JP2008051847A - 光学部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接着剤又は粘着剤で形成した粘着層4の両面側に離型フィルム2,3が積層し、少なくとも一面側の離型フィルム3の周縁部が粘着層4の周縁部4aよりも外方に張り出すように積層してなる粘着シート1を形成し、粘着シート1の他面側の離型フィルム2を剥離し、光学フィルム6に貼付することにより、光学フィルム6の周縁部が粘着層4の周縁部4aよりも外方に張り出した構成としてなる光学部材5とした。
【選択図】図4
Description
さらに、粘着剤層の一面側に光学フィルムを積層し、他面側に離型フィルムを積層し、光学フィルムの端辺よりも内側にある部分を粘着剤層に形成した粘着型光学フィルム(下記、特許文献3参照)等も開示されている。
1.光学フィルムの全面に粘着剤を直接塗布し、粘着層を形成して他のフィルムを貼り合わせる場合、周縁部から粘着剤がはみ出し、光学フィルムを汚してしまうおそれがあった。
2.粘着シートを用いて貼り合わせる場合、粘着シートを運搬するときに、該シートの側端面側を把持するため、粘着層を押圧し粘着層から粘着剤がはみ出してしまい、この粘着剤により光学フィルムが汚れてしまうおそれがあった。
4.上記特許文献3に記載の発明においては、粘着型光学フィルムの両面から加圧して粘着剤層の端部を光学フィルム端部からはみ出させ、はみ出た部分を削除し、粘着剤層の端辺が光学フィルムの端辺よりも内側にする方法が記載されている(特許文献3の段落[0043]参照)。この方法では、一度粘着剤層の端部を光学フィルムの端部からはみ出させるため、光学フィルムが汚れてしまうおそれがあった。
但し、以下に説明する実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明の範囲が以下の実施形態に制限されるものではない。
本発明の光学部材の形成に用いる粘着シートの一例としては、図1に示す粘着シート1のように、略矩形状に形成された粘着層4の両面側に略矩形状の離型フィルム2、3を積層して形成したものがある。
接着剤乃至粘着剤としては、特に限定するものではないが、ポリマー材料を用いることができ、例えば、アクリル系接着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。透明性や耐久性の観点からするとポリマー材料としてアクリル系ポリマーを用いたものが好ましい。
一例としては、ベースポリマーと、架橋モノマーと、架橋開始剤と、可塑剤とを含有する粘着剤を用いることができる。
但し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂を全て除外する意図ではなく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂であっても、これと同様の結果が得られる樹脂が存在することは想定できる。
その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合させても良い。具体的には、前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分とを適宜に選択的に組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーを得ることができる。
有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー等の前記不飽和カルボン酸と反応する官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができる。
光開始剤としては、開裂型の光開始剤及び水素引抜型の光開始剤のいずれを用いることもできるが、好ましくは水素引抜型であり、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソンなどのいずれか或いはこれらの二種類以上の組合わせからなる混合成分を用いるのが好ましい。但し、水素引抜型の光開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。
紫外線架橋剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンのいずれか或いはこれらの二種類以上の組合わせからなる混合成分を用いることができる。
接着剤乃至粘着剤には、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン化合物、尿素樹脂、エポキシ樹脂、有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマー、有機官能基含有(メタ)アクリレートオリゴマー等の架橋剤を含有させてもよく、また、光開始剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無機微粒子等を含有させてもよい。
両面側に張出部2a,3aを形成した粘着シート1の製造方法としては、例えば、離型フィルム2の一面に張出部2aを除いて粘着剤を塗布し、その上に張出部3aを除いて離型フィルム3を重ねて貼付し、粘着シート1を形成できる。
例えば、図2に示すような粘着シート1を形成する場合、離型フィルム2、3及び粘着層4の周縁部を揃えて積層シートを形成し、図3(A)に示すように、離型フィルム2側から離型フィルム3を切断しないように周縁部沿いに全周に離型フィルム2及び粘着層4の深さまで切れ込み9を入れ、図3(B)に示すように、切れ込み9を入れた外縁部側10を剥離することにより、張出部3bを有する粘着シート1とすることができる。
レーザーカッターを用いた場合は、その熱などの作用で一時的(例えば、1日程度)に粘着層4の端縁部表面のべたつきが抑えられ、粘着シート1の取り扱いが容易になる。
