<全体の構成>
図1は、本発明の実施例に係る遊技台としてのスロットマシン100の外観を示す正面図である。
スロットマシン100は、本体101に前面扉201を開閉可能に蝶着して構成してある。スロットマシン100の内部には、複数種類の絵柄が施された複数のリールを備えた可変表示装置1000が配設してある。また、可変表示装置1000の上方には、液晶表示装置180が配設されている。
可変表示装置1000は、後述の主制御部300によって遊技の結果に対応して表示制御が行われる。また、液晶表示装置180は、後述の主制御部300からの制御命令を受けた副制御部400からの制御命令を受けた液晶画面制御部500によって表示制御が行われている。そして、可変表示装置1000は、遊技結果としての絵柄表示が行われ、遊技者は可変表示装置1000を観察することで入賞の有無を直接的に確認することができるようになっている。
一方、液晶表示装置180は、可変表示装置1000が表示する入賞絵柄の組み合わせとは異なる絵柄を表示する。即ち、副制御部400からの制御命令を受けて多様な表示態様で種々の情報を表示することにより、遊技者に指示を与えたり、遊技を盛り上げる。なお、本体101の両サイドには、取手部101cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
次に、可変表示装置1000について簡単に説明する。可変表示装置1000は、前面扉201の上部前面に、リール表示窓113を介して設けられている。リール表示窓113の正面から見ると可変表示装置1000はリール110〜112で構成されている。これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施例では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施例ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ等の再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ127は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ126は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施例では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器124は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器125は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。
メダル投入ボタン133、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施例では、最大メダル投入ボタン133(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン132を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する(なお、以下メダル投入口134ということがある)。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ134aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー130は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタン136a〜136cが設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。左ストップボタン136aを操作することによって左リール110が、中ストップボタン136bを操作することによって中リール111が、右ストップボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各ストップボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー130が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック134から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン138が押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン138が押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉201を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,151、中央ランプ152,152、腰部ランプ153,153、下部ランプ154,154は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施例では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
