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JP2007537834A - 機能的脊椎単位プロテーゼ - Google Patents

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JP2007537834A
JP2007537834A JP2007527400A JP2007527400A JP2007537834A JP 2007537834 A JP2007537834 A JP 2007537834A JP 2007527400 A JP2007527400 A JP 2007527400A JP 2007527400 A JP2007527400 A JP 2007527400A JP 2007537834 A JP2007537834 A JP 2007537834A
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Japan
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facet joint
component
kit
ligament
fastening portion
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Application number
JP2007527400A
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English (en)
Inventor
セーハン・ハッサン・エイ
ラブロム・ロバート
ホーキンス・ジョン・ライリー
ダンバー・ウィリアム
ボーグストーム・アミー
カク・ソンキュ・ダニエル
ドーリス・アンドリュー
スリブカ・マイケル・エイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DePuy Spine LLC
Original Assignee
DePuy Spine LLC
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Abstract

【課題】緊張状態にある椎間関節を安定化させることのできる椎間関節置換部品を提供する。
【解決手段】細長い軸部105と、溝を有する多軸ネジと、を有する椎間関節置換システムであって、このシステムの前記軸部はスライド可能に多軸ネジの溝の中に収納される。
【選択図】図2

Description

開示の内容
〔関連データ〕
本出願は、2002年12月31日に出願された、名称を「人工椎間関節靭帯(Prosthetic Facet Joint Ligament)」(代理人整理番号 DEP5014)とする、米国特許出願第10/334,601号の利益を享受するものである。前記出願の明細書は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
〔発明の背景〕
今日におけるもっとも一般的な外科的処置の一つとして、椎体間に存在する椎間板に関連する痛みを軽減するために、二つ以上の隣接する椎体を一緒に固定する関節固定術すなわち脊椎固定術がある。米国のみでも、このような処置が、毎年約300,000回行われている。臨床的な成功の度合いは、技術レベルと適応症とにより、かなりのばらつきがある。また、付随するリスクと併発症についても考慮する必要がある。
脊椎固定術は、一般に、あるタイプの痛みを除去するのに役立つが、屈曲、伸張、回転、および、側方への曲げの際の患者の運動範囲を制限することによる機能の低下も観察されてきた。さらに、脊椎固定術により、隣接の固定していない運動セグメントに対する応力が増大(し、そのため、この隣接の固定していない運動セグメントの退化を促進)すると考えられている。加えて、不完全なまたは効果的ではない固定(fusion)に起因する偽関節症(pseudoarthrosis)により、患者の希望する痛みの軽減効果が減少し、または全く達成されない場合がありうる。また、人工的なものであれ、生物学的なものであれ、固定を実現するための固定装置が、固定サイトから外へ移動し、それによって、患者に新たな深刻な問題を引き起こす場合がありうる。最後に、固定処置の後の回復期間が長い場合がある。
最近、人工椎間板の使用により、脊椎の生得のバイオメカニクスを再生成する試みがいくつかなされている。人工椎間板は、二つの対向する椎体に直接結合する生得の椎間板が有する弾力性により通常許容される運動の全範囲を再現するために、椎体間の関節接合を回復することを目的としている。しかしながら、今日までに開発された人工椎間板は、脊柱運動の力学については十分に対応していない。
