JP2008041448A - 燃料電池用セパレータ、燃料電池および燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール材の硬化の際において、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池の製造方法を、提供する。
【解決手段】セパレータ150の開口部167よりシール材190が露出する状態で、開口部167を経由して、エネルギUVを照射することにより、シール材190を硬化する。
【選択図】図9
【解決手段】セパレータ150の開口部167よりシール材190が露出する状態で、開口部167を経由して、エネルギUVを照射することにより、シール材190を硬化する。
【選択図】図9
Description
本発明は、燃料電池用セパレータ、燃料電池および燃料電池の製造方法に関する。
燃料電池は、例えば、複数の単セルから構成される。単セルは、セパレータおよび膜電極接合体(MEA(membrane electrode assembly))の積層体を有する。隣接するセパレータと膜電極接合体との間、および隣接するセパレータ間には、シール材が配置される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−357861号公報
しかし、シール材は、液状シール樹脂からなり、熱硬化される。液状シール樹脂は、積層する際の面圧を均一にし、シール性および寸法精度の点で好ましいが、液状シール樹脂を硬化するための熱は、セパレータを経由して伝達されるため、その作用領域は全面に広がり、かつ硬化は長時間を要しており、膜電極接合体に対してダメージを与える可能性がある。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、シール材の硬化の際において、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池用セパレータ、膜電極接合体に対する負荷が軽減されたシール構造を有する燃料電池、および、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池の製造方法を、提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
燃料電池用のセパレータであって、
前記燃料電池に含まれる隣接部材との間に配置されるシール材のシール領域に開口部を有しており、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータであり、
前記シール材は、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化された
ことを特徴とするセパレータである。
燃料電池用のセパレータであって、
前記燃料電池に含まれる隣接部材との間に配置されるシール材のシール領域に開口部を有しており、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータであり、
前記シール材は、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化された
ことを特徴とするセパレータである。
上記目的を達成するための請求項9に記載の発明は、
セパレータ、および、
隣接部材との間に配置されるシール材を有しており、
前記セパレータは、前記シール材が配置されるシール領域に開口部を有し、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータであり、
前記シール材は、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化された
ことを特徴とする燃料電池である。
セパレータ、および、
隣接部材との間に配置されるシール材を有しており、
前記セパレータは、前記シール材が配置されるシール領域に開口部を有し、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータであり、
前記シール材は、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化された
ことを特徴とする燃料電池である。
上記目的を達成するための請求項17に記載の発明は、
セパレータ、および、
隣接部材との間に配置されるシール材を有し、
前記セパレータは、前記シール材が配置されるシール領域に開口部を有し、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータである
燃料電池の製造方法であって、
前記セパレータの開口部より前記シール材が露出する状態で、
前記開口部を経由して、エネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により、前記シール材を硬化する
ことを特徴とする燃料電池の製造方法である。
セパレータ、および、
隣接部材との間に配置されるシール材を有し、
前記セパレータは、前記シール材が配置されるシール領域に開口部を有し、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータである
燃料電池の製造方法であって、
前記セパレータの開口部より前記シール材が露出する状態で、
