JP2008080622A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一基板に形成された複数の圧電素子と温度検知素子を備え、かつ小型化、コストダウンしたアクチュエータを提供する。
【解決手段】基板の表面に複数の変位素子が設けられ、該変位素子が各々独立して作動するアクチュエータ6と、前記基板に設けられた温度検知素子7と、該アクチュエータ6に接する導電性液体9が満たされる液体加圧室11と、該液体加圧室11に連通する液体吐出口とを具備し、前記基板に設けられた変位素子を変位させ、前記液体加圧室11の容積を増減させるによって前記導電性液体9を前記液体吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記温度検知素子7が前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室11に満たされる前記導電性液体9と、それらに挟まれた圧電体と、で構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】基板の表面に複数の変位素子が設けられ、該変位素子が各々独立して作動するアクチュエータ6と、前記基板に設けられた温度検知素子7と、該アクチュエータ6に接する導電性液体9が満たされる液体加圧室11と、該液体加圧室11に連通する液体吐出口とを具備し、前記基板に設けられた変位素子を変位させ、前記液体加圧室11の容積を増減させるによって前記導電性液体9を前記液体吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記温度検知素子7が前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室11に満たされる前記導電性液体9と、それらに挟まれた圧電体と、で構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料噴射用インジェクタ、インクジェットプリンタ用印刷ヘッド等に好適に用いることができる、液体吐出ヘッドおよびそれを用いた液体吐出装置に関する。
近年、パーソナルコンピューターの普及やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出力する記録装置として、インクジェット方式の記録装置の利用が急速に拡大している。
かかるインクジェット方式の記録装置には、インクジェット記録用の印刷ヘッドが搭載されており、この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒーターを備え、ヒーターによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、インク流として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を圧電素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク流として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
図3(a)に従来のインクジェット方式を利用した記録装置に用いられる印刷ヘッドの一例を示す。インクジェット記録ヘッドは、複数の溝を並設してなり、上記溝をインク加圧室55とすると共に、各溝を仕切る壁を隔壁56とした流路部材57と、圧電セラミックス板51の一方の主面に共通電極52を、他方の主面に個別電極53を形成した圧電素子を有している。圧電素子の共通電極52側を流路部材57の開口部に接着する。なお、圧電素子の個別電極53は、外部の駆動回路に電気的に接続されている。
そして、駆動回路より個別電極53に電圧を印加し、インク流路55を形成する圧電アクチュエータ60の振動版54を振動させることによりインクインク加圧室55内のインクを加圧し、流路部材57の底面に開口させたインク吐出孔58よりインク滴を吐出するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記の圧電アクチュエータ60をX、Y方向それぞれに等間隔で多数並設したインクジェット記録ヘッドにすることにより、高速で、高精度のインクジェットプリンタを実現することが可能である。
また、従来、圧電アクチュエータでは5〜30V程度の電圧で、10k〜30kHz程度の駆動する際に素子が自己発熱し、素子の圧電特性の温度依存性によって電圧−変位特性が変動し、所望の変位量が得られず、そのために、PbZrTiO3系圧電磁器を用いた薄層圧電アクチュエータの変位バラツキを抑制することができないという問題があった。
このため、従来、基板の表面に複数の変位素子が設けられ、該変位素子が各々独立して作動するアクチュエータにおいて、前記基板の内部に温度検知素子が設けて作動中の温度変化の測定を行って変位バラツキを抑制する試みが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
