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JP2008070698A - 表示装置 - Google Patents

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JP2008070698A JP2006250435A JP2006250435A JP2008070698A JP 2008070698 A JP2008070698 A JP 2008070698A JP 2006250435 A JP2006250435 A JP 2006250435A JP 2006250435 A JP2006250435 A JP 2006250435A JP 2008070698 A JP2008070698 A JP 2008070698A
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Abstract

【課題】高い装飾効果を奏する表示装置を提供すること。
【解決手段】前方に光を発する発光手段と、発光手段の前方に配置され、発光手段の光を受けて所望の形状(第1形状)を立体的に発光表示するとともに、発光手段の光の一部を透過するシート状表示体と、シート状表示体の前方に配置される透光層と、シート状表示体を透過した光の少なくとも一部を制御することによって、透光層から前方に射出する光の態様に変化を生じさせて所望の形状(第2形状)を表示する光制御手段と、を備える表示装置が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、所望の形状(文字、数字など)を発光表示する表示装置に関する。本発明の表示装置は例えば車両の装飾(例えば自動車スカッフプレート部の装飾、車両室内天井の装飾)、建物の装飾(例えば家屋の表札の装飾、家屋やビルディング内の天井の装飾)に利用される。
文字等を発光表示することによって装飾効果を得る、自動車用のスカッフプレート装置が実用化されている。従来の透過型発光式のスカッフプレート装置100の一例を図7に示す。スカッフプレート装置100では導光板102の上に所望の文字等の形状を打ち抜いた文字板101(例えばアルミ板)が積み重ねられる。導光板102の裏面には白色印刷が施されている。導光板102の端面に対向する位置には光源103が配置される。このようなスカッフプレート装置100では光源103が点灯すると、導光板102の端面を介して導光板102内に光が導入される。導入された光は導光板102の裏面側で反射作用を受け、これによって導光板102の上面方向の光が生成する。その結果、導光板102の上面から光が放出される。放出された光は文字板101に至り、その一部は文字板101に形成された打ち抜き部を介して外部に取り出される。以上の作用によって所定の文字等が発光表示される。以上の構成の他、様々な工夫を凝らした表示装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特開2002−279817号公報 特開2005−221661号公報 特開2006−062431号公報
以上の従来型のスカッフプレート装置では文字等が発光表示されることで一定の装飾効果が得られるものの、平面的な光り方となることから装飾効果が十分に高いとはいえない。また、高級感にも欠ける。文字板を厚くすることである程度の立体感を出すことは可能であるが、文字板の厚さ分の立体感が得られるのが限度である。また、文字板を厚くすることによって得られる発光像は単純的な立体感を伴うものにすぎない。このように、文字板を厚くするという手段では装飾効果の飛躍的な向上は期待できない。また、文字板の厚さは装置全体の厚さに直結することから、装置のデザイン等の制約上、文字板を厚くすることには限界がある。
本発明は以上の課題に鑑み、以下の構成からなる表示装置を提供する。即ち本発明は、
前方に光を発する発光手段と、
前記発光手段の前方に配置され、前記発光手段の光を受けて所望の形状(第1形状)を立体的に発光表示するとともに、前記発光手段の光の一部を透過するシート状表示体と、
前記シート状表示体の前方に配置される透光層と、
前記シート状表示体を透過した光の少なくとも一部を制御することによって、前記透光層から前方に射出する光の態様に変化を生じさせて所望の形状(第2形状)を表示する光制御手段と、
