以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例として、パチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限られるものではなく、他にコイン遊技機やスロットマシンなどのように表示状態が変化可能な可変表示手段を有し、この可変表示手段の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。パチンコ遊技機の遊技盤1の前面には、2本の区画レール2が円状に植立されている。区画レール2は、外レールおよび内レールから構成され、外レールと内レールとで囲まれた領域を遊技領域3という。
パチンコ遊技機には、遊技者がパチンコ玉の打込みを操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられている。この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉が1個ずつ発射される。発射されたパチンコ玉は、外レールと内レールとの間に形成された誘導路によって遊技領域3に導かれる。誘導路から遊技領域3への出口部分には、一旦、遊技領域3に打込まれたパチンコ玉が、誘導路内に逆戻りすることを防止するための弁状の戻り玉防止部材21が設けられている。なお、遊技領域3に打込まれたパ
チンコ玉を以下の説明では「打玉」という。
遊技領域3の中央には、複数種類の画像を変動表示するための可変表示装置24が設けられている。可変表示装置24の下方には、始動口5と、可変入賞球装置4とが設けられている。可変表示装置24の左右両側の通称「肩部」と呼ばれる位置には、通過口16が設けられている。通過口13のそれぞれ下方の通称「袖部」と呼ばれる位置には、入賞口17が設けられている。可変入賞球装置4の左右両側の通称「落し部」と呼ばれる位置には、入賞口13が設けられている。可変入賞球装置4の下方には、打玉が通過可能な通過口を構成する通過スイッチ104が設けられている。遊技領域3の最下部にはアウト孔23が設けられている。
遊技領域3に打込まれた打玉は、遊技領域3を流下する途中で始動口5と、可変入賞球装置4と、入賞口13、17とのいずれかの入賞口に入賞するか、または、通過スイッチ104を通過後もしくは通過することなくアウト玉23へ導かれてアウト玉として処理される。可変入賞球装置4に打玉が入賞した場合は、入賞玉1個に対して15個の景品玉が遊技者に払出される。始動口5と入賞口13、17とのいずれかに打玉が入賞した場合は、入賞玉1個に対して7個の景品玉が遊技者に払出される。すなわち、本実施の形態では可変入賞球装置4に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数は、それ以外の入賞口に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数よりも相対的に多くなるように設定している。
遊技領域3には、さらに、遊技領域3を装飾するとともに打玉の流下方向を多様化させるための風車14が設けられている。また、通過口16には破線で示すように略円弧状の通過溝が設けられており、通過口16を通過した打玉は、始動口5および開閉板7の方向に導かれる。また、通過口16の下方には始動口5および可変入賞球装置4へ打玉を誘導する遊技釘3aおよび風車3bが設けられている。したがって、通過口16を通過した打玉は、始動口5および可変入賞球装置4へ入賞する確率が高くなるように設定している。
また、遊技領域3やその周辺には遊技盤1を装飾したり遊技状態を遊技者に報知したりして遊技効果を高めるために、以下のような各種のランプおよびLED(Light Emitting Diode)類が配設されている。
遊技領域3の左右両端部には、サイドランプ19が設けられている。風車14には風車ランプ15が設けられている。袖部の入賞口17には、袖ランプ18が設けられている。入賞口13には、飾りLED12が設けられている。遊技領域3の周囲には、レール飾りランプ22が設けられている。
可変入賞球装置4について説明する。図2は可変入賞球装置4の斜視図である。可変入賞球装置4には、始動口5と、開閉板7と、開成翼片102とが設けられている。開閉板7は遊技領域3の前後方向に所定範囲で傾動可能となるよう、遊技盤1の裏面に設けられたソレノイド8(図1参照)により駆動される。開成翼片102は、遊技盤1の裏面に設けられたソレノイド103(図1参照)により、始動口5を中心に所定間隔だけ開成するように駆動される。図2は、ソレノイド103(図1参照)が作動した場合の開成翼片102を示す。また図1には、ソレノイド103が作動していない場合の開成翼片102が実線で示されており、ソレノイド103が作動している場合の開成翼片102が破線で示されている。なお、ソレノイド103(図1参照)が作動していない状態であっても、開成翼片102は始動口5に打玉が入賞可能な間隔を保持して閉成している。開成翼片102が開成中は、開成中に比較して、打玉が始動口5へ入賞しやすくなる。
開閉板7の下方には、打玉の通過を検出可能な通過スイッチ104が設けられている。
打玉が通過スイッチ104に検出されることに基づいて、後述する普通図柄表示部100に表示される図柄の変動表示が開始する(以下、普通図柄表示部100に表示される図柄を普通図柄という)。この変動表示が停止したとき、停止図柄が予め定められた当りの図柄となった場合に、開成翼片102がソレノイド103(図1参照)の働きにより所定時間開成する。開成翼片102がソレノイド103(図1参照)の働きにより開成している間は、開成していないときに比較して打玉が始動口5に入賞しやすい状態となる。
可変入賞球装置4は、通常時には開閉板7を閉成状態にし、打玉が入賞しない遊技者にとって不利な状態(以下、この状態を「第2の状態」という)となっている。始動口5に打玉が入賞したことに基づいて可変表示装置24の表示画面上において、3つの図柄の変動表示が行なわれる(以下、それぞれの図柄を特に「特別図柄」という)。この変動表示が停止したときの3つの特別図柄の組合せに基づいて「大当り」、「はずれ」の2つの状態が発生する。さらに「大当り」となる特別図柄の組合せの中には、後述する「確率変動」を生じさせる「特別図柄の組合せ」が含まれている。確率変動が生じると、遊技者にとって不利な第2の状態から、後述する遊技者にとって有利な第1の状態に変移する確率が、確率変動が生じていない通常時に比較して高くなる。確率変動が生じているときを特に「確率変動時」あるいは「確率変動中」と呼ぶ。これに対して、確率変動が生じていないときを特に「通常時」と呼ぶ。また確率変動を生じさせる特別図柄の組合せを「確率変動図柄の組合せ」という。
確率変動時あるいは通常時に大当りが発生すると、可変入賞球装置が、遊技者にとって不利な第2の状態から、打玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。大当りが発生し、可変入賞球装置4が遊技者にとって有利な第1の状態となっている状態を特定遊技状態という。上記大当りが発生した場合、可変入賞球装置4は、開閉板7を開成状態にして、打玉が可変入賞球装置4の大入賞口に入賞することが可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。
可変入賞球装置4の前記第1の状態は、開閉板7が開成状態となった後に、29.5秒が経過するか、または、可変入賞球装置4の入賞開口(大入賞口)に打玉が10個入賞するかのうちのいずれか早い方の条件が成立したことにより終了する。すなわち、上記条件が成立したとき開閉板7が閉成状態となり、可変入賞球装置4が遊技者にとって不利な第2の状態となる。大入賞口に入賞した打玉は、可変入賞球装置4の入賞開口に設けられた入賞玉検出器10により検出される。
大入賞口の内側の中央部分には、通称「Vポケット」と呼ばれる特定領域が設けられている。大入賞口に入った打玉が、この特定領域に入賞すれば、その特定入賞玉がVポケットに設けられた特定玉検出器9により検出される。特定入賞玉が検出されると、その回の可変入賞球装置4の遊技者にとって有利な第1の状態が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置4を前記第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御により、可変入賞球装置4は最高16回連続して前記第1の状態となる。また、上記のように大入賞口の特定領域に打玉が入賞した場合、V表示LED20(図1参照)が点灯し、特定領域に打玉が入賞したことが遊技者に報知される。この繰返し継続制御の終了後、遊技者にとって有利な第1の状態から遊技者にとって不利な第2の状態となる。
もし、前記第1の状態を発生させた大当りの図柄の組合せが、確率変動図柄の組合せであった場合には、繰返し継続制御終了後遊技者にとって不利な第2の状態となったときに確率変動が生じる。前述のとおり確率変動時には、通常時に比べて大当りの発生する確率が高くなっている。本実施の形態に示すパチンコ遊技機では、確率変動図柄の組合せにより大当りとなって以降、繰返し継続制御が終了後に1回目の確率変動が生じ、さらに、そ
の後大当りが発生し繰返し継続制御の終了後に2回目の確率変動が生じる。1回目または2回目の確率変動時に発生した大当りが、確率変動図柄の組合せによるものである場合には、その大当り以降、改めて1回目、2回目の確率変動が生じる。つまり、確率変動図柄の組合せにより大当りとなった場合には、その大当り以降、少なくとも大当りが2回発生するまでの間、繰返し継続制御が行なわれていない遊技者にとって不利な第2の状態において確率変動が生じる。2回目の確率変動が発生しているときに大当りとなった図柄の組合せが、確率変動図柄の組合せでなかった場合、大当りに伴う繰返し継続制御終了後、確率変動の生じていない通常状態に戻る。
確率変動時には、打玉が始動口5へ入賞したことに基づいて特別図柄の変動表示がなされた後、大当りとなる組合せになる確率が高くなっている。また、打玉が通過スイッチ104を通過したことに基づいて普通図柄の変動表示がなされた後、当りとなる確率も高くなっている。前述のとおり、普通図柄が当りの図柄であった場合には、開成翼片102が所定時間開成する。開成翼片102が開成することで特別図柄の変動表示を促す始動口5への打玉の入賞確率が高くなる。さらに、確率変動時以外の通常時には、開成翼片102の開成時間は0.5秒、開成回数は1回であるが、確率変動時には開成時間が2.9秒、開成回数が2回に変化し、打玉が始動口5へ入賞しやすくなる。打玉が始動口5へ入賞しやすくなることで、特別図柄の変動機会が多くなる。これにより大当りとなる可能性が高まる。確率変動時には、飾りLED12が点滅し、その旨が遊技者に報知される。
特定領域について説明する。図3は、可変入賞球装置4の入賞空間の前後方向の縦断面図、図4はその左右方向の縦断面図をそれぞれ示す。図3を参照して、入賞空間111は、入賞球を検出する入賞玉検出器10と、入賞玉を入賞玉検出器10へ導く傾斜路106および107と、特定領域に入賞した入賞玉(P)を保持する玉貯留部材108とが設けられている。図に示すように、玉貯留部材108によって制限される特定領域の空間には、2つ以上の打玉が保持されることのない構成となっている。玉貯留部材108によって保持される入賞玉(P)の下方には、特定玉検出器9が設けられている。玉貯留部材108には、玉貯留部材108を遊技盤1(図1参照)前面向かって右方向へ付勢させるスプリング109が設けられている。ストッパ部110は、入賞玉(P)の自重による玉貯留部材108の傾斜動作を抑止可能となるように設けられている。したがってスプリング109の付勢力は入賞玉(P)の自重より弱いものでなければならない。図3(A)は、ストッパ部110が玉貯留部材108の傾斜を抑止している状態を示し、図3(B)は、ストッパ部110が玉貯留部材108の傾斜を抑止していない状態を示す。ストッパ部110が玉貯留部材108の傾斜を抑止している場合には、入賞玉(P)は特定玉検出器9に検出されない。一方、ストッパ部110が玉貯留部材108の抑止を解除した場合には、入賞玉(P)の自重が玉貯留部材108を所定角度傾斜させることにより、入賞玉(P)が下方に落下し、特定玉検出器9によって検出される。次に、図4を参照してストッパ部110と玉貯留部材108との関係について説明する。ストッパ部110は、図に示す通り開閉板7と一体化しており、開閉板7が開成している場合にはストッパ部材110によって玉貯留部材108の傾斜動作が抑止されている(図4(A))。したがって、特定領域に侵入した打玉は、特定遊技状態が終了して開閉板7が閉成するまで特定玉検出器9で検出されない。また、図3(A)で示すように入賞玉(P)が玉貯留部材108によって保持されている場合、特定領域は入賞玉(P)によって満たされているため、後続して打玉が特定領域に入賞することなく、傾斜路106、107を通じて入賞玉検出器10に落入する。このように特定玉検出器9による入賞玉の検出は、特定遊技状態が継続している間に行なわれることはなく、特定遊技状態の繰返し継続制御が行なわれるたびに特定玉検出器9による入賞玉の検出が行なわれる。
再び図1に戻り始動入賞について説明する。始動口5に打玉が入賞することを特に「特別図柄の始動入賞」という。これに対し通過スイッチ104を打玉が通過することを特に
「普通図柄の始動入賞」という。まず特別図柄の始動入賞について説明する。始動口5に入賞した打玉は、遊技盤1の裏面に設けられた始動玉検出器6により検出される。始動口5に打玉が入賞したことをきっかけとして、可変表示装置24の表示部32において特別図柄の変動表示が開始される。この変動表示の停止時に特定の特別図柄の組合せが表示された場合に、可変入賞球装置4が遊技者にとって有利な第1の状態となる。特別図柄の変動表示が行なわれている間、および特別図柄の変動表示の結果に基づいて可変入賞球装置4が前記第1の状態となっている間に、始動口5に打玉が入賞すれば、その始動入賞が記憶される。これを始動記憶という。始動記憶の個数は、始動記憶LED33の点灯により遊技者に報知される。始動記憶の上限は4個に定められている。始動記憶がある場合には、表示部32における特別図柄の変動表示が停止した後、または可変入賞球装置4の第1の状態が終了した後に、再び、表示部32における特別図柄の変動表示が開始される。また、始動記憶の状態に応じて特別図柄の表示変動開始から表示変動終了までの可変表示制御時間が短縮される。可変表示制御時間の短縮が行なわれるのは以下の理由による。始動入賞記憶数が上限値に至っている場合には、それ以上始動入賞しても、その入賞は記憶されずに無効となる。このような状態のときには、遊技者は、打玉が無駄にならないように打球操作ハンドルの操作を止めること(以下、これを「止め打ち」と言う)が多い。遊技者が止め打ちしているときには、パチンコ遊技機におけるパチンコ玉の消費が停止するので、パチンコ遊技機の稼働率が低下することになる。このような不具合を防止するために、可変表示制御時間の短縮が行なわれる。可変表示制御時間が短縮されることにより、単位時間当りの特別図柄の表示変動回数が多くなり、始動記憶の上限を超過することによって無効となる始動入賞の個数を減少させることができる。これにより、遊技者が止め打ちすることが少なくなる。したがって、パチンコ遊技機の稼働率の低下が防止でき、遊技場にとっての経営上の不都合が極力発生しないようにすることができる。可変表示制御時間が短縮される条件、および短縮される可変表示制御時間は、確率変動時と通常時とで異なる。
通常時には、始動記憶が4つある場合、可変表示制御時間の短縮が行なわれる。一方、確率変動時には、始動記憶が2つ以上ある場合、短縮が行なわれる。また、短縮後の可変表示制御時間は、通常時に比較して確率変動時の方がより短く設定されている。通常時と確率変動時とでこのような差を設けたのは、以下の理由による。確率変動時は、打玉が始動口5へ入賞する確率が高いために、打玉の入賞タイミングの間隔が短くなり、始動記憶数が比較的早いテンポでカウントアップされる。したがって、始動記憶数が上限値(4個)に至るのを待って短縮を行なった場合、可変表示制御時間が短縮されている最中にも次々に打玉の始動入賞する可能性が高い。可変表示制御時間が短縮されている最中に始動入賞するこれらの打玉が無効となるのを極力防止するために、始動記憶数が上限値未満の数、たとえば2個以上であれば、可変表示制御時間を短縮するように構成し、かつ、短縮後の可変表示制御時間も確率変動時は通常時に比較してより短く設定している。
次に普通図柄の始動入賞について説明する。打玉が通過スイッチ104を通過することに基づいて、可変表示装置24の普通図柄表示部100において普通図柄の変動表示が開始される。この変動表示の停止時に予め定められた特定の図柄となった場合に当りが発生する。当りが発生することに伴い開成翼片102が所定時間開成する。開成翼片102の開成中は、開成していない場合に比べて打玉が始動口5に入賞しやすくなる。したがって、表示部32における特別図柄の変動機会が多くなり、可変入賞球装置4が遊技者にとって有利な第1の状態となる可能性が高まる。普通図柄の変動表示が行なわれている間に、打玉が通過スイッチ104を通過すれば、その始動入賞が記憶される。この始動記憶を前記始動口5に対する打玉の始動入賞と特に区別する場合に「普通図柄の入賞記憶」という。普通図柄の入賞記憶の個数は、始動記憶LED101の点灯により遊技者に報知される。入賞記憶がある場合には、普通図柄表示部100における普通図柄の変動表示が停止した後、再び、普通図柄表示部100における普通図柄の表示変動が開始される。また、普
通図柄の表示変動開始から表示変動終了までの可変表示制御時間は遊技状態に応じて短縮される。短縮が行なわれるのは確率変動が発生している場合である。可変表示制御時間が短縮されることにより、単位時間当りの普通図柄の表示変動回数が多くなる。これにより、始動記憶の上限を超過することにより無効となる始動入賞の個数を減少させることができる。
可変表示装置24について説明する。可変表示装置24は、所定の図柄を表示させることのできる普通図柄表示部100と、表示部32などから構成されている。普通図柄表示部100は、LED表示器である。表示部32は、LCD表示器の画像表示画面である。
表示部32にはさまざまな画像が表示される。たとえば、特別図柄停止時のデモンストレーション画面には、画面の上部に背景となる2つの建物およびその左右に2つの山が表示され、画面の下部には、2つの建物に続く道路が表示される。
可変表示装置24の外周部には、飾りLED27と、飾りLED28a,28bと、飾りLED29と、飾りLED30と、飾りLED31とが設けられている。飾りLED28aには「WINNER」の文字が表示され、飾りLED28bには「CRUSH」が表示される。飾りLED28aおよび28bは、たとえば、飾りLED28aが点灯した場合には、次に、飾りLED28bが点灯するまで、特定遊技状態において遊技者が獲得した景品玉を使用し、継続して遊技を行なうことを遊技場側が許可するというサービスを行なうか否かを決定する場合などに使用される。
表示部32の上部には、さらに始動記憶LED33および101が設けられている。前述のように始動記憶の個数は上限が4個に定められており、始動口5または通過スイッチ104における打玉の検出に基づく始動記憶の個数に応じて始動記憶LED33または101がそれぞれ点灯し、遊技者に報知される。
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機に用いられる制御回路について説明する。図5および図6は、図1に示すパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、以下に説明する制御回路によりパチンコ遊技機を所定の順序で制御する。
図5および図6を参照して、制御回路は、基本回路46、入力回路47、LCD回路48、初期リセット回路49、定期リセット回路50、アドレスデコード回路51、LED回路52、ソレノイド回路53、音声合成回路54、音量増幅回路55、情報出力回路56、ランプ回路57、電源回路58、LCD表示装置35、普通図柄表示部(LED表示器)100を含む。
基本回路46は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御する。メイン基本回路46の内部には、制御用プログラムなどを記憶しているROM(Read Only Memory)と、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit)と、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)と、I/O(Input/Output)ポートと、クロック発生回路とが設けられている。本実施の形態では、特にCPUを半導体チップで構成したMPU(Microprocessors Unit)で構成している。なお、基本回路46の内部構成については詳細な図示を省略する。
入力回路47は、始動口5に入賞した打玉を検出するための始動玉検出器6と、可変入賞球装置4の大入賞口に入賞した打玉を検出するための入賞玉検出器10と、大入賞口の所定の領域に設けられた特定領域に入賞した打玉を検出するための特定玉検出器9と、打
玉の通過を検出する通過スイッチ104と接続される。入力回路47は、各検出器から出力される検出信号を基本回路46へ送信する。
また、入力回路47は、打玉の入賞に応じて払出す賞球個数の制御を行なう賞球個数制御基板(図示省略)より、当り玉信号A,Bを受信する。当り玉信号Aがオンになれば払出すべき賞球数が17個であることを意味し、当り玉信号Bがオンになれば払出すべき賞球数が5個であることを意味する。なお、当り玉信号コモンは共通信号である。
LCD回路48は、基本回路46から出力される制御信号に従って、可変表示装置24に含まれるLCD表示装置35を駆動制御するための回路である。LCD回路48からLCD表示装置35に送信される信号の中には、コマンド信号としてのCD0〜CD7と、初期化信号であるINTとが含まれる。さらに、LCD回路48とLCD表示装置35とを接続する信号線には、電源供給のための+13V線と、+5V線と、−8V線と、−20V線と、グランド信号線であるGND線とがある。
LCD表示装置35には、LCD回路48から出力されるコマンド信号CD0〜CD7を受信し、受信したコマンドに応答した画像データを生成するための制御を行なうCPU(図示省略)と、該CPUが受信した前記コマンドに対応する画像データを指定し該CPUの動作を制御するための制御用プログラムが記憶されているROM(図示省略)、前記CPUが前記ROMのプログラムに基づいて指定した画像データを生成するVDP(Video Display Processor)などから構成されるLCDコントロール回路と、前記VDPにより生成された画像を表示するためのLCD表示部が含まれている。
LED回路52には、始動記憶LED33、飾りLED28a,28b、飾りLED27、飾りLED29、飾りLED31、飾りLED30、V表示LED20、普通図柄表示部(LED表示器)100、始動記憶LED101、および飾りLED12と接続される。LED回路52は、基本回路46から出力される制御信号に応じて、上記各LEDの点灯状態を制御する。
ソレノイド回路53は、可変入賞球装置4の開閉板7および開成翼片108をそれぞれ駆動するためのソレノイド8およびソレノイド103を制御するための回路である。ソレノイド回路53は、基本回路46から出力される制御信号に応答して、所定のタイミングでソレノイド8またはソレノイド103を作動させる。
ランプ回路57は、サイドランプ19、レール飾りランプ22、風車ランプ15、および袖ランプ18と接続される。ランプ回路57は、基本回路46から出力される制御信号に応じて、上記各ランプの点灯状態を制御する。
またランプ回路57は、枠ランプ(図示省略)の点灯状態を制御する装飾用基板(図示省略)へランプ制御データD0〜D3を送信する。ランプ制御データD0〜D3は、枠ランプの点灯状態を制御するためのデータであり、大当り時、あるいは確率変動時などにおける枠ランプの点灯状態を指定する。
初期リセット回路49は、電源投入時に基本回路46をリセットするための回路である。初期リセット回路49から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路46は、パチンコ遊技機を初期化する。
定期リセット回路50は、基本回路46に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるため
の回路である。
アドレスデコード回路51は、基本回路46から送られてきたアドレス信号を解読(デコード)し、基本回路46の内部に含まれるROM、RAM、I/Oポートなどのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。
賞球個数信号出力回路105は、基本回路46から出力される信号に応答して賞球個数信号を賞球払出制御基板(図示省略)に送信するための回路である。賞球個数信号出力回路105は、賞球払出制御基板(図示省略)へ賞球個数信号0〜3を組合せて送信することで賞球個数を通知している。具体的には、賞球個数信号0がオンのときには払出賞球が1個、賞球個数信号1がオンのときには払出す賞球が2個、賞球個数2がオンのときには払出す賞球が4個、賞球個数信号3がオンのときには払出す賞球が8個であることを表わす。したがって、払出すべき賞球数が5個の場合には、賞球個数信号0がオン、賞球個数信号1がオフ、賞球個数信号2がオン、賞球個数信号3がオフとなる。これらの賞球個数信号0〜3の組合せを受信することで賞球払出制御基板(図示省略)は、払出賞球個数が5個であることを認識できる。払出すべき賞球個数を賞球個数信号の組合せにより賞球払出制御基板に通知できるので、入賞球に基づいて払出すべき賞球個数の設計変更が容易に行なえる。なお、賞球個数信号コモンは共通信号である。
音声合成回路54は、基本回路46から出力される音声発生指令信号に応答して、効果音データを作成し、作成した効果音データを音量増幅回路55へ出力する。音量増幅回路55は、与えられた効果音データを所定のレベルに増幅して、スピーカ(図示省略)に送る。この結果、スピーカから所定の効果音が発生される。
情報出力回路56は、基本回路46から与えられるデータ信号に基づいて、可変表示装置24の表示部32の変動表示による、大当りの発生に関する情報を示すための大当り情報と、確率変動の発生情報を示すための確率変動情報と、特別図柄または普通図柄の可変表示制御時間の短縮が行なわれていることなどを示すための短縮変動情報と、始動口5への打玉の入賞個数のうち、実際に表示部32における図柄の変動表示の始動に使用された個数などを示すための有効始動情報などをホストコンピュータであるホール用管理コンピュータなどに対して出力するための回路である。
