JP2008069126A - 脂肪細胞分化・脂質蓄積調節剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化及び/又は脂肪細胞における脂肪の蓄積を調節する剤を開発することを課題とする。
【解決手段】ウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつを有効成分とする剤によって上記課題を解決した。上記調節には抑制と促進の双方が包含される。前者の場合、脂肪の蓄積が抑制されて、抗肥満効果が奏されるほか、メタボリックシンドローム、高血圧症、動脈硬化症等の予防及び/又は治療効果が奏され、後者の場合、脂肪の蓄積が促進されて、例えばサシの入った霜降り牛肉の生産が可能となる。
【選択図】なし
【解決手段】ウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつを有効成分とする剤によって上記課題を解決した。上記調節には抑制と促進の双方が包含される。前者の場合、脂肪の蓄積が抑制されて、抗肥満効果が奏されるほか、メタボリックシンドローム、高血圧症、動脈硬化症等の予防及び/又は治療効果が奏され、後者の場合、脂肪の蓄積が促進されて、例えばサシの入った霜降り牛肉の生産が可能となる。
【選択図】なし
Description
本発明は、ウリジル酸、ウリジン、ウラシルを有効成分として含有する脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を調節及び/又は脂肪細胞において脂質蓄積を調節することによってメタボリックシンドローム、高血圧症、動脈硬化症、虚血性心疾患、高尿酸血症、痛風、睡眠時無呼吸症候群、リポジストロフィー、バセドウ病眼症の予防及び/又は治療する剤及びそれを使用することによる脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を調節及び/又は脂肪細胞において脂質蓄積を調節する方法に関するものである。
食生活やライフスタイルの欧米化に伴い、内臓の周りに脂肪がたまる内臓脂肪型肥満を背景とした、メタボリックシンドロームが大きな問題となっている。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積により複数の危険因子が集中し、動脈硬化の危険度が上昇して心筋梗塞や脳卒中などの病気が起こりやすくなる状態を指す。
厚生労働省の調査では、40〜74歳のメタボリックシンドロームと強く疑われる人の割合は、男性が25.7%、女性が10.0%、またメタボリックシンドローム予備軍とされる人の割合は、男性が26.0%、女性が9.6%。このそれぞれの合計を人数にすると約1,960万人にあたり、この年代の男性の2人に1人に、そしてこの年代の女性の5人に1人にこの健康リスクがあると考えられている。
2005年4月の第102回日本内科学会総会において、日本人向けのメタボリックシンドロームの暫定的な定義と診断基準が発表された。具体的には、内臓脂肪の蓄積はへそ周りのウエスト径で判定し、男性85cm以上、女性90cm以上を基準値としている。これに加え、高トリグリセリド血症(≧150mg/dl)且つ/又は低HDLコレステロール血症(<40mg/dl)、収縮期(最大)血圧(≧130mmHg)且つ/又は拡張期(最小)血圧(≧85mgHg)、空腹時高血糖(≧110mg/dl)の内2つ以上該当する場合、メタボリックシンドロームと診断される。
脂肪細胞は中胚葉多能性幹細胞から発生し、前駆脂肪細胞を経て成熟脂肪細胞へ分化する。脂肪の合成・貯蔵・放出を行う白色脂肪細胞と熱産生を行う褐色脂肪細胞とに分類されるが、一般的に中性脂肪の貯蔵組織である白色脂肪細胞を脂肪組織と称する。
脂肪細胞はただエネルギーを蓄えるだけでなく、生体の機能を調節する様々な物質を合成・分泌している。このような脂肪細胞から分泌される生理活性物質は、総称してアディポサイトカインという。このアディポサイトカインの例として、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)−1、アンジオテンシノーゲン、ヘパリン結合性表皮成長因子(HB−EGF)などがある。これらの生理活性物質は、それぞれ血栓形成因子、高血圧因子、血管内皮細胞増殖因子の働きをする。これらの物質は、脂肪組織が多くなると分泌が多くなり、脳血栓や心筋梗塞などの血栓性疾患、高血圧症、動脈硬化になりやすくなる。
一方、他にもアディポネクチンというアディポサイトカインが存在し、血管内皮細胞と単球との接着阻害作用、マクロファージ貪食などによる強力な抗炎症作用、血管平滑筋増殖抑制効果などを有し、動脈硬化抑制に働く。
