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JP2008044858A - アセトフェノン類の製造方法 - Google Patents

アセトフェノン類の製造方法 Download PDF

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JP2008044858A
JP2008044858A JP2006219460A JP2006219460A JP2008044858A JP 2008044858 A JP2008044858 A JP 2008044858A JP 2006219460 A JP2006219460 A JP 2006219460A JP 2006219460 A JP2006219460 A JP 2006219460A JP 2008044858 A JP2008044858 A JP 2008044858A
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Japan
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group
formula
alkyl
atom
hydrogen atom
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Application number
JP2006219460A
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Tomoaki Io
知明 井尾
Takashi Mizukoshi
隆司 水越
Yuji Moriyama
祐二 森山
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】アセトフェノン類の新規製造方法の提供
【解決手段】
【化1】
Figure 2008044858

式(1)で表される化合物に、式(2)で表されるビニルエーテル化合物又はエタナミド化合物を塩基、ホスフィン又は芳香族アミン配位子及びパラジウム化合物の存在下にアセトニトリル及び水の混合溶液中で反応を行い、反応系内で得られる式(4)で表される中間体または式(5)で表される中間体を鉱酸と反応させることによる式(6)で表されるアセトフェノン類の製造方法。ただし、式中、Xは、臭素原子等を表し、Yは、アルキル、ハロアルキル等を表し、Rは、アルキルカルボニル等を表し、Rは、水素原子、アルキルカルボニル等を表し、nは、0から4の整数を表すし、Wは、‐OR又は‐N(R) COR等を表し、R、R及びRは、アルキル等を表し、RはC〜C12アルキルを表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、医農薬および各種化学品の製造中間体として有用なアセトフェノン類の製造方法に関するものである。
ヘック反応を利用してアセトフェノン類を合成する場合、式(5)に示すように、その後の酸加水分解によりアセトフェノン類に誘導されるα−置換体、及び副生成物であるβ−置換体が生成するため、このα選択性の向上が主要な研究課題となってきた。
Figure 2008044858
例えば特許文献1では約1モル%のパラジウム触媒を用い、DMFなどの有機溶媒と水の混合溶媒中で反応を行っているが、α選択性は48〜85%程度であり、且つ、実施例として、アセトニトリル及び水の混合溶媒での反応例は記載されていない。高いα選択性を達成した例としては、非特許文献1〜5などが知られている。これらのうち非特許文献1ではホスフィン配位子として〔ビス(1,3−ジフェニル)ホスフィノ〕プロパンを用い、DMF−水混合溶媒中で反応を行うことで、非特許文献2では〔ビス(1,3−ジフェニル)ホスフィノ〕プロパンを触媒に対して3当量使用することで、また、非特許文献3ではジメチルスルホキシドを溶媒に用い、イオン性液体を添加することで、高いα選択性を得ているが、これらはいずれも、パラジウム触媒の使用量がハロゲン化アリールに対して2.5〜3.0モル%と多く、工業的製造には向かない。非特許文献4では酢酸タリウム、あるいはトリフルオロメタンスルホン酸銀等を添加することで高いα選択性を達成しているが、これらの金属塩は毒性やコスト面で課題がある。少ないパラジウム触媒使用量で、且つ、高いα選択性を達成した例として非特許文献5があげられるが、高価なテトラフルオロホウ酸塩をハロゲン化アリールに対して過剰量必要としていることから工業的製造には向かない。
米国特許第5248829号公報(1993年) ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー,(2001年),第66巻(12),4340ページ ジャーナル オブ モレキュラー キャタリシス A,(2002年),第187巻,189ページ テトラへドロン,(2005年)第61巻,9902ページ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー,(1992年),第57巻(5),1481ページ アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション,(2006年),第45巻,4152ページ
アセトフェノン類の工業的に適した製造方法を提供する。
本発明者らは、このような状況に鑑み、鋭意検討した結果、アセトフェノン類を製造する際に、アセトニトリルと水の混合溶媒を用いることにより、高収率、高選択的で、かつ、工業生産が可能となる範囲まで触媒を低減することができることを見いだし、発明に至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕式(1):
Figure 2008044858
[式(1)中、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシを表し、
Yは、フッ素原子、塩素原子、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、‐NH2又は‐N(R4)R3(ただし、Xが塩素原子のとき塩素原子を除く)を表し、nが2以上を表すとき、各々のYは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
Rは、水素原子、ホルミル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルチオカルボニル、C〜Cアルコキシチオカルボニル、C〜Cアルキルジチオカルボニル、C〜Cアルキルスルホニル又はC〜Cハロアルキルスルホニルを表し、
Rは、水素原子、C〜Cアルキル、ホルミル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル又はC〜Cアルコキシカルボニルを表し、
Rは、C〜Cアルキル、ホルミル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルチオカルボニル、C〜Cアルコキシチオカルボニル、C〜Cアルキルジチオカルボニル、C〜Cアルキルスルホニル又はC〜Cハロアルキルスルホニルを表し、
Rは、水素原子又はC〜Cアルキルを表し、
nは、0から4の整数を表す。]
で表される化合物に、式(2):
Figure 2008044858
[式(2)中、Wは、‐OR、‐N(R) COR又は式(3)を表し、
Figure 2008044858
Rは、C〜C12アルキル、C〜Cハロアルキル、ビニルオキシ(C〜C12)アルキル、ヒドロキシ(C〜C12)アルキル又はC〜Cアルコキシ(C〜C12)アルキルを表し、
RおよびRは、各々独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は、RおよびRが結合しているアミド基とともにC〜Cアルキルで形成する4〜7員環を表す。]
で表されるビニルエーテル化合物又はエタナミド化合物を塩基、ホスフィン又は芳香族アミン配位子及びパラジウム化合物の存在下にアセトニトリル及び水の混合溶液中で反応を行い、反応系内で得られる式(4):
