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JP2008016263A - 蓄電機器 - Google Patents

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JP2008016263A JP2006184726A JP2006184726A JP2008016263A JP 2008016263 A JP2008016263 A JP 2008016263A JP 2006184726 A JP2006184726 A JP 2006184726A JP 2006184726 A JP2006184726 A JP 2006184726A JP 2008016263 A JP2008016263 A JP 2008016263A
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裕道 久野
Joji Yamazaki
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Abstract

【課題】製造工程を簡略化することができる電池を提供する。
【解決手段】電池は、複数の電池セルを積層した積層体31と、積層体31に接続され、電気を取出すための負極集電板21および正極集電板23と、積層体31の周りに配置され、積層体31を封止する樹脂1を備える。電池は、正極集電板23に電気的に接続された端子11を備える。電池は、端子11を支持するための端子台1aを備え、端子台1aは、樹脂1によって形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気を蓄える蓄電機器に関する。
電動機を駆動源として走行する電気自動車、ハイブリッド自動車、または燃料電池自動車などが知られている。このような自動車においては、電動機にエネルギである電気を供給するための蓄電機器が搭載される。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の大容量電源として、高エネルギ密度、高出力密度を達成できるリチウム二次イオン電池が開発されている。リチウム二次イオン電池をハイブリッド自動車や電気自動車等に用いる場合には、大出力を確保するために複数の単位電池(電池セル)が直列に接続される。接続部材を介して電池を接続すると接続部材の電気抵抗によって電池の出力が低下する。さらに電池全体の体積に対して接続部材が占有する体積の割合が大きくなるほど電池の出力密度やエネルギ密度が低下する。
バイポーラ電池のような積層型電池は、このような問題を解決可能な電池の1つであり、電池セル間の抵抗を低減することを可能にするともに小型化を可能にする。バイポーラ電池は一般的に電解質を介して複数のバイポーラ電極を積層した構造を有する。
ここで、バイポーラ電極とは、たとえばシート状に形成された集電部材の一方の面に正極活物質層が形成され、集電部材の他方の面に負極活物質層が形成された電極のことを意味するものとする。バイポーラ電池の形状は様々であるが、一例を示すとたとえば薄板状である。
特開2005−5163号公報においては、正極と負極の組合せの直列構造が少なくとも1以上存在し、検知タブを有するバイポーラ構造の電池において、電池要素の外部が少なくとも1以上の樹脂群によって被覆されているバイポーラ電池が開示されている。このバイポーラ電池においては、携帯機器用電源に求められていた防水性に加え、車両に搭載可能な電源として、新たに気密性を有し、さらに防振性、耐衝撃性を具備すると開示されている。
特開2003−346743号公報においては、電極体から延伸された正極側リード部および負極側リード部を、電極体を収納する電池ケースの外に直接取出されている二次電池が開示されている。この正極側リード部および負極側リード部は、所定位置において樹脂シートを用いて溶着されて、電池ケースにかしめられている。電池ケースと正極側リード部および負極側リード部との隙間は充填剤で埋められ、電解液の液漏れが防止されていることが開示されている。この二次電池によれば、リード部と電極端子との溶接が不要になるので、断線などの不良発生が防止されると開示されている。
特開2002−175790号公報においては、正極板の集電体と正極リード、負極板の集電体と負極リードおよびこれらの接続部を、電解液に不溶性の接着性樹脂で被覆することによって、電極群と外装ケースとを一体化した偏平電池が開示されている。この偏平電池によれば、落下衝撃や振動による電極群の移動を防止し、外装ケースの変形やショート防止性に優れた偏平電池を提供すると開示されている。
