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JP2008026570A - マルチビーム光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

マルチビーム光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2008026570A
JP2008026570A JP2006198583A JP2006198583A JP2008026570A JP 2008026570 A JP2008026570 A JP 2008026570A JP 2006198583 A JP2006198583 A JP 2006198583A JP 2006198583 A JP2006198583 A JP 2006198583A JP 2008026570 A JP2008026570 A JP 2008026570A
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Akihisa Itabashi
彰久 板橋
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Abstract

【課題】複数の走査ビームが主走査方向において間隔を有する場合に、対向するそれぞれの側で形成する画像の副走査方向の走査間隔を狙いの走査間隔に補正することができるマルチビーム光走査装置を実現する。
【解決手段】複数の光源部31,32から射出した複数の光束を偏向器5の異なる偏向反射面5A,15Aにより偏向し、対応する被走査媒体7,17上を複数の光束8A,8B,18A,18Bにより走査し、被走査媒体上を走査する複数の光束は主走査方向に間隔を有し、該複数の光束のうち、主走査方向において先行する光束8A,18Aと、被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、同じ光束であるマルチビーム光走査装置において、同一の偏向反射面により偏向される光束の被走査媒体上の間隔は、被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より狭くなるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビームピッチ補正手段を有するマルチビーム光走査装置及び、そのマルチビーム光走査装置を備えたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザプロッタ、レーザファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置における画像記録において、高精細な画像品質を得るための画像形成手段として、光走査装置を用いた画像形成方法が広く用いられている。例えば電子写真方式の画像形成装置の場合、感光性を有する像担持体(例えば感光体ドラム)の軸方向に偏向器の一つであるポリゴンミラーを用いて光束を走査(主走査)しつつ、感光体ドラムを回転させ(副走査)、静電潜像を形成する方法が一般的である。そして、このような電子写真方式の画像形成装置の分野では、画像の高密度化及び画像出力の高速化が求められている。
上記の画像の高密度化と画像出力の高速化を両立する方法としては、ポリゴンミラーの高速回転化が考えれれるが、ポリゴンミラーを高速回転化すると、騒音の増大、消費電力の増大、耐久性の劣化を生じてしまう。そこで、このような問題を防ぐ方法として、光走査装置の光源をマルチビーム化する方式がある。
ここで一例として、特許文献1(特開2004−126482公報)には、半導体レーザアレイ(LDA)を複数組み合わせた光源装置が開示されており、さらには、各LDAからの射出光束が主走査方向に間隔を有する場合に、感光体の移動を考慮して副走査方向の走査間隔を補正することが記載されている。
また、特許文献2(特開2004−163588公報)には、半導体レーザ(LD)を複数組み合わせた光源装置が開示されており、さらには、各LDからの射出光束が主走査方向に間隔を有する場合に、感光体の移動を考慮して光スポットの副走査方向の間隔を狙いの間隔と異ならせることにより、画像とした場合に所望の間隔となるように設定するという内容が記載されている。
特開2004−126482公報 特開2004−163588公報
複数の半導体レーザ(LD)を組み合わせて光源ユニットを構成する場合において、感光体を走査するビームが主走査方向に間隔を有する場合、前述の特許文献1や特許文献2に開示されるように、先行ビームが感光体上に潜像を形成後、後行ビームが同じ像高を照射するまでに時間間隔が空いてしまうため、その間に感光体は移動してしまう。その結果、先行ビームによる潜像と後行ビームによる潜像の副走査方向の間隔が走査ビームの間隔とは異なる間隔になってしまう。
上記従来技術では、その対策として、あらかじめ狙いの間隔と走査ビームの間隔を異ならせて補正することにより対応している。
しかし、ポリゴンミラーを間に配置して対向するように光学系を配置するタンデム対応の走査光学系の場合、光源ユニットの構成を同一にすると、対向走査のそれぞれで先行するビームが異なることから、片方の側に合わせて補正を行うと反対側では逆補正に成り、さらに狙い値から外れてしまうという課題がある。すなわち、特許文献1,2に記載の従来技術では、ポリゴンミラーに対して光学系を対向させた配置を取り、複数の感光体を同時に走査する場合の課題に関しては考慮されていない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、マルチビーム光源を用いて書き込みを行う対向走査方式の光走査装置において、複数の走査ビームが主走査方向において間隔を有する場合に、対向するそれぞれの側で形成する画像の副走査方向の走査間隔を狙いの走査間隔に補正することができる、新規な構成のマルチビーム光走査装置を提供することを目的とする。また、本発明は、そのマルチビーム光走査装置を備え、高密度・高速で、色ずれの少ないフルカラー対応の画像形成装置を提供することを目的とする。
より詳しく述べると、本発明は以下のようなことを課題としている。
(1)被走査媒体上の走査光束において、先行する光束が主走査方向及び副走査方向の両方一致する場合に、形成する画像(静電潜像)の副走査方向の走査間隔を狙いの走査間隔に補正する手段を有するマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(2)被走査媒体上の走査光束において、先行する光束が主走査方向及び副走査方向で異なる場合に、形成する画像(静電潜像)の副走査方向の走査間隔を狙いの走査間隔に補正する手段を有するマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(3)偏向器を挟んで対向するそれぞれの走査光学系の走査光束により、被走査媒体上に形成される静電潜像の間隔を狙いの間隔にすることができるマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(4)光路中に光路変換光学素子を配置することにより、複数の走査光束の副走査方向の配列を逆にし、対向する走査光学系と被走査媒体上での光束の配列を同じにすることができるマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