JP2008053314A - 回路基板及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電位の電極側で抵抗体にマイクロクラックが発生するのを防止する。
【解決手段】回路基板(10)は、絶縁性の基板(1)上に形成された高電位の一方の電極(2)及び低電位の他方の電極(3)と、電極(2,3)間に形成された抵抗体(4)とを備える。抵抗体(4)は、基板(1)の一部を外部に露出する開口部(5)を有し、開口部(5)は、一方の電極(2)側に形成された第1の開口部(11)と、第1の開口部(11)から他方の電極(3)に向って延伸する第2の開口部(12)とを備える。第2の開口部(12)から離間して第1の開口部(11)から他方の電極(3)に向って切欠部(13)を延伸させるので、抵抗体(4)にマイクロクラックを発生させる端部又は角部を一方の電極側で切欠部(13)に形成せずに、抵抗体(4)の抵抗値を調整する無効領域(15)を形成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】回路基板(10)は、絶縁性の基板(1)上に形成された高電位の一方の電極(2)及び低電位の他方の電極(3)と、電極(2,3)間に形成された抵抗体(4)とを備える。抵抗体(4)は、基板(1)の一部を外部に露出する開口部(5)を有し、開口部(5)は、一方の電極(2)側に形成された第1の開口部(11)と、第1の開口部(11)から他方の電極(3)に向って延伸する第2の開口部(12)とを備える。第2の開口部(12)から離間して第1の開口部(11)から他方の電極(3)に向って切欠部(13)を延伸させるので、抵抗体(4)にマイクロクラックを発生させる端部又は角部を一方の電極側で切欠部(13)に形成せずに、抵抗体(4)の抵抗値を調整する無効領域(15)を形成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、膜状抵抗体を有する回路基板及びその製法に関する。
図9に示すように、絶縁性の基板(1)と、基板(1)上に形成された一対の電極(2,3)と、電極(2,3)間で基板(1)上に形成された膜状の抵抗体(4)とを備える回路基板(20)は、公知である。抵抗体(4)は、回路上の抵抗として利用され、抵抗体(4)にレーザ光を照射して、抵抗体(4)の上面(4a)に線状の切欠部(13)を形成する(トリミング)ことにより、所望の抵抗値に調整される。回路基板(20)を製造する際に、所望の抵抗値よりも小さい抵抗値を有する抵抗体(4)が形成され、トリミング装置のレーザ光によってトリミングすることにより、切欠部(13)の長さに応じて抵抗体(4)の抵抗値が増加する。このように、抵抗値を調整して、精度の高い抵抗値を有する抵抗体(4)を形成することができる。
回路基板(20)は、抵抗体(4)の一方の端部(4b)に接続される一方の配線導体(7)と、抵抗体(4)の他方の端部(4c)に接続される他方の配線導体(8)と、一方の配線導体(7)に電気的に接続される第1の端子(21)を有する一方の電流パッド部(27)と、他方の配線導体(8)に電気的に接続される第2の端子(22)を有する他方の電流パッド部(28)と、一方の配線導体(7)に電気的に接続される第3の端子(23)を有する一方の電圧パッド部(17)と、他方の配線導体(8)に電気的に接続される第4の端子(24)を有する他方の電圧パッド部(18)とを備える。図9に示す回路基板(20)では、一方の配線導体(7)と一方の電流パッド部(27)とによって、高電位のアノード電極(一方の電極)(2)を構成し、他方の配線導体(8)と他方の電流パッド部(28)とによって、アノード電極(2)から離間して且つアノード電極(2)より低電位のカソード電極(他方の電極)(3)を構成する。
