[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2008054491A - モータ - Google Patents

モータ Download PDF

Info

Publication number
JP2008054491A
JP2008054491A JP2007163762A JP2007163762A JP2008054491A JP 2008054491 A JP2008054491 A JP 2008054491A JP 2007163762 A JP2007163762 A JP 2007163762A JP 2007163762 A JP2007163762 A JP 2007163762A JP 2008054491 A JP2008054491 A JP 2008054491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating shaft
resin film
film
bearing
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007163762A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Yamamoto
登子雄 山本
Kiyoshi Nishimura
清志 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP2007163762A priority Critical patent/JP2008054491A/ja
Priority to US11/830,384 priority patent/US20080070707A1/en
Publication of JP2008054491A publication Critical patent/JP2008054491A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】回転軸と軸受との摺動部分で発生するノイズを低減することができ、さらに耐磨耗性や摺動性が低い材料で回転軸を構成した場合でも、軸受との摺動部分での磨耗を防止することのできるモータを提供すること。
【解決手段】ステッピングモータ1の回転軸20は、母材201がアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなり、耐磨耗性や摺動性が低く、かつ、軸受と直接、接すると、摺動部分でノイズが発生する。そこで、回転軸20において、軸受3、4との摺動部分を構成する球状突出部分24および丸棒状突出部分25、さらには、キャリア10と摺動するリードスクリュー26には、ポリイミド系樹脂中にポリテトラフルオロエチレン粒子およびグラファイト粒子を固体潤滑剤として含む電着皮膜からなる樹脂皮膜202を形成しておく。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロータの回転軸が軸受で支持されたモータに関するものである。
CDプレーヤやDVDプレーヤに用いられる光ヘッド等のモータとしては、例えば、回転軸の出力側部分の外周面にリードスクリューが形成されたステッピングモータが用いられている。このようなステッピングモータでは、例えば、回転軸に永久磁石が取り付けられてロータが構成され、この永久磁石に径方向で対向する位置にステータが配置されている。また、回転軸は軸受により回転可能に支持されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなモータにおいて、回転軸は、従来、ステンレスや黄銅によって構成されている。但し、モータに対しては、近年、小型化、軽量化が要求されており、このような要求に対応する方法としては、回転軸をアルミニウムあるいはアルミニウム合金により形成することが考えられる。すなわち、ステンレスの比重は7.6〜8.0であり、黄銅の比重は8.2〜8.8であるのに対して、アルミニウムやアルミニウム合金の比重は2.6〜2.8であるので、回転軸をアルミニウムあるいはアルミニウム合金により形成すれば、回転軸の軽量化を図ることができる。また、回転軸を軽量化すると、同一の出力を得る場合でも、永久磁石やステータの小型化を図ることができるとともに、その分、永久磁石やステータの軽量化を図ることができる。
特開2000−358350号公報
しかしながら、モータにおいて、回転軸および軸受の双方が金属製である場合、摺動部分で大きなノイズが発生するという問題点がある。そこで、回転軸と軸受との摺動部分に樹脂を塗布して塗装した構成や、アウトサート成形により摺動部分を樹脂とした構成が考えられるが、摺動部分に樹脂を塗布する構成では、複雑な形状部分に一定厚の樹脂層を形成するのが困難であり、アウトサート成形の場合、サイズや形状が異なる複数の回転軸ごとに金型を準備する必要があり、コストが嵩む。
また、アルミニウムあるいはアルミニウム合金は、耐磨耗性、摺動性が悪いため、軸受との間にグリスを塗布したり、軸受を樹脂製とした場合でも、回転軸側での磨耗が早いという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、回転軸と軸受との摺動部分で発生するノイズを低減することのできるモータを提供することにある。
また、本発明の課題は、耐磨耗性や摺動性が低い材料で回転軸を構成した場合でも、軸受との摺動部分での磨耗を防止することのできるモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、回転軸を備えたロータと、該回転軸を回転可能に支持する軸受とを有するモータにおいて、前記回転軸は、少なくとも前記軸受との摺動部分が、樹脂皮膜で被覆されていることを特徴とする。
本発明において、回転軸は、軸受との摺動部分が樹脂皮膜で被覆されているため、ノイズの発生を抑えることができる。また、軸受との摺動部分を樹脂皮膜で被覆した場合には、回転軸の母材において軸受との摺動部分を平滑面とするための仕上げ加工を省略できるという利点がある。さらに、樹脂皮膜が電着皮膜であるため、樹脂を塗布する方法と比較して、複雑な形状の部分にも均一な厚さで形成しやすいという利点がある。さらにまた、アルミニウムやアルミニウム合金などといった耐磨耗性や摺動性が低い材料を回転軸に用いた場合でも、軸受との摺動部分での磨耗を防止することができる。
本発明において、前記樹脂皮膜は電着皮膜であることが好ましい。