電源回路58は、AC24Vの交流電源に接続され、+30V、+21V、+12V、+5V、+13V、−8V、−20Vの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。電源回路58から発生する+13V、+8V、および−20Vの直流電圧はLCD表示装置35へ出力される。
図7は、本実施の形態のパチンコ遊技機において特別図柄の表示制御用に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。図7に示すランダムカウンタは、可変表示装置24における特別図柄の変動表示の制御に用いられる乱数をカウントするカウンタである。本実施の形態では、WCRND1、WCRND_L、WCRND_C、WCRND_R、WCRND_ACTの5種類のランダムカウンタが用いられている。これらのランダムカウンタの値がパチンコ遊技中の所定タイミングで読出され、その値に基づいて可変表示装置24の変動表示動作が制御される。ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、基本回路46(図5参照)の内部に備えられたCPUが制御用ROMの制御用プログラムに従って実行する。
WCRND1は、可変表示装置24における特別図柄の変動表示の結果、大当りを発生されるか否かを事前に決定するためのランダムカウンタである。大当りを発生させるか否かを事前に決定する手順は、後述する図8に示す。WCRND1は、0〜370の範囲で
、0.002秒ごとに1つずつカウントアップする。なお、0.002秒とは、基本回路46において、定期リセット回路50から出力された定期リセット信号に応答して制御用プログラムが繰返し実行される間隔である。
WCRND_L、WCRND_C、WCRND_Rは、可変表示装置24の特別図柄の変動表示の結果、大当り以外とすることが事前に決定された場合に、左側、中央、右側の特別図柄表示領域のそれぞれにおいて停止表示させる特別図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。WCRND_L、WCRND_C、WCRND_Rのカウント範囲は、0〜14である。WCRND_Lは、0.002秒ごとに1つずつカウントアップする。WCRND_Cは、割込処理の余り時間に実行され、所定のタイミングで1つずつカウントアップする。WCRND_Rは、WCRND_Cの桁上げのとき1つずつカウントアップする。
WCRND_ACTは、複数リーチ動作の中から所定のリーチ動作を指定するためのリーチ動作指定数を決定するためのランダムカウンタである。「リーチ」とは、左、中央、右側の特別図柄表示領域において、同一種類の当り図柄が2個揃って停止表示され、さらに、1個の同一種類の特別図柄が停止表示されれば大当りが発生する状態をいう。このWCRND_ACTにより決定されるリーチの種類は6通りである。この6種類のリーチの中には、最終的に大当りの組合せとなる場合の手順も含まれる。WCRND_ACTは、0〜127の範囲で、割込処理の余り時間において所定のタイミングで1つずつカウントアップされる。リーチの種類が6通りであるのに対して、WCRND_ACTのカウント範囲が0〜127なので、リーチの種類に応じて発生確率を変化させることができる。すなわち、たとえば1つのリーチが発生するカウント範囲を他のリーチが発生するカウント範囲より大きく設定すればそのリーチの発生確率を高くすることができるし、小さく設定すれば発生確率を低くすることができる。
図8は、ランダムカウンタの値により大当りを発生させるか否かを事前に設定するための制御を示すフローチャートである。同図を参照して、可変表示装置24における特別図柄の変動表示の結果を大当りとするかまたは大当り以外とするかを事前に決定し、さらに、左側、中央、右側の特別図柄表示領域のそれぞれにおいて停止表示させる特別図柄の種類を決定するための手順について説明する。
大当りとするかまたは大当り以外とするかは、WCRND1の値を判別することにより決定される。大当りとなるWCRND1の値の範囲は、確率変動時と確率変動時以外の通常時とで異なる。確率変動時以外の通常時には、WCRND1の値が、「3」であれば大当りとし、「3」以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。確率変動時には、WCRND1の値が、「3」,「67」,「173」,「251」,「331」であれば大当りとし、それ以外の値であれば大当り以外とすることが事前に決定される。大当りとすることが決定された場合は、引続いてWCRND_Lの値を判定することにより、大当りを発生させるための特別図柄の種類が決定される。一方、大当り以外とすることが決定された場合は、引続いて、WCRND_L、WCRND_C、WCRND_Rの各値が判別されることにより、左側、中央、右側の特別図柄表示領域において停止表示させる図柄(以下「停止図柄」という)の種類がそれぞれ決定される。なお、大当り以外とする場合に、WCRND_L、WCRND_C、WCRND_Rの各値に基づいて決定された特別図柄の組合せ配列が偶然、大当りとなる特別図柄の組合せとなる場合は、WCRND_Cの値から「1」を減算し、強制的にはずれとなる特別図柄の組合せ配列で停止表示するように調整する。
図9は、左側、中央、右側の特別図柄表示領域において表示される停止図柄と各カウンタの値との対応関係を示す説明図である。停止図柄は、「0」〜「9」の10種類の数字
図柄と、「X」、「F」、「G」、「P」、「R」の5種類のアルファベット図柄を含む。WCRND_C、WCRND_Rの値「0」がアルファベット図柄の「X」に対応する。以下同様に、値「1」が数字図柄「0」に対応して、値「2」〜「9」がそれぞれ数字図柄「2」〜「9」に対応し、値「10」がアルファベット図柄「F」に対応し、値「11」が数字図柄「1」に対応し、「12」がアルファベット図柄「G」に対応し、値「13」がアルファベット図柄「P」に対応し、「14」がアルファベット図柄「R」に対応する。WCRND_Lの値と停止図柄との対応関係は、WCRND_CおよびWCRND_Rの値と停止図柄との対応関係と多少異なっている。WCRND_Lの値「0」がアルファベット図柄の「X」に対応し、以下同様に、値「1」が数字図柄「0」に対応し、値「2」がアルファベット図柄「G」に対応し、値「3」が数字図柄「3」に対応し、値「4」が数字図柄「4」に対応し、値「5」が数字図柄「5」に対応し、値「6」が数字図柄「7」に対応し、値「7」が数字図柄「6」に対応し、値「8」が数字図柄「1」に対応し、値「9」が数字図柄「8」に対応し、値「10」がアルファベット図柄「R」に対応し、値「11」が数字図柄「9」に対応し、値「12」がアルファベット図柄「F」に対応し、値「13」がアルファベット図柄「Z」に対応し、値「14」がアルファベット図柄「P」に対応する。
上記15種類の停止図柄が表示部32の特別図柄表示領域において変動表示され、その変動表示の結果、左側、中央、右側の停止図柄がすべて同一種類の図柄であれば大当りが発生する。
次に図10を参照して、表示部32における特別図柄の変動表示の制御について説明する。図10は、特別図柄の変動状態の種類を示す説明図である。特別図柄の変動状態には、A〜Kの16種類の変動状態がある。変動状態Aでは、一定の速度で特別図柄が変動表示される。具体的には、16.7ms間に1図柄が変動する。変動状態Bでは、徐々に減速して最終的に変動を停止させる。この変動状態Bでは、3図柄分の変動が行なわれる。変動状態Cでは、徐々に特別図柄を減速する。変動状態Cでは、3図柄分の変動が行なわれる。変動状態Dでは一定速度で特別図柄が変動される。具体的には333.3ms間に1図柄が変動し、1周期は5.000秒となる。変動状態Eでは、徐々に減速して最終的に特別図柄を停止させる。変動状態Eでは、1図柄分の変動が行なわれる。変動状態Fでは、徐々に減速して最終的に特別図柄を停止させる。変動状態Fでは、1図柄分の変動が行なわれる。変動状態Gでは、徐々に特別図柄を減速させる。変動状態Gでは、1図柄分の変動が行なわれる。変動状態Hでは、徐々に加速減速して特別図柄を最終的に停止させる。変動状態Iでは、徐々に減速して特別図柄を最終的に停止させる。変動状態Jでは、徐々に加速・減速させる。変動状態Jでは4.875図柄分の変動が行なわれる。変動状態Kでは、逆転して、徐々に減速して特別図柄を最終的に停止させる。
図11および図12は、リーチ以外またはリーチではずれのとき(以下、「はずれ時」という)における特別図柄の変動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。なお、以下に示す各タイミングチャートの時間管理用のデータは、基本回路46のRAMの時間テーブルに記憶されている。図11を参照して、始動口5(図1参照)に打玉が入賞すると、その入賞玉が始動玉検出器6(図1参照)により検出される。その検出パルスが立上がるタイミングで、基本回路46(図6参照)のCPUにより、WCRND1およびWCRND_Lの値がそれぞれ抽出され、RAMに格納される。
続いて、CPUは、始動口5への打玉の入賞が検出されてから0.002秒後に、検出パルス立下がりのタイミングで、RAMに格納されているWCRND1の値を読出し、読出した値に基づいて、変動表示の結果を大当りとするか否かを事前に決定する。大当りとするか否かを事前に決定する処理は、図8に示した手順で行なう。WCRND1の値の読出しと判定処理を行なった後、この場合ははずれ時なので、CPUは、WCRND_C、
およびWCRND_Rの値を抽出する。さらに、抽出したWCRND_C、WCRND_R、および事前に抽出しているWCRND_Lの値によりリーチが成立したとき、WCRND_ACTの値を抽出する。
はずれ時において、左側、中央、右側の停止図柄の変動表示の具体的な手順は以下のとおりである。基本回路46は、CPUによる決定結果に基づいてLCD回路48に制御指令を送り、LCD回路48は、この制御指令に基づいて表示制御信号をLCD表示装置35へ出力する。この結果、表示部32において始動口5への打玉の入賞が検出されてから0.004秒が経過した時点で、左側、中央、右側の特別図柄表示領域において特別図柄の変動表示が開始される。
左側の特別図柄表示領域では、前述した特別図柄の可変表示制御時間を短縮させる短縮条件が成立していない場合、変動を開始してから4.600秒間は変動状態Aの表示制御より一定の速度で特別図柄が変動する。一方、短縮条件が成立している場合、通常時ではこの時間が3.100秒に短縮され、確率変動時には1.000秒に短縮される。変動状態Aの変動表示が終了した時点で、WCRND_Lの値により事前に決定された停止図柄(以下「予定停止図柄」という)の図柄配列における3図柄分手前の図柄が停止位置にセットされ、その後、変動状態Bの表示制御が行なわれる。変動状態Bの表示制御は、1.250秒間行なわれ、その間に3図柄分の変動が行なわれて、最終的に予定停止図柄が停止表示される。
右側の特別図柄表示領域では、短縮条件が成立していない場合、変動を開始してから5.850秒間は変動状態Aの表示制御により一定の速度で特別図柄が変動する。一方、短縮条件が成立している場合、通常時では、この時間が4.350秒に短縮され、確率変動時には2.250秒に短縮される。変動状態Aの変動表示が終了した時点で、WCRND_Rの値により事前に決定された停止図柄の図柄配列における3図柄分手前の図柄が停止位置にセットされ、その後、変動状態Bの表示制御が行なわれる。変動状態Bの表示制御は、1.250秒間行なわれ、その間に3図柄分の変動が行なわれて、最終的に予定停止図柄が停止表示される。
次に、中央の特別図柄表示領域における中図柄の変動について説明する。中図柄の変動は、リーチを成立させないとき(リーチ以外)と、リーチを成立させるときとで表示制御の手順を異ならせている。さらに、リーチを成立させるときには、リーチ1〜リーチ6の6種類のリーチ態様の中から後述する所定の条件に従って選択されたいずれかのリーチ態様となるように特別図柄の変動が表示される。
まずリーチ以外の場合について説明する。リーチ以外のときは、短縮条件が成立していない場合、変動が開始してから7.100秒間は変動状態Aの表示制御により一定の速度で図柄が変動する。一方、短縮条件が成立している場合、通常時ではこの時間が5.600秒に短縮され、確率変動時には3.500秒に短縮される。変動状態Aの変動表示が終了した後、0.850秒間変動状態Bの表示制御により図柄が変動し、停止する。変動状態Bでは、左側および右側の変動表示と同様に、予定停止図柄の3図柄分手前の図柄が停止位置にセットされ、その後、その3図柄分を変動させて、最終的に、予定停止図柄が停止表示される。
次に、図12を参照して、リーチを成立させるときの中図柄の変動について説明する。はずれ時のリーチ動作としては、リーチ1〜リーチ6の6種類のリーチ態様がある。リーチ態様の選択については図33〜図35を用いて後述する。
まず、リーチ1について説明する。リーチ1では、短縮条件が成立していない場合、特
別図柄の変動が開始されてから7.100秒間は変動状態Aの表示制御により一定の測度で特別図柄が変動される。一方、短縮条件が成立している場合、通常時ではこの時間が5.690秒に短縮される。確率変動時において短縮条件が成立している場合は、リーチは成立しない。なお、短縮条件が成立している場合においてスピンが生じる場合には、この時間が7.790秒となる。変動状態Aによる変動表示が行なわれた後、リーチ図柄の4図柄分手前の図柄が停止位置にセットされる。その後、変動状態Cの変動表示が5.664〜10.340秒間行なわれ、17〜31図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Eの表示制御が1.184秒間行なわれ、1図柄分の変動が行なわれた後、最終的に予定停止図柄が停止表示される。
次に、リーチ2およびリーチ3について説明する。リーチ2およびリーチ3は、表示部32上での表示状態は異なるが、表示制御のタイミングは同一であるため、同一のタイミングに表示状態が制御されている。この結果、基本回路46内の時間管理用のデータ(時間テーブル)の容量を削減することができ、より記憶容量の小さいRAMを用いることができ、コストを削減することが可能となる。リーチ2およびリーチ3では、短縮条件が成立していない場合、特別図柄の変動が開始されてから7.100秒は変動状態Aの表示制御が行なわれる。一方、通常時において短縮条件が成立している場合、この時間が5.690秒に短縮される。変動状態Aの変動表示が行われた後、リーチ図柄の4図柄手前の図柄がセットされ、0.420秒間は変動状態Cの表示制御により3図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が14.675〜15.340秒間行なわれ、44〜46図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Eの表示制御が1.184秒間行なわれ、その間1図柄分の変動が行なわれた後最終的に、事前に決定された停止図柄が停止表示される。
次に、リーチ4について説明する。リーチ4では、短縮条件が成立していない場合、特別図柄の変動が開始されてから7.100秒間、変動状態Aの表示制御が行なわれる。一方、通常時において短縮条件が成立している場合、この時間は5.690秒に短縮される。なお、短縮条件が成立していない場合においてスピンが指定されている場合はこの時間が7.790秒となる。変動状態Aの変動表示が行なわれた後、リーチ図柄の4図柄手前の図柄がセットされ変動状態Cの表示制御が0.420秒間行なわれ、3図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が14.672秒間行なわれ、44図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Fの表示制御が2.660秒間行なわれ、1図柄分の変動表示が行なわれた後、最終的に事前に決定された停止図柄停止表示される。
次に、リーチ5について説明する。リーチ5では、短縮条件が成立していない場合、図柄の変動が開始されてから7.100秒間は変動状態Aの表示制御が行なわれる。一方、通常時において短縮条件が成立している場合、この時間は5.690秒に短縮される。また、短縮条件が成立していない場合においてスピンが指定されている場合この時間は、7.790秒となる。変動状態Aの変動表示が行なわれた後、リーチ図柄の4図柄分手前の図柄がセットされ変動状態Cの表示制御が0.420秒間行なわれ、3図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が13.670秒間行なわれ、41図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Gの表示制御が0.384秒間行なわれ、1図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Hの表示制御が2.354〜3.390秒間行なわれ、3〜5図柄分の変動が行なわれた後最終的に事前に決定された停止図柄停止表示される。
図13および図14は、大当りを発生させるとき(以下、「大当り時」という)における特別図柄の変動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。始動口5に打玉が入賞し、その検出パルスが立上がるタイミングで、基本回路46のCPUにより、WCRND1およびWCRND2にそれぞれの値が抽出され、RAMに格納される。
続いて、CPUは、始動入賞が検出されてから0.002秒後に、検出パルスの立下がりのタイミングでRAMに格納されているWCRND1の値を読出して、大当りとするか否かを事前に決定する。本タイミングチャートの場合、大当りとなるWCRND1の値の範囲が確率変動時と通常時とで異なる。通常時の場合、WCRND1の値が「7」であれば大当りとすることが事前に決定される。確率変動時の場合は、WCRND1の値が「3」,「67」,「173」,「251」,「331」のいずれかの値であれば、大当りとすることが事前に決定される。大当りとする場合、CPUは引続いて、WCRND_ACTの値を抽出する。
次に、大当り時における左側、中央、右側のそれぞれの特別図柄表示領域で行なわれる変動表示の具体的手順について説明する。左図柄および右図柄の変動表示の制御手順は、はずれ時と同様の制御手順を経た後、WCRND_Lの値により事前に決定された大当り図柄が停止表示される。大当り時の中図柄の変動は、はずれ時と同様、リーチを成立させないときとリーチを成立させるときとで表示制御の手順が異なる。リーチ以外のときは、はずれ時と同様の制御手順を経た後、WCRND_Lの値により事前に決定された大当り図柄で停止表示される。次に、リーチが成立している場合の中図柄の変動について図14を参照してリーチの種類ごとに以下に説明を行なう。
まず、リーチ1について説明する。リーチ1では、短縮条件が成立していない場合、特別図柄の変動が開始されてから、すなわち、ホの時点から変動状態Aの表示制御が7.100秒間行なわれる。なお、後述する「スピン」の動作が指定されている場合は、この時間が9.290秒となる。一方、短縮条件が成立している場合、この時間が5.690秒に短縮される。なお、短縮条件成立時にスピンが指定されていた場合、その時間は7.790秒となる。変動状態Aの変動表示が行なわれた後、ヘの時点でリーチ図柄の4図柄手前の図柄がセットされ、変動状態Cの表示制御が、0.420秒間行なわれ、3図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が10.006秒間行なわれ、30図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Eの表示制御が1.184秒間行なわれ、1図柄分の変動が行なわれた後、最終的に、大当り図柄が停止表示される。
次に、リーチ2およびリーチ3について説明する。大当り時のリーチ2およびリーチ3も、はずれ時のリーチ2およびリーチ3と同様に、表示内容が異なるが変動時間は同じであるため、同一のタイミングにより表示状態が制御される。リーチ2およびリーチ3では、短縮条件が成立していない場合、特別図柄の変動が開始されてから、変動状態Aの表示制御が7.100秒間行なわれる。なお、スピンが指定されている場合はその時間が9.290秒となる。一方、短縮条件が成立している場合、この時間は5.690秒に短縮される。なお、短縮条件が成立している場合においてスピンが指定されている場合は7.790秒となる。変動状態Aの変動表示が行なわれた後、Aの時点でリーチ図柄の4図柄手前の図柄がセットされた後、変動状態Dの表示制御が15.006秒間行なわれ、45図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Eの表示制御が1.184秒間行なわれ、1図柄分の変動が行なわれた後、最終的に大当り図柄が停止表示される。
次に、リーチ4について説明する。リーチ4では、短縮条件が成立していない場合、特別図柄の変動が開始されてから変動状態Aの表示制御が7.100秒間行なわれる。なお、スピンが指定されている場合はこの時間が9.290秒となる。一方、短縮条件が成立している場合、この時間が5.690秒に短縮される。なお、短縮条件が成立している場合においてスピンが指定されている場合は7.790秒となる。変動状態Aの変動表示が行なわれた後、ホの時点でリーチ図柄の4図柄手前の図柄がセットされた後、変動状態Cの変動表示が0.420秒間行なわれ、3図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が13.670秒間行なわれ、41図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Gの表示制御が0.384秒間行なわれ、1図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状
態Hの表示制御が2.354〜3.390秒間行なわれ、3〜5図柄分の変動が行なわれた後、最終的に大当り図柄が停止表示される。
次に、リーチ6について説明する。リーチ6では、短縮条件が成立していない場合、特別図柄の変動が開始されてから変動状態Aの表示制御が7.100秒間行なわれる。なお、スピンが指定されている場合は、この時間が9.290秒となる。一方、短縮条件が成立している場合、この時間が5.690秒に短縮される。なお、短縮条件が成立している場合においてスピンが指定されている場合、この時間は7.790秒となる。変動状態Aの変動表示の後、ヘの時点でリーチ図柄の4図柄分手前の図柄がセットされ、変動状態Cの表示制御が0.420秒間行なわれ、3図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が13.670秒間行なわれ、41図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Gの表示制御が0.384秒間行なわれ、1図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Jの表示制御が2.306秒間行なわれ、4.875図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Kの表示制御が1.234秒間行なわれ、0.875図柄分の特別図柄が逆回転され、最終的に大当り図柄が停止表示される。
図15は、特別図柄の変動表示の終了と大入賞口となる開閉板7の開閉/閉鎖との時間的関係を示すタイミングチャートである。表示部32において特別図柄の変動表示が開始され、左側の特別図柄が停止され、次いで右側の特別図柄が停止され、最後に中央の特別図柄が停止され、変動表示が終了した時点から0.800秒が経過した時点で、大当りか否かが、大当りが発生したときにセットされる当りフラグが確認されることにより判定される。大当りである場合には、WCRND1と同じタイミングで抽出されたWCRND_Lの値が、確率変動図柄に対応しているか否か判定される。停止図柄の組合せは、同一種類の図柄が3個揃った大当りとなっていれば、上記判定時から7.300秒が経過した時点で大入賞口が開放状態となる。大入賞口の開放状態は、29.5秒が経過するか、または大入賞口内に10個の打玉が入賞するかいずれか早い方の条件が成立した時点で終了する。また、大入賞口が開放状態にあるとき、V入賞があったときは、その回の開放状態が終了してから2.000秒が経過した時点で、再度大入賞口が開放状態となる。上記のように、連続作動有効時間を2.000秒間設けているのは、開閉板7が閉じる間際に入賞した打玉を救済するための時間を確保するためである。
図16は、大入賞口となる開閉板7の開放/閉鎖と、次の回の表示部32における特別図柄の変動表示の開始との時間的関係を示すタイミングチャートである。ある回の特定遊技状態が終了し、開放状態となっていた大入賞口が閉鎖状態となった時点で、始動記憶があった場合には、13.002秒が経過した時点でその始動記憶に基づいた次の回の特別図柄の変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、基本回路46のCPUにより、WCRND1の値およびWCRND_Lの値の読出しと判定が行なわれる。これらの処理は、図10および図12のタイミングチャートにおいて、始動口5への打玉の入賞の検出パルスの立下がりを検出して行なわれる処理と同様である。また、その後の特別図柄の変動表示の制御手順は、図11〜図13に示したとおりである。
図17は、ある回の特別図柄の変動表示の終了と次の回の特別図柄の変動表示の開始との時間的関係を示すタイミングチャートである。ある回の特別図柄の変動表示が開始され、左側の特別図柄が停止され、続いて右側の特別図柄が停止され、最後に中央の特別図柄が停止されて変動表示が終了した後、0.8000秒が経過した時点で、上記同様に読出しと判定がなされる。停止図柄の組合せは、同一種類の図柄が3つ揃っていない大当り以外となっていれば、始動記憶があるか否かが判定され、始動記憶があった場合には、判定処理の時点から0.002秒が経過時点でその始動記憶に基づいた次の回の変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、基本回路46のCPUにより、WCRND1の値およびWCRND_Lの値の読出しと判定が行なわれる。上記の処理は、図
11および図13に示したタイミングチャートにおける始動口5への打玉の入賞の検出パルスが立下がるタイミングで行なわれる処理に対応するものであり、続いて行なわれる特別図柄の変動表示の制御手順は、図11〜図14に示したとおりである。
次に、普通図柄表示部100の表示制御について説明する。図18は、普通図柄の表示制御に用いられる乱数をカウントするランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。本実施の形態では、WCRND2およびWCRND_Fの2種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値がパチンコ遊技中の所定のタイミングで読出され、その値に基づいて普通図柄表示部100の変動表示動作が制御される。ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、基本回路46(図5参照)の内部に備えられたCPUが制御用ROMの制御用プログラムに従って実行する。
