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JP2008078844A - ノイズフィルタ - Google Patents

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Yuichi Anzai
裕一 安西
Yoshinori Ishida
吉紀 石田
Toshihiro Kuroshima
敏浩 黒嶋
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Abstract

【課題】電源品質を十分に高めることが可能なノイズフィルタを提供する。
【解決手段】一対の電源ライン間に接続されたXコンデンサ110と、一対の電源ラインとグランド電位間にそれぞれ接続されたYコンデンサ121,122と、一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイル130と、コモンモードチョークコイル130とXコンデンサ110及びYコンデンサ121,122との間の磁気干渉を抑制する磁気シールド140とを備える。本発明によれば、ノイズフィルタの内部で生じる磁気干渉が磁気シールド140によって抑制されることから、フィルタリング後の電源品質を高めることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はノイズフィルタに関し、特に、電子機器などの電力供給部に用いることが好適な電源用のノイズフィルタに関する。
家電製品やコンピュータなどの電子機器には、インレットと呼ばれる電力供給部が設けられている。インレットは、商用電源のアウトレット(コンセント)に接続するためのコネクタであり、インレットとアウトレットを接続することによって、電子機器に設けられている電源回路に電力が供給され、これにより内部回路を動作させることが可能となる。
しかしながら、外部から供給される電源には各種のノイズが重畳しており、また、当該電子機器自体も電源ノイズの発生源となることから、インレットの近傍にはノイズフィルタが設けられることが多い。インレットの近傍にはノイズフィルタが設ければ、電源回路に供給する電源の品質が高められることから、内部回路の誤動作などを抑制することが可能となる。また、他の電子機器の誤動作を抑制することも可能となる。
この種のノイズフィルタとしては、特許文献1〜3に記載されたノイズフィルタが知られている。これら特許文献1〜3に記載されたノイズフィルタは、いずれもXコンデンサ、Yコンデンサ及びコモンモードチョークコイルによって構成されている。ここで、Xコンデンサとは、一対の電源ライン間に接続されるコンデンサであり、Yコンデンサとは、一対の電源ラインとグランド電位間にそれぞれ接続されるコンデンサである。また、コモンモードチョークコイルは、これら一対の電源ラインの所定の位置に挿入される。
このような構成を有するノイズフィルタは、各種電子機器によって発せられる外来ノイズの影響を受けることがある。外来ノイズの影響を受けると、フィルタリング後の電源品質が低下するおそれがあることから、ノイズフィルタ全体をシールドすることによって外来ノイズを遮断することが望ましい。
実開平5−53233号公報 特開平7−272942号公報 特開平10−41165号公報
しかしながら、ノイズフィルタ全体をシールドするだけでは、フィルタリング後の電源品質を十分に高めることができないケースがあった。本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであって、電源用のノイズフィルタの性能を高めることを目的とする。
本発明らは、ノイズフィルタ全体をシールドするだけでは不十分である理由について鋭意研究を重ねた結果、ノイズフィルタを構成する電気部品間において磁気干渉が生じていることを突き止めた。
本発明は、このような技術的知見に基づきなされたものであって、本発明によるノイズフィルタは、一対の電源ラインと、前記一対の電源ライン間に接続されたXコンデンサと、前記一対の電源ラインとグランド電位間にそれぞれ接続されたYコンデンサと、前記一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイルと、前記コモンモードチョークコイルと前記Xコンデンサ及び前記Yコンデンサの少なくとも一方との間の磁気干渉を抑制する磁気シールドとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ノイズフィルタの内部で生じる磁気干渉が磁気シールドによって抑制されることから、フィルタリング後の電源品質を高めることが可能となる。
磁気シールドは、Xコンデンサ及びYコンデンサの少なくとも一方を収容することなく、コモンモードチョークコイルを収容するケース状部材であることが好ましい。さらに、磁気シールドは、Xコンデンサ及びYコンデンサのいずれも収容することなく、コモンモードチョークコイルのみを収容するケース状部材であることがより好ましい。これによれば、Xコンデンサ及びYコンデンサがコモンモードチョークコイルに与える影響を効果的に低減することが可能となる。
また、磁気シールドは、磁性材料を含有する樹脂によって構成されることが好ましい。このような材料は、金属に比べて電磁波を遮断する効果が高く、しかも金属よりも軽量であることから、ノイズフィルタの内部で生じる磁気干渉をより効果的に抑制することが可能となる。
