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JP2008069701A - 車両制御装置 - Google Patents

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JP2008069701A
JP2008069701A JP2006248526A JP2006248526A JP2008069701A JP 2008069701 A JP2008069701 A JP 2008069701A JP 2006248526 A JP2006248526 A JP 2006248526A JP 2006248526 A JP2006248526 A JP 2006248526A JP 2008069701 A JP2008069701 A JP 2008069701A
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JP2006248526A
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Yasuhiro Kajiwara
康宏 梶原
Yuji Konishi
祐二 古西
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Denso Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】多気筒内燃機関の一部の気筒のみによる燃焼制御を行う減筒制御に際し、出力軸にトルクを付与するトルク付与手段を操作することで、出力軸の回転変動をより適切に抑制することのできる車両制御装置を提供する。
【解決手段】トルク変動推定部B2では、前回の燃焼サイクルにおける燃焼室内の圧力に基づき、今回の燃焼サイクルにおける内燃機関の出力トルクの推定値(推定軸トルクTrq(t))を算出する。回転変動推定部B4では、推定軸トルクTrq(t)に基づき、内燃機関の回転変動を予測する。そして、制振要求トルク算出部B8では、推定される回転変動を許容範囲内とするためにモータージェネレータによって機関出力軸に付与すべきトルクを算出する。このトルクにフィードバック補正量を加算したものが、モータージェネレータに対する指令トルクTc(t)である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、多気筒内燃機関の出力軸に機械的に連結されることで該出力軸にトルクを付与するトルク付与手段を備える車載システムに適用され、前記内燃機関の一部の気筒のみにおいて燃料を燃焼させる減筒制御手段を備える車両制御装置に関する。
この種の車両制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、運転される気筒数が半減したときに、運転される気筒における燃料の燃焼によって生成される出力トルクと逆位相且つ出力トルクの生成周期と同一周期にて出力軸にトルクを付与すべく、電動機を操作するものも提案されている。このようにトルクを付与することで、出力トルクの生成周期が間引かれる際に出力軸の回転変動が大きくなることを抑制することが可能となる。
ところで、上記トルクを付与する周期は、内燃機関の回転速度が増大するほど短くなる。このため、回転速度が増大するほど、電動機にて上記態様にてトルクを付与する制御を行うことが困難となる。
また、上記制御装置では、付与するトルクを、内燃機関の運転状態に応じてマップ演算するようにしている。しかし、運転状態を規定する各種パラメータとトルクの付与態様との関係を適合するには多くの工数を要する。
特開2002−180863号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多気筒内燃機関の一部の気筒のみによる燃焼制御を行う減筒制御に際し、出力軸にトルクを付与するトルク付与手段を操作することで、出力軸の回転変動をより適切に抑制することのできる車両制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記減筒制御手段による制御時、前記一部の気筒における燃料の燃焼によってトルクが生成される期間と残りの気筒の燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間とのトルク差を補償すべく、前記燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って該生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを前記出力軸に付与するように前記トルク付与手段を操作する操作手段を備えることを特徴とする。
燃料の燃焼によってトルクが生成される期間は、回転速度が大きいほど短くなる。一方、トルク付与手段によって増大した後減少するトルクを生成することは、この増大及び減少の時間が短いほど困難となる。このため、トルク差を補償するために燃料の燃焼によって生成されるトルクを模倣したトルクを付与することは、回転速度の上昇に伴い困難となる。
