JP2008099036A - 超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プルイン現象が発生せず良好な特性を有する静電容量型の超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】互いに対向して配設された一対の電極と、該一対の電極の一方の電極を支持する振動膜とを具備して構成される静電容量型の超音波トランスデューサであって、前記一対の電極間に介装されたn層(nは1以上の自然数)の空隙層と、前記一対の電極間に介装されたm層(mは1以上の自然数)の絶縁層とを具備し、かつ次式を満たす構成とする。
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3
ただし、dnは第n層の空隙層の厚さ、特にd1は前記振動膜が振動するための空隙層の厚さ、tmは第m層の絶縁層の厚さ、kmは第m層の絶縁層の比誘電率。
【選択図】図6
【解決手段】互いに対向して配設された一対の電極と、該一対の電極の一方の電極を支持する振動膜とを具備して構成される静電容量型の超音波トランスデューサであって、前記一対の電極間に介装されたn層(nは1以上の自然数)の空隙層と、前記一対の電極間に介装されたm層(mは1以上の自然数)の絶縁層とを具備し、かつ次式を満たす構成とする。
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3
ただし、dnは第n層の空隙層の厚さ、特にd1は前記振動膜が振動するための空隙層の厚さ、tmは第m層の絶縁層の厚さ、kmは第m層の絶縁層の比誘電率。
【選択図】図6
Description
本発明は、静電容量型の超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置に関する。
体腔内に超音波を照射し、そのエコー信号から体内の状態を画像化して診断する超音波診断法が普及している。この超音波診断法に用いられる超音波診断装置の1つに超音波内視鏡がある。超音波内視鏡は、体腔内へ導入される挿入部の先端に超音波トランスデューサ(超音波振動子)により構成される超音波探触子が配設されている。超音波トランスデューサは電気信号を超音波に変換し体腔内へ送信し、また体腔内で反射した超音波を受信して電気信号に変換する機能を有するものである。
従来、超音波トランスデューサとして、セラミック圧電材PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)等の圧電素子が主に使用されてきたものであるが、近年、マイクロマシニング技術を用いて製造される静電容量型超音波トランスデューサ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer;以下、c−MUTと称する)が注目を集めている。
c−MUTは、例えば図10に示すように、空隙部(キャビティ)407を挟んで対向する一対の平板状の電極(平行平板電極)を具備して構成されるものであり、一方の電極である上部電極420を含む膜(メンブレン)400aの振動により超音波の送受信を行うものであり、例えば特許文献1に開示されている。
また、c−MUTのような、平行平板型の電極を用いた静電容量式のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)では、両電極間の距離が所定の値よりも小さくなると、メンブレンの復元力よりも静電引力が勝るようになり、上部電極420を支持するメンブレン400aが他方の電極である下部電極410側に貼着してしまう、いわゆるプルイン(pull-in)現象が発生することが知られている。
プルイン現象が発生する条件は、メンブレン400aの変位量をxp、キャビティ407の厚さをd、絶縁膜404の比誘電率をk、厚さをtとした場合に、次式で表される。
xp=(d+t/k)/3 ・・式(3)
プルイン現象が発生する条件は、例えば非特許文献1に式(25)として記載されている。
米国出願公開公報US2005/0219953A1
Bozkurt, A.,外3名、「Theory and analysis of electrode size optimization for capacitive microfabricated ultrasonic transducers」,"IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS,FERROELECTRICS,AND FREQUENCY CONTROL",VOL.46,NO.6,P1364−1374,Nov 1999
プルイン現象が発生する条件は、例えば非特許文献1に式(25)として記載されている。
c−MUTにおいてプルイン現象が生じてしまうと、メンブレンは全体が対向する電極側に貼り付いてしまうように変形を起こす。このため、メンブレンの周辺部に応力が集中し、プルイン現象が発生することによって、メンブレンの寿命が短くなる、もしくは特性が変化してしまう。また、プルイン現象によって、メンブレンが破壊されてしまう場合もある。