(5)複数の光束を射出する光源部の構成を同じにすることにより、部品の共通化を図ることができるマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(6)光源部において、光束の発光点の配列を偏向器を挟んで対向する側に対し逆に配列することにより、走査光学系における光源以降の光学素子を略対称に配置し、部品の共通化を図ることができるマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(7)上記の(1)または(2)の課題を解決するための条件を満たすマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(8)光源部から射出される光束の波長を規定することにより、被走査媒体上におけるビームスポット径を小さくし、高密度化を達成することができるマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(9)光源部の構成を単純な構成にするとともに、走査光束数を増やすことができるマルチビーム光走査装置を提供することを課題とする。
(10)高密度・高速で色ずれの少ないカラー画像形成装置を提供することを課題とする。
(11)ネットワーク通信機能を有し、複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することを課題とする。
上述の課題を解決するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、複数の光源部から射出した複数の光束を偏向器の異なる偏向反射面により偏向し、対応する被走査媒体上を複数の光束により走査し、前記被走査媒体上を走査する複数の光束は主走査方向に間隔を有し、該複数の光束のうち、前記主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、同じ光束であるマルチビーム光走査装置において、同一の偏向反射面により偏向される光束の前記被走査媒体上の間隔は、前記被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より狭いことを特徴とする。
本発明の第2の手段は、複数の光源部から射出した複数の光束を偏向器の異なる偏向反射面により偏向し、対応する被走査媒体上を複数の光束により走査し、前記被走査媒体上を走査する複数の光束は主走査方向に間隔を有し、該複数の光束のうち、前記主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、異なる光束であるマルチビーム光走査装置において、同一の偏向反射面により偏向される光束の前記被走査媒体上の間隔は、前記被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より広いことを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段のマルチビーム光走査装置において、前記偏向器の任意の偏向反射面により偏向される複数の光束は、対応する被走査媒体上において、主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、同じ光束であり、前記と異なる偏向反射面により偏向される複数の光束は、対応する被走査媒体上において、主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、異なる光束であることを特徴とする。
本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段のマルチビーム光走査装置において、光路変換光学素子を有し、該光路変換光学素子は前記偏向器を挟んで対向して配置される光学系の片方の側は、他方の側より奇数個多く配置されることを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段のマルチビーム光走査装置において、複数の光束を射出する光源部の発光部の配置は、マルチビーム光走査装置を構成する各光源部において略同一であることを特徴とする。
本発明の第6の手段は、第1または第2の手段のマルチビーム光走査装置において、前記偏向器を挟んで対向して配置される、複数の光束を射出する光源部の発光部の配置は、副走査方向において配列順が逆に配置されることを特徴とする。
本発明の第7の手段は、第1の手段のマルチビーム光走査装置において、以下の式を満足することを特徴とする。
Ps0=25.4/ρ−V×Pm×θ/(6×L×Rm)
但し、
Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
Rm:偏向器の1分間の回転数(rpm)
θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
L:画像形成範囲(mm)
Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
V:被走査媒体の副走査方向移動速度(mm/s)
ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
本発明の第8の手段は、第1の手段のマルチビーム光走査装置において、以下の式を満足することを特徴とする。
Ps0=25.4/ρ×{1−Pm×N×n×θ/(360×L)}
但し、
Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
n:偏向器の面数
θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
L :画像形成範囲(mm)
Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
N:一つの偏向反射面で同時に偏向走査する光束の発光点の合計
本発明の第9の手段は、第2の手段のマルチビーム光走査装置において、以下の式を満足することを特徴とする。
Ps0=25.4/ρ+V×Pm×θ/(6×L×Rm)
但し、
Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
Rm:偏向器の1分間の回転数(rpm)
θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
L:画像形成範囲(mm)
Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
V:被走査媒体の副走査方向移動速度(mm/s)
ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
本発明の第10の手段は、第2の手段のマルチビーム光走査装置において、以下の式を満足することを特徴とする。
Ps0=25.4/ρ×{1+Pm×N×n×θ/(360×L)}
但し、
Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
n:偏向器の面数
θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
L :画像形成範囲(mm)
Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