この点、上記構成では、燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って、該燃焼によって生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを付与するために、トルク付与手段の生成すべきトルクの急激な変化を抑制することができる。このため、トルク付与手段による生成が容易なトルクを付与しつつ、上記トルク差を抑制することができ、ひいては回転変動を抑制することができる。
請求項2記載の発明は、前記減筒制御手段による制御時、前記内燃機関の運転状態に基づき前記内燃機関の出力トルクを予め推定するトルク推定手段と、前記推定されるトルクに基づき、前記出力軸の回転変動を推定する回転推定手段と、前記推定される回転変動が許容範囲内となるように前記出力軸にトルクを付与すべく、前記トルク付与手段を操作する操作手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、推定トルクに基づいて回転変動量を予測する。そして、回転変動が許容範囲内となるように出力軸にトルクを付与する。このように、トルクを推定することで、4ストロークを全気筒の気筒数で分割した期間よりも微小なタイムスケースでの回転変動を適切に推定することができる。そして、モデルによって回転変動を予測しつつ適切なトルクを付与する処理を行うために、内燃機関の運転状態に応じてトルクの付与態様を適合する場合と比較して、適合工数を低減することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記出力軸へのトルクの付与は、前記燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡る該生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクの付与として行われることを特徴とする。
燃料の燃焼によってトルクが生成される期間は、回転速度が大きいほど短くなる。一方、トルク付与手段によって増大した後減少するトルクを生成することは、この増大及び減少の時間が短いほど困難となる。このため、回転変動を抑制するために燃料の燃焼によって生成されるトルクを模倣したトルクを燃焼停止によってトルクが生成されない期間に付与することは、回転速度の上昇に伴い困難となる。
この点、上記構成では、燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って、該燃焼によって生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを付与するために、トルク付与手段の生成すべきトルクの急激な変化を抑制することができる。このため、トルク付与手段による生成が容易なトルクを付与しつつ、回転変動を抑制することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記出力軸の実際の回転速度に基づき、前記出力軸に付与されるトルクをフィードバック補正する補正手段を更に備えることを特徴とする。
上記構成では、フィードバック制御を併用することで、気筒間の構造上のばらつき等に起因した回転変動をも好適に抑制することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1又は3又は4記載の発明において、前記トルクの付与は、前記燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間のそれぞれに対応してなされることを特徴とする。
上記構成では、燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間のそれぞれに対応してトルクの付与がなされるために、燃料を燃焼させることによってトルクが生成される期間と燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間とのトルク差を好適に補償することができる。このため、回転変動を好適に抑制することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記減筒制御手段は、前記内燃機関の全気筒運転によって要求トルクを生成するために各気筒において必要な噴射量よりも多量の噴射量を前記一部の気筒のそれぞれにおいて噴射することで行うことを特徴とする。
上記構成では、要求トルクを全気筒運転によって生成することが可能であるにもかかわらず、一部の気筒のみを運転する。これにより、一部の気筒における充填効率を、全気筒を運転した場合に各気筒において想定される充填効率よりも高めることができ、ひいてはポンピングロスを低減することができる。したがって、要求トルクを生成するために要求される燃料消費量を低減することができる。
請求項7記載の発明は、前記内燃機関の搭載される車両の停止時に該内燃機関を停止させる機関停止手段と、前記車両の発進に際し、前記内燃機関を再起動する起動手段とを備え、該起動手段は、前記トルク付与手段によるトルクの付与によって前記内燃機関を起動することを特徴とする。