加えて、椎間関節(または関節突起間関節)と呼ばれる後方要素が、脊柱に作用する軸方向負荷(axial load)、ねじれ負荷(torsional load)および剪断負荷(shear load)をサポートするのに役立っている。さらに、椎間関節は、滑り関節接合と負荷伝達との両方の機能を与える可動関節である。椎間関節突起の関節面は、伸張により接触し、回転を制限し、圧縮負荷を増大させる。関節面は、また、側方への曲げおよび軸の回転の際に、脊椎の一方の面で接触し、やはり回転を制限し、負荷を伝達する。
しかしながら、椎間関節は、また、重大な脊椎異常の原因となりうる。また、多くの場合、衰弱性の痛み(debilitating pain)の重大な原因となりうる。関節の軟骨面は、機械的または生物学的因子により劣化し、他の変形性関節症の場合と同様な痛みを生じるか、または、狭窄を増大させることもあり、また、狭窄を生じさせることもある。たとえば、患者が、椎間関節炎、強い椎間関節トロピズム(facet joint tropism)または椎間関節の変形、椎間関節の損傷等を被る場合がある。椎間関節の障害については、現在のところ、適切な処置がない。脊椎関節突起切除術すなわち椎間関節の除去によりある程度の軽減が可能であるが、屈曲、伸張、側方への曲げおよび回転の全運動面について、脊柱の剛性を著しく減少させること(すなわち、過剰運動性)になるとも考えられている。さらに、椎間関節に関する問題が、脊椎の他の部分に関する治療を複雑にすることもありうる。たとえば、人工椎間板の適応不良には、椎間関節炎、椎間関節の欠如、強い椎間関節トロピズムまたは椎間関節の変形がある。したがって、これらの問題に対処するための椎間関節置換物に対する要望がある。
米国特許第36,758号(フィッツI(Fitz I))には、下部椎間関節突起、これと合う上部椎間関節突起、またはその両方が、単に、キャップでカバーされている人工椎間関節が開示されている。キャップの設置のための骨や関節面の準備が不要なため、キャップが、骨構造や関節接合構造をカバー、すなわち保存する。
しかしながら、椎間関節突起への単純なキャッピングは、いくつかの潜在的な不利益をもたらす。椎間関節が変形性関節症の場合、キャップでは痛みの原因を除去できない。さらに、少なくとも変形性関節症の大腿骨骨頭の表面の置換の場合、関節骨端のキャッピングは、機械的緩みのために、臨床的には失敗に終わった。この臨床的失敗は、骨膜と大腿骨頭靭帯(その両方が、栄養分を大腿骨骨頭に供給する役割を有する)の破壊の結果であり、それによって、表面置換における骨の支持構造の無血管性壊死が起こるものと考えられる。これらに対応する問題が椎間関節突起のキャッピングに起因した可能性がある。椎間関節突起のキャッピングのもう一つの潜在的に不利な点には、個人間のみならず、脊柱内レベル間でも存在する、椎間関節突起の広範な範囲に渡る解剖学的形態変化、さらには肥厚性変化や退行性変化による解剖学的形態変化に対応するため、非常に広範な範囲のサイズと形状のキャップが必要とされること、または著しい作り直しが必要になることがある。
米国特許第6,132,464号(マーティン(Martin))には、関節面の置換物および後方突起(posterior processes)へのこれらの置換物の支持と固定のための手段について記載してある。関節面そのものは、「生得の関節面と同じ形状、位置および方位」を有すると記載されている。この特許には、薄板部(lamina)(後弓(posterior arch)と呼ばれる場合もある)上に支持された脊椎椎間関節プロテーゼが開示されている。椎間関節の軟骨の代わりになる下部ブレードおよび/または上部ブレードがこの支持構造体から延在している。米国特許第6,132,464号のプロテーゼは、一般的に、残存する骨構造を保存し、したがって、関連する軟骨や椎間関節突起の骨に影響する病理には対応しない。さらに、米国特許第6,132,464号のプロテーゼは、プロテーゼと薄板部の間に固定された嵌め合わせを必要とする。しかしながら、この薄板部は非常に複雑で高度に変化しやすい解剖学的表面を有する。この結果、実際には、椎間関節のための軟骨の代わりになるブレードを正しく設置できるように、薄板部に対する再現性のある位置づけのできるプロテーゼを設計することは非常に困難である。
米国特許第6,132,464号は、関節面とその取り付け手段については記載しているが、カプセル型の置換物については記載していない。
米国特許第5,571,191号(フィッツII(Fitz II))には、ピラミッド形状または円錐形状で、椎間関節突起上に固定し、低い摩擦の嵌め合わせ面を有する上部部品および下部部品を有する椎間関節突起プロテーゼが記載されている。この特許には、関節面とその取り付け手段についての記載はあるが、カプセル型の置換物については記載していない。
