓋8を取り付けて、内部を外気から遮断する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ロータバランス修正が容易なターボ分子ポンプに関する。
ターボ分子ポンプは、ロータを数万r.p.m.の高速で回転して、ロータ翼とこれに微小間隔を保って交互に積層配置されたステータ翼との間で気体分子を叩くようにして気体を排気する。運転時のロータの回転速度が大きいので、ポンプを組み立て、高速回転させながら不釣合を測定し、バランス修正をしないと、ロータの静粛運転が保証できない。
ターボ分子ポンプのロータは、外周に薄肉の回転翼が多層設けられ、その下側にネジ溝ポンプ部の薄肉の円筒部を備えたものもある。そして、一般に、ロータ上部でロータ軸に一体に固定されている。ロータ軸は、軸受により支持され、モータにより回転駆動される。ターボ分子ポンプのロータ、ロータ軸のこのような構造上、ロータは、特にその下側での不釣合が大きくなりやすい。
ロータの下側でのバランス修正を、ロータの応力集中を起こしやすい円筒薄肉部で行なうのを避けて、ロータ軸下部に取り付けられたアーマチュアディスク(この発明におけるディスク)等で行なう技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1では、アーマチュアディスク等の外周縁にネジ孔を放射状に形成し、このネジ孔にバランス調整用雄ねじを埋め込んでバランス修正を行なうようにしている。バランス調整用雄ねじのねじ込み量調節や着脱は、ポンプの排気口か特別に設けた調整用孔を通して行なうようになっている。
しかし、特許文献1のようにアーマチュアディスク等のネジ孔と雄ねじでバランス修正するには、ポンプの排気口に新たに調整用の構造を追加するか、新たに設けた調整用孔が必要である。
すなわち、排気口を用いる場合は、図10に示すように、排気口15からアーマチュアディスク6dの外周縁に向けた通し孔1b、2bを、ベース1やステータコラム2に新たに設けなければならない。この通し孔1b、2bは、バランス調整後もそのままにしておくと、パージガスが通し孔1b、2bより噴出してしまうため、アキシアル磁気軸受6の内部空間、保護用ベアリング18、ラジアル磁気軸受5、モータ7の各隙間に充分に流れることができず、パージガスによる保護ができないおそれがある。
よって、腐食性ガス排気時に腐食性ガスが磁気軸受5、6、モータ7、保護用ベアリング18を腐食するおそれがある。このような腐食を防ぐには、通し孔1b、2bの密閉手段も準備する必要があり、排気口15側からアーマチュアディスク6d等にバランス修正作業を行なうことは、部品点数増、工数増によるコスト上昇になって、あまり経済的でない。
また、調整用孔を新たに設ける場合は、調整用孔とこれを密閉する密閉手段が必要で、これも部品点数増、工数増によるコスト上昇になって経済的ではない。
なお、図10において、3はロータ、6a、6bはアキシアル電磁石、6cはアキシアル電磁石6a、6b間の環状スペーサ、6cnは環状スペーサ6cの切欠きである。
実開平6−14490号公報(要約、請求項3)
この発明は、ロータの下側でのバランス修正を、ロータの円筒薄肉部で行なわず、排気ガスの腐食雰囲気に曝されにくく、高速回転による遠心力の影響も比較的少ないアキシアル軸受のディスクで行ない、排気経路以外のポンプの既存の開口部からディスクのバランス修正部にネジを着脱、出し入れ調節したり、ディスクのバランス修正部を部分的に除去することにより、上述の問題点を解決し、組立後の回転体バランス修正作業の効率がよいターボ分子ポンプを提供するものである。
上述の課題を解決するために、この発明は、回転部保持体と、上記回転部保持体に空隙を保って配置されたロータ軸と、上記ロータ軸と一体に保持されるロータと、上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に半径方向に保持するラジアル軸受と、上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に軸線方向に保持するアキシアル軸受と、上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転駆動するモータと、上記回転部保持体の下部に配設され、上記アキシアル軸受を収納する収納空間と、上記回転部保持体の下面に取り付けられ、上記収納空間を外部から閉鎖する底蓋とを有し、上記アキシアル軸受が、回転部保持体に取り付けた上側アキシアル保持部および下側アキシアル保持部と、これらのアキシアル保持部間に配設され、ロータ軸に取り付けたディスクとからなっているターボ分子ポンプにおいて、上記ディスクにバランス修正部を設け、上記下側アキシアル保持部の外周部には、上記底蓋側から上記バランス修正部を透視可能な覗き穴を設ける。