N:一つの偏向反射面で同時に偏向走査する光束の発光点の合計
本発明の第11の手段は、第1乃至第10のいずれか1つの手段のマルチビーム光走査装置において、前記光源部から射出する光束の波長は500nm以下であることを特徴とする。
また、本発明の第12の手段は、第1乃至第10のいずれか1つの手段のマルチビーム光走査装置において、前記光源部は、複数の発光点をモノリシックにアレイ配列した半導体レーザアレイを複数組み合わせて構成することを特徴とする。
本発明の第13の手段は、被走査媒体である像担持体を複数有し、該複数の像担持体に静電潜像を形成し、該複数の像担持体に形成された静電潜像を色の異なる現像剤により現像して顕像化し、前記複数の像担持体に形成された各色の顕像を転写体上で重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置において、前記複数の像担持体に静電潜像を形成する手段として、第1乃至第12のいずれか1つの手段のマルチビーム光走査装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第14の手段は、第13の手段の画像形成装置において、ネットワーク通信機能を有することを特徴とする。
本発明は、複数の光源部からの複数の光束により被走査媒体上を光走査するマルチビーム光走査装置に関するものであり、光源のマルチビーム化により、1つの発光点からの光束により被走査媒体上を光走査する場合に比べ、偏向器の回転速度を下げることができ、これにより、偏向器による消費電力を低減でき、発熱量も下げることができる。また、偏向器を構成するモータを小さくすることができ、材料費の削減が図れる(環境対応)。
そして、本発明の第1の手段のマルチビーム光走査装置では、被走査媒体上の走査光束において、先行する光束が主走査方向及び副走査方向の両方一致する場合に、同一の偏向反射面により偏向される光束の被走査媒体上の間隔は、被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より狭いことにより、形成する画像(静電潜像)の副走査方向の走査間隔を狙いの走査間隔に補正することができる。
第2の手段のマルチビーム光走査装置では、被走査媒体上の走査光束において、先行する光束が主走査方向及び副走査方向で異なる場合に、同一の偏向反射面により偏向される光束の前記被走査媒体上の間隔は、前記被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より広いことにより、形成する画像(静電潜像)の副走査方向の走査間隔を狙いの走査間隔に補正することができる。
第3の手段のマルチビーム光走査装置では、第1または第2の手段の構成に加え、偏向器の任意の偏向反射面により偏向される複数の光束は、対応する被走査媒体上において、主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、同じ光束であり、前記と異なる偏向反射面により偏向される複数の光束は、対応する被走査媒体上において、主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、異なる光束であることにより、偏向器を挟んで対向するそれぞれの走査光学系の走査光束により、被走査媒体上に形成される静電潜像の間隔を狙いの間隔にすることができる。
第4の手段のマルチビーム光走査装置では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成に加え、光路変換光学素子を有し、該光路変換光学素子は偏向器を挟んで対向して配置される光学系の片方の側は、他方の側より奇数個多く配置されることにより、複数の走査光束の副走査方向の配列を逆にし、対向する走査光学系と被走査媒体上での光束の配列を同じにすることができる。
また、第5の手段のマルチビーム光走査装置では、第4の手段の構成に加え、複数の光束を射出する光源部の発光部の配置は、マルチビーム光走査装置を構成する各光源部において略同一であることにより、部品の共通化を図ることができる。
第6の手段のマルチビーム光走査装置では、第1または第2の手段の構成に加え、偏向器を挟んで対向して配置される、複数の光束を射出する光源部の発光部の配置は、副走査方向において配列順が逆に配置されることにより、走査光学系における光源以降の光学素子を略対称に配置して、部品の共通化を図ることができる。
第7〜10の手段のマルチビーム光走査装置では、第1または第2の手段の構成に加え、前述の各式を満足することにより、第1または第2の手段の効果を得ることができる。
第11の手段のマルチビーム光走査装置では、第1乃至第10のいずれか1つの手段の構成に加え、光源部から射出する光束の波長は500nm以下であることにより、被走査媒体上におけるビームスポット径を小さくし、高密度化を達成することができる。
また、第12の手段のマルチビーム光走査装置では、第1乃至第10のいずれか1つの手段の構成に加え、光源部は、複数の発光点をモノリシックにアレイ配列した半導体レーザアレイを複数組み合わせて構成することにより、光源部の構成を単純な構成にするとともに、走査光束数を増やすことができる。
第13の手段の画像形成装置では、複数の像担持体に静電潜像を形成する手段として、第1乃至第12のいずれか1つの手段のマルチビーム光走査装置を備えたことにより、高密度・高速で色ずれの少ないカラー画像形成装置を実現することができる。
また、第14の手段の画像形成装置では、第13の手段の構成に加え、ネットワーク通信機能を有することにより、複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係わるタンデム型画像形成装置に対応のマルチビーム光走査装置の一実施例を示す図であり、マルチビーム光走査装置の全体構成の一例を副走査方向(偏向器の回転軸の方向)から見た状態(すなわち、マルチビーム光走査装置の構成部材を、主走査方向に平行な平面(主走査平面)上に配置した状態)を模式的に示す図である。また、図1は、偏向器5の対向する側からビームを入射して、相反する方向に偏向、走査する対向走査方式のマルチビーム光走査装置の一例を示している。なお、各光学素子の保持部品等の図示は省略している。
図1に示すマルチビーム光走査装置では、対向する2つの走査光学系に対して偏向器5は一つであり、その回転方向は同一であるので、走査方向は対向する側で相反する方向となり、一方の書出し位置と、もう一方の書き終わり位置とが一致するように画像を書き込んでいく。
図1において、半導体レーザ(LD)からなる光源1Aと、光源1Aからの発散光束を集光するカップリングレンズ2A(第1結像光学系)とからなる組みと、光源1Bと、光源1Bからの発散光束を集光するカップリングレンズ2Bとからなる組みは一体的に支持されている。
光源1Aから射出しカップリングレンズ2A(第1結像光学系)を通過した光束は、開口絞り(アパーチャ)3Aにより光束幅を規制され、線像結像光学系であるシリンドリカルレンズ4(第2結像光学系)により偏向器(例えばポリゴンミラー)5の偏向反射面5A近傍に主走査方向に長い線状に集光される。