WCRND2は、普通図柄表示部100における普通図柄の変動表示の結果、当りを発生されるか否かを事前に決定するためのランダムカウンタである。当たりを発生させるか否かを事前に決定する手順は、後述する図19に示す。WCRND2は、3〜13の範囲で、0.002秒ごとに1ずつカウントアップする。なお、0.002秒とは、基本回路46において、定期リセット回路50から出力された定期リセット信号に応答して制御用プログラムが繰返し実行される間隔である。
WCRND_Fは、普通図柄表示部100の普通図柄の変動表示の結果、当り以外とすることが事前に決定された場合に、停止表示される普通図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。WCRND_Fのカウント範囲は、0〜5であり、割込処理の余り時間に実行されることにより所定のタイミングで1ずつカウントアップする。
図19は、ランダムカウンタの値により当りを発生するか否かを事前に設定するための制御を示すフローチャートである。同図を参照して、普通図柄表示部100における普通図柄の変動表示の結果を当りとするか否かを事前に決定し、さらに停止表示される普通図柄の種類を決定するための手順について説明する。
当りとするか否かは、WCRND2の値を判定することにより決定される。当りとなるWCRND2の値の範囲は確率変動時と通常時とで異なる。通常時には、WCRND2の値が、「3」であれば当りとし、確率変動時には、「13」を除くいずれかの値であれば当りとすることが事前に決定される。当りとすることが決定された場合は、当り図柄が強制的に設定される。なお、当り図柄はアルファベット図柄「F」である。一方、当り以外とすることが決定された場合は、引続いて、割込処理余り時間に実行され、カウントアップされているWCRND_Fの値を判定することにより、停止図柄が決定される。WCRND_Fの値が偶然当りとなる普通図柄を指定する値となる場合は、強制的に停止図柄が数字図柄「0」に設定される。
図20は、普通図柄表示部100において表示される停止図柄と各カウンタの値との対応関係を示す説明図である。停止図柄は、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」の5種類の数字図柄と、「F」の1種類のアルファベット図柄を含む。WCRND_Fの値「0」が数字図柄の「0」に対応する。以下同様に、値「1」が数字図柄の「2」に対応し、値「2」が数字図柄「4」に対応し、値「3」が数字図柄「6」に対応し、値「4」が数字図柄「8」に対応し、値「5」がアルファベット図柄「F」に対応する。
上記6種類の停止図柄が普通図柄表示部100の普通図柄表示領域において変動表示され、その変動表示の結果が、「F」の図柄であれば当りが発生する。
図21は、普通図柄表示部100に表示される普通図柄の表示順序とその周期を説明す
るための説明図である。図21を参照して、普通図柄は、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」,「F」の順序を1周期として変動表示される。1図柄の表示時間は、0.040秒であり、1周期は0.240秒となっている。普通図柄表示部100では、後述する普通図柄の可変表示制御時間の間はこの周期で普通図柄の変動表示がなされる。そして、所定の可変変動時間となる直前に変動して停止する停止図柄が、周期と関係のない前述した予め定められた図柄に置換えられることで、予定停止図柄で停止する。なお、1図柄の表示時間が0.040秒という非常に短い時間に設定されているため、停止図柄が前述した周期に一致しない図柄であっても、遊技者に不自然な印象を与えることはない。
次に、図22を参照して、普通図柄表示部100における普通図柄の変動表示の制御について説明する。
図22は、普通図柄の変動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。なお、以下に示すタイミングチャートの時間管理用のデータは、基本回路46ROMの時間テーブルに記憶されている。図22を参照して、通過スイッチ104(図1参照)のゲートを打玉が通過すると、その通過が通過スイッチ104により検出される。その検出パルスが立上がるタイミングで、基本回路46(図5参照)のCPUにより、WCRND2およびWCRND_Fの値が抽出され、RAMに格納される。
続いて、CPUは、通過スイッチ104のゲートを打玉が通過したことが検出されてから0.002秒後に、検出パルス立下がりのタイミングで、RAMに格納されているWCRND2の値を読出して読出した値に基づいて、変動表示の結果を当りとするか否か事前に決定する。当りとするか否かを事前に決定する処理は、図19に示した手順で行なう。WCRND2の値の読出しと判定処理を行ない、当り時には、CPUは停止図柄を「F」にセットする。またはずれ時には、WCRND_Fの値を読出して、読出したWCRND_Fの値に基づいて停止図柄をセットする。なお。読出したWCRND_Fの値が偶然当り図柄である「F」を指定する場合は、停止図柄を強制的に「0」にセットする。停止図柄の変動表示の具体的な手順は以下のとおりである。基本回路46はCPUによる決定結果に基づいてLED回路50に制御指令を送り、LED回路50は、この制御指令に基づいて表示制御信号を普通図柄表示部100へ出力する。その結果、普通図柄表示部100において、通過スイッチ104のゲートを打玉が通過したことが検出されてから0.004秒が経過した時点で普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄変動開始後、通常時においては29.000秒経過後に、確率変動時は5.000秒経過後に予定停止図柄が停止表示される。
図23は、普通図柄の変動表示の終了と始動口5の近傍に設けられた開成翼片102の開成/閉成との時間的関係を示すタイミングチャートである。タイミングチャートは、確率変動時と、通常時とで異なっている。まず、図23上段に示した通常時より説明を行なう。普通図柄表示部100において普通図柄の変動表示が開始された後、変動表示が終了した時点で、当りか否かが、当りが発生したときにセットされる普通図柄プロセスフラグが確認されることにより判定される。停止図柄が当りとなっていれば、上記判定時から0.500秒が経過した時点で開成翼片102が開成状態となる。開成翼片102の開成状態は、0.500秒が経過した時点で終了する。開成時に普通図柄の始動記憶があった場合には、普通図柄の停止から1.002秒が経過した時点でその始動記憶に基づいた次の回の普通図柄の変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、基本回路46のCPUにより、WCRND2の値の読出しと判定が行なわれる。これらの処理は、図22のタイミングチャートにおいて、通過スイッチ104のゲートを打玉が通過したことにより検出される検出パルスの立下がりにより行なわれる処理と同様である。また、その後の普通図柄の変動表示の制御手順は、図22に示したとおりである。次に確率変動時におけるタイミングチャートについて説明を行なう。確率変動時においては、普通図柄
表示部100において普通図柄の変動表示が開始された後、変動表示が終了した時点で当りか否かが通常時と同様に判定される。停止図柄が当りとなっていれば、上記判定時から0.500秒が経過した時点で開成翼片102が開成状態となる。開成翼片の開成状態は、開成開始から2.900秒が経過した時点で一旦終了し、終了した時点から2.000秒が経過したとき再度開成状態となり、開成状態となった時点から2.900秒が経過した時点でその開成状態が終了する。また、開成時に普通図柄の始動記憶があった場合には、普通図柄の変動停止から8.302秒が経過した時点で、その始動記憶に基づいた次の回の普通図柄の変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、通常時の場合と同様に、基本回路46のCPUにより、WCRND2の値の読出しと判定が行なわれる。
図24は、ある回の普通図柄の変動表示の終了と次の回の普通図柄の変動表示の開始との時間的関係を示すフローチャートである。ある回の普通図柄の変動表示が開始し、変動表示が停止した時点で、前述同様にして当りか否かが判定される。当りでない場合には、普通図柄の変動停止から1.000秒が経過した時点で始動記憶があるか否かが判定される。始動記憶がある場合には、判定から0.002秒が経過した時点、つまり普通図柄の変動停止から1.002秒が経過した時点で、その始動記憶に基づいた変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、基本回路46のCPUにより、WCRND2の値の読出と判定が行なわれる。処理開始後0.002秒が経過した時点、つまり普通図柄の変動停止から1.004秒が経過した時点で普通図柄の変動が開始する。
次に、飾りLED28aおよび飾りLED28bの表示制御について説明する。図25は、図柄の変動/停止と飾りLED28a,28bの変動/停止との時間的関係を示すタイミングチャートである。図において、飾りLED28a,28bを飾りLED Bとして表わしている。表示部32において特別図柄の変動表示が開始され、左側の図柄が停止し、右側の図柄が停止し、最後に、中央の図柄が停止して変動状態が終了した時点から、0.800秒が経過した時点で、大当りか否かが判定される。大当りの場合、後述するWCRND_KZUの値が抽出され、同時に、飾りLED28aおよび28bが7.000秒間だけ変動表示され、さらに、0〜0.200秒間だけ変動表示され、表示位置が0〜2位置分変動した後、変動表示が停止される。
次に、飾りWCRND_KZUについて詳細に説明する。図26は、WCRND_KZUの内容を示す説明図である。WCRND_KZUは、飾りLED28aおよび28bの表示状態を決定するための飾りLED表示用ランダムカウンタである。WCRND_KZUのカウント範囲は0〜9であり、割込処理の余り時間内において所定時間ごとに1つずつカウントアップされる。
図27は、WCRND_KZUのカウント値と飾りLED28aおよび28bの表示態様との関係を示す説明図である。本図では、飾りLED28aを飾りLED B1で示し、飾りLED28bを飾りLED B2で示している。WCRND_KZUのカウント値が0〜3の場合、飾りLED B1および飾りLED B2はともに消灯状態となる。WCRND_KZUの値が4〜6の場合、飾りLED B1が点灯状態となり、「WINNER」の文字が表示され、一方、飾りLED B2は消灯状態となる。WCRND_KZUの値が7〜9の場合、飾りLED B1は消灯状態となり、一方、飾りLED B2は点灯状態となり、「CRUSH」の文字が表示される。
次に、可変表示装置24における特別図柄の可変表示制御時間が短縮される短縮条件について詳細に説明する。まず、本実施の形態においては、前述したとおり可変表示装置24において図柄が変動開始される始動時点における始動記憶数に応じて、可変表示制御時間が短縮されるか否かが判断されている。通常時においては、始動記憶が4つあれば可変
表示制御時間が短縮され、また確率変動時においては、始動記憶数が2つ以上であれば可変表示制御時間が短縮されるよう構成されている。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されている入賞記憶カウンタに始動入賞個数が記憶されており、同じくRAM内に記憶されている短縮条件チェック値と該入賞記憶カウンタの値が比較判定されることにより、可変表示制御時間を短縮するか否かが判定される。短縮条件チェック値には、通常時と確率変動時とで異なる値がセットされるよう構成されており、通常時には短縮条件チェック値に4がセットされ、確率変動時には短縮条件チェック値に2がセットされる。可変表示装置24において図柄の変動が開始する直前ごとに、入賞記憶カウンタの値と短縮条件チェック値とが比較されることにより、可変表示制御時間を短縮するか否かが決定付けられる。
次に、可変表示装置24における特別図柄の可変表示制御時間が短縮される短縮条件について、その他の実施の形態を説明する。図28は、前記短縮条件について、第2の実施の形態、第3の実施の形態、および第4の実施の形態を説明するための説明図である。第2の実施の形態では、図28(a)に示す短縮条件により、可変表示制御時間が短縮される。図28(a)を参照して、打玉が始動口5に順次入賞することにより、始動入賞A,B,C,…が発生する。そしてこれらの始動入賞に基づいて可変表示装置24における図柄の変動A,B,C,…が行なわれる。図において始動入賞のパルスの立上りがそれぞれその時点で始動入賞A,B,C,…が発生していることを示している。また、それぞれの始動入賞と時間的に対応して、図柄変動のパルスの立上りから立下りまでが、可変表示装置24における特別図柄の可変表示開始から停止までを示している。したがって、たとえば始動入賞Aに基づいた図柄の変動は図柄の変動Aと対応している。また、図柄の変動CおよびDは可変表示制御時間が短縮されていることを示す。
まず、始動入賞Aに基づいて、たとえば1回目の変動時の始動記憶数として1が記憶される(n回目の変動時の始動記憶数)。始動記憶が行なわれるとすぐに、その記憶に基づいて図柄の変動Aが開始し、図柄の変動Aが開始後、始動記憶数が1から0となる。図柄の変動Aが行なわれている最中に始動入賞B,Cが発生することにより、図柄の変動Aが終了し、図柄の変動Bが開始される始動時点で、始動記憶数は2となる。すなわち、2回目の変動時の始動記憶数として2が記憶されている。2回目の図柄の変動が行なわれる時点での始動記憶数と、前回の変動時の始動記憶数とがいずれも所定数以上であれば、2回目の図柄の変動が短縮される。第2の実施の形態の場合、通常時には所定数が4に、確率変動時には所定数が2に条件付けられている。図柄Bの変動時の始動記憶数が2であり、前回(1回目)の変動時の始動記憶数は1である。したがって、図柄の変動Bは短縮されない。
図柄の変動Bが行なわれている最中に始動入賞D,Eが発生すると、図柄の変動Cが開始される始動時点で始動記憶数は3となる。前回(2回目)の図柄の変動時の始動記憶数は、前述のとおり2であるので、確率変動時には図に示すとおり図柄の変動Cが短縮される。以下、同様にして、始動入賞D,E,…に基づいて、図柄の変動が行なわれる。以上より、この第2の実施の形態においては、n回目の始動時点における始動記憶数と、(n−1)回目の始動時点における始動記憶数とが、通常時および確率変動時とでその値を異ならせて予め定められた所定値以上の場合に可変表示制御時間が短縮される。第2の実施の形態において予め定められた所定値は、たとえば通常時には、4、確率変動時には2に定められている。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態(本実施の形態)と異なり、現在図柄の変動が開始される始動時点での始動記憶数のみならず、前回の始動時点においての始動記憶数をも考慮して図柄の変動を短縮させるか否か判断される。したがって、たとえば、ある回の図柄の変動中にのみ頻発して始動入賞があっても、その回の変動開始直前の始動記
憶が少ない場合には、短縮が行なわれない。したがって、始動記憶が多い状態が継続して発生している場合にのみ短縮が行なわれる。
なお、図28(b)は、特別図柄の可変表示制御時間が短縮される短縮条件について、さらに第3の実施の形態を示す。第3の実施の形態では、図柄の変動が開始される始動時点での始動記憶数と、その図柄の変動を引起こすことになる始動入賞が発生した時点における始動記憶数とが予め定められた所定値以上であれば、可変表示制御時間が短縮される。予め定められた所定値は、通常時と確率変動時とで異なる点、およびそれぞれの値は第2の実施の形態と同様である。
図28(b)において、たとえば、始動入賞Dが発生した時点における始動記憶数は、始動入賞C,および始動入賞Dにより、2となっている(n回目の始動入賞時の始動記憶数)。なお、始動入賞Dが発生した時点で始動入賞Bに基づいた図柄の変動Bが行なわれているので、始動入賞Bは始動入賞Dの時点における移動記憶数にはカウントされない。そして、始動入賞Dに基づいて図柄の変動Dが開始される時点での始動入賞記憶数はそれまでに発生した始動入賞Eおよび図柄変動Cにより、2となる(n回目の始動時の始動記憶数)。したがって、図柄の変動Dは、確率変動時には、その可変表示制御時間が短縮される。
図28(c)は、特別図柄の可変表示制御時間が短縮される短縮条件について、さらに第4の実施の形態を示す。第4の実施の形態では、始動入賞時点から、その始動入賞に基づいて図柄の変動が開始可能となるまでの時間tn が、予め定められた短縮の基準となる時間(短縮基準値)ta よりも大きい場合に、可変表示制御時間が短縮される。図28(c)において、上矢印は、始動入賞AないしGが発生した時点をそれぞれの始動入賞に基づいて開始される図柄の変動に対応して示している。左右両矢印は、始動入賞時点から、その始動入賞に基づいて図柄の変動が開始されるまでの時間長さを示し、特にAのクロスポイントは、始動入賞Aに基づいてすぐに図柄の変動が開始されたことを示している。さらに、左右両矢印で示されるそれぞれの時間長さと、短縮基準値ta とが比較されたグラフが示されており、時間長さC,D,Eがta よりも大きいことに基づいて、図柄の変動C,D,Eはその可変表示制御時間が短縮されている。第4の実施の形態によれば、始動入賞からその始動入賞に基づいて図柄の変動が開始するまでの始動待機時間により可変表示制御時間を短縮するか否かが判断されるので、より一層短縮を効果的に行なうことができる。すなわち、始動待機時間が短縮基準値ta よりも大きい場合には、常に短縮されることになるので、前述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態に比較して可変表示制御時間が短縮される割合が高くなる。
また、第4の実施の形態においては、通常時と確率変動時とで短縮基準値ta が異なるように構成されている。短縮基準値ta を通常時と確率変動時とで同一の値とした場合には、以下のような問題が生じる恐れがある。すなわち、始動入賞から、その始動入賞に基づいて図柄の変動が開始した後、停止するまで(始動待機時間+可変表示制御時間)の始動入賞制御時間を常に、せいぜい一定時間以上にしたい場合には、短縮基準値ta は、少なくとも短縮された後の可変表示制御時間が通常時に比べてより一層短い確率変動時に合わせて設定しなければならない。たとえば、始動入賞制御時間がせいぜい5秒以上となるように調整したい場合、通常時において短縮された可変表示制御時間が4秒であり、確率変動時において短縮された可変表示制御時間が2秒である場合、短縮基準値は3秒にする必要がある。
しかしながら、通常時において短縮された可変表示制御時間は4秒であるために、本来、始動入賞制御時間がせいぜい5秒以上となるように設計したいのにも拘らず、通常時において可変表示制御時間が短縮された場合の始動入賞制御時間は、常に7秒(3秒+4秒
)以上となってしまうという問題が生ずる恐れがあるのである。
第4の実施の形態では、通常時の短縮基準値と確率変動時の短縮基準値とが異なるように構成されているので、前述した例のような場合には、通常時の短縮基準値を1秒、確率変動時の短縮基準値を3秒としてやることで、通常時および確率変動時ともに始動入賞制御時間が常にせいぜい5秒以上となる。
したがって、短縮基準値を通常時と確率変動時とで異なった値とすることで、始動入賞制御時間を常に、せいぜい一定時間以上とすることが可能となる。
始動入賞時点から、その始動入賞に基づいて図柄の変動が開始可能となるまでの時間tn を計時するための可変表示制御タイマは、基本回路46のRAM内に構成されている。基本回路46内のCPUは、始動入賞が発生すると同時にこの可変表示制御タイマをスタートさせて、その始動入賞に基づいて図柄の変動が開始可能となった時点におけるタイマ値を読出す。読出された値が短縮基準値ta よりも大きい場合には、可変表示制御時間を短縮させる。なお、複数の始動入賞に対応できるように、基本回路46のRAM内には複数の可変表示制御タイマが構成されている。
また、通常時と確率変動時とでその値が異なる短縮基準値は、それぞれ基本回路46のROM内に記憶されており、基本回路46に構成されたCPUは、通常時と確率変動時とでそれぞれに対応する短縮基準値を読出して可変表示制御タイマのタイマ値と比較判定を行なう。
次に、特別図柄の可変表示制御時間が短縮される短縮条件について第5の実施の形態をさらに説明する。第5の実施の形態では、過去2分間における始動入賞回数に応じて特別図柄の可変表示制御時間を短縮するか否かが決定付けられる。すなわち、第5の実施の形態では、過去2分間における始動入賞回数が短縮基準値となる。そして可変表示制御時間を短縮させるか否かの判断は、2分ごとに行なわれる。第5の実施の形態では、短縮基準値は、たとえば通常時では「5」、確率変動時では「10」に定められ、それぞれの値以上の始動入賞回数であることを条件に可変制御時間が短縮される。
ここで、第5の実施の形態における可変表示制御時間の短縮制御についてさらに詳細に説明する。遊技機1の電源投入とともに、基本回路46のRAMに設けられている2分間タイマにおいて、タイムカウントが開始される。一方、基本回路46に設けられたCPUは、始動入賞が発生するごとに基本回路46のRAMに格納されている始動入賞回数チェックカウンタの値を加算更新することにより、前述した始動入賞回数を計数する。そして、2分間タイマで時間2分がタイムカウントされた場合に、その時点における始動入賞回数チェックカウンタの値が読出される。読出された始動入賞回数チェックカウンタの値と、基本回路46のROMに記憶されている短縮基準値とが比較されて、以降2分間の可変表示制御時間を短縮するか否かが判断される。このような判断がなされた後、始動入賞回数チェックカウンタがクリアされる。始動入賞回数チェックカウンタがクリアされて以降、始動入賞回数が新たに計数される。また、同時に2分間タイマが一旦クリアされて、次の2分間が新たにタイムカウントされ始める。このような動作が繰返されることにより、過去2分間の始動入賞回数に基づいた可変表示制御時間の短縮制御が行なわれる。
このような構成によれば、可変表示制御時間を短縮するか否かの判断が、2分間タイマにより2分がタイムカウントされた時点を基準に過去2分間の始動入賞回数により行なわれる。具体的には、通常時においては過去2分間の始動入賞回数が10回以上、確率変動時には5回以上であれば、以降2分間の可変表示制御時間が短縮される。逆に、過去2分間の始動入賞回数が短縮基準値に満たなければ、以降2分間の可変表示制御時間は短縮さ
れない。第5の実施の形態では、可変表示制御時間を短縮するか否かの判断が単位時間当たりの始動入賞回数により行なわれるので、可変表示制御時間がより適正に調整されることになる。
次に、図29および図30を参照して、表示部32の画面表示例について説明する。図29および図30は、特別図柄の変動表示の表示例を示す画面構成図である。まず、図29(A)の表示画面が表示部32に表示される。表示部32上には、第1背景画像60、第2背景画像61、第1キャラクタ画像62と第2キャラクタ画像63、第3キャラクタ画像64、第4キャラクタ画像65、左図柄66、右図柄67、中図柄68が表示される。第1キャラクタ画像62は、遊技者のレーシングカーである。第2キャラクタ画像63は、左図柄66に対応したレーシングカーであり、第1キャラクタ画像62と第2キャラクタ画像63とが衝突した場合に、左図柄66の可変表示が終了し、所定の図柄が左図柄66として表示される。第3キャラクタ画像64は、右図柄67に対応したレーシングカーであり、第1キャラクタ画像62と第3キャラクタ画像64とが衝突した場合に可変表示が停止され、右図柄67に所定の図柄が表示される。第4キャラクタ画像65は、中図柄68に対応したレーシングカーであり、第1キャラクタ画像62と第2キャラクタ画像65とが衝突した場合に、中図柄68の可変表示が停止され、所定の図柄が中図柄68に表示される。図29の(A)では、第1ないし第4キャラクタ画像62〜65ともに走行状態にあり、左図柄66が変動表示されている。
次に、図29の(B)を参照してレースが進行し、第1キャラクタ画像62が第2キャラクタ画像63と衝突すると、左図柄66の可変表示が停止し、左図柄66の上部に破線で示す決定された左図柄66aが表示される。
次に、図29の(C)を参照して、決定された左図柄66aは、実線で示す左図柄66として表示される。次に、レースがさらに進行し、第1キャラクタ画像62と第3キャラクタ画像64とが衝突すると、右図柄67の可変表示が停止され、右図柄67の上部に、決定された右図柄67aが破線で表示される。次に、図30の(A)を参照して、破線で表示された右図柄67aは、右図柄67として実線で表示される。また、この図では、第1キャラクタ画像62がスピンしている状態を示している。第1キャラクタ画像62がスピンするか否かは、後述するコマンドデータにより決定され、スピンしない場合もある。
次に、図30の(B)を参照して、さらにレースが進行し、第1キャラクタ画像62と第4キャラクタ画像65とが衝突すると、中図柄68の可変表示が停止され、決定された図柄が表示される。本表示例の場合、左図柄66、右図柄67、および中図柄68ともに「7」の図柄となっているので、大当りが発生したことを示している。
次に、基本回路46から送信されるコマンドデータについて説明する。図31および図32は、基本回路46からLCD回路48を介してLCD表示装置35へ送信されるコマンドデータの態様を示す説明図である。コマンドデータは、COMH、COM0〜COM6、COMCを含む。COMHはコマンドヘッダであり、「CAH」に固定されている。このCOMHが送信されることにより、LCD表示装置35は、基本回路46からコマンドデータが送られてきたと判断する。
COM0はメインステータスであり、表示部32の表示制御の種類を指定するためのコマンドである。COM0が「00H」〜「7FH」のとき、以下に説明する各表示制御の種類が指定される。また、「80H」〜「FFH」は本実施の形態では使用されていない。
まず、COM0が「00H」のとき、表示部32の画面が初期化され、ブルーバック表
示にする制御が指定される。COM0が「10H」のとき、表示部32において通常デモンストレーション画面(エンドレス)を表示するためのモードが指定される。