上記の発明において、上記バランス修正部が、ディスクのピッチ円上にロータ軸線の軸線方向に設けた複数のネジ孔と、上記ネジ孔にねじ込むバランス修正用ネジとを有するようにしてもよい。
上述の課題を解決するために、また、この発明は、回転部保持体と、上記回転部保持体に空隙を保って配置されたロータ軸と、上記ロータ軸と一体に保持されるロータと、上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に半径方向に保持するラジアル軸受と、上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に軸線方向に保持するアキシアル軸受と、上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転駆動するモータと、上記回転部保持体の側面に設けられたパージガス導入用のパージポート穴と、上記回転部保持体に設けられたパージガス導入用の径方向貫通穴とを有し、上記アキシアル軸受が、回転部保持体に取り付けた上側アキシアル保持部および下側アキシアル保持部と、これらのアキシアル保持部間に介挿され、径方向貫通部を有する径方向貫通部付き環状スペーサと、この環状スペーサ内側に配設され、ロータ軸に取り付けたディスクとからなっているターボ分子ポンプにおいて、上記ディスクにバランス修正部を設け、上記パージポート穴、回転部保持体の径方向貫通穴および環状スペーサの径方向貫通部を一直線状に配置して上記バランス修正部をパージポート側から透視可能とする。
上記の発明において、上記バランス修正部が、ロータ軸線の半径方向に設けた複数のネジ孔と、上記ネジ孔にねじ込むバランス修正用ネジとを有するようにしてもよい。
また、上記の発明において、上記バランス修正部が、部分的に除去されてバランス修正されるようになっているようにしてもよい。
この発明においては、アキシアル軸受の下側アキシアル保持部外周部に設けた覗き穴を通して、ポンプ下側からアキシアル軸受のディスクのバランス修正部に設けたネジ孔にバランス修正用ネジをねじ込み、あるいは、バランス修正部を部分的に除去して、バランス修正作業をし、または、パージポート穴を通して、ポンプ側面からアキシアル軸受のディスクのバランス修正部に設けた外周のネジ孔にバランス修正用ネジをねじ込み、あるいは、バランス修正部を部分的に除去して、バランス修正作業をする、というように、排気経路以外のポンプの既存の開口部からディスクのバランス修正部にネジを着脱、出し入れ調節あるいはバランス修正部を部分的に除去するようにしたから、ロータの下側でのバランス修正作業を短時間で効率よく行なうことができる。
排気口からディスクにネジを着脱、出し入れ調節する従来のバランス修正が、特別のパージガス洩れ防止用密閉手段を要するのと比べて、この発明では、既存の開口部に何ら手を加えなくても、パージガス洩れによる効率低下のおそれがない。
アキシアル軸受のディスクは、排気ガスの腐食雰囲気に曝されにくく、高速回転による遠心力の影響も比較的少ないから、腐食や変形によるバランス修正部分の変化が起こりにくく、長期間の使用にも回転体部分のバランスが維持される。
[第1の実施形態]
この発明の第1の実施の形態を、以下、図1〜図6を参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大断面図、図3は、図1におけるディスクを示し、(a)は断面図、(b)は平面図、図4は、図1における下側アキシアル電磁石を示し、(a)は断面図、(b)は平面図、図5は、図1における環状スペーサを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、図6(a)は、図2におけるバランス修正作業状況を示す断面図、図6(b)は、図6(a)に対応する従来例でのバランス修正作業状況を示す断面図である。
図1において、1はベース、2はステータコラム、3はロータ軸、4はロータ、5はラジアル磁気軸受、6はアキシアル磁気軸受、7はモータである。
上記ベース1の中央には、コラム挿入穴1aが設けられている。円筒状のステータコラム2は、コラム挿入穴1aに上側から下部が挿入嵌合され、ボルト結合されて、ベース1の中央上方に突設されている。なお、ベース1とステータコラム2とをボルト結合する代わりに、ベース1とステータコラム2とを一体に形成することもできる。