なお、プルイン現象が発生する条件においてc−MUTを駆動することも可能であるが、この場合、プルイン現象が発生する値以上の駆動電圧においてはメンブレンの振幅が一定に限られてしまうので、超音波の出力を制御することができる範囲が狭くなってしまう。
ここで、電子走査式の超音波内視鏡は複数のc−MUTを具備して構成されるものである。一般に、電子走査式の超音波内視鏡では、画質の向上を目的として、各c−MUTごとに送信のタイミングや送信超音波の出力を制御することで、放射する超音波ビームの形状を制御している。このような電子走査式の超音波内視鏡においては、プルイン現象が発生すると、送信超音波の音圧が不連続となり、適切な超音波ビームの制御が困難となる。また、プルイン現象が発生している状態では、メンブレンの振動が正弦波状ではなくなるため、音質が低下してしまう。
また、プルイン現象が発生しない条件においてc−MUTを駆動する場合、駆動電圧の最大値が制限されてしまうため、超音波の出力を下げざるを得なくなる。
このように、プルイン現象が発生してしまうc−MUTにおいては、超音波の送受信の特性が制限されてしまうのである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、プルイン現象が発生せず良好な特性を有する静電容量型の超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波トランスデューサは、互いに対向して配設された一対の電極と、該一対の電極の一方の電極を支持する振動膜とを具備して構成される静電容量型の超音波トランスデューサであって、前記一対の電極間に介装されたn層(nは1以上の自然数)の空隙層と、前記一対の電極間に介装されたm層(mは1以上の自然数)の絶縁層と、を具備し、かつ次式を満たすことを特徴とする。
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3
ただし、dnは第n層の空隙層の厚さ、特にd1は前記振動膜が振動するための空隙層の厚さ、tmは第m層の絶縁層の厚さ、kmは第m層の絶縁層の比誘電率
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3
ただし、dnは第n層の空隙層の厚さ、特にd1は前記振動膜が振動するための空隙層の厚さ、tmは第m層の絶縁層の厚さ、kmは第m層の絶縁層の比誘電率
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面1から図6及び図10を参照して説明する。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。図1は超音波内視鏡の概略構成を示す説明図である。図2は超音波内視鏡の先端部分の構成を示す斜視図である。図3は振動子アレイの斜視図である。図4は、振動子ユニットを超音波の送受方向からみた上面図である。
以下、本発明の第1の実施形態を図面1から図6及び図10を参照して説明する。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。図1は超音波内視鏡の概略構成を示す説明図である。図2は超音波内視鏡の先端部分の構成を示す斜視図である。図3は振動子アレイの斜視図である。図4は、振動子ユニットを超音波の送受方向からみた上面図である。
図1に示すように本実施形態の超音波診断装置である超音波内視鏡1は、体腔内に導入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端に位置する操作部3と、この操作部3の側部から延出するユニバーサルコード4とで主に構成されている。
前記ユニバーサルコード4の基端部には図示しない光源装置に接続される内視鏡コネクタ4aが設けられている。この内視鏡コネクタ4aからは図示しないカメラコントロールユニットに電気コネクタ5aを介して着脱自在に接続される電気ケーブル5及び図示しない超音波観測装置に超音波コネクタ6aを介して着脱自在に接続される超音波ケーブル6が延出されている。
前記挿入部2は、先端側から順に硬質な樹脂部材で形成した先端硬性部20、この先端硬性部20の後端に位置する湾曲自在な湾曲部8、この湾曲部8の後端に位置して前記操作部3の先端部に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部9を連設して構成されている。また、前記先端硬性部20の先端側には詳しくは後述する超音波を送受するための超音波送受部30が設けられている。
前記操作部3には前記湾曲部8を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ11、送気及び送水操作を行うための送気・送水ボタン12、吸引操作を行うための吸引ボタン13、体腔内に導入する処置具の入り口となる処置具挿入口14等が設けられている。