偏向器5は回転軸5Bを軸として等角速度で回転しており、入射光束を等角速度的に偏向する。偏向器5と被走査媒体7との間に、第3結像光学系6(走査光学系:図中では2枚の走査レンズを配置した構成であるが、レンズの枚数は問わず、また、走査ミラー等の反射光学系で構成してもよく、さらにはレンズと反射光学系を組み合わせて構成しても良い)を配置し、偏向反射面5Aにより偏向された光束8Aは被走査媒体7上に光スポット7Aを形成する。光スポット7Aは偏向器5の回転(図中矢印方向の回転)によって被走査媒体7上を、図中矢印方向へ光走査(主走査)する。
光源1Bから射出した光束も同様にカップリングレンズ2A(第1結像光学系)を通過し、開口絞り(アパーチャ)3Bにより光束幅を規制され、線像結像光学系であるシリンドリカルレンズ4(第2結像光学系)により偏向器(ポリゴンミラー)5の偏向反射面5A近傍に主走査方向に長い線状に集光される。この際、開口絞り3Aと3Bは一体に形成しても別体であってもかまわない。
偏向反射面5Aにより偏向された光束8Bは被走査媒体7上に光スポット7Bを形成し、光スポット7Bは偏向器5の回転(図中矢印方向の回転)によって被走査媒体7上を、図中矢印方向へ光走査(主走査)する。
光源1Aから射出した光束と、光源1Bから射出した光束は、偏向反射面5A近傍で交差するように構成する。光源1Aから出射した光束に対し、光源1Bから出射した光束は、光源1A、1Bそれぞれの射出光束の成す角φの半分の角度(φ/2)だけ偏向器5の走査角度をずらした状態で偏向走査するように構成する。そのように構成することにより、偏向反射面5Aにより反射した光源1A、1Bそれぞれから射出した光束は、走査光学系である第3結像光学系における光路を同じくすることができ、それにより、被走査媒体7上の走査光束の結像像面の倒れを低減でき、結像性能(像面湾曲、倍率誤差、等)の劣化を防ぐことができる。
上記構成を言い換えると、主走査平面上に投影したときに、各光源からの射出光束が偏向器5の偏向反射面5A近傍で交差するように配置構成することである。
上記の光源1A、1Bとカップリングレンズ2A、2Bの組からなる光源部はサブユニット31を構成し、光源1A、1Bのそれぞれからの射出光束の光軸(射出軸)の交差点近傍を通る、空間的な中心線9(又は9と略平行な軸)を回転軸として回転可能な構成とし、傾け量γを調整することで、ビームスポット間隔を記録密度に応じた走査ラインピッチPs0に合わせることができる。
同期検知光学系100は、偏向器5により偏向された光束を、ミラー103と同期検知用結像素子102を経た後、フォトダイオード等により構成される同期検知センサー101に偏向光束を導く。そして光束が同期検知センサー101上を通過する際に同期信号を発し、同期回路(図示せず)により演算処理され、書込開始信号をあるタイミングの後発信する。ここで言うあるタイミングとは、同期検知センサー101の検知位置から書込開始位置に光束が至るまでの時間である。同期検知用結像素子102は、副走査方向にのみパワー(屈折力)を持つレンズ、主走査方向にのみパワーを持つレンズ、主副両方向にパワーを持つレンズのいずれでも良い。また、同期検知用結像素子102として、レンズの代わりに、パワーを持つ曲面ミラー等を用いても良い。また、同期検知用結像素子102を用いず、ミラー103に上述のようなパワーを持たせて同期検知センサー101に直接導くようにして、同期検知光学系100を構成しても良い。
光源1Aから射出した光束の光スポット7Aと、光源1Bから射出した光束の光スポット7Bは、各光源からの射出光束が偏向反射面5A近傍で交差するように構成されているため、被走査媒体7上で走査ピッチPm1を有して走査する。これは、光スポット7Aがデータ書き込み開始後、Pm1走査した後、光スポット7Bが被走査媒体上にデータ書き込みを開始することを意味する。
図1に示すマルチビーム光走査装置では、偏向器(ポリゴンミラー)5を挟んで対向する側にも上記と同様に光学素子が配置され、異なる被走査媒体17上を光スポットが走査しデータ書き込みが行われる。
半導体レーザ(LD)からなる光源11Aとカップリングレンズ12Aとからなる組み、及び光源11Bとカップリングレンズ12Bとからなる組みは一体的に支持され、サブユニット32を構成し、その射出光束は同様に、開口絞り(アパーチャ)13Aと13Bにより光束幅を規制され、線像結像光学系であるシリンドリカルレンズ14により偏向器5の偏向反射面15A近傍にそれぞれ主走査方向に長い線状に集光される。
偏向器5と被走査媒体17との間には、第3結像光学系16を配置し、偏向反射面15Aにより偏向された光束18A及び18Bは被走査媒体17上に光スポット17A及び17Bを形成し、偏向器5の回転(図中矢印方向への回転)によって被走査媒体17上を、図中矢印方向へ光走査(主走査)する。
光源部の構成は偏向器(ポリゴンミラー)5に対向するそれぞれで同じ構成とし、サブユニット32は光源11A、11Bそれぞれの射出光束の光軸(射出軸)の空間的な中心線19(又は19と略平行な軸)を回転軸として回転可能な構成とし、傾け量γを調整することでビームスポット間隔を調整することができる。
サブユニット31と同様にサブユニット32の光源11Aから射出した光束の光スポット17Aと、光源11Bから射出した光束の光スポット17Bは、各光源からの射出光束が偏向反射面15A近傍で交差するように構成されているため、被走査媒体17上で走査ピッチPm2を有して走査する。これより、光スポット17Aがデータ書き込み開始後、Pm2走査した後、光スポット17Bが被走査媒体17上にデータ書き込みを開始する。光源からの射出光束の交差角と第3結像光学系である走査光学系6と16が同じ構成である場合は、Pm1=Pm2となる。
次に、図2はマルチビーム光走査装置の全体構成の一例を主走査方向(偏向器の回転軸に直交する方向)から見た状態(すなわち、マルチビーム光走査装置の構成部材を、副走査方向に平行な平面(副走査平面)上に配置した状態)を模式的に示す図であり、被走査媒体(図1の7,17)である感光体ドラム107,117へ走査光束を導くため、ミラー21及びミラー22を光路中に配置している。
光スポット7A及び7Bは偏向器5の回転に伴い感光体ドラム107上を走査し、副走査方向に間隔Ps1をもって走査する。同様に、光スポット17A及び17Bは偏向器5の回転に伴い感光体ドラム117上を走査し、副走査方向に間隔Ps2をもって走査する。光源の配置及び光源から感光体までの光学素子が同じ構成である場合は、Ps1=Ps2となる。
感光体ドラム107上を、主走査方向において光スポット7Aは光スポット7Bに対して先行し、副走査方向(感光体ドラム107の回転方向)においても光スポット7Aは光スポット7Bに対して先行する。これに対し、感光体ドラム117上では、主走査方向において光スポット17Aは光スポット17Bに対して先行するが、副走査方向においては光スポット7Bが光スポット7Aに対して先行し、主走査方向と副走査方向で先行する光スポットが異なる。
図3は、光源1A及び1Bから射出した光束8A及び8Bにより感光体107上に形成される光スポット7A及び7Bの、感光体107上における位置関係を模式的に示す図である。光スポット7A及び7Bは、主走査方向に間隔Pm1を有しており、また、副走査方向に間隔Ps1を有している。書込密度により間隔は一義的に、例えば600dpi(ドット/インチ)の場合は42.3μm、1200dpiの場合は21.3μmに決まる。感光体107は、光スポット7A及び7Bが感光体107上を主走査方向に走査する際に、副走査方向に移動速度V(mm/s)で移動している。