COM0が「20H」のとき、全図柄停止処理を行なうよう指定する。「21H」のとき、全図柄変動処理を行なうよう指定する。「22H」のとき、左図柄停止処理を行なうよう指定する。「23H」のとき、右図柄停止処理を行なうよう指定する。「24H」のとき中図柄停止処理を行なうよう指定する。「25H」のとき、通常リーチ処理を行なうよう指定する。通常リーチには、ノーマルリーチ、どけどけリーチ、S字リーチの3つのリーチが含まれ、後述するCOM4により3種類のうちいずれのリーチ処理を行なうかが指定される。「26H」のとき、滑り(戻り)リーチ処理を行なうよう指定する。「27H」のとき、バックファイアーリーチ処理を行なうよう指定する。上記各リーチ処理と図12および図14に示したリーチ1ないしリーチ6との態様は以下のようになる。すなわち、リーチ1は、ノーマルリーチに対応し、リーチ2はS字リーチに対応し、リーチ3はどけどけリーチに対応し、リーチ4はバックファイアーリーチに対応し、リーチ5は滑りリーチに対応し、リーチ6は戻りリーチに対応する。
COM0が「30H」のとき、入賞デモンストレーション画面を表示するよう指定する。COM0が「40H」〜「4FH」のとき、大当りが発生した後の特定遊技状態中の1R〜16Rの各ラウンドのインターバル画面を表示するための制御が指定される。COM0が「50H」〜「5FH」のとき、特定遊技状態中の1R〜16Rの各開放中画面を表示するための制御が指定される。なお、特定遊技状態中の1R〜16Rの各ラウンドのインターバル画面と開放中画面については後述する。COM0が「60H」〜「62H」のとき、終了デモンストレーション画面1〜3を表示するための制御がそれぞれ指定される。なお、終了デモンストレーション画面については図38を用いて後述する。COM0が「70H」のとき、パチンコ遊技機において発生した障害を報知するための画面を表示するための制御が指定される。この障害の発生の報知は、たとえば、開閉板7が開成状態にあるにもかかわらず、所定時間内に入賞玉検出器10(図1参照)で入賞玉の検出がされない場合、あるいは、入賞玉検出器10による検出信号が継続して発生している場合などになされる。これにより、遊技機内の玉詰まり状態などの障害発生が確認できる。また、入賞玉検出器10の検出機能を故意に不能動化させて遊技を行なうなどの不正行為が行なわれていることが発見できる。
COM1は、特別図柄の変動表示において、左図柄の停止図柄を指定するためのコマンドである。COM1において上位のbit7〜4は未使用であり、下位のbit3〜0により左図柄の番号が指定され、「0H」〜「EH」により15図柄が指定される。
COM2およびCOM3は、上記のCOM1と同様に、特別図柄の変動表示において、中図柄および右図柄のそれぞれの停止図柄を指定するためのコマンドである。
COM4は、リーチ動作を指定するためのコマンドである。上位のbit7〜5は未使用である。bit4は、第2図柄決定時のスピンフラグであり、「0」のときスピンしないことを指定し、「1」のときスピンすることを指定する。bit3、2は、リーチ中の動作を指定するためのビットであり、「00」は通常リーチを指定し、「01」はどけどけリーチを指定し、「10」はS字リーチをそれぞれ指定する。bit1、0は、リーチ周回数を指定するためのbitであり、「00」は0周後停止を指定し、「01」は1周後停止を指定し、「10」は2周後停止を指定し、「11」は3周後停止をそれぞれ指定する。なお、「11」は実際には使用しておらず、変更できるようにしておくためのダミーである。
COM5は、リーチ停止動作を指定するためのコマンドである。bit7は未使用であ
る。bit6は、点滅する色を指定するためのフラグであり、「0」は黄色を指定し、「1」はオレンジ色を指定する。bit5は、点滅するスピードを指定するためのフラグであり、「0」は遅い点滅を指定し、「1」は速い点滅を指定する。bit4は、点滅フラグであり、「0」は点滅しないことを指定し、「1」は点滅することを指定する。bit3は、戻り動作を指定するためのフラグであり、「0」は戻りなしを指定し、「1」は戻りありを指定する。bit2〜0は、滑り図柄の数を指定するビットであり、「000」は滑りなしを指定し、「001」は1図柄滑ることを指定し、「010」は2図柄滑ることを指定し、「011」は3図柄滑ることを指定し、「100」は4図柄滑ることを指定し、「101」は5図柄滑ることを指定し、「110」は6図柄滑ることを指定する。なお、「000」,「001」,「010」,「011」はダミーである。
COM6は、表示部32において、打玉の入賞個数を表示させるために入賞個数データを指定するためのコマンドである。COM6は、「0H」〜「AH」のうちのいずれかの値が指定され、カウント数として0〜10が対応する。COMCは、データ転送時に誤ったデータを転送することを防止するために用いるチェックサムである。COMCは、上記のCOMH、COM0〜COM6までの各データを加算し、最上位ビットを0クリアした値がセットされ「00H」〜「7FH」のうちのいずれかの値が指定される。
次に、WCRND_ACTの値とコマンドデータとの関係について説明する。 図33は、各条件に対応したWCRND_ACTの値とコマンドデータCOM0、COM4、COM5との関係を示す図である。ここで、条件1ないし条件3については、図34を参照して、条件1とはリーチで、大当り図柄の1図柄手前で停止図柄が停止するときを示し、条件2とは、リーチで、大当り図柄の1図柄後の図柄で停止図柄が停止するときを示し、条件3とは、リーチで、大当り図柄の前後以外の図柄で停止図柄が停止するときを示している。したがって、図33に示す図ははずれ時のWCRND_ACTの値とコマンドデータとの関係を示しており、上述したリーチ1〜リーチ5の5種類のリーチ態様について示されている。また、各リーチには、スピンする場合とスピンしな場合とがあり、これらについてもWCRND_ACTの値により決定される。
以下、一例として図33に示す最上段の場合について説明する。条件1のとき、WCRND_ACTの値が0〜6のとき、リーチ1が対応し、かつ、スピンありの状態が対応する。このリーチが発生する確率は、7/128である。また、このとき転送されるCOM0は、「25H」であり、COM4のbit4は「1」であり、bit3、2は「00」であり、bit1、0は「01」であり、また、COM5のbit6は「1」であり、bit5は「0」であり、bit4は「1」であり、bit3は「0」であり、bit2〜0は「100」である。以降、条件1のとき、WCRND_ACTの値により、リーチ種類およびスピンのありなしが決定され、所定のコマンドデータCOM0、COM4、COM5が転送される。条件2についても条件1とほぼ同様である。また、条件3は、リーチ1についてのみ指定しているため、リーチ2〜リーチ5に関しては表示されていない。また、図33中「※1」は、図中に示した値がセットされるが、このビットは実際には使用されていないので、他の値がセットされてもよい部分を示している。図35も同様である。
次に、大当り時のWCRND_ACTの値とコマンドデータとの関係について説明する。図35は、大当り時のWCRND_ACTの値とコマンドデータCOM0、COM4、COM5との関係を示す図である。大当り時のリーチ種類としては、リーチ1〜リーチ6の6種類の態様がある。また、この場合も上記と同様に、スピンあり/なしの2つの態様がある。一例として、図35に示す最上段の場合について説明すると、WCRND_ACTの値が0〜7のとき、リーチ1が対応し、かつ、スピンありの状態が対応する。この状態のリーチの発生確率は、8/128である。また、このとき転送されるCOM0は、「
25H」であり、COM4のbit4は「1」であり、bit3、2は「00」であり、bit1、0は「01」であり、COM5のbit6は「1」であり、bit5は「0」であり、bit4は「1」であり、bit3は「0」であり、bit2〜0は「101」である。以下、上記と同様に、各リーチの種類およびスピンのあり/なしに対応してWCRND_ACTの値が割付られ、所定のコマンドデータCOM0、COM4、COM5が基本回路46からLCD表示装置35へ転送され、WCRND_ACTの値に応じたリーチ画面が表示部32に表示される。
次に、上記のコマンドデータの転送方法について説明する。図36は、コマンドデータの転送方法を説明するためのタイミングチャートである。基本回路46は、LCD回路48を介してLCD表示装置35へ、上記の所定のコマンドを発行して、LCD表示装置35の動作を制御する。基本回路46からLCD表示装置35へのコマンドデータの転送は1方向の転送であり、LCD表示装置35は、基本回路46へ自己のステータスを送信できない構成となっている。しかしながら、基本回路46は、シーケンシャルなステータスを常に発行するように構成されており、LCD表示装置35側では、常にステータスの取込みを行ない、現在実行中のステータスでないものが送信された場合に、送られてきたステータスを実行するように構成されている。この結果、LCD表示装置35側で何らかのトラブルが発生しても、新たなステータスの取込みには、常に通常動作に復帰することができる。したがって、上記の構成により、LCD表示装置35側での誤動作を防止するとともに、簡便なデータ転送を行なうことができ、回路構成およびデータバス構成を簡略化することが可能となっている。
上記のコマンドデータの通信は、8ビットパラレル転送であり、1回の転送により8ビットのデータを転送する。また、必要なデータを転送するために、1コマンドは以下に説明するブロックで構成される。まず、1コマンドは、ある一定の時間間隔で常に転送されている。また、コマンドブロックのデータ長、データ順序は、どのシーケンスでも同じである。さらに、コマンドには上記に説明した最終バイトのチェックサム用バイトCOMCが付加されており、コマンドの受信をより確実に行なうことができる。受信側であるLCD表示装置35では、ヘッダコマンドであるCOMHの受信により、新規コマンド受信を開始して、規定バイト受信した後にCOMCによりコマンドデータの検査を行なう。ここで、コマンドブロック長は8バイト一定であり、有効コマンドデータは6バイト、チェックサムは1バイトの構成である。
図36を参照して、コマンドブロックは、9ブロック連続でコマンドが送信されるが、コマンドデータの間隔は2msである。基本回路46から出力される信号は、8ビットのデータラインと、1本のIND信号の合計9本の単一方向バスで構成される。送信側である基本回路46は、出力データであるコマンドデータ1をデータラインに出力する(データラインはラッチ出力)と、その都度IND信号が500μsの間“H”の状態で送信される。以下、同様にコマンドデータ2、コマンドデータ3が順次基本回路46からLCD表示装置35へ転送される。なお、コマンドブロックの先頭は、ヘッドコマンドであるCOMH(「0CAH」で固定)により判別される。
次に、上記の転送方法による大当り状態の時の表示例について説明する。図37の(A)および(B)は、大当り状態のときの表示例を示す画面構成図である。図37(A)は、繰返し継続制御による1回目の特定遊技状態(開放中)にある場合に表示されるデモンストレーション画面である。図37(A)を参照して、大当り状態のとき、画面の左上に大当りとなった停止図柄である大当り図柄71が表示され、画面の右上方に、コース図72が表示され、画面の右下方にラウンド数73が表示されている。本実施の形態では、大当り図柄71として、「777」が表示されている。コース図72は、大当り当初10個の白丸を連結したコース図が表示されており、入賞個数に応じて白丸部分が点灯し(図中
斜線で示す)、遊技者に入賞個数を報知する。また、ラウンド数73には、アルファベット文字のRとラウンド回数を示す数字、ここでは「1」が表示され、表示画面が1R(ラウンド)目のデモンストレーション画面であることが示されている。上記の表示例は、前述したCOM0およびCOM6のコマンドデータが、基本回路46からLCD表示装置35へ転送されることにより表示されるものである。COM0には「50H」が、COM6には「5H」がそれぞれ指定されている。
図37(B)は、1R(ラウンド)目の特定遊技状態から2R(ラウンド)目の特定遊技状態に移行するインターバルで表示されるデモンストレーション画面である。図37(B)を参照して、画面の左上には大当り図柄74が表示され、画面の中央に、これから開始されるラウンド回数75が予告表示されている。本実施の形態では、大当り図柄74として「777」が表示され、ラウンド回数として「2」が表示されている。上記の表示例では、COM0に「41H」が指定されたコマンドデータが基本回路46からLCD表示装置35へ転送されることになる。2Rデモンストレーション画面(インターバル)の表示の終了後、2回目の特定遊技状態開始と同時に2Rデモンストレーション画面(開放中)が表示される。2Rデモンストレーション画面(開放中)の表示は、前述したデモンストレーション画面の表示と同様に、コマンドデータが指定されて送信されることにより行なわれる。以降、前記繰返し継続制御に合せて、最大16R目のデモンストレーション画面(インターバル)に続いて16R目のデモンストレーション画面(開放中)が表示されるまで、同様の画面表示処理が行なわれる。
次に、図38および図39を参照して、終了デモンストレーション画面について説明する。図38は、繰返し継続制御による最終の特定遊技状態が終了するときの終了デモンストレーション画面である。まず、終了デモンストレーション画面1について説明する。図38(B)を参照して、画面の左上に、大当りとなった停止図柄である大当り図柄91が表示され、画面の中央に確率変動が後何回発生するかを示す確率変動発生予定回数が表示される。本実施の形態では、大当り図柄として「777」が表示され、確率変動発生予定回数として「あと2回」の表示が行なわれている。次に、終了デモンストレーション画面1の表示タイミングについて説明する。図39のタイムチャートを参照して、条件装置は特別か特定の図柄の組合せになることによって大当りが発生したことを条件に作動する。ここで、条件装置とは、大当りが発生したことに基づいて、大当り制御を行なう処理を表わす。処理を実行するプログラムは、基本回路46のROMに格納されている。さらに大当りとともに確率変動図柄で大当りしている確率変動図柄の組合せとは、左図柄、中図柄、および右図柄のそれぞれの停止図柄が同一であって、かつ、その停止図柄が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」,の数字図柄のうちのいずれかである組合せをいう。確率変動図柄の組合せによって大当りが発生すれば、条件装置が作動するとともに、大当りに伴なう遊技者にとって有利な第1の状態が発生する。前記第1の状態における繰返し継続制御終了時に、COM0が「60H」に指定されたコマンドデータが、基本回路46からLCD表示装置35へ転送されることにより、終了デモンストレーション画面1が表示部32に表示される。終了デモンストレーション画面1が表示されることで、遊技者にこれから2回の確率変動が生じることが報知される。つまり、確率変動図柄で大当りとなると、その後2回の確率変動が許容される。終了デモンストレーション画面1が所定時間表示された後、遊技者にとって有利な第1の状態から遊技者にとって不利な第2の状態になるとともに1回目の確率変動が生じる。1回目の確率変動が生じている状態で大当りが発生した場合には、再度、繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、所定の終了条件が成立した場合には、COM0が「61H」に指定されたコマンドデータが、基本回路46からLCD表示装置35へ転送されることにより終了デモンストレーション画面2(図示省略)が表示される。終了デモンストレーション画面2は、終了デモンストレーション画面1と比較して、画面中央部に「あと1回」と表示されること、および画面の左上に今回の大当り図柄が表示されることを除いては同じである。終了デモンストレーショ
ン画面2が表示されることで、遊技者に後1回確率変動が生じることが報知される。終了デモンストレーション画面2が所定時間表示された後、前記第1の状態から前記第2の状態になるとともに2回目の確率変動が生じる。2回目の確率変動が生じている状態で大当りが発生した場合には、再度繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において所定の終了条件が成立した場合に、条件装置が停止するとともに、COM0が「62H」に指定されたコマンドデータが、基本回路46からCLC表示器35へ転送されることにより、終了デモンストレーション画面3が表示される。終了デモンストレーション画面3は、図38(A)を参照して、画面中央部に「END」が表示され、画面左上に今回の大当り図柄、たとえば「777」が表示される。これにより、遊技者に2回目の確率変動が終了し、予定されていたすべての確率変動が発生し終えたことが報知される。終了デモンストレーション画面3が所定時間表示された後、前記第1の状態から確率変動の生じていない第2の状態となる。なお、1回目あるいは2回目の確率変動が生じているときに発生した大当りが確率変動図柄の組合せによる場合には、前述のとおり、その大当り以降、改めて2回の確率変動が生じる。この場合には、その大当りに基づく繰返し継続制御終了時に、前述した終了デモンストレーション画面1の表示制御がなされる。以上説明した終了デモンストレーション画面による確率変動の発生予定回数表示により、遊技者に有利となる第1の状態が終了した後、遊技者に不利となる第2の状態が確率変動を伴なうものであるにもかかわらず、第1の状態が終了した時点で遊技者が遊技を終了してしまうことに伴なう、遊技者の不利益が防止できる。さらに、後何回確率変動が生じるかを遊技者は事前に知ることができ、遊技上便利なものとなる。
図40は、繰返し継続制御の制御動作と、繰返し継続制御中に表示される画面との関係を示すタイミングチャートである。図40を参照して、大当りが発生することに伴って、可変入賞球装置4に設けられた開閉板7が閉鎖状態から開放状態に変化するタイミングで、表示部32に、図37(A)で示した、1Rデモンストレーション画面(開放中)が表示される(画面表示a)。具体的には、基本回路46からLCD回路48を介してLCD表示装置35へCOM0が「50H」に指定されたコマンドデータが送信される。その後、1回目(1ラウンド目)の特定遊技状態が発生する。1回目の特定遊技状態において、大入賞口内に入賞した打玉は、入賞玉検出器10(入賞球検出器)によって検出される。一方、特定領域へ進入した打玉は玉貯留部材108(図3参照)によって保持され、特定玉検出器9では検出されていない。1回目の特定遊技状態において、入賞玉検出器10による打玉の検出が10回行なわれたか、あるいは所定時間(29.5秒)経過した場合に、1回目の特定遊技状態が終了する。1回目の特定遊技状態が終了するとともに、可変入賞球装置4に設けられた開閉板7が開放状態から閉鎖状態となる。開閉板7が、開放状態から閉鎖状態になるに伴って、表示維持フラグがオフからオンの状態に切換わる。表示維持フラグは、基本回路46のRAM内に設けられている。開閉板7が開放状態から閉鎖状態になるに伴って、前述のとおり、玉貯留部材108(図3参照)が保持していた入賞玉を開放するので、玉貯留部材108によって開放された入賞玉は特定玉検出器9(特定球検出器)によって検出される。表示維持フラグは、開閉板7が閉鎖してから特定玉検出器9が入賞玉を検出し終えるまでの時間T2の間、オンの状態を保持する。表示維持フラグがオンの状態を保持している間は、1回目の遊技状態が終了したにもかかわらず、1R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(開放中)が継続して表示される。この表示維持フラグの働きにより、1回目の特別遊技状態が終了した後、特定玉検出器9によって入賞玉が検出されるまでの間、画像表示が途切れてしまうという不都合を防止することができる。特定玉検出器9により打玉の入賞が検出されたタイミングで、表示維持フラグがオンからオフの状態となり、図37(B)に示した2R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(インターバル)が表示される。具体的には、特定玉検出器9が打玉の入賞を検出し終えた時点で、基本回路46からLCD回路48を介してLCD表示装置35にCOM0が「41H」に指定されたコマンド信号が送信される。次に2R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(インターバル)が時間T3の間表示された後、可変入賞球装置
4に設けられた開閉板7が閉鎖状態から開放状態となり、2回目(2ラウンド目)の特定遊技状態が発生する。2回目の特定遊技状態が発生するとともに、2R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(インターバル)に代わって、2R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(開放中)が表示される。具体的には、2R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(インターバル)が表示され始めてから時間T3が経過した時点で、基本回路46からLCD回路48を介して、LCD表示装置35にCOM0が「51H」に指定されたコマンドデータが送信される。以上説明した手順に従って、各回の特定遊技状態中に特定領域への打玉の入賞がある場合には、最大16回(16ラウンド)の繰返し継続制御、およびそれに伴った画面表示がなされる。最大16回目の特定遊技状態が発生した後、前述した所定条件が成立することで、開閉板7が閉鎖し、最終回の特定遊技状態が終了する。最終回の特定遊技状態が終了するタイミング、すなわち、開閉板7が開放状態から閉鎖状態に変化するタイミングで、表示維持フラグがオフの状態からオンの状態に切換わる。最終回の特定遊技状態において、特定領域に進入していた打玉は、開閉板7が開放状態から閉鎖状態に変化することで、特定玉検出器9によって検出される。しかしながら、繰返し継続制御の最大継続回数が終了している場合には、検出が無効となる。したがって、特定玉検出器9による打玉の検出がなされても、表示維持フラグはオンからオフの状態に切換わることはない。この場合、表示維持フラグは、予め定められた最大時間T1の間、オンの状態を継続した後、オフの状態となる。表示維持フラグがオンの状態からオフの状態に変化したタイミングで、図38に示した終了デモンストレーション画面が表示される。具体的には、表示維持フラグがオンの状態からオフの状態に切換わるタイミングで、基本回路46からLCD回路48を介して、LCD表示装置35へCOM0が「60H」,「61H」,または「62H」に指定されたコマンドデータが送信される。なお、表示維持フラグがオンの状態である時間T1の間は、最終回の特定遊技状態において表示されている画面、たとえば16R(ラウンド)目のデモンストレーション画面(開放中)が継続して表示されている。このように、表示維持フラグは、開閉板7が閉鎖した後、時間T1を限度として特定玉検出器9による打玉の検出がなされるまでの間、現在の表示画面を維持させるフラグである。なお、時間T1は、基本回路46のRAMに記憶されている特定領域スイッチ有効時間タイマによって2秒に設定されている。
図41は、情報出力回路56から出力される各種情報の出力のタイミングを示すタイミングチャートである。図41を参照して、電源がオフの状態からオンの状態となり、打玉が始動入賞口5へ入賞することに伴って可変表示装置24における特別図柄の変動が開始する。すなわち、図において特別図柄が停止の状態から変動の状態となる。特別図柄が停止の状態から変動の状態となることに伴って、有効始動情報を示す電圧がハイの状態からロウの状態に所定時間変動する。この変動が図6で説明した情報出力回路56から外部出力されることになる。打玉の始動入賞に伴って特別図柄が変動し、停止した場合に、その停止図柄が特定図柄の組合せによる大当り図柄であった場合には、前述のとおり条件装置が大当り図柄の停止から所定時間経過後停止から作動の状態へと切換わる。条件装置が停止から作動の状態へと切換わるに伴って、情報出力回路(図6参照)から大当り情報、および確率変動図柄の組合せによる大当りとなった場合には確率変動情報が出力される。すなわち、条件装置が停止状態から作動状態に切換わるに伴って、大当り情報を通知する電圧がハイの状態からロウの状態に切換わり、確率変動情報を通知する電圧がハイの状態からロウの状態に切換わる。条件装置が停止から作動の状態に切換わって、所定の繰返し継続条件が終了し、遊技状態が第1の状態から第2の状態となるに伴って、条件装置が作動状態から停止状態へと切換わる。条件装置が作動状態から停止状態へと切換わるに伴って、大当り情報を示す電圧がロウの状態からハイの状態へと切換わり、情報出力回路56から大当り状態が終了した旨が外部へ出力される。確率変動情報は、確率変動が終了して電圧がハイの状態に戻り、かつ、条件装置が停止した状態、つまり確率変動情報を示す電圧と条件装置の作動状態を示す電圧とがいずれもロウの状態で出力される。また、確率変動情報は図に示す「高確率」の期間のみに出力されるように構成してもよい。
次に上記各実施の形態に用いられる遊技制御の内容について説明する。図42〜図90は、基本回路46の内部のROMに格納されている遊技制御用プログラムの処理手順を示すフローチャートである。基本回路46は、以下に説明する各フローチャートに従い、所定の遊技制御を行なう。
図42は、メイン処理の処理手順を示すフローチャートである。メイン処理はリセットごと(2msごと)に繰返し実行され、各モジュールを実行する処理である。
まず、スタックポインタのアドレスがセットされる(EE00H)。次に、初期化処理(P_INI)が実行される(EE03H)。初期化処理については、図43〜図49を用いて後述する。次に当り玉信号処理(PSIG)が実行される(EE06H)。当り玉信号処理については図50を用いて後述する。次に警告処理(P_WAR)が実行される(EE09H)。警告処理については図51を用いて後述する。次に、出力データ制御処理(P_LCNT)を実行する(EE0CH)。出力データ制御処理については図52を用いて後述する。次に、出力データセット処理(P_LSET)を実行する(EE0FH)。出力データセット処理については図53を用いて後述する。次に、データ出力処理(P_OUT)を実行する(EE12H)。データ出力処理については図54を用いて後述する。次に、表示制御処理(P_DISP)を実行する(EE15H)。表示制御処理については図55を用いて後述する。