図2に示すように、先端硬性部20には、観察部位に照明光を照射する照明光学部を構成する照明レンズ(図示せず)、観察部位の光学像を捉える観察光学部を構成する対物レンズ21、切除した部位を吸引したり処置具が突出したりする開口である吸引兼鉗子口22及び送気及び送水を行うための送気送水口(図示せず)が設けられている。
先端硬性部20の先端に設けられた超音波送受部30は、図3に示ように、振動子アレイ31と駆動回路34とFPC35とを具備して構成されている。FPC35は、可撓性を有し両面に実装面が形成された配線基板(フレキシブル配線基板)であり、超音波送受部30においては、該FPC35は先端硬性部20の挿入軸と略平行な軸を中心軸として略円筒状に巻回されて配設されている。
円筒状のFPC35の外周面上には、2次元の超音波振動子アレイである振動子アレイ31が設けられている。振動子アレイ31は、FPC35の外周面上に周方向に配列された複数の振動子ユニット32(超音波探触子)を具備して構成されている。振動子ユニット32は、FPC35の外周面の法線方向から見て略長方形状を有し、円筒状のFPC35の外周面上において、短手方向を周方向として等間隔に配列されている。振動子アレイ31は、例えば数十から数百個の振動子ユニット32により構成されており、本実施形態の振動子アレイ31は、128個の振動子ユニット32を具備している。
また、振動ユニット32は、図4に示すように、複数の振動子エレメント33が配列されて構成されている。本実施形態では、振動子エレメント33は、FPC35の外周面の法線方向から見て略正方形状を有しており、該振動子エレメント33は、振動子ユニットの長手方向に1次元に配列されている。振動子ユニット32は、本実施形態では64個の振動子エレメント33により構成されている。
振動子エレメント33は、詳しくは後述する本実施形態の超音波トランスデューサである複数の振動子セル100により構成されている。同一の振動子エレメント33においては、振動子セル100は、全て並列に電気的に接続されており、超音波観測装置からの駆動信号が入力されることにより、同時に同位相の超音波を送信する。すなわち、本実施形態では、一つの振動子エレメント33が、超音波を送受信するための最小の駆動単位を構成している。振動子エレメント33は、本実施形態では4個の振動子セル100により構成されている。
隣接する振動子ユニット32間には、個々の振動子ユニット32を区画する溝部である振動子ユニット境界溝41が形成されている。また、振動子エレメント33間にも、個々の振動子エレメント33を区画する溝部である振動子エレメント境界溝42が形成されている。このように、最小の駆動単位である振動子エレメント33の外周に溝部を設けることにより、隣接する振動子エレメント33間におけるクロストークを低減することが可能となる。
振動子エレメント33は、FPC35の実装面の法線方向、すなわち円筒状であるFPC35の径方向外向きに超音波を送信する。したがって、振動子エレメント33が1次元に配列されて構成された振動子ユニット32は、1次元の超音波振動子アレイを構成するものであり、該振動子ユニット32が複数配列されることにより、2次元の超音波振動子アレイである振動子アレイ31が構成されるのである。
一方、円筒状のFPC35の内周面上、すなわち振動子アレイ31が実装された実装面とは反対側の実装面上には、複数の駆動回路34が実装されている。駆動回路34は、振動子エレメント33を駆動するためのパルサーや選択回路等の電気回路を有し、個々の振動子エレメント33と電気的に接続されている。
また、駆動回路34は、円筒状のFPC35の外周面上に形成された、複数の信号電極36及び接地電極37に電気的に接続されている。なお、信号電極36は、図3においては一つの電極のように示しているものであるが、信号電極36は、振動子エレメント33の数に対応して分割されており、一つの振動子エレメント33に対し一つの信号電極が配設されている。
信号電極36及び接地電極37は、超音波ケーブル6内を挿通されて一端が超音波コネクタ6aに電気的に接続された、同軸ケーブルの他端が電気的に接続される。よって、駆動回路34は、超音波観測装置に電気的に接続されるのである。
上述の構成を有する超音波送受部30は、円筒形状のFPC35の外周面上に配設された2次元の超音波振動子アレイである振動子アレイ31によって、超音波を先端硬性部20の挿入軸と略直交する平面上において放射状に送受信する、いわゆる電子式ラジアル走査と、超音波を先端硬性部20の挿入軸を含む平面上において放射状に送受信する、いわゆる電子式セクタ走査とを、同時又は交互に行うものである。すなわち、本実施形態の超音波内視鏡1は、体腔内における3次元の超音波走査が可能である。
次に、本実施形態の静電容量型超音波トランスデューサとしての振動子セル100の構成について、以下に説明する。図5は、振動子セル100の上面図である。図6は、図5のVI-VI断面図である。