国際公開WO00/59063号パンフレットにおいては、電極群の外装ケース内における可動を阻止する電極群固定手段を備えるラミネート外装型電池が開示されている。このラミネート外装型電池においては、電極群固定手段として、電極群にこれの周囲を取囲む状態に取付く保護枠や、外装ケースの内部における電極群のリード取り出し側の空間を埋める絶縁枠状スペーサや、外装ケースと電極群とを互いに熱溶着する構成を設けることが開示されている。このラミネート外装型電池においては、電圧不良や電解液の漏液あるいは外装ケースの金属層の電解液による腐食といった不具合が生じないと開示されている。
特開2005−12128号公報においては、セパレータ層が一対の電極層で挟まれた単位積層体を、導電性の集電体層を間に介在させて複数積層した複合積層体と、複合積層体を収容して密閉する外装体とを有する電気二重層キャパシタが開示されている。このキャパシタは、複合積層体の側面と外装体との間に、電気絶縁体である樹脂部が充填されている。この電気二重層キャパシタによれば、隣接する単位積層体間などでの短絡が起こりにくくなり、さらに、複合積層体の側面における電解質溶液による短絡が一層抑制されるとともに、セパレータ層の折れ曲がり自体がより起こりにくくされると開示されている。
特開2005−5163号公報 特開2003−346743号公報 特開2002−175790号公報 国際公開WO00/59063号パンフレット 特開2005−12128号公報
複数の集電部材を含む積層体においては、集電部材と外部に電気を供給するための端子との電気的な接続を行なう必要がある。従来の技術における蓄電機器においては、外部に電気的に接続するための端子の部分の構造が複雑で、蓄電機器の製造工程が多いという問題があった。
たとえば、上記の特開2003−346743号公報においては、複数枚の正極側リード部と負極側リード部とが樹脂シートを用いて溶着され、電池ケースにかしめられている。さらに、正極側リード部と負極側リード部とは、電池ケースの外部に取出して、電池ケースの外部へ突出した部分をそれぞれボルトでねじ留めして、このボルトを外部端子として使用している。このように構造が複雑であり製造工程が多くなるという問題があった。
本発明は、製造工程を簡略化することができる蓄電機器を提供することを目的とする。
本発明に基づく蓄電機器は、複数の蓄電部を積層した積層体を備える。上記積層体に接続され、電気を取出すための集電部材を備える。上記積層体の周りに配置され、上記積層体を封止する樹脂を備える。上記集電部材に電気的に接続された端子を備える。上記端子を支持するための端子台を備える。上記端子台は、上記樹脂によって形成されている。この構成により、製造工程を簡略化することができる蓄電機器を提供することができる。また、上記端子の破損を抑制することができる。たとえば、振動に対する上記端子の耐久性を向上させることができる。
上記発明において好ましくは、上記集電部材は、上記積層体の本体から上記端子台に向かって延びる引出し部を含む。上記端子は、上記引出し部と電気的に接続されている。この構成により、上記引出し部で上記集電部材と上記端子とを接続することができ、より製造工程を簡略化することができる。
上記発明において好ましくは、上記端子は、正極端子および負極端子を含む。上記正極端子および上記負極端子は、一個の上記端子台に並んで配置されている。この構成により、上記正極端子および上記負極端子を、上記一個の上記端子台に集約することができ、上記蓄電機器の小型化を図ることができる。
上記発明において好ましくは、上記端子は、スペーサを含む。複数の上記集電部材は、それぞれが上記積層体の本体から延びる引出し部を含む。複数の上記引出し部は、上記スペーサを介して互いに固定されている。この構成により、上記引出し部を、平板状にすることができ、より製造工程を簡略化することができる。また、上記集電部材を平板状にできるため、振動などによる上記集電部材の破損をより抑制することができる。
上記発明において好ましくは、ケースを備える。上記樹脂にて封止された上記積層体は、ケースの内部に収容されている。この構成により、上記ケースと上記積層体との絶縁を、上記樹脂によって行なうことができる。
上記発明において好ましくは、上記積層体は、バイポーラ電池を含む。
本発明によれば、製造工程を簡略化できる蓄電機器を提供することができる。
(実施の形態1)
図1から図6を参照して、本発明に基づく実施の形態1における蓄電機器について説明する。本実施の形態における蓄電機器は、バイポーラ電極を含むバイポーラ電池である。本実施の形態における電池は、自動車に搭載されるための電池である。
図1は、本実施の形態における蓄電機器としての電池の概略斜視図である。本実施の形態における電池は、複数の集電部材を含む積層体31を備える。
