JP2008055933A - 車両の車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両は、主燃料を貯留するメインタンクと、主燃料と相違する燃料からなる副燃料を貯留するサブタンクT2と、を備えている。サブタンクT2は、プロテクタ5によって覆われると共に、車体Bの外側表面を形成する表面部材B2の内側に配置されている。
【選択図】図6
Description
その結果、車両が衝突事故を起こしてエンジンルームが潰れた際には、サブタンクがそのときの衝撃力によって変形するおそれがあった。
エンジンルーム内に配置されたサブタンクに給油した場合には、燃料蒸気がカウルトップの空気吸入口から車室内に入り込んで、ガソリン等の副燃料の臭いが乗員に伝わるという問題点があった。
ここで、主燃料とは、エンジンを駆動するのに主に使用される燃料であり、例えば、アルコール類や、アルコール類とガソリン等の混合燃料である。副燃料は、主燃料を使用しないときに使用される燃料であって、例えば、主燃料より気化性の良好なガソリン等である。また、表面部材とは、車体の外側表面を形成する部材であって、例えば、フロントフェンダやリヤフェンダ等である。
図1に示すように、車両Cは、少なくとも主に使用するアルコールやそのアルコールとガソリン等の混合燃料等の主燃料が貯留されたメインタンクT1と、低温始動時や暖機中等のその他のときに使用するガソリン等の副燃料(主燃料と相違する燃料)が貯留されたサブタンクT2とを備えたものであればよく、特に、車両Cの種類や形状等は限定されない。すなわち、車両Cは、車体Bの前側にエンジンルームERが設置されてメインタンクT1とサブタンクT2とを有するものであれば乗用車や作業車等であってもよく、以下、右ハンドルの乗用車の場合を例に挙げて説明する。
図1に示すエンジンEは、主燃料と副燃料とで適宜に効率よく駆動されるようになっている。エンジンEの吸気通路であるインテークマニホールド(図示せず)の基端部には、副燃料を噴射するサブソレノイド噴射バルブ(図示せず)が給油パイプ(サブフィールドライン)L2によってサブタンクT2に接続されている。また、エンジンEは、メインフィールドラインL1によってメインタンクT1に接続されている。
図1に示すように、車体Bには、例えば、中央部に車室Rが設置され、車体中央部の床下にメインタンクT1が設置され、前側のエンジンルームERにエンジンEが設置され、エンジンルームERの外壁とフロントフェンダ(表面部材)B2との間にサブタンクT2が配置され、車体Bの側部前側に副燃料給油口T2aを覆うサブフュエルリッド7が配置され、車体Bの左側後側にあるリヤフェンダB1に主燃料給油口3aを覆うメインフュエルリッド6が配置されている。
このように主燃料給油口3aを閉塞するメインキャップ1と、サブタンクT2の副燃料給油口T2aを閉塞するサブキャップ2とは、それぞれ車体Bの別々の位置に配置されて、互いに給油口を間違えて給油されることを防止する構造となっている。
図1に示すメインタンクT1は、例えば、主燃料となるアルコールまたは混合燃料を貯留するための金属製の燃料タンクであり、このメインタンクT1の上面には、内側に向けてメインポンプモジュールP1等が設けられている。
図1に示すように、主燃料給油口3aは、エンジンEを駆動するアルコール等の主燃料を給油するための給油口であり、基端部がメインタンクT1に接続されたフィラパイプ3の先端に形成されている。
フィラパイプ3の主燃料給油口3aの近傍には、給油時にメインタンクT1内の上部空間の空気をフィラパイプ3の主燃料給油口3aの近傍に排出して、給油をスムーズにするための燃料蒸発ガスを還流させるブリーザチューブ4が接続されている。
図3に示すサブキャップ2を覆うと共に、車体開口部B3を開閉するためのサブフュエルリッド7は、例えば、金属製の略円形の金属板からなり、外面が車体Bと同色の塗料で塗装されている。このサブフュエルリッド7は、車体開口部B3を閉塞したときに、外表面部が、車体Bのアウタパネルの外側表面と面一になるようにヒンジ72によって回動自在に軸支されている。サブフュエルリッド7の裏面には、副燃料以外の液体が注入されることを防止するための誤給油の注意書きが付記された誤給油防止用のラベル71と、サブフュエルリッド7を開放するためのオープナ(図示せず)に接続された施錠・解錠部材8の先端部が係合および離脱する係止片73とが配設されている。