なお、上部ランプ190の近傍の左右にスピーカーの音孔(図示せず)を設けている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカーからの効果音を出力するための音孔が設けられている。背面スピーカーの音孔には、装飾が施されたスピーカーカバー173が装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
次に、図2、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。スロットマシン100の制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
<主制御部の構成>
先ず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー130に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン136a乃至136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン132、133のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン133に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン133が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン138に設けられている。精算ボタン138が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、賞としてメダルを払い出す所謂ホッパー(図示せず)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ127等)と、7セグメント表示器341(払出枚数表示器124、遊技回数表示器125、貯留枚数表示器128等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本実施例における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタが備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部の構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉201の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ129、タイトルパネルランプ141、受皿ランプ210、払出口ストロボ171を制御する。なお、リールパネルランプ129はリールパネルを照明するランプであり、タイトルパネルランプ141はタイトルパネル140を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプであり、受皿ランプ210は受皿160を照明するランプであるが、図1においては表記されていない。
なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500と双方向通信を行う。
<コネクタカバー>
前記した主制御部300、副制御部400、液晶画面制御部500等の制御部は、回路基板610に実装される種々の電子部品によって構成される。また、各制御部の間、及び各制御部と種々の遊技装置等の間は、フラットケーブル620等の配線材によって電気的に互いに接続される。或いは、これらの接続を中継基板を介して接続することもある。
そこで、回路基板610には、種々の電子部品を実装すると共に、配線材を接続するためのコネクタ600が実装されている。このコネクタ600は、例えば、ヘッダ630とソケット640を含んで構成される。そして、ソケット640は、回路基板610に実装されるピンソケットであり、ヘッダ630は、配線材、例えばフラットケーブル620の先端部分、或いは中間部分に設けられている。なお、コネクタ600の形式や配線材の形状は、これらに限ることなく適宜に適用可能である。
例えば、主制御部300を構成する主制御基板(以下、回路基板610という。)においては、この主制御基板(回路基板610)と、副制御部400を構成する副制御基板とが、例えばフラットケーブル620によって接続され、両制御基板の間で、遊技に関する重要なコマンドや情報が授受されている。そして、フラットケーブル620は、コネクタ600を介して各制御基板と接続される。