ガードナー(Gardner)等による欧州脊椎雑誌(Eur. Spine J.),別冊2(Supp 2),2002年,S157頁〜163頁には、退行性の椎間板疾患に関連した、一以上の重篤な症状の運動セグメントの可動性を安定させ、減少させるためのグラフ(Graf)靱帯形成術について開示されている。図1は、隣接する椎体から延在する一対の椎弓根ネジ(pedicle screw)の周りにポリエステル製のバンドを巻き付けた様子を示している。この靱帯は、米国特許第5,092,866号(ブレアード(Breard))にも開示されているようである。ガードナー文献によれば、適切なグラフ(Graf)バンドは、脊柱前彎症における運動セグメントを、十分に伸張した位置で非常に安定である椎間関節により固定する。S159頁を参照されたい。したがって、グラフ靱帯形成術は、椎間関節を固定化することを本質としている。ガードナー文献は、椎間関節を横切る可動靱帯については開示していない。
セネガス(Senegas)等による欧州脊椎雑誌(Eur.Spine J.),第11巻,別冊2,2002年,S164頁〜169頁には、二つの棘突起の間にチタン製脊椎間ブロッカーが置かれ、ダクロン靱帯(Dacron ligament)が棘突起を包んでいる、チタン製の脊椎間ブロッカーとダクロン靱帯を含むウォリスインプラントシステム(Wallis implant system)が開示されている。S165頁を参照されたい。したがって、セネガス文献は、椎間関節を横切る靱帯については開示していない。
世界知的所有権機関の特許協力条約に基く国際特許出願公開第WO 00/53126号(オーガン(Ogun))には、椎間関節等の接合された関節を固定するための形状記憶金属インプラントが開示されている。
ダイネシーステム(Dynesys system)は、一般に、生得の後部縦方向の靭帯の置換物として使用されている。このシステムは、プラスチック製のシース内にケーブルが収納されており、上部椎弓根部と下部椎弓根部とに取り付けられている。ダイネシーステムの靱帯は椎間関節を横切っていない。
米国公開特許出願第2003/0004572号(ゴーブル(Goble))は、椎間板プロテーゼと椎間関節プロテーゼとを含むプロテーゼについて開示している。ゴーブルは、椎間関節靱帯については開示していない。ゴーブルの図12は、椎間関節置換システムであって、上部部品および下部部品のそれぞれが、上部椎弓根部と下部椎弓根部にそれぞれ固定されているシステムについて開示している。しかしながら、ゴーブルのシステムの上部部品は、調整機能を有していない(すなわち、ネジ−関節面距離が固定されている)。第二に、関節面が下部部品を固定する椎弓根ネジより高く設定されているようである。このような場合には、長期の支え(bearing)により、下部椎弓根ネジの軸の周りで下部部品が回転するようになりうる。
〔発明の概要〕
本発明者らは、生得の椎間関節が、椎間関節包および周りにある靱帯が非常に重要な役割を演じる真の関節接合関節である点を重視した。関節の関節面が圧縮を伝達し、椎間関節包が張力を伝達する。屈曲では、関節が開き、椎間関節包と棘上靭帯(supraspinous ligament)(SSL)とが伸張する。いくつかのインビトロのバイオメカニカル研究によって、屈曲における全運動セグメントの剛性(stiffness)に対する椎間関節包と周囲の靱帯の貢献度が明らかにされている。関節面の置換は痛みを軽減できるかも知れないが、関節の機能を十分に回復するわけではない。したがって、本発明者らは、緊張状態にある椎間関節を安定化させることに対する要望の存在について認識した。
本発明の一形態では、患者の生得の椎間板が、人工運動椎間板で置換され、患者の生得の椎間関節が上部支持部品と下部支持部品とで置換され、ついで、これらの部品が、上部椎骨と下部椎骨とのいずれかに固定され、あるいは上部人工椎間関節部品と下部人工椎間関節部品とのいずれかに固定された締結部(fastener)を有する人工靱帯により、緊張状態で安定化される。
したがって、本発明によれば、第一に、生得の、ただし罹患した椎間板が、生得の健康な椎間板によって与えられる自然な機械的関係をより十分に与える人工運動椎間板で置換される。したがって、本発明の椎間板部品は、椎間板の生理学的貢献をより正確にシミュレートし、したがって、完全な生得の椎間板により近似するようにする。
また、本発明によれば、第二に、生得の椎間関節包が、生得の健康な椎間関節によって与えられる自然な機械的関係をより十分に与える人工構築物で置換される。特に、緊張に対し抵抗しつつ伸張し、これにより関節の安定性を高める靱帯を与えることにより、本発明は、椎間関節包の生理学的貢献をより正確にシミュレートし、したがって、完全な生得の椎間関節により近似するようにする。