を備える表示装置である。
以上の構成の表示装置では発光手段の光を利用して第1シート状表示体が所望の形状(第1形状)を立体表示するとともに、その前方(手前方向)において光制御手段が所望の形状(第2形状)を表示する。換言すれば、第2形状の奥に第1形状が距離を置いて観察されることになる。第1形状及び第2形状は相互に比較対象となり、これによって高い立体感ないし奥行き感が得られる。また、第1形状が立体表示されることによって、立体感に富み且つ趣向を凝らした意匠が構築される。これによって空間的な広がりも演出することができる。従って、例えば車両室内天井や建物内の天井などの装飾に利用されれば、空間に奥行き感を付与したり、開放感を演出したりすることができる。
一方、以上のような原理に基づいて立体感ないし奥行き感を出すことにしたことから、薄型化が可能となる。
(発光手段)
本発明では発光手段の光を用いて、シート状表示体による第1形状の表示と、透光層及び光制御手段による第2形状の表示が行われる。
発光手段は好ましくは面状光を発光する。これによって表示面積が広い表示装置となる。面状光を発光する発光手段の具体例は有機EL素子(エレクトロルミネッセンス)である。有機EL素子を利用すれば薄型化や消費電力の低減化が図られる。有機EL素子の基本的な構造は透明電極(陽極)と背面電極(陰極)との間にホール輸送層、発光層及び電子輸送層を形成したものであるが(例えば特開2002−124391号公報を参照)、このような構造を備えたものに限らず、様々な構造の有機EL素子を本発明に適用することが可能である(例えば、特開平11−102166号公報、特開2001−332389号公報、特開2004−111158号公報、特開2005−353504号公報を参照)。
一方、光源と当該光源の光を導入して面状光を発光する導光体とによって発光手段を構成してもよい。例えば、板状の導光体の端面を入射面とし、側面の一つを発光面(出射面)とする。発光面と反対側の側面は表面処理や光反射拡散性材料の印刷等によって光反射拡散性とする。このような導光体に光源の光を導入すれば導光体の発光面より面状光が発光する。光源を導光体に包埋(インモールド)することにしてもよい。かかる構成によれば導光体が光源に対する防水部材としても機能する。また、小型化にも有利となる。導光体の材質は光透過性であれば特に限定されない。好ましくは透明な材料で導光体を構成する。また、加工が容易で耐久性に優れた材料により導光体を構成することが好ましい。導光体の材料の具体例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂(メタクリル樹脂(PMMA)等)、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ガラス等を挙げることができる。また、導光体の加工方法としては周知の射出成型等を採用することができる。
光源の種類は特に限定されないが、小型である点、低消費電力である点、長寿命である点などからLEDランプを用いることが好ましい。LEDランプとしては砲弾型、チップ型等、種々のタイプのものを採用できる。LEDランプを光源とすることにより光源の発熱量が小さくなり周りの部材への熱的影響が小さいといった利点もある。
採用する光源の発光色も特に限定されない。異なる発光色を有する光源を複数組み合わせて用いることができる。複数の光源を用いた場合には、各光源の発光状態を制御し、様々な発光態様の光を放射することが可能である。例えば、赤、緑、青の各色のLEDを光源として採用し、各LEDランプの発光状態、発光量を制御すれば、所望の色を発光させることができる。用いるLEDランプの個数については導光体の大きさ、求められる輝度等を総合的に考慮して定めることができる。
(シート状表示体)
シート状表示体は発光手段の前方(光出射方向)に配置される。発光手段とシート状表示体との間に透光性の層を介在させてもよい。ここでの透光性の層は透光体又は空気によって構成することができる。
シート状表示体は発光手段の光を受けて所望の形状(第1形状)を立体的に発光表示する。これによって本発明では、発光した第1形状が立体視されることになる。一方でシート状表示体は発光手段の光の一部を透過する。シート状表示体を透過した光は透光層と光制御手段による第2形状の表示に利用されることになる。