本発明において、前記樹脂皮膜としては、ポリイミド系樹脂皮膜を用いることができる。また、本発明において、前記樹脂皮膜としては、熱反応性基としてエポキシ基を備えたエポキシ系樹脂皮膜を用いてもよい。
本発明において、前記樹脂皮膜は、固体潤滑剤を含んでいることが好ましい。
本発明において、前記樹脂皮膜は充填剤を含んでいることが好ましい。
本発明において、前記充填剤は有機系であることが好ましい。
本発明において、前記回転軸は、母材がアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなることが好ましい。回転軸の母材がアルミニウムあるいはアルミニウム合金であれば、回転軸を軽量化でき、モータの軽量化を図ることができる。また、回転軸を軽量化すると、同一の出力を得る場合でも、永久磁石やステータを小型化でき、モータの小型化を図ることができるとともに、永久磁石やステータの軽量化を図ることができる分、モータの軽量化を図ることができる。
本発明において、前記回転軸には、前記樹脂皮膜の下層側にアルマイト皮膜が形成されていることが好ましい。アルマイト皮膜は、硬質であるため、アルマイト皮膜を形成すれば、回転軸の硬度が向上し、更に耐腐食性も向上する。
本発明は、前記母材が鉄あるいは鉄合金からなる場合でも適用することができる。
前記母材の表面には、前記樹脂皮膜の下層側に化成皮膜が形成されていることが好ましい。例えば、化成皮膜として、リン酸亜鉛皮膜、リン酸マンガン皮膜、リン酸鉄皮膜などのリン酸塩皮膜を形成した場合、かかる皮膜は、多孔質であるため、アンカー効果により樹脂皮膜との密着度が向上する。また、化成皮膜としては、耐腐食性の高い皮膜を形成すれば、保護膜として機能する。
本発明において、前記回転軸には、前記軸受により支持される球状部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、回転軸と軸受との間にボールを介在させた場合と違って、樹脂皮膜の膜厚の起因する寸法公差の影響でボールの位置がずれるという問題が発生しないので、安定した軸受特性を得ることができる。
本発明において、前記回転軸にはリードスクリューが形成され、当該リードスクリューも前記樹脂皮膜で被覆されていることが好ましい。回転軸にリードスクリューが形成されている場合、リードスクリューにはキャリアが係合し、リードスクリューの回転により、キャリアはリードスクリューに沿って移動する。従って、リードスクリューとキャリアとの間でも摺動が起こる。それ故、リードスクリューのキャリアとの摺動部分も樹脂皮膜で被覆しておけば、アルミニウムやアルミニウム合金などといった耐磨耗性や摺動性が低い材料で回転軸を構成した場合でも、キャリアとの摺動部分での磨耗を防止することができる。また、キャリアとの摺動部分を樹脂皮膜で被覆した場合には、回転軸の母材においてキャリアとの摺動部分を平滑面とするための仕上げ加工を省略できるという利点がある。
本発明において、回転軸は、軸受との摺動部分が樹脂皮膜で被覆されているため、ノイズの発生を抑えることができる。また、軸受との摺動部分を樹脂皮膜で被覆した場合には、回転軸の母材において軸受との摺動部分を平滑面とするための仕上げ加工を省略できるという利点がある。さらに、樹脂皮膜が電着皮膜であるため、樹脂を塗布する方法と比較して、複雑な形状の部分にも均一な厚さで形成しやすいという利点がある。さらにまた、アルミニウムやアルミニウム合金などといった耐磨耗性や摺動性が低い材料を回転軸に用いた場合でも、軸受との摺動部分での磨耗を防止することができる。よって、回転軸と軸受との摺動面に磨耗によって生じる磨耗粉や腐食による不純物の発生を防ぐことができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したモータを説明する。
[実施の形態1]
(ステッピングモータの全体構成)
図1(a)、(b)、(c)は、本発明を適用したステッピングモータの半断面図、ステッピングモータを反出力側からみたときの背面図、および回転軸の説明図である。
図1(a)、(b)において、本形態のステッピングモータ1は、概ね、ステータ5と、ロータ2と、ステータ5の周りを覆うモータケース50と、ステータ5の出力側に固定されたフレーム7とを有している。ロータ2は、回転軸20と、この回転軸20の反出力側の部分に対して、軸線方向で隣接する位置に固定された2つの永久磁石28、29とを有しており、2つの永久磁石28、29は各々、N極とS極とが周方向で交互に着磁されている。ステータ5は、永久磁石28、29に対して外周側で対向する位置に、軸線方向に重ねて配置された2つのステータ組51、52を備えている。2つのステータ組51、52は各々、外ステータコア51a、52aと、コイル51b、52bが巻回されたボビン51c、52cと、ボビン51c、52cを外ステータコアとの間に挟む内ステータコア51d、52dとを有しており、外ステータコア51a、52aおよび内ステータコア51d、52dは、ステータ5の内周部分に配列される複数の極歯を備えている。
図1(a)、(c)に示すように、回転軸20は、小径軸部分22と大径軸部分21とを備えており、小径軸部分22に永久磁石28、29が固定されている。回転軸20において、小径軸部分22の後端部は、モータケース50から反出力側に突出する反出力側軸端20aを構成している。これに対して、大径軸部分21は、モータケース50の出力側端板50bから突出しており、その外周面にリードスクリュー26が形成されている。
フレーム7は、モータケース50の出力側端板50bに固定された固定板部72と、この固定板部72に対して出力側で対向する対向板部71と、この対向板部71と固定板部72とを連結する連結板部70とを備えている。
(リードスクリューの構成)
図2(a)、(b)は、本発明を適用したステッピングモータの回転軸に形成したリードスクリューの説明図、およびこのリードスクリューを拡大して示す断面図である。
図2(a)、(b)に示すように、リードスクリュー26には、キャリア10が係合しており、キャリア10には、リードスクリュー26との供回りを防止する機構(図示せず)が構成されている。このため、回転軸20が回転すると、キャリア10は、リードスクリュー26に沿って回転軸20の軸線方向に移動する。その際、キャリア10は、リードスクリュー26のフランク面260と摺動する。なお、リードスクリュー26の内部には、必要に応じて潤滑剤としてのグリスが注入される。
(軸受の構成)
図3(a)、(b)は、図1に示すステッピングモータの出力側軸受の説明図、および反出力側軸受の説明図である。