Figure 2008044858
[式(4)中、Y、W、R、R及びnは前記と同じ意味を表す。]
で表される中間体または式(5):
Figure 2008044858
[式(5)中、Y、W、R、R及びnは前記と同じ意味を表し、RはC〜C12アルキルを表す。]
で表される中間体を鉱酸と反応させることによる式(6):
Figure 2008044858
[式(6)中、Y、R、R及びnは前記と同じ意味を表す。]
で表されるアセトフェノン類の製造方法。
本発明により、医農薬及び各種化学品の中間体として有用なアセトフェノン類を高収率、高選択的に製造することができ、また、その際使用する触媒は少量でよく、工業的生産に有益な方法を提供できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本明細書において、n-はノルマル、i-はイソ、s-はセカンダリー及びt-はターシャリーを各々意味する。
本明細書中の「ハロ」の表記は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を表す。
本明細書におけるCa〜Cbアルキルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表し、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルの表記は、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表し、このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、または互いに相異なっていてもよい。例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ブロモフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ジクロロフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、ブロモクロロフルオロメチル基、ジブロモフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2-クロロ-2-フルオロエチル基、2,2-ジクロロエチル基、2-ブロモ-2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル基、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、2-ブロモ-2,2-ジフルオロエチル基、2-ブロモ-2-クロロ-2-フルオロエチル基、2-ブロモ-2,2-ジクロロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1-クロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエチル基、2-クロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、1,2-ジクロロ-1,2,2-トリフルオロエチル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、2-フルオロプロピル基、2-クロロプロピル基、2-ブロモプロピル基、2-クロロ-2-フルオロプロピル基、2,3-ジクロロプロピル基、2-ブロモ-3-フルオロプロピル基、3-ブロモ-2-クロロプロピル基、2,3-ジブロモプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-ブロモ-3,3-ジフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,3-ジクロロ-1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2-フルオロ-1-メチルエチル基、2-クロロ-1-メチルエチル基、2-ブロモ-1-メチルエチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、2-フルオロブチル基、2-クロロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、4-クロロ-1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、2-フルオロ-2-メチルプロピル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、2-クロロ-1,1-ジメチルエチル基、2-ブロモ-1,1-ジメチルエチル基、5-クロロ-2,2,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-O-基を表し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、i-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、i-ブチルオキシ基、s-ブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbハロアルコキシの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-O-基を表し、例えばジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2,-テトラフルオロエトキシ基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエトキシ基、2-ブロモ-1,1,2-トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2-ジクロロ-1,1,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,2-トリクロロ-1,1-ジフルオロエトキシ基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルオキシ基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エトキシ基、ヘプタフルオロプロピルオキシ基、2-ブロモ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルオキシ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルキルチオの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-S-基を表し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルチオの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-S-基を表し、例えばジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、クロロジフルオロメチルチオ基、ブロモジフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基、1,1,2,2-テトラフルオロエチルチオ基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチルチオ基、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルチオ基、ヘプタフルオロプロピルチオ基、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチルチオ基、ノナフルオロブチルチオ基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルキルスルホニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-SO2-基を表し