第1形状は、所望の文字(任意のひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットなど)、数字(算用数字、漢数字)、記号(数学記号、地図記号など)、図形(丸、三角、四角など)又はこれらの任意の組合せ(以下、これらをまとめて「文字等」という)から構成される。第1形状として、特定の文字等が周期的に表れる形状(パターン形状)を採用してもよい。
所望の形状の立体視を可能にする限り、シート状表示体の構成は限定されるものではない。例えば、パララックスバリア方式、レンチキュラーレンズ方式、マイクロレンズ方式、ホログラフィックステレオグラムなど、両眼視差を利用して立体表示を行うシート状表示体とする。パララックスバリア方式とは、上下方向に細長く切断した複数の視差像を交互に並べ、その手前に一定の周期で開口部を形成したパララックスバリアを設置する方式である。また、レンチキュラーレンズ方式とはシリンドリカルレンズが配列したレンチキュラーレンズを用いた立体表示法である。レンチキュラーレンズ方式には二種類(レイヤーデプスとフルデプス)あり、いずれを採用することもできる。マイクロレンズ方式では片面側に微細な凸レンズが規則的に配列したマイクロレンズアレイが用いられる。マイクロレンズアレイを構成する各凸レンズの後方には視差画像(立体表示されるように設定された画像。本明細書では立体画像ともよぶ。)が配置される。マイクロレンズアレイ方式では両眼視差に加え、マイクロレンズと立体画像との間に発生するモレア現象を利用した立体視が得られる。マイクロレンズアレイ方式は見る方向を選ばず、不快なちらつき現象も少ない。通常、マイクロレンズアレイの裏面に立体画像が印刷される。但し、立体画像が形成された層を別途設けることにしてもよい。マイクロレンズアレイ方式では画像が浮き上がって見える(手前に突出して見える)表示又はその反対(奥へと沈んで見える)の表示、或いはこれらの組合せからなる表示を任意に設定することができる。本発明では奥へと沈んで見える表示、又は奥へと沈んで見える表示と浮き上がって見える表示が混在した表示に設定することが好ましい。シート状表示体による第1形状の表示と、後述の透光層及び光制御手段による第2形状の表示との間に感得される距離感が増大するからである。後者の場合は更に、二種類の異なる表示態様が混在することによる立体感が得られ、立体感及び意外性が向上する。
ホログラフィックステレオグラムとは複数の異なる視点から見た2次元画像を原画として記録し、ホログラフィックに合成したものである。
尚、以上の各方式を利用した立体表示方法(及びそれを実現する構成)は公知であり(例えば特開平8−194273号公報、国際公開第95/09372号パンフレット、特開平5―113742号公報、特開平9−6254号公報等を参照)。
(透光層及び光制御手段)
透光層はシート状表示体の前方に配置される。従って本発明の表示装置では光学手段、シート状表示体、及び透光層がこの順で並ぶ。
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂(メタクリル樹脂(PMMA)等)、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ガラス等の透光性の高い材料で透光層を形成することができる。透光層は無色透明であっても有色透明であってもよい。また、部分的に色が異なっていても良い。透光層の厚さは特に限定されない。本発明の用途に応じてここでの厚さを適宜設定することができる。例えば透光層の厚さを1mm〜10cmの間で設定することができる。
シート状表示体を透過した光は透光層へと向かう。当該光の少なくとも一部は、透光層に入射する際、当該光が透光層に入射後、又は透光性層から射出する際、光制御手段による制御を受ける。これによって透光層から前方に射出する光の態様に変化が生じ、所望の形状(第2形状)が表示される。このように本発明では射出する光の態様の相違を利用して第2形状を表示する。光制御手段による制御は例えば光の遮断、吸収、反射、拡散、色変換などである。拡散と色変換との組合せのように、二種類以上の制御を光制御手段が行うように構成してもよい。