例えば、抵抗体(4)の抵抗値を測定する図9に示す4端子測定法では、測定すべき抵抗体(4)の両端(4b,4c)に隣接する配線導体(7,8)の各内端に電圧パッド部(17,18)を接続して、第3の端子(23)及び第4の端子(24)に電圧計(9)の一対の電圧測定プローブを接触させる。また、配線導体(7,8)の各外端に電流パッド部(27,28)を接続して、第1の端子(21)及び第2の端子(22)に接触する定電流源装置(6)の一対の電流プローブ間に電流を流す。電圧計(9)の一対の電圧測定プローブで抵抗体(4)の両端(4b,4c)の電圧値を測定し、その電圧値及び定電流源装置(6)の一対の電流プローブ間に流れる電流値から抵抗体(4)の抵抗値を換算する。抵抗体(4)の抵抗値をリアルタイムで測定しながら、レーザ光により抵抗体(4)をトリミングして、所定の形状の切欠部(13)を形成することにより、抵抗体(4)を所望の抵抗値に調整することができる。
この種の回路基板(20)では、抵抗体(4)のアノード電極(2)に近接する位置でレーザ光の照射を開始又は終了とすると、高電位のアノード電極(2)側に切欠部(13)の端部が形成される。抵抗体(4)にレーザ光を照射して切欠部(13)を形成すると、切欠部(13)周辺の抵抗体(4)がレーザ光により熱変質する。更に、抵抗体(4)に電流を流すと、切欠部(13)の端部で電流密度が集中して抵抗体(4)の切欠部(13)の端部が加熱される。その結果、熱変質した抵抗体(4)の切欠部(13)の端部にマイクロクラックが発生することがあった。高電位側で抵抗体(4)にマイクロクラックが発生すると、抵抗体(4)の抵抗値の経時変化が大きくなり、抵抗体(4)の抵抗値が不安定になる問題があった。
図9の回路基板(20)では、配線導体(7,8)の形成されない抵抗体(4)の側面(4e)の開放部をレーザ光の照射開始点(25a)とし、二点鎖線により示す軌跡(25)に沿ってレーザ光を照射してL字形の切欠部(13)を形成する。レーザ光の軌跡(25)を略直角に曲げてカソード電極(3)側に切欠部(13)を屈曲させることにより、L字形の切欠部(13)と抵抗体(4)の側面(4e)の開放部との間に、電流経路(29)にならない抵抗体(4)の無効領域(15)を形成できる。よって、抵抗体(4)の無効領域(15)により、図10に示すように、アノード電極(2)からカソード電極(3)に向かう抵抗体(4)の電流経路(29)の断面積を減少させて、抵抗体(4)の抵抗値を増加させることができる。図9の回路基板(20)によれば、容易に抵抗体(4)の抵抗値を所望する値に調整することができる。
レーザ光の照射終了点(25b)により、カソード電極(3)に近接して切欠部(13)に端部(13a)が形成されるが、低電位のカソード電極(3)側に形成された端部(13a)周辺の抵抗体(4)にマイクロクラックが生じても、抵抗体(4)の抵抗値が著しく不安定にならない。レーザ光により抵抗体(4)にL字形の切欠部(13)を形成する抵抗体のトリミング法は、例えば、下記特許文献1により公知である。
しかしながら、図9の回路基板(20)では、切欠部(13)に形成される角部(13b)がアノード電極(2)側に電流経路(29)のエッジを形成し、抵抗体(4)に電流が流れた際に、図10に示すように、切欠部(13)の角部(13b)周辺の抵抗体(4)で電流密度が増大して発熱し、アノード電極(2)側で抵抗体(4)にマイクロクラックが生じ、抵抗体(4)の抵抗値が不安定となる虞があった。
そこで、本発明は、高電位電極側に端部又は角部のない切欠部を形成して、抵抗体の抵抗値を変化させる無効領域を形成できる回路基板及びその製法を提供することを目的とする。