次に、ランダム更新処理(P_RANDOM)を実行する(EE18H)。ランダム更新処理については図56を用いて後述する。次に普通図柄プロセス処理(P_PROCF)を実行する(EE1BH)。普通図柄プロセス処理については図57を用いて後述する。次に、プロセス処理(P_PROC)を実行する(EE1EH)。プロセス処理については図58を用いて後述する。次に、スイッチ処理(P_SWCK)を実行する(EE21H)。スイッチ処理については図59を用いて後述する。次に、音処理(P_SOUND)を実行する(EE24H)。音処理については図60を用いて後述する。次に、情報出力処理(P_JYOUHOU)を実行する(EE27H)。情報出力処理については図61を用いて後述する。次に、飾り図柄処理(P_KZU)を実行する(EE2AH)。飾り図柄処理については図62を用いて後述する。飾り図柄処理が終了した後、ランダム更新(無限ループ)処理へ移行する。ランダム更新(無限ループ)処理は、図43を参照して、表示図柄ランダム更新処理(P_RND_ZU)をリセットが発生するまでの間繰返し実行する(EE2DH)。表示図柄ランダム更新処理については図63を用いて後述する。
図44は、初期化処理の処理手順を示すフローチャートである。初期化処理は、初期化フラグの判定を行ない、各種初期化処理へ分岐する処理である。まず、初期化が終了したか否かが判定される(EE34H)。初期化が終了している場合、後述する図45に示すレジスタ初期値セット処理を実行する。一方、初期化が終了していない場合、初期化が実行中であるか否かが判断される(EE44H)。初期化が実行中の場合、後述する図46に示す初期化1回目処理が実行される。一方、初期化が実行中でない場合、初期化中フラグがセットされる(EE4DH)。次に、割込待ち処理が繰返される(EE53H)。
図45は、レジスタ初期値セット処理の処理手順を示すフローチャートである。レジスタ初期値セット処理は、基本回路46のCPUに内蔵されたデバイスレジスタの初期設定を行なう処理である。まず、内蔵レジスタ初期化処理であるデータセット処理(P_DADASET)を実行する(EE9CH)。データセット処理については図83を用いて後述する。次に、リモート電源タイマがタイムアウトしているか否かが判断される(EEA6H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されているリモート電源オン待ち時間
のタイマ値が0であるか否かにより判断される。リモート電源オン待ち時間のタイマ値が0でない場合、レジスタ初期値セット処理を終了する。一方、リモート電源オン待ち時間のタイマ値が0のとき、リモート電源データがセットされる(EEAFH)。リモート電源データのセット後、レジスタ初期値セット処理を終了する(EEB2H)。
図46は、初期化1回目処理の処理手順を示すフローチャートである。初期化1回目処理は、基本回路46のCPUに内蔵されたRAMのデータをクリアする処理である。まず、初期値データをセットする処理であるか否かが判断される(EE55H)。初期値データをセットする処理である場合、初期化2回目処理を実行する。初期化2回目処理については、図47を用いて後述する。一方、初期値データをセットする処理ではない場合、RAMのクリアデータが算出される(EE59H)。次に、算出されたクリアデータがセットされる(EE5DH)。次に、初期化中であるか否かが判断される(EE5FH)。初期化中の場合は、クリアデータのセット処理(EE5DH)が繰返される。一方、初期化中でない場合、RAMの00番地がクリアされる(EE62H)。次に、初期化データセットフラグがセットされる(EE64H)。次に、割込待ち処理が繰返される(EE6DH)。
図47は、初期化2回目処理の処理手順を示すフローチャートである。初期化2回目処理は、初期値データの設定を行なう処理である。まず、内蔵されたRAMにエラーが発生しているか否かが判断される(EE6FH)。エラーが発生している場合、初期化失敗処理が実行される。初期化失敗処理については図48を用いて後述する。一方、エラーが発生していない場合、プロセスデータ/タイマセット処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、初期化データセット処理であるデータセット処理(P_DATASET)が実行される(EE7DH)。データセット処理については図83を用いて後述する。次に、初期化終了フラグがセットされる(EE87H)。次に、割込待ち処理が繰返される(EE90H)。
図48は、初期化失敗処理の処理手順を示すフローチャートである。初期化失敗処理は、初期化失敗時の処理であり、初期化フラグをクリアする処理である。まず、初期化フラグがクリアされる(EE92H)。次に、割込待ち処理が繰返される。(EE9AH)。
図49は、タイマ割込処理の処理手順を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、タイマ割込1によって実行される。まず、表示制御INT信号がクリアされる(EF05H)。次に、タイマ割込1フラグがクリアされる(EF0EH)。
図50は、当り玉信号処理の処理手順を示すフローチャートである。当り玉信号処理は、当り玉信号に応じて、払出すべき賞球個数を設定し、ポートEへ賞球個数データを出力する処理である。まず、当り玉信号がオフであるか否かが判断される(F767H)。具体的には、当り玉信号入力ビットがオフであるか否かが判断される。当り玉信号入力ビットがオフの場合、後述する賞球個数が0個となるデータの算出処理へ移行する(F778H)。一方、当り玉信号入力ビットがオフでない場合、当り玉信号カウンタの値が最大値以上であるか否かが判断される(F76FH)。具体的には、当り玉信号カウンタの値が16以上であるか否かが判断される。当り玉信号カウンタの値が16以上の場合、後述する賞球個数を0個とするデータの算出処理へ移行する(F778H)。一方、当り玉信号カウンタの値が16以上でない場合、当り玉信号カウンタが更新(+1)される(F775H)。次に、賞球個数を0個とするデータの算出が行なわれる(F778H)。次に、当り玉信号が0であるか否かが判断される(F77AH)。具体的には、当り玉信号カウンタの値が0であるか否かが判断される。当り玉信号カウンタの値が0の場合、後述するポートE出力処理へ移行する(F78AH)。一方、当り玉信号カウンタの値が0でない
場合、当り玉信号は1であるか否かが判断される(F77EH)。具体的には、当り玉信号カウンタの値が1であるか否かが判断される。当り玉信号カウンタの値が1でない場合、当り玉信号処理が終了する(F792H)。一方、当り玉信号カウンタの値が1の場合、賞球個数を5個とするデータが算出される(F782H)。次に、入賞玉検出器10(図2参照)による打玉の検出に基づく賞球記憶があるか否かが判断される(F784H)。具体的には、賞球数記憶カウンタの値が0以外であるか否かが判断される。賞球数記憶カウンタの値が0の場合、後述するポートE出力処理へ移行する(F78DH)。一方、賞球数記憶カウンタの値が0以外の場合、賞球個数を15個とするデータが算出される(F788H)。次に、賞球数記憶カウンタが更新(−1)される(F78AH)。次に、ポートEへのデータの出力処理がなされる(F78DH)。ポートEへのデータの出力処理の後、当り玉信号処理が終了する(F792H)。
図51は、警告処理の処理手順を示すフローチャートである。警告処理は、警告フラグを監視して、警告状態のセットを行なう処理である。まず、警告中以外であるか否かが判断される(EF14H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている警告フラグが0であるか否かが判断される。警告フラグが0でない場合警告処理が終了する。一方、警告フラグが0の場合、警告時ランプデータのアドレスがセットされる(EF18H)。次に、各種警告音データがセットされる(EF27H)。次に、警告時の表示制御コマンドがセットされる(EF13H)。警告時の表示制御コマンドがセットされた後、警告処理が終了する(EF47H)。
図52は、出力データ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。出力データ制御処理は、ランプ、LEDなどの表示データの制御処理を行なう処理である。まず、表示データの更新処理が終了しているか否かが判断される(EF48H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されているランプタイマのタイマ値が0であるか否かが判断される。ランプタイマのタイマ値が0でない場合、ランプタイマの値が更新(−1)された上で、値が0にならないか否か、すなわち演算中か否かが判断される(EF4CH)。演算中である場合には、出力データ制御処理が終了する。一方、ランプタイマのタイマ値が0の場合、またはランプタイマのタイマ値が更新されて0となった場合には、ランプデータのアドレスが更新される(EF51H)。次に、ランプデータが作動中であるか否かが判断される(EF56H)。作動中でない場合、先頭アドレスが算出される(EF5AH)。次に、ランプデータが作動中の場合または先頭アドレスの算出が終了した後、ランプデータのアドレスがセットされる(EF5CH)。次に、ランプタイマがセットされる(EF5EH)。タイマセットの後、出力データ制御処理が終了する(EF62H)。
図53は、出力データセット処理の処理手順を示すフローチャートである。出力データセット処理は、各出力データを出力形式に変換してセットする処理である。まず、汎用タイマの値が更新(+1)された後(EF63H)、飾りLEDのデータがセットされる(EF68H)。飾りLEDのデータには飾りLED27、飾りLED31、飾りLED30、飾りLED29、飾りLED12、V表示LED20、飾りLED28aおよび28b用のそれぞれのデータが含まれる。次に、大当り動作中であるか否か、言い換えれば、後述する大入賞口開放前処理以降の処理が行なわれているか否かが判断される(EF70H)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されているプロセス制御フラグの値が6以上であるか否かが判断される。プロセス制御フラグの値が6以上の場合には、後述する飾り図柄データセット処理(EF84H)へ移行する。プロセス制御フラグの値が6以上でない場合、確率変動中であるか否かが判断される(EF76H)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されている確率変動フラグの値が0以外かどうかが判断される。確率変動フラグの値が0以外の場合、後述する飾り図柄データセット処理(EF84H)へ移行する。一方、確率変動フラグの値が0の場合、確率変動中ランプがセットされる(EF7AH)。次に、飾り図柄のデータがセットされる(EF84H)。飾り図柄デー
タとは、WCRND_KZUの値に応じた飾りLEDB1および飾りLEDB2の状態を指定するデータである。次に、ポートCのデータがセットされる(EF8EH)。ポートCは、遊技効果ランプ、レール飾りランプ22、風車ランプ15、サイドランプ19、袖ランプ18、始動記憶情報、大当り情報、および音声用のLSIのRESET信号用のポートである。次に、ランプ制御データが抽出される(EF9BH)。ランプ制御データは、図示しない遊技盤の枠ランプデータである。次にプロセス制御フラグが参照され、後述する大入賞口開放前処理以降であるか否かが判断される(EF9FH)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されているプロセス制御フラグの値が6以上であるか否かが判断される。プロセス制御フラグの値が6以上である場合、後述するランプ制御データの設定処理(EFAFH)が行なわれる。一方、プロセス制御フラグの値が6以上でない場合、確率変動中であるか否かが判断される(EFA3H)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されている確率変動フラグの値が0以外であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0の場合、後述するランプ制御データの設定処理(EFAFH)へ移行する。一方、確率変動フラグの値が0以外の場合、エラーが発生しているか否かが判断される(EFA9H)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されている警告フラグの値が0以外であるか否かが判断される。警告フラグの値が0以外の場合、後述するランプ制御データの設定処理(EFAFH)へ移行する。一方、警告フラグの値が0の場合、ランプ制御データが確率変動時のデータに指定される(EFADH)。次に、ランプ制御データが設定される(EFAFH)。次に、普通図柄記憶表示LED101のデータがセットされる(EFBH)。次に記憶表示LED33のデータがセットされる(EFC4H)。次に、普通図柄表示部100の表示データのテーブルアドレスが指定される(EFDQH)。次に、警告フラグが参照され、エラーが発生しているか否かが判断される(EFDEH)。エラーが発生している場合、普通図柄表示部100の表示データのテーブルのうち、警告表示データを指定するアドレスが指定される(EFE4H)。普通図柄表示データテーブルの警告時のアドレスが指定された後、またはエラーが発生していないと判断された後、表示データの算出および設定が行なわれる(EFEQH)。表示データの算出および設定の後、出力データセット処理が終了する(EFEEH)。
図54は、データ出力処理の処理手順を示すフローチャートである。データ出力処理は、図41に示す出力データセット処理によりセットされた表示データなどを出力ポートへ出力する処理である。まず、データのブランク処理が行なわれる(EFEFH)。データのブランク処理により、各種飾りLEDのデータ、有効始動情報、大当り情報、確率変動情報などのデータがクリアされる。次に、ポートCへのデータ出力が行なわれる(F005H)。次に、デジットカウンタの更新が行なわれる(F00AH)。次に、デジットデータが出力される(F016H)。次に、飾りLEDデータが出力される(F023H)。次に、デジット対応データが出力される(F02EH)。デジット対応データの出力により出力処理が終了する(F041H)。
図55は、表示制御処理の処理手順を示すフローチャートである。表示制御処理は、表示器制御コードすなわち前述した表示制御に関するコマンドデータを出力する処理である。まず、図柄指定コードがセットされる(EEB3H)。次に、表示制御ヘッダであるコマンドデータCOMHがセットされる(EEC3H)。次に、表示転送データが出力される(EEC7H)。次に、表示制御ヘッダの転送時以外であるか否かが判断される(EED4H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている表示制御用のデータ転送カウンタの値が0であるか否かが判断される。データ転送カウンタの値が0の場合、コマンドデータCOMC用チェックサムカウンタがクリアされる(EED9H)。チェックサムカウンタクリアの後または表示制御ヘッダの転送時以外であると判断された場合に、チェックサムカウンタが更新される(EEDCH)。次に、コマンドデータCOM0〜COM6用の表示制御転送カウンタが更新される(EEE2H)。次に、タイマ1の割込がセットされる(EEECH)。次に、表示制御用のXINT信号が出力される(EEFAH
)。次に、割込処理が許可される(EF03H)。
図56は、ランダム更新処理の処理手順を示すフローチャートである。ランダム更新処理は、大当り判定用のランダムカウンタであるWCRND1、左図柄表示用のランダムカウンタであるWCRND_L、および普通図柄の当り判定用のランダムカウンタであるWCRND2のそれぞれの値を更新する処理である。まず、普通図柄の当り判定用のランダムカウンタであるWCRND2(ランダムカウンタ2)の値が更新(+1)される(F042H)。次に、更新されたランダムカウンタ2の値に桁上がりがあったか否かが判断される(F045H)。具体的には、更新されたランダムカウンタの値が13を超過する値であるか否かが判断される。更新されたランダムカウンタの値が13を超過する場合、ランダムカウンタに最小値「3」が指定される(F049H)。ランダムカウンタWCRND2の値に最小値が指定された後、またはランダムカウンタWCRND2の更新に伴い桁上がりが発生しなかった場合、該ランダムカウンタWCRND2の値が設定される(F04BH)。次に、左図柄表示用のランダムカウンタであるWCRND_Lの値が更新(+1)される(F04DH)。次に、更新されたWCRND_Lの値に桁上がりが生じたか否かが判断される(F05H)。具体的には、更新されたWCRND_Lの値が14を超過しているか否かが判断される。更新されたWCRND_Lの値が14を超過している場合、WCRND_Lの値がクリアされる(F054H)。具体的には、WCRND_Lの値が0となる。WCRND_Lの値が0とされた後、または更新されたWCRND_Lの値に桁上がりが生じなかった場合、左図柄表示用のランダムカウンタの設定がなされる(F055H)。次に、大当り判定用のランダムカウンタであるWCRND1(ランダムカウンタ1)の値が更新(+1)される(F057H)。次に、更新されたWCRND1の値が最大値未満であるか否かが判断される(F05AH)。具体的には、更新されたWCRND1の値が370を超過していないか否かが判断される。更新されたWCRND1の値が370を超過している場合、カウンタがクリアされる(E05FH)。具体的には、大当り決定用ランダムカウンタWCRND1の値が0にセットされる。WCRND1の値が0にセットされた後、または、WCRND1の値が最大値未満であると判定された後、WCRND1の値がセットされる(F062H)。WCRND1の値がセットされた後、ランダム作成処理が終了する(F064H)。
図57は、普通図柄プロセス処理の処理手順を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理は、普通図柄プロセス制御フラグが判断されて、ゲーム実行別に各モジュールが分岐実行される処理である。まず、エラー中であるか否かが判断される(F65EH)。具体的には、警告フラグの値が0であるか否かが判断される。警告フラグの値が0の場合、各プロセス処理が実行される(F662H)。具体的には、普通図柄プロセス制御フラグが普通図柄通常時フラグを示すとき図64を用いて後述する普通図柄通常時処理が実行され、普通図柄変動フラグのとき図65を用いて後述する普通図柄変動処理が実行され、普通図柄停止フラグのとき図66を用いて後述する普通図柄停止処理が実行される。各プロセス処理が実行された後または警告フラグの値が0以外のとき、普通図柄プロセス処理が終了する(F66DH)。
図58は、プロセス処理の処理手順を示すフローチャートである。プロセス処理は、プロセス制御フラグの値が判断されて、ゲーム実行別に各モジュールが分岐実行される処理である。まず、エラー中であるか否かが判断される(F169H)。具体的には、警告フラグの値が0であるか否かが判断される。警告フラグの値が0の場合各プロセス処理が実行される(F16FH)。具体的には、プロセス制御フラグの値が、通常時フラグを示すとき図67および図68を用いて後述する通常時処理が実行され、全図柄変動フラグのとき図69を用いて後述する全図柄変動処理が実行され、左図柄停止フラグのとき図70を用いて後述する左図柄停止処理が実行され、右図柄停止フラグのとき図71を用いて後述する右図柄停止処理が実行され、中図柄停止フラグのとき図72を用いて後述する中図柄
停止処理が実行され、フィーバーチェックフラグのとき図73を用いて後述するフィーバーチェック処理が実行され、大入賞口開放前フラグのとき図74を用いて後述する大入賞口開放前処理が実行され、大入賞口開放中フラグのとき図75を用いて後述する大入賞口開放中処理が実行され、大入賞口開放後フラグのとき図76を用いて後述する大入賞口開放後処理が実行される。各プロセス処理が終了した後または警告フラグの値が0以外のとき、プロセス処理が終了する(F17EH)。
図59は、スイッチ処理の処理手順を示すフローチャートである。スイッチ処理は、スイッチ別の論理判定処理を行なう処理である。まず、第1種始動口スイッチ処理である第1種始動口スイッチ入賞判定処理(P_SWCK)が実行される(F065H)。第1種始動口スイッチ入賞判定処理については図77を用いて後述する。次にカウントスイッチ処理であるカウントスイッチ入賞判定処理(P_SW10)が実行される(F068H)。カウントスイッチ入賞判定処理については図78を用いて後述する。次に、特定領域スイッチ処理である特定領域スイッチ入賞判定処理(P_SWV)が実行される(F06BH)。特定領域スイッチ入賞判定処理については図79を用いて後述する。次に、普通図柄始動口スイッチ処理(P_SWZU)が実行される(F06EH)。普通図柄始動口スイッチ処理については図80を用いて後述する。次に、エラー中であるか否かが判断される(F071H)。具体的には、警告フラグの値が0であるか否かにより判断される。警告フラグの値が0の場合、不正入賞無効タイマが更新(−1)される(F075H)。不正入賞無効タイマが更新された場合、または警告フラグの値が0の場合、スイッチ処理が終了する。
図60は、音処理の処理手順を示すフローチャートである。音処理は、演奏データポインタの更新・音演奏処理を行なう処理である。まず、音データのアドレスの算出が行なわれる(F1BFH)。次に、指定データが現在実行中であるか否かが判断される(F1C8H)。実行中でない場合、新規アドレスタイマのセットが行なわれる(F1CEH)。新規アドレス・タイマセットが終了した後または指定データが現在実行中である場合、演奏データ出力処理である音演奏処理(P_PLAY)が実行される(F1D6H)。音演奏処理については図86を用いて後述する。演奏データ出力処理が終了した後、音処理が終了する(F1D9H)。
図61は、情報出力処理の処理手順を示すフローチャートである。情報出力処理は、各情報出力データ信号の設定を行なう処理である。まず、情報ポートがクリアされる(F19FH)。次に、有効始動情報がオフされているか否かが判断される(F1A2H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている有効始動情報タイマの値が0であるか否かが判断される。有効始動情報タイマの値が0でない場合、有効始動情報タイマの値が更新され(−1)(F1A6H)、次に、有効始動情報ビットがセットされる(F1A9H)。有効始動情報ビットがセットされた後または有効始動情報タイマの値が0のとき、大当り中であるか否かが判断される(F1ACH)、具体的には、プロセス制御フラグの値が6より小さいか否かが判断される。プロセス制御フラグの値が6より小さくない場合、大当り情報ビットおよび確率変動情報ビットがセットされる(F1B4H)。大当り情報ビットおよび確率変動情報ビットがセットされた後、または有効始動情報タイマの値が6より小さいと判断された後、確率変動中であるか否かが判断される(F1B7H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている確率変動フラグの値が0であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0でない場合、確率変動情報ビットがセットされる(F1BBH)。確率変動情報ビットがセットされた後、または確率変動フラグが0であった場合、情報出力処理が終了する(F1BEH)。
図62は飾り図柄制御処理の処理手順を示すフローチャートである。飾り図柄処理は、飾り図柄が停止図柄以外、または飾り図柄変動タイマの値が0以外の場合に飾り図柄の変
動が行なわれる処理である。まず、飾り図柄変動タイマの演算が終了しているか否かが判断される(F630H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている飾り図柄変動タイマの値が0となっているか否かが判断される。飾り図柄変動タイマの値が0の場合には、後述する表示図柄の判断処理がなされる(F639H)。一方、飾り図柄変動タイマの値が0でない場合、飾り図柄変動タイマの値が更新(−1)された後、なお演算中であるか否かが判断される(F634H)。飾り図柄変動タイマの値が更新後に0にならない場合、後述する飾り図柄表示タイマの演算処理が終了しているか否かの判断の処理がなされる(F644H)。一方、飾り図柄変動タイマのタイマ値が更新後に0となった場合、表示図柄が停止図柄以外であるか否かが判断される(F639H)。具体的には、基本回路46に記憶されている飾り図柄表示図柄カウンタの値と飾り図柄停止図柄カウンタの値とが一致しているか否かが判断される。一致している場合、飾り図柄表示タイマがクリアされ(F63FH)、飾り図柄制御処理が終了する。一方、飾り図柄表示図柄カウンタの値と飾り図柄停止図柄カウンタの値とが一致していない場合、飾り図柄表示タイマの演算が終了しているか否かが判断される(F644H)。具体的には、飾り図柄表示タイマの値が0以外であるか否かが判断される。飾り図柄表示タイマの値が0でない場合、飾り図柄表示タイマの値が更新(−1)された後、なお演算中であるか否かが判断される(F648H)。飾り図柄表示タイマの値が更新された後、なお演算中の場合、飾り図柄制御処理が終了する(F65DH)。一方、飾り図柄表示タイマの値が更新された後飾り図柄表示タイマの値が0となった場合、または、飾り図柄表示タイマの値が0であった場合、飾り図柄表示カウンタが更新(+1)される(F64DH)。次に、飾り表示図柄タイマがセットされる(F659H)。飾り表示図柄タイマのセット後、飾り図柄制御処理が終了する(F65DH)。
図63は、ランダム更新処理の処理手順を示すフローチャートである。ランダム更新処理は、リーチ動作指定、普通図柄表示、特別図柄表示、飾り図柄表示などの各種ランダムカウンタの更新を行なう処理である。まず、リーチ動作指定ランダムカウンタであるWCRND_ACTの更新が行なわれる(F263H)。次に、リーチ動作指定ランダムカウンタであるWCRND_ACTの桁上がりがあるか否かが判断される(F26AH)。桁上がりがある場合は、普通図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Fの更新が行なわれる(F26CH)。普通図柄表示用ランダムカウンタの更新の後、またはリーチ動作指定ランダムカウンタに桁上がりがないと判断された場合、中図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Cの更新が行なわれる(F276H)。次に、中図柄表示用ランダムカウンタの桁上がりがあるか否かが判断される(F280H)。桁上がりがある場合、右図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Rの更新が行なわれる(F282H)。右図柄表示用ランダムカウンタの更新の後、または、中図柄表示用ランダムカウンタの桁上がりがなかった場合、飾り図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_KZUが更新される(F28CH)。飾り図柄表示用ランダムカウンタの更新の終了の後、ランダム更新処理が終了する(F296H)。