コラム挿入穴1aは、ベース1の下面に取り付けられた底蓋8により塞がれている。
上記ロータ軸3は、その上部で結合して上記ロータ4を一体に保持し、ステータコラム2の内筒内に空隙を保って回転自在に挿入されている。
すなわち、ロータ軸3とステータコラム2の間には、上記ラジアル磁気軸受5とアキシアル磁気軸受6が配設され、上記ステータコラム2がロータ軸3を回転自在に保持するために、ラジアル磁気軸受5がロータ軸3を半径方向に保持し、アキシアル磁気軸受6がロータ軸3を軸線方向に保持している。
また、ロータ軸3とステータコラム2の間には、上記モータ7が配設され、このモータ7が上記ステータコラム2に対してロータ軸3、ロータ4を回転駆動するようになっている。
両磁気軸受5、6とモータ7のそれぞれのステータコラム2側の部材とロータ軸3側の部材との間には、若干の空隙があって、磁気軸受5、6の各空隙が制御されることにより、ロータ軸3、ロータ4は空間上に安定保持され、モータ7により高速回転される。
上述のように、ベース1とステータコラム2とは、一体化されてロータ軸3、ロータ4等の高速回転部分を保持する回転部保持体を形成している。
アキシアル磁気軸受6の構成について、いま少し細かく説明すると、アキシアル磁気軸受6のステータコラム2に取り付けた静止部分として、上側アキシアル電磁石(上側アキシアル保持部)6aおよび下側アキシアル電磁石(下側アキシアル保持部)6bが切欠付き環状スペーサ6c(図5参照)を挟んで上下に配置され、アキシアル磁気軸受6のロータ軸3に取り付けた回転部分として、ディスク6dが両アキシアル電磁石6a、6b間に、スペーサ6cのリング内側に配設されている。そして、上下のアキシアル電磁石6a、6bに挟まれてディスク6dがアキシアル方向に保持され、更に、上下のアキシアル電磁石6a、6bに流れる制御電流に応じて、ディスク6dがアキシアル方向に位置制御され、回転体の上下方向位置が安定して制御される。
11は、上記ベース1の上方に取り付けられ、ステータコラム2、ロータ軸3、ロータ4を収容する円筒状のケーシング、12、12、‥‥は、上記ケーシング11の上部内壁面に軸方向に重畳して取り付けられた複数のステータ翼である。このステータ翼12、12、‥‥は、上記ロータ4の上部外周に形成された複数のロータ翼4a、4a、‥‥と微小な隙間を保って交互に重ね合わされ、ロータ翼4a、4a、‥‥とステータ翼12、12、‥‥とでターボ分子ポンプ部を形成している。
13は、ベース1と上記ステータ翼12、12、‥‥との間のケーシング11の内壁に設けられ、内周面にネジ溝13aを形成したネジステータである。このネジステータ13のネジ溝13aは、上記ロータ4下部の薄肉円筒状のスカート部4bの外周面と近接対向し、ネジ溝13aとスカート部4bとでネジ溝ポンプ部を形成している。
14はポンプの吸気口、15は排気口、16はベース1の側面に設けられたパージガス導入用のパージポート穴、17は、パージポート穴16の入口に取り付けたパージポートである。吸気口14は、ポンプ上部に、排気口15とパージポート穴16とは、ベース1内にそれぞれ設けられている。
上記ステータコラム2には、パージポート穴16に対向する部分に径方向貫通穴2aが設けられている。そして、上側アキシアル電磁石6aと下側アキシアル電磁石6bとの間に介挿された上記切欠付き環状スペーサ6cの切欠き6cnは、この径方向貫通穴2aに対向して配置されていて、径方向貫通穴2aと切欠き6cnを通してパージガスが磁気軸受5、6、モータ7等の内部隙間に導入されるようになっている。
この実施の形態では、環状スペーサ6cに切欠き6cnを設けて径方向貫通部としたが、切欠きに代えて環状スペーサ6cに貫通穴を設けて径方向貫通部としてもよい。
18は、ステータコラム2とロータ軸3との間に設けられた保護用ベアリングである。この保護用ベアリング18は、停電や回路異常時など磁気軸受の制御不能時等に、磁気軸受5、6とモータ7の各ステータコラム側とロータ軸側との接触を防止するためのものである。
図1のターボ分子ポンプでは、ロータの高速回転により、ターボ分子ポンプ部、ネジ溝ポンプ部の作用で、真空室等に接続した吸気口14からガスを吸気し、吸気されたガスは、ターボ分子ポンプ部、ネジ溝ポンプ部の順に通過して、排気口15から排気口15側に接続された補助ポンプ等側に排気される。
以上の構成は、周知の部分である。
次に、この発明の特徴部分を説明する。
ロータ軸3、ロータ4、磁気軸受5、6のロータ軸3側、および、モータ7のロータ軸3側からなる回転体は、高速回転時の振動を防止するために、通常、2面バランス修正が施されるが、この発明では、2面のうち下側のバランス修正面のバランス修正部として、ポンプ運転中腐食雰囲気に曝されることの多いスカート部4bを避け、また、そのために特別の部品を付加することを避け、既存の部品であるアキシアル磁気軸受6のディスク6dを使用する。