また、コネクタ600は、回路基板610に実装されるものばかりではない。図示は省略するが、例えば、電源基板を内部に収納する電源ケースのケース背面には、前記した主制御部300との間で信号の送受信を行なうために接続するケーブルのコネクタが設けられている。更に、ケーブルの長さが不足するなどして、元のケーブルに新たなケーブルを継ぎ足してケーブルの長さを延長させるような場合もあるが、両ケーブルの間もまたコネクタによって接続されている。
しかしながら、コネクタ600は、容易に着脱可能であって、簡単に接続を変更できてしまう。そこで、不正な機器をコネクタ600を介して取り付けることにより、不正に制御したり、重要な情報を抜き出すといった不正行為が可能になっている。
そこで、図4以下に示す実施例では、一旦接続したコネクタ600を容易に取り外せないようにするコネクタカバー700をコネクタ600に装着している。即ち、接続状態にあるコネクタ600に、コネクタカバー700を装着し、コネクタカバー700を装着したのちは、当該コネクタカバー700の後述する切断部770を破壊しなければ、コネクタ600の接続を解除できないように構成してある。
例えば、図5の分解斜視図に示すように、2つの部品を相互に組み合わせてなるコネクタカバー700を、特定部品としてのカシメピン730によって分離不能にカシメることにより、コネクタ600に装着するのである。
具体的には、コネクタカバー700は、コネクタ600を内部に収納可能なように、各々コネクタ収納部740を有する第1カバー部材710と、この第1カバー部材710に組み合わされる第2カバー部材720とからなる。また、コネクタ収納部740の左右には、特定部品としてのカシメピン730によってカシメるためのカシメピン収納部750がそれぞれ形成してある。
そこで、先ず、コネクタ600について説明する。この実施例で用いるコネクタ600は、例えば、図6に示すような構成になっている。即ち、コネクタ600は、図6では図示していないフラットケーブル620に接続したヘッダ630と、同じく図示していない回路基板610に固定したソケット640を含んで構成される。また、図示の実施例においてはソケット640は、当該ソケット640に嵌合させた左右一対のレバー650、650を備えている。即ち、各レバー650は、ソケット640に設けた支点641を軸として、外向きに回動可能に構成してある。なお、このレバー650には、図示していないが、ソケット640の間にクリック手段が設けてあり、起立状態にあるレバー650が勝手に回動しないようにすると共に、レバー650を操作したときに、適宜な抵抗感が加わるように構成してある。
各レバー650の内向きの先端には、後述するヘッダ630の左右の角部に形成した爪受溝631に、係合する係合爪651が形成してある。即ち、この係合爪651は、レバー650の内壁面652よりも内側へ突出し、かつ内壁面652との間に係合溝653が形成してある。また、レバー650の側面には、第1係合部として嵌合凹部654が形成してあり、この嵌合凹部654には、後述するコネクタカバー700が有する第2係合部としての嵌合凸部715が嵌合する。このため、コネクタ600に対してコネクタカバー700が係合して当該コネクタカバー700が脱落しないようになる。
一方、コネクタ600に嵌合されるヘッダ630は、ほぼ長柱状の部材であって、前記したように、左右の端部には、ソケット640のレバー650に設けた係合爪651が係合する爪受溝631が形成してある。即ち、爪受溝631は、谷状に凹陥する部分であって、この凹陥部分に、起立状態にあるレバー650の係合爪651が嵌入する。このとき、ヘッダ630の外壁面632と、レバー650の内壁面652とが互いに当接する位置にある。また、レバー650は、前記したようにある程度の抵抗に打ち勝たないと、回動させることはきないので、ソケット640に嵌合させたヘッダ630をロックすることができる。従って、レバー650が、起立状態にあるときは、ヘッダ630が抜けることがない。
なお、図示していないが、ヘッダ630には、配線材として例えばフラットケーブル620を接続する。即ち、分離可能に構成してあるヘッダ630を、一旦分離して一対のスリット633の間に、フラットケーブル620を折り返し状に挟み込むことにより、ヘッダ630内部の各ピンとフラットケーブル620の各芯線との電気的接続を得ると共に、フラットケーブル620の引き抜けを防止するのである。
また、図示していないが、一対のレバー650が開放状態にあるときに、ヘッダ630をソケット640に嵌合させるために押し込むと、ヘッダ630の下面がレバー650の下端部分を押して当該レバー650を起立させるため、係合爪651が爪受溝631に係合する。一方、一対のレバー650を外方向に回動させると、係合爪651と爪受溝631との係合が解かれると共に、レバー650の下端がヘッダ630を押し上げる構造になっている。