本発明の回路基板は、絶縁性の基板(1)と、基板(1)上に形成された一対の電極(2,3)と、電極(2,3)間で基板(1)上に形成された抵抗体(4)とを備える。電極(2,3)は、一方の電極(2)と、一方の電極(2)から離間して且つ一方の電極(2)より低電位の他方の電極(3)とを有し、抵抗体(4)は、基板(1)の一部を外部に露出する開口部(5)を有する。開口部(5)は、一方の電極(2)側に形成された第1の開口部(11)と、第1の開口部(11)より狭い幅を有し且つ第1の開口部(11)から他方の電極(3)に向って延伸する第2の開口部(12)とを備える。第1の開口部(11)より狭い幅を有し且つ第2の開口部(12)から離間して第1の開口部(11)から他方の電極(3)に向って延伸する切欠部(13)を形成する。第1の開口部(11)、第2の開口部(12)及び切欠部(13)によって形成される抵抗体(4)の無効領域により、一方の電極(アノード電極)(2)から他方の電極(カソード電極)(3)に向かう抵抗体(4)の電流経路の断面積を減少させ、抵抗体(4)の抵抗値を増加させることができる。高電位側で抵抗体(4)に第1の開口部(11)を形成し、第1の開口部(11)から第1の開口部(11)よりも幅の狭い第2の開口部(12)と切欠部(13)とをそれぞれ低電位側へ延伸させることによって、高電位側で切欠部(13)に端部又は角部を形成せずに、第1の開口部(11)、第2の開口部(12)及び切欠部(13)により抵抗体(4)の抵抗値を変化させる無効領域の面積を調整することができる。よって、抵抗体(4)に一方の電極(2)から他方の電極(3)に向って形成される円滑な電流経路に沿って抵抗体(4)に電流が流れ、電流密度の局部的増大よる発熱により高電位側で抵抗体(4)にマイクロクラックが発生するのを防止することができる。
本発明の回路基板の製法は、絶縁性の基板(1)上に一方の電極(2)及び他方の電極(3)を形成する工程と、一方の電極(2)側に基板(1)の一部を外部に露出する開口部(5)を有する抵抗体(4)を電極(2,3)間で基板(1)上に形成する工程と、抵抗体(4)にレーザ光を照射して、開口部(5)内から他方の電極(3)に向って開口部(5)よりも幅が狭い切欠部(13)を抵抗体(4)に形成することにより、抵抗体(4)の抵抗値を調整する工程とを含む。開口部(5)内をレーザ光の開始点として他方の電極(3)に向って切欠部(13)を形成するので、一方の電極(2)側で切欠部(13)に端部又は角部を形成せずに、開口部(5)と切欠部(13)又は、開口部(5)と切欠部(13)と抵抗体(4)の側面(4d)の開放部により抵抗体(4)の抵抗値を変化させる無効領域を形成することができる。また、レーザ光により形成される切欠部(13)とは異なり、開口部(5)周辺の抵抗体(4)には、熱変質が生じないので、レーザ光によるトリミングの開始点を開口部(5)内とすることによって、レーザ光によるトリミングの開始点で抵抗体(4)にマイクロクラックが発生するのを防止することができる。開口部(5)は、抵抗体(4)の抵抗値を概括的に粗調整し、その後に切欠部(13)を形成して、切欠部(13)の長さにより、抵抗体(4)の無効領域の大きさを変更して、抵抗体(4)の抵抗値を高精度に微調整することができる。
高電位側で抵抗体の局部的な電流密度の集中を生じる切欠部の端部又は角部が形成されるのを防止して、抵抗体の抵抗値が長期間略一定に保持される信頼性の高い回路基板を提供できる。
以下、本発明による回路基板及びその製法の実施の形態を図1〜図8について説明する。但し、図1〜図8では、図9及び図10に示す箇所と実質的に同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実際の基板(1)上には、抵抗体(4)以外に半導体素子又はチップコンデンサ等の回路素子が配置されるが、便宜上、これらの図示を省略する。
図1に示すように、本実施の形態の回路基板(10)では、抵抗体(4)は、基板(1)の一部を外部に露出する開口部(5)を抵抗体(4)の上面(4a)に有する。開口部(5)は、アノード電極(2)側に形成された第1の開口部(11)と、第1の開口部(11)より狭い幅を有し且つ第1の開口部(11)からカソード電極(3)に向って延伸する第2の開口部(12)とを備える。抵抗体(4)の一方の側面(4d)から他方の側面(4e)までを抵抗体(4)の幅方向とし、一方の配線導体(7)に接続される抵抗体(4)の一方の端部(4b)から他方の配線導体(8)に接続される抵抗体(4)の他方の端部(4c)までを抵抗体(4)の長さ方向とすると、第1の開口部(11)は、第2の開口部(12)よりも幅方向に大きく形成され、第2の開口部(12)は、第1の開口部(11)よりもカソード電極(3)に向って長さ方向に大きく形成される。具体的には、例えば、抵抗体(4)の幅を3.0mmとすると、第1の開口部(11)の幅は、0.9mm以上で且つ3.0mm未満に形成され、第2の開口部(12)の幅は、0.3mm以上で且つ0.9mm未満に形成される。