本実施の形態における積層体31は、直方体状に形成されている。矢印50に示す方向は、積層体31の積層方向である。積層体31は、樹脂1によって封止されている。樹脂1は、積層体31の周りに配置されている。樹脂1は、積層体31を取囲むように配置されている。
本実施の形態における電池は、端子台1a,1bを備える。端子台1a,1bは、樹脂1によって形成されている。端子台1a,1bは、電池の側方に飛び出すように形成されている。それぞれの端子台1a,1bには、後述するように、外部の電気回路との電気的な接続を行なうための端子11,12が配置されている。
本実施の形態における電池は、ケース9を備える。本実施の形態におけるケース9は、金属で形成されている。ケース9は、互いに対向する端面が開口した箱型に形成されている。ケース9の内面は平面状に形成されている。樹脂1で封止された積層体31は、ケース9の内部に収容されている。樹脂1は、ケース9に密着している。
図2に、本実施の形態における電池の概略破断図を示す。図2は、積層体の積層方向に沿う面で切断したときの概略破断図である。樹脂1は、積層体31とケース9との間に充填されている。樹脂1としては、電気的に絶縁性を有する樹脂が用いられている。また、本実施の形態においては、樹脂1として熱伝導性に優れる樹脂が用いられている。
図3に、本実施の形態における積層体の概略斜視図を示す。図2および図3を参照して、本実施の形態における積層体31は、電池セル集合体4A,4Bを備える。積層体31は、マイナス側の集電部材として負極集電板21を含む。積層体31は、プラス側の集電部材として正極集電板23を含む。それぞれの集電板は、導電性を有する材料で形成されている。本実施の形態においては、負極集電板21、電池セル集合体4A、正極集電板23および電池セル集合体4Bが、この順に積層されている。
電池セル集合体4A,4Bは、それぞれが、負極集電板21の側がマイナス側に、正極集電板23の側がプラス側になるように複数の電池セルが積層されている。本実施の形態においては、負極集電板21、正極集電板23が、この順に交互に積層され、それぞれの集電板同士の間に電池セル集合体4A,4Bが配置されている。
図4に、本実施の形態における積層体の拡大概略断面図を示す。電池セル集合体4A,4Bのそれぞれは、蓄電部としての電池セル25を複数含む。本実施の形態における電池セル25は、矢印50に示す積層方向に積層されている。電池セル25は、正極をなす正極活物質層28と、負極をなす負極活物質層26と、正極活物質層28と負極活物質層26との間に介在する電解質層27とから構成されている。
電池セル集合体4Aは、負極集電板21から正極集電板23に向かって、負極活物質層26、電解質層27および正極活物質層28が、この順に積層されている。電池セル集合体4Bは、正極集電板23から負極集電板21に向かって、正極活物質層28、電解質層27および負極活物質層26が、この順に積層されている。電池セル集合体4A,4Bは、それぞれの集電板に対して対称になるように積層されている。
電解質層27は、イオン伝導性を示す材料から形成される層である。電解質層27は、固体電解質であっても良いし、ゲル状電解質であっても良い。電解質層27を介在させることによって、正極活物質層28および負極活物質層26間のイオン伝導がスムーズになり、バイポーラ電池の出力を向上させることができる。
複数の電池セル25は、積層方向に隣り合う位置で正極活物質層28と負極活物質層26とが対向するように積層されている。複数の電池セル25同士の間には、それぞれシート状の集電箔29が設けられている。集電箔29の一方の面29bに正極活物質層28が配置され、集電箔29の他方の面29aに負極活物質層26が配置されている。正極活物質層28および負極活物質層26は、たとえばスパッタリングにより集電箔29の表面上に形成されている。
バイポーラ電極30は、電池セル25の積層方向に隣り合う電解質層27同士の間に配置された正極活物質層28、集電箔29および負極活物質層26の組により構成されている。バイポーラ電池では、1つのバイポーラ電極30には、正極をなす正極活物質層28と負極をなす負極活物質層26との双方を含む。
複数の電池セル25は、負極集電板21に最も近い側に配置される電池セル25jと、正極集電板23に最も近い側に配置される電池セル25kとを含む。電池セル25jは、負極集電板21側の端に負極活物質層26が配置されるように設けられている。電池セル25kは、正極集電板23側の端に正極活物質層28が配置されるように設けられている。これにより電池セル25jの負極活物質層26に負極集電板21が接触して、電池セル25kの正極活物質層28に正極集電板23が接触する。