PAI−Iは肥満化した場合、特に内臓脂肪における発現量が急激に増加しそれに伴って血中濃度も上昇する。PAI−Iには血液を固まりやすくさせ血栓形成を促進する働きがあることから、メタボリックシンドロームに罹患している場合、動脈硬化を促進することがわかっている。
肥大化した脂肪細胞より分泌されるTNF−α・TGF−βといったサイトカインやアンジオテンシンは、脂肪組織におけるPAI−I発現の重要な促進因子である。
アンジオテンシノーゲンは、アンジオテンシンI→アンジオテンシンIIと変化し、血管の収縮作用などにより血圧上昇作用をもたらすことから、高血圧症を増悪させる。
HB−EGFは動脈壁、脂肪細胞で産生・分泌され、血管平滑筋の増殖、遊走を促進、血管内腔を狭窄させる。脂肪細胞の増大により、HB−EGFの産生・分泌が亢進され動脈硬化を促進する。
アディポネクチンは、アディポサイトカインの中でも発現量および産生量が最も多いホルモンである。他のアディポサイトカインは脂肪組織以外の組織、臓器においても多少は発現しているのに対し、アディポネクチンは脂肪細胞以外では全く発現が認められず、完全に脂肪組織特異的であることが知られている。又、血中濃度が非常に高く、ヒトでは5〜10μg/mlとインスリンやレプチンなど他のホルモンの約1,000倍も高濃度である。更に、他のアディポサイトカインは体重や脂肪量が増えるほど血中濃度が増加するのに対し、アディポネクチンの血中濃度は逆に低下し、特に内臓脂肪量とは強い負の相関を示す。
又、アディポネクチンは、前述の動脈硬化抑制効果に加え骨格筋におけるインスリン感受性を改善する効果を有し、且つレプチンのようにアディポネクチン自身の標的臓器での感受性低下が見られないことから、糖尿病や動脈硬化の予防・治療に大きな期待が寄せられている。
脂肪細胞はその大きさの変化により分泌するアディポサイトカインの種類を変化させる。すなわち、メタボリックシンドローム罹患時のように内臓脂肪が肥大すると、動脈硬化やインスリン抵抗性を促す悪玉因子(TNF−α、PAI−Iなど)が増加し、善玉因子アディポネクチンなど)の分泌を妨げてしまう。
皮下脂肪型肥満において、尿酸の排泄が低下しやすいことが知られている。一方、内蔵脂肪型肥満では、体内でプリン体の合成が促進され、尿酸の産生過剰をもたらすことがわかっている。内臓脂肪型肥満ではさらに、インスリン抵抗性を介した尿酸の排泄低下も起こってくる。インスリン抵抗性が生じると、これを補うために膵臓はより多くのインスリンを分泌するようになり、血液中にインスリンが余る状態になる。この余ったインスリンは腎臓にやってくると、尿細管を通って排泄されるはずの老廃物を、体内に戻してしまうことにより尿酸の排泄が低下する。このことから、肥満になると血清尿酸値が上がりやすくなり、高尿酸血症・痛風の発症が多くなる。
脂肪細胞の分化や肥大化を調節しているのが、PPARγである。PPARγは、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化を誘導し小型脂肪細胞を増やす一方、高脂肪食下では脂肪細胞内に脂肪を蓄積して肥大化させ、大型脂肪細胞を増やす。
以上のことから、脂肪細胞の分化及び脂質蓄積を調節することによって、上記のアディポサイトカインの分泌を調節することが出来、メタボリックシンドロームといった脂肪細胞の増加や肥大に伴う疾患や、それに付随する疾患の予防および治療に有用であると考えられる。
一般に、ヌクレオチド・ヌクレオシド等の核酸関連物質の一部は調味料や医薬として有用であることが知られているが、ウラシル系ヌクレオチドの単用で脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を調節及び脂肪細胞において脂質蓄積を調節することができることは知られていない。まして、エネルギー代謝の異なるマウス・ウシのいずれの脂肪細胞においても効果を発揮することを確認したという報告はなされていない。ましてや、これらを遺伝子レベルで確認したという報告はなく、いずれも本発明が最先である。
又、従来の技術においてウリジル酸および/またはウリジンを使用することによる脂質代謝調節剤が知られているが(特許文献1)、これはLDLコレステロールを低下させHDLコレステロールを高めるといったコレステロール代謝の調節を目的としており、本発明のようにウラシル系ヌクレオチドによる脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を調節及び脂肪細胞における脂質蓄積を調節するものではない。