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、i-プロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、i-ブチルスルホニル基、s-ブチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、n-ヘキシルスルホニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルスルホニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-SO2-基を表し、例えばジフルオロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、クロロジフルオロメチルスルホニル基、ブロモジフルオロメチルスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルホニル基、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルスルホニル基、2-ブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエチルスルホニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルキルカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-C(O)-基を表し、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、2-メチルブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbハロアルキルカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるハロアルキル-C(O)-基を表し、例えばフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ジフルオロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロジフルオロアセチル基、ブロモジフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ペンタフルオロプロピオニル基、ヘプタフルオロブタノイル基、3-クロロ-2,2-ジメチルプロパノイル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-O-C(O)-基を表し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、 n-プロピルオキシカルボニル基、i-プロピルオキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、i-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルキルチオカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-S-C(O)-基を表し、例えばメチルチオ-C(O)-基、エチルチオ-C(O)-基、n-プロピルチオ-C(O)-基、i-プロピルチオ-C(O)-基、n-ブチルチオ-C(O)-基、i-ブチルチオ-C(O)-基、t-ブチルチオ-C(O)-基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシチオカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-O-C(S)-基を表し、例えばメトキシ-C(S)-基、エトキシ-C(S)-基、n-プロピルオキシ-C(S)-基、i-プロピルオキシ-C(S)-基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルキルジチオカルボニルの表記は、炭素原子数がa〜b個よりなる前記の意味であるアルキル-S-C(S)-基を表し、例えばメチルチオ-C(S)-基、エチルチオ-C(S)-基、n-プロピルチオ-C(S)-基、i-プロピルチオ-C(S)-基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
本明細書におけるビニルオキシ(Ca〜Cb)アルキルの表記は、炭素数がa〜b個よりなる前記の意味であるビニル-O-アルキル基を表し、例えば2-(ビニルオキシ)エチル基、3-(ビニルオキシ)-n-プロピル基、4-(ビニルオキシ)-n-ブチル基、5-(ビニルオキシ)-n-ペンチル基、6-(ビニルオキシ)-n-ヘキシル基等があげられ、各々の指定の炭素数の範囲内で選択される。
本明細書におけるヒドロキシ(Ca〜Cb)アルキルの表記は、炭素数がa〜b個よりなる前記の意味である炭素原子に置換した水素原子が、水酸基によって任意に置換された、炭素数がa〜b個よりなる直鎖状または分岐状の炭化水素基を表し、例えば2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、2-ヒドロキシ-n-プロピル基、4-ヒドロキシ-n-ブチル基、5-ヒドロキシ-n-ペンチル基、6-ヒドロキシ-n-ヘキシル基等があげられ、各々の指定の炭素数の範囲内で選択される。
本明細書におけるCa〜Cbアルコキシ (C〜C)アルキルの表記は、それぞれ前記の意味である任意のCa〜Cbアルコキシ基によって炭素原子に結合した水素原子が任意に置換された炭素原子数がd〜e個よりなる前記の意味であるアルキル基を表し、例えば2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、3-メトキシ-n-プロピル基、4-エトキシ-n-プロピル基、6-メトキシ-n-ヘキシル基等があげられ、各々の指定の炭素数の範囲内で選択される。
本発明の反応に使用することができるパラジウム化合物としてはパラジウム塩、例えば、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、又はパラジウム錯体、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、塩化〔ビス(トリフェニルホスフィン)〕パラジウム、酢酸〔ビス(トリフェニルホスフィン)〕パラジウム、塩化〔1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)〕パラジウム、塩化〔1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)〕パラジウム、塩化〔1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)〕パラジウム、塩化〔ビス(アセトニトリル)〕パラジウム、塩化〔ビス(ベンゾニトリル)〕パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、〔1,3-ビス(2,4,6-トリフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)〕パラジウム(0)ダイマー、〔1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)〕パラジウム(0)ダイマー、アリルクロロ〔1,3-ビス(2,4,6-トリフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)〕パラジウム(II)ダイマー等のカルベンパラジウム錯体が挙げられる。これらのうち、パラジウム塩としては酢酸パラジウム、塩化パラジウムなど、錯体としては塩化〔1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)〕パラジウム、塩化〔ビス(アセトニトリル)〕パラジウムなどが特に好ましい。