図4に示すように、サブタンクT2は、主燃料と相違する燃料からなる副燃料を貯留するためのものであり、このサブタンクT2の上面には、内側に向けてサブポンプモジュールP2と、副燃料を車両Cの外側から給油するための副燃料給油口T2a(図5参照)と、ロールオーバーバルブVと、がそれぞれ設けられている。サブタンクT2は、中央部に表面にガソリン用と付記されたサブキャップ2が配置され、前側にロールオーバーバルブVが配置され、後側にサブポンプモジュールP2が設置されて、側面視して前側が浅く、後側を深く形成した略三角形の容器からなる。サブタンクT2には、エンジンEに副燃料を供給するための給油パイプL2と、燃料蒸気をキャニスタCAおよびフィルタFに送ると共に大気中に連通したサブタンクラインL3と、副燃料給油口T2aから溢れた副燃料を所望位置に排出するためのドレンパイプL4と、が接続されている。
図5に示すように、副燃料給油口T2aは、サブタンクT2に副燃料を給油する給油口であり、サブタンクT2の上部に斜め横上方向に向けて設置されたネックパイプT2cによって形成されている。ネックパイプT2cは、一端に、サブキャップ2が着脱される副燃料給油口T2aを有し、他端に、サブタンクT2が溶着されている。このネックパイプT2cの副燃料給油口T2aは、車体Bの側部表面に設けられた車体開口部B3内に連設された筒状ケース体9内に配置されている。その副燃料給油口T2aの外側であって、筒状ケース体9の下端部には、ドレンパイプL4が接続されている。ネックパイプT2c内は、サブキャップ2の雄ねじ部2aが螺合する雌ねじ部T2dが形成されている。
図5に示すように、プロテクタ5は、サブタンクT2を覆って保護するための保護部材であり、フロントフェンダB2より板厚が厚い部材によって形成されている。プロテクタ5は、フロントフェンダB2とアウタパネルB4との間に配設されている。
プロテクタアウタ52は、中央部から上側にかけて、サブキャップ2を露出するための切欠部52eを形成している。
図6に示すドレンパイプL4は、例えば、副燃料を副燃料給油口T2aからサブタンクT2に急速に給油したとき等に、副燃料が副燃料給油口T2aから溢れ出た副燃料をエンジンルームER(図1参照)外の所望位置に排出するためのパイプである。このドレンパイプL4は、副燃料給油口T2aからフロントフェンダB2(図5参照)とアウタパネルB4との間を下方へ延設されて配置されて、サブタンクT2から溢れた副燃料がエンジンルームER以外に排出されるように導くために設けられている。
給油パイプL2は、一端がサブポンプモジュールP2(図4参照)に接続されてサブフュエルポンプP2aに連通し、他端がエンジンE(図1参照)のサブソレノイド噴射バルブ(図示せず)を介してインテークマニホールド(図示せず)に接続されている。プロテクタ5から引き出された給油パイプL2は、図7および図8に示すように、その上方からスチフナ10またはエンジンルームERの周部を形成するアッパフレーム等のフレーム部材B5に固定されたパイププロテクタ12,13によって覆われている。給油パイプL2の途中には、図7に示すように衝撃を吸収するためのクッションジョイント(クイックコネクタ)Jが介在されている。
図7および図8に示すように、パイププロテクタ12,13は、給油パイプL2を被せるように覆って保護するための部材であり、例えば、金属板等の比較的頑丈な部材によって形成されている。このパイププロテクタ12,13は、縦断面の形状が略コ字状をした半筒状の部材からなり、周部に形成したフランジ形状の固定片12a,13aをスチフナ10や車体Bを形成するためのフレーム部材B5にボルト等によって締結される。パイププロテクタ12,13は、例えば、車体Bの側面側に配置される一方のパイププロテクタ12と、車体Bの上面側であるエンジンルームERの周部に配置される他方のパイププロテクタ13との2つの部材を連設してなる。