特開2000−319185
脂質代謝の重要性に鑑み、本発明は、脂肪を増加蓄積するシステム、これとは逆に脂肪を減少させるシステムを開発する目的でなされたものである。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、本発明者らは、ウリジル酸が前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化や脂質蓄積に与える影響を検討し、その結果、ウリジル酸により脂肪細胞の分化及び脂肪蓄積を促進または抑制させることができることを見出した。本発明は、促進、抑制の一方だけでなく双方の作用を有するというきわめて卓越した特性を見出した点できわめて特徴的である。
本発明は、これらの有用新知見に基づき、更に研究した結果、遂に完成されたものであって、ウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつを有効成分とする脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を調節及び/又は脂肪細胞において脂質の蓄積を調節する剤を基本的技術思想とするものである。
以下、本発明について詳述する。
以下、本発明について詳述する。
本発明に於いてはウラシルを塩基として有する核酸関連化合物を有効成分として使用するものであり、核酸関連化合物としては、ウラシル、ウリジン、ウリジル酸から選ばれる少なくともひとつが例示使用される。
核酸関連化合物の由来には格別の制限はなく、合成品でも良いが、酵母、細菌、乳、魚介類、動物、植物等の天然物由来のものが好適である。核酸関連化合物の精製方法についても、格別の制限はなく、完全に精製されたものが使用できることはもちろんのこと、粗製物や含有物等も自由に使用することができ、乾燥品〜ペースト状物〜液状ないし懸濁状物にした処理物も広く使用することができる。
本発明は、ウリジル酸の有効性(つまり、機能性、生理活性ないし生理作用)をマウス及びウシの前駆脂肪細胞を用いて確認した点に大きな特徴を有するものである。具体的には、ヒトと同様にグルコースをエネルギー源とするマウスと、ヒトと異なり短鎖脂肪酸をエネルギー源とするウシの前駆脂肪細胞にウリジル酸を添加し、脂肪細胞への分化と脂質の蓄積を分析し、各種の生理作用を直接確認した点、しかも、ウリジル酸としては、他の塩基由来の核酸関連化合物との併用ではなく、ウリジル酸のみの単用で有効であることを実際に確認した点においてきわめて特徴的である。また、脂肪の蓄積を遺伝子レベルで分析した点においてもきわめて特徴的である。
本発明によれば、上記の核酸関連化合物を有効成分として、ヒト又はヒト以外の動物用の医薬品、飲食品、サプリメント、調製粉乳、経腸栄養剤、健康飲食品、飼料添加物、飼餌料等各種タイプの組成物として実用に供することが出来る。
有効成分の配合量は、任意でよいが、使用目的(予防又は治療)に応じて適宜定めれば良く、0.0001〜10%の量が適当である。しかしながら、長期間にわたって保健上ないし健康維持の目的で摂取する場合には上記範囲より少量であっても良いし、また本有効成分は、安全性について問題がないので、上記範囲よりも多量に使用しても一向に差し支えない。現にマウスを用いた10日間の急性毒性試験の結果、1000mg/kgの経口投与でも死亡例は認められなかつた。
ヒト及び/又は動物用医薬品として使用する場合、本有効成分は種々の形態で投与される。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与をあげることが出来る。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。その使用量は症状、年齢、体重、投与方法および剤形等によって異なるが、通常は成人に対して1日あたり静脈投与の場合は体重1kg当たり0.01mg〜1000mgを投与することが出来、筋肉投与の場合は同じく0.01mg〜1000mgを投与することが出来る。又、経口投与の場合には同じく0.5mg〜2000mg、好ましくは1mg〜1000mgの範囲内で投与するのがよい。また、飼料あるいは飼料添加物として使用する場合も、上記と同様に常用される飼料、代用乳、飲料水等に有効成分を配合して製造すればよい。
更に、本発明は、核酸関連物質に脂肪細胞分化及び脂肪蓄積の調節という新しい用途があることをはじめて見出したものであって、新規用途発明ということが出来、該核酸関連物質の1種又はそれ以上を有効成分とすることにより、抗メタボリックシンドローム飲食品としてなることを特徴とし、予防および/または治療に用いられる。