これにより、切れ込みを入れると同時に、粘着層4が紫外線により架橋して固化するため、より一層離型フィルム2が捲り上げやすくなる。
次に、上記粘着シート1を用いて形成した光学部材5について説明する。
一面側の離型フィルムとして、厚さ75μmの離型PETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製;商品名MRF75)を用い、この離型フィルム上に粘着剤を塗布して、厚さ0.5mmの粘着層を形成した。粘着剤としては、アクリル系ポリマー100重量部に対し、可塑剤としてDIDPを25重量部、架橋モノマーとして1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製;商品名ビスコート#260)を1重量部、水素引き抜きタイプ光開始剤(日本シイベルへグナー社製、商品名EsacureTZT)0.1重量部を添加し、130℃で溶融攪拌したものを用いた。この上に他面側の離型フィルムとして、厚さ38μmの離型PETフィルム(藤森工業(株)製;商品名フィルムバイナ38E−0010BD)を貼付してシート状に積層し、ホットメルト成形した。次に、高圧水銀ランプを用いて片面積算光量3600mJ/cm2を離型フィルム越しに両面側から照射して積層シートAとした。
なお、アクリル系ポリマーの組成は、2−エチルへキシルアクリレート100重量部を重合させたもので、Tgは−70℃、130℃溶融粘度は26万(mPa・sec)であった。また、積算光量は、ウシオ電機製UIT−150に365nm用センサーを装着して測定した。
次に、上記積層シートAの周縁部から5mm内側の位置に、該周縁部に沿って上記レーザーカッターで上記他面側から粘着層の深さまでに切れ込みを入れた。この際のレーザー出力は17%、カット速度は11%であった。
切れ込みを入れた離型フィルム及び粘着層の外縁部側を剥離して、図5に示すような厚さ75μmの離型フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する粘着シートを形成した。
電磁波シールドフィルム(日本フィルコン製;メッシュフィルム)の銅箔メッシュ面とは反対側のPET面に予め塗布された粘着層を介して反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)を貼付して積層光学フィルムとし、このフィルムをトムソンプレス刃型で590×1000となるように打ち抜いた後、銅箔メッシュ面に、図5に示す粘着シートの厚さ38μmの離型フィルム剥離して貼付し、図7に示すような積層光学フィルムの周囲に5mm幅の張出部を、厚さ75μmの離型PETフィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する光学部材を形成した。
上記積層シートAを、反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)に貼付し、トムソンプレス刃型で外形寸法580×990mmとなるように、離型フィルム、粘着層及び反射防止フィルムの全てを同一寸法で打ち抜き、図8に示すような光学部材とした。
上記積層シートAを、外形寸法590×1000mmとなるようにレーザーカッター(出力50W,CO2レーザー)で切断した。この際のレーザー出力は100%、カット速度は15%であった。
次に、上記一面側の離型フィルムの周縁部から5mm内側の位置に、該周縁部に沿って上記レーザーカッターで上記一面側から粘着層の深さまでに切れ込みを入れた。切れ込みを入れた厚さ75μmの離型フィルム及び粘着層の外縁部側を剥離し、厚さ38μmの離型フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する粘着シートを形成した。この際のレーザー出力は17%、カット速度は11%であった。
上記粘着シートの厚さ38μmの離型フィルムを剥離し、外形寸法590mm×1000mmの反射防止フィルム(日本油脂(株)製;リアルック7700)に貼付し、図9に示すような反射防止フィルムの周囲に幅5mmの張出部を有する光学部材を形成した。
実施例1,2及び比較例1,2を用いて、以下の試験1〜3を行った。
光学部材の端面から粘着剤がはみ出していないか、目視で観察した。
はみ出しがないものを○、あるものを×として評価した。
光学部材の端部を指で触れて、粘着剤が指に付着しないかを確認した。
粘着剤等に触れることがないものを◎、粘着剤等に触れてもベタツキ感のないものを○、ベタツキ感のあるものを×として評価した。
実施例1,2及び比較例1,2をそれぞれ10枚重ねて積載して、23℃,60%RHの環境下で24時間放置した後、各光学部材間が付着していないかを確認した。
1枚も付着していないものを○、1枚でも付着したものを×として評価した。
上記試験結果を以下の表1に示す。
一方、比較例1,2は、比較例2で端面からのはみ出しは確認されなかったものの、他の項目では、比較例1,2は、いずれも満足できるものはなかった。
2,3…離型フィルム
2a…張出部
3a,3b…張出部
2b…端部
4…粘着層
4a…周縁部
5…光学部材
6…光学フィルム
6a…張出部
9…切れ込み
10…外縁部側
Claims (1)
- 接着剤又は粘着剤で形成した粘着層の両面側に離型フィルムを積層し、少なくとも一面側の離型フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出すように積層してなる粘着シートを形成し、粘着シートの他面側の離型フィルムを剥離し、光学フィルムに貼付することにより、光学フィルムの周縁部が粘着層の周縁部よりも外方に張り出した構成としてなる光学部材。
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