上記と同様に図4は、偏向器(ポリゴンミラー)5に対して対向している走査光学系の光源11A及び11Bから射出した光束18A及び18Bにより感光体117上に形成される光スポット17A及び17Bの、感光体117上における位置関係を模式的に示す図である。光スポット17A及び17Bは、主走査方向に間隔Pm2を有し、副走査方向に間隔Ps2を有する。前述のように、偏向器(ポリゴンミラー)5に対して対向して配置される走査光学系の構成が同じ場合は、Pm1=Pm2、Ps1=Ps2である。
感光体117は感光体107と同じ大きさ(径)で同期して駆動し、回転速度も感光体107と同じに、副走査方向に移動速度V(mm/s)で移動する。
図5は、図3に示した位置関係にある光スポットにより、感光体107上に形成される静電潜像(画像)の位置関係を模式的に示す図である。光源1Aから射出された光束は、同期検知信号およびそれに伴ってあるタイミングの後に発信される書込開始信号により、データ書込開始位置から感光体107上に光スポット7Aとして書き込みを開始し、光スポットのエネルギーにより光電変換が行われて、それが走査されることにより図に示すデータ書込開始位置から感光体107上に静電潜像24Aを形成する。光源1Bから射出された光束は、主走査方向の間隔Pmに起因する時間の書込み開始タイミングの遅れの後、感光体107上のデータ書込開始位置から光スポット7Bが走査され、光スポット7Aと同様に感光体107上に静電潜像を形成する。
このとき、感光体107は、図に示す白矢印の方向に移動しているとする。感光体107が移動していないとき、光源1Bによる静電潜像は、図に示すデータ書込開始位置から静電潜像24B1のように感光体107上に形成される。感光体107が移動している場合、その移動に伴い静電潜像が形成される位置は24B1から24B2にずれて、その位置から静電潜像が形成される。この現象により、副走査方向の静電潜像のピッチは、被走査媒体である感光体107が移動していないときにPsgであったものが、Psg'になり、静電潜像の副走査ピッチは広がる。
一方、感光体上の位置関係が図4に示すように、主走査方向に対し先行走査する光スポットが感光体の移動方向に対して後行する場合は上記と逆になり、感光体が移動していないときに対して静電潜像の副走査ピッチは狭まる。
以上のことより、感光体上での副走査方向の光束のピッチは、主走査方向及び副走査方向それぞれの先行する光ビームが、同じか異なるかによって広がるか狭まるかが決まる。
図6は、感光体107が副走査方向に移動する場合に静電潜像が形成される位置(方向)を模式的に示す図である。感光体107の移動方向は、図5に示した例と同じである。感光体107の移動により光スポットは図6中の点線のように感光体107の移動方向に対して斜めに走査し、静電潜像24A及び24B2を形成する。静電潜像24B2が形成されるとき、一方の光スポット(潜像34A)は24A'の位置にあり、その間隔は主走査方向でPm、副走査方向でPsgとなる。このとき、
Ps1=Psg<Psg'(広がる)
であり、図3に示した状態を維持して静電潜像を形成する。
同様に、図7は、対向する側の光走査装置により走査される感光体117が副走査方向に移動する場合に静電潜像が形成される位置(方向)を模式的に示す図である。感光体117の移動により光スポットは図7中の点線のように感光体117の移動方向に対して斜めに走査し、静電潜像25A及び25B2を形成する。静電潜像25B2が形成されるとき、一方の光スポット(潜像25A)は25A'の位置にあり、その間隔は主走査方向でPm、副走査方向でPsgとなる。このとき、
Ps2=Psg>Psg'(狭まる)
であり、図6の場合と同様に、図4に示した状態を維持して静電潜像を形成する。
光走査装置において偏向器(ポリゴンミラー)5を中心に対向するそれぞれの側で、片方で走査間隔が広がり片方で走査間隔が狭まると、それを搭載するタンデム方式の画像形成装置により画像としては色ずれとして発生し問題となる。
図8は、静電潜像の副走査ピッチが等間隔(均一)に形成された場合の画像を模式的に示す図である。このように静電潜像が形成される場合、各色が均一のピッチで重なり合うため、色ずれは発生しない。しかし、静電潜像の副走査ピッチが不均一になった場合、図9に示すように静電潜像のドット間隔にばらつきが生じるため、各色の重なり具合にずれが生じ、画像に色ずれが発生する。感光体上を走査する光束は同一の周期で走査するため、静電潜像の形成周期は感光体107及び117の移動の有無に関わらず変化しない。副走査方向の色ずれに影響するのは、前述した感光体107及び117の移動に伴う静電潜像の間隔の狙いのピッチからのズレの影響のみである。
ここで、主走査方向の間隔Pmと感光体の移動に伴う光スポットの静電潜像の間隔のズレ量、つまり図6及び図7における「Psg'−Psg」の関係を導く。なお、各記号の意味は以下の通りである。
Rm:偏向器5の1分間の回転数(rpm)
n:偏向器の面数
θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光スポットが走査するときの偏向器の回転角(deg)
Er:θと偏向反射面の分割角度θとの比
L:画像形成範囲(走査長)(mm)
Pm:2つの光束の主走査方向の間隔(mm)
V:被走査媒体(感光体)の副走査方向移動速度(mm/s)
ρ:副走査方向の1インチ幅の走査本数(dot or line)
τ:画像形成範囲(走査長)Lを光スポットが走査するのにかかる時間
光スポットが1走査にかかる時間t0は、
t0=60/(Rm×n) (sec)
である。また、偏向器5の1つの偏向反射面の分割角度θ0(図1参照)は、
θ0=360/n (deg)
であるため、画像形成範囲Lを走査するための偏向器5の回転角との比Erは、
Er=θ/θ0=θ/(360/n)
で求めることができる。
画像形成範囲Lを光スポットが走査するのにかかる時間τは、
τ=60/(Rm×n)×Er (sec)
となり、主走査ピッチPmを光スポットが走査するのにかかる時間tは、
t=Pm/L×τ=Pm/L×60/(Rm×n)×Er (sec)
である。この間の被走査媒体の副走査方向の移動量が副走査ピッチの変化量になるため、静電潜像の間隔のズレ量ΔP(図6及び図7におけるPsg'−Psg)は、
ΔP=V×t=V×Pm/L×60/(Rm×n)×Er (mm) ・・・(式1)
により求めることができる。
一方、光スポットの走査周波数fvは、
fv=(Rm/60)×n=ρ/25.4×V (l/s)
である。これより、副走査方向の走査位置(静電潜像の間隔)のズレ量ΔPは、
ΔP=Pm/L×25.4/ρ×Er (mm)
より求めることもできる。
次に、1つの偏向反射面で同時に偏向走査する光スポットの発光点の合計がN個からなる場合、光スポットの走査周波数fvNは、
fvN=fv/N=ρ/25.4×V/N (l/s)
である。よって、副走査方向の走査位置(静電潜像の間隔)のズレ量ΔPは、
ΔP=Pm/L×25.4/ρ×N×Er (mm) ・・・(式2)
となる。
ここで、Rm=29527rpm、n=6、Er=0.7、L=300mm、Pm=20mm、V=500mm/s、ρ=1200、N=8の書込光学系で検討したところ、式1または式2より、
ΔP=7.9 (μm)
と求まる。この書込光学系の副走査方向の画素密度(ρ)は1200dpiであるため画像ピッチは21.2μmであり、上記の検討結果から静電潜像の間隔が約1/3ずれることが判る。