次に、バイポーラ電池を構成する各部材について詳細な説明を行なう。集電箔29は、たとえばアルミニウムから形成されている。この場合、集電箔29の表面に設けられる活物質層が固体高分子電解質を含んでいる場合においても、集電箔29の機械的強度を十分に確保することができる。集電箔29は、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)もしくはこれらの合金等、アルミニウム以外の金属の表面にアルミニウムを被膜することによって形成されても良い。
正極活物質層28は、正極活物質および固体高分子電解質を含む。正極活物質層28は、イオン伝導性を高めるための支持塩(リチウム塩)、電子伝導性を高めるための導電助剤、スラリー粘度の調整溶媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等を含んでも良い。
正極活物質としては、リチウムイオン二次電池で一般的に用いられる、リチウムと遷移金属との複合酸化物を使用することができる。正極活物質として、たとえば、LiCoO等のLi・Co系複合酸化物、LiNiO等のLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn等のLi・Mn系複合酸化物、LiFeO等のLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。その他、LiFePO等の遷移金属とリチウムとのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoO等の遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOH等が挙げられる。
固体高分子電解質は、イオン伝導性を示す高分子であれば、特に限定されず、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体などが挙げられる。このようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO等のリチウム塩を容易に溶解する。固体高分子電解質は、正極活物質層28および負極活物質層26の少なくとも一方に含まれる。より好ましくは、固体高分子電解質は、正極活物質層28および負極活物質層26の双方に含まれる。
支持塩としては、Li(CSON、LiBF、LiPF、LiN(SO、もしくはこれらの混合物等を使用することができる。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等を使用することができる。
負極活物質層26は、負極活物質および固体高分子電解質を含む。負極活物質層は、イオン伝導性を高めるための支持塩(リチウム塩)、電子伝導性を高めるための導電助剤、スラリー粘度の調整溶媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等を含んでも良い。
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で一般的に用いられる材料を使用することができる。但し、固体電解質を使用する場合、負極活物質として、カーボンもしくはリチウムと金属酸化物もしくは金属との複合酸化物を用いることが好ましい。より好ましくは、負極活物質は、カーボンもしくはリチウムと遷移金属との複合酸化物である。さらに好ましくは、遷移金属はチタンである。つまり、負極活物質は、チタン酸化物もしくはチタンとリチウムとの複合酸化物であることがさらに好ましい。
電解質層27を形成する固体電解質としては、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体等、固体高分子電解質を使用することができる。固体電解質は、イオン伝導性を確保するための支持塩(リチウム塩)を含む。支持塩としては、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、もしくはこれらの混合物等を使用することができる。
さらに、正極活物質層28、負極活物質層26および電解質層27を形成する材料の具体例を表1から表3に示す。表1は、電解質層27が有機系固体電解質である場合の具体例を示し、表2は、電解質層27が無機系固体電解質である場合の具体例を示し、表3は、電解質層27がゲル状電解質である場合の具体例を示す。
Figure 2008016263
Figure 2008016263
Figure 2008016263
図5に、本実施の形態における電池の一方の端子台の部分の概略断面図を示す。端子台1aは、正極側の端子台である。端子台1aは、樹脂1で成型され、外側に飛び出すように形成されている。端子台1aには、端子11が配置されている。端子11は、端子台1aに埋込まれている。端子11は、導電性を有する材料で形成されている。