図2(b)では共通電極152と電極102とそれらに挟まれた圧電体または誘電体103により温度検知素子161が構成されている。
特開平10−151739号公報
特開2004−82542号公報
しかしながら、特許文献2に記載のアクチュエータは作動中の内部温度は測定できるものの、温度検知用の圧電セラミックス層および金属電極が必要となり、アクチュエータの製造工程の工数が増加し、コストが高くなるという問題、および、アクチュエータの構造が複雑になり、大型化するという問題があった。
従って、本発明は、同一基板に形成された複数の圧電素子と温度検知素子を備え、かつ小型化、コストダウンしたアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、基板の表面に複数の変位素子が設けられ、各変位素子が独立して作動するアクチュエータと、前記基板に設けられた温度検知素子と、該アクチュエータに接している、導電性液体が満たされる液体加圧室と、該液体加圧室に連通する液体吐出口とを具備し、前記基板に設けられた変位素子を変位させ、前記液体加圧室の容積を増減させることによって前記導電性液体を前記液体吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記温度検知素子が前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室に満たされる前記導電性液体と、それらに挟まれた圧電体とで構成されることを特徴とするものである。
前記変位素子が、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた圧電体からなり、該圧電体の主成分が、前記温度検知素子を構成する圧電体の主成分と略同一であることが好ましい。
前記アクチュエータ全体の厚みが100μm以下であると共に、前記変位素子を構成する圧電体の厚みが30μm以下であることが好ましい。
前記導電性液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることが好ましい。
前記温度検知素子を構成前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室に満たされる前記導電性液体それぞれに電気的に接続された電荷検知装置を備えることが好ましい。
本発明の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに導電性液体を供給する液体タンクと、該液体吐出ヘッドに対して媒体を移動させる媒体搬送機構とを備え、媒体に液体を塗布することを特徴とするものである。
本発明の液体吐出ヘッドは、基板の表面に複数の変位素子が設けられ、各変位素子が独立して作動するアクチュエータと、前記基板に設けられた温度検知素子と、該アクチュエータに接している、導電性液体が満たされる液体加圧室と、該液体加圧室に連通する液体吐出口とを具備し、前記基板に設けられた変位素子を変位させ、前記液体加圧室の容積を増減させることによって前記導電性液体を前記液体吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記温度検知素子が前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室に満たされる前記導電性液体と、それらに挟まれた圧電体と、で構成されることにより、前記基板の両面に金属電極を作製する必要がなく、基板が小型化できると共に、製造工程を簡略化できるので低コストに製造できる。
前記変位素子が、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた圧電体からなり、該圧電体の主成分が、前記温度検知素子を構成する圧電体の主成分と略同一であることにより、プロセス面において工数を低減できるためコストダウン、工程簡略化が可能となる。
前記アクチュエータ全体の厚みが100μm以下であると共に、前記変位素子を構成する圧電体の厚みが30μm以下であることにより、液体吐出ヘッドの小型化が図ることができる
前記導電性液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることにより、前記基板の両面に金属電極を作製する必要がなく、基板が小型化できると共に、製造工程を簡略化できるので低コストに製造できる。
前記導電性液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることにより、前記基板の両面に金属電極を作製する必要がなく、基板が小型化できると共に、製造工程を簡略化できるので低コストに製造できる。
前記温度検知素子を構成する前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室に満たされる前記導電性液体それぞれに電気的に接続された電荷検知装置を備えることにより、前記温度検知素子に生じる焦電荷を測定することができるので、静電容量の測定に比べて温度に対する感度が大きいため精度良く温度を検知でき通常高速駆動させると環境温度が高温になり、圧電アクチュエータの変位が大きくなるので必要以上の吐出性能が出るが所望の吐出性能を確保できるように制御回路を介して駆動回路にフィードバックできるため印加電圧を調整でき、必要以上の電圧は印加されないので安定して駆動できるため、長期的に吐出性能の安定性の高いヘッドを提供することができる。