図1において、本形態のステッピングモータ1は、回転軸20の反出力側に反出力側軸受3、軸受ホルダ6および付勢部材9を備える一方、出力側に出力側軸受4を備えている。従って、回転軸20の反出力側軸端20aは、軸受ホルダ6に嵌合された反出力側軸受3により支持され、回転軸20の出力側軸端20bは、フレーム7の対向板部71に保持された出力側軸受4により支持されている。ここで、反出力側軸受3および出力側軸受4はいずれも金属製あるいは樹脂製のいずれであってもよいが、本形態では、ポリブチレンテレフタレートから形成される。
図3(a)に示すように、回転軸20の出力側軸端20bには、回転軸20の軸線Lと平行な外周面を備えた小径の丸棒状突出部分25が形成されており、出力側軸受4は、この丸棒状突出部分25の外周部分25aを円形凹部41の内周側面41aでラジアル方向で支持する第1の軸受として構成されている。ここで、円形凹部41の内周側面41aは、回転軸20の軸線Lと平行である。また、丸棒状突出部分25の端面25bは球面(球状部)になっており、この端面25b(球面)は、出力側軸受4の円形凹部41の底部41bによってスラスト方向に支持されている。なお、円形凹部41の内側には、必要に応じて潤滑剤としてのグリスが注入される。
図3(b)に示すように、回転軸20の反出力側軸端20aには球状突出部分24(球状部)が形成されており、反出力側軸受3は、この球状突出部分24の軸線Lの付近24aを凹錐部31の円錐面31aでラジアル方向およびスラスト方向に支持する第2の軸受として構成されている。なお、凹錐部31の内側には、必要に応じて潤滑剤としてのグリスが注入される。
モータケース50の反出力側端板50aには軸受ホルダ6が固定されており、この軸受ホルダ6には、反出力側軸受3が装着される貫通穴60が形成されている。また、軸受ホルダ6に対してさらに反出力側には金属板からなる付勢部材9が配置されている。付勢部材9には、その外周縁から複数の爪部91が延びており、これらの複数の爪部91が軸受ホルダ6の外周側から反対面側に回りこんで軸受ホルダ6に係合し、付勢部材9は、軸受ホルダ6に固定されている。付勢部材9には板バネ部92が切り起こされており、この板バネ部92は、反出力側軸受3を出力側に向けて付勢している。このため、回転軸20は出力側軸受4に向けて付勢され、回転軸20のがたつきが防止されている。
(回転軸の詳細な構成)
このように構成したステッピングモータ1において、回転軸20は母材201がアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる。また、回転軸20の母材201として用いたアルミニウムあるいはアルミニウム合金は、耐磨耗性や摺動性が低いという問題を解消するため、本形態では、以下の構成を採用している。
まず、本形態では、図2(b)および図3(a)、(b)に示すように、回転軸20の表面の略全体には、電着皮膜からなる樹脂皮膜202が形成されている。
このため、本形態では、図3(a)に示すように、回転軸20の出力側軸端20bにおいて、出力側軸受4と摺動する丸棒状突出部分25の表面(軸受との摺動部分)は、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われている。また、図3(b)に示すように、回転軸20の反出力側軸端20aにおいて、反出力側軸受3と摺動する球状突出部分24の表面(軸受との摺動部分)も、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われている。さらに、図2(b)に示すように、リードスクリュー26も、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われ、キャリア10と摺動するリードスクリュー26のフランク面260(キャリア10との摺動部分)は、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われている。
本形態において、樹脂皮膜202としては、ポリイミド系樹脂皮膜が用いられている。また、本樹脂皮膜202は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子およびグラファイト粒子を固体潤滑剤として含んでおり、かかる固体潤滑剤は、自己潤滑性や耐摩耗性を備えている。固体潤滑剤としては、比較的層間距離の離れた層状分子構造を有するものを用いることができ、ポリテトラフルオロエチレンやグラファイトの他、二硫化モリブデンや二硫化タングステンを用いることもできる。
(回転軸の加工方法)
このように構成したステッピングモータ1の製造方法のうち、回転軸20を製造するにあたっては、切削加工や転造などの方法により、回転軸20の母材201を得た後、そのまま、あるいは面粗度を改善するための仕上げ加工を行った後、以下に説明する電着工程に回送する。
電着工程を行うにあたっては、電着塗装材料を準備しておく。本形態において、電着塗装材料のベースとなる耐熱性樹脂材料はポリイミドであるが、このポリイミドは、ポリイミド系材料の酸成分(例えば、ビシクロオクト−7−エン−2、3、5、6−テトラカルボン酸二無水物など)を溶媒(例えば、N−メチルピロリドンなど)に溶解させ、その溶解液を数時間攪拌し、それによって得られた溶解液を透析チューブ内に入れて有機溶媒などの雑イオンを除去することによって合成される。ここで行う透析は、溶解液がほぼ中性になるまで実施する。なお、本形態で合成されるポリイミドは、自身がプラスに帯電するカチオン系のものであるが、本発明はこれに限られず、自身がマイナスに帯電するアニオン系のものであっても構わない。