上記構成では、機関の自動停止始動機能であるいわゆるアイドルストップ機能を有する車両の備えるトルク付与手段を用いて上記トルクの付与を行うために、回転変動の抑制のために新たなハードウェア手段を備えることを回避することができる。
以下、本発明にかかる車両制御装置を機関自動停止始動機能を有する車両の制御装置に適用した一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のエンジンシステムの全体構成を示す。
6気筒からなるガソリン機関(内燃機関10)の出力軸の回転速度は、トルクコンバータ12及び自動変速機14によって変速され、アウトプットシャフト16の回転力として駆動輪へと出力される。また、内燃機関10の出力軸は、電磁クラッチ20を介してロータ22と連結されている。ロータ22は、タイミングベルト24を介してロータ26に機械的に接続されている。そして、ロータ26は、モータージェネレータ28と接続されている。
電子制御装置(ECU30)には、内燃機関10の出力軸の回転角度を検出するクランク角センサ32の出力や、内燃機関10の吸入空気量を検出するエアフロ−メータ34の出力、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ36の出力、車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ38の出力等を取り込む。そして、これら取り込んだ出力に基づき、内燃機関10の各種アクチュエータを操作することで、内燃機関10の出力を制御する。
ECU30は、内燃機関10の気筒の全てを運転する全気筒運転に加えて、燃料消費量を低減すべく、一部の気筒を運転する減筒制御をも行う。図2に、本実施形態にかかる減筒制御の処理手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、減筒制御領域であるか否かを判断する。ここで、減筒制御領域であるための条件は、例えば内燃機関10の回転速度が回転速度α以上であって且つ回転速度β(>α)以下であること、車速が速度VB以下であること等である。この領域は、全気筒運転によって実現可能な要求トルクを、減筒制御によって実現することができる領域に設定されている。
ステップS10において肯定判断されるときには、ステップS12において、アクセルペダルの操作量に基づき、内燃機関10に対する要求トルクを算出する。詳しくは、ここでは、例えば図示しない車両の駆動輪の空転を抑制する制御を行うトラクション制御システムからの要求トルクや、車両の走行時の横滑りを抑制する制御を行うスタビリティ制御システムからの要求トルクを加味する。
続くステップS14においては、スロットルバルブの開度を、減筒制御用の開度に制御する。ここでは、要求トルク等に基づき、減筒制御用に適合された開度に制御する。続くステップS16においては、一部の気筒のみの運転によって要求トルクを実現するための、運転する気筒の噴射量を算出する。
なお、ステップS10において否定判断されるときや、ステップS16の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
図3に、要求トルクを全気筒運転によって生成するための各気筒における噴射量と、同要求トルクを一部の気筒によって生成するための各気筒の噴射量とを示す。図示されるように、全6気筒を運転する場合の噴射量Q1と比較して、3気筒のみを運転する場合の噴射量Q2は大きなものとなっている。しかし、これら2種類の制御共に要求トルクを実現するにもかかわらず、1燃焼サイクルにおける総噴射量は、減筒制御を行う方が少量となっている。これは、燃焼制御がなされる各気筒の充填効率が、減筒制御により高まり、ポンピングロスが低減するためである。このように、本実施形態では、減筒制御を行うことで、燃料消費量の低減を図っている。
なお、減筒制御は、図3に例示するように、燃焼制御を行う気筒数を半減させるものに限らず、例えば燃焼制御を行う気筒を1気筒ずつ適宜減少させていく処理としてもよい。
ただし、上記減筒制御を行うと、一部の気筒における燃料の燃焼によって生成される期間と残りの気筒の燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間とのトルク差が顕著となり、ひいては出力軸の回転変動が大きくなる。そこで本実施形態では、先の図1に示したモータージェネレータ28によって内燃機関10の出力軸にトルクを付与することで、上記トルク差を補償する。
図4に、ECU30の行う処理のうち、特に減筒制御時の上記トルク差の補償にかかる処理を示す。