本実施形態の振動子セル100は、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の技術範囲に属するものである。振動子セル100は、シリコン基板101上にマイクロマシニング技術により形成された静電容量型の超音波トランスデューサであり、c−MUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)と称される。本実施形態では、振動子セル100は、半導体プロセスを用いて形成された平行平板電極により構成されるものであり、積層構造を有する。
なお、以下の積層構造の説明において、各層の上下関係については、シリコン基板101の表面から法線方向に遠ざかる方向を上方向とする。例えば、図6の断面図において、上部電極120は下部電極110の上方に配設されている、と称するものとする。また、各層の厚さとは、シリコン基板101表面の法線に平行な方向についての各層の寸法を指す。また、以下の説明においては、便宜的に、シリコン基板101の表面のうち、振動子セル100が形成される面をセル形成面、振動子セル100が形成される面とは反対側の面を裏面と称する。
振動子セル100は、略円柱状の空隙部であるキャビティ107を介して対向する一対の平行平板電極である、下部電極110(第1の電極)及び上部電極120(第2の電極)を有して構成される。振動子セル100は、両電極間の距離の変化、すなわち上部電極120を支持する弾性を有する膜状の構造体であるメンブレン100a(振動膜)の振動により、超音波を送受信するものである。すなわち、キャビティ107は、メンブレン100aが振動するための空隙層を構成している。
本実施形態に係る振動子セル100の構造について、以下に詳細に説明する。
シリコン基板101は、導電性を有する低抵抗シリコンウェハからなり、両表面にはそれぞれ電気絶縁性を有するシリコン酸化膜である第1絶縁膜102及び裏面絶縁膜109が形成されている。第1絶縁膜102及び裏面絶縁膜109は、シリコン基板101を熱酸化することにより形成される高温酸化膜である。
シリコン基板101のセル形成面上、すなわち第1絶縁膜102上には、上方から見て略円形状に、導電層である下部電極110が形成されている。下部電極110は、Mo(モリブデン)をスパッタリングにより成膜しパターニングすることで形成される。下部電極110は、上方から見て隣接する4つの下部電極110同士が、略X字形状の下部電極配線111により電気的に接続されている。
なお、積層構造の下層部であり、かつシリコン酸化膜上に形成される下部電極110を構成する材料は、Mo以外に、例えばW(タングステン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)等の高融点金属やその合金であることが望ましいが、その後の製造工程で高温の熱処理を避けることができるのであれば、材料はこれに限定されるものではなく、Al(アルミニウム)、Cu(銅)等であってもよい。また、下部電極110は2種以上の導電性材料を積層した多層構造を有するものであってもよい。
上方から見て略X字形状の下部電極配線111の、配線の交差部には、シリコン基板101を貫通して形成されたウェハ貫通電極112が設けられている。ウェハ貫通電極112は、シリコン基板101とは電気的に絶縁されており、裏面絶縁膜109上に形成された信号電極パッド113に電気的に接続されている。
すなわち、下部電極110は、下部電極配線111、ウェハ貫通電極112を介して、シリコン基板101の裏面に形成された信号電極パッド113に電気的に接続されている。
下部電極110上には、該下部電極110を被覆するように、電気絶縁性を有する第2絶縁膜103が形成されている。第2絶縁膜103は、本実施形態ではシリコン酸化膜であり、プラズマCVD法により成膜される。なお、第2絶縁膜103は、シリコン窒化膜、窒化ハフニウム(HfN)、ハフニウム酸窒化物(HfON)等であってもよい。
第2絶縁膜103上には、キャビティ107越しに電気絶縁性を有する第3絶縁膜104が形成されている。第3絶縁膜104は、本実施形態ではシリコン酸化膜であり、プラズマCVD法により成膜される。なお、第3絶縁膜104は、シリコン窒化膜であってもよい。
第2絶縁膜103と、第3絶縁膜104との間には、大気圧、加圧又は減圧状態の密閉された第1層の空隙層であるキャビティ107が形成されている。ここで、減圧状態とは、大気圧よりも圧力が低い状態を指し、いわゆる真空状態も含むものである。キャビティ107は、略円柱形状を有し、上方から見て下部電極110と略同心上に設けられている。
キャビティ107は、本実施形態では、公知の技術である犠牲層エッチングにより形成されるものであり、犠牲層エッチング時に使用されるキャビティ107内と第3絶縁膜104の上層とを連通するための犠牲層除去孔は、プラグ108により封止されている。犠牲層除去孔はキャビティ107の外周部の3箇所に形成されている。なお、キャビティ107は、微細加工後のウェハ同士を接合する方法で形成されるものであってもよい。
