JP2008074408A - プラスチックシート及びキャリアテープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ABS樹脂100重量部に対し、AS樹脂及び/又はMS樹脂を1〜20重量部含む樹脂組成物を基材層とし、該基材層の少なくとも片面に導電層を積層した薄肉のプラスチックシートを熱成形されたキャリアテープは、そのポケットに収納した電子部品を包装し、保管でき、回路基板に実装するときに、変形等がなく搬送できる。
【選択図】なし
Description
最近、コスト低減の面からキャリアテープ成形用のプラスチックシートに対して薄肉化が求められるとともに、薄肉化したプラスチックシートから成形されたキャリアテープが破断や変形等を生じることなく、そのポケット部に収納した電子部品を保護して、保管できることが要求されている。
又、電子部品を回路基板に実装する速度を高める要求に対応して、電子部品を収納したキャリアテープが装着機のテープフィーダでピッチ送りされ、移載ヘッドで収納された電子部品をピックアップして取り出す搬送工程において、該キャリアテープの詰まり、変形、折り曲げ、破断等が極力少ないことが求められている。
又、キャリアテープの包装容器であるポケットの肉厚が均一であり、そのポケットコーナー部がきちんと成形されていること、プラスチックシートをテープ状にスリット加工するときや、穴打抜き加工するときにその端面にヒゲ、バリの発生がなく、良好な成型加工性と打抜き加工性を有する必要がある。
さらに、プラスチックシートは、キャリアテープに熱成形加工するとき切断や割れがないこと、穴打抜き加工をするとき切断、クラックの発生等の事故を生じないことが必要である。すなわち、プラスチックシートは、ある一定水準の機械的強度、耐衝撃性、耐折曲強度及び、成型加工性を有する必要がある。
又、ABS樹脂やポリスチレン系樹脂の基材層の両面に、耐衝撃性ポリスチレン樹脂にカーボンブラックを分散した導電層を積層した、薄肉のキャリアテープにおいても同様の更なる機械的強度が求められている。
これらの問題を解決するため、例えば、特許文献1には、メタクリル酸メチル重合体若しくはエチレンとメタクリル酸メチル共重合体を含有するポリスチレン系樹脂からなるシート基材の片面若しくは両面に、カーボンブラックを含むポリスチレン系樹脂を積層した導電性複合プラスチックシートが提案されているが、そのシートより成形されるキャリアテープは、搬送において変形等が発生する場合がある。
さらに、本発明は、ABS樹脂100重量部に対し、AS樹脂及び/又はMS樹脂を1〜20重量部含む樹脂組成物を基材層とし、該基材層の少なくとも片面に導電層を積層したプラスチックシートから成形されたことを特徴とするキャリアテープである。
さらに、穴打抜き加工においてヒゲ、バリの発生が少なく、切断、クラックの発生がなく、キャリアテープの熱成形においてシールに割れ等の発生がなく、ポケットを肉厚が均一で、そのコーナー部がきちんと成形されたキャリアテープを成形できる。
本発明のプラスチックシートの基材層は、ABS樹脂100重量部に対し、AS樹脂及び/またはMS樹脂を1〜20重量部含む樹脂組成物からなる。
ABS樹脂はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンの3成分を主体とした共重合体を主成分とするものをいう。
AS樹脂は、アクリロニトリル−スチレンの2成分を主体とした共重合体を主成分とするものをいう。MS樹脂は、メタクリレート−スチレンの2成分を主体とした共重合体を主成分とするものをいう。
AS樹脂及び/又はMS樹脂が、ABS樹脂100重量部に対し1重量部未満の場合、高い機械的強度を有するプラスチックシートが得られず、薄肉化したシートから成形されたキャリアテープは、変形し、折曲り、破断等が発生しやすくなる。
AS樹脂及び/又はMS樹脂がABS樹脂100重量部に対し、20重量部を超える場合は、高い耐衝撃性を有するプラスチックシートが得られず、スリット加工や穴打抜き加工時にヒゲ、バリの発生があり、割れ等が発生し易くなる。又、シートから成形されたキャリアテープは、収納したIC又は電子部品を保管、搬送時に破断や割れ等が発生し易くなる。