次に、上述の工程を経て得られたポリイミド10〜20重量%に、固体潤滑剤料として、ポリテトラフルオロエチレン粒子をポリイミドの固形分重量比で5〜40重量%添加する。ここで、リテトラフルオロエチレン粒子についてはポリイミドの固形分重量比10〜30重量%(特に、20±5重量%)で添加するのがよい。これにより、溶解液がゲル(半固形)状になったり、沈殿が発生したりするのを防ぐことができ、液の管理が容易になる。また、本形態においては、ポリテトラフルオロエチレン粒子を配合した液に、グラファイト粒子を、例えば、ポリイミドの固形分重量比で3〜15重量%添加する。グラファイト粒子の配合量については、ポリテトラフルオロエチレン粒子とともに配合することを考慮して、ポリイミドの固形分重量比で3〜5重量%添加するのが好ましい。耐熱性樹脂材料としてのポリイミドの含有量が10重量%よりも少ないと、固体潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレン粒子が電着中に沈殿しやすくなるので好ましくなく、また、ポリイミドの含有量が20重量%よりも多いと、表面エネルギーが低くなり、はじき等の塗装外観不良を発生する傾向となるので好ましくない。ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量が10重量%よりも少ないと、潤滑性が十分でないので好ましくなく、また、ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量が30重量%よりも多いと、ポリテトラフルオロエチレン粒子あるいはグラファイト粒子が均一分散されず沈殿しやすくなるので好ましくない。グラファイト粒子については、3重量%よりも少ないと、その効果が十分でなく、5重量%を超えると、沈殿しやすくなるので好ましくない。なお、上述の工程を得て得られた電着塗装材料を水溶性化するために、イオン交換水、乳酸や酢酸等の弱酸、イソプロピルアルコールやブチルセロソルブ等の溶剤を添加してもよい。
このようにして得た電着塗装材料を純水と混合して電着液を調製する。一方、回転軸20の母材201については、脱脂工程や洗浄工程を行う。例えば、イロプロピルアルコールにより1分間の超音波洗浄を行った後、純水洗浄を行う。
次に、電着液に回転軸20の母材201を浸漬するとともに、母材201を陰極、対極となる電解槽を陽極として直流電圧を印加する。このような電着を行う際、母材201への給電箇所は、丸棒状突出部分25(軸受との摺動部分)、球状突出部分24(軸受との摺動部分)、およびリードスクリュー26のフランク面260(キャリア10との摺動部分)を避けた位置とする。このときの電着液の温度は、例えば、25℃に設定される、そして、電着皮膜の厚さが3〜50μm、例えば10μmとなるように、印加電圧を50〜200Vに設定し、約2分間、定電圧条件下で電着を行う。その結果、回転軸20の母材201の表面に電着皮膜が形成される。
次に、水洗浄、純水洗浄、水切りなどを行った後、温度が110℃の条件で15分間、予備加熱を行った後、温度が230℃の条件で40分加熱し、電着皮膜において樹脂成分を硬化させる。その結果、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる母材201の表面に電着皮膜からなる樹脂皮膜202が形成された回転軸20が製作され、樹脂皮膜202は、ポリイミド系樹脂からなるベース材料中に、ポリテトラフルオロエチレン粒子およびグラファイト粒子を固体潤滑剤として含んでいる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のステッピングモータ1において、回転軸20は母材201が金属製であるが、軸受との摺動部分(丸棒状突出部分25、球状突出部分24)が樹脂皮膜202で被覆されているため、ノイズの発生を抑えることができる。しかも、本形態では、反出力側軸受3および出力側軸受4がいずれも樹脂製であるため、ノイズの発生をより確実かつ効果的に抑えることができる。
また、回転軸20は母材201がアルミニウムやアルミニウム合金からなるため、回転軸20をステンレスあるいは黄銅で構成した場合と比較して、回転軸20を軽量化でき、ステッピングモータ1の軽量化を図ることができる。また、回転軸20を軽量化すると、同一の出力を得る場合でも、永久磁石28、29やステータ5を小型化でき、ステッピングモータ1の小型化を図ることができるとともに、永久磁石28、29やステータ5を小型化した分、ステッピングモータ1の軽量化を図ることができる。
また、軸受との摺動部分(丸棒状突出部分25、球状突出部分24)が樹脂皮膜202で被覆されているため、アルミニウムやアルミニウム合金などといった耐磨耗性や摺動性が低い材料を回転軸20に用いた場合でも、軸受との摺動部分での磨耗を防止することができる。それ故、軸受部分において、回転軸20側での磨耗に起因する不具合の発生を防止できる。また、軸受との摺動部分にグリスを塗布した場合でも、磨耗粉に起因するグリスの黒化を防止することができる。
また、本形態では、回転軸20のリードスクリュー26も樹脂皮膜202で被覆されているため、アルミニウムやアルミニウム合金などといった耐磨耗性や摺動性が低い材料を回転軸20に用いた場合でも、キャリア10との摺動部分(フランク面260)での磨耗を防止することができ、耐食性を向上させることができる。それ故、キャリア10の送り動作において、回転軸20側での磨耗に起因するに不具合の発生を防止できる、また、リードスクリュー26にグリスを塗布した場合でも、磨耗粉に起因するグリスの黒化を防止することができる。
さらに、ロータ2が軽量化されると、パルス周波数に対して起動性が高まるのに加え、樹脂被膜202によって摺動性が高まるため、さらに起動性・応答性が向上する。
さらに、電着皮膜により樹脂皮膜202を形成したので、浸漬塗装などの方法で形成した皮膜と比較して、複雑な形状の部分にも均一な厚さで樹脂皮膜202を形成しやすいという利点がある。また、電着皮膜より樹脂皮膜202を形成すると、浸漬塗装により形成する方法と比較して、樹脂皮膜20を強固かつ均一に、短時間で形成することができ、品質を保持しやすいという利点がある。
さらにまた、軸受との摺動部分(丸棒状突出部分25、球状突出部分24)、およびキャリア10との摺動部分(フランク面260)を樹脂皮膜202で被覆しておけば、回転軸20の母材201において、これらの摺動部分を平滑面とするための仕上げ加工を省略できるという利点がある。また、樹脂皮膜202より、回転軸20の腐食を遅らせることができる。
また、樹脂被膜20は、ベース材料がポリイミド系樹脂であるため、耐熱性、耐磨耗性を向上させることができる。
[実施の形態2]