そのため、本発明によれば、機能的脊椎単位(functional spinal unit)(FSU)を治療するためのキットであって、FSUが、上部椎体VBUと上部椎間関節突起FUとを有する上部椎骨Vu、および、下部椎体VBLと下部椎間関節突起FLとを有する下部椎骨を備え、これらの椎体がそれらの間の椎間板空間を画定し、上部椎間関節突起と下部椎間関節突起とが椎間関節FJを画定するキットにおいて、
a)椎間板空間に挿入されるように構成された運動椎間板と、
b)第一および第二の椎間関節突起を含む生得の椎間関節の少なくとも一部分を置換するように構成された椎間関節置換物(「FJR」)と、
c)椎間関節突起間の相対的運動を抑制するように構成された靱帯と、
を含むキットが提供される。
〔発明の詳細な説明〕
図10Aおよび10Bを参照すると、上部椎体VUと上部椎間関節突起FUとを有する上部椎骨、および、下部椎間関節突起FLを有する下部椎体VLを有する下部椎骨、を備えた解剖学的な「機能的脊椎単位(functional spinal unit)」すなわちFSUが提供される。椎体は、FSUの前方A部分にあり、椎間関節突起はFSUの後方部分Pにある。椎体同士の間には椎間板空間DISCが配されている。椎間関節突起同士の間には、「椎間関節(facet joint)」がある。棘上靭帯SSLは棘突起の後方にある。後方縦方向に長い靱帯(posterior longitudinal ligament)PLLは椎体の後方にある。
図1と図2を参照すると、機能的脊椎単位を治療するためのキットであって、FSUが上部椎体VUと上部椎間関節突起FUとを有する上部椎骨、および、下部椎体VBLと下部椎間関節突起FLとを有する下部椎骨を備え、これらの椎体がそれらの間の椎間板空間を画定し、上部椎間関節突起と下部椎間関節突起とが椎間関節FJを画定するキットにおいて、
a)椎間板空間に挿入されるように構成された運動椎間板101と、
b)上部部品105および下部部品107を含む椎間関節置換システム103であって、このシステムが、第一および第二の椎間関節突起を含む生得の椎間関節の少なくとも一部分を置換するように構成された椎間関節置換システムと、
c)椎間関節突起間の相対的運動を抑制するように構成された靱帯109と、
を含むキットが提供される。
本発明の運動椎間板部品は、椎間板の生得の運動を少なくとも部分的に回復することのできる任意のプロテーゼでありうる。好ましい実施形態では、この運動椎間板は、関節接合椎間板、クッション椎間板およびバネで付勢された椎間板からなる群から選択される。スティフィー(Stefee)等に付与された米国特許第5,071,437号、ギル(Gill)等に付与された米国特許第6,113,637号、ブライアン(Bryan)等に付与された米国特許第6,001,130号、ヘドマン(Hedman)等に付与された米国特許第4,759,769号、レイ(Ray)に付与された米国特許第5,527,312号、レイ(Ray)等に付与された米国特許第5,824,093号、ビュトナー‐ヤンツ(Buttner-Janz)に付与された米国特許第5,401,269号、サーハン(Serhan)等に付与された米国特許第5,824,094号に、種々の運動椎間板が記載されている。これらの文献は、参照により、その全体が本明細書に包含される。
好ましい関節接合運動装置は、米国特許第5,556,431号および同第5,674,296号に開示されている。これらの明細書は、参照により、本明細書に包含される。
いくつかの実施形態では、本関節接合運動椎間板が、二つの終板(endplates)と一つのコアを有する三点デザインである。ここで、図3を参照すると、いくつかの実施形態では、関節接合三点運動椎間板に、
a)第一の人工椎骨終板371であって、
i)第一の椎体と係合するように構成された外面373、
ii)第一の関節面377を有する内面375、および、
iii)この外面と内面とを繋ぐ本体部分379、
を含む、第一の人工椎骨終板371と、
b)第二の人工椎骨終板381であって、
i)第二の椎体と係合するように構成された外面383、および、
ii)第一の関節面387を有する内面385、
を含む、第二の人工椎骨終板381と、
c)コア部材391であって、
i)第一の終板の第一の関節面と関節接合をなすように構成された第一の関節面393、および、
ii)第二の終板の第一の関節面と関節接合をなすように構成された第二の関節面395、
を含む、コア部材391と、
が含まれており、
コア部材が、第一の終板の第一の関節面とコア部材の第一の関節面との間に第一の関節接合界面を生じさせ、第二の終板の第一の関節面とコア部材の第二の関節面との間に第二の関節接合界面を生じさせるように配置されている。