第1の開口部(11)は、略円形又は楕円形に形成される。角部のない湾曲形状の略円形又は楕円形に第1の開口部(11)を形成することにより、図2に示すように、円滑な電流経路(29)を形成して、電流集中を防止できる。また、第1の開口部(11)は、アノード電極(2)側の抵抗体(4)の端部(4b)に沿って形成される。第1の開口部(11)によりアノード電極(2)から流れる電流を抵抗体(4)の両側面(4d,4e)方向に分散して、抵抗体(4)の一部での電流集中を防止することができる。第2の開口部(12)は、第1の開口部(11)からカソード電極(3)まで略直線状に形成される。即ち、幅広の第1の開口部(11)が高電位側に形成され、幅狭の第2の開口部(12)が低電位側に形成され、開口部(5)は、抵抗体(4)の一方の端部(4b)から他方の端部(4c)まで形成される。
本実施の形態では、第1の開口部(11)より狭い幅を有し且つ第2の開口部(12)から離間して第1の開口部(11)からカソード電極(3)に向って延伸する切欠部(13)を形成する。また、切欠部(13)は、第1の開口部(11)内から第2の開口部(12)と略平行にカソード電極(3)に向って延伸する。切欠部(13)は、レーザ光によるトリミングで形成され、基板(1)が外部に露出しない溝又は基板(1)が外部に露出する開口であり、レーザ光により切欠部(13)周辺の抵抗体(4)は、レーザ光によって熱変質する。
第1の開口部(11)、第2の開口部(12)及び切欠部(13)の間に形成される抵抗体(4)の無効領域(15)は、抵抗体として寄与せず、無効領域(15)によりアノード電極(2)からカソード電極(3)に向かう抵抗体(4)の電流経路(29)の断面積を減少させて、抵抗体(4)の抵抗値を増加させることができる。従来の回路基板(20)では、高電位のアノード電極(2)側の切欠部(13)に角部(13b)が形成されるが、本実施の形態の回路基板(10)では、アノード電極(2)側に第1の開口部(11)を形成し、第1の開口部(11)から第1の開口部(11)よりも幅の狭い第2の開口部(12)と切欠部(13)とをそれぞれ低電位のカソード電極(3)側へ延伸させることにより、高電位側で切欠部(13)に端部又は角部を形成せずに、抵抗値を変化させる無効領域(15)を形成することができる。よって、図2に示すように、抵抗体(4)にアノード電極(2)からカソード電極(3)に向って円滑な電流経路(29)が形成され、高電位側で抵抗体(4)にマイクロクラックが発生するのを防止できる。その結果、抵抗体(4)の抵抗値を長期間にわたり安定させることができる。
図3は、第1の端子(21)〜第4の端子(24)、電圧パッド部(17,18)、定電流源装置(6)及び電圧計(9)を省略した回路基板(10)の平面図を示し、図4は、図3のIV−IV線に沿う部分断面図を示す。
回路基板(10)を製造する際に、まず、図4(a)に示すように、アルミナ、エポキシ樹脂又はセラミックス等の材質から成る絶縁性の基板(1)を準備する。基板(1)の表面に電圧パッド部(17,18)、配線導体(7,8)及び電流パッド部(27,28)を形成する図示しないマスクが配置される。基板(1)上には、電圧パッド部(17,18)と、配線導体(7,8)及び電流パッド部(27,28)をそれぞれ有するアノード電極(2)並びにカソード電極(3)とが形成される。電圧パッド部(17,18)、配線導体(7,8)及び電流パッド部(27,28)は、例えば、銅及び銀を主成分とする金属ペーストを基板(1)上に印刷し、燃焼することにより、燃焼後に0.01〜0.02mm程度の厚みで形成される。通常、配線導体(7,8)及び電流パッド部(27,28)と共に、図示しない他の回路パターンが基板(1)上に形成される。