本発明によるノイズフィルタは、Xコンデンサ、Yコンデンサ及びコモンモードチョークコイルを収容する金属ケースをさらに備えることが好ましい。これによれば、ノイズフィルタの内部で生じる磁気干渉だけでなく、外部から侵入するノイズについても遮断することが可能となる。
このように、本発明によれば、ノイズフィルタの内部で生じる磁気干渉が磁気シールドによって抑制されることから、フィルタリング後の電源品質を高めることが可能となる。したがって、本発明によるノイズフィルタを電子機器のインレットに使用すれば、電子機器の誤動作などを防止することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の好ましい第1の実施形態によるノイズフィルタ100の構成を示す略平面図及び略斜視図であり、図1及び図2とも、(a)は磁気シールドの蓋を装着した状態、(b)は磁気シールドの蓋を外した状態を示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態によるノイズフィルタ100は、Xコンデンサ110、Yコンデンサ121,122及びコモンモードチョークコイル130を有し、これらが金属ケース190に収容された構造を有している。本実施形態では、金属ケース190内にケース状の磁気シールド140が設けられており、この磁気シールド140内にコモンモードチョークコイル130のみが収容されている。つまり、磁気シールド140は、Xコンデンサ110及びYコンデンサ121,122をいずれも収容することなく、コモンモードチョークコイル130のみを収容している。
磁気シールド140の材料については、シールド効果を有する材料であれば特に限定されないが、フェライトなどの磁性材料を含有する樹脂又は金属を用いることが好ましい。高いシールド効果を得るためには、フェライトなどの磁性材料を含有する樹脂を用いることがより好ましい。また、フェライトなどの磁性材料を含有する樹脂は絶縁性を有していることから、部品間の絶縁が確保され、ショート不良の発生を防止することも可能となる。
図3は、本実施形態によるノイズフィルタ100の回路図である。
図3に示すように、本実施形態によるノイズフィルタ100は、3つの入力端子151〜153と、2つの出力端子161,162を有している。一対の入力端子151,152はアウトレットに接続され、一対の出力端子161,162は、当該ノイズフィルタ100を使用する電子機器の電源回路又は内部回路に接続される。つまり、本実施形態によるノイズフィルタ100はインレットを兼用しており、図2に示すキャビティ部154に電源プラグを差し込むことによって電力供給を行うことができる。尚、3つ目の入力端子153にはグランド電位が供給される。
ここで、入力端子151及び出力端子161を接続する配線と、入力端子152及び出力端子162を接続する配線とは、一対の電源ラインを構成する。そして、このような一対の電源ライン間にXコンデンサ110が接続され、一対の電源ラインと入力端子153との間にYコンデンサ121,122がそれぞれ接続される。また、コモンモードチョークコイル130は、一対の電源ラインに挿入される。
このような回路構成を有するノイズフィルタ100は、図1及び図2に示すように、全体が金属ケース190に収容されるとともに、コモンモードチョークコイル130だけがさらに磁気シールド140に収容される。つまり、コモンモードチョークコイル130については、2重の磁気シールドがされた状態となっている。尚、図1及び図2に示すように、本実施形態によるノイズフィルタ100では、トロイダル型のコモンモードチョークコイル130を用いているが、コモンモードチョークコイル130の構造がこれに限定されるものではない。
以上が本実施形態によるノイズフィルタ100の構造である。このように、本実施形態によるノイズフィルタ100では、コモンモードチョークコイル130が磁気シールド140に収容されていることから、コモンモードチョークコイル130とXコンデンサ110及びYコンデンサ121,122との間の磁気干渉が抑制される。つまり、外来ノイズのみならず、ノイズフィルタ100を構成する電気部品間における干渉が抑制されることから、フィルタリング後の電源品質を高めることが可能となる。したがって、本実施形態によるノイズフィルタ100を電子機器のインレットに使用すれば、電子機器の誤動作などを防止することが可能となる。
次に本発明の好ましい第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の好ましい第2の実施形態によるノイズフィルタ200の構成を示す略平面図であり、(a)は磁気シールドの蓋を装着した状態、(b)は磁気シールドの蓋を外した状態を示している。また、図5は、本実施形態によるノイズフィルタ200の回路図である。
本実施形態によるノイズフィルタ200は、磁気シールド240内にコモンモードチョークコイル130のみならず、Xコンデンサ110もまとめて収容されている点において、上記実施形態によるノイズフィルタ100と相違する。その他の点については上記実施形態によるノイズフィルタ100と同一であることから、同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態によるノイズフィルタ200では、磁気シールド240がXコンデンサ110とコモンモードチョークコイル130の両方を収容していることから、これらの間の磁気干渉を抑制する効果は得られないが、外部から見てXコンデンサ110が2重にシールドされることになるため、外来ノイズに対する高いシールド効果を得ることが可能となる。また、スペース上の問題でコモンモードチョークコイル130のみを収容する磁気シールドを配置できない場合にも、本実施形態は有効である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、本発明によるノイズフィルタを電子機器などの電力供給部に適用した例について説明したが、本発明によるノイズフィルタの適用範囲についてはこれに限定されるものではない。したがって、例えば、本発明によるノイズフィルタを商用電源のアウトレット側に使用することも可能である。