例えば、透光層の一部の領域を被覆し、当該領域を通る光の量及び/又は色を変化させる光制御層を光制御手段とする。このような光制御層は透光層の入光面側(裏面)又は出射面側(正面)のいずれか又は両者に形成することができる。例えば透光層の裏面において所望形状(第2形状)の領域を不透光性材料からなる光制御層で被覆すれば、当該領域に照射する光は遮断され、それ以外の領域に照射する光は透光層を透過して前方に取り出される。その結果、第2形状を取り囲む形状の光が視認されることになる。つまり、周囲が発光することによって間接的に第2形状が表示される。有色透明材料からなる光制御層を用いて同様の構成とすれば、第2形状が光制御層の色を反映した色の光で発光表示される(第2形状が周囲と異なる色で発光する)。
以上の構成とは逆に第2形状以外の領域に不透光性材料からなる光制御層を形成することにすれば第2形状の光が生成されることになる。即ち、当該構成では第2形状が光によって直接表示されることになる。
光制御層は不透光性材料や有色透明材料の印刷、塗布、貼付などによって形成することができる。発光手段の光で蛍光する蛍光体を光制御層に含有させれば、蛍光を利用して第2形状を表示することができる。かかる構成では視認性や意匠性の向上が図られる。
透光層の一部に光拡散反射部を設け、この光拡散反射部を光制御手段として利用することもできる。光拡散反射部は透光層の表面又は内部に設けられる。透光層の表面に光拡散反射部を形成する方法としてはサンドブラスト、エッチング、又は放電加工等による粗面化加工、光反射拡散性材料の蒸着、塗布又は印刷、或いは光拡散性フィルムないしテープの貼付を例示することができる。一方、レーザー加工、フィルムインモールド等を利用すれば透光層の内部に光拡散反射部を設けることができる。
光反射拡散部を第2形状に対応した形状にすれば(具体的には例えば透光層の表面において第2形状の光拡散部を設ける)、光反射拡散部によって反射・拡散された光によって第2形状を発光表示することができる。一方、透光層の表面において、第2形状の領域を囲むように光反射部を設ければ(具体的には例えば第2形状の領域以外の全領域を光反射拡散部とする)、光反射拡散部によって反射・拡散された光が周囲に観察される発光態様となり、第2形状を視認することができる。
透光層の一部に凹部又は凸部を設けることにし、当該凹部等を光制御手段として利用してもよい。具体的には例えば透光層の表面に第2形状の凹部を設ける。かかる構成では凹部のエッジにおいて光の乱反射、集中などが生じ、これによって第2形状を表示することができる。
透光層の一部に貫通孔を設けることにし、当該貫通孔を光制御手段として利用してもよい。具体的には例えば断面形状が第2形状の貫通孔を透光層に設ける。かかる構成では貫通孔を通って射出する光とそれ以外の領域を通って射出する光の態様に差が生ずること、及び貫通孔のエッジによる光の反射が生ずることなどによって第2形状が表示される。
透光層から射出する光によって第2形状が表示されるという目的を達成する限り、上記の光制御層、光拡散反射層、凹部又は凸部、及び貫通孔の態様は上記の例に限定されるものでない。例えば、光制御層を通った光が境界線の働きをして第2形状が表示されるように、透光層の表面において第2形状に対応する形状の領域を縁取るように光制御層を形成することができる。光拡散反射層などによっても同様の構成を採用することが可能である。
(ハーフミラー層)
本発明の一形態では透光層の光出射面上又は前方(即ち観察者側)にハーフミラー層が備えられる。かかる構成では表示装置が非表示状態(昼間などの外部照度が高いとき等)のときはハーフミラー作用によって表示装置の観察面側が金属調となる。これによって、非表示状態のときに内部が観察されることによる意匠性の低下を防止しつつ金属色による特有の意匠性が付与される。一方、表示装置が表示状態のときはハーフミラー層を通して文字等の発光像が観察される。このように非表示状態から表示状態に移行する際、観察面側の色調・質感が急激に変化し、同時に文字等が出現する。これによって意外性を演出することができる。
ハーフミラー層は例えば所定膜厚の金属層(Al、Ag、Auなど)を用いて形成することができる。また、金属層と光透過性の樹脂などからなる保護層とを順次積層することにより形成することもできる。このようなハーフミラー層の形成方法の一例を示す。まずAl薄膜からなる金属層を形成する。金属層はハーフミラー効果が得られるような厚さとする。例えば、金属層を光の透過率が約15〜20%となるような厚さとすることができる。続いて、エポキシ樹脂等の透明な樹脂を印刷、塗布等により金属層に重ねて形成し保護層とする。ハーフミラー層の構成、及び形成方法はこれに限られず公知のものをそれぞれ採用できる。また、保護層の表面、又は金属層と保護層との間などにインク層を設けることもできる。インク層は例えば黄色等の色のインクを印刷、塗布等することにより形成することができる。