図7は、コネクタ600にコネクタカバー700を装着した状態の説明図である。即ち、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、をそれぞれ示している。そして、コネクタカバー700は、複数の部品を互いに組み合わせて構成するものであり、図示の実施例では、第1の部品である第1カバー部材710と、この第1の部品に組み合わせる第2の部品である第2カバー部材720とから構成してある。
図8は、コネクタカバー700を構成する部品の一つである第1カバー部材710の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は背面図、(e)は左側面図である。第1カバー部材710は、例えば、図8に示すように、ほぼ直方体形状となっている部材である。この第1カバー部材710には、コネクタ600のヘッダ630及びレバー650を収納可能な第1のコネクタ収納部740−1が形成してある。即ち、この第1のコネクタ収納部740−1は、コネクタ600を構成するソケット640の上方部分と、このソケット640に嵌合させたヘッダ630と、このヘッダ630の嵌合状態をロックして起立状態にあるレバー650と、に対応した形状の空間部である。
そこで、第1カバー部材710は、図面では背板にあたる第1基板部711と、この第1基板部711の上縁から延出する第1上板部712と、第1基板部711の左右端に位置する箱枠状の左側の第1カシメピン収納部751L及び右側の第1カシメピン収納部751Rと、を備えて構成される部品である。従って、第1基板部711と、第1上板部712と、左右の第1カシメピン収納部751L、751Rと、によって囲まれ、前面側及び下面側が開放する空間が、第1コネクタ収納部740−1となる。
第1基板部711のほぼ中段より下には、コネクタ600のヘッダ630に対応するように段差部7111が僅かに後方へ膨出する状態で形成されている。また、この段差部7111の上縁部分ほぼ中央には、コネクタ600のヘッダ630に係止可能な係止舌片713が、第1コネクタ収納部740−1内へ突出するように設けてある。
第1上板部712の中央には、後述する第2カバー部材720を組み付けたときに、両者を保持するための組付部を形成する第1組付部714が設けてある。この第1組付部714は、第1上板部712の中央部分を、当該第1上板部712の肉厚程度の高さで後退させて受入部7141を形成すると共に、この受入部7141の中央に内側方向へ向けて緩い下り傾斜を有する片傾斜部7142を突設してなる。そして、この片傾斜部7142の外側端部は、急激に落ち込んで係止段部7143になっている。
第1基板部711の左側の端部には、左側の第1カシメピン収納部751Lが形成されている。この左側の第1カシメピン収納部751Lは、内部にカシメピン730を挿入可能な空間部を備えた部位であって、第1基板部711から起立する四方の起立片によって形成される。即ち、第1上板部712とほぼ平行状態に起立する第1上板片7501と、外側の側壁を形成するように起立する第1外側壁片7502と、内側の側壁を形成するように起立する第1内側壁片7503と、底部を形成するように起立する第1底壁片7504と、によって形成され、内部には前記したように空間部を備えている。
内方の側壁を形成している第1内側壁片7503は、コネクタ600の外形形状に対応する形状に形成されており、起立状態にあるレバー650とソケット640との間に、殆ど隙間が生じないようになっている。
第1上板片7501には、後述するカシメピン730を挿入するための、挿入孔760が開設してある、この挿入孔760は、例えば、図8(b)に示すように、ほぼ小判形の段孔部761と、この段孔部761に繋がったほぼ四角形の角孔部762とが複合したものである。そして、前記ほぼ小判形の段孔部761には、ほぼ小判形に形成したカシメピン730の頭部731が嵌入する。また、四角形の角孔部762には、四角形に形成したカシメピン730の胴部732が嵌入する。なお、カシメピン730には、一対の係止片733が設けてあり、この係止片733が前記角孔部762の縁に係止することにより、当該カシメピン730が抜けなくなってカシメるものである。
第1基板部711には、前記ソケット640が備えるレバー650の側面に設けた第1係合部としての嵌合凹部654に対応するように、第2係合部としての嵌合凸部715が突設してある。即ち、第1基板部711上において、左側の第1カシメピン収納部751Lを構成する第1内側壁片7503の近傍に、レバー650が有する嵌合凹部654に嵌合する嵌合凸部715を、突設するのである。そこで、これらの嵌合凸部715と嵌合凹部654とが互いに嵌合すると、レバー650の回動が拘束されることになり、ヘッダ630の取り外しが不可能になる。また、前記した第1内側壁片7503も、レバー650の外向きの回動を阻止するものである。従って、嵌合凹部654に嵌合凸部715が嵌合すること、及び第1内側壁片7503にレバー650が当接することとが相俟ってレバー650の回動を完全に阻止することができる。しかも、嵌合凸部715と嵌合凹部654とが互いに嵌合することにより、ソケット640から第1カバー部材710が脱落しなくなる。