前記開口部を経由して、エネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により、前記シール材を硬化する
ことを特徴とする燃料電池の製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、セパレータの開口部を利用し、シール材を直接硬化することにより、シール材を硬化するための作用領域を局所化しかつ硬化時間を短縮化し、膜電極接合体に対する負荷を軽減することができる。したがって、シール材の硬化の際において、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池用セパレータを、提供することが可能である。
請求項9に記載の発明によれば、シール材は、セパレータの開口部を利用し、直接硬化されている。したがって、シール材を硬化するための作用領域は局所化し、かつ硬化時間は短縮化されており、膜電極接合体に対する負荷が軽減されている。つまり、シール材の硬化の際において、膜電極接合体に対する負荷が軽減されたシール構造を有する燃料電池を、提供することができる。
請求項17に記載の発明によれば、シール材は、セパレータの開口部を利用し、直接硬化される。したがって、シール材を硬化するための作用領域は局所化し、かつ硬化時間は短縮化されるため、膜電極接合体に対する負荷が軽減される。つまり、シール材の硬化の際において、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池の製造方法を、提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池を説明するための斜視図である。
燃料電池10は、複数の単セル100が積層されたスタック部20を有しており、電源として利用される。電源の用途は、例えば、定置用、携帯電話などの民生用携帯機器用、非常用、レジャーや工事用電源などの屋外用、搭載スペースが限定される自動車などの移動体用である。特に、移動体用電源は、比較的長時間の運転停止後に高い出力電圧が要求されるため、適用が好ましい。
スタック部20の両側には、集電板30,40、絶縁板50,60およびエンドプレート70,80が配置される。集電板30,40は、緻密質カーボンや銅板などガス不透過な導電性部材から形成され、また、スタック部20で生じた起電力を出力するための出力端子35,45が設けられている。絶縁板50,60は、ゴムや樹脂等の絶縁性部材から形成される。
エンドプレート70,80は、剛性を備えた材料、例えば鋼などの金属材料から形成される。エンドプレート70は、燃料ガス(例えば、水素)、酸化剤ガス(例えば、酸素)および冷媒(例えば、冷却水)を流通させるために、燃料ガス導入口71、燃料ガス排出口72、酸化剤ガス導入口74、酸化剤ガス排出口75、冷媒導入口77、および冷媒排出口78を有する。
スタック部20、集電板30,40、絶縁板50,60およびエンドプレート70,80の四隅には、タイロッド90が挿通される貫通孔が配置される。タイロッド90は、その端部に形成される雄ねじ部に、ナット(不図示)が螺合され、燃料電池10を締結する。スタック形成のための荷重は、単セル100の積層方向に作用し、単セル100を押し圧状態に保持する。
タイロッド90は、剛性を備えた材料、例えば、鋼などの金属材料から形成され、また、単セル100同士の電気的短絡を防止するため、絶縁処理された表面部を有する。タイロッド90の設置本数は、4本(四隅)に限定されない。タイロッド90の締結機構は、螺合に限定されず、他の手段を適用することも可能である。
燃料電池10の締結機構は、内部を延長するタイロッド90を利用する形態に限定されず、外部を延長するテンションロッドを利用することも可能である。
図2および図3は、図1に示されるスタック部を構成する単セルを説明するための斜視図および断面図、図4は、図2および図3に示されるセパレータを説明するための平面図、図5は、図4の線V−Vに関する断面図である。
単セル100は、膜電極接合体110、セパレータ150,170およびシール材190,192,194を有し、後述するように、膜電極接合体に対する負荷が軽減されたシール構造を有する。
膜電極接合体110は、電解質膜120と、電解質膜120を挟んで配置されるカソード電極(空気極)130およびアノード電極(燃料極)140とを有する。電解質膜120は、固体高分子材料、例えば、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を呈する。
カソード電極130は、電解質膜120の一方の面に配置され、カソード触媒層およびガス拡散層を有する。カソード触媒層は、ガス拡散層と電解質膜120との間に配置される。アノード電極140は、電解質膜120の他方の面に配置され、アノード触媒層およびガス拡散層を有する。アノード触媒層は、ガス拡散層と電解質膜120との間に配置される。
カソード触媒層およびアノード触媒層は、導電性担体に触媒成分が担持されてなる電極触媒と、高分子電解質とを含んでいる。
電極触媒の導電性担体は、触媒成分を所望の分散状態で担持するための比表面積、および、集電体として十分な電子導電性を有しておれば、特に限定されないが、主成分がカーボン粒子であるのが好ましい。