また、本発明の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに導電性液体を供給する液体タンクと、該液体吐出ヘッドに対して媒体を移動させる媒体搬送機構とを備え、媒体に液体を塗布することにより、プロセス面において工数を低減できるためコストダウン、工程簡略化が可能となる。
本発明を、添付図を用いて説明する。
図1は、インクジェット記録ヘッドに用いられる液体吐出ヘッドの断面図と液体吐出ヘッドに電気的に接続される外部回路を模式的に示したものである。本発明の液体吐出ヘッド3は、支持体1の上に温度検知用板24が接合されている。支持体1には複数の隔壁30により仕切られた複数の液体加圧室11が形成され、各液体加圧室11の底部には液体吐出孔12が形成されいる。
温度検知用板24の表面には圧電セラミックス板26を設け、温度検知用板24と圧電セラミック板26との間に共通電極25を形成すると共に、圧電セラミックス板26の表面に個別電極27を設け、共通電極25と個別電極27とで圧電セラミック板4を狭持する。これらをまとめた、圧電アクチュエータ基板5という。
共通電極25および個別電極27は圧電アクチュエータ基板5上に複数設けられており、それぞれ外部の電子制御回路に独立して接続され、それぞれの電極間に駆動回路3によって電圧が印加されると、電圧が印加された共通電極25と個別電極27に挟持された部位が変位する。
本発明のアクチュエータをインクジェット用の印刷ヘッドに応用すれば、アクチェータ6を振動させることにより液体加圧室11内のインクを加圧し、液体吐出孔12よりインク滴を吐出することができる。
図1においては、上記温度検知素子7は、個別電極27と対応する位置に配置され、変位素子の共通電極25と、液体加圧室11に満たされた導電性液体9と、それらに挟まれた圧電体である温度検知用板24で構成されている。なお、ここでいう導電性液体とは、体積固有抵抗が100Ω・cm以下の液体をいう。
温度検知子7は共通電極25と電気的に接続されたグランド配線32と支持体1に接続された配線1b間の温度が検知できる。温度を検知する方法としては静電容量の温度依存性もしくは焦電荷の温度依存性より検知できる。図2に示すようにあらかじめ室温より温度を変化させて圧電体の特徴である温度変化したときに、電極表面に発生する電荷量を発生電荷測定装置で測定しておけば駆動時の焦電荷の変化より換算して温度を測定することができる。特に焦電型の温度検知素子は高感度であるので焦電荷を検知した方が好ましい。
圧電セラミック板26はペロブスカイト型酸化物を主成分とし、Aサイト構成元素としてPbを含有し、かつ、Bサイト構成元素としてZr、Tiを含有するものである。
さらに、副成分としてPb(Zn1/3Sb2/3)O3およびPb(Ni1/2Te1/2)O3とを固溶してなるものである。
圧電セラミック板26は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックスなどが使用されるが、これに限定するものではなく、圧電性を有するものであればいずれでもよい。この圧電素子を構成するものとしては、圧電定数d31が高いものが望ましい。
特に、ペロブスカイト型酸化物のAサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有することが望ましい。アルカリ土類元素としてはBa、Sr、Caなどがあり、特にBa、Srが高い変位を得られる点で好ましい。
具体的には、Pb1−x―ySrxBay(Zr1/3Sb2/3)a(Ni1/2Te1/2)bZr1−a−b−cTicO3+αwt%Pb1/2NbO3(0≧x≧0.14、0≧y≧0.14、0.05≧a≧0.1、0.002≧b≧0.01、0.44≧c≧0.50、α=0.1〜1.0)で表される組成圧電磁器組成物が望ましい。
本発明の圧電素子26の厚さは、小型化および高い電圧を印加するという点から5μm〜200μmであることが好ましい。5μmより薄いと、磁器の耐電圧強度が小さく使えない。200μmより厚いと変位が小さくなるため使えない。
また、圧電セラミック板26はボイド率が1%以下であることが好ましい。ボイド率が1%より大きいとインクジェット印刷ヘッドとして用いる際、インクの染み込みによる、インク漏れの可能性があるので、好ましくない。また、磁器強度の面でも好ましくない。
共通電極25、個別電極27の材質としては、導電性を有するものならばいずれでも良く、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などが用いられる。
また、電極厚みとしては、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、1〜5μmのものが好ましい。