次に、上記の静電潜像の間隔のずれの補正について説明する。図6に示すように、感光体上の静電潜像の間隔が広がる場合(Psg'>Psg)、つまり感光体上の走査光束の位置関係が図3に示すように、主走査方向に対し先行走査する光束が感光体の移動方向に対しても先行する場合は、光束の間隔を画像密度より狭める必要がある。
逆に、図7に示すように、感光体上の静電潜像の間隔が狭まる場合(Psg'<Psg)、つまり感光体上の走査光束の位置関係が図4に示すように、主走査方向に対し先行走査する光束が感光体の移動方向に対しては逆に後行する場合は、光束の間隔を画像密度より広げる必要がある。
光束の間隔を、狭めるもしくは広げるには、前述のように光源部のサブユニット31及び32をそれぞれの射出光束の光軸の空間的な中心線9及び19を回転軸として回転させ、傾け量γを変えることにより調整することができる。
図1及び図2に示すように、偏向器5を挟んで対向して走査光学系が配置され、且つ対称に光学素子が配置される場合は、偏向器5の回転に伴い走査する光束の走査方向は対称にならないため、偏向器5を挟み片方の側は感光体上で主走査方向、副走査方向とも先行する光束は同じ光束になるが、対向する側では主走査方向と副走査方向で先行する光束が異なる。よって、片方の側で静電潜像の間隔は広くなり、反対側の静電潜像の間隔は狭くなる。これを補正するためには、上記のように先行する光束の配置によりそれぞれ対応すれば良い。
狭める量及び広げる量は、上述のΔPで求められる。上記の式1より
ΔP=V×Pm/L×60/(Rm×n)×Er
=V×Pm/L×60/(Rm×n)×θ/(360/n)
=V×Pm×θ/(6×L×Rm)
となる。
よって、走査光束の副走査方向の間隔を狭める場合は、
Ps0=25.4/ρ−ΔP
=25.4/ρ−V×Pm×θ/(6×L×Rm)
となる。
逆に、走査光束の副走査方向の間隔を広げる場合は、
Ps0=25.4/ρ+ΔP
=25.4/ρ+V×Pm×θ/(6×L×Rm)
となる。
また、上記の式を式2を用いて表現すると、
ΔP=Pm/L×25.4/ρ×N×Er
=Pm/L×25.4/ρ×N×θ/(360/n)
=25.4/ρ×Pm×N×n×θ/(360×L)
となる。
よって、走査光束の副走査方向の間隔を狭める場合は、
Ps0=25.4/ρ−ΔP
=25.4/ρ−25.4/ρ×Pm×N×n×θ/(360×L)
=25.4/ρ×{1−Pm×N×n×θ/(360×L)}
となる。
逆に、走査光束の副走査方向の間隔を広げる場合は、
Ps0=25.4/ρ+ΔP
=25.4/ρ+25.4/ρ×Pm×N×n×θ/(360×L)
=25.4/ρ×{1+Pm×N×n×θ/(360×L)}
となる。
対向して走査光学系が配置される場合の上記とは別の対応方法を図10に示す。ミラー22と感光体ドラム117の間に1枚の光路変換光学素子であるミラー26を配置し、副走査方向における各走査光束の光路の配置を変換させることにより副走査方向(感光体の移動方向)における先行する光束の配列を逆にする。この様にすることにより、対向する両方の側で主走査方向及び副走査方向における先行する光束を一致させることができるようになる。なお、上記説明では追加配置したミラー26は1枚であるが、対向する側で副走査方向の光路が反転していれば良く、そのためにはミラー枚数が片側に奇数枚多く配置されていれば良い。
上記のようにすることにより、対向する両方の側で走査光束の間隔を広げるか狭めるかのどちらかに統一することが可能になり、光源部(サブユニット)31,32を同一の構成にすることができ、共通化が図れる。
また、対向するそれぞれの側で光路を変える別の方法として、光源部において複数の光束を射出する発光点の配列を副走査方向において、逆の配列順にすることにより可能になる。その様に配列することにより、対向する両方の側の主走査方向及び副走査方向における先行する光束を一致させることができるようになる。
近年、高密度化達成のために半導体レーザ(LD)の発振波長の短波長化が成されてきている(被走査面上のビームスポット径は光源の波長に比例するため)。
従来、一般に波長780nmのLDが広く使われてきたが、上記目的のため波長500nm以下のLDが使われ始めている。例えば、500nm/780nm=0.64であり、約2/3に小径化が可能になる。
波長500nm以下のLDは、波長780nmのLDと構成材質が異なり、波長780nmのLDの構成材質は一般にAlGaAs系から構成されるが、波長500nm以下のLDはGaN系等から構成される。そのため、波長500nm以下のLDは、波長780nmのLDより発熱量が大きく、ドループ特性の劣化を引き起こしやすい。よって、LDの発振波長の短波長化(500nm以下)を実現するためには、LDの発熱量を小さくする必要がある。
LDの発熱量を小さくするためには、LDの発振出力を小さくすればよく、そのためには複数のLDを組み合わせたマルチビーム光源ユニットを構成すればよい。本実施例の場合は、2つの光源である半導体レーザを組み合わせて2本の光束により感光体ドラムを走査しているため、1つの場合の半分の出力でよい。
マルチビーム光源ユニットとして、複数の光源(LD)で光源部を構成し、光源部を複数個組み合わせることにより、感光体上を走査する光束の数をさらに増やすことができる。これにより、画像形成装置の出力速度の向上を図ることができる。また、逆に出力速度を変えない場合は、偏向器5の回転速度の低減を図ることができ、消費電力の低減、発熱量の低減等、環境に対して配慮した書込光学系を構成することが可能になる。
上記実施例では、光源として半導体レーザ(LD)を例として説明を行ったが、「複数の発光点をモノリシックにアレイ配列した半導体レーザアレイ(LDA)」を光源として用いる事により、同等の効果を得ることができる。複数の発光点から射出する発散光束を共通のカップリングレンズによりカップリングし、その組みを複数組合せて光源部を構成すればよい。また、光源として、「複数の発光点を2次元的にアレイ配列した面発光レーザアレイ」を用いてマルチビーム光源ユニットを構成しても良い。
以上のようなマルチビーム光源ユニットを搭載することにより、マルチビーム光走査装置を容易に構成することができる。
次に図11は以上に説明したマルチビーム光走査装置を搭載した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、転写手段を構成する中間転写ベルト906に沿って4つの感光体ドラム901を並設したタンデム型のカラー画像形成装置であり、各感光体ドラム901の周囲には、感光体ドラム901を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像装置904、転写後に感光体ドラム901に残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニング装置905などが配置されており、各色の作像部(画像形成ステーション)を構成している。また、現像装置904は、トナーとキャリアからなる2成分現像剤、あるいはトナーからなる1成分現像剤のいずれかを用いる現像装置であり、現像剤を担持搬送する現像ローラ903と、現像剤を攪拌・搬送する攪拌搬送部材および装置内にトナーを補給するトナーカートリッジ等を備えている。なお、各画像形成ステーションは、現像装置904で用いるトナーの色が異なるだけで、基本的には同一の構成である。