本発明は、脂肪細胞の分化及び脂肪蓄積を制御することにより、脂肪細胞の増加、肥大に伴うメタボリックシンドローム・高血圧症・動脈硬化症・虚血性心疾患といった疾患や、高尿酸血症、痛風、睡眠時無呼吸症候群、リポジストロフィー、バセドウ病眼症といった疾患の予防や治療に役立てることができる。
本発明によれば、脂肪細胞の分化及び脂肪蓄積を調節することができ、調節には促進と抑制が包含されるところから、上記のように脂肪細胞の分化及び脂肪蓄積を抑制することにより、各種疾患の予防及び/又は治療に有用であるという著効が奏され、肥満の抑制(予防及び/又は治療)も可能という著効も奏される。この作用は、ヒトと同様にグルコースをエネルギー源とするマウスによって確認されたところから、これらの動物のみでなくヒトにおいても充分に発揮されるものである。したがって、本発明に係る剤は、ヒト及び動物を対象として、上記した各種疾患の予防及び/又は治療に有効なだけでなく、ヒト及び動物用の抗肥満剤としても有用である。
一方、本発明によれば、ウシを対象とした場合、上記とは逆に、脂肪細胞の分化及び脂肪蓄積を促進するという効果が奏され、例えば、サシの入った高級霜降り牛肉の生産も可能になるという著効が奏される。このように本発明によれば、正反対の効果が奏されるという点で非常にユニークであり、きわめて特徴的である。
本発明は、ウリジル酸、ウリジン、ウラシルの少なくともひとつを有効成分としてなることを特徴とする脂肪細胞への分化及び/又は脂質蓄積を調節する剤を提供するものである。本発明に係る剤は、脂肪細胞への分化及び/又は脂質蓄積を抑制又は促進するという2つの作用を有し、前者の場合は、メタボリックシンドローム、高血圧症、動脈硬化症その他の疾患の予防及び/又は治療剤として使用できる。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1) マウス(3T3−L1)脂肪前駆細胞に対するウリジル酸(UMP)添加の影響
(1)マウス(3T3−L1)脂肪前駆細胞をAmerican Type Culture Collection Global Bioresource Center社から得た。その細胞を培養皿に播種し、コンフルエント2日後まで10%fetal bovine serum(FBS)を含むDMEM培地によって維持した。培地は48時間ごとに交換、補充した。細胞は10%FBS、0.5mM 3−isobutyl 1−metylxanthine(IBMX)、1μMデキサメタゾン及び1.7μMインスリンを含むDMEMを加えて脂肪細胞への分化を誘導した。
(1)マウス(3T3−L1)脂肪前駆細胞をAmerican Type Culture Collection Global Bioresource Center社から得た。その細胞を培養皿に播種し、コンフルエント2日後まで10%fetal bovine serum(FBS)を含むDMEM培地によって維持した。培地は48時間ごとに交換、補充した。細胞は10%FBS、0.5mM 3−isobutyl 1−metylxanthine(IBMX)、1μMデキサメタゾン及び1.7μMインスリンを含むDMEMを加えて脂肪細胞への分化を誘導した。
(2)分化誘導48時間後、培地を10%FBSを含んだDMEMに交換し、細胞は分化誘導後、少なくとも10日目まで維持した。それを超純水にて溶解・希釈し分化誘導培地に変えた後、10-5M〜10-7MのUMPを48時間の間隔を置いて添加し、分化誘導後10日目にOil red O染色を行い脂肪蓄積を観察した。又、脂肪組織および脂肪細胞の脂肪合成活性の指標として最も多く用いられているグリセロール三リン酸脱水素酵素(GPDH)を測定した。更に脂肪細胞分化関連遺伝子であるPPARγ2とadipophilinの発現量を調査した。
(3)Oil Red O染色法
オイルレッドオー染色は次のようにして実施した。分化した脂肪細胞をPBSで三回洗浄し、10%(vol/vol)ホルムアルデヒド溶液で10分以上固定した。1%PBSで二回洗浄後に、37℃条件下で0.5%oil red O(Sigma Chemical社)溶液を用いて染色し、最後にPBSで洗浄し、顕微鏡下で観察した。
オイルレッドオー染色は次のようにして実施した。分化した脂肪細胞をPBSで三回洗浄し、10%(vol/vol)ホルムアルデヒド溶液で10分以上固定した。1%PBSで二回洗浄後に、37℃条件下で0.5%oil red O(Sigma Chemical社)溶液を用いて染色し、最後にPBSで洗浄し、顕微鏡下で観察した。