温度検知用板24は、圧電セラミックス板26と略同一の組成物、略同一形状の圧電セラミック板からなることが好ましい。圧電セラミック板でないと熱変化に伴う焦電荷が発生しなくなり、またできるだけ焦電性の大きい方が温度変化に対して感度がよくなるため、温度検知能力としては良好であるためである。また、誘電率を測定する場合、アクチュエータ以外の部分温度も測定することになるが、印刷休止中に、インクを吐出しないようにアクチュエータを駆動して、温度検知素子に生じる焦電荷を測定することにより、アクチュエータ部分の温度を測定することができる。この方法では、必要に応じて、全アクチュエータを駆動して、全アクチュエータの温度の平均を測定することもできるし、アクチュエータ1つを駆動して、駆動したアクチュエータの温度を測定することもできる。同一組成、形状である方が焼成時の収縮寸法を容易に制御できるためである。このような積層セラミックスからなる温度検知用板24は、圧電セラミックス板26の共通電極25を共通として、他方の主面は液体加圧室11に接しているので、液体加圧室11に満たされた導電性液体9に接している。
また、温度検知用板24の厚みは任意に設定でき、共通電極25と導電性液体9の距離も任意に設定できるが、静電容量または焦電荷の温度依存性を顕著に検知するには厚みは薄い方がよいため3〜30μm、特に5〜20μmであることが好ましい。
支持体1と圧電アクチュエータ6とは、例えば接着剤の層(図示せず)を介して接着して一体化することができる。支持体1の材質としては剛性の高い金属が好ましく、圧電セラミック板との熱膨張係数が近い材質が好ましい。特にSUS316、SUS430、42合金などが好ましい。接着剤としては、従来公知の種々の接着剤が挙げられるが、液体吐出ヘッドの耐熱性や、導電性液体9に対する耐性を向上することを考慮すると、熱硬化温度が100〜250℃であるエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の、熱硬化性の接着剤を使用するのが好ましい。これら接着剤の層を介して、支持体1と圧電アクチュエータ2とを積層して、接着剤の熱硬化温度まで加熱することによって、性液体吐出ヘッドが製造される。
以上のような液体吐出ヘッドの液体加圧室11に導電性液体9を供給する液体タンクと、媒体に印刷するための媒体搬送機構を加えることにより液体吐出装置を構成できる。
(圧電アクチュエータの作製)
粒径0.5〜3.0μmのチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック粉体に対して、アクリル系樹脂エマルションと、純水とを配合し、平均粒径10mmのナイロンボールと共に、ボールミルを用いて30時間、混合してスラリーを調製した。
粒径0.5〜3.0μmのチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック粉体に対して、アクリル系樹脂エマルションと、純水とを配合し、平均粒径10mmのナイロンボールと共に、ボールミルを用いて30時間、混合してスラリーを調製した。
次に、このスラリーを用いて、引き上げ法によって、厚み30μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、圧電セラミック層24、26のもとになる、厚み35〜37μmのグリーンシートを形成した。
次に、このグリーンシートを、PETフィルムと共に、縦50mm×横50mmの正方形に裁断したものを2枚用意し、そのうち、温度検知用板24のもとになる1枚のグリーンシートの、露出した表面のほぼ全面に、共通電極25のもとになる金属ペーストを、スクリーン印刷法によって印刷した後、2枚のグリーンシートを、乾燥機を用いて、50℃で20分間、乾燥させた。なお、金属ペーストとしては、共に平均粒径が2〜4μmである銀粉末とパラジウム粉末とを、重量比で7:3の割合で配合したものを用いた。また、圧電セラミック板26のもとになる1枚のグリーンシートには、共通電極25への配線のためのスルーホール26aをパンチング加工して形成した。
次に、乾燥させた2枚のグリーンシートからPETフィルムを剥離して、2枚のグリーンシートを、図1の順に位置合わせしながら重ね合わせた後、その厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、60℃で60秒間、保持して熱圧着させ、続いて、スルーホールに、上記と同じ金属ペーストを充てんして積層体を作製した。
次に、この積層体を、乾燥機中で、100℃から昇温を開始して、毎時8℃の昇温速度で、25時間かけて300℃まで昇温させて脱脂した後、室温まで冷却した。そして、さらに焼成炉中で、ピーク温度1100℃で2時間、焼成して、温度検知用板24、共通電極25、圧電セラミックス板26の積層体を得た。温度検知用板層24および圧電セラミックス板26の厚みは、いずれも20μmであった。その際、前記積層体を部分安定化ZrO2のセッターの中に充填して密閉して焼成を行った。