第3絶縁膜104上には、上方から見て略円形状の導電層である上部電極120が形成されている。上部電極120は、上方から見て下部電極110と略同心上、すなわち下部電極110と対向する位置に設けられている。本実施形態では、上部電極120は、Alをスパッタリングにより成膜しパターニングすることで形成される。
上部電極120は、上方から見て隣接する4つの上部電極120同士が、略X字形状の上部電極配線121により電気的に接続されている。ここで、上部電極配線121は、上述した下部電極配線111と、上方から見て重ならない位置に配設されている。このように、下部電極配線111と上部電極配線121とを、互いに重ならないように配置することにより、配線部における寄生容量の発生を防止することができる。
なお、上部電極120を構成する材料は、Al以外に、例えばCu、W、Ti、Ta等の導電性を有するものであればよい。また、上部電極120は2種以上の導電性材料を積層した多層構造を有するものであってもよい。
上方から見て略X字形状の上部電極配線121の配線の交差部は、振動子ユニット境界溝41上に形成されている。該振動子ユニット境界溝41は、第2絶縁膜104のメンブレン支持部104aを貫通してシリコン基板101に到達する深さで形成されている。振動子ユニット境界溝41内には、上部電極120及び上部電極配線121と同一の工程により貫通電極122が成膜されており、貫通電極122は、シリコン基板101にオーミックコンタクト領域122aを介して電気的に接続されている。
また、裏面絶縁膜109上には接地電極パッド123が形成されており、接地電極パッド123は、オーミックコンタクト領域123aを介してシリコン基板101に電気的に接続されている。
すなわち、上部電極120は、上部電極配線121、貫通電極122、シリコン基板101を介して、シリコン基板101の裏面に形成された接地電極パッド123に電気的に接続されている。
上部電極120上には、電気絶縁性を有する保護膜105が形成されている。保護膜105は、本実施形態ではシリコン窒化膜であり、プラズマCVD法により形成される。なお、保護膜105は、シリコン酸化膜であってもよい。なお、保護膜105は、シリコン窒化物以外に、シリコン酸化膜、窒化ハフニウム(HfN)、ハフニウム酸窒化物(HfON)等により構成されてもよい。特に、HfN及びHfONは、高密度の膜が得られるため保護膜として好ましい。
また、図示しないが、保護膜105上には、耐水性、耐薬品性等を有し、生体適合性及び電気絶縁性に優れたパラキシリレン系樹脂等からなる膜を成膜してもよい。
上述した構成を有する振動子セル100を有する振動子エレメント31は、例えば例えば半田接合、異方性導電フィルム接合、超音波接合等の公知の工法によりFPC35上に実装される。したがって、振動子セル100は、信号電極パッド113及び接地電極パッド123を介して、FPC35の反対側に実装された駆動回路34に電気的に接続される。
ここで、上述した構成を有する振動子セル100においては、第3絶縁膜104、上部電極120及び保護膜105のうちの、キャビティ107上の領域に当たる部位が振動膜であるメンブレン100aを構成し、キャビティ107は、メンブレン100aが振動するための空隙層を構成している。
また、下部電極110と上部電極120との間には、第2絶縁膜103(第2層の絶縁層)、キャビティ107(第1層の空隙層)及び第3絶縁膜104(第1層の絶縁層)からなる層構造が介装されているが、これらはそれぞれ、厚さt2、d1及びt1を有するように形成されている。
一般に、キャビティ107、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104の各層の寸法は、送受信する超音波の周波数や、出力、及び絶縁耐圧等の振動子セル100に必要とされる条件に基づいて決定されるものであるが、本実施形態では、これに加えて次式(1)の条件を満たすように、各層の厚さが決定されるものである。
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3 ・・式(1)
ここで、n及びmは1以上の自然数、dnは空隙層の厚さ、特にd1はメンブレン100a(振動膜)が振動するための空隙層の厚さ、tmは絶縁層の厚さ、kmは絶縁層の比誘電率
なお、式(1)は、非特許文献1におけるプルイン現象の発生条件式を、より広範囲な条件に適応可能なように一般化し、さらにプルイン現象が生じない様に不等号化して新たに導出したものであり、式(1)を満たすことにより、振動子セル100において、プルイン現象が発生しなくなるのである。すなわち、式(1)は、メンブレン100aの振幅が最大振幅、すなわちd1となった場合においても、電極間における静電引力が、メンブレンの復元力を上回ることがない条件を示している。
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3 ・・式(1)
ここで、n及びmは1以上の自然数、dnは空隙層の厚さ、特にd1はメンブレン100a(振動膜)が振動するための空隙層の厚さ、tmは絶縁層の厚さ、kmは絶縁層の比誘電率