カソード触媒層に適用される触媒成分は、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されない。アノード触媒層に適用される触媒成分は、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されない。
触媒成分は、例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びそれらの合金等などから選択される。触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などを向上させるために、少なくとも白金を含むものが、好ましい。カソード触媒層およびアノード触媒層に適用される触媒成分は、同一である必要はなく、適宜選択することが可能である。
電極触媒の高分子電解質は、少なくとも高いプロトン伝導性を有する部材であれば、特に限定されず、例えば、ポリマー骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質や、ポリマー骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質が適用可能である。
ガス拡散層は、充分なガス拡散性および導電性を有する部材、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスや、カーボンペーパ、あるいはカーボンフェルトから形成される。
次に、セパレータ150,170を説明する。
セパレータ150,170は、ステンレス鋼鈑にプレス加工を施すことで形成されており、膜電極接合体110の表面に位置するカソード電極130およびアノード電極140の外面に配置される。ステンレス鋼鈑は、複雑な機械加工を施しやすくかつ導電性が良好である点で好ましく、必要に応じて、耐食性のコーティングを施すことも可能である。また、セパレータ150,170の素材として、アルミニウム板や、クラッド材を適用することも可能である。
セパレータ150は、マニホールド部151,152,154,155,157,158、凹凸部160、突起部165および開口部167を有し、膜電極接合体110のカソード電極130に相対して配置される。マニホールド部151,152、マニホールド部154,155およびマニホールド部157,158は、燃料ガス用、酸化剤ガス用および冷媒用に適用される。なお、セパレータ150は、別の単セル100のセパレータ170に隣接している。また、図2において、凹凸部160、突起部165および開口部167は省略されている。
凹凸部160におけるカソード電極130に相対する内面と、膜電極接合体110の表面により形成される空間S1は、酸化剤ガスを流通させるための流路を構成し、マニホールド部154,155を経由し、エンドプレート70に配置される酸化剤ガス導入口74および酸化剤ガス排出口75に、接続されている。
突起部165は、膜電極接合体110との間に配置されるシール材190のシール領域に沿って形成されている。なお、膜電極接合体110は、突起部165と嵌合自在の溝部を有しており、突起部165および溝部は、セパレータ150を膜電極接合体110と位置合せするための位置合せ手段として機能する。
また、溝部をセパレータ150に配置し、突起部165を膜電極接合体110に配置することも可能である。突起部165および溝部は、例えば、ロケートピンなどの別の位置決め手段が利用可能である場合には、適宜省略することも可能である。
開口部167は、メッシュ状であり、突起部165に位置している。つまり、開口部167は、燃料電池10に含まれる隣接部材である膜電極接合体110との間に配置されるシール材190のシール領域に位置決めされている。例えば、開口部167の開口率は、50〜70%であり、メッシュ線径は、20〜50μmである。突起部165および開口部167は、重なり合って配置される形態に限定されない。
セパレータ170は、マニホールド部171,172,174,175,177,178、凹凸部180、突起部および開口部を有し、膜電極接合体110のアノード電極140に相対して配置される。マニホールド部171,172、マニホールド部174,175およびマニホールド部177,178は、燃料ガス用、酸化剤ガス用および冷媒用に適用される。なお、セパレータ170は、別の単セル100のセパレータ150に隣接している。また、図2において、凹凸部180、突起部および開口部は省略されている。
凹凸部180におけるアノード電極140に相対する内面と、膜電極接合体110の表面により形成される空間S2は、燃料ガスを流通させるための流路を構成し、マニホールド部171,172を経由し、エンドプレート70に配置される燃料ガス導入口71および燃料ガス排出口72に、接続されている。
突起部は、膜電極接合体110との間に配置されるシール材192のシール領域に沿って形成されている。なお、膜電極接合体110は、突起部と嵌合自在の溝部を有しており、突起部および溝部は、セパレータ170を膜電極接合体110と位置合せするための位置合せ手段として機能する。
また、溝部をセパレータ170に配置し、突起部を膜電極接合体110に配置することも可能である。突起部および溝部は、例えば、ロケートピンなどの別の位置決め手段が利用可能である場合には、適宜省略することも可能である。