次に、基板(1)の一部を外部に露出する開口部(5)を有する抵抗体(4)を電極(2,3)間で基板(1)上に形成する。本実施の形態では、周知のスクリーン印刷法により抵抗体(4)を形成すると共に、切欠部(13)より広い幅を有し且つアノード電極(2)側に形成される第1の開口部(11)と、第1の開口部(11)より狭い幅を有し且つ第1の開口部(11)からカソード電極(3)に向って延伸する第2の開口部(12)とを抵抗体(4)と同時に形成する。図4(b)に示すように、基板(1)上にマスク(19)が配置される。マスク(19)は、基板(1)上の抵抗体(4)を形成すべき領域に開口(19a)を有する。図4(c)に示すように、抵抗体(4)は、例えば、酸化ルテニウム系ガラス粉末と有機バインダとから成る抵抗ペーストを基板(1)上に塗布し、燃焼することにより、燃焼後に0.01mm程度の厚みで形成される。
図4(d)に示すように、基板(1)上のマスク(19)により被覆された領域には、抵抗ペーストが塗布されないが、マスク(19)の開口(19a)には、抵抗ペーストが塗布されるため、マスク(19)を除去して、燃焼させると、第1の開口部(11)及び第2の開口部(12)を除いて基板(1)上の電極(2,3)間に抵抗体(4)を形成することができる。レーザ光により開口部を形成すると、開口部周辺の抵抗体(4)がレーザ光により熱変質するが、スクリーン印刷法により第1の開口部(11)及び第2の開口部(12)を形成するので、それらの周辺で熱変質が生じず、抵抗体(4)に電流が流れる際に、第1の開口部(11)及び第2の開口部(12)周辺の抵抗体(4)には、マイクロクラックが発生しない。また、第1の開口部(11)は、アノード電極(2)側の抵抗体(4)の端部(4b)に沿って形成される。レーザ光が配線導体(7)又は電流パッド部(27)に照射されると、配線導体(7)又は電流パッド部(27)が溶解して孔が形成され、配線導体(7)又は電流パッド部(27)に電流集中が生じる不具合が発生する。本実施の形態では、第1の開口部(11)をレーザ光ではなくスクリーン印刷法により形成するので、配線導体(7)に隣接して第1の開口部(11)を形成することができる。
続いて、抵抗体(4)にレーザ光を照射して、第1の開口部(11)内からカソード電極(3)に向って第1の開口部(11)よりも幅が狭い切欠部(13)を抵抗体(4)に形成する。抵抗体(4)は、図示しないトリミング装置から照射されるYAGレーザ又はエキシマレーザ等のレーザ光によりトリミングされる。切欠部(13)は、レーザ光の強度を調節して、基板(1)が外部に露出しない溝状又は基板(1)が外部に露出する孔状に形成される。図4(e)に示すように、レーザ光の照射開始点(25a)は、第1の開口部(11)の内側とし、第1の開口部(11)からカソード電極(3)側に向かってレーザ光の軌跡(25)が形成されるように、トリミング装置を制御する。従って、レーザ光は、初めに第1の開口部(11)内で露出する基板(1)に照射されるが、配線導体(7)又は電流パッド部(27)とは異なり、電流が流れる部分ではないので、基板(1)にレーザ光を短時間照射しても、熱変質等による電気的不具合は生じない。4端子測定法を用いて抵抗体(4)の抵抗値を測定しながらレーザ光によるトリミングをするが、4端子測定法は、従来と同様であり、詳述を省略する。この後、抵抗体(4)を図示しないガラスコートによる保護膜により被覆し、基板(1)上に形成される他の回路パターンに抵抗体(4)以外の図示しない半導体素子又はチップコンデンサ等の所定の回路部品が実装され、回路基板(10)が完成する。