また、上記実施形態では、磁気シールドとしてケース状部材を用いているが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば、磁性材料を含むモールド樹脂を磁気シールドとして用いても構わない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
まず、図1〜図3に示したノイズフィルタ100と同じ構成を有する実施例1のノイズフィルタを作製した。Xコンデンサの容量については0.47μFに設定し、2つのYコンデンサの容量についてはいずれも470pFに設定した。また、コモンモードチョークコイルのインダクタンスについては3mHに設定した。磁気シールドの材料としては、フェライトを含有する樹脂を用いた。
また、図4及び図5に示したノイズフィルタ200と同じ構成を有する実施例2のノイズフィルタを作製した。Xコンデンサ及びYコンデンサの容量や、コモンモードチョークコイルのインダクタンスについては、実施例1と同じ値に設定した。磁気シールドの材料についても、実施例1と同様、フェライトを含有する樹脂を用いた。
さらに、磁気シールドの材料として金属を用いた他は、実施例2と同じ構成を有する実施例3のノイズフィルタを作製した。
さらに、磁気シールドを削除した他は、実施例1〜3と同じ構成を有する比較例のノイズフィルタを作製した。
次に、実施例1〜3及び比較例のノイズフィルタを商用電源のアウトレットと電子機器との間に接続し、電波暗室内で150KHz〜30MHz帯の電源ノイズを測定した。電子機器としてはプラズマディスプレイを用いた。実施例1〜3及び比較例についての測定結果をそれぞれ図6〜図9に示す。
図6〜図9に示すように、比較例のノイズフィルタを用いた場合に比べ、実施例1〜3のノイズフィルタを用いた場合、電源のノイズレベルが低くなることが確認された。その効果は、実施例1のノイズフィルタにおいて最も顕著であり、特に低周波帯におけるノイズレベルの改善が顕著であった。
本発明の好ましい第1の実施形態によるノイズフィルタ100の構成を示す略平面図であり、(a)は磁気シールドの蓋を装着した状態、(b)は磁気シールドの蓋を外した状態を示している。 本発明の好ましい第1の実施形態によるノイズフィルタ100の構成を示す略斜視図であり、(a)は磁気シールドの蓋を装着した状態、(b)は磁気シールドの蓋を外した状態を示している。 ノイズフィルタ100の回路図である。 本発明の好ましい第2の実施形態によるノイズフィルタ200の構成を示す略平面図であり、(a)は磁気シールドの蓋を装着した状態、(b)は磁気シールドの蓋を外した状態を示している。 ノイズフィルタ200の回路図である。 実施例1のノイズフィルタについての電源ノイズの測定結果を示すグラフである。 実施例2のノイズフィルタについての電源ノイズの測定結果を示すグラフである。 実施例3のノイズフィルタについての電源ノイズの測定結果を示すグラフである。 比較例のノイズフィルタについての電源ノイズの測定結果を示すグラフである。
符号の説明
100,200 ノイズフィルタ
110 Xコンデンサ
121,122 Yコンデンサ
130 コモンモードチョークコイル
140,240 磁気シールド
151〜153 入力端子
154 キャビティ部
161,162 出力端子
190 金属ケース

Claims (5)

  1. 一対の電源ラインと、前記一対の電源ライン間に接続されたXコンデンサと、前記一対の電源ラインとグランド電位間にそれぞれ接続されたYコンデンサと、前記一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイルと、前記コモンモードチョークコイルと前記Xコンデンサ及び前記Yコンデンサの少なくとも一方との間の磁気干渉を抑制する磁気シールドとを備えることを特徴とするノイズフィルタ。
  2. 前記磁気シールドは、前記Xコンデンサ及び前記Yコンデンサの少なくとも一方を収容することなく、前記コモンモードチョークコイルを収容するケース状部材であることを特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 前記磁気シールドは、前記Xコンデンサ及び前記Yコンデンサのいずれも収容することなく、前記コモンモードチョークコイルのみを収容するケース状部材であることを特徴とする請求項2に記載のノイズフィルタ。
  4. 前記磁気シールドは、磁性材料を含有する樹脂によって構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のノイズフィルタ。
  5. 前記Xコンデンサ、前記Yコンデンサ及び前記コモンモードチョークコイルを収容する金属ケースをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のノイズフィルタ。
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