プラスチックシートは、通常、厚みの大部分を占める基材層に機械的強度、耐衝撃性、耐折曲強等の物性を持たせることができ、導電層に基材層に要求される物性をそれほど強く要求されなくても良い場合がある。
本発明の樹脂組成物及び導電性組成物に対して、必要に応じて組成物の流動特性、及び成形品の力学特性を改善するために、滑剤、可塑剤、加工助剤、補強助剤等の各種の添加剤や他の樹脂成分を添加することができる。
得られた基材層の少なくとも片面に、導電性塗料を塗工して導電層を得ることもできる。樹脂分としては、特に制限はなく、一般的なもの、例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂等が用いられる。
導電層の厚さは、3〜50μmが好ましい。50μmを超えてもそれに相応した効果の向上が得られず、経済的でなく、3μm未満では充分な帯電防止効果が得られない。
電子部品を回路基板に実装するときに、例えば、装着機のテープフィーダにキャリアテープを巻き取ったリールを設置し、テープフィーダのスプロケット部材の搬送爪をキャリアテープの送り穴に係合させ、スプロケット部材を間欠回転させることにより、キャリアテープは順々に送り出されながらカバーテープが剥離される。そして、電子部品はテープフィーダの移載ヘッドで吸着、ピックアップされ、回路基板に配置され、実装される。
キャリアテープを搬送するとき、特にキャリアテープ厚みが薄い場合、キャリアテープは真直ぐに押出されず、変形し、折曲ったり、破断等が生じ易くなる。
基材層の原料であるABS樹脂(商品名「ET−70」、日本エイアンドエル(株)製)100重量部とAS樹脂(商品名「200PC」、日本エイアンドエル(株)製)10重量部、及び導電層の原料であるポリスチレン樹脂(商品名「H430」、日本ポリスチレン(株)製)100重量部とカーボンブラック20重量部を、Tダイを用いフィードブロック法により共押出し成形し、厚さ0.20mmの基材層の両面に、厚さが各々25μmの導電層を積層し、薄肉化された総厚さ0.25mm、幅640mmのシートを得た。
シートの曲げ弾性率は、2200MPa(測定方法はISO 178による。)であリ、表面抵抗値は2×105Ω(測定方法はJIS K6991よる。)であった。
キャリアテープに真空成形されたポケットの肉厚は均一であり、そのコーナー部がきちんと成形された状態であり、テープの成形の際にテープの割れもなくシートの成形加工性及び切削加工性は良好であった。
キャリアテープをリールに巻き取るとき、変形、折曲がり、破断等の発生は認められなかった。
基材層の原料がAS樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして同じ幅、厚みのシート及び同じ形状、寸法のキャリアテープを得た。
シートの曲げ弾性率は、1860MPa(測定方法はISO 178による。)であリ、表面抵抗値は2×105Ω(測定方法はJIS K6991よる。)であった。
キャリアテープに真空成形されたポケットの肉厚は均一であり、そのコーナー部がきちんと成形された状態であり、テープの成形の際にテープの割れもなくシートの成形加工性及び切削加工性は良好であった。
しかし、実施例1と同じ条件でキャリアテープをリールに巻き取るとき、変形が発生した。
Claims (2)
- ABS樹脂100重量部に対し、AS樹脂及び/又はMS樹脂を1〜20重量部含む樹脂組成物を基材層とし、該基材層の少なくとも片面に導電層を積層したことを特徴とする電子部品包装用プラスチックシート。
- ABS樹脂100重量部に対し、AS樹脂及び/又はMS樹脂を1〜20重量部含む樹脂組成物を基材層とし、該基材層の少なくとも片面に導電層を積層したプラスチックシートから成形されたことを特徴とするキャリアテープ。
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