コネクタカバー700を構成する複数の部品には、これらの部品を互いに組み合わせてカシメることによってコネクタ600に装着した当該コネクタカバー700を分離可能に切断するための切断部770が、各部品の所定位置に設けてある。これは、一旦、組み合わせて装着したコネクタカバー700を取り外す必要が生じた場合への配慮である。即ち、コネクタカバー700は、カシメピン730によってカシメられているので、このカシメピン730を除去しない限り、コネクタカバー700を取り外すことができない。そこで、図示の実施例においては、カシメピン730をそのまま放置し、コネクタカバー700を構成する部品の一部を切断することにより、カシメピン730の影響を受けることなく、コネクタカバー700の取り外しを可能にする配慮である。
切断部770は、例えば第1基板部711において、前記した第1内側壁片7503と、前記した嵌合凸部715との間に、第1内側壁片7503に沿ってほぼ弓形に開設した切欠孔771と、第1基板部711の下縁から、第1内側壁片7503に沿って前記切欠孔771に向けて切り欠いた切欠部772と、の間に残した部分である。なお、この切断部770を基板切断部770−1という。
切断部770は、例えば第1上板部712にも設けてある。この切断部770は、第1上板部712において、カシメピン挿入孔760の近傍に、長方形の切欠孔773を開設したときに、この切欠孔773の内側短辺と、第1上板部712の外縁との間に残る部分である。なお、この切断部770を上板切断部770−2という。
切断部770は、第1上板部712と第1基板部711とに掛けても存在する。即ち、前記した第1上板部712の切欠孔773の外側短辺と、第1基板部711に設けた切欠孔771の上側辺との間の角部に残る部分である。なお、この切断部770を角切断部770−3という。
このように、異なる部位に切断部770を形成しておくと、作業がし易い位置にある切断部770を切断することが可能であり、部品の分離が容易になる。
一方、第1カバー部材710の右側部分にも、右側の第1カシメピン収納部751Rや嵌合凸部715等が設けてあるが、この第1カバー部材710は左右対称なので、説明の重複を避けるため、同じ機能を有する部位には、同一符号を付して説明を省略する。
そして、前記したような構造を備える第1カバー部材710は、内部に収納したコネクタ600を視認可能なように、透明な合成樹脂により一体成形されている。
一方、前記した第1カバー部材710と組み合わせることにより、コネクタカバー700を構成する第2カバー部材720を、図9に示す。即ち、図9は、第2カバー部材720の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は背面図、(e)は左側面図をそれぞれ示す。この第2カバー部材720は、断面形状がほぼL字状になる部材である。そして、この第2カバー部材720には、コネクタ600を構成するヘッダ630及びソケット640のレバー650を収納可能な第2コネクタ収納部740−2が形成してある。即ち、この第2コネクタ収納部740−2は、コネクタ600を構成するソケット640の上方部分と、このソケット640に嵌合させたヘッダ630と、このヘッダ630の嵌合状態をロックして起立状態にあるレバー650と、に対応した形状の空間部である。
そこで、第2カバー部材720は、図面では前板にあたる第2基板部721と、この第1基板部711の上縁から後方へ向けて延出する第2上板部722と、第2基板部721の左右端に位置する箱枠状の左側の第2カシメピン収納部752L及び右側の第2カシメピン収納部752Rと、を備えて構成される部品である。従って、第2基板部721と、第2上板部722と、左右の第2カシメピン収納部752L、752Rと、によって囲まれ、後面側及び下面側が開放する空間が、第2コネクタ収納部740−2となる。
第2基板部721のほぼ中段より下には、コネクタ600に接続する図示していないフラットケーブル620を引き出すための開口部723が形成されている。なお、フラットケーブル620の引出方向は、このように横方向ばかりではなく、上方へ引き出すように形成することもできる。
第2上板部722の中央には、前記した第1カバー部材710を組み付けたときに、両者を保持するための組付部を形成する第2組付部724を設ける。この第2組付部724は、第2上板部722の中央部分にあたり、両側の切欠分離帯によって、左右の第2上板部722の平板部から独立している。このため、第2組付部724は舌片状となって弾性変形が可能である。また、この第2組付部724は、内側に孔抜き部7241を設けた枠状である。そして、この孔抜き部7241の後側の縁に、前記した第1カバー部材710の第1組付部714が係止することになる。