本実施の形態では、第1の開口部(11)内をレーザ光の照射開始点(25a)として、カソード電極(3)に向って略直線状に切欠部(13)を形成するので、高電位のアノード電極(2)側で切欠部(13)に端部又は角部が形成されず、高電位側で抵抗体(4)にマイクロクラックが生じるのを防止することができる。レーザ光が0.05mm程度の幅で抵抗体(4)に切欠部(13)を形成するのに対し、スクリーン印刷法は、0.1mm以上の幅で抵抗体(4)に開口部(5)を形成する。第1の開口部(11)及び第2の開口部(12)は、抵抗体(4)の抵抗値を所望する抵抗値よりも低くなるよう概括的に粗調整し、その後に形成される切欠部(13)の長さにより、第1の開口部(11)、第2の開口部(12)及び切欠部(13)の間に形成される抵抗体(4)の無効領域(15)の大きさを変更して、抵抗体(4)の抵抗値を高精度に微調整することができる。よって、抵抗体(4)は、例えば、ハイブリットIC(混成集積回路)の回路上の基準抵抗又は電流制限検出抵抗として使用することができる。
本発明の実施の形態は、図1〜図4に示す実施の形態に限定されず、変更が可能である。例えば、第2の開口部(12)と切欠部(13)とを平行に形成せず、カソード電極(3)に向かうに従って切欠部(13)を第2の開口部(12)に近接させてもよい。図5に示すように、切欠部(13)を傾斜させて、第2の開口部(12)に接続させてもよい。レーザ光の照射終了点(25b)が第2の開口部(12)内に形成されるため、端部のない切欠部(13)を形成することができる。また、図6に示すように、切欠部(13)をカソード電極(3)側で折曲させて、第2の開口部(12)に接続してもよい。図示しないが、カソード電極(3)に向かうに従って第2の開口部(12)と切欠部(13)とを離間させてもよい。
切欠部(13)及び開口部(11,12)の数は、限定されず、適宜に変更してもよく、図7に示すように、切欠部(13)から少なくとも一部が離間して第1の開口部(11)からカソード電極(3)に向って延伸する別の切欠部(13)を第2の開口部(12)の代わりに更に形成し、第1の開口部(11)及び2本の切欠部(13)により抵抗体(4)の無効領域(15)を形成してもよい。図8は、第1の開口部(11)を抵抗体(4)の一方の端部(4b)及び側面(4d)の開放部に隣接して形成することにより、第2の開口部(12)を省略して、第1の開口部(11)、切欠部(13)及び抵抗体(4)の側面(4d)の開放部によって抵抗体(4)の無効領域(15)を形成する。前記実施の形態では、第1の開口部(11)を抵抗体(4)の端部(4b)に沿って配線導体(7)に隣接して図示するが、第1の開口部(11)を配線導体(7)から離間させて抵抗体(4)内に形成してもよい。また、第1の開口部(11)は、円形又は楕円形に限定されず、角形等の他の形状に形成してもよい。
回路基板(10)を製造する際に、周知のフォトリソグラフィ技術により、基板(1)上に開口部(5)を有する抵抗体(4)を形成してもよい。抵抗体(4)を形成すべき領域に開口を有するフォトマスクを基板(1)上に形成し、基板(1)上に抵抗ペーストを塗布して、抵抗ペーストを燃焼することにより、抵抗体(4)を形成することができる。フォトリソグラフィ技術によれば、前述したスクリーン印刷法と同様に、周辺部の抵抗体(4)が熱変質されない開口部(5)を抵抗体(4)に形成することができる。また、配線導体(7)に隣接して抵抗体(4)に第1の開口部(11)を形成できる。更に、抵抗体(4)、配線導体(7,8)、電流パッド部(27,28)及び電圧パッド部(17,18)を同一の材質により形成してもよく、これらを同時に形成してもよい。上記実施の形態では、本発明の回路基板及びその製法をハイブリットICに適用したが、チップ抵抗器等の他の電子部品に適用してもよい。
本発明は、例えば、増幅器の基準電位の決定及び検出結果に応じて電流を制限する電流制限検出抵抗に良好に適用でき、特に抵抗値が数オーム以下の抵抗器に有効である。