本発明の実施例である表示装置1を図1及び図2に示す。図1は表示装置1の斜視図、図2は図1のA−A線位置での断面図である。以下、これらの図面を参照しながら表示装置1の構成及び表示態様を説明する。尚、表示装置1は自動車のスカッフプレート部の装飾に利用される。
表示装置1では発光手段としてEL素子10が用いられる。図2に示すようにカバー60内において最下部にEL素子10が配置され、EL素子10の上には表示体20が載置される。表示体20の上には空間をおいて文字板30が配置される。表示体20と文字板30との間の空間は必須ではない。但し、この空間によって表示体20と文字板30との間に一定の距離が設けられ、より立体感のある表示が可能となる。
文字板30の上面にはハーフミラーフィルム40が貼付されている。ハーフミラーフィルム40の上には保護板50が被せられる。以上のように表示装置1では、カバー60内においてEL素子10、表示体20、文字板30、ハーフミラーフィルム40及び保護板50がこの順番で観察面側(図面の上側)に向かって並ぶ。尚、EL素子10、表示体20等の各部材の平面視形状は略同一形状の矩形である。
EL素子10は背面電極層、誘電体層、発光層及び透明電極層(ITO)が順に積層した構造を備える。また、背面電極層の下及び透明電極層の上にはそれぞれ、透光性フィルムからなる保護層を備える。配線を介して通電するとEL素子10の発光面(上面)から面状光が発する。この実施例では青色光を発光するEL素子10を用いた。車両搭載時にはハーネスを介してEL素子10へ電力が供給される。また、EL素子10には図示しない電源制御回路が接続されており、例えば車幅灯に連動した発光制御をEL素子10は受けることになる。
表示体20は上面側に半球状の微細なレンズが規則的に配列したマイクロレンズアレイからなる(図3)。マイクロレンズアレイの裏面には立体視可能な画像23が印刷されている。この実施例ではマイクロレンズアレイを通すことによって、規則的に配列したマルVの文字が沈んで見える立体像を生成する画像とした。
表示体20は公知の方法(例えば国際公開第95/09372号パンフレットを参照)で得ることができる。以下、表示体20の製造法の一例を示す。まず、透明樹脂からなるシート状の基材21を用意し、その裏面に立体視可能な画像23を印刷する。次に、レンズ形成用樹脂材料をはじく樹脂材料を、基材21のレンズ形成面においてレンズを形成しない領域へ塗布、印刷等し、区画線を形成する。続いて、レンズ形成用樹脂材料を塗布、印刷等する。その結果、区画線がレンズ形成用樹脂をはじき、区画線によって囲繞される領域内でレンズ形成用樹脂材料が凸状に盛り上がる。この状態で硬化処理し、微細なレンズ22が規則的に配列したマイクロレンズアレイを得る。基材21及びレンズ22の材料としては各種の光学樹脂、ガラスなどを用いることができる。この方法で得られるマイクロレンズアレイは基材21とその上に形成されたレンズ22とからなる。但し、基材とレンズとが一体成型されたマイクロレンズアレイを用いることもできる。
マイクロレンズアレイを構成する各レンズの形状は所望の立体視を可能にするものであれば特に限定されない。例えば、球を平面で切断して得られる、半球よりも小さな形状のレンズによってマイクロレンズアレイを構成してもよい。
文字板30はアクリル系樹脂からなる。文字板30の裏面において所望の形状(この実施例ではCARの文字)の領域(文字領域31)には蛍光体インクを使用した印刷が施されている。この蛍光体インクは、青色光で励起されて黄色光を発する蛍光体を透明な基材に分散させたものである。
文字板30の上面に貼付されるハーフミラーフィルム40はAl材料からなる金属層を備える。ハーフミラーフィルム40の上に被せられる保護板50はポリカーボネート樹脂製である。保護板50はハーフミラーフィルム40の保護、並びに防塵及び防水等の目的で備えられる。良好な防塵及び防止効果が得られるように、保護板50の上面縁部はシーリング材によって隙間無くカバー60に接続されている。