また、バランス修正はポンプ組立後に行なうものであるから、バランス修正作業の前後に特別の作業を必要としたり、特別の部品を準備したりすることがないようにしている。
図2において、上側アキシアル電磁石6aの下面には、円環状の溝60aが、下側アキシアル電磁石6bの上面には、円環状の溝60bが、それぞれ設けられている。これらの溝60a、60bは、ディスク6dが回転するとき、後述するバランス修正用ネジ20の公転軌跡との干渉を避ける逃げ溝の役目をする。
ディスク6dの外周は、下面を凹ませて凹み60eを形成し、外周の厚みを薄くして段差60dとなっている。この実施の形態では、段差60dがバランス修正部60cとなっている。
ディスク6dの薄肉とした上記段差60d(バランス修正部60c)には、図3に示すように、そのバランス修正部ピッチ円p上等間隔に複数のネジ孔61dがロータ軸線の軸線方向に貫通穿設されている。
下側アキシアル電磁石6bの外周部には、ディスク6dの上記バランス修正部ピッチ円p上に対向させて、覗き穴61bが設けられている(図4参照)。この覗き穴61bは、底蓋8側から透視可能になっている。これにより、バランス修正部60cは、底蓋8側から覗き穴61bを通して透視可能である。
上記ネジ孔61dには、頭部付きのバランス修正用ネジ20がねじ込まれるようになっている。このバランス修正用ネジ20のねじ部がネジ孔61dにねじ込まれ、バランス修正用ネジ20の頭部20aを段差60dの凹み60eに位置させる。これにより、バランス修正用ネジ20の重心は、ディスク6dの重心とその高さがほぼ一致する。
このように、頭部20a付きのバランス修正用ネジ20を用いるのは、ネジのバランス修正質量を大きくして、バランス修正が効きやすくするためである。しかし、ディスク6dが高速回転すると、質量の大きい頭部20aに生じる遠心力が、薄板状のディスク6dを反りかえすように変形させ、アキシアル磁気軸受6の電磁石6a、6bとディスク6dとの間隔を微妙に変動させ、回転体の軸線方向の制御を不安定にするおそれがある。そこで、この実施の形態では、頭部20aを凹み60eに位置させ、バランス修正用ネジ20重心のディスク6d重心からの上下方向ずれを少なくして、頭部20aの遠心力の影響を減らし、ディスク6dの反りかえり変形を防止している。
バランス修正作業時には、回転体の不釣合測定値に応じて、所定の角度位置のネジ孔61dに、所定の質量のバランス修正用ネジ20をねじ込んで、不釣合を解消する。バランス修正用ネジ20は、矢印Aの方向からコラム挿入穴1a、覗き穴61bを通して工具を入れてねじ込む。
バランス修正用ネジ20を矢印A(図1参照)側から工具でねじ込んだり取り外したりする作業は、コラム挿入穴1a、細い覗き穴61bの先であるので、操作しにくく、バランス修正用ネジ20を落としやすい。そこで、この実施の形態では、上記覗き穴61bのディスク6d側開口部のロータ軸心から最遠の部分fが、ディスク6dを囲う壁面(スペーサ6cの内周面)wに等しいか壁面wよりもロータ軸心から遠くしてある。
このようにすると、図6(a)に示すように、工具先端からバランス修正用ネジ20が外れたとき(20(1))、下側アキシアル電磁石6bの上面に引っ掛かって手元に戻らない、ということがなく、ネジの自重で落下してバランス修正用ネジ20を回収することができる(20(2))。もしも、図6(b)に示すように、覗き穴61bのディスク6d側開口部のロータ軸心から最遠の部分fが、ディスク6dを囲う壁面(スペーサ6cの内周面)wよりもロータ軸心側になっていると、バランス修正用ネジ20を回収する際、下側アキシアル電磁石6bの上面の段差部kに引っ掛かかりやすくなる。
ネジ孔61dの角度位置は予め決まっており、バランス修正用ネジ20の質量も使用範囲が限られるから、一般には、ひとつの修正用ネジ20で済むことはなく、複数の修正用ネジ20をねじ込んだり、あるいは、全てのネジ孔61dに修正用ネジ20をねじ込んでおいて、修正用ネジ20の質量を加減しながらバランス修正する。
バランス修正作業後は、底蓋8を閉じるだけでよく、覗き穴61bを密封する必要は全くないから、バランス修正作業も、バランス修正用の構造も簡単である。
[第2の実施形態]
この発明の第2の実施の形態を、図7および図8を参照して説明する。図7は、この発明の第2の実施形態を示す要部拡大断面図、図8は、図7のVIII−VIII断面図である。