本実施の形態における積層体31の正極集電板23は、引出し部23aを有する。引出し部23aは、積層体31の本体から端子11に向かって正極集電板23が延びるように形成されている。引出し部23aは、端子11に電気的に接合されている。引出し部23aは、矢印50に示す積層方向に垂直な方向に向かって延びるように形成されている。端子11は、正極端子である。
図6に、本実施の形態における電池の他方の端子台の部分の概略断面図を示す。端子台1bは、負極側の端子台である。図1および図6を参照して、端子台1bは、端子台1aの反対側に配置されている。端子台1bには、端子12が配置されている。端子12は、端子台1bに埋込まれている。端子12は、導電性を有する材料で形成されている。
本実施の形態における積層体31の負極集電板21は、引出し部21aを有する。引出し部21aは、積層体31の本体から端子12に向かって負極集電板21が延びるように形成されている。引出し部21aは、矢印50に示す積層方向に垂直な方向に向かって延びるように形成されている。引出し部21aは、端子12に電気的に接合されている。端子12は、負極端子である。
本実施の形態における電池は、端子台が積層体を封止している樹脂によって形成されているため、端子を支持するための端子台を別部材で形成する必要がなく、製造工程を簡略化することができる。
また、それぞれの積層体の集電板の引出し部と端子とが樹脂で封止されているため、電池に衝撃や振動などが加わったときにおける破損を抑制することができる。特に、積層体の本体と端子との接続部分である引出し部の破損や、引出し部と端子との接合部分の破損を効果的に抑制することができる。さらには、端子が樹脂によって固定されているため、振動などによる端子自体の破損を抑制することができる。
本実施の形態においては、集電板が積層体の本体から延びる引出し部を有し、この引出し部が端子に電気的に接続されている。すなわち、積層体と端子との接続回路が集電板の引出し部によって構成されている。この構成により、電池の構成を簡単にすることができ、製造工程をより簡略化することができる。
また、たとえば、集電板と端子とを異なる導電性部材で接続する方法に比べて、電気的な接合部分を少なくすることができ、信頼性が向上するとともに振動などによる接合部分の破壊を抑制することができる。たとえば、積層体の集電部材と端子とを接続する接続部分が破損して、断線してしまうことを抑制することができる。
本実施の形態における電池は、積層体、集電板の引出し部および端子が一体的に樹脂で封止されている。このため、電池に対して振動などが加わっても、これらの部材は一体的に動いて破損を効果的に抑制することができる。
図2、図5および図6を参照して、本実施の形態における電池は、積層体31とケース9との間に樹脂1が充填されている。樹脂1にて封止された積層体31は、ケース9の内部に収容されている。電池が積層体を収容するケースを備えることにより、電池の強度を高くすることができる。このときに、樹脂1は絶縁性を有するために、積層体31とケース9とを樹脂1で絶縁することができる。また、積層体31で発生する熱を、樹脂1を通してケース9に伝えることができ、積層体31からケース9への熱伝達を向上させることができる。樹脂1としては、放熱を考慮して熱伝導性の優れたものが好ましい。
また、本実施の形態におけるケースの内面は平面状に形成されていが、ケースは内面(樹脂との接触面)に凹凸が形成されていても構わない。この構成により、ケースと樹脂との接触面積を大きくすることができ、樹脂からケースへの熱伝達を向上させることができる。また、ケースの内面に凹凸を形成することにより、ケースと樹脂との接着力が向上する。
本実施の形態においては、積層体の集電板と端子とを集電板に引出し部を形成することによって接続を行なっているが、この形態に限られず、集電板と端子とは任意の接続手段で接続を行なうことができる。たとえば、端子と集電板とは導線などによって電気的に接続されていても構わない。
本実施の形態における集電部材は、板状に形成されているが、この形態に限られず、任意の形状を採用することができる。
本実施の形態における電池は、それぞれの積層シートが1列に積層された積層体を含む例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、たとえば、積層シートが複数列に積層されていても構わない。また、それぞれの電池セルの個数や電気的な接続方法に制限はなく、任意の個数の電池セルが直列に接続されていても並列に接続されていても構わない。
本実施の形態における蓄電機器は、バイポーラ電池を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、集電部材を有する積層体を含む電池に本発明を適用することができる。また、本実施の形態においては電池を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、電気を蓄える機能を有する蓄電機器に本発明を適用することができる。たとえば、電池のほかに、キャパシタに本発明を適用することができる。また、本発明は、自動車に搭載される電池の他にも任意の蓄電機器に適用することができる。