図64は、普通図柄通常時処理の処理手順を示すフローチャートである。普通図柄通常時処理は、普通図柄プロセス処理でセットされるワークをクリアし、入賞記憶がある場合、入賞記憶に基づいて変動する特別図柄の変動開始から変動終了までの変動時間を短縮させるか否かを決定し、普通図柄の当り決定用ランダムカウンタであるWCRND2の値の抽出および普通図柄設定を行ない、プロセス進行の実行を行なう処理である。まず、普通図柄プロセスタイマ処理(PFTIM)が実行され(F67AH)、プロセスデータのタイマ更新とデータ更新とがなされる。普通図柄プロセスタイマ処理については図81を用いて後述する。次に、普通図柄の入賞記憶があるか否かが判断される(F680H)。具体的には、普通図柄入賞記憶カウンタの値が0であるか否かが判断される。
普通図柄入賞記憶カウンタの値が0の場合、普通図柄通常時処理が終了する(F6C5
H)。一方、普通図柄入賞記憶カウンタの値が0以外である場合、ランダムカウンタWCRND2の値をチェックする条件のうち、通常時の条件が算出される。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている通常時のランダム2当り判定値が算出される。通常時のランダム2当り判定値は「3」である。次に、確率変動条件以外か否か、すなわち確率変動中以外か否かが判断される(F686H)。具体的には、確率変動フラグの値が0であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0以外であると判断された場合、高確率値のランダムチェック値が算出される。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている確率変動時のランダム2当り判定値が算出される。確率変動時のランダム2当り判定値は「3」〜「12」である。確率変動時のランダム2当り判定値が算出された後、または、確率変動フラグの値が0であると判断された後、普通図柄入賞記憶カウンタの値が更新(−1)される(F692H)。次に当り図柄が算出される(F695H)。具体的には、当り図柄であるフィーバー図柄(表示F)が普通図柄停止図柄として算出される。次に、普通図柄の入賞記憶に基づいて抽出されたWCRND2の値が当りとなる値であるか否かが判断される(F627H)。具体的には、普通図柄ランダム格納バンク1に格納されている普通図柄当りランダム値の値が普通図柄ランダムチェック値と比較判定される。普通図柄ランダム格納バンク1は、後述する普通図柄ランダム格納バンク2〜4と共に基本回路46のRAMに構成されている。普通図柄ランダムカウンタ1に格納されている普通図柄当りランダム値とランダムチェック値とが異なる場合、はずれ図柄がセットされる(F69BH)。具体的には、普通図柄ランダム格納バンク1に格納されている普通図柄表示用ランダムカウンタの値で指定される普通図柄停止図柄がセットされる。この際、普通図柄表示用ランダムカウンタの値が普通図柄ランダムチェック値と一致した場合には、強制的にはずれ図柄がセットされる。はずれ図柄がセットされた後、または、普通図柄当りランダム値が当りであると判断された場合、普通図柄の停止図柄が設定される(F6A2H)。具体的には、停止図柄が「F」に設定される。次に、普通図柄プロセスフラグが更新(+1)される(F6A4H)。次に確率変動中であるか否かが判断される(F6A7H)。具体的には、確率変動フラグの値が0以外であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0の場合、後述するバンクシフト処理へ移行する(F6B4H)。一方、確率変動フラグの値が0以外の場合、大入賞口開放処理移行であるか否かが判断される(F6ABH)。具体的には、特別図柄プロセス制御フラグの値が6以上であるか否かが判断される。特別図柄プロセス制御フラグの値が6以上であると判断された場合、後述するバンクシフト処理へ移行する。一方、特別図柄プロセス制御フラグの値が6以上でない場合、普通図柄プロセスフラグが更新(+1)される。次に、バンクシフトが行なわれる(F6B4H)。具体的には、普通図柄ランダム格納バンク2のデータが普通図柄ランダム格納バンク1へ、普通図柄ランダム格納バンク3のデータが普通図柄ランダム格納バンク2へ、普通図柄ランダム格納バンク4のデータが普通図柄ランダム格納バンク3へそれぞれバンクシフトされる。バンクシフトが終了した後、普通図柄通常時処理が終了する(F6C5H)。
図65は、普通図柄変動時処理の処理手順を示すフローチャートである。普通図柄変動時処理は、普通図柄変動表示のプロセスデータなどを実行する処理である。まず、普通図柄変動タイマの演算が終了しているか否かが判定される(F6C6H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている普通図柄変動タイマのタイマ値が0であるか否かが判別される。普通図柄変動タイマのタイマ値が0である場合、後述する新規変動タイマのセット処理へ移行する。一方、普通図柄変動タイマのタイマ値が0でない場合、普通図柄変動タイマが更新(−1)された後、普通図柄変動タイマの値が0となっているか否かが判断される(F6CAH)。普通図柄変動タイマの値が0となっていない場合には、後述するプロセスタイマアドレス算出処理へ移行する(F6DDH)。一方、普通図柄変動タイマの値が0となった場合、新規変動タイマがセットされる(F6CFH)。具体的には、普通図柄変動タイマの値が100msにセットされる。次に、普通図柄の表示図柄が更新(+1)される(F6D5H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている
普通図柄表示図柄カウンタの値が更新(+1)される。次に、更新された前記普通図柄表示図柄カウンタの値が最大値未満であるか否かが判断される(F6D6H)。具体的には、普通図柄表示図柄カウンタの値が6以下であるか否かが判断される。普通図柄表示図柄カウンタの値が6以下でない場合、普通図柄表示図柄カウンタがクリアされる(F6DAH)。普通図柄表示図柄カウンタがクリアされた後、または、普通図柄表示図柄カウンタの値が6以下であった場合、普通図柄の表示設定が行なわれる(F6DBH)。次に、プロセスタイマのアドレスが算出される(F6DDH)。具体的には、普通図柄の変動時間が指定されたプロセスデータアドレスが普通図柄プロセスフラグの値に応じて選択、算出される。普通図柄プロセスフラグの値が1の場合、通常時における普通図柄の変動時間が指定された図柄変動時プロセスデータのアドレスが算出され、普通図柄プロセスフラグの値が2のとき確率変動時の図柄変動時間が指定された短縮時図柄変動プロセスデータのアドレスが算出される。図柄変動時プロセスデータにおいて、普通図柄の変動時間は29.5秒に設定されている。一方、短縮時図柄変動プロセスデータにおいては、普通図柄変動時間は5.0秒に設定されている。次に、プロセスタイマ処理(PFTIM)が実行される(F6E9H)。プロセスタイマ処理については、図81を用いて後述する。次に、プロセスが実行中であるか否かが判断される(F6ECH)。プロセスが実行中の場合、普通図柄変動時処理が終了する(F70CH)。一方、プロセスが実行中でない場合、普通図柄の停止図柄がセットされる(F6EEH)。次に、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄はずれ処理を示す値に更新(+3)される(F6F2H)。次に、普通図柄がはずれ図柄であるか否かが判断される(F6F6H)。具体的には、普通図柄表示図柄カウンタの値がフィーバー図柄「F」を指定する値「5」以外であるか否かが判断される。普通図柄停止図柄カウンタの値が「5」でない場合、普通図柄変動時処理が終了する(F70CH)。一方、普通図柄停止図柄カウンタの値が、「5」の場合、普通図柄プロセスフラグの値が更新(+1)される(F6FCH)。次に、確率変動中以外であるか否かが判断される(F6FFH)。具体的には、確率変動フラグの値が0であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0の場合、普通図柄変動時処理が終了する(F70CH)。一方、確率変動フラグの値が0でない場合、大入賞口開放中処理にあるか否かが判断される(F703H)。具体的には、プロセス制御フラグの値が7であるか否かが判断される。プロセス制御フラグの値が7の場合、普通図柄変動時処理が終了する(F70CH)。一方、プロセス制御フラグの値が7でない場合、普通図柄プロセスフラグの値が更新(+1)された後(F709H)、普通図柄変動時処理が終了する(F70CH)。
図66は、普通図柄停止時処理の処理手順を示すフローチャートである。普通図柄停止時処理は、普通図柄停止時のプロセスデータの実行を行なう処理である。まず、停止した普通図柄がはずれである場合のプロセスデータが指定される(F70DH)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている図柄はずれプロセスデータが指定される。図柄はずれデータにはソレノイド103(図1参照)の動作制御時間がセットされている。次に、普通図柄の停止図柄ははずれであるか否かが判断される(F710H)。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否かが判断される。普通図柄プロセスフラグの値が3の場合、後述するプロセスタイマ処理(PFTIM)へ移行する(F720H)。一方、普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合、確率変動時以外の通常時において普通図柄に当りが発生した場合のプロセスデータが指定される(F716H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている通常時図柄当りプロセスデータが指定される。通常時図柄当りプロセスデータには、ソレノイド103(図1参照)を0.5秒間オフの状態に動作させた後、0.5秒間オンの状態に動作させる制御データがセットされている。次に、確率変動中であるか否かが判断される(F719H)。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が4であるか否かが判断される。普通図柄プロセスフラグの値が4の場合、後述するプロセスタイマ処理(PFTIM)へ移行する(F720H)。一方、普通図柄プロセスフラグの値が4でない場合、確率変動時に普通図柄の当りが発生した場合におけるプロセスデータが指定される(F71DH)。具体的には、基本回路46のRA
Mに記憶されている確率変動時図柄当りプロセスデータが指定される。確率変動時図柄当りプロセスデータには、ソレノイド103(図1参照)を0.5秒間オフの状態に動作させた後2.9秒間オンの状態に動作させて、引続いて2.0秒間オフの状態に動作させた後2.9秒間オンの状態に動作させるような制御が行なわれる。次に、プロセスタイマ処理(PFTIM)が実行される(F720H)。プロセスタイマ処理については、図81を用いて後述する。次に、プロセスタイマが演算中であるか否かが判断される(F723H)。具体的には、普通図柄プロセスタイマの値が0以外か否かが判断される。普通図柄プロセスタイマの値が0以外の場合、普通図柄停止処理が終了する(F728H)。一方、普通図柄プロセスタイマの値が0の場合、普通図柄プロセスフラグがクリアされる(F725H)。普通図柄プロセスフラグのクリアの後、普通図柄停止処理が終了する(F728H)。
図67、および図68は、通常時処理の処理手順を示すフローチャートである。まず図67を参照して、通常時処理は、プロセス処理でセットされるワークをクリアし、入賞記憶がある場合、入賞記憶に基づいて変動する特別図柄の変動開始から変動終了までの時間を短縮させるか否かを決定し、プロセス信号の実行を行なう処理である。まず、通常データセット処理であるデータセット処理(P_DATASET)が実行され(F297H)、通常時には必要のないワークがクリアされる。データセット処理については図83を用いて後述する。次に、入賞記憶があるか否かが判断される(F2A1H)。具体的には、入賞記憶カウンタの値が0であるか否かが判断される。
入賞記憶カウンタの値が0の場合、通常時プロセスデータ処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行され(F2A5H)、通常時プロセスデータがセットされる。通常時プロセスデータ処理(プロセスデータ/タイマ処理)については図82を用いて後述する。次に、有効始動情報タイマがクリアされる(FEABH)。有効始動情報タイマがクリアされた後、通常時処理が終了する。
一方、入賞記憶カウンタの値が0以外である場合、次回短縮フラグの値が短縮フラグにセットされる(F2B0H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている次回短縮フラグの値が、同じくRAMに記憶されている短縮フラグにセットされる。次に、現在の入賞記憶数が次回短縮フラグにセットされる(F2B2H)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されている入賞記憶カウンタの値が次回短縮フラグにセットされる。次に、次回短縮条件チェック値に2がセットされる(F2B6H)。次に、確率変動中であるか否かが判断される(F2B8H)。具体的には、確率変動フラグの値が0以外であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0以外でない場合、次回短縮条件チェック値に3がセットされる(F2BDH)。次回短縮条件チェック値に3がセットされた後、または、確率変動フラグの値が0以外と判断された場合、入賞記憶数が、セットされたチェック値以上であるか否かが判断される(F2BFH)。具体的には、入賞記憶カウンタの値が次回短縮条件チェック値(2または3)以上であるか否かが判断される。入賞記憶カウンタの値が次回短縮条件チェック値以上でない場合、次回短縮フラグがクリアされる(F2C3H)。次回短縮条件フラグがクリアされた後、または、入賞記憶カウンタの値が次回短縮条件チェック値以上であると判断された場合、現在の入賞記憶数が2個未満であるか否かが判断される(F2C6H)。具体的には、入賞記憶カウンタの値が2未満であるか否かが判断される。入賞記憶カウンタの値が2未満である場合、後述する短縮フラグのクリア処理(F2D5H)がなされる。入賞記憶カウンタの値が2個未満でない場合、確率変動中であるか否かが判断される(F2CCH)。具体的には、確率変動フラグの値が0以外であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0以外であると判断された場合、後述する、入賞記憶カウンタの更新処理がなされる(F2D8H)。確率変動フラグの値が0以外でないと判断された場合、入賞記憶数が4個であるか否かが判断される(F2D1H)。具体的には、入賞記憶カウンタの値が4であるか否かが判断される。入
賞記憶カウンタの値が4であると判断された場合、後述する入賞記憶カウンタの更新処理がなされる(F2D8H)。入賞記憶カウンタの値が4でないと判断された場合、短縮フラグの値がクリアされる(F2D5H)。次に入賞記憶カウンタの値が更新(−1)される(F2D8H)。次に、大当りフラグがクリアされる(F2DBH)。次に図68を参照して、大当りフラグのクリア処理の後、大当りチェック値テーブル内の通常時の大当りチェック値を指定するアドレスが指定される(F2DEH)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている通常時の大当りチェック値を指定するアドレスが指定される。
ここで、大当りチェック値テーブルについて図91(B)を参照して説明を行なう。基本回路46のRAMには、図91(B)に示す大当りチェック値テーブルが設けられている。具体的には、図に示すアドレスに対応して大当りチェック値1〜大当りチェック値5が大当りチェック値テーブル内に設けられており、これらの大当りチェック値により大当り決定用のランダムカウンタWCRND1の値が大当りとなる値か否かが判断される。大当りチェック値1として「3」が、大当りチェック値2として「67」が、大当りチェック値3として「173」が、大当りチェック値4として「251」が、大当りチェック値5として「331」がそれぞれ記憶されている。なお、大当りチェック値1の次に終了コードが記憶されており、これにより大当りチェック値5から順に大当りチェック値1まで、アドレスに従って大当りチェック値とWCRND1の値とが比較される場合に、終了コードが参照された時点で比較判定が終了されるようにテーブルが構成されている。
再び図68を参照して、ステップF2DEHで指定される通常時の大当りチェック値のアドレスとは、図91(B)に説明した大当りチェック値1が指定されるアドレスECCCである。
ステップF2DBHでアドレスが指定された後、確率変動中以外であるか否かが判断される(F2E1H)。具体的には、確率変動フラグの値が0であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0である場合、後述する大当り判定(F2E8H)がなされる。確率変動フラグの値が0以外の場合、確率変動中の大当りチェック値を指定するアドレスが指定される(F2E5H)。具体的には、図91(B)で説明した大当りチェック値テーブル内の大当りチェック値5を指定するアドレスが指定される。次に、大当り決定用のランダムカウンタであるWCRND1が大当り以外であるか否かが判断される(F2E8H)。具体的には、ランダムカウンタWCRND1の値と指定された大当りチェック値5とが異なるか否かが判断される。WCRND1の値と指定された大当りチェック値5とが一致する場合、大当りフラグがセットされる(F2EFH)。大当りフラグのセットの後、または、ランダムカウンタWCRND1の値と大当りチェック値5とが異なると判断された後、大当りチェック値テーブルのアドレスが更新(+2)される(F2F2H)。次に、大当りチェックの判定が終了したか否かが判断される(F2F4H)。具体的には、指定された大当りチェック値テーブルにセットされているすべての大当りチェック値とランダムカウンタWCRND1の値とが比較チェックされたか否かが判断される。すべての大当りチェック値との比較判断が終了していない場合、前述したステップF2E8Hに戻り、以下すべての大当りチェック値との比較判断がなされるまでステップF2E8HからステップF2F4Hの処理が繰返し行なわれる。次に、大当りチェック値テーブルにセットされているすべての大当りチェック値とランダムカウンタWCRND1との比較判定が終了した場合、停止図柄セット処理(P_ZUSET)がなされる(F2FCH)。停止図柄セット処理については図87を用いて後述する。次に、バンクシフトが行なわれる(F2FFH)。
ここでバンクシフトについて説明する。図91(C)は、大当り判定用のランダムカウンタWCRND1と、左停止図柄決定用のランダムカウンタWCRND_Lとの値が始動入賞時に抽出されて格納される格納先となるランダムバンクを説明する説明図である。ラ
ンダムバンクには、WCRND1が格納される大当りランダム格納バンク、およびWCRND_Lが格納される左図柄格納バンクがそれぞれ4領域設けられている。これにより、過去4回の始動入賞時に抽出されたランダムカウンタ値が格納可能である。始動入賞があれば、図91(C)に示すランダムバンクのうち先頭の領域から順にランダムカウンタが格納される。これにより、記憶1大当りランダム格納バンク(WBANK+0:)および記憶1左図柄ランダム格納バンク(WBANK+2:)に過去4回の始動入賞のうち一番初めの始動入賞時に抽出されたランダムカウンタ値が格納される。前述した大当りチェック値とランダムカウンタ値との比較は、常にこの先頭のバンクWBANK+0:に格納されているランダムカウンタWCRND1の値で行なわれる。そして、比較判定が終了した後、記憶2大当りランダム格納バンク(WBANK+3:)に格納されているランダムカウンタ値との比較判定に備えてバンクシフトが行なわれる。すなわち、WBANK+3:内の値がWBANK+0:へ、WBANK+6:内の値がWBANK+3:へ、WBANK+9:内の値がWBANK+6:へそれぞれシフトされ、WBANK+5:内の値がWBANK+2:へ、WBANK+8:内の値がWBANK+5:へ、WBANK+11:内の値がWBANK+8:へそれぞれシフトされることにより、バンクシフトが行なわれる。
再び図68に戻り、ステップF2FFHで前述したバンクシフトがなされた後、次に、プロセス制御フラグが更新(+1)された後(F317H)、通常時処理が終了する(F31DH)。
図69は、全図柄変動処理の処理手順を示すフローチャートである。全図柄変動処理は、全図柄変動表示のプロセスデータなどを実行する処理である。まず、通常時の各全図柄変動プロセスデータが参照されるアドレスが指定される(F39BH)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている全図柄通常変動時プロセスデータが参照されるアドレスが指定される。全図柄通常変動時プロセスデータには、特別図柄の変動開始から変動終了までの所要時間である図柄変動時間などが指定されている。全図柄通常変動時プロセスデータ内の図柄変動時間は4.6秒となっている。次に、短縮フラグがあるか否かが判断される(F39EH)。具体的には、短縮フラグの値が0以外であるか否かが判断される。短縮フラグの値が0と判断された場合、後述するプロセスデータ/タイマ処理がなされる(F3ACH)。一方、短縮フラグが0以外と判断された場合、前記通常時の各全図柄変動プロセスデータが参照されるアドレスに代えて、確率変動短縮時の各全図柄変動プロセスデータが参照されるアドレスが指定される(F3A2H)。確率変動短縮時の各全図柄変動プロセスデータ内にセットされている図柄変動時間は1.0秒となっている。次に、確率変動中であるか否かが判断される(F3A5H)。具体的には、確率変動フラグの値が0以外であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0以外と判断された場合、後述するプロセスデータ/タイマ処理がなされる(F3ACH)。一方、確率変動フラグの値が0であった場合、前記確率変動短縮時の各全図柄変動プロセスデータが参照されるアドレスの指定に代えて、短縮時の各全図柄変動プロセスデータが参照されるアドレスが指定される(F3A9H)。短縮時の各全図柄変動プロセスデータ内にセットされている図柄変動時間は3.1秒となっている。次に、プロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F3ACH)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F3AFH)。プロセスが作動中でない場合、プロセス制御フラグが更新(+1)される(F3B1H)。プロセス制御フラグの更新の後、またはプロセスが作動中であると判断された場合、全図柄変動処理が終了する(F3B7H)。
図70は、左図柄停止処理の処理手順を示すフローチャートである。左図柄停止処理は、左図柄停止のプロセスデータの実行(実行終了で図柄は停止する)を行なう処理である。まず、左図柄停止プロセス処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM
)が実行される(F3B8H)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F3B2H)。プロセスが作動中でない場合、プロセス制御フラグが更新(+1)される(F3C0H)。プロセス制御フラグが更新された後または、プロセスが作動中であると判断された場合、左図柄停止処理が終了する(F3C6H)。
図71は、右図柄停止処理の処理手順を示すフローチャートである。右図柄停止処理は、右図柄停止(通常/リーチ予告/スピン)のプロセスデータの実行を行なう処理である。まず、各右図柄停止プロセス処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F3C7H)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F3DEH)。プロセスが作動中の場合、右図柄停止処理が終了する(F41BH)。一方、プロセスが作動中でない場合、プロセス制御フラグが更新(+1)される(F3E0H)。次に、リーチなしであるか否かが判断される(F3E6H)。具体的には、リーチ動作フラグの値が0であるか否かが判断される。リーチ動作フラグは基本回路46のRAMに記憶されている。リーチ動作フラグの値が「000H」のときリーチなしが示され、「001H」のときノーマルリーチが指定され、「002H」のときどけどけリーチが指定され、「003H」のときS字コーナーリーチが指定され、「004H」のときバックファイアーリーチが指定され、「014H」のとき滑りリーチ(4図柄)が指定され、「015H」のとき滑りリーチ(5図柄)が指定され、「016H」のとき滑りリーチ(6図柄)が指定され、「01DH」のとき戻りリーチが指定され、「081H」のときスピン後ノーマルリーチが指定され、「082H」のときスピン後どけどけリーチが指定され、「083H」のときスピン後S字コーナーリーチが指定され、「084H」のときスピン後バックファイアーリーチが指定され、「094H」のときスピン後滑りリーチ(4図柄)が指定され、「095H」のときスピン後滑りリーチ(5図柄)が指定され、「096H」のときスピン後滑りリーチ(6図柄)が指定され、「09AH」のときスピン後戻りリーチが指定される。
リーチ動作フラグの値が0のとき、右図柄停止処理が終了し、0でない場合、周回時間演算処理であるリーチ時周回時間演算処理(P_RCH_SYU)が実行される(F3EAH)。リーチ時周回時間演算処理については図88を用いて後述する。次に、バックファイアーリーチであるか否かが判断される(F3EDH)。具体的には、リーチ動作フラグの値が4がであるか否かが判断される。リーチ動作フラグの値が4である場合、右図柄停止処理が終了し、4でない場合、大当り図柄からの距離が算出される(F3F3H)。
次に、滑りまたは戻りリーチ以外であるか否かが判断される(F3FBH)。具体的には、リーチ動作フラグの値が「014H」より小さいか否かが判断される。リーチ動作フラグの値が「014H」以上の場合、滑り図柄数の補正が行なわれる(F3FFH)。滑り図柄数の補正の後、またはリーチ動作フラグの値が「014H」より小さい場合、図柄移動時間演算処理であるリーチ時図柄移動量時間演算処理(P_RCH_TIM)が実行される(F406H)。リーチ時図柄移動量時間演算処理については図89を用いて後述する。次に、戻りリーチ以外であるか否かが判断される(F40AH)。戻りリーチ以外である場合は右図柄停止処理が終了し、戻りリーチである場合は戻り時間演算がセットされる(F410H)。戻り時間演算がセットされた後、右図柄停止処理が終了する(F41BH)。