第2の実施の形態は、上述の第1の実施の形態と同様、ディスクのバランス修正部にバランス修正用ネジをねじ込んで下側のバランス修正面のバランス修正を行なうのであるが、第1の実施の形態と異なる点は、ディスクのバランス修正部にロータ軸線の半径方向から、パージポート穴を通してバランス修正用ネジをねじ込む点である。
図7において、第1の実施の形態と同じ部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。ディスク26d外周のバランス修正部60cにロータ軸線の半径方向に複数のネジ孔261dが等間隔で設けてある。
上記ネジ孔261dには、頭部なしのバランス修正用ネジ21がねじ込まれるようになっている。
ディスク26dのバランス修正部60cは、一直線状に配置されたパージポート穴16、回転部保持体の径方向貫通穴2a、環状スペーサ径方向貫通部6cnを通して、パージポート17側から透視可能となっている。
バランス修正作業時には、回転体の不釣合測定値に応じて、所定の角度位置のネジ孔261dに、所定の質量のバランス修正用ネジ21をねじ込んで、不釣合を解消する。バランス修正用ネジ21は、矢印Aの方向にパージポート穴16から工具を入れてねじ込む。
ネジ孔261dがロータ軸線の半径方向に設けてあるから、極微小なバランス修正はネジ21を少しずつ出し入れすることで行なうことができる。
ネジ孔261dの角度位置は予め決まっているから、一般には、ひとつの修正用ネジ21で済むことはなく、複数の修正用ネジ21をねじ込んだり、あるいは、全てのネジ孔261dに修正用ネジ21をねじ込んでおいて、修正用ネジ21の出入りを加減しながら、また、場合により、質量の異なる修正用ネジに交換して、バランス修正する。
バランス修正作業後は、パージガスの洩れの問題がないから、特別の密封作業等は必要ない。
[第3の実施形態]
この発明の第3の実施の形態を図9を参照して説明する。図9は、この発明の第3の実施形態を示す要部拡大断面図である。
第3の実施の形態の、上述の第1の実施の形態と異なる点は、ディスクを削除してバランス修正を行なう点である。図9において、図2と同じ部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9において、60rは、ディスク6dのバランス修正部60cを削ってバランスを修正した除去部、Tは、バランス修正部60cを削るルータである。
バランス修正作業時には、回転体の不釣合測定値に応じて、所定の角度位置、所定の質量60rをルータTで削り取り、不釣合を解消する。ルータTは、矢印Aの方向からコラム挿入穴1a、覗き穴61bを通してルータTを挿入する。削り取る角度位置は、予めネジ孔を所定間隔で設ける第1の実施の形態と異なり、任意の角度位置とすることができる。
バランス修正部60cを部分的に除去してバランス修正するには、上記第3の実施形態の他、図7の第2の実施形態のように、パージポート穴16、回転部保持体の径方向貫通穴2aおよび環状スペーサの径方向貫通部6cnを一直線状に配置してバランス修正部60cをパージポート17側から透視可能として、ここからルータTを矢印Aの方向に挿入し、バランス修正部60cの外径部を部分的に除去してバランス修正するようにしてもよい。
また、バランス修正部60cを部分的に除去してバランス修正するには、ルータ等の切削工具による他、バランス修正部60cを化学的あるいは熱的に溶解等して除去することもできる。
上述の実施の形態では、軸受は全て正確、安定した制御を行ないやすい磁気軸受を使用したが、この発明は無給油軸受、流体軸受等、他の軸受を使用したターボ分子ポンプにも適用することができる。
この発明の第1の実施形態を示す縦断面図。 図1の要部拡大断面図。 図1におけるディスクを示し、(a)は断面図、(b)は平面図。 図1における下側アキシアル電磁石を示し、(a)は断面図、(b)は平面図。 図1におけるスペーサを示し、(a)は平面図、(b)は側面図。 (a)は図2におけるバランス修正作業状況を示す断面図、(b)は従来例におけるバランス修正作業状況を示す断面図。 この発明の第2の実施形態を示す要部拡大断面図。 図7のVIII−VIII断面図。 この発明の第3の実施形態を示す要部拡大断面図。 特許文献1を説明する縦断面図。
符号の説明
1 ベース
1a コラム挿入穴
2 ステータコラム
2a 径方向貫通穴
3 ロータ軸
4 ロータ
4a ロータ翼
4b スカート部
5 ラジアル磁気軸受
6 アキシアル磁気軸受
6a 上側アキシアル電磁石(上側アキシアル保持部)
6b 下側アキシアル電磁石(下側アキシアル保持部)
6c 環状スペーサ