(実施の形態2)
図7および図8を参照して、本発明に基づく実施の形態2における蓄電機器について説明する。本実施の形態における蓄電機器は電池である。本実施の形態における電池は、端子台における端子の構成が実施の形態1と異なる。
実施の形態1においては、正極端子が電池の一方の側に配置され、負極端子が一方の側と反対側の他方の側に配置されている。本実施の形態における電池は、正極端子と負極端子とが、同じ側の端部に配置されている。
図7に、本実施の形態における電池の端部の概略斜視図を示す。本実施の形態における電池は、樹脂1によって形成された端子台1cを有する。端子台1cには、正極端子としての端子11および負極端子としての端子12が配置されている。本実施の形態においては、負極集電板21の引出し部21aと正極集電板23の引出し部23bとが、同じ側に配置されている。
図8に、本実施の形態における電池の端部の拡大断面図を示す。図7および図8を参照して、積層体31の負極集電板21の引出し部21aは、負極端子である端子12に向かって延びるように形成されている。正極集電板23の引出し部23bは、正極端子である端子11に向かって延びるように形成されている。
引出し部21aと引出し部23bとは、互いに接触しないように形成されている。積層体31、引出し部21a,23bおよび端子11,12は、樹脂1によって一体的に封止されることにより一体的に固定されている。
本実施の形態の電池においては、正極端子および負極端子が、一個の端子台に並んで配置されている。このように複数の端子を一個の端子台に形成することにより、端子台の数を減らすことができ、構成を簡略化するとともに小型化を図ることができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態3)
図9から図12を参照して、本発明に基づく実施の形態3における蓄電機器について説明する。本実施の形態における蓄電機器は電池である。
図9は、本実施の形態における電池の概略破断図である。図9は、積層体の積層方向に沿う面で電池を切断したときの概略破断図である。本実施の形態においては、複数の層の樹脂が形成されている。本実施の形態における電池は、積層体31を封止している第1の樹脂としての樹脂1に加えて、第2の樹脂としての樹脂2を含む。樹脂2は、樹脂1を取囲むように形成されている。
本実施の形態における電池はケース10を備える。ケース10は、積層体を樹脂1で封止した樹脂体よりも大きく形成されている。樹脂2は、樹脂1とケース10との間に充填されている。このように、本実施の形態においては、樹脂が二重に形成されている。樹脂2は、ケース10に密着している。
図10から図12を参照して、本実施の形態における電池の製造方法について説明する。
図10は、本実施の形態における電池の製造方法の第1工程説明図である。図10は、第1工程における積層体と樹脂との概略破断図である。積層体31を樹脂1によって封止する。このときに、端子台に端子を配置して樹脂1により封止する。
図11は、本実施の形態における電池の製造方法の第2工程説明図である。樹脂1で封止された積層体を、矢印51に示すようにケース10の内部に配置する。積層体を内部に含む樹脂1は、ケース10よりも小さく形成されているため、容易にケース10の内部に配置することができる。
図12に、樹脂体をケースの内部に配置したときの概略斜視図を示す。ケース10は、樹脂1で封止した樹脂体よりも大きく形成されているため、樹脂1とケース10との間には、隙間41が形成される。この隙間41に樹脂2を充填することにより、本実施の形態における電池を製造することができる。
本実施の形態における電池は、樹脂2をケース10の内面に容易に密着させることができ、積層体31を封止する樹脂層からケースへの熱伝達を確実に行なうことができる。または、積層体31を封止する樹脂1を厳密な大きさに形成する必要がなく、容易に積層体31の封止を行なうことができる。
第1の樹脂および第2の樹脂は、同じ樹脂であっても構わないし、互いに異なる樹脂であっても構わない。また、ケースの内面に凹凸を形成することにより、第2の樹脂との接触面積を大きくすることができ、放熱効果を向上させることができることは、実施の形態1と同様である。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態4)
図13から図15を参照して、本発明に基づく実施の形態4における蓄電機器について説明する。本実施の形態における蓄電機器は電池である。本実施の形態における電池は、端子台の構造が実施の形態1と異なる。