なお、このパイププロテクタ12は、プロテクタインナ51またはプロテクタアウタ52と一体に成形したものであっても構わない。
次に、各図を参照して本発明の実施形態に係る車両の車体構造を組み付け手順と共に作用を説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る車両の車体構造を示す図であり、プロテクタインナを車体に取り付けたときの状態を示す要部拡大斜視図である。図10は、本発明の実施形態に係る車両の車体構造を示す図であり、プロテクタインナにサブタンクを取り付けたときの状態を示す要部拡大斜視図である。図11は、本発明の実施形態に係る車両の車体構造を示す図であり、プロテクタアウタを車体に取り付けたときの状態を示す要部拡大斜視図である。
そして、サブタンクT2に、給油パイプL2、サブタンクラインL3およびドレンパイプL4を接続する。
このようにして車体Bに配置された給油パイプL2は、図7に示すパイププロテクタ12と、図8に示すパイププロテクタ13とによって覆われていることによって、車両Cの衝突時の衝撃力から保護することができると共に、他の物が給油パイプL2に直接当たることを防止することができる。このため、給油パイプL2が外力によって変形したり、破損して副燃料が給油パイプL2から漏れたりすることを防止ができる。
このため、ドレンパイプL4を図7に示すカウルトップB6から車室R内に入り込む空気の取り入れ口である空気吸入口B6aから離れた位置に配置することができる。このように、ドレンパイプL4は、エンジンルームERの外側に配置できるため、このドレンパイプL4から発生する燃料蒸気が、空気吸入口B6aから車室R内に流れ込んで、車室R内に副燃料の臭いが充満することを解消できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
また、車体Bの後側にエンジンEを搭載した車両の場合には、リヤフェンダB1が配設された部位にサブタンクT2や副燃料給油口T2aを配置しても構わない。
12,13 パイププロテクタ
B 車体
B1 リヤフェンダ(表面部材)
B2 フロントフェンダ(表面部材)
B4 アウタパネル
B5 フレーム部材
C 車両
ER エンジンルーム
L2 給油パイプ
L4 ドレンパイプ
R 車室
T1 メインタンク
T2 サブタンク
T2a 副燃料給油口
Claims (4)
- 主燃料を貯留するメインタンクと、
前記主燃料と相違する燃料からなる副燃料を貯留するサブタンクと、を備えた車両の車体構造において、
前記サブタンクは、プロテクタによって覆われると共に、車体の外側表面を形成する表面部材の内側に配置されていることを特徴とする車両の車体構造。 - 前記表面部材は、車両の前側側面に設置されるフロントフェンダからなり、
前記プロテクタは、前記フロントフェンダより板厚が厚い部材によって形成されると共に、前記フロントフェンダと当該フロントフェンダより前記車両の内側に配置されるアウタパネルとの間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の車体構造。 - 前記サブタンクには、当該サブタンク内の副燃料を送るための給油パイプが接続され、
前記給油パイプは、前記車体に固定されるパイププロテクタによって覆われていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の車体構造。 - 前記サブタンクには、前記副燃料を当該サブタンクに給油するための副燃料給油口の近傍にドレンパイプが接続され、
前記ドレンパイプは、前記副燃料給油口からフロントフェンダとアウタパネルとの間を下方へ延設されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両の車体構造。
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