トルク変動推定部B2は、内燃機関10の燃焼室内における燃焼の圧力(筒内圧)に基づき、内燃機関10が出力軸を介して出力するトルクを予め推定する部分である。ここで、筒内圧は、内燃機関10の運転状態を示すパラメータ(例えば回転速度、点火時期、目標空燃比及び吸入空気量等)に基づき推定されるものである。これは、例えばこれらパラメータと各クランク角度における筒内圧との関係を予め実験によって求めておくことで得ることができる。そして、筒内圧がわかれば燃焼によってピストンに加わる力Fgがわかる。一方、後述する出力軸の回転速度の推定値N(t)に基づき、気筒のピストン等の慣性力Frがわかる。このため、これら慣性力Frと燃焼圧力による力Fgとに基づき、内燃機関10の出力トルクの推定値である推定軸トルクTrq(t)を物理モデルに基づき算出することができる。ちなみに、「(1燃焼サイクル)/(全気筒の気筒数)」の期間よりも短いクランク角度間隔毎に筒内圧の推定値を得ることが要求される。これにより、推定軸トルクTrq(t)の値の更新間隔(サンプリング周期)を「(1燃焼サイクル)/(全気筒の気筒数)」の期間よりも短い期間とすることができるからである。
回転変動推定部B4は、推定軸トルクTrq(t)と、内燃機関10のフライホイール慣性モーメントIとに基づき、回転速度の推定値N(t)を物理モデルにより算出する部分である。すなわち、推定軸トルクTrq(t)の時間積分値をフライホイール慣性モーメントで除算することで、回転速度の推定値N(t)を算出する。ここでは、上記推定軸トルクTrq(t)を用いることで、推定値N(t)の更新間隔(サンプリング周期)として「(1燃焼サイクル)/(全気筒の気筒数)」の期間よりも短い期間を実現している。
速度差算出部B6は、推定値N(t)に対する許容回転速度の差(速度差ΔN(t))を算出する部分である。
制振要求トルク算出部B8では、燃焼停止されている気筒の圧縮上死点近傍においてモータージェネレータ28により内燃機関10の出力軸に付与すべきトルクを算出する。このトルクが正とされるのは、燃焼停止されている気筒の圧縮上死点を中心とした「(1燃焼サイクル)/(全気筒の気筒数)」の期間内における速度差ΔN(t)についての極小値が正であるときである。このときには、燃焼停止に伴い回転速度が許容範囲を超えて低下すると判断され、速度差ΔN(t)と回転速度NEとに基づき、内燃機関10の出力軸に付与すべきトルクを算出する。
詳しくは、モータージェネレータ28により付与されるトルクを、図5(a)に示されるように、漸増した後漸減する擬似正弦波状とする。そして、この際のトルクの付与時間である時間間隔Tや、トルクのピークである振幅K、更には、トルクのピークのタイミングと上記圧縮上死点との差であるタイミングLを、図5(b)〜5(d)に示すマップにより算出する。図5(b)〜5(d)に示すマップは、いずれも、回転速度NEと速度差ΔNとに基づき、上記パラメータを定めるものとなっている。
先の図4に示すコントローラB10は、出力軸の回転速度NEに基づき、回転速度NEを上記許容回転速度内に収めるためのフィードバック補正量を算出する部分である。ここでは、例えば許容回転速度と実際の回転速度NEとの差に基づくPID制御の補正量を算出すればよい。
指令トルク出力部B12では、制振要求トルク算出部B8によって設定される上記擬似正弦波状のトルク(フィードフォワード量)に、コントローラB10のフィードバック補正量を加算することで、モータージェネレータ28によって付与するトルクの指令値(指令トルクTc(t))を算出する。
図6(a)に、出力軸に加わるトルクの推移を示し、図6(b)に、出力軸の回転速度の推移を示す。
図6(a)の実線は、1気筒の燃焼制御を停止した場合に内燃機関10によって生成されるトルクの推移を示している。図示されるように、この場合、燃料の燃焼によってトルクが生成される期間と燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間とのトルク差が大きくなる。このため、図6(b)に実線にて示すように、出力軸の回転変動が大きくなり、許容回転速度内に収まらなくなる。ここで、図6(a)に一点鎖線にて示すように、燃焼停止気筒においても燃焼制御がなされていたなら生成されると想定されるトルクを模倣したトルクをモータージェネレータ28によって付与するなら、図6(b)に一点鎖線にて示すように、回転変動を好適に抑制することができる。しかし、回転速度が上昇すると、1度の燃焼によるトルクの生成期間が短くなる。このため、モータージェネレータ28によって燃焼により生じると想定されるトルクを模倣したトルクを生成することが困難となる。
そこで本実施形態では、図6(a)に2点鎖線にて示すように、1つの気筒における燃料の燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って、同燃焼によって生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを付与する。すなわち、上述した漸増した後漸減する正弦波状のトルクのピーク値を、燃焼によって生成されるトルクのピーク値よりも小さくする。そして、このトルクの時間積分値を、図6(a)に一点鎖線にて示されるトルクの時間積分値相当とする。なお、上記トルクの付与は、燃焼停止気筒の上死点近傍を中心に行われる。これにより、モータージェネレータ28によって上記2点鎖線にて示すトルクを容易に生成することが可能となる。そして、これによっても、図6(b)に2点鎖線にて示すように、回転変動を好適に抑制することができる。