次に、上記積層体のうち、圧電セラミックス板26の、露出した表面に、スクリーン印刷法によって、前記と同じ金属ペーストを用いて、複数個の個別電極27と、ランド電極25bに対応するパターンを印刷し、ピーク温度850℃で30分間かけて連続炉中を通過させることで、金属ペーストを焼き付けて、複数個の個別電極27と、ランド電極25bとを形成した後、積層体を、ダイシングソーを用いて周辺をカットして、外形を、縦33mm×横12mmの長方形に揃えた。個別電極層27のパターンは、254μmピッチで1列あたり90個の個別電極層27を、上記長方形の長さ方向に沿って2列、配列した。以上のようにして、圧電アクチュエータ基板5を作成した。
(液体吐出ヘッドの製造)
厚み100μmのステンレス箔を、金型プレスを用いて打ち抜き加工して、長さ2mm×幅0.18mmの液体加圧室11が、前記個別電極27の形成ピッチに合わせて、90個ずつ2列に配列された第1基板を作製した。また、厚み100μmのステンレス箔を、同じく金型プレスを用いて打ち抜き加工して、インクジェットプリンタのインク補給部から、各液体加圧室にインクを供給するための共通供給路と、液体加圧室11と液体吐出孔12とを繋ぐ流路とが、液体加圧室11の配列に対応させて配列された第2基板を作製した。さらに、厚み40μmのステンレス箔をエッチング加工して、液体吐出孔12が、液体加圧室11の配列に対応させて配列された第3基板を作製した。
厚み100μmのステンレス箔を、金型プレスを用いて打ち抜き加工して、長さ2mm×幅0.18mmの液体加圧室11が、前記個別電極27の形成ピッチに合わせて、90個ずつ2列に配列された第1基板を作製した。また、厚み100μmのステンレス箔を、同じく金型プレスを用いて打ち抜き加工して、インクジェットプリンタのインク補給部から、各液体加圧室にインクを供給するための共通供給路と、液体加圧室11と液体吐出孔12とを繋ぐ流路とが、液体加圧室11の配列に対応させて配列された第2基板を作製した。さらに、厚み40μmのステンレス箔をエッチング加工して、液体吐出孔12が、液体加圧室11の配列に対応させて配列された第3基板を作製した。
そして、上記第1〜第3基板を、接着剤を用いて貼り合わせて支持体1を作製し、この支持体1と、先に作成した圧電アクチュエータ基板5とを、接着剤を用いて貼り合わせた後、圧電アクチュエータ2の表面側において、各個別電極層27のランド電極27bと、ランド電極25aの表面に、それぞれ予備はんだ層52、53を形成した上に、駆動回路3に接続したフレキシブル基板の端子部を接合して、圧電インクジェットヘッドを製造した。
また、温度検知用となる共通電極24と支持体1に接地された導線1bは圧電セラミック24の焦電荷を検知できるよう焦電荷測定装置に電気的に接続した。このとき液体加圧室11の内部には導電性のインクが封入されており、支持体1とは電気的に導通している。
得られたインクジェットヘッドに20Vの直流電界を印加した結果、個々の変位素子は平均70nmの変位量が得られた。さらにこのアクチュエータに0〜20Vの交流電界を周波数10kHzで印加した結果、駆動回数100万回までに温度検知素子により焦電荷を測定したところ、3.5pCの電荷が発生し、あらかじめ測定しておいた温度検知素子の発生電荷から変位素子の内部温度がΔTで30℃の温度上昇していることがわかった。その時の平均変位は100nmであった。
そこで、温度検知素子から発生電荷を検知して制御回路を介して駆動回路へ印加電圧を可変にしたところ変位量70±3nmと所望の変位量へ調整することができた。
上記温度検知素子を制御回路を介して駆動回路と継続して駆動回数100億回までインクジェットヘッドを安定して駆動させることを確認し、長期信頼性を有していることを確認した。
なお、変位量の測定はレーザードップラー変位計によりヘッド溝部の中心部および周辺部7点を測定して算出した。
比較例:
実施例1と同様にして、インクジェットヘッドを作製し、得られたインクジェットヘッドに0〜20Vの交流電界を周波数10kHzで印加した結果、実施例同様、あらかじめ測定しておいた温度検知素子の発生電荷から変位素子の内部温度がΔTで30℃の温度上昇していることがわかった。ただし、駆動回路への印加電圧は可変せずに、駆動させたところ、そのときの平均変位は100nmであった。
実施例1と同様にして、インクジェットヘッドを作製し、得られたインクジェットヘッドに0〜20Vの交流電界を周波数10kHzで印加した結果、実施例同様、あらかじめ測定しておいた温度検知素子の発生電荷から変位素子の内部温度がΔTで30℃の温度上昇していることがわかった。ただし、駆動回路への印加電圧は可変せずに、駆動させたところ、そのときの平均変位は100nmであった。
そこで、上記温度検知素子を用いた制御を行なわずに駆動50億回までインクジェットヘッドを駆動させた後、変位素子の変位を測定した結果、平均変位53nmとなり、変化率25%で変位特性が低下していることを確認した。
本発明では、前記温度検知素子を構成する一対の電極の一方が前記変位素子を構成する電極であり、他方が前記導電性液体であるため、従来のように両面に金属電極を作製する工程がなくなり、小型化ができ、および製造工程おいてもコスト面でも簡略化できる。