本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、同じく、図1乃至図3を参照して説明し、共通する部分の説明は省略する。図1〜図3において、本形態のステッピングモータ1でも、実施の形態1と同様、回転軸20は母材201がアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる。また、本形態でも、実施の形態1と同様、図2(b)および図3(a)、(b)に示すように、回転軸20の表面の略全体には、電着皮膜からなる樹脂皮膜202が形成されている。このため、図2(b)に示すように、リードスクリュー26は、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われ、キャリア10と摺動するリードスクリュー26のフランク面260(キャリア10との摺動部分)は、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われている。また、図3(a)に示すように、回転軸20の出力側軸端20bにおいて、出力側軸受4と摺動する丸棒状突出部分25の表面(軸受との摺動部分)は、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われている。さらに、図3(b)に示すように、回転軸20の反出力側軸端20aにおいて、反出力側軸受3と摺動する球状突出部分24の表面(軸受との摺動部分)も、電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆われている。
本形態において、樹脂皮膜202としては、熱反応基としてエポキシ基を備えたエポキシ系樹脂皮膜が用いられている。かかるエポキシ系樹脂皮膜は、アニオン電着により形成された電着皮膜であり、例えば、エポキシ−アクリル系樹脂(主剤)とメラミン(硬化剤)とを用いた熱硬化性樹脂である。ここで、エポキシ−アクリル系樹脂は、エポキシ樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂であるが、エポキシ系樹脂皮膜としては、エポキシ変性アクリル樹脂などを用いてもよい。また、樹脂皮膜202は、以下の充填剤を含んでいる。
本形態において、樹脂皮膜202は、充填剤として、まず、アクリル−メラミン系樹脂を含んでいる。かかる充填剤は流動調整剤として作用し、樹脂皮膜202の流動性を改善する。本形態において、アクリル−メラミン系樹脂は、アニオン電着の際、塗料コロイドとして電着皮膜に含まれ、熱硬化時に流動性を抑制してフランク面260において均一性の高い皮膜を形成できる。また、一方でエッジカバー性も向上させることができる。かかる流動調整剤(充填剤)としては、アクリル−メラミン系樹脂の粒子の他、ポリエチレン、ポロプロピレン、またはポリメタクリル酸エチル等からなる粉末形状のポリマービーズを用いることもできる。
次に、樹脂皮膜202は、充填剤として酸化チタン(TiO2)の粒子を含んでいる。かかる充填剤は、体質顔料として作用し、樹脂皮膜202の補強や増量に用いられる。また、酸化チタンは、電着皮膜を熱硬化させる際の流動性を抑えることによりフランク面260において均一性の高い膜を形成できる流動調整助剤としても採用する。また、一方でエッジカバー率を向上させる流動調整助剤としても採用する。かかる充填剤(体質顔料、流動調整助剤)としては、酸化チタンの他、タルク、雲母、セリサイト等の粘土鉱物や、硫酸バリウム等を用いることもできる。
次に、樹脂皮膜202は、充填剤としてカーボンブラックを含んでいる。かかる充填剤は着色剤として機能する。
なお、樹脂皮膜202は、実施の形態1と同様、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子、グラファイト粒子、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの固体潤滑剤を含んでいる構成を採用してもよい。
このように構成したステッピングモータ1の製造方法のうち、回転軸20を製造するにあたっては、切削加工や転造などの方法により、図1〜図3を参照して説明したリードスクリュー26、回転軸20の出力側軸端20b、丸棒状突出部分25、および球状突出部分24などを備えた回転軸20の母材201を得た後、そのまま、あるいは面粗度を改善するための仕上げ加工を行った後、以下に説明する電着工程に回送する。
電着工程を行うにあたっては、電着塗装材料として、例えば以下の組成
エポキシ系樹脂(バインダ)
エポキシ−アクリル系樹脂(主剤)+メラミン(硬化剤):7.5%
メラミン系樹脂(流動調整剤)
アクリル−メラミン系樹脂(主剤)+メラミン(硬化剤):2.5%
酸化チタン(体質顔料/流動調整助剤) 2%(20ml/l)
カーボンブラック(着色顔料) 1%(10ml/l)
残部:90%水+10%有機溶剤
からなるアニオン系電着液を準備する。この状態で、エポキシ−アクリル系樹脂(主剤)はメラミン(硬化剤)と反応してサイズが数百nmの塗料コロイドを形成し、電着液中に分散する。アクリル−メラミン系樹脂(主剤)はメラミン(硬化剤)と反応してサイズが数μmのマイクロゲル粒子を形成し、電着液中に分散する。酸化チタンはサイズが数百nmの粒子として電着液中に分散する。カーボンブラック(着色顔料)も電着液中に分散する。
一方、回転軸20の母材201については、弱アルカリ性の脱脂剤による脱脂工程や、洗浄工程を行なう。
次に、電着液に回転軸20の母材201を浸漬するとともに、母材201を陽極、対極となる電解槽を陰極として直流電圧を印加する。このような電着を行う際、母材201への給電箇所は、丸棒状突出部分25(軸受との摺動部分)、球状突出部分24(軸受との摺動部分)、およびリードスクリュー26のフランク面260(キャリア10との摺動部分)を避けた位置とする。そして、電着皮膜の厚さが3〜50μm、好ましくは、少なくともフランク面260での膜厚が7μm以上、例えば10μmとなるように、印加電圧を50〜200Vに設定し、約2分間、定電圧条件下で電着を行う。その結果、回転軸20の母材201の表面に電着皮膜が形成される。この状態においては、エポキシ系樹脂の電着皮膜に、カーボンブラックの他、粒径の大きなアクリル−メラミン系樹脂の粒子(流動調整剤)、および酸化チタンの粒子(流動調整助剤)が保持された状態にある。
次に、水洗浄、純水洗浄、水切りなどを行った後、温度が100℃の条件で15分間、予備加熱を行った後、温度が180℃の条件で30分加熱し、電着皮膜において樹脂成分を硬化させる。その結果、エポキシ系樹脂が流動しながら硬化して層を形成するとともに、アクリル−メラミン系樹脂も溶融する。その際、アクリル−メラミン系樹脂および酸化チタンは、エポキシ系樹脂の過度の流動を抑制し、垂れなどを防止する。このようにして、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる母材201の表面に電着皮膜からなる樹脂皮膜202が形成された回転軸20が製作され、樹脂皮膜202は、エポキシ樹脂皮膜中に、充填剤として、流動調整剤(アクリル−メラミン系樹脂)、酸化チタン(流動調整助剤/体質顔料)、およびカーボンブラック(着色顔料)を含むことになる。