(4)グリセロール三リン酸脱水素酵素活性法
測定にはセルガレージ社によるGPDH活性測定キットを使用した。分化した3T3−L1脂肪細胞の培養液を除去した後、生理的リン酸緩衝液で洗浄し、トリシン緩衝液(pH7.4)、EDTA−2ナトリウムを含む酵素抽出液を培養皿一枚あたり1ml加えた。細胞を破砕し、12,800g、4℃で5分間遠心分離した後、上清200μlを酵素測定に用いた。これにトリシン緩衝液(pH7.4)、EDTA−2ナトリウム、DTT、DHAP、NADHを含む反応基質400μlを加えよく攪拌した。25℃条件下にて、分光光度計340nmでの吸光度を経時的に測定した。検体1mlあたりのGPDHが1分間に1μmolのNADHを消費する活性を1Uとした時のGPDH活性を次式によって求めた。
測定にはセルガレージ社によるGPDH活性測定キットを使用した。分化した3T3−L1脂肪細胞の培養液を除去した後、生理的リン酸緩衝液で洗浄し、トリシン緩衝液(pH7.4)、EDTA−2ナトリウムを含む酵素抽出液を培養皿一枚あたり1ml加えた。細胞を破砕し、12,800g、4℃で5分間遠心分離した後、上清200μlを酵素測定に用いた。これにトリシン緩衝液(pH7.4)、EDTA−2ナトリウム、DTT、DHAP、NADHを含む反応基質400μlを加えよく攪拌した。25℃条件下にて、分光光度計340nmでの吸光度を経時的に測定した。検体1mlあたりのGPDHが1分間に1μmolのNADHを消費する活性を1Uとした時のGPDH活性を次式によって求めた。
GPDH活性(U/ml)=ΔO.D.(340nm)/分×0.482
(ΔO.D.:340nmにおける吸光度の変化量)
(ΔO.D.:340nmにおける吸光度の変化量)
(5)UMPによるPPARγ2とアディポフィリンのmRNA発現量の測定
先ずはじめに、細胞からの全RNAの抽出を行った。すなわち、コンフルエントや分化した3T3−L1脂肪細胞とウシ脂肪細胞からのtotal RNA抽出は、Trizol reagent(Invitrogen社)を用いて抽出した。
先ずはじめに、細胞からの全RNAの抽出を行った。すなわち、コンフルエントや分化した3T3−L1脂肪細胞とウシ脂肪細胞からのtotal RNA抽出は、Trizol reagent(Invitrogen社)を用いて抽出した。
3T3−L1脂肪細胞を、各培養皿10cm2あたりにTrizol reagent 1mlを添加し、数回ピペット操作することで溶解した。5分室温静置の後、1/5量のクロロホルムを添加、ボルテックスを行った。遠心分離によりフェノール層を抽出し、それらに等量のイソプロピルアルコールを添加し、15,000xgで15分間遠心した後、上澄みを捨て、ペレットに1mlの75%エタノールを加えボルテックスにより良く混和した。再び7,500xgで5分間遠心し上澄みを除去しdry−upした後、DNase/RNaseフリー水で溶解した。RNAの状態を吸光度計やゲル電気泳動で調べた。
上記の方法で得られたTotal RNAを用いて、半定量RT−PCRを行ない、PPARγ2、adipophilinおよびβ−actinそれぞれのmRNAの発現レベルを調査した。
(6)結果
UMPを添加した3T3−L1脂肪細胞は、無添加の細胞と比べ濃度依存的に脂肪細胞分化と脂質蓄積を抑制した(図1)。又、GPDH活性は、無添加の細胞と比べ有意に減少し、さらに濃度依存的に減少する傾向が確認された(図2)。更に、PPARγ2とadipophilinの発現量は、無添加の細胞と比べ、濃度依存的にPPARγ2(図3a)とadipophilin(図3b)の発現量を減少させる傾向を示した。
UMPを添加した3T3−L1脂肪細胞は、無添加の細胞と比べ濃度依存的に脂肪細胞分化と脂質蓄積を抑制した(図1)。又、GPDH活性は、無添加の細胞と比べ有意に減少し、さらに濃度依存的に減少する傾向が確認された(図2)。更に、PPARγ2とadipophilinの発現量は、無添加の細胞と比べ、濃度依存的にPPARγ2(図3a)とadipophilin(図3b)の発現量を減少させる傾向を示した。
なお、図1は図面代用写真、特にカラー写真である。又、図3のPPARγ2はペルオキシソーム プロリフェレーター アクチベーテッド レセプターを意味し、Mは100bp分子サイズのマーカー(n=3)を示し、NDは検出されずを意味する。
よって、UMPは3T3−L1脂肪前駆細胞における細胞の分化および脂肪蓄積を抑制することがわかった。
(実施例2) ウシ脂肪前駆細胞に対するUMPの影響