なお、式(1)は、非特許文献1におけるプルイン現象の発生条件式を、より広範囲な条件に適応可能なように一般化し、さらにプルイン現象が生じない様に不等号化して新たに導出したものであり、式(1)を満たすことにより、振動子セル100において、プルイン現象が発生しなくなるのである。すなわち、式(1)は、メンブレン100aの振幅が最大振幅、すなわちd1となった場合においても、電極間における静電引力が、メンブレンの復元力を上回ることがない条件を示している。
ここで、図10に示すように、下部電極110と上部電極120電極との間に絶縁膜が1層しか存在しない場合、もしくは3層以上存在する場合においても、上式(1)が適用可能なことはいうまでもない。
例えば、本実施形態の振動子セル100において、超音波の出力値から、キャビティ107の厚さd1が0.1μmと定められた場合には、次式が適用される。
0.1≦(0.1+t1/k1+t2/k2)/3
ここで、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104がシリコン酸化膜(SiO2)からなるため、k1=k2≒4である。よって、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104の厚さは、次式
(t1+t2)≧0.8[μm]
を満たすように決定される。
0.1≦(0.1+t1/k1+t2/k2)/3
ここで、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104がシリコン酸化膜(SiO2)からなるため、k1=k2≒4である。よって、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104の厚さは、次式
(t1+t2)≧0.8[μm]
を満たすように決定される。
以上のような構成を有する本実施形態の振動子セル100は、プルイン現象が発生することのない構成を有するため、プルイン現象に起因する超音波の音質の低下及び出力の低下が発生することがない。また、振動子セル100では、プルイン現象が発生しないため、印加する駆動電圧に制限がなく、超音波の出力を制限されることがない。
したがって、本実施形態によれば、良好な特性を有する超音波トランスデューサを実現することが可能となる。また、本実施形態の超音波トランスデューサを備えた超音波内視鏡によれば、品質の高い良好な超音波診断像を得ることが可能となるのである。
なお、上述した構成では、下部電極110、上部電極120及びキャビティ107を具備して構成される振動子セル100は、上方から見て略円形状を有するものであるが、これらの形状は本実施形態に限るものではなく、例えば正六角形や矩形等であってもよい。
また、上述した構成では、シリコン基板101は、配線としての機能を有するために導電性の材料により構成されるものとしているが、別途代わりの配線を設けるのであれば絶縁性の材料により構成されるものであってもよい。すなわち、振動子セル100は、シリコンに限らず、石英、ガラス、サファイア、セラミック等からなる基板上に形成されるものであってもよく、また、ポリイミド等の高分子からなる基板上に形成されてもよい。
また、本実施形態では振動子セル100は、シリコン基板101の裏面上に設けた電極パッドを介して駆動回路と電気的に接続される構成としているが、例えばシリコン基板101のセル形成面上に設けた電極及びボンディングワイヤを介して、振動子セル100と駆動回路とが電気的に接続されるものであってもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図7は、振動子セルの積層構造を模式的に表した断面図である。第2の実施形態の振動子セルは、第1の実施形態の振動子セルに対し、上部電極及び下部電極間に空隙層が追加されたものであり積層構造のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図7は、振動子セルの積層構造を模式的に表した断面図である。第2の実施形態の振動子セルは、第1の実施形態の振動子セルに対し、上部電極及び下部電極間に空隙層が追加されたものであり積層構造のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
図7に示すように、本実施形態の振動子セル200は、下部電極110と第2絶縁膜103との間に、厚さd2を有する空間である空隙層140(第2層の空隙層)が形成されている。空隙層140は、下部電極110上に厚さd2の絶縁膜からなるスペーサ130を設けることで形成されるものである。空隙層140は、大気圧、加圧又は減圧された状態である。なお、本実施形態では、メンブレン100aは、キャビティ107内において振動する。
また、本実施形態の振動子セル200は、式(1)の条件を満たすように、各層の厚さが決定されるものである。
例えば、本実施形態の振動子セル200において、第1の実施形態と同様に超音波の出力値から、キャビティ107の厚さd1が0.1μmと定められた場合には、次式が適用される。