本発明の反応に使用するパラジウム化合物の使用量は、原料である一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.00001〜0.5モル、好ましくは0.0001から0.05モルである。0.00001モルよりも少ないと反応の進行が遅く実用的でないので好ましくなく、また、0.5モルより多いことは反応の点では問題ないが経済的に不利であるので好ましくない。
本発明の反応に使用することができるホスフィン配位子としては、例えば、トリ-t-ブチルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリ-i-プロピルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類、トリフェニルホスフィン、トリパラメチルフェニルホスフィン、トリオルソメチルフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン類、1,1-ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,1-ビス(ジエチルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2-ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1,4-ビス(ジエチルホスフィノ)ブタン等のビス(ジアルキルホスフィノ)アルカン類、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等のビス(ジフェニルホスフィノ)アルカン類、トリフェニルホスファイト等のホスファイト類、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、芳香族アミン配位子としては、1,10-フェナントロリン、2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン等が挙げられる。これらのうち1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等が特に好ましい。
本発明の反応に使用するホスフィン又は芳香族アミン配位子の使用量は、パラジウム1モルに対して1モル以上使用し、1.0〜5.0モル程度でよく、好ましくは2.0〜4.0モル程度を使用する。
本発明の反応に使用するアセトニトリル及び水混合溶媒の混合割合は、アセトニトリル1重量部に対して水0.1〜9.0重量部の範囲で使用し、好ましくはアセトニトリル1重量部に対して水0.2〜5.0重量部の範囲で使用する。
本発明の反応温度は20℃以上200℃以下が好ましく、50℃以上150℃以下が更に好ましい。
本発明の反応は、1〜50気圧の範囲内で行う。
本発明の反応は、窒素、アルゴン、キセノン等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の反応に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリブチルアミン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びt-ブトキシカリウム等のアルカリ金属アルコキシド類等が挙げられる。これらのうち、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明の反応に使用する、式(2)で表されるビニルエーテル化合物またはエタナミド化合物の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して1モル以上使用し、1.0〜20モル程度でよく、好ましくは1.0〜5.0モル程度を使用する。
反応液中に相間移動触媒を加えると好ましい場合がある。用いる相間移動触媒としては、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド及びベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩並びにテトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ-n-ブチルホスホニウムクロライド等の4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明の反応に用いる鉱酸としては、例えば硫酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸等が挙げられる。
本発明の反応に用いる鉱酸の使用量は反応系が酸性を示すのに必要な程度でよい。
本発明の鉱酸添加後の反応温度は0℃以上100℃以下の範囲から選択できる。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に述べるが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
4’-ブロモ-2’-メチルアセトアニリド11.4g(50.0ミリモル)にアセトニトリル39g、水75g、炭酸カリウム8.28g(60.0ミリモル)、ブチルビニルエーテル15.0g(150.0ミリモル)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン0.206g(0.50ミリモル)及び塩化〔1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕パラジウム0.148g(0.25ミリモル)を加え、反応系内を脱気したのち、窒素雰囲気下で16時間還流させた。20℃に冷却後、3N塩酸45gを加え、30分攪拌した後、酢酸エチル100mlで抽出した溶液を高速液体クロマトグラフィーを用いた定量分析法で分析したところ、4’-アセチル-2’-メチルアセトアニリドの含有量は8.81g(収率92.3%)であった。また、β−置換体の面積百分率は1%未満であった(UV検出器にて254nmの波長で検出)。
〔実施例2〕
4’-ブロモ-2’-メチルアセトアニリド0.456g(2.0ミリモル)にアセトニトリル1.56g、水3.00g、炭酸カリウム0.33g(2.4ミリモル)、ブチルビニルエーテル0.60g(6.0ミリモル)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン12.4mg(0.03ミリモル)及び酢酸パラジウム2.24mg(0.01ミリモル)を加え、反応系内を脱気したのち、窒素雰囲気下で7時間還流させた。20℃に冷却後、2N塩酸3gを加え、30分攪拌した後、アセトニトリル及び水を加え、均一に溶解させた溶液を高速液体クロマトグラフィーを用いた定量分析法で分析したところ、4’-アセチル-2’-メチルアセトアニリドの含有量は0.365g(収率95.5%)であった。また、β−置換体は検出されなかった(UV検出器にて254nmの波長で検出)。
〔実施例3〕
4’-ブロモ-2’-メチルアセトアニリド0.456g(2.0ミリモル)にアセトニトリル1.56g、水3.00g、炭酸カリウム0.33g(2.4ミリモル)、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル0.43g(3.0ミリモル)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン8.2mg(0.02ミリモル)及び塩化〔1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕パラジウム5.9mg(0.01ミリモル)を加え、反応系内を脱気したのち、窒素雰囲気下で8時間還流させた。20℃に冷却後、2N塩酸3gを加え、1時間攪拌した後、アセトニトリル及び水を加え、均一に溶解させた溶液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、4’-アセチル-2’-メチルアセトアニリドの面積百分率は96.26%であった。また、β−置換体は検出されなかった(UV検出器にて254nmの波長で検出)。
本発明の製造方法は、医農薬及び各種化学品の中間体として有用なアセトフェノン類の工業的製造方法として有用である。