カバー60はステンレス製(SUS)であり、約0.5mmの厚さを有する。カバー60の片面側には縁部を残して矩形の開口部が形成されている。表示装置1ではこの開口部を通して発光文字表示が行われる。カバー60は保護部材として機能する一方で、表示装置1の意匠を構成する重要な要素となる。この実施例ではハーフミラーフィルム40による金属調の色調・質感に調和するよう、カバー60の材質を上記の通りステンレスとした。
以上のように構成された表示装置1の表示態様を説明する。まず昼間等、外部の照度が高いときには表示装置1は非表示状態(EL素子10が非発光状態)となる。このときにはハーフミラーフィルム40の作用によって表示装置1の観察面側(カバー60部分を除く)は金属調の色調・質感を呈する。一方、夜間等、外部の照度が低いときに車幅灯の点灯に連動してEL素子10が発光すると(表示装置1の表示状態)、まずEL素子10の光を受けて表示体20が立体表示を行う。即ち、青色発光するマルVの文字が奥へと沈んだ状態で表示される。一方、表示体20を透過した一部の光は文字板30の裏面に形成された文字領域31に照射する。これによって蛍光体から黄色光が生ずる。この黄色光と照射光である青色光が混色することによって文字領域31は緑色に発光する。以上の作用が奏される結果、表示装置1では、緑色発光するCARの文字31aが観察されると同時にその周囲において、奥へと沈んで見えるように青色発光するマルVの文字21が観察される(図4)。このように二種類の文字が異なる距離感で観察されることから、立体感ないし奥行き感に富み、しかも意外性を与える発光態様となる。
ところで、立体表示を行う表示体としてマイクロレンズアレイを採用したことによって不快なちらつき現象の発生を抑えることができる。これによって、見る角度を選ばず、装飾性及び高級感に優れた発光態様となる。一方、見る角度を変えたときのマルVの文字21の見え方の変化は、CARの文字31aの見え方の変化と同様ではなく、立体視特有のものとなる。これによって、あたかもマルVの文字21が表示装置1の内部で動いているかのような印象を与えることができる。
以上のように表示装置1では、薄型であるにもかかわらず、立体感・奥行き感に富み且つ意外性をも伴う表示が行われる。これによって高い装飾効果がもたらされ、高級感も得られる。ところで表示装置1ではハーフミラーフィルム40の作用により、表示状態へ移行したときに突如として文字が出現する。これによって、表示状態へ移行した瞬間の意外性をも演出することができる。
以上の実施例では全ての文字31aが同一の態様で表示されることになるが、文字領域31の形成方法を工夫することによって更に変化に富む表示態様を実現可能である。例えば、文字領域31を形成する際に使用する蛍光体インクの種類を文字毎に変えれば、文字間で発光色が異なるという表示態様を得ることが可能である。
以上の実施例では文字板30の裏面に印刷を施した領域を文字領域31としたが、これとは逆に、印刷を施さない領域を文字領域とすることにしてもよい。図5に当該構成を採用した場合の表示態様の一例を示した。図5の例では一部の領域(即ちCARの文字)を除いて文字板30の裏面全体に不透光性インクによる印刷を施している。その結果、後方からの光によってCARの形状32が視認されるとともに、CARの形状32の奥にマルVの文字21が観察されることになる。このように当該構成では文字の中に文字が立体表示されるという、意外性が高く且つ趣向を凝らした発光態様が得られる。また、空間的な広がりを演出することもできる。
本発明の他の実施例を図6に示す。図6はこの実施例の表示装置2の断面図であり、図2に対応する。尚、上記実施例と同一又は同等の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
表示装置2では発光手段としてLEDランプ70と導光板71が用いられる。表示体20の下に導光板71が配置され、導光板71の端面に対向する位置にLEDランプ70が備えられる。LEDランプ70は砲弾型(レンズタイプ)であり、青色光を発光する。本実施例では導光板71の左右端面からそれぞれ光を入射させることとし、合計2個のLEDランプを使用した。LEDランプの数は必要に応じて増減できる。また、本実施例のように導光板71の左右端面から光を入射させるのではなく、左右いずれかの端面のみから光を入射させたり、或いは左右端面に加えて上下端面からも光を入射させたりするなど、様々な入射方式を採用することができる。