一方、第2組付部724の左右に位置する第2上板部722は、第1カバー部材710の第1上板部712の肉厚程度、下降した位置に設けてある。このため、第1カバー部材710と第2カバー部材720とを組み合せた場合に、第1上板部712と第2組付部724とがほぼ面一に揃う。
第2基板部721の左側端部には、左側の第2カシメピン収納部752Lが形成される。この左側の第2カシメピン収納部752Lは、前記した第1カバー部材710に設けた左側の第1カシメピン収納部751Lにぴったり嵌入する大きさ及び形状を備えた部位であり、第2基板部721から起立する四方の起立片によって形成される。即ち、第2上板部722とほぼ平行状態に起立する第2上板片7601と、外側の側壁を形成するように起立する第2外側壁片7602と、内方の側壁を形成するように起立する第2内側壁片7603と、底部を形成するように起立する第2底壁片7604と、によって形成され、内部には空間部を備えている。
内方の側壁を形成している第2内側壁片7603は、前記した第1内側壁片7503の内側にスライド状態で嵌入する形状に形成されており、両者の間には殆ど隙間が生じないようになっている。
第2上板片7601には、前記したカシメピン挿入孔760である四角形の第1角孔部762に連通するように、四角形の第2角孔部763が開設してあり、この第2角孔部763には、四角形に形成したカシメピン730の胴部732が嵌入する。
第2基板部721には、前記した第1基板部711と同様に、前記ソケット640のレバー650の側面に設けた嵌合凹部654に対応するように、嵌合凸部715が突設してある。即ち、第2基板部721上において、第2内側壁片7603の近傍に、レバー650が有する嵌合凹部654に嵌合する嵌合凸部715が突設してある。このため、これらの嵌合凸部715と嵌合凹部654とが互いに嵌合すると、レバー650の回動が拘束されることになり、ヘッダ630の取り外しが不可能になる。また、嵌合凹部654に嵌合凸部715が嵌合することで、コネクタ600に対して第2カバー部材720が係合することになり、第2カバー部材720の脱落が防止される。
第2カバー部材720にも、コネクタカバー700を分離可能に切断するための切断部770が、所定位置に設けてある。即ち、第2基板部721において、前記した嵌合凸部715の上側で、左側の第2カシメピン収納部752Lの内側角部の近傍から、フラットケーブル620を引き出すための開口部723の上側角部の近傍に向けて、矢じり型の切欠孔774を開設している。このとき、第2上板部722に残った部分が、切断部770−4となる。また、第2基板部721において、開口部723の上側角部と切欠孔774との間に残った部分が、切断部770−5となる。
なお、前記した説明は、第2カバー部材720の左側部分についての説明であるが、この第2カバー部材720は左右対称なので、説明の重複を避けるため、同じ機能を有する部位には、同一符号を付して説明を省略する。
そして、前記したような構造を備える第2カバー部材720は、内部に収納したコネクタ600を視認可能なように、透明な合成樹脂により一体成形されている。
第1カバー部材710と第2カバー部材720とからなるコネクタカバー700を、回路基板610に配置したコネクタ600に装着するには、次のようにすればよい。即ち、先ず、第1カバー部材710の第1コネクタ収納部740−1内に、コネクタ600が位置するように、第1カバー部材710をコネクタ600の後方から被せる。すると、ヘッダ630の上縁に係止舌片713が係止する。また、第1基板部711に設けた嵌合凸部715が、レバー650の側面に位置する嵌合凹部654に嵌合する。このため、第1カバー部材710が、コネクタ600に対して保持される。このとき、レバー650が開放状態にあると、第1カバー部材710の第1コネクタ収納部740−1に収まらないし、嵌合凸部715が嵌合凹部654に嵌合することもない。従って、ヘッダ630の付忘れやレバーロック不充分を確実に防止可能である。
次に、第2カバー部材720をコネクタ600に装着する。これは、第2カバー部材720をコネクタ600の前方から、第2コネクタ収納部740−2内に、コネクタ600が位置するように被せればよい。すると、第1カバー部材710の第1カシメピン収納部751内に、第2カバー部材720の第2カシメピン収納部752が入り込む。また、第1カバー部材710の第1組付部714の係止段部7143が、第2カバー部材720の第2組付部724の孔抜き部7241に係止する。更に、第2カバー部材720の第2基板部721に設けた嵌合凸部715が、ソケット640のレバー650の嵌合凹部654に嵌合する。このため、第2カバー部材720が、コネクタ600に対して保持される。このとき、レバー650が開放状態にあると、第2カバー部材720の第2コネクタ収納部740−2に収まらないし、嵌合凸部715が嵌合凹部654に嵌合することもない。従って、ヘッダ630を付忘れたり、ヘッダ630のレバー650によるロックが不充分な状態での装着のミスを確実に防止することができる。