また、前記変位素子が、一対の電極と、該電極に挟まれた圧電体からなり、該圧電体の主成分が、前記温度検知素子を構成する圧電体の主成分と略同一であることを特徴とする液体吐出ヘッドであるため、製造工程において同一プロセスで製造できるので量産性、コストの面で簡略化できる。
さらに、前記アクチュエータ全体の厚みが100μm以下であると共に、前記変位素子を構成する圧電体の厚みが30μm以下であることを特徴とする液体吐出ヘッドであるため、ヘッドとして特許文献1、2に比べて小型化が図ることができる。
さらに、前記温度検知素子は、温度検出手段として焦電荷を測定するため、高速応答性や高感度の評価が可能となるため、精度良く温度を検知でき、所望の吐出性能を確保できるように制御回路を介して駆動回路にフィードバックできるため印加電圧を調整でき、環境温度が変化しても安定して駆動できるため、長期的信頼性の高いヘッドを提供することができる。
1・・・支持体
5・・・圧電アクチュエータ基板
6・・・アクチュエータ
7・・・温度検知素子
9・・・導電性液体
11・・・液体加圧室
12・・・液体吐出孔
24・・・圧電セラミック板
25・・・共通電極
26・・・温度検知用板
27・・・個別電極
30・・・隔壁
5・・・圧電アクチュエータ基板
6・・・アクチュエータ
7・・・温度検知素子
9・・・導電性液体
11・・・液体加圧室
12・・・液体吐出孔
24・・・圧電セラミック板
25・・・共通電極
26・・・温度検知用板
27・・・個別電極
30・・・隔壁
Claims (6)
- 基板の表面に複数の変位素子が設けられ、各変位素子が独立して作動するアクチュエータと、前記基板に設けられた温度検知素子と、該アクチュエータに接している、導電性液体が満たされる液体加圧室と、該液体加圧室に連通する液体吐出口とを具備し、前記基板に設けられた変位素子を変位させ、前記液体加圧室の容積を増減させることによって前記導電性液体を前記液体吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記温度検知素子が前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室に満たされる前記導電性液体と、それらに挟まれた圧電体とで構成されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 前記変位素子が、一対の電極と、該一対の電極に挟まれた圧電体からなり、該圧電体の主成分が、前記温度検知素子を構成する圧電体の主成分と略同一であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
- 前記アクチュエータ全体の厚みが100μm以下であると共に、前記変位素子を構成する圧電体の厚みが30μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の液体吐出ヘッド。
- 前記導電性液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記温度検知素子を構成する前記変位素子を構成する電極と、前記液体加圧室に満たされる前記導電性液体それぞれに電気的に接続された電荷検知装置を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1〜5記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに導電性液体を供給する液体タンクと、該液体吐出ヘッドに対して媒体を移動させる媒体搬送機構とを備え、媒体に液体を塗布することを特徴とする液体吐出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012091509A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Brother Industries Ltd | インクカートリッジ及び記録装置 |
US9259927B2 (en) | 2014-03-18 | 2016-02-16 | Ricoh Company, Ltd. | Liquid discharge head, image forming apparatus, and method for manufacturing liquid discharge head |
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-
2006
- 2006-09-27 JP JP2006262523A patent/JP2008080622A/ja active Pending
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US11454869B2 (en) | 2018-11-30 | 2022-09-27 | Canon Kabushiki Kaisha | Vibration actuator, camera platform, and electronic apparatus |
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