図7に、燃焼制御を行う気筒数を半減させる場合のトルクの付与態様を示す。この場合、各燃焼停止に対応して付与されるトルク同士が互いにオーバーラップしている。この場合には、上記擬似正弦波状のトルク波形同士を重ね合わせることで、制振要求トルク算出部B8の最終的な出力を算出すればよい。
なお、モータージェネレータ28によってトルクを付与する期間以外の期間、すなわち燃焼によってトルクが生成される期間においては、モータージェネレータ28によって発電がなされることが望ましい。この場合、図6(a)に破線にて示されるように、燃焼によってトルクが生成される期間において出力軸に実際に生じるトルクは、燃料によって生成されるトルクから発電によって消費されるトルクが減じられたものとなる。したがって、この場合には、付与するトルクの時間積分値を、上記破線によって示されるトルクの時間積分値相当とすることが望ましい。
また、モータージェネレータ28によってトルクを付与する場合、バッテリの電力を消費することから、結果として、燃料消費量が増大することとなる。このため、先の図2に示したステップS10において判断される減筒制御領域を、減筒制御による噴射量に対する全気筒運転による燃料噴射量の差分よりも、上記トルクを付与するために消費される燃料量の方が少なくなると想定される運転領域とすることが望ましい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)一部の気筒における燃料の燃焼によってトルクが生成される期間と残りの気筒の燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間とのトルク差を補償すべく、燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って該生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを出力軸に付与した。これにより、モータージェネレータ28による生成が容易なトルクを付与しつつ、上記トルク差を抑制することができ、ひいては回転変動を抑制することができる。
(2)推定軸トルクTrq(t)を算出するトルク変動推定部B2と、推定軸トルクTrq(t)に基づき出力軸の回転速度を推定する回転変動推定部B4とを備え、推定される回転速度が許容範囲内となるように出力軸にトルクを付与すべく、モータージェネレータ28に対する指令トルクを算出した。これにより、「(1燃焼サイクル=4ストローク)/(全気筒の気筒数)」の期間よりも微小なタイムスケースでの回転変動を適切に推定することができる。そして、モデルによって回転変動を予測しつつ適切なトルクを付与する処理を行うために、内燃機関10の運転状態に応じてトルクの付与態様を適合する場合と比較して、適合工数を低減することができる。
(3)出力軸の実際の回転速度に基づき、出力軸に付与されるトルクをフィードバック補正した。これにより、気筒間の構造上のばらつきや、モータージェネレータ28の応答遅れ、タイミングベルト24の滑りによるモータージェネレータ28と内燃機関10との間の位相遅れによる回転変動を抑制する制御を行うことができる。すなわち、フィードフォワード制御によれば、上記各要因による回転変動が制御誤差として生じるが、フィードバック制御によりこれを補償することができる。
(4)トルクの付与を、燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間のそれぞれに対応して行った。これにより、回転変動を好適に抑制することができる。
(5)内燃機関10の全気筒運転によって要求トルクを生成するために各気筒において必要な噴射量よりも多量の噴射量を一部の気筒のそれぞれにおいて噴射することで減筒制御を行った。これにより、要求トルクを生成するために要求される燃料消費量を低減することができる。
(6)機関の自動停止(再)始動を行うためのモータージェネレータ28を用いて上記トルクの付与を行うために、回転変動の抑制のために新たなハードウェア手段を備えることを回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・出力軸へのトルクの付与を、燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って該生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを付与することで行わなくても、先の実施形態の上記(2)〜(6)の効果を得ることはできる。
・内燃機関10の出力トルクを推定する手段としては、推定された燃焼室内の圧力に基づき行うものに限らない。例えば、燃焼室内の燃焼の圧力を検出する筒内圧センサを用いて、前回の燃焼サイクルの燃焼室内の圧力に基づき行ってもよい。更に、例えば、前回の燃焼サイクルの燃焼室内の圧力と、現在の圧力とに基づき行ってもよい。ここで、現在の圧力と前回の燃焼サイクルにおける対応するタイミングの圧力との差は、前回の燃焼サイクルの圧力の挙動と今回の燃焼サイクルの圧力の挙動との乖離度を示す。このため、この差と前回の燃焼サイクルにおける圧力の挙動とに基づき、今回の燃焼サイクルにおける圧力の挙動をより高精度に推定することができる。