図72は、中図柄停止処理の処理手順を示すフローチャートである。中図柄停止処理は、リーチフラグがない場合は通常停止プロセスデータの実行を行ない、リーチフラグありのときは各リーチ動作プロセスデータの実行を行なう処理である。まず、通常リーチプロセスデータの指定が行なわれる(F437H)。次に、リーチ以外であるか否かが判断さ
れる(F43AH)。具体的には、リーチ動作フラグの値が0であるか否かが判断される。リーチ動作フラグの値が0のとき、後述するプロセスタイマ処理が実行される(F4C7H)。
一方、リーチ動作フラグの値が0でない場合、リーチ動作指定コマンドがあるか否かが判断される(F43EH)。リーチ動作指定コマンドがある場合、リーチ動作指定コマンドがセットされる(F442H)。ここで、リーチ動作指定コマンドとは、前述したコマンドデータCOM4である、リーチ動作指定コマンドのセットの後、またはリーチ動作指定コマンドがないと判断された場合、周回数指定コマンドがセットされる(F449H)。ここで、周回数指定コマンドとは、前述したコマンドデータCOM4のbit1、0のデータである。次に、滑り数指定コマンドがセットされる(F44FH)。ここで、滑り数指定コマンドとは、前述したコマンドデータCOM5のbit2〜0のデータである。
次に、スピンがあるか否かが判断される(F45BH)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されているスピンフラグの値が0以外であるか否かが判断される。スピンフラグの値が0以外の場合、各プロセスデータのアドレスが算出され(F45FH)、プロセスタイマ処理(F4C7H)へ移行する。一方、スピンフラグの値が0の場合、各リーチプロセスデータのアドレスが算出され(F45FH)、プロセスタイマ処理(F4C7H)へ移行する。次に、プロセスタイマ処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F4C7H)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F4C4H)。プロセスが作動中の場合、中図柄停止処理が終了する(F4D6H)。プロセスが作動中でない場合、プロセス制御フラグが更新(+1)される(F4CCH)。次に、有効始動情報タイマがセットされる(F4D2H)。有効始動情報タイマのセットの後、中図柄停止処理が終了する(F4D6H)。
図73は、フィーバーチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。フィーバーチェック処理は、チェック処理のプロセス実行を行ない、処理終了時に大当りフラグをチェックして移行のプロセスフラグを設定する処理である。まず、リーチ動作フラグがクリアされる(F4D7H)。次に、フィーバーチェックプロセスタイマ処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F4DAH)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが動作中であるか否かが判断される(F4E0H)。プロセスが動作中の場合、フィーバーチェック処理が終了する(F51EH)。プロセスが作動中でない場合、大当りか否かが判断される(F4E2H)。具体的には、大当りフラグの値が0以外であるか否かが判断される。大当りフラグは、はずれ時に「000H」となり、大当り時に「001H」となる。大当りフラグは、基本回路46のRAMに記憶されている。大当りフラグの値が0以外の場合、プロセス制御フラグが更新される(F4F5H)。次に大当りの図柄が確率変動図柄か否かが判断される(F4F8H)。具体的には、左図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Lの値が「3」、「5」、「6」、「8」、「11」のいずれかの値であるか否かが判断される。WCRND_Lの値が前記いずれかの値と等しい場合、確率変動フラグがセットされる(F506H)。確率変動フラグは基本回路46のRAMに記憶されており、具体的には、確率変動フラグの値に2がセットされる。確率変動フラグに2がセットされた後、または、大当りの図柄が確率変動図柄以外であると判断された場合、大当りフラグがクリアされる(F50AH)。次に、飾り図柄変動タイマ、飾り図柄停止図柄などの各データがセットされる(F50FH)。次に、セットされた飾り図柄停止図柄のデータに応じて、飾り図柄停止図柄の算出および設定が行なわれる(F514H)。具体的には、飾りLEDB1およびB2のランダムカウンタであるWCRND_KZUの値に応じて飾りLEDB1およびB2の設定が行なわれる。飾り図柄停止図柄の算出および設定がなされた後、フィーバーチェック処理が終了する(F51EH)。
一方、大当りフラグの値が0の場合は、通常時プロセスデータセット処理であるプロセスデータセット処理(P_PRO_SET)が実行される(F4E6H)。プロセスデータセット処理については図90を用いて後述する。次に、プロセスフラグがクリアされる(F4ECH)。次に、大当りフラグがクリアされ(F4F1H)、フィーバーチェック処理が終了する(F51EH)。
図74は、大入賞口開放前処理の処理手順を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理は、大入賞口開放前のプロセス処理の実行を行ない、処理終了後に開放中のデータを初期設定する処理である。まず、各開放回数プロセスタイマ処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F51FH)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F520H)。プロセスが作動中である場合、大入賞口開放前処理が終了する(F53EH)。一方、プロセスが作動中でない場合、開放中データがクリアされる(F52FH)。次に、プロセス制御フラグが更新(+1)された後(F538H)、大入賞口開放前処理が終了する(F53EH)。
図75は、大入賞口開放中処理の処理手順を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理は、大入賞口開放中のプロセス処理実行を行なうとともに、入賞個数が規定値を超えた場合に次のプロセスに移行する処理である。まず、入賞個数表示制御コマンドがセットされる(F53FH)。ここで、入賞個数表示制御コマンドとは、前述したコマンドデータCOM6のデータである。次に、不正入賞警告無効時間がセットされる(F544H)。次に、特定領域有効時間がセットされる(F549H)。次に、入賞個数が最大値以上となっているか否かが判断される(F54EH)。具体的には、大入賞口入賞個数カウンタの値が9以上になっているか否かが判断される。大入賞口入賞個数カウンタは、基本回路46のRAMに記憶されている。
大入賞口入賞個数カウンタの値が9より小さい場合、各開放回数プロセスタイマ処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F554H)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F562H)。プロセスが作動中の場合、大入賞口開放中処理が終了する(F56AH)。一方、プロセスが作動中でない場合、または大入賞口入賞個数カウンタの値が9以上である場合、プロセス制御フラグが更新(+1)された後(F564H)、大入賞口開放中処理が終了する(F56AH)。
図76は、大入賞口開放後処理の処理手順を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理は、大入賞口開放後のプロセス処理の実行を行なうとともに、特定領域の入賞があった場合に開放前のプロセスに移行する処理である。まず、特定領域有効時間のタイマの演算が終了しているか否かが判断される。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている特定領域有効時間タイマの値が0となっているか否かが判断される。特定領域有効時間タイマの値が0となっている場合、後述する入賞があったか否かの判断処理がなされる(F574H)。一方、特定領域有効時間タイマの値が0でない場合、特定領域有効時間タイマの値が更新(−1)され(F56FH)、特定領域有効時間タイマの値が0となったか否かが判断される(F572H)。特定領域有効時間タイマの値が更新された後、特定領域有効時間タイマの値が0となっていない場合、後述する特定領域への入賞があるか否かの判断処理がなされる(F57PH)。一方、特定領域有効時間タイマの値が0となった場合、入賞があったか否かが判断される(F574H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている大入賞口入賞個数カウンタの値が0以外であるか否かが判断される。大入賞口入賞個数カウンタの値が0以外の場合、後述する特定領域への入賞があるか否かの判断処理がなされる(F57BH)。一方、大入賞口入賞個数カウンタの値が
0の場合、カウントずらし警告フラグがセットされる(F578H)。カウントずらし警告フラグのセットの後、特定領域への入賞があるか否かが判断される(F57BH)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている特定領域スイッチオンフラグの値が0であるか否かが判断される。特定領域スイッチオンフラグの値が0以外の場合、プロセス制御フラグの値が大入賞口開放前を表わす値に更新され(F57FH)、次に、開放回数が更新(+1)され(F586H)、大入賞口開放後処理が終了する(F5A6H)。
一方、特定領域スイッチオンフラグの値が0の場合、フィーバー終了時プロセスタイマ処理であるプロセスデータ/タイマ処理(P_PRO_TM)が実行される(F58BH)。プロセスデータ/タイマ処理については図82を用いて後述する。次に、プロセスが作動中であるか否かが判断される(F591H)。プロセスが作動中の場合、大入賞口開放後処理が終了する(F5A6H)。一方、プロセスが作動中でない場合、通常時プロセスデータセット処理であるプロセスデータセット処理(P_PRO_SET)が実行される(F593H)。プロセスデータセット処理については図90を用いて後述する。次に、プロセスが通常時を表わす値に更新される(F599H)。次に、確率変動中であるか否かが判断される(F59FH)。具体的には、確率変動フラグの値が0以外か否かが判断される。確率変動フラグの値が0でない場合、確率変動フラグの値が更新(−1)されることにより確率変動継続回数が更新される(F5A3H)。確率変動継続回数の更新の後、または、確率変動フラグの値が0であると判断された場合、大入賞口開放後処理が終了する(F5A6H)。
図77は、第1種始動口スイッチ入賞判定処理の処理手順を示すフローチャートである。第1種始動口スイッチ入賞判定処理は、第1種始動口スイッチ(始動玉検出器6)の判別をして、入賞記憶が最大値未満ならばランダムカウンタWCRND1およびWCRND_Lの格納を行なう処理である。
まず、エラー中であるか否かが判断される(F07DH)。具体的には、警告フラグの値が0以外であるか否かが判断される。警告フラグの値が0以外の場合、第1種始動口スイッチ入賞判定処理が終了し、警告フラグの値が0の場合、際1種始動口スイッチに関してスイッチチェック処理(P_SW_CHK)が実行される(E083H)。スイッチチェック処理については図84を用いて後述する。次に、スイッチオンチェック値以外であるか否かが判断される(F08DH)。スイッチオンチェック値以外の場合、第1種始動口スイッチ入賞判定処理が終了し、スイッチオンチェック値以外でない場合、入賞記憶数が最大値以下であるか否かが判断される(F08FH)。具体的には、入賞記憶カウンタの値が4以下か否かが判断される。入賞記憶カウンタの値が4以下でない場合、入賞記憶の最大値が入賞記憶カウンタにセットされ(F095H)、第1種始動口スイッチ入賞判定処理が終了する(F0ACH)。
一方、入賞記憶カウンタの値が4以下の場合、ランダムカウンタの値を格納するためのランダム格納バンク内のアドレスが算出される(F099H)。具体的には、基本回路46のRAMに大当りランダム格納バンクが構成されており、大当りランダム格納バンクの先頭アドレスに、後述する入賞記憶カウンタの現在値が加算された値が、ランダムカウンタを格納する先頭アドレスとなる。大当りランダム格納バンクには、大当り判定用のランダムカウンタであるWCRND1および左図柄表示用カウンタであるWCRND_Lが前記アドレスを基準にそれぞれ格納される。次に、大当り決定用のランダムカウンタであるWCRND1の現在値が読出された上で、算出された大当りランダム格納バンクの格納先にランダムカウンタWCRND1が格納される(F0A1H)。大当り格納バンクは、大当り格納バンク1,2,3,および4に分割されている。したがって、大当り格納バンク内に最大4つのWCRND1およびWCRND_Lの値を格納可能である。次に、左図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Lの値の現在値が読出されて、WCRND1
と同様に大当りランダム格納バンク内の格納先へ格納される(F0A5H)。次に、入賞記憶カウンタの更新(+1)が行なわれ(E0A9H)、第1種始動口スイッチ入賞判定処理が終了する(F0ACH)。
図78は、カウンタスイッチ入賞判定処理の処理手順を示すフローチャートである。カウンタスイッチ入賞判定処理は、カウンタスイッチチェック処理を行ない、スイッチのオン/オフを判別して、不正入賞の判別を行ない、スイッチオンならばカウンタ処理を行なう処理である。まず、カウンタスイッチ(入賞玉検出器10)に関してスイッチチェック処理(P_SW_CHK)が実行される(F0ADH)。スイッチチェック処理については図84を用いて後述する。次に、スイッチオンチェック値以外であるか否かが判断される(F0B8H)。スイッチオンチェック値以外の場合、カウントスイッチ入賞判定処理が終了し、スイッチオンチェック値以外でない場合、賞球数記憶カウンタが最大値であるか否かが判断される(F0B8H)。具体的には、賞球数記憶カウンタの値が10であるか否かが判断される。賞球数記憶カウンタの値が10でなければ、賞球数記憶カウンタの更新(+1)が行なわれる(F0CH)。賞球数記憶カウンタの更新が行なわれた後、または賞球数記憶カウンタの値が10と判断された後、不正入賞であるか否かが判断される(F0C3H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている不正入賞警告タイマの値が0以外であるか否かが判断される。不正入賞警告タイマの値が0以外の場合、不正入賞警告フラグがセットされる(F0C7H)。不正入賞警告フラグのセットの後、または不正入賞警告タイマの値が0以外の場合、カウント処理(P_TEN)が実行される(F0CAH)。カウント処理については図85を用いて後述する。カウント処理の後、カウントスイッチ入賞判定処理が終了する(F0CDH)。
図79は、特定領域スイッチ入賞判定処理の処理手順を示すフローチャートである。特定領域スイッチ入賞判定は、特定玉検出器9のショートエラー検出を通常時に行ない、特定領域作動中すなわち大当り時、または警告時にカウント処理(警告解除処理)を行なう処理である。まず、特定領域スイッチに関してスイッチチェック処理が実行される(F0CEH)。スイッチチェック処理については図84を用いて後述する。次に、スイッチオンチェック値以外であるか否かが判断される(F0D9H)。スイッチオンチェック値以外の場合は特定領域スイッチ入賞判定処理が終了する。
一方、スイッチオンチェック値以外でない場合、賞球数記憶カウンタの値が最大値であるか否かが判断される(F0DBH)。賞球数記憶カウンタの値が最大値でなければ、賞球数記憶カウンタの更新(+1)が行なわれる(F0E1H)。賞球数記憶カウンタの更新が行なわれた後、または賞球数記憶カウンタの値が最大値と判断された後、不正入賞か否かが判断される(F0E4H)。具体的には、不正入賞警告タイマの値が0以外であるか否かが判断される。不正入賞警告タイマの値が0以外の場合、不正入賞警告フラグがセットされる(F0E8H)。不正入賞警告フラグのセット後または不正入賞警告タイマの値が0以外である場合、エラー中であるか否かが判断される(F0EBH)、具体的には、警告フラグの値が0以外であるか否かが判断される。警告フラグの値が0以外である場合、特定領域スイッチ入賞判定処理が終了する。一方、警告フラグの値が0以外でない場合、特定領域の有効時間以外であるか否かが判断される(F0F1H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている特定領域スイッチ有効時間タイマの値が0であるか否かが判断される。特定領域スイッチ有効時間タイマの値が0の場合、特定領域スイッチ入賞判定処理が終了する。
一方、特定領域スイッチ有効時間タイマの値が0でない場合、最終開放回数になっているか否かが判断される(F0F5H)。具体的には、基本回路46のRAMに記憶されている大入賞口開放回数カウンタの値が15より大きくなっている否かが判断される。大入賞口開放回数カウンタの値が15より大きくない場合、特定領域スイッチオンフラグがセ
ットされているか否かが判断される(F0FBH)。特定領域スイッチオンフラグがセットされていない場合、特定領域スイッチオンフラグがセットされる(F0FFH)。
特定領域スイッチオンフラグがセットされた後、大入賞口開放回数カウンタの値が15より大きい場合、または特定領域スイッチオンフラグがセットされている場合、特定領域スイッチオンフラグがセットされる(F0FFH)。次に、カウント処理(P_TEN)が実行される(F102H)。カウント処理については図85を用いて後述する。カウント処理の終了後特定領域スイッチ入賞判定処理が終了する(F105H)。
図80は、普通図柄スイッチ入賞判定処理の処理手順を示すフローチャートである。普通図柄スイッチ入賞判定処理は、通過スイッチ104(図1参照)による打玉の検出に基づいて、入賞記憶が最大値未満ならばランダムカウンタWCRND2の格納を行なう処理である。
まずエラー中であるか否かが判断される(F106H)。具体的には、警告フラグの値が0以外であるか否かが判断される。警告フラグの値が0の場合、普通図柄スイッチ入賞判定処理が終了し、警告フラグの値が0の場合、通過スイッチ104(図1参照)による打玉の検出に関してスイッチチェック処理(P_SW_CHK)が実行される(F10AH)。スイッチチェック処理については図84で後述する。次に、スイッチオンチェック値以外であるか否かが判断される(F114H)。スイッチオンチェック値以外の場合、普通図柄スイッチ入賞判定処理が終了し、スイッチオンチェック値以外でない場合、入賞記憶が最大値以下であるか否かが判断される(F116H)。具体的には、普通図柄入賞記憶カウンタの値が4以下か否かが判断される。普通図柄入賞記憶カウンタの値が4以下でない場合、入賞記憶最大値が普通図柄入賞記憶カウンタにセットされ(F11CH)、普通図柄スイッチ入賞判定処理が終了する。
一方、普通図柄入賞記憶カウンタの値が4以下の場合、普通図柄の当り決定用のランダムカウンタであるWCRND2(ランダムカウンタ2)の値が抽出され、普通図柄ランダム格納バンク内に格納される(F210H)。普通図柄ランダム格納バンクは、基本回路46のRAMに構成されており、普通図柄ランダム格納バンクの先頭アドレスに普通図柄入賞記憶カウンタの値を加算したアドレスがWCRND2の格納先アドレスとなっている。普通図柄格納バンクは、普通図柄格納バンク1,2,3および4に分割されている。したがって、普通図柄格納バンク内に最大4つのWCRND2の値を格納可能である。次に、普通図柄入賞記憶カウンタの更新(+1)が行なわれた後、普通図柄スイッチ入賞判定処理が終了する(F130H)。
図81は、普通図柄プロセスタイマ処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセスタイマ処理は、普通図柄プロセスデータのタイマ更新とデータの更新とを行なう処理である。まず、現在実行中のプロセスが、指定されたプロセスと同じか否か判断される(F729H)。具体的には、現在実行中の普通図柄プロセスデータ先頭アドレスと、指定された普通図柄プロセスデータの先頭アドレスとが一致しているか否かが判断される。現在実行中の普通図柄プロセスデータの先頭アドレスと、指定された普通図柄プロセスデータの先頭アドレスとが一致していない場合、新規プロセスデータのアドレスと新規普通図柄プロセスタイマとがセットされる(F72DH)。新規普通図柄プロセスデータのアドレスおよびタイマがセットされた後、または、現在実行中の普通図柄プロセスデータの先頭アドレスと指定された普通図柄プロセスデータの先頭アドレスとが一致している場合、普通図柄プロセスタイマが終了しているか否かが判断される(F735H)。具体的には、普通図柄プロセスタイマの値が0であるか否かが判断される。普通図柄プロセスタイマの値が0の場合、後述する普通図柄プロセスアドレスが更新される(F740H)。一方、普通図柄プロセスタイマの値が0でない場合、普通図柄プロセスタイマが更新(−1)さ
れた後、普通図柄プロセスタイマの値が0となっていないか否かが判断される(F739H)。普通図柄プロセスタイマの値が0となっていない場合、後述する演算中フラグのセット処理がなされる(F747H)。一方、普通図柄プロセスタイマの値が0となっている場合、普通図柄プロセスアドレスが更新(+3)される(F740H)。次に、演算中フラグのセットが行なわれる(F747H)。次に、普通図柄プロセスタイマの演算中であるか否かが判断される(F748H)。具体的には、普通図柄プロセスタイマの値が0以外か否かが判断される。普通図柄プロセスタイマの値が0以外の場合、普通図柄プロセスタイマ処理が終了する(F766H)。一方、普通図柄プロセスタイマの値が0の場合、プロセスが終了していないか否かが判断される(F74CH)。具体的には、普通図柄プロセスデータ進行アドレスが最終アドレスとなっていないか否かが判断される。普通図柄プロセスデータ進行アドレスが最終アドレスとなっていない場合、後述する電動役物のソレノイドセット処理へ移行する(F75BH)。一方、普通図柄プロセスデータ進行アドレスが最終アドレスとなっている場合、演算中フラグがクリアされる(F752H)。次に、普通図柄プロセスデータの先頭アドレスがセットされる(F753H)。次に、新規に普通図柄プロセスタイマがセットされる(F757H)。次に、電動役物のソレノイドがセットされる(F75BH)。電動役物のソレノイドがセットされた後、普通図柄プロセスタイマ処理が終了する(F776H)。
図82は、プロセスデータ/タイマ処理の処理手順を示すフローチャートである。プロセスデータ/タイマ処理は、プロセスデータのタイマ更新とデータの更新とを行なう処理である。まず、プロセスデータセット処理(P_PRO_SET)が実行される(F5A7H)。プロセスデータセット処理については図90を用いて後述する。次に、プロセスタイマが終了しているか否かが判断される(F5AH)。具体的にはプロセス制御タイマの値が0であるか否かが判断される。プロセス制御タイマは、基本回路46のRAMに記憶されている。
プロセス制御タイマの値が0のとき、プロセスデータの先頭アドレスがセットされた後(F5BEH)、プロセスタイマがクリアされ、プロセスデータ/タイマ処理が終了する(F5E5H)。一方、プロセス制御タイマの値が0でない場合、プロセスタイマが更新(−1)され、その結果がまだ演算中であるか否かが判断される(F5AEH)。具体的には、プロセス制御タイマの値が0以外であるか否かが判断される。プロセス制御タイマの値が0以外である場合、後述する表示器コマンドセット処理(F5DAH)へ移行する。一方、プロセス制御タイマの値が0の場合、プロセスデータアドレスが更新(+5)される(F5B3H)。次に、データが終了しているか否かが判断される(F5BAH)。データが終了している場合は、先頭アドレスがセットされ(F5BEH)、プロセスタイマがクリアされた後処理が終了する。一方、データが終了していない場合は、外部参照タイマコードであるか否かが判断される(F5C9H)。外部参照タイマコードである場合は、外部参照タイマコードに応じてリーチ変動時間の算出および設定が行なわれる(F5D1H)。リーチ変動時間の算出および設定がなされた後、または外部参照タイマコード以外であった場合に、プロセスタイマがセットされる(F5D8H)。プロセスタイマのセットがなされた後、またはプロセスタイマの演算中であると判断された場合(F5AEHでYES)、表示器コマンドがセットされる(F5DAH)。ここで、表示器コマンドは、前述したコマンドデータCOM0である。次に、演奏中フラグがセットされ(F5E4H)、プロセスデータ/タイマ処理が終了する(F5E5H)。
図83は、データセット処理の処理手順を示すフローチャートである。データセット処理は、データテーブルの各データを初期化する処理である。まず、初期化データがセットされる(F61EH)。次に、データアドレスが更新(+3)される(F626H)。次に、データ数が更新(−1)され、データがあるか否かが判断される(F62CH)。データがある場合は、初期化データセット処理(F61EH)へ移行し、移行の処理が繰返
され、データがない場合はデータセット処理が終了する(F62FH)。
図84は、スイッチチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。スイッチチェック処理は、スイッチ入力ビットのオン/オフの判別、ショートエラーの設定/解除を行なう処理である。まず、スイッチチェックビットがオンしているか否かが判断される(F131H)。スイッチチェックビットがオンしている場合は、後述する警告フラグクリア処理(F142H)へ移行する。一方、スイッチチェックビットがオンしていない場合は、スイッチカウンタが最大値となっているか否かが判断される(F139H)。スイッチカウンタが最大値になっている場合は、後述する警告フラグセット処理(F147H)へ移行する。一方、スイッチカウンタが最大値となっていない場合は、スイッチカウンタが更新(+1)される(F141H)。次に、警告フラグがクリアされ(F142H)、後述する保持データセット処理(F149H)へ移行する。
一方、スイッチカウンタが最大値であると判断された場合(F139HでYES)、警告フラグがセットされる(F147H)。次に、保持データがセットされる(F149H)。次に、スイッチオン判定値がチェックされ(F150H)、スイッチチェック処理が終了する(F153H)。