Claims (3)

  1. 式(1):
    Figure 2008044858


    [式(1)中、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシを表し、
    Yは、フッ素原子、塩素原子、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、‐NH2又は‐N(R4)R3(ただし、Xが塩素原子のとき塩素原子を除く)を表し、nが2以上を表すとき、各々のYは互いに同一であっても又は互いに相異なっていてもよく、
    Rは、水素原子、ホルミル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルチオカルボニル、C〜Cアルコキシチオカルボニル、C〜Cアルキルジチオカルボニル、C〜Cアルキルスルホニル又はC〜Cハロアルキルスルホニルを表し、
    Rは、水素原子、C〜Cアルキル、ホルミル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル又はC〜Cアルコキシカルボニルを表し、
    Rは、C〜Cアルキル、ホルミル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルチオカルボニル、C〜Cアルコキシチオカルボニル、C〜Cアルキルジチオカルボニル、C〜Cアルキルスルホニル又はC〜Cハロアルキルスルホニルを表し、
    Rは、水素原子又はC〜Cアルキルを表し、
    nは、0から4の整数を表す。]
    で表される化合物に、式(2):
    Figure 2008044858

    [式(2)中、Wは、‐OR、‐N(R) COR又は式(3)を表し、
    Figure 2008044858

    Rは、C〜C12アルキル、C〜Cハロアルキル、ビニルオキシ(C〜C12)アルキル、ヒドロキシ(C〜C12)アルキル又はC〜Cアルコキシ(C〜C12)アルキルを表し、
    RおよびRは、各々独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は、RおよびRが結合しているアミド基とともにC〜Cアルキルで形成する4〜7員環を表す。]
    で表されるビニルエーテル化合物又はエタナミド化合物を塩基、ホスフィン又は芳香族アミン配位子及びパラジウム化合物の存在下にアセトニトリル及び水の混合溶液中で反応を行い、反応系内で得られる式(4):
    Figure 2008044858

    [式(4)中、Y、W、R、R及びnは前記と同じ意味を表す。]
    で表される中間体または式(5):
    Figure 2008044858

    [式(5)中、Y、W、R、R及びnは前記と同じ意味を表し、RはC〜C12アルキルを表す。]
    で表される中間体を鉱酸と反応させることによる式(6):
    Figure 2008044858

    [式(6)中、Y、R、R及びnは前記と同じ意味を表す。]
    で表されるアセトフェノン類の製造方法。
  2. 式(1)中、Xは、臭素原子を表し、
    式(1)、式(4)、式(5)及び式(6)中、Yは、フッ素原子、塩素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又はC〜Cアルコキシ、Rは、水素原子、C〜Cアルキルカルボニル又はC〜Cアルコキシカルボニル、Rは、水素原子、ホルミル又はC〜Cアルキルカルボニル、nは、0から4の整数を表し、
    式(5)中、RはC〜Cアルキルを表し、
    式(2)及び式(4)中、Wは‐OR、‐N(R) COR又は式(3)を表し、Rは、C〜C12アルキル、ビニルオキシ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキルを表し、RおよびRは、各々独立に、水素原子、C〜Cアルキル又は、RおよびRが結合しているアミド基とともにC〜Cアルキルで形成する4〜7員環を表す、請求項1記載のアセトフェノン類の製造方法。
  3. 式(1)中、Xは、臭素原子を表し、
    式(1)、式(4)、式(5)及び式(6)中、Yは、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル、メチル又はエチル、Rは、水素原子又はアセチル、Rは、水素原子、nは、0から4の整数を表し、
    式(5)中、RはC〜Cアルキルを表し、
    式(2)及び式(4)中、Wは‐ORを表し、Rは、C〜C12アルキル、ビニルオキシ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキルを表す、請求項1記載のアセトフェノン類の製造方法。
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WO2011092287A1 (en) 2010-02-01 2011-08-04 Basf Se Substituted ketonic isoxazoline compounds and derivatives for combating animal pests
CN103265581A (zh) * 2013-06-08 2013-08-28 西安凯立化工有限公司 一种双(二苯基膦)烷烃二氯化钯配合物的制备方法
KR20150062910A (ko) 2013-11-29 2015-06-08 롯데케미칼 주식회사 아세토페논의 제조 방법

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