開口部は、メッシュ状であり、突起部に位置している。つまり、開口部は、燃料電池10に含まれる隣接部材である膜電極接合体110との間に配置されるシール材192のシール領域に位置決めされている。例えば、開口部の開口率は、50〜70%であり、メッシュ線径は、20〜50μmである。突起部および開口部は、重なり合って配置される形態に限定されない。
凹凸部180の外面と、隣接する別の単セル100のセパレータ150の外面により形成される空間S3は、冷媒を流通させるための流路を構成し、マニホールド部177,178を経由し、エンドプレート70に配置される冷媒導入口77および冷媒排出口78に、接続されている。
隣接する別の単セル100のセパレータ150の突起部165は、セパレータ170との間に配置されるシール材194のシール領域に沿って形成され、開口部167は、突起部165に位置している。つまり、開口部167は、燃料電池10に含まれる隣接部材である別のセパレータ170との間に配置されるシール材194のシール領域に位置決めされている。
なお、凹凸部160,180の形状および配置は、ガスの拡散性、圧力損失、生成水の排出性、冷却性能等を考慮し、適宜設定される。
次に、シール材190,192,194を説明する。
シール材190,192,194は、開口部を経由してエネルギを照射することで、硬化されている。つまり、シール材は、セパレータ150,170の開口部を利用し、直接硬化されている。したがって、シール材を硬化するための作用領域は局所化し、かつ硬化時間は短縮化されており、膜電極接合体110に対する負荷が軽減されている。
シール材190,192,194は、液状シール樹脂であり、その硬化は、セパレータ150,170に隣接部材を位置決め接合した後に、実施されている。
液状シール樹脂の開口部に対する充填量は、例えば、50%以下である。
液状シール樹脂は、紫外線硬化樹脂であり、エネルギは、紫外線である。紫外線硬化樹脂は、例えば、一液性アクリル系接着剤や一液性エポキシ系接着剤であり、その粘度は、100〜1000cpsが適用され、紫外線照射により、数秒程度で初期硬化を開始し、数分後に完全硬化する。したがって、熱硬化型液状シール樹脂に比べて、硬化温度は低く、膜電極接合体110に対する熱負荷が大幅に軽減される。
液状シール樹脂が接着剤からなる場合、セパレータおよび隣接部材(膜電極接合体110あるいは別のセパレータ)が接着され、シール材190,192,194の密着性およびシール性が向上するため、好ましい。
液状シール樹脂は、紫外線硬化樹脂に限定されず、例えば、赤外線硬化樹脂を適用することが可能である。赤外線硬化樹脂は、例えば、エポキシ系接着剤であり、エネルギとして近赤外線あるいは遠赤外線の照射により、数10秒程度で硬化させることが可能である。また、液状シール樹脂としてアクリル系接着剤を使用し、エネルギとしてレーザや電子線を利用することも可能である。
なお、シール材190,192,194を硬化させるためのエネルギを、開口部を経由して照射する代わりに、シール材190,192,194を硬化させるための化学反応物質(作用物質)を、開口部を経由して供給することも可能である。例えば、シール材190,192,194としてガス硬化性バインダを含んでいるもの使用し、化学反応物質として触媒ガスを適用することで、シール材190,192,194を硬化することが可能である。
次に、本発明の実施の形態に係る燃料電池の製造方法を説明する。
図6は、セパレータと隣接部材の積層を説明するための断面図、図7および図8は、シール材の配置を説明するための断面図および平面図、図9および図10は、シール材の硬化を説明するための断面図および平面図である。なお、シール材190,192,194の形成は、略同一であるため、シール材190の形成を、代表として説明する。
セパレータ150を、隣接部材である膜電極接合体110に積層して、セパレータ150の開口部167を、シール材190が配置されるシール領域に、位置決めする。この際、セパレータ150の突起部165を、膜電極接合体110の溝部112と嵌合させることで、位置合せされる(図6参照)。
セパレータ150と膜電極接合体110の位置決め接合が完了すると、シール材190を構成する液状シール樹脂(紫外線硬化樹脂)Mが、開口部167を経由してシール領域に供給される(図7および図8参照)。液状シール樹脂の供給は、セパレータ150の165に沿って移動するディスペンサ200が使用される。なお、液状シール樹脂を供給するための手段は、ディスペンサ200に限定されない。
開口部167に対する液状シール樹脂Mの供給が完了すると、積層された膜電極接合体110およびセパレータ150は、固定式の長尺の紫外線照射ランプ300を有する硬化装置に搬送される。
紫外線照射ランプ300は、エネルギ(紫外線)UVを、開口部167を経由して、液状シール樹脂つまりシール材190に照射する(図9および図10参照)。セパレータ150は、紫外線照射ランプ300の下方を通過することで、シール材190の硬化の硬化が完了する(図10参照)。
つまり、セパレータ150の開口部167よりシール材190が露出する状態で、シール材190は、セパレータ150の開口部167を利用し、直接硬化される。したがって、シール材190を硬化するための作用領域は局所化し、かつ硬化時間は短縮化されるため、膜電極接合体に対する負荷が軽減される。