0.1≦(0.1+d2+t1/k1+t2/k2)/3
ここで、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104がSiO2からなるため、k1=k2≒4である。よって、d2が0.1μmと定められた場合には、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104の厚さは、次式
(t1+t2)≧0.4[μm]
を満たすように決定される。すなわち、キャビティ107の厚さ、すなわちメンブレンの振幅を第1の実施形態と同等の値としながら、下部電極110と第2絶縁膜103との間の距離を0.3μmだけ短くすることができる。
0.1≦(0.1+d2+t1/k1+t2/k2)/3
ここで、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104がSiO2からなるため、k1=k2≒4である。よって、d2が0.1μmと定められた場合には、第2絶縁膜103及び第3絶縁膜104の厚さは、次式
(t1+t2)≧0.4[μm]
を満たすように決定される。すなわち、キャビティ107の厚さ、すなわちメンブレンの振幅を第1の実施形態と同等の値としながら、下部電極110と第2絶縁膜103との間の距離を0.3μmだけ短くすることができる。
このように、本実施形態によれば、空隙層140を設けることによって、振動子セル200の厚さを薄くすることが可能となるのである。したがって、振動子セル200を備えた超音波内視鏡も小型化することができる。なお、第2の実施形態においても第1の実施形態と同等の効果を有することはいうまでもない。
なお、空隙層は、本実施形態に限らず複数箇所に設けられてもよく、例えばメンブレン100a中に第3層の空隙層としての厚さd3の空隙層が設けられてもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図8は、振動子セルの積層構造を模式的に表した断面図である。第3の実施形態の振動子セルは、第1の実施形態の振動子セルに対し、上部電極及び下部電極間に空隙層が追加されたものであり積層構造のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図8は、振動子セルの積層構造を模式的に表した断面図である。第3の実施形態の振動子セルは、第1の実施形態の振動子セルに対し、上部電極及び下部電極間に空隙層が追加されたものであり積層構造のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
図8に示すように、本実施形態の振動子セル300は、第2絶縁膜103とキャビティ107との間に、厚さd2を有する空間である空隙層141(第2層の空隙層)が形成されている。ここで、キャビティ107及び空隙層141は、両者を物理的に区画する構造が設けられておらず、連設された状態で形成されているものであるが、本実施形態では、メンブレン100aが振動するために設けられた厚さd1の空隙部をキャビティ107として規定するものである。一方、空隙層141は、第2絶縁膜103上に厚さd2の絶縁膜からなるスペーサ131を設けることで形成されている。
また、空隙層141内には、高さd2の柱状の凸部である複数のポスト132が、離散的に配設されている。ポスト132は、スペーサ131と同一工程により形成されるものであり、絶縁膜により構成されている。また、空隙層141は、大気圧、加圧又は減圧された状態である。
本実施形態の振動子セル300は、第1及び第2の実施形態と同様に式(1)の条件を満たすように、各層の厚さが決定されるものである。
以上のような構成を有する振動子セル300では、ポスト132が設けられていることにより、メンブレン100aの振幅が最大となった場合においてメンブレン100aが下部電極100側の構造に接触する面積を小さくすることが可能となる。このため、メンブレン100aが、下部電極110側に貼り付いてしまうことがない。
また、キャビティ107と連通する空隙層141が形成されていることにより、キャビティ107内が真空以外、例えば大気圧であった場合には、メンブレン100aの振動によりキャビティ内の雰囲気が圧縮される率を低くすることができる。これにより、メンブレンが振動する際に発生する、キャビティ内の雰囲気を圧縮するための抵抗を減らすことができ、より効率よく出力の高い超音波を発生することができる。
したがって、本実施形態の振動子セル300は、超音波をより効率よく安定して出力することが可能となるのである。なお、第3の実施形態においても第2の実施形態と同等の効果を有することはいうまでもない。
なお、空隙層を配設する位置及び数は、本実施形態に限られるものではなく、例えばメンブレン100a側、すなわち第3絶縁膜104の下層にポストを形成するものであってもよい。また、空隙層を複数形成するものであってもよい。
また、ポストの先端形状は、略半球形状や、テーパ状等であってもよい。