(1)・・基板、 (2)・・アノード電極(一方の電極)、 (3)・・カソード電極(他方の電極)、 (5)・・開口部、 (4)・・抵抗体、 (4b)・・端部、 (11)・・第1の開口部、 (12)・・第2の開口部、 (13)・・切欠部、 (15)・・無効領域、
Claims (6)
- 絶縁性の基板と、該基板上に形成された一対の電極と、該電極間で前記基板上に形成された抵抗体とを備え、
前記電極は、前記一方の電極と、該一方の電極から離間して且つ該一方の電極より低電位の他方の電極とを有し、
前記抵抗体は、前記基板の一部を外部に露出する開口部を有し、
前記開口部は、前記一方の電極側に形成された第1の開口部と、前記第1の開口部より狭い幅を有し且つ前記第1の開口部から前記他方の電極に向って延伸する第2の開口部とを備え、
前記第1の開口部より狭い幅を有し且つ前記第2の開口部から離間して前記第1の開口部から前記他方の電極に向って延伸する切欠部を形成したことを特徴とする回路基板。 - 前記一方の電極側の前記抵抗体の端部に沿って前記第1の開口部を形成した請求項1に記載の回路基板。
- 前記第1の開口部を略円形又は楕円形に形成した請求項1又は2に記載の回路基板。
- 絶縁性の基板上に一方の電極及び他方の電極を形成する工程と、
前記一方の電極側に前記基板の一部を外部に露出する開口部を有する抵抗体を前記電極間で前記基板上に形成する工程と、
前記抵抗体にレーザ光を照射して、前記開口部内から前記他方の電極に向って前記開口部よりも幅が狭い切欠部を前記抵抗体に形成することにより、前記抵抗体の抵抗値を調整する工程とを含むことを特徴とする回路基板の製法。 - 前記抵抗体を形成する工程は、
スクリーン印刷又はフォトリソグラフィにより前記抵抗体及び前記開口部を同時に形成する工程を含む請求項4に記載の回路基板の製法。 - 前記開口部は、前記切欠部より広い幅を有し且つ前記一方の電極側に形成される第1の開口部と、該第1の開口部より狭い幅を有し且つ前記第1の開口部から前記一方の電極よりも低電位の前記他方の電極に向って延伸する第2の開口部とを備え、
前記抵抗体に前記切欠部を形成する工程は、
前記切欠部の長さにより、前記第1の開口部、第2の開口部及び切欠部の間に形成される抵抗体の無効領域の大きさを変更して、抵抗体の抵抗値を調整する工程を含む請求項4又は5に記載の回路基板の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006225803A JP2008053314A (ja) | 2006-08-22 | 2006-08-22 | 回路基板及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006225803A JP2008053314A (ja) | 2006-08-22 | 2006-08-22 | 回路基板及びその製法 |
Publications (1)
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JP2008053314A true JP2008053314A (ja) | 2008-03-06 |
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ID=39237106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006225803A Pending JP2008053314A (ja) | 2006-08-22 | 2006-08-22 | 回路基板及びその製法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008053314A (ja) |
-
2006
- 2006-08-22 JP JP2006225803A patent/JP2008053314A/ja active Pending
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