6cn 径方向貫通部(切欠き)
6d ディスク
7 モータ
8 底蓋
11 ケーシング
12 ステータ翼
13 ネジステータ
13a ネジ溝
14 吸気口
15 排気口
16 パージポート穴
17 パージポート
18 保護用ベアリング
20 バランス修正用ネジ
21 バランス修正用ネジ
26d ディスク
60a 溝
60b 溝
60c バランス修正部
60d 段差
60e 凹み
61b 覗き穴
61d ネジ孔
261d ネジ孔
f 覗き穴61bのロータ軸心から最遠の部分
p ディスク6dのバランス修正部ピッチ円
w ディスク6dを囲う壁面
T ルータ

Claims (7)

  1. 回転部保持体と、
    上記回転部保持体に空隙を保って配置されたロータ軸と、
    上記ロータ軸と一体に保持されるロータと、
    上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に半径方向に保持するラジアル軸受と、
    上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に軸線方向に保持するアキシアル軸受と、
    上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転駆動するモータと、
    上記回転部保持体の下部に配設され、上記アキシアル軸受を収納する収納空間と、
    上記回転部保持体の下面に取り付けられ、上記収納空間を外部から閉鎖する底蓋と
    を有し、
    上記アキシアル軸受が、回転部保持体に取り付けた上側アキシアル保持部および下側アキシアル保持部と、これらのアキシアル保持部間に配設され、ロータ軸に取り付けたディスクとからなっているターボ分子ポンプにおいて、
    上記ディスクにバランス修正部を設け、上記下側アキシアル保持部の外周部には、上記底蓋側から上記バランス修正部を透視可能な覗き穴を設けたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 上記バランス修正部が、ディスクのピッチ円上にロータ軸線の軸線方向に設けた複数のネジ孔と、上記ネジ孔にねじ込むバランス修正用ネジとを有する請求項1記載のターボ分子ポンプ。
  3. 上記ピッチ円に沿ってディスクの厚みを薄くして段差を設け、上記バランス修正用ネジの頭部がこの段差の凹みに位置するようにした請求項2記載のターボ分子ポンプ。
  4. 上記覗き穴のディスク側開口部のロータ軸心から最遠の部分が、ディスクを囲う壁面に等しいか壁面よりもロータ軸心から遠くなっている請求項2記載のターボ分子ポンプ。
  5. 回転部保持体と、
    上記回転部保持体に空隙を保って配置されたロータ軸と、
    上記ロータ軸と一体に保持されるロータと、
    上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に半径方向に保持するラジアル軸受と、
    上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転自在に軸線方向に保持するアキシアル軸受と、
    上記ロータ軸と回転部保持体との間に設けられ、ロータ軸を回転駆動するモータと、
    上記回転部保持体の側面に設けられたパージガス導入用のパージポート穴と、
    上記回転部保持体に設けられたパージガス導入用の径方向貫通穴と
    を有し、
    上記アキシアル軸受が、回転部保持体に取り付けた上側アキシアル保持部および下側アキシアル保持部と、これらのアキシアル保持部間に介挿され、径方向貫通部を有する径方向貫通部付き環状スペーサと、この環状スペーサ内側に配設され、ロータ軸に取り付けたディスクとからなっているターボ分子ポンプにおいて、
    上記ディスクにバランス修正部を設け、上記パージポート穴、回転部保持体の径方向貫通穴および環状スペーサの径方向貫通部を一直線状に配置して上記バランス修正部をパージポート側から透視可能とした
    ことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  6. 上記バランス修正部が、ロータ軸線の半径方向に設けた複数のネジ孔と、上記ネジ孔にねじ込むバランス修正用ネジとを有する請求項5記載のターボ分子ポンプ。
  7. 上記バランス修正部が、部分的に除去されてバランス修正されるようになっている請求項1または5に記載のターボ分子ポンプ。
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