また、ポストの先端形状は、略半球形状や、テーパ状等であってもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照して説明する。図9は、第4の実施形態の振動子セルの配置を模式的に示した上面図である。第4の実施形態は、第1の実施形態の振動子エレメントに対し、振動子セルの形状及び配置のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照して説明する。図9は、第4の実施形態の振動子セルの配置を模式的に示した上面図である。第4の実施形態は、第1の実施形態の振動子エレメントに対し、振動子セルの形状及び配置のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
上述の第1の実施形態では、振動子セル100は、全て同一の形状を有するものとしているが、本実施形態では、図7に示すように、振動子エレメント150は、異なる形状の複数の振動子セル151、152及び153によって構成されている。
ここで、振動子セルの形状とは、略円柱状のキャビティの直径、キャビティの厚さ、メンブレンの厚さ等によって規定されるものを指し、振動子セルが送受信する超音波の特性を決定する要素である。
本実施形態では、形状の異なる複数の振動子セル151、152及び153のうちの、少なくとも一部が上式(1)を満たすように形成されている。したがって第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、形状の異なる複数の振動子セル151、152及び153には、同一の駆動信号が入力される。したがって、振動子セル151、152及び153からそれぞれ異なる周波数及び出力の超音波が送信され、振動子エレメント150が送信する超音波の周波数帯域を広げることが可能となる。
また、超音波探触子である振動子ユニットを構成する複数の振動子エレメントの一部が、図7に示す本実施形態の振動子エレメント150を具備して構成されるものであってもよい。これにより、振動子ユニットは、複数の異なる特性の超音波を送受信することが可能となる。また、複数の異なる特性の超音波を送受信可能な振動子エレメント150又は振動子ユニットを具備した超音波内視鏡によれば、異なる帯域の超音波による超音波断層像を得ることが可能となり、体腔内をより詳細に観察することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う超音波トランスデューサ及び超音波内視鏡もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
例えば、本実施形態の超音波内視鏡は、電子式のラジアル走査及びセクタ走査を行うものとして説明しているが、走査方式はこれに限られるものではなく、リニア走査、コンベックス走査等を採用したものであってもよく、また機械式の走査方式であってもよい。また、超音波送受部は、複数の振動子エレメントを1次元に配列した1次元アレイとしたものであってもよい。
また、本発明は、先端に超音波送受部を設けた内視鏡のみに限らず、有線、無線の形式を問わず体腔内に導入される、いわゆる超音波プローブ全般を含む技術分野に属するものである。例えば、内視鏡の処置具挿通孔に挿通されて体腔内に導入される超音波プローブであってもよい。
100 振動子セル、 100a メンブレン、 101 シリコン基板、 102 第1絶縁膜、 103 第2絶縁膜、 104 第3絶縁膜、 105 保護膜、 107 キャビティ、 108 プラグ、 109 裏面絶縁膜、 110 下部電極、 111 下部電極配線、 112 ウェハ貫通電極、 113 信号電極パッド、 120 上部電極、 121 上部電極配線、 122 貫通電極、 123 接地電極パッド、 34 駆動回路
Claims (4)
- 互いに対向して配設された一対の電極と、
該一対の電極の一方の電極を支持する振動膜とを具備して構成される静電容量型の超音波トランスデューサであって、
前記一対の電極間に介装されたn層(nは1以上の自然数)の空隙層と、
前記一対の電極間に介装されたm層(mは1以上の自然数)の絶縁層と、
を具備し、かつ次式を満たすことを特徴とする超音波トランスデューサ。
d1≦(Σdn+Σtm/km)/3
ただし、dnは第n層の空隙層の厚さ、特にd1は前記振動膜が振動するための空隙層の厚さ、tmは第m層の絶縁層の厚さ、kmは第m層の絶縁層の比誘電率 - 前記空隙層を2層以上有し、少なくとも1層の空隙層中に絶縁性材料からなる凸部が配設されてなることを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
- 請求項1又は2に記載の超音波トランスデューサを具備することを特徴とする超音波探触子。
- 請求項1又は2に記載の超音波トランスデューサを具備し、該超音波トランスデューサを体腔内に導入することで超音波診断像を取得することを特徴とする超音波診断装置。
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