更に、燃焼室内の圧力に基づき出力トルクを推定するものにも限らない。例えば、吸入空気量、回転速度、目標空燃比及び点火時期に基づき、出力トルクを直接推定してもよい。ここでは、例えば燃焼によって生成されるトルクの波形を図5(a)に例示した態様にて予め定めておき、上記4つのパラメータから、定められた波形の振幅等のパラメータをマップ演算するようにすればよい。
更に、こうした態様にて上記4つのパラメータに基づき推定軸トルクが算出できるということは、これらのパラメータと回転速度の初期値とから上記制振要求トルク算出部B8の出力(指令トルクのフィードフォワード項)が直接決定できることを意味する。このため、推定軸トルクを推定する処理を行うことなく、これらのパラメータから指令トルクのフィードフォワード項をマップ演算するようにしてもよい。これによっても、先の実施形態の上記(1)、(3)〜(6)の効果を得ることはできる。
・各燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間に対応して付与されるトルクは、擬似正弦波状のものに限らず、例えば三角波状のものであってもよい。
・内燃機関としては、上記ガソリン機関等の火花点火式内燃機関に限らず、ディーゼル機関であってもよい。
一実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかる減筒制御の処理手順を示すフローチャート。 減筒制御時の噴射量を示す図。 上記実施形態にかかる減筒制御時のトルク抑制処理を示すブロック図。 上記トルク抑制処理手法を示す図。 上記トルク抑制処理の態様を示すタイムチャート。 複数の気筒において燃焼制御を停止した場合のトルク抑制処理の態様を示すタイムチャート。
符号の説明
10…内燃機関、20…電磁クラッチ、22…ロータ、24…タイミングベルト、26…ロータ、28…モータージェネレータ、30…ECU(車両制御装置の一実施形態)。

Claims (7)

  1. 多気筒内燃機関の出力軸に機械的に連結されることで該出力軸にトルクを付与するトルク付与手段を備える車載システムに適用され、前記内燃機関の一部の気筒のみにおいて燃料を燃焼させる減筒制御手段を備える車両制御装置において、
    前記減筒制御手段による制御時、前記一部の気筒における燃料の燃焼によってトルクが生成される期間と残りの気筒の燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間とのトルク差を補償すべく、前記燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡って該生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクを前記出力軸に付与するように前記トルク付与手段を操作する操作手段を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 多気筒内燃機関の出力軸に機械的に連結されることで該出力軸にトルクを付与するトルク付与手段を備える車載システムに適用され、前記内燃機関の一部の気筒のみにおいて燃料を燃焼させる減筒制御手段を備える車両制御装置において、
    前記減筒制御手段による制御時、前記内燃機関の運転状態に基づき前記内燃機関の出力トルクを予め推定するトルク推定手段と、
    前記推定されるトルクに基づき、前記出力軸の回転変動を推定する回転推定手段と、
    前記推定される回転変動が許容範囲内となるように前記出力軸にトルクを付与すべく、前記トルク付与手段を操作する操作手段とを備えることを特徴とする車両制御装置。
  3. 前記出力軸へのトルクの付与は、前記燃焼によってトルクが生成される期間よりも長い期間に渡る該生成されるトルクのピーク値よりも小さいトルクの付与として行われることを特徴とする請求項2記載の車両制御装置。
  4. 前記出力軸の実際の回転速度に基づき、前記出力軸に付与されるトルクをフィードバック補正する補正手段を更に備えることを特徴とする請求項2又は3記載の車両制御装置。
  5. 前記トルクの付与は、前記燃焼停止に起因してトルクが生成されない期間のそれぞれに対応してなされることを特徴とする請求項1又は3又は4記載の車両制御装置。
  6. 前記減筒制御手段は、前記内燃機関の全気筒運転によって要求トルクを生成するために各気筒において必要な噴射量よりも多量の噴射量を前記一部の気筒のそれぞれにおいて噴射することで行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両制御装置。
  7. 前記内燃機関の搭載される車両の停止時に該内燃機関を停止させる機関停止手段と、
    前記車両の発進に際し、前記内燃機関を再起動する起動手段とを備え、
    該起動手段は、前記トルク付与手段によるトルクの付与によって前記内燃機関を起動することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両制御装置。
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