第1カバー部材710と第2カバー部材720とを組み合わせることにより、コネクタカバー700をコネクタ600に装着したならば、第1カバー部材710と第2カバー部材720とが相互に重なる部分、即ち第1カシメピン収納部751内に第2カシメピン収納部752が嵌まり込んだカシメピン収納部750の挿入孔760に、カシメピン730を挿入して、カシメ作業を完了させる。
そして、第1カシメピン収納部751内に第2カシメピン収納部752が嵌まり込んだ状態が、部品が相互に重なりあった状態であり、この重なり合う部分がカシメピン収納部750であり、ここに形成される孔が挿入孔760となる。
前記のようにしてカシメ作業が完了すると、図7に示す状態になる。この状態では、カシメピン730を外すか、コネクタカバー700に一部を破壊しなければ、当該コネクタカバー700を取り外すことができない。即ち、痕跡を残すことなくコネクタカバー700を取り外すことができないので、不正行為を行い難くかつ不正行為を発見し易いコネクタカバー700となる。例えば、カシメピン730の頭部を小判形に、胴部732を角形に形成し、これらに対応する挿入孔760を形成している。そこで、カシメピン730を回転ドリルによって切削した場合には、小径なドリルではカシメピン730を除去できないし、大径なドリルでは周囲まで切削してしまうので、痕跡を残してしまう。従って、不正行為を行い難くかつ不正行為を発見し易くなる。
また、第1カバー部材710と第2カバー部材720とは、コネクタ600の側方から互いに組み合わされる部品であり、かつ、組み合わさった状態が、コネクタ600とほぼ同形状になる。従って、コネクタ600の周囲に隙間ができ難いため、不正行為を行なうことが困難であり、この点からも安全性が高いものとなる。
この実施例においては、コネクタカバー700を、第1カバー部材710と第2カバー部材720との、2部品によって構成すると共に、両部品をカシメるための特定部品として2本のカシメピン730を用いているが、他の実施例とすることもできる。例えば、第1カバー部材710と第2カバー部材720の一端を、ヒンジ状に回動可能に連結し、他端をカシメピン730でカシメるようにしてもよい。この実施例によれば、取付作業が簡単になる。
また、前記した実施例においては、第1カバー部材710と第2カバー部材720とを、コネクタ600の側方から装着しているが、この装着方向は側方ばかりではなく、例えば、上方から装着するようにすることも可能である。
次に、図10を参照して、コネクタカバー700の取り外しを説明する。前記したような構成を有するコネクタカバー700は、コネクタ600に一旦装着したのちは、コネクタカバー700を破壊しなければ、コネクタカバー700を外すことができない。そこで、この実施例によるコネクタカバー700には、切断を容易にする切断部770が設けてある。従って、この切断部770を切断することにより、容易にコネクタカバー700を取り外すことができるようになる。
即ち、第2カバー部材720において、切断部770として残る細くなった部分を、ニッパー等の切断工具によって、切断する。例えば、図10(a)においては、四個所の切断部770、即ち左側の切断部770−4,770−5、及び右側の770−4,770−5を切断する。すると、図10(b)に示すように、左右のカシメピン収納部752L、752R0を残して、第2カバー部材720の中央部分が外れるようになる。その後、順次、第1カバー部材710を外せば、コネクタカバー700を撤去することが可能になる。
図11は、封印用のシールを添付した実施例を示す。即ち、コネクタカバー700は、第1カバー部材710と第2カバー部材720とを組み合わせて構成してある。そこで、第1カバー部材710と第2カバー部材720との間に封印用シール780を貼着すると、両部材を開封したことが一目瞭然となる。このとき、第1カバー部材710には平坦な第1上板部712が、第2カバー部材720には平坦な第2基板部721が設けてある。このため、両部材の平坦部分に、封印用シール780を貼着すれば、基板ケース等の周辺部の影響を受けることなく封印用シール780を貼着することが可能である。また、周辺機器の死角になることもないので、封印用シール780の状態が見易く、破損や開封を容易に発見することが可能である。なお、前記した実施例と同じ機能を有する部位には同一符号を付して説明を省略する。
図12は、複数の部品を組み合わせてカシメる方向を、横方向からとした実施例を示している。即ち、この実施例では、カシメピン挿入孔760を横向きに開口させ、カシメピン730を横から挿入している。この実施例によれば、カシメピン730がきちんと挿入されているか否かの確認が容易になる。また、前記した各実施例と同様に、不正行為を行い難くかつ不正行為を発見し易いものとなる。なお、前記した実施例と同じ機能を有する部位には同一符号を付して説明を省略する。