本形態のステッピングモータ1では、電着工程によって樹脂皮膜202を形成するのみでリードスクリュー26の摩耗を防止することができる。また、リードスクリュー26の内部に潤滑剤を注入することにより摺動性を向上させることができる。
また、本形態のステッピングモータ1において、回転軸20は母材201がアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる。このため、回転軸20を軽量化でき、ステッピングモータ1の軽量化を図ることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、上記形態では、樹脂皮膜202のベース材料がエポキシ系樹脂であり、エポキシ系樹脂がベース材料である場合には、ポリイミド系樹脂や他の樹脂材料に比して樹脂皮膜202を平滑化でき、摺動性が高いという利点がある。
(常温での評価)
本形態の回転軸20を用いたステッピングモータ1について、25℃の温度条件下で300万回シーク動作を行わせた後の、塗布したグリスの状態、キャリアが有するラックの摩耗状態、およびリードスクリューの摩耗状態を定性的に評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2008054491
表1の「グリス黒化」の欄において、評価結果は以下の記号、
「○印」・・「グリスの黒化が発生せず」
「×印」・・「グリスの黒化が顕著」
で示してある。
表1の「ラック磨耗」の欄において、評価結果は以下の記号、
「○印」・・「キャリア10のラックにおける摩耗が少なく、キャリア10の係合部の頂部がリードスクリュー26の溝の底部に達しなかったことグリスの黒化が発生せず」
「×印」・・「ラックの摩耗が進行し、キャリア10の係合部の頂部がリードスクリュー26の溝の底部に達することにより頂部と底部が摺動し、頂部が摩耗」
で示してある。
表1の「スクリュー磨耗」の欄において、評価結果は以下の記号、
「○印」・・「リードスクリュー26に摩耗、摺動傷が生じたが素地等には摩耗が至らなかったこと」
「×印」・・「リードスクリュー26において摩耗が進行し、摩耗が素地等に至った」
で示してある。
表1に示すように、樹脂皮膜202の膜厚が4μmの回転軸20を用いた場合には、グリスの黒化、およびキャリア10のラックの摩耗が顕著であり、リードスクリュー26の摺動面のほぼ全面にてアルミ素地が露出した。一方、樹脂皮膜202の膜厚が7μm以上(7μm、9μm、10μm、18μm)の回転軸20を用いた場合、グリスの黒化は発生せず、キャリア10のラックでの摩耗も少なく、リードスクリュー26の摺動面におけるアルミ素地の露出も発生しなかった。
以上の結果より、樹脂皮膜202の膜厚を7μm以上とすることにより、信頼性に優れた回転軸20を構成することができる。
(高温での評価)
ステッピングモータ1の回転軸20に形成されている樹脂皮膜202の膜厚を各々7μm、12μm、20μmとした場合において、70℃の温度条件下で300万回シーク動作を行わせた後の、塗布したグリスの状態、キャリアが有するラックの摩耗状態、およびリードスクリュー26の摩耗状態を定性的に評価した。その結果、樹脂皮膜202の膜厚が7μmの回転軸20については、グリスの黒化、およびキャリアのラックの摩耗が顕著であり、リードスクリュー26のアルミ素地が露出した。一方、樹脂皮膜202の膜厚が12μm、20μmの回転軸20では、グリスの黒化は発生せず、キャリア10のラックの摩耗も少なかった。このように、樹脂皮膜202の膜厚を10μm以上とすれば高温条件にも対応できることが確認できた。
(低温での評価)
ステッピングモータ1の回転軸20に形成されている樹脂皮膜202の膜厚を各々、10μm、15μmとした場合において、−5℃の温度条件下で300万回シーク動作を行わせた後の、塗布したグリスの状態、キャリア10が有するラックの摩耗状態、およびリードスクリュー26の摩耗状態を定性的に評価した。その結果、樹脂皮膜202の膜厚が10μmおよび15μmの回転軸20のいずれにおいても、グリスの黒化は発生せず、キャリア10のラックの摩耗も少なく、リードスクリュー26の摺動面におけるアルミ素地の露出も発生しなかった。このように、樹脂皮膜202の膜厚を10μm以上とすれば低温条件にも対応できることが確認できた。
(高湿での評価)
また、ステッピングモータ1の回転軸20に形成されている樹脂皮膜202の膜厚を各々、10μm、15μmとした場合において、温度が40℃で湿度が90%RHの条件下とで300万回シーク動作を行わせた後の、塗布したグリスの状態、キャリア10が有するラックの摩耗状態、およびリードスクリュー26の摩耗状態を定性的に評価した。その結果、樹脂皮膜202の膜厚が10μmおよび15μmの回転軸20のいずれにおいても、グリスの黒化は発生せず、キャリア10のラックの摩耗も少なく、リードスクリュー26の摺動面におけるアルミ素地の露出も発生しなかった。このように、樹脂皮膜202の膜厚を10μm以上とすれば高湿条件にも対応できることが確認できた。
[実施の形態3]
本形態の基本的な構成、および電着工程については実施の形態1および実施の形態2と同様であるため共通する部分の説明は省略する。本形態では、ステッピングモータ1において、回転軸20は母材201が、ステンレス以外の鉄鋼材料からなる。このため、回転軸20をステンレスあるいは黄銅で構成した場合と比較して、回転軸20を低コストで製造でき、ステッピングモータ1を安価で製造することができる。
また、ステンレス以外の鉄鋼材料は、母材201としてこのままリードスクリューを形成して使用した場合には腐食性が高いが、樹脂皮膜202を形成することによって、若しくは熱酸化膜処理等を施した後に樹脂膜加工を形成した複合膜によって、耐腐食性を向上させることができる。
なお、回転軸20の母材201として、鉄鋼材料のうち、ステンレスを用いれば、回転軸20の所定部分のみに樹脂皮膜202が形成されているような場合でも、樹脂皮膜202で覆われていない部分についても十分な耐腐蝕性を備えた回転軸20を実現することができる。
(その他の実施の形態)
図4(a)、(b)は、本発明を適用したモータに用いられる別の軸受構造を示す説明図である。上記形態では、回転軸20の出力側軸端20bに丸棒状突出部分25を形成したが、図4(a)に示すように、回転軸20の出力側軸端20bに球状突出部分25c(球状部)を形成してもよく、この場合、球状突出部分25cの表面を電着皮膜からなる樹脂皮膜202で覆えばよい。また、図4(b)に示すように、回転軸20の出力側あるいは反出力側の端面に凹錐部27を形成しておき、この凹錐部27を、鋼球47およびホルダ48を備えた軸受40で支持する構造を採用した場合には、少なくとも凹錐部27の内面に電着皮膜からなる樹脂皮膜202を形成すればよい。