画像形成動作が開始されると、各色の画像形成ステーションの感光体ドラム901へは、前述したようにマルチビーム光走査装置900のポリゴンミラーの1面毎の走査により複数ライン、本実施例では図1の構成のマルチビーム光走査装置を搭載して2ライン同時に画像記録が行われ、各色に対応した静電潜像が形成される。
上記した画像形成ステーションは中間転写ベルト906の移動方向に沿って並列され、各画像形成ステーションの感光体ドラム901の静電潜像は、各現像装置904の各色のトナーで現像され、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が形成される。4つの感光体ドラム901に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像は、中間転写ベルト905上にタイミングを合わせて順次一次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
一方、上記の画像形成動作に合わせて、記録紙等の記録媒体が給紙トレイ907から給紙コロ908により供給され、レジストローラ対909により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて二次転写部に送り出され、転写ローラ等の二次転写装置910により中間転写ベルト906から記録媒体にカラー画像が二次転写される。カラー画像が転写された記録媒体は定着装置911に搬送され、定着装置911の定着ローラ及び加圧ローラでカラー画像が記録媒体に定着される。そして定着後の記録媒体は、排紙ローラ912により排紙トレイ913に排出される。
なお、上記の一次転写後の各感光体ドラム901に残留した転写残トナーは、クリーニング装置905で除去される。また、図示しないが、中間転写ベルト906にもベルトクリーニング装置が設けられており、上記の二次転写後の中間転写ベルト906に残留した転写残トナーは、図示しないベルトクリーニング装置で除去される。
以上、本発明に係る画像形成装置の一例を示したが、本発明に係る画像形成装置は図11に示す構成に限定されるものではない。例えば、図11の例では転写手段に中間転写ベルト906と二次転写装置910を用いた構成を示したが、中間転写ベルトに代えて、記録媒体を担持搬送する転写ベルトを用い、この転写ベルトに沿って上記の4つの画像形成ステーションを並設し、各画像形成ステーションで感光体ドラム901に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像を、転写ベルトで担持搬送する記録媒体に直接重ね合わせて転写し、定着装置で定着してカラー画像を形成する直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置としてもよい。この直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置では、二次転写装置が不要となるので、製造コストを低減することができ、また、装置の小型化を図ることができる。
なお、上記実施例では光走査装置を一体的に構成したが、光走査装置を2体として構成しても良い。このような構成とすることにより、感光体が1つだけのタイプの画像形成装置、すなわち4色に対応して4回の書き込みが必要な画像形成装置と比較して、4倍の速度で画像を形成することが可能となる。
さらに本発明の画像形成装置と電子演算装置(コンピュータ等)、画像情報通信システム(ファクシミリ等)等とをネットワークを介し接続通信することにより、1台の画像形成装置で複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。また、ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、各出力要求から各画像形成装置の状態(ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか等)を知ることができ、一番状態の良い(使用者の希望に一番適した)画像出力装置を選択し、出力を行うことができるようになる。
本発明に係るマルチビーム光走査装置の全体構成の一例を副走査方向から見た状態を模式的に示す図である。 本発明に係るマルチビーム光走査装置の全体構成の一例を主走査方向から見た状態を模式的に示す図である。 偏向器を挟んで対向して配置された2つの光学系のうちの、一方の光源部から射出した2光束により感光体上に形成される2つの光スポットの、感光体上における位置関係を模式的に示す図である。 偏向器を挟んで対向して配置された2つの光学系のうちの、他方の光源部から射出した2光束により感光体上に形成される2つの光スポットの、感光体上における位置関係を模式的に示す図である。 図3に示した位置関係にある光スポットにより、感光体上に形成される静電潜像(画像)の位置関係を模式的に示す図である。 感光体が副走査方向に移動する場合に静電潜像が形成される位置(方向)を模式的に示す図である。 感光体が副走査方向に移動する場合に静電潜像が形成される位置(方向)を模式的に示す図である。 静電潜像の副走査ピッチが等間隔(均一)に形成された場合の画像を模式的に示す図である。 静電潜像の副走査ピッチにばらつきが生じた場合の画像を模式的に示す図である。 本発明に係るマルチビーム光走査装置の別の例を主走査方向から見た状態を模式的に示す図である。 本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
1A,1B,11A,11B:光源
2A,2B,12A,12B:カップリングレンズ(第1結像光学系)
3A,3B,13A,13B:開口絞り(アパーチャ)
4,14:シリンドリカルレンズ(第2結像光学系)
5:偏向器(ポリゴンミラー)
5A,15A:偏向反射面
5B:回転軸
6,16:走査光学系(第3結像光学系)
7,17:被走査媒体
7A,7B,17A,17B:光スポット
8A,8B,18A,18B:光束
31,32:サブユニット(光源部)
100,110:同期検知光学系
101,111:同期検知センサ
102,112:同期検知用結像素子
103,113:ミラー
107,117:感光体ドラム(被走査媒体)
900:マルチビーム光走査装置
901:感光体ドラム(像担持体)
902:帯電チャージャ
903:現像ローラ
904:現像装置
905:クリーニング装置
906:中間転写ベルト(一次転写手段)
907:給紙トレイ
908:給紙コロ
909:レジストローラ対
910:二次転写装置(二次転写手段)
911:定着装置
912:排紙ローラ
913:排紙トレイ

Claims (14)

  1. 複数の光源部から射出した複数の光束を偏向器の異なる偏向反射面により偏向し、対応する被走査媒体上を複数の光束により走査し、
    前記被走査媒体上を走査する複数の光束は主走査方向に間隔を有し、該複数の光束のうち、前記主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、同じ光束であるマルチビーム光走査装置において、
    同一の偏向反射面により偏向される光束の前記被走査媒体上の間隔は、前記被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より狭いことを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  2. 複数の光源部から射出した複数の光束を偏向器の異なる偏向反射面により偏向し、対応する被走査媒体上を複数の光束により走査し、