なお、紫外線照射ランプ300は、固定式に限定されず、固定されたセパレータ150の上方を、紫外線照射ランプ300が移動する形態を適用することも可能である。また、セパレータ150の開口部167の全体を紫外線で照射可能である大型の紫外線照射ランプあるいは複数の紫外線照射ランプの集合体を適用することで、セパレータ150および紫外線照射ランプの両者を固定式とすることも可能である。
さらに、セパレータ150の溝部112に沿って移動する小型の紫外線照射ランプを適用することも可能である。セパレータ150の開口部167に対する照射角度を適宜変更し、例えば、側方から紫外線を照射することも可能である。
次に、本発明の実施の形態に係る変形例を説明する。図11は、燃料ガス用マニホールド部を説明するための断面図、図12は、酸化剤ガス用マニホールド部および冷媒用マニホールド部を説明するための断面図である。
シール材190,192,194の厚みに対応する液状シール樹脂Mの充填量は、一定であることに限定されず、必要とされるシール特性に応じて変更することも可能である。例えば、マニホールド部を流通する媒体(燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷媒)の種類に対応し、充填量を変化させることで、液状シール樹脂Mを効率的に使用することが可能である。
図11に示されるように、比較的漏れ易い燃料ガスが流通すマニホールド部の周囲に位置するシール領域の充填量を増加させる一方、図12に示されるように、比較的漏れ難い酸化剤ガスおよび冷媒が流通するマニホールド部の周囲に位置するシール領域の充填量を低下させることが可能である。
以上のように、本実施の形態は、シール材の硬化の際において、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池用セパレータ、膜電極接合体に対する負荷が軽減されたシール構造を有する燃料電池、および、膜電極接合体に対する負荷を軽減し得る燃料電池の製造方法を、提供することが可能である。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
例えば、燃料電池は、固体高分子型に限定されず、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池に代表される酸型電解質の燃料電池、ダイレクトメタノール燃料電池、マイクロ燃料電池に、適用可能である。
また、セパレータは、金属製に限定されず、カーボン製やセラミック製を適用することが可能である。
10・・燃料電池、
20・・スタック部、
30,40・・集電板、
35,45・・出力端子、
50,60・・絶縁板、
70,80・・エンドプレート、
71・・燃料ガス導入口、
72・・燃料ガス排出口、
74・・酸化剤ガス導入口、
75・・酸化剤ガス排出口、
77・・冷媒導入口、
78・・冷媒排出口、
90・・タイロッド、
100・・単セル、
110・・膜電極接合体、
112・・溝部、
120・・電解質膜、
130・・カソード電極、
140・・アノード電極、
150・・セパレータ、
151,152,154,155,157,158・・マニホールド部、
160・・凹凸部、
165・・突起部、
167・・開口部、
170・・セパレータ、
171,172,174,175,177,178・・マニホールド部、
180・・凹凸部、
190,192,194・・シール材、
200・・ディスペンサ、
300・・紫外線照射ランプ、
M・・液状シール樹脂、
S1〜S3・・空間、
UV・・紫外線。
20・・スタック部、
30,40・・集電板、
35,45・・出力端子、
50,60・・絶縁板、
70,80・・エンドプレート、
71・・燃料ガス導入口、
72・・燃料ガス排出口、
74・・酸化剤ガス導入口、
75・・酸化剤ガス排出口、
77・・冷媒導入口、
78・・冷媒排出口、
90・・タイロッド、
100・・単セル、
110・・膜電極接合体、
112・・溝部、
120・・電解質膜、
130・・カソード電極、
140・・アノード電極、
150・・セパレータ、
151,152,154,155,157,158・・マニホールド部、
160・・凹凸部、
165・・突起部、
167・・開口部、
170・・セパレータ、
171,172,174,175,177,178・・マニホールド部、
180・・凹凸部、
190,192,194・・シール材、
200・・ディスペンサ、
300・・紫外線照射ランプ、
M・・液状シール樹脂、
S1〜S3・・空間、
UV・・紫外線。
Claims (23)
- 燃料電池用のセパレータであって、
前記燃料電池に含まれる隣接部材との間に配置されるシール材のシール領域に開口部を有しており、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータであり、
前記シール材は、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化された
ことを特徴とするセパレータ。 - 前記シール材は、紫外線硬化樹脂であり、前記エネルギは、紫外線であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ。
- 前記シール材は、ガス硬化性バインダを含んでおり、前記化学反応物質は、触媒ガスであることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ。