また、上記形態では、母材201の表面に直接、電着を行って樹脂皮膜202を形成したが、母材201の表面にクロメート皮膜やアルマイト皮膜などの下地膜を形成しておき、その表面に電着を行って樹脂皮膜202を形成してもよい。これらの下地膜のうち、アルマイト皮膜であれば硬質であるため、樹脂皮膜202が欠落した場合でも、回転軸20の磨耗などを防止することができる。
また、回転軸20の母材201が鉄鋼材料からなる場合、母材201の表面にリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜、リン酸マンガン皮膜、リン酸鉄皮膜など)などの下地膜(化成皮膜)を形成しておき、その表面に電着を行なって樹脂皮膜202を形成してもよい。これらの下地膜のうち、リン酸塩皮膜は緻密で多孔質であるため、アンカー効果により樹脂皮膜202と母材201との密着力が向上し、樹脂皮膜202が母材201から脱落するのを防止することができる。
さらに、上記形態では、回転軸20の表面の略全体に樹脂皮膜202を形成したが、軸受との摺動部分およびリードスクリューのみに樹脂皮膜202を形成してもよく、軸受との摺動部分のみに樹脂皮膜202を形成してもよい。また、上記形態では、回転軸20の両軸端で軸受と摺動する部分に樹脂皮膜202を形成したが、一方の軸端で軸受と摺動する部分のみに樹脂皮膜202を形成してもよい。さらに、軸受として、回転軸20をラジアル方向のみで支持する軸受、あるいは回転軸20をスラスト方向のみで支持する軸受を用いた場合に本発明を適用してもよい。
なお、回転軸20には永久磁石28、29が固着されるが、かかる固着を行う際、樹脂皮膜202が存在している方が固着しやすい方法を採用した場合では、回転軸20の表面のうち、永久磁石28、29を固着すべき部分にも樹脂皮膜202を形成すればよく、樹脂皮膜202が存在していない方が固着しやすい方法を採用した場合では、回転軸20の表面のうち、永久磁石28、29を固着すべき部分を避けた領域に樹脂皮膜202を形成すればよい。
さらにまた、上記形態では、樹脂皮膜202のベース材料として、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂を用いたが、ポリイミド系樹脂およびエポキシ系樹脂の複合組成を有する樹脂材料、例えば、イミド結合を含むポリマー中にカチオン感応基を導入した構造の樹脂材料を用いてもよい。また、樹脂材料にはバインダとしての樹脂成分を添加してもよい。
さらにまた、上記形態では、ステッピングモータに本発明を適用した例を説明したが、回転軸を備えたロータと、回転軸を回転可能に支持する軸受とを有するモータであれば、どのようなタイプのモータに本発明を適用してもよい。
また、電着による塗膜形成方法では、膜を均一に形成することができるので、いずれの樹脂材料にも適用できる。但し、電着塗装に限らず、粉体塗装やスプレー塗装を採用してもよい。
(a)、(b)、(c)は、本発明を適用したステッピングモータの半断面図、ステッピングモータを反出力側からみたときの背面図、および回転軸の説明図である。 (a)、(b)は、本発明を適用したステッピングモータの回転軸に形成したリードスクリューの説明図、およびこのリードスクリューを拡大して示す断面図である。 (a)、(b)は、図1に示すステッピングモータの出力側軸受の説明図、および反出力側軸受の説明図である。 (a)、(b)は、本発明を適用したモータに用いられる別の軸受構造を示す説明図である。
符号の説明
1 ステッピングモータ
2 ロータ
3 反出力側軸受
4 出力側軸受
5 ステータ
10 キャリア
20 回転軸
24、25c 球状突出部分(軸受との摺動部分)
25 丸棒状突出部分(軸受との摺動部分)
26 リードスクリュー
27 凹錐部(軸受との摺動部分)
28、29 永久磁石
40 軸受
47 剛球
48 ホルダ
201 回転軸の母材
202 樹脂皮膜(電着皮膜)
260 フランク面

Claims (13)

  1. 回転軸を備えたロータと、該回転軸を回転可能に支持する軸受とを有するモータにおいて、
    前記回転軸は、少なくとも前記軸受との摺動部分が、樹脂皮膜で被覆されていることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1において、
    前記樹脂皮膜は電着皮膜であることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または2において、
    前記樹脂皮膜は、ポリイミド系樹脂皮膜であることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記樹脂皮膜は、熱反応性基としてエポキシ基を備えたエポキシ系樹脂皮膜であることを特徴とするモータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記樹脂皮膜は、固体潤滑剤を含んでいることを特徴とするモータ。
  6. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記樹脂皮膜は充填剤を含んでいることを特徴とするモータ。
  7. 請求項6において、
    前記充填剤は有機系であることを特徴とするモータ。
  8. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記回転軸は、母材がアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなることを特徴とするモータ。
  9. 請求項8において、
    前記回転軸には、前記樹脂皮膜の下層側にアルマイト皮膜が形成されていることを特徴とするモータ。
  10. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記母材は、鉄あるいは鉄合金からなることを特徴とするモータ。
  11. 請求項10において、
    前記母材の表面には、前記樹脂皮膜の下層側に化成皮膜が形成されていることを特徴とするモータ。
  12. 請求項1ないし11のいずれかにおいて、
    前記回転軸には、前記軸受により支持される球状部が形成されていることを特徴とするモータ。
  13. 請求項1ないし12のいずれかにおいて、
    前記回転軸にはリードスクリューが形成され、
    当該リードスクリューは前記樹脂皮膜で被覆されていることを特徴とするモータ。