(1)ウシ脂肪前駆細胞(腎周囲由来)を16〜18ヶ月齢の黒毛和種牛から得た。その細胞を播種し、コンフルエント2日後まで10% fetal bovine serum(FBS)を含む低グルコースDMEM培地に、10mM酢酸を添加して維持した。培地は48時間ごとに交換、補充した。細胞は10mM酢酸、Lipid mixture(200倍)、2nMT3、10nMデキサメタゾン、8.5×10-7Mウシインスリン、500nMロシグリタゾン、17μM biotin、10ng/mlウシトランスフェリン、100μM panthothenateを含む低グルコースDMEM/Ham’s F−12(1:1、vol/vol)を加えて脂肪細胞への分化を誘導した。
(1)ウシ脂肪前駆細胞(腎周囲由来)を16〜18ヶ月齢の黒毛和種牛から得た。その細胞を播種し、コンフルエント2日後まで10% fetal bovine serum(FBS)を含む低グルコースDMEM培地に、10mM酢酸を添加して維持した。培地は48時間ごとに交換、補充した。細胞は10mM酢酸、Lipid mixture(200倍)、2nMT3、10nMデキサメタゾン、8.5×10-7Mウシインスリン、500nMロシグリタゾン、17μM biotin、10ng/mlウシトランスフェリン、100μM panthothenateを含む低グルコースDMEM/Ham’s F−12(1:1、vol/vol)を加えて脂肪細胞への分化を誘導した。
(2)分化誘導48時間後、培地は低グルコースDMEM/Ham’s F−12(1:1、vol/vol)に交換し、細胞は分化誘導後、少なくとも20日目まで維持した。それを超純水にて溶解・希釈し、分化誘導培地に変えた後、10-5M〜10-7MのUMPを48時間の間隔を置いて添加し、分化誘導後20日目にOil red O染色を行い脂肪蓄積を観察した。又、実施例1と同様にPPARγ2とadipophilinの発現量を調査した。
(3)腎周囲前駆脂肪細胞においてUMPの添加により無添加の細胞に比べ、脂肪蓄積が増加した(図4)。更に、UMPによるPPARγ2の遺伝子発現量は濃度依存的に有意に増加したが、adipophilinは10-7Mのみ増加する傾向を示した(図5)。
尚、図4は図面代用写真、特にカラー写真である。又、図5のPPARγ2はペルオキシソーム プロリフェレーター アクチベーテッド レセプターを意味し、Mは100bp分子サイズのマーカー(n=3)を示し、NDは検出されずを意味する。
よって、UMPはウシの腎周囲前駆脂肪細胞において脂肪蓄積を促進することがわかった。
Claims (7)
- ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分としてなること、を特徴とする脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を調節する剤。
- ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分としてなること、を特徴とする脂肪細胞における脂質蓄積を調節する剤。
- メタボリックシンドローム、高血圧症、動脈硬化症、虚血性心疾患、高尿酸血症、痛風、睡眠時無呼吸症候群、リポジストロフィー、バセドウ病眼症の少なくともひとつを予防及び/又は治療すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の剤。
- ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分としてなること、を特徴とする脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化調節、脂肪細胞における脂質蓄積調節、の少なくともひとつの作用(活性)を有する剤。
- 剤がヒト又は動物用であること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
- ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有すること、を特徴とする脂肪細胞分化調節作用または脂質蓄積調節作用を有するヒトまたは動物用飲食品。
- ウリジル酸、ウリジン、ウラシルからなる核酸関連物質から選ばれる1種又は2種以上を経口投与あるいは非経口投与すること、を特徴とするヒト又は動物において脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化調節及び/又は脂肪細胞における脂質蓄積調節をする方法。
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