図85は、カウント処理の処理手順を示すフローチャートである。カウント処理は、カウントなしのエラーの解除、プロセスフラグ、入賞個数最大値の状態を監視して、入賞個数の更新を行なう処理である。まず、カウントスイッチずらしの警告フラグがクリアされる(F154H)。次に、カウントスイッチが有効であるか否かが判断される(F157H)。カウントスイッチが有効である場合は、カウント処理が終了する(F168H)。一方、カウントスイッチが有効でない場合は、入賞個数が最大値以上となっているか否かが判断される(F15FH)。具体的には、入賞個数カウンタの値が9以上であるか否かが判断される。入賞個数カウンタの値が9以上でない場合には、入賞個数カウンタの値が更新(+1)される(F165H)。入賞個数カウンタの更新の後、または入賞個数が最大値以上と判断された後、カウント処理が終了する(F168H)。
図86は、音演奏処理の処理手順を示すフローチャートである。音演奏処理は、演奏コードに従い、音演奏の処理を行なう処理である。まず、演奏準備データが出力される(F1DAH)。次に、音用タイマの更新が終了したか否かが判断される(F1ECH)。具体的には、音演奏タイマの値が0であるか否かが判断される。音演奏タイマは、基本回路46のRAMに記憶されている。音演奏タイマの値が0の場合、音演奏処理が終了する(F362H)。
一方、音演奏タイマの値が0以外の場合、音データポインタが算出される(F1F5H)。次に、音データが終了したか否かが判断される(F1F7H)。音データが終了している場合は、音演奏処理が終了する。一方音データが終了していない場合は、ジャンプコード以外であるか否かが判断される(F1FDH)。ジャンプコードである場合は、ジャンプ先ポインタが算出され(F201H)、次に、音データの終了判定処理(F1F7H)へ移行する。一方、ジャンプコード以外である場合、リセットコードであるか否かが判断される(F207H)。リセットコード以外の場合、リセット信号が出力され(F20BH)、次に、ポインタが更新(+1)され(F212H)、次に、リセット信号がラッチされ(F219H)、音演奏処理が終了する(F262H)。
一方、リセットコードである場合、演奏待ちコードであるか否かが判断される(F222H)。演奏待ちコードである場合は、後述するデータアドレス更新処理(F25EH)へ移行する。一方、演奏待ちコードである場合、音指定コードが出力される(F228H)。次に、CH2演奏コードであるか否かが判断される(F23AH)。CH2演奏コー
ドでない場合、CH2演奏コードが出力される(F240H)。CH2演奏コードの出力の後またはCH2演奏コードであると判断された場合、演奏指定コードがラッチされる(F249H)。次に、データアドレスが更新(+2)され(F25EH)、音演奏処理が終了する(F262H)。
図87は、図柄セット処理の処理手順を示すフローチャートである。図柄セット処理は、算出された左停止図柄をもとにして、大当りフラグにより、はずれ時/大当り時の停止図柄データを設定するともに、図柄状態により、リーチ状態を設定する処理である。まず、左停止図柄の算出が行なわれる(F31EH)。具体的には、左図柄表示ランダムカウンタであるWCRND_Lの値が参照されることにより算出される。次に、はずれ時であるか否かが判断される(F32AH)。具体的には、大当りフラグの値が0であるか否かが判断される。大当りフラグの値が0以外の場合、中停止図柄および右停止図柄が左停止図柄と同じ図柄に設定される(F32EH)。具体的には、左図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Lの値で決定された特別図柄と同一の図柄が中停止図柄および右停止図柄として設定される。次にリーチ関連フラグクリア処理(F352H)へ移行する。
一方、大当りフラグの値が0である場合に、まず、右図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Rの値が参照され、その値に基づいて右図柄停止図柄が設定される(F334H)。次に、中図柄表示用ランダムカウンタであるWCRND_Cの値が参照され、その値に基づいて中図柄停止図柄が設定される(F33AH)。次に、設定された特別図柄の組合せが当り図柄の組合せ以外であるか否かが判断される(F340H)。当り図柄の組合せ以外である場合、リーチ関連フラグクリア処理(F352H)へ移行する。一方、当り図柄の組合せである場合、中図柄を当り図柄から外す処理が行なわれ(F34AH)、リーチ関連フラグクリア処理(F257H)へ移行する。
次に、リーチ関連フラグがクリアされる(F352H)。次に、リーチ以外であるか否かが判断される(F357H)。具体的には、左図柄停止図柄番号を表わす表示制御転送データ1の値と右図柄停止図柄番号を表わす表示制御転送データ3の値とが一致するか否かが判断される。すなわち、左図柄と右図柄とが一致するか否かが判断される。左図柄と右図柄とが一致しない場合、すなわちリーチ以外の場合は、図柄セット処理が終了する(F39AH)。一方、左図柄と右図柄とが一致する場合、すなわちリーチの場合、当り図柄までの距離が算出される(F35DH)。次に、リーチ動作テーブルの算出が行なわれる(F365H)。次に、リーチ動作フラグが算出される(F36CH)。このリーチ動作フラグにより、前述したリーチ1〜リーチ6のいずれかのリーチが選択され、また、スピンするか否かなども選択される。次に、確率変動中であるか否かが判断される(F37BH)。具体的には、確率変動フラグの値が0以外であるか否かが判断される。確率変動フラグの値が0の場合、後述するリーチ周回数の算出および設定処理がなされる(F390H)。一方、確率変動フラグの値が0以外の場合、停止図柄が確率変動図柄となっているか否かが判断される(F37FH)。具体的には、基本回路46のRAM内に記憶されている左停止図柄番号の値が確率変動図柄を指定するWCRND_Lの値である「3」、「5」、「6」、「8」、「11」の値のいずれかと一致していないか否かが判断される。左停止図柄番号が確率変動図柄を指定する値となっていない場合、リーチ動作フラグがクリアされる(F38DH)。リーチ動作フラグがクリアされた後、または、左停止図柄番号が確率変動図柄を指定する値となっている場合、リーチ周回数の算出および設定が行なわれる(F390H)。ここで、指定されたリーチ周回数は、前述したコマンドデータCOM4のbit1、0のデータを決定するために用いられる。リーチ周回数の算出および設定がなされた後、図柄セット処理が終了する(F39A1)。
図88は、リーチ時周回時間演算処理の処理手順を示すフローチャートである。リーチ時周回時間演算処理は、リーチ時の周回時間を算出しセットする(F42BH)。具体的
には、リーチ時周回時間タイマテーブルに設定されている特別図柄の複数の周回回数の中からいずれかの周回回数が選択されることにより、選択された周回回数に応じた時間がセットされる。本実施の形態では、リーチ時周回時間タイマテーブルに「1周」と「2周」のデータが設定されている。リーチ時周回時間タイマテーブルは、基本回路46のRAMに記憶されている。
図89は、リーチ時図柄移動量時間演算処理の処理手順を示すフローチャートである。リーチ図図柄移動量時間演算処理は、リーチ時の図柄移動時間を算出しセットする(F41CH)。具体的には、リーチ時図柄移動時間タイマテーブルが参照されることにより処理がなされる。リーチ時図柄移動時間タイマテーブルには、特別図柄が変動するコマ数(移動量)に応じた時間が設定されている。本実施の形態では図6に示す通り、特別図柄は15種類設定されているため、1コマから15コマ(1周)までの合計15種類のコマ数と各コマ数の変動に必要な時間とが対応したデータでリーチ時図柄移動時間タイマテーブルが構成されている。このテーブルの中からコマ数(移動量)が選択されることにより、選択されたコマ数(移動量)に応じた時間がセットされる。リーチ時図柄移動時間タイマテーブルは、基本回路46のROMに記憶されている。
ここで、前述したリーチ時周回時間タイマテーブル,リーチ時図柄移動時間タイマテーブル、さらには、滑りリーチである場合に図柄の滑り時間が参照されるリーチ時滑り時間タイマテーブルについてさらに詳細に説明する。図91(A)は、基本回路46のROM内に記憶されている各タイマテーブルを説明する説明図である。図において「図柄」のテーブルはリーチ時図柄移動時間タイマテーブルを示し、「周」のテーブルはリーチ時周回時間タイマテーブルを示し、「滑り」のテーブルはリーチ時滑り時間タイマテーブルを示す。これらのタイマテーブルが図に示すRAMのアドレスに従って構成されている。
まず、リーチ時図柄移動時間タイマテーブルについて説明する。リーチ時図柄移動時間タイマテーブルには、合計15種類の移動時間が設定されている。
次に、リーチ時周回時間タイマテーブルについて説明する。リーチ時周回時間タイマテーブルには、本実施の形態で用いられる15種類の特別図柄が可変表示装置24において一巡して可変表示される単位を1周として、可変表示が開始して1周後図柄の停止までに要する移動時間、2周後図柄の停止までに要する移動時間、および3周後図柄の停止までに要する移動時間とが設定されている。可変表示が開始して1周後図柄の停止までに要する時間は移動表示時間(5000/2×0)+停止表示時間(384/2)ミリ秒に、2周後図柄の停止までに要する時間は(5000/2×1)+(384/2)ミリ秒に、3周後図柄の停止までに要する時間は(5000/2×2)+(384/2)ミリ秒にそれぞれ設定されている。なお、本実施の形態では、3周については使用していないので、図において、「ダミー」としている。
次にリーチ時滑り時間タイマテーブルについて説明する。リーチ時滑り時間タイマテーブルには、図柄の滑りが発生しない滑りなし、および1図柄滑り〜6図柄滑りの図柄の滑り動作が可変表示装置24で行なわれる際に要する移動時間が設定されている。移動時間は、滑りなしについては(518/2)・0ミリ秒に、1図柄滑りについては(518/2)・1ミリ秒に、2図柄滑りについては(518/2)・2ミリ秒に、3図柄滑りについては(518/2)・3ミリ秒に、4図柄滑りについては(518/2)・4ミリ秒に、5図柄滑りについては(518/2)・5ミリ秒に、6図柄滑りについては(518/2)・6ミリ秒にそれぞれ設定されている。なお、本実施の形態では、滑りなし、および1図柄滑り〜3図柄滑りについては使用していないので、図において、(ダミー)としている。また、リーチ時図柄移動時間タイマテーブルとリーチ時周回時間タイマテーブルは、図12に示すリーチ1の変動Dの時間管理に使用している。変動Dは17〜31図柄の
変動を行なっている。たとえば当りとなる1図柄手前で停止するときには変動Dでは29図柄変動となる。この29図柄変動を前述するリーチ時図柄移動時間タイマテーブルとリーチ時周回時間タイマテーブルを組合せて対応する時間を算出する。まず、リーチ時周回時間タイマテーブルの2周+停止(2周目で停止)のデータを選択されれば1周(15図柄)分の時間が得られ、残りの14図柄分をリーチ時図柄移動時間タイマテーブルから得れば1図柄手前までの時間が得られることになる。
また、リーチ時滑り時間タイマテーブルは図12に示すリーチ後の変動Hの時間管理に使用している。
図90は、プロセスデータセット処理の処理手順を示すフローチャートである。プロセスデータセット処理は、プロセスデータの位置をチェックして、ランプ、音声のデータをセットする処理である。まず、指定アドレスと一致するか否かが判断される(F5E6H)。指定アドレスと一致しない場合、新規データがセットされる(F5EAH)。新規データのセットの後または指定アドレスと一致する場合、リーチ動作コマンドがセットされる(F5F2H)。次に、ランプデータのアドレスが算出される(F600H)。次に、現在のアドレスと一致するか否かが判断される(F609H)。現在のアドレスと一致しない場合、新規データがセットされる(F60FH)。新規データのセットの後または現在のアドレスと一致する場合、音フラグがセットされる(F617H)。音フラグがセットされた後プロセスデータセット処理が終了する(F61DH)。
(1) 図1により、打玉が打込まれる遊技領域と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能となる遊技機が構成されている。さらに、可変表示装置24により、前記可変表示装置が構成されている。この可変表示装置24は、画像を可変表示可能な液晶表示装置により構成されているが、その他にCRTやエレクトロルミネッセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したものであってもよい。
(2) 図5に示すLCD表示装置35により、遊技状態において所定の可変表示条件が成立した場合に、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。ここで、所定の可変表示条件とは、具体的に打玉が始動口5へ入賞することを示す。始動口5には開成翼片102が設けられており、開成翼片102が開成状態にある場合には閉成状態にある場合に比べて打玉が始動入賞しやすい状態となる。開成翼片102は普通図柄表示部100に示される普通図柄の当たりが発生したことに伴って、所定時間開成するように構成されているが、確率変動時には、通常時に比べて当たりが発生する確率が高く調整されている。当たりが発生すれば開成翼片102が所定時間開成して打玉が始動入賞する確率が高くなるが、確率変動時には通常時と比べて開成翼片102が開成状態にある時間も長くなるように構成されている。すなわち、確率変動時と通常時とでは可変表示装置24の可変表示がなされる条件となる始動入賞の確率が異なるように構成されている。このように確率変動時と通常時とで可変表示条件の成立確率を変動する制御は、基本回路46により行なわれている。すなわち、前記可変表示条件の成立確率を変動調整する表示条件成立確率変動調整手段は、基本回路46により構成されている。
(3) 可変表示装置24の可変表示制御時間を短縮するか否かを決定するための基準値は、基本回路46内に構成されているROMに記憶されている。第1の実施の形態では、この基準値は可変表示装置24が可変表示開始する直前の始動記憶数であり、開成翼片102が開成する確率が高く、かつ、開成状態にある時間が長く調整される確率変動時には、始動記憶数が2以上で可変表示制御時間の短縮制御がなされる。一方、開成翼片102の開成する確率が低く、かつ、開成時間が短い通常時には、始動記憶数が4となって始
めて可変表示制御時間の短縮制御がなされる。また、第5の実施の形態では過去2分間の始動入賞回数が前記基準値となる。第1の実施の形態と同様に、始動入賞確率の異なる確率変動時と通常時とで、その基準値が異なるように構成されている。
(4) 第1の実施の形態あるいは第5の実施の形態に示した基準値に従って可変表示装置24の可変表示制御時間が、基本回路46により短縮制御される。すなわち、基本回路46により、基準値に従って前記可変表示制御時間を変動調整する可変表示制御時間変動調整手段が構成されている。
(5) 可変表示装置24において可変表示がなされている間に始動入賞があればその始動入賞が最大4回まで加算更新記憶されて、始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始可能となるごとに始動記憶数が減算更新される。このような始動入賞の記憶は基本回路46に構成されているRAMにより行なわれている。すなわち、基本回路46内に構成されたRAMにより、予め定められた記憶数の範囲内で前記可変表示条件の成立回数を記憶する手段であって、前記可変表示条件が成立するごとにその成立回数を加算更新するとともに、前記可変表示装置が可変表示制御されるごとに前記成立回数を減算更新する可変表示条件成立回数記憶手段が構成されている。
また、第5の実施の形態に示したように基本回路46に構成されているRAMには、始動入賞回数チェックカウンタが設けられており、同じくRAMに設けられている2分間タイマで2分が計時される間に発生する始動入賞回数が、該始動入賞回数チェックカウンタにより計数される。すなわち、基本回路46に構成されたRAMにより、所定期間内における前記可変表示条件の成立回数を記憶する手段であって、前記所定期間の経過ごとに次に所定期間内における前記可変表示条件の成立回数を記憶し直す可変表示条件成立回数記憶手段が構成されている。
(6) 図5および図6に示した基本回路46により、前記可変表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段が構成されている。
(7) 図91(A)に示したリーチ時周回時間タイマテーブル(周)内の移動時間データにより、前記可変表示装置により可変表示される複数種類の識別情報が一巡して表示されるのに必要な一巡単位の時間データが構成されている。さらに、図91(A)に示したリーチ時図柄移動時間タイマテーブル(図柄)内の移動時間データにより、前記複数種類の識別情報が可変表示される識別情報表示単位の時間データが構成されている。リーチ時周回時間タイマテーブルおよびリーチ時図柄移動時間タイマテーブルは、基本回路46のROMに記憶されている。つまり、基本回路46により前記可変表示装置により可変表示される複数種類の識別情報が一巡して表示されるのに必要な一巡単位の時間データと、前記複数種類の識別情報が可変表示される識別情報表示単位の時間データとを記憶する時間データ記憶手段が構成されている。
(8) 図71に示したフローチャートにより、前記表示結果決定手段により決定された表示予定の表示結果に応じて、前記時間データ記憶手段に記憶されている前記一巡単位の時間データと、前記識別情報表示単位の時間データとを選択し、選択した両時間データを組合せることにより、前記可変表示装置の可変表示制御時間データを生成する可変表示制御時間データ生成手段が構成されている。具体的には、前述のようにリーチ時周回時間タイマテーブルには、予め複数種類の周回回数と、各周回回数だけ可変表示されるのに必要な時間である一巡単位の時間データとが対応して設定されている。同様にリーチ時図柄移動時間タイマテーブルには、予め複数種類の図柄の移動数と、各図柄の移動数だけ可変表示されるのに必要な時間である識別情報表示単位の時間データとが対応して設定されている。したがって、前記可変表示制御時間データは、予め設定されている周回回数、およ
び図柄の移動数の中から適当な周回回数、および図柄の移動数を選択して組合せることにより生成される。
このため、たとえば遊技者の遊技の興趣を向上すべく、さまざまの特別図柄の変動パターンを設計変更する場合でも、図柄の変動パターンの変更に伴って可変表示制御時間データが変更される際に周回回数および図柄の移動数の選択の組合せを変更するだけで容易に可変表示制御時間データを作成することができる。図71に示したフローチャートは、基本回路46のROMにプログラムされている。
また、本実施の形態では、図11ないし図14に示すように、図柄の可変表示制御中に、予定停止図柄の3図柄手前の図柄、あるいは4図柄手前の図柄が、可変表示制御途中の図柄に無関係にセットされる。つまり、前回停止した停止図柄から可変表示が開始する場合において、その前回停止図柄がどのような種類の図柄であっても、可変表示制御途中で予定停止図柄に基づいて予め定められた図柄がセットされる。そして、セットされた図柄に基づいて、セットされた図柄の可変表示開始から予定停止図柄が停止するまでの可変表示制御時間が算出される。
これにより、図柄の可変表示開始から予定停止図柄が停止するまでの可変表示制御時間の算出が可変表示が開始された図柄にこだわることなく行なえる。図8に示すフローチャートにより、前記可変表示装置の表示結果を事前に決定する表示結果決定手段が構成されている。
また、図5および図6に示す制御回路により、前記可変表示装置の表示結果が導出される以前の可変表示中において、予め定められた表示内容に切換える表示内容切換手段が構成されている。この表示内容切換手段は、前記可変表示装置の表示内容を前記表示結果決定手段により決定された表示結果よりも所定段階手前の表示内容に切換え可能なものである。
本実施の形態では、前記表示結果決定手段により決定された表示結果よりも所定段階手前の表示内容として、図柄の変動開始以前に定められた予定停止図柄の複数図柄手前の図柄が選択されて切換えられる。
また、時間データ記憶手段に記憶されている識別情報表示単位の時間データは、前記複数種類のうち予め定められた識別情報から何識別情報分隔てられているかによってその時間長さが決められているデータである。このため、前回、停止表示された識別情報の種類にかかわらず、今回の予定停止図柄のみで可変表示制御時間データを生成することができる。
また、本実施の形態においては、可変表示制御がリーチ処理にかかわる場合にのみ、図71に基づいて可変表示制御時間データが生成される。図71のステップF3E6Hにより、可変表示制御がリーチ処理にかかわるものであるか否かを判別するリーチ判別手段が構成されている。
(9) リーチとは、前記可変表示装置の可変表示部により時期を異ならせて複数の表示結果が同一表示されて、その複数の表示結果が予め定められた特定表示態様の組合せになった場合に所定の遊技価値が付与可能となり、前記複数の表示結果が時期を異ならせて同一表示されるものにおいて、前記複数の表示結果のすべてがまだ同一表示されていない段階で、既に同一表示されている表示結果が前記特定表示態様の組合せとなる条件を満たしている状態をいう。
(10) 図5または図6に示す基本回路46により、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。
(11) 本実施の形態では、図31および図32に示すコマンドデータに対応した各画像を指定するデータがLCD表示装置35内に構成されるROM(図示省略)内に記憶されている。前記コマンドデータがLCD回路48を介して基本回路46からLCD表示装置35へ送信されると、LCD表示装置35内のCPU(図示省略)は、前記ROMの制御プログラムに基づいてLCD表示装置35内に構成されているVDP(図示省略)へ画像制御指令信号を送出し、前記VDPは画像制御指令信号に基づいて画像データを生成する。このように、LCD表示装置35により、前記遊技制御手段からの指令信号を受けて、前記可変表示装置を表示制御する可変表示制御手段が構成されている。
(12) LCD表示装置35内に構成されているROMは、一度メモリの記憶がなされれば、その後一切のメモリの書替えのできない、いわゆる安価なマスクROMで構成される場合も考えられる。この場合、たとえば可変表示制御の設計変更のために、遊技制御手段である基本回路46でコマンドデータの変更は行なえても、可変表示制御手段であるLCD表示装置35内に構成されているROMのデータの書替えが行なえないことにより、設計変更が容易ではないという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、図32に示すように、現時点で画像表示制御に使用しないデータを将来の使用を見越して「ダミー」としてLCD表示装置35内のROMに記憶させているので、基本回路46で「ダミー」に対応したコマンドデータを使用することにより、将来の設計変更も容易に行ない得る。したがって、マスクROMを使用したとしても、将来に弾力性のある設計変更が可能となる。
(13) 図5においてLCD回路48からLCD表示装置35に対してコマンド信号CD0〜CD7と初期化信号INTが送信されるか、このコマンド信号および初期化信号により、前記表示結果決定手段により決定された表示結果を特定する表示結果信号が構成されている。
(14) 上記実施の形態には、以下の(14−1)〜(14−3)の発明が含まれる。
(14−1) 打玉が打込まれる遊技領域と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能となる遊技機であって、遊技状態に応じて所定の可変表示条件が成立した場合に、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段と、前記可変表示条件の成立確率を変動調整する表示条件成立確率変動調整手段と、前記可変表示制御手段による可変表示制御時間を変動調整する基準値を記憶しており、その基準値に従って前記可変表示制御時間を変動調整する可変表示制御時間変動調整手段とを含み、該可変表示制御時間変動調整手段は、前記表示条件成立確率変動調整手段による前記可変表示条件の成立確率の調整状態に応じて前記基準値を変動調整し、前記可変表示条件の成立確率が高くなった場合に前記可変表示制御時間を短くする方向に前記基準値が変更されることを特徴とする、遊技機。
かかる発明によれば、可変表示条件の成立確率が高くなった場合に前記可変表示制御時間が短くなる機会を多く付与可能となるように前記可変表示制御時間を変動調整する基準値が変更されるので、可変表示条件の成立確率が低い遊技状態においては前記可変表示制御時間が短くなる機会があまりに多くなりすぎて、可変表示装置が可変表示することにより遊技者に付与される遊技興趣が低下することを防止できながらも、可変表示条件の成立確率が高い遊技状態となった場合には遊技者をあまりに待たせすぎることなく、可変表示
装置の表示結果を導出表示させることができる。
(14−2) 前記遊技機は、予め定められた記憶数の範囲内で前記可変表示条件の成立回数を記憶する手段であって、前記可変表示条件が成立する毎にその成立回数を加算更新するとともに、前記可変表示装置が可変表示制御される毎に前記成立回数を減算更新する可変表示条件成立回数記憶手段を有し、前記可変表示制御時間変動調整手段は、前記可変表示条件成立回数記憶手段の記憶値が前記基準値に相当する値になった場合に、前記可変表示制御時間の変動調整を行なうことを特徴とする、遊技機。
かかる発明によれば、可変表示条件成立回数記憶手段の記憶値が前記基準値に相当する値になった場合に前記可変表示制御時間の変動調整が行なわれるので、前記可変表示条件成立確率が高くなった場合には前記記憶値が比較的小さい値でも前記可変表示条件が短く調整される結果、前記可変表示条件が成立しても前記可変表示条件成立回数記憶手段の記憶値が前記予め定められた記憶数となっているために、該可変表示条件の成立が記憶されることなく無効となってしまうという不都合を極力防止することができる。
(14−3) 前記遊技機は、所定期間内における前記可変表示条件の成立回数を記憶する手段であって、前記所定期間の経過毎に次の所定期間内における前記可変表示条件の成立回数を記憶し直す可変表示条件成立回数記憶手段をさらに有し、前記可変表示制御時間変動調整手段は、前記可変表示条件成立回数記憶手段の記憶値が前記基準値に相当する値になった場合に、前記可変表示制御時間を変動調整することを特徴とする、遊技機。
かかる発明によれば、所定期間内における前記可変表示条件の成立回数が前記基準値と比較されるので、前記可変表示制御時間を変動調整する判断が単位時間当たりの前記可変表示条件の成立回数により行なわれる結果、前記可変表示制御時間がより適正に調整される。
1 遊技盤、4 可変入賞球装置、24 可変表示装置、32 可変表示部、46 基本回路、48 LCD回路、35 LCD表示装置、5 始動口、33 始動記憶LED、3 遊技領域である。