JP2007163762A 2006-07-28 2007-06-21 モータ Pending JP2008054491A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007163762A JP2008054491A (ja) 2006-07-28 2007-06-21 モータ
US11/830,384 US20080070707A1 (en) 2006-07-28 2007-07-30 Rotor shaft and motor with rotor shaft

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006206699 2006-07-28
JP2007163762A JP2008054491A (ja) 2006-07-28 2007-06-21 モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008054491A true JP2008054491A (ja) 2008-03-06

Family

ID=39237993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007163762A Pending JP2008054491A (ja) 2006-07-28 2007-06-21 モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008054491A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2099238A1 (en) 2008-03-05 2009-09-09 Yamaha Corporation Sound signal outputting device, sound signal outputting method, and computer-readable recording medium
JP2010048280A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Ntn Corp インホイールモータ駆動装置
JP2012254021A (ja) * 2012-09-28 2012-12-20 Nidec Sankyo Corp モータ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2099238A1 (en) 2008-03-05 2009-09-09 Yamaha Corporation Sound signal outputting device, sound signal outputting method, and computer-readable recording medium
JP2010048280A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Ntn Corp インホイールモータ駆動装置
JP2012254021A (ja) * 2012-09-28 2012-12-20 Nidec Sankyo Corp モータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080070707A1 (en) Rotor shaft and motor with rotor shaft
US6447167B1 (en) Hydrodynamic bearing, hydrodynamic bearing apparatus
JP2008051335A (ja) 回転軸およびそれを備えたモータ
US8215843B2 (en) Fluid dynamic bearing device
US20020039528A1 (en) MGalloy member and its use
JP2008054491A (ja) モータ
WO2007034671A1 (ja) 軸受部材とその製造方法、および軸受部材を備えた軸受装置とその製造方法
WO2013132775A1 (ja) 誘導電動機およびそれを搭載した天井扇
MXPA01004054A (es) Cubierta aislante para bateria hecha de metal formado en hojas laminado en frio y proceso para la fabricacion de las mismas.
KR101237845B1 (ko) 동압 베어링 장치
JP2006158012A (ja) 自動車用ipm型モータに使用される永久磁石の製造方法
CN101113754A (zh) 转轴及具有转轴的马达
JP2010177585A (ja) 希土類永久磁石
JP4208009B2 (ja) 積層型セラミック電子部品の製造方法
US20020060828A1 (en) Air dynamic pressure bearing and optical deflector
JP2018026249A (ja) 絶縁電線、回転電機及び絶縁電線の製造方法
US8267587B2 (en) Housing for fluid lubrication bearing apparatuses
JP2008232230A (ja) 焼結軸受、軸受装置および軸受装置の製造方法
JP2003269459A (ja) 焼結軸受の製造方法
JP2010084816A (ja) 摺動機構、モータおよび電着方法
JP2004064895A (ja) 永久磁石の製造方法、永久磁石、モータ用部品およびモータ
US6086742A (en) Method of producing layered material for sliding bearings and an electroplating bath for carrying out this method
Ramezanzadeh et al. Evaluation of the effects of surface treatments on the cathodic delamination and anticorrosion performance of an epoxy-nanocomposite on steel substrate
JP2013206499A (ja) ベースプレート、スピンドルモータおよびディスク駆動装置
JP2004022762A (ja) 永久磁石の製造方法および永久磁石