    前記被走査媒体上を走査する複数の光束は主走査方向に間隔を有し、該複数の光束のうち、前記主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、異なる光束であるマルチビーム光走査装置において、
    同一の偏向反射面により偏向される光束の前記被走査媒体上の間隔は、前記被走査媒体の移動方向である副走査方向において狙いの画素密度より広いことを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  3. 請求項1または2記載のマルチビーム光走査装置において、
    前記偏向器の任意の偏向反射面により偏向される複数の光束は、対応する被走査媒体上において、主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、同じ光束であり、
    前記と異なる偏向反射面により偏向される複数の光束は、対応する被走査媒体上において、主走査方向において先行する光束と、前記被走査媒体の移動方向において先行する光束とが、異なる光束であることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマルチビーム光走査装置において、
    光路変換光学素子を有し、該光路変換光学素子は前記偏向器を挟んで対向して配置される光学系の片方の側は、他方の側より奇数個多く配置されることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  5. 請求項4記載のマルチビーム光走査装置において、
    複数の光束を射出する光源部の発光部の配置は、マルチビーム光走査装置を構成する各光源部において略同一であることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  6. 請求項1または2記載のマルチビーム光走査装置において、
    前記偏向器を挟んで対向して配置される、複数の光束を射出する光源部の発光部の配置は、副走査方向において配列順が逆に配置されることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  7. 請求項1記載のマルチビーム光走査装置において、
    以下の式を満足することを特徴とするマルチビーム光走査装置。
    Ps0=25.4/ρ−V×Pm×θ/(6×L×Rm)
    但し、
    Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
    Rm:偏向器の1分間の回転数(rpm)
    θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
    L:画像形成範囲(mm)
    Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
    V:被走査媒体の副走査方向移動速度(mm/s)
    ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
  8. 請求項1記載のマルチビーム光走査装置において、
    以下の式を満足することを特徴とするマルチビーム光走査装置。
    Ps0=25.4/ρ×{1−Pm×N×n×θ/(360×L)}
    但し、
    Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
    n:偏向器の面数
    θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
    L :画像形成範囲(mm)
    Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
    ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
    N:一つの偏向反射面で同時に偏向走査する光束の発光点の合計
  9. 請求項2記載のマルチビーム光走査装置において、
    以下の式を満足することを特徴とするマルチビーム光走査装置。
    Ps0=25.4/ρ+V×Pm×θ/(6×L×Rm)
    但し、
    Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
    Rm:偏向器の1分間の回転数(rpm)
    θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
    L:画像形成範囲(mm)
    Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
    V:被走査媒体の副走査方向移動速度(mm/s)
    ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
  10. 請求項2記載のマルチビーム光走査装置において、
    以下の式を満足することを特徴とするマルチビーム光走査装置。
    Ps0=25.4/ρ×{1+Pm×N×n×θ/(360×L)}
    但し、
    Ps0:被走査媒体の移動を考慮した場合の走査光束の副走査方向の間隔、
    n:偏向器の面数
    θ:被走査媒体上の画像形成範囲を光束が走査するときの偏向器の回転角(deg)
    L :画像形成範囲(mm)
    Pm:光束の主走査方向の間隔(mm)
    ρ:副走査方向の1インチ幅の画素密度(dpi)
    N:一つの偏向反射面で同時に偏向走査する光束の発光点の合計
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のマルチビーム光走査装置において、
    前記光源部から射出する光束の波長は500nm以下であることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のマルチビーム光走査装置において、
    前記光源部は、複数の発光点をモノリシックにアレイ配列した半導体レーザアレイを複数組み合わせて構成することを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  13. 被走査媒体である像担持体を複数有し、該複数の像担持体に静電潜像を形成し、該複数の像担持体に形成された静電潜像を色の異なる現像剤により現像して顕像化し、前記複数の像担持体に形成された各色の顕像を転写体上で重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置において、
    前記複数の像担持体に静電潜像を形成する手段として、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のマルチビーム光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13記載の画像形成装置において、
    ネットワーク通信機能を有することを特徴とする画像形成装置。
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