非表示状態のとき(LEDランプ70が非発光状態)の表示装置2の意匠は上記実施例と同様であり、即ちハーフミラーフィルム40の作用によって金属調の意匠を呈する。一方、表示状態のときにはLEDランプ70が点灯して以下の表示態様となる。まずLEDランプ70の光が導光板71に入射する。入射光は導光板71内を導光した後、導光板71の発光面(上面)より発光する。このようにして生成した面状光が、表示体20による立体表示と、文字領域31による文字表示とに利用される結果、上記実施例の表示装置1と同様の発光態様が得られる。
以上、本発明の適用例を説明したが、本発明の表示装置はスカッフ部に限らず自動車の様々な部位の装飾(例えばセンタクラスタ部、ステアリングホイール、バックガーニッシュ部、ドア部、又はピラー部等におけるロゴマークの表示)にも適用できる。また、自動車用に限らず、各種車両における表示プレート等の装飾、建物(家屋やビルディング等)の内装又は外装に使用される表示プレート等の装飾にも本発明を適用できる。さらには、車両室内又は建物内の天井を装飾することにも本発明を適用可能である。このような利用形態では装飾的効果に加え、空間に奥行き感を付与したり、開放感を演出したりすることができる。このように本発明を空間演出の手段として利用することも可能である。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
本発明の実施例(表示装置1)の斜視図。 本発明の実施例(表示装置1)の断面図。 表示装置1に使用されるマイクロレンズアレイの構成を模式的に示す断面図。 表示装置1の表示態様を模式的に示す斜視図。 表示態様の一例を示す斜視図。 本発明の実施例(表示装置2)の断面図。 従来のスカッフプレート装置を示す斜視図。
符号の説明
1、2 表示装置
10 EL素子
20 表示体
21 表示体によって立体的に表示される文字
30 文字板
31 文字領域
31a 文字領域によって表示される文字
40 ハーフミラーフィルム
50 保護板
60 カバー
70 LEDランプ
71 導光板

Claims (8)

  1. 前方に光を発する発光手段と、
    前記発光手段の前方に配置され、前記発光手段の光を受けて所望の形状(第1形状)を立体的に発光表示するとともに、前記発光手段の光の一部を透過するシート状表示体と、
    前記シート状表示体の前方に配置される透光層と、
    前記シート状表示体を透過した光の少なくとも一部を制御することによって、前記透光層から前方に射出する光の態様に変化を生じさせて所望の形状(第2形状)を表示する光制御手段と、
    を備える表示装置。
  2. 前記発光手段が、面状発光する有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子からなる、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記発光手段が、光源と、該光源の光を導入して面状光を発光する導光体とからなる、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記光源がLEDランプからなる、請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記シート状表示体が、マイクロレンズアレイと、該マイクロレンズアレイを構成する各凸レンズの後方に配置された立体画像とからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記光制御手段が、
    (1)前記透光層の一部の領域を被覆し、該領域を通る光の量及び/又は色を変化させる光制御層、
    (2)前記透光層の一部に形成された光拡散反射部、
    (3)前記透光層の一部に形成された凹部又は凸部、又は
    (4)前記透光層の一部に形成された貫通孔、
    からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記光制御層が、前記発光手段の光で蛍光する蛍光体を含有する、請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記透光層の光出射面上又は前方にハーフミラー層が備えられる、請求項1〜7のいずれかに記載の表示装置。
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