図13に、本実施の形態における電池の端子台の部分の概略斜視図を示す。本実施の形態における電池は、積層体が封止された樹脂3を備える。本実施の形態における電池は端子台3aを含む。端子台3aは、樹脂3で形成されている。端子台3aは、ケース9の開口部から外側に向かって飛び出している。
本実施の形態における電池は、正極端子としての端子14および負極端子としての端子13を備える。端子13および端子14は、一個の端子台3aに形成されている。端子13および端子14は、互いに並んで配置されている。
図14に、本実施の形態における電池の端子台の部分の概略断面図を示す。本実施の形態における積層体31の負極集電板21は引出し部21cを有する。積層体31の正極集電板23は引出し部23cを有する。引出し部21c,23cは、平板状に形成されている。引出し部21c,23cは、側方から見たときに曲がった部分を有さないように直線状に形成されている。
図15に、本実施の形態における集電板と端子との部分の拡大概略斜視図を示す。正極端子としての端子13は、スペーサ18を含む。スペーサ18は、複数の負極集電板21の引出し部21c同士の間に配置されている。正極端子としての端子14は、スペーサ19を含む。スペーサ19は、複数の正極集電板23の引出し部23c同士の間に配置されている。このように、本実施の形態における集電板の引出し部は、スペーサを介して互いに固定されている。この構成により、それぞれの集電板の引出し部を平板状にすることができ、それぞれの集電板を容易に製造することができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には、同一の符号を付している。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
実施の形態1における電池の概略斜視図である。 実施の形態1における電池の概略破断図である。 実施の形態1における積層体の概略斜視図である。 実施の形態1における積層体の拡大概略断面図である。 実施の形態1における電池の一方の端子台の拡大概略断面図である。 実施の形態1における電池の他方の端子台の拡大概略断面図である。 実施の形態2における電池の端部の概略斜視図である。 実施の形態2における電池の端子台の拡大概略断面図である。 実施の形態3における電池の概略破断図である。 実施の形態3における電池の製造方法の第1工程説明図である。 実施の形態3における電池の製造方法の第2工程説明図である。 実施の形態3における電池の製造方法の第3工程説明図である。 実施の形態4における電池の端部の概略斜視図である。 実施の形態4における電池の端子台の拡大概略断面図である。 実施の形態4における電池の端子の部分の概略斜視図である。
符号の説明
1〜3 樹脂、1a,1b,1c,3a 端子台、4A,4B 電池セル集合体、9,10 ケース、11〜14 端子、18,19 スペーサ、21 負極集電板、21a,21c 引出し部、23 正極集電板、23a,23b,23c 引出し部、25,25j,25k 電池セル、26 負極活物質層、27 電解質層、28 正極活物質層、29 集電箔、29a,29b 面、30 バイポーラ電極、31 積層体、41 隙間、50,51 矢印。

Claims (6)

  1. 複数の蓄電部を積層した積層体と、
    前記積層体に接続され、電気を取出すための集電部材と、
    前記積層体の周りに配置され、前記積層体を封止する樹脂と、
    前記集電部材に電気的に接続された端子と、
    前記端子を支持するための端子台と
    を備え、
    前記端子台は、前記樹脂によって形成されている、蓄電機器。
  2. 前記集電部材は、前記積層体の本体から前記端子台に向かって延びる引出し部を含み、
    前記端子は、前記引出し部と電気的に接続されている、請求項1に記載の蓄電機器。
  3. 前記端子は、正極端子および負極端子を含み、
    前記正極端子および前記負極端子は、一個の前記端子台に並んで配置されている、請求項1または2に記載の蓄電機器。
  4. 前記端子は、スペーサを含み、
    複数の前記集電部材は、それぞれが前記積層体の本体から延びる引出し部を含み、
    複数の前記引出し部は、前記スペーサを介して互いに固定されている、請求項1から3のいずれかに記載の蓄電機器。
  5. ケースを備え、
    前記樹脂にて封止された前記積層体は、ケースの内部に収容されている、請求項1から4のいずれかに記載の蓄電機器。
  6. 前記積層体は、バイポーラ電池を含む、請求項1から5のいずれかに記載の蓄電機器。
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