図13は、コネクタカバー700をコネクタ600に係止させる部分の他の実施例を示す要部の説明図である。即ち、図13(a)は、第1カバー部材710の左側部分と、コネクタ600のソケット640の左側部分を示す要部の正面図である。また、図13(b)は第1カバー部材710の左側部分と、コネクタ600のソケット640の左側部分を示す要部の斜視図である。
そこで、この実施例では、第1カバー部材710の第1基板部711には、円柱状の嵌合凸部715が設けてある。一方、この嵌合凸部715が嵌合する嵌合凹部654は、コネクタ600のソケット640が備える円形孔642を利用する。このようにして、嵌合凸部715と嵌合凹部654とを互いに嵌合させて、コネクタカバー700をコネクタ600に装着することが可能である。なお、前記した実施例と同じ機能を有する部位には同一符号を付して説明を省略する。
更に、図示していないが、コネクタカバー700の装着は、コネクタカバー700の一部がコネクタ600に係合して、当該コネクタカバー700が脱落しないように構成すればよい。例えば、ソケット640の底部にコネクタカバー700の下端部分を係合させるようにすることもできる。即ち、コネクタ600と回路基板610との間に、コネクタカバー700の下端部分に設けた爪部を係合させるのである。
図14は、遊技台としてのパチンコ機2000の斜視図である。パチンコ機2000は、所定の入賞口2110を有する遊技領域2150を備え、所定の入賞口2110に遊技球が入球することにより、遊技者に所定の特典を与える遊技台である。
そこで、パチンコ機2000は、遊技者が遊技球であるパチンコ玉の打ち出しを行なうためのハンドル2120と、ハンドル2120に対する操作により打ち出されるパチンコ玉が導入される受皿2130と、パチンコ玉が打ち出されるほぼ円形の遊技領域2150を形成した遊技盤2100と、を備える。遊技領域2150には図示していない多数の障害釘が配設され、遊技領域2150の上部から落下するパチンコ玉は障害釘に衝突して流下方向を変えながら遊技領域2150の下部に設けたアウト口(図示せず)へ落下する。遊技領域2150には入賞口2110が配設されており、入賞口2110へパチンコ玉が入球すると予め定めた特典が遊技者に付与される。また、遊技領域2150のほぼ中央には、リール1500を備える可変表示装置1000を配設する。
図15はパチンコ機の制御系の機能ブロック図である。パチンコ機は制御部2300を有する。制御部はCPU等の処理手段2310、乱数を発生する乱数発生手段2320、RAM等の第1記憶手段2331、及び、ROM等の第2記憶手段2332を有する。センサ2340は入賞口2110に設けられ、パチンコ玉の入球を検出するセンサ2340である。その他のデバイス2350は、その他のデバイス(ランプ、パチンコ玉の払い出し装置等)を示している。
処理手段2310は、大当たりの抽選の実行条件が成立したか否かを判定する実行条件判定手段として機能する。大当たりの抽選の実行条件は、センサ2340により入賞口2110にパチンコ玉が入球したことが検出された時に成立する。処理手段2310は、大当たりの抽選の実行条件が成立すると乱数発生手段2320から乱数値を取得し、第1記憶手段2331に記憶する。
乱数値は大当たりの抽選の実行条件の成立毎に予め定めた記憶上限回数を上限として順次記憶される。例えば、4回分の抽選結果が記憶される。4回分の乱数値が記憶されている場合、新たな乱数値は破棄される。処理手段2310は第1記憶手段2331に乱数値が記憶されていることを条件として、当該乱数値に基づき大当たりの抽選を行う、抽選手段として機能する。第1記憶手段2331に複数回分の乱数値が記憶されている場合には最も古いものから順番に選択する。
抽選結果が大当たりの場合は、大当たりに対応した識別情報が、可変表示装置1000に表示されると、ボーナスゲームが開始されて遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。
遊技者に付与される特典は、例えば、賞球としてパチンコ玉を払い出すことである。また、特典を、前記した大当たりの抽選の実行とすることもできる。大当たりの抽選で当選すると、遊技者に多数のパチンコ玉が賞球として払い出されるチャンスが与えられる。
このような構成のパチンコ機2000において、例えば制御部2300と、可変表示装置1000との間を接続する配線に、センタ230との間を接続する配線に、その他のデバイス2350との間を接続する配線等に、前記したコネクタカバー700を適用することができる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、図示の実施例では、回路基板に実装したコネクタに装着するコネクタカバーについて説明したが、本発明に係るコネクタカバーは、遊技台における配線接続に広く用いられるコネクタに適用することができる。