- 前記シール材は、液状シール樹脂であり、前記セパレータに前記隣接部材を位置決め接合した後に、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化させたことを特徴とする請求項1に記載のセパレータ。
- 前記開口部は、メッシュ状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセパレータ。
- 前記隣接部材と位置合せするための位置合せ手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセパレータ。
- 前記位置合せ手段は、突起部あるいは溝部を有することを特徴とする請求項6に記載のセパレータ。
- 前記開口部は、前記突起部あるいは前記溝部に、位置していることを特徴とする請求項7に記載のセパレータ。
- セパレータ、および、
隣接部材との間に配置されるシール材を有しており、
前記セパレータは、前記シール材が配置されるシール領域に開口部を有し、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータであり、
前記シール材は、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化された
ことを特徴とする燃料電池。 - 前記シール材は、紫外線硬化樹脂であり、前記エネルギは、紫外線であることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池。
- 前記シール材は、ガス硬化性バインダを含んでおり、前記化学反応物質は、触媒ガスであることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池。
- 前記シール材は、液状シール樹脂であり、前記セパレータに前記隣接部材を位置決め接合した後に、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化させたことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池。
- 前記開口部は、メッシュ状であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記セパレータと前記隣接部材とを位置合せするための位置合せ手段を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記位置合せ手段は、前記セパレータおよび前記隣接部材の一方に配置される突起部、および、前記セパレータおよび前記隣接部材の他方に配置される溝部を有しており、前記突起部および前記溝部は、嵌合自在であることを特徴とする請求項14に記載の燃料電池。
- 前記開口部は、前記セパレータに配置される前記突起部あるいは前記溝部に、位置していることを特徴とする請求項15に記載の燃料電池。
- セパレータ、および、
隣接部材との間に配置されるシール材を有し、
前記セパレータは、前記シール材が配置されるシール領域に開口部を有し、
前記隣接部材は、前記セパレータに隣接して配置される膜電極接合体あるいは別のセパレータである
燃料電池の製造方法であって、
前記セパレータの開口部より前記シール材が露出する状態で、前記開口部を経由して、エネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により、前記シール材を硬化する
ことを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 前記シール材は、紫外線硬化樹脂であり、前記エネルギは、紫外線であることを特徴とする請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記シール材は、ガス硬化性バインダを含んでおり、前記化学反応物質は、触媒ガスであることを特徴とする請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記シール材は、液状シール樹脂であり、前記セパレータに前記隣接部材を位置決め接合した後に、前記開口部を経由してエネルギ照射あるいは化学反応物質の供給により硬化させたことを特徴とする請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記開口部は、メッシュ状であることを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記セパレータおよび前記隣接部材は、前記セパレータおよび前記隣接部材の一方に配置される突起部と、前記セパレータおよび前記隣接部材の他方に配置される溝部を嵌合させることで、位置合せされることを特徴とする請求項17〜21のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記開口部は、前記セパレータに配置される前記突起部あるいは前記溝部に、位置していることを特徴とする請求項22に記載の燃料電池の製造方法。
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- 2006-08-07 JP JP2006214729A patent/JP2008041448A/ja active Pending
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