いくつかの実施形態では、関節接合運動椎間板が、二つの終板を有する二点デザインである。ここで、図4を参照すると、いくつかの実施形態では、関節接合二点運動椎間板401に、
a)第一の人工椎骨終板431であって、
i)第一の椎体と係合するように構成された外面433、
ii)第一の関節面441を有する内面435、および、
iii)この外面と内面とを繋ぐ本体分443、
を含む、第一の人工椎骨終板431と、
b)第二の人工椎骨終板411であって、
i)第二の椎体と係合するように構成された外面413、および、
ii)第二の関節面417を有する内面415、
を含む、第二の人工椎骨終板411と、
が含まれており、
第一の関節面と第二の関節面とが、関節接合界面を生じさせるように配置されている。
本発明のFJR部品は、生得の椎間関節の生得の機能を少なくとも部分的に置換することのできる任意のプロテーゼでありうる。前記のごとく、椎間関節は、スライド関節接合と負荷伝達機能とを与える可動結合関節である。椎間関節突起の関節面は、伸張時に接触し、回転を制限し、圧縮負荷を増大させる。
次に図5を参照すると、本発明のいくつかの実施形態では、プロテーゼの上部椎間関節部品511と下部椎間関節部品521が、個々独立した部品である。その好ましい形態では、上部椎間関節部品511が、第一の椎間関節突起に取り付けられるように構成された外面515と内部関節面517とを有する固定部513を形成し、下部椎間関節部品521が、下部椎間関節突起に取り付けられるように構成された外面525と内部関節面527とを有する固定部523を形成する。この形態では、内部関節面が、関節接合界面を形成するように構成されている。本発明の目的に関しては、この実施形態は、「関節接合プロテーゼ(articulation prosthesis)」と呼ばれる。それぞれの固定部には、骨の固定のための骨ネジの収納のための貫通穴531が設けられている。
いくつかの関節接合の実施形態では、第一の内部関節面が凸状をしており、第二の内部関節面が凹状をしている。これにより、本技術分野で周知の球状関節(ball and socket joint)が造られる。
いくつかの関節接合の実施形態では、第一の内部関節面と第二の内部関節面とのそれぞれが円筒状である。
いくつかの関節接合の実施形態では、第一の内部関節面と第二の内部関節面とのそれぞれが面状(plane-shaped)である。
いくつかの実施形態では、第一の関節面と第二の関節面とが形状整合性を有する。その他の実施形態では、第一の関節面と第二の関節面とが形状整合性を有しない。
次に、図6を参照すると、好ましい実施形態では、椎間関節置換部品に、
a)上部椎間関節部品601であって、
i)上部端部605と下部端部607とを有する縦方向に長い本体603であって、下部端部が内面609を形成する、縦方向に長い本体603、
ii)骨に締結するように構成された遠位の筋状体と、縦方向に長い本体の上部端部を収納するように構成された近位の溝623とを有する締結部621、および、
iii)締結部の近位の溝内に収納される止めネジ(set screw)625、
を含む、上部椎間関節部品601と、
b)下部椎間関節部品631であって、
i)本体部分633、
ii)骨に取り付けられるように構成され、貫通ネジ穴637を有する外側部分635、
iii)上部椎間関節部品の内面609と関節接合をなすように構成された内面639を有する内部部分、および、
iv)貫通ネジ穴637に収納される締結部641、
を含む、下部椎間関節部品631と、
が含まれる。
さらに図6を参照すると、好ましい実施形態では、FJRの上部部品601に、上部椎体の椎弓根部分に締結されるように構成された締結部623が含まれる。この椎弓根が取り付け場所として選択されてきたのは、負荷のある状態で椎弓根ネジを受け取る能力が臨床的に証明されていること、長期の存続能力があること、および外科手術で熟知された場所であること、のためである。上部端部は、椎間関節突起領域から上部椎弓根部にまで延在するように設計され、締結部の筋状体内にほぼ嵌め合い、これによって固定ができるように設計された直径を有する。下部端部は下部FJR部品を支えるように構成された内面609を有する。
図6に示された止めネジ625は、縦方向に長い本体だけを締結部に係止するが、他の実施形態では、止めネジが縦方向に長い本体と靱帯とを締結部に係止しうる。
さらに図6を参照すると、FJRの下部部品631に、下部椎体の椎弓根部分に締結されるように構成された締結部641が含まれる。この椎弓根も取り付け場所として選択されてきたものである。この場合の締結部は、椎弓根ネジである。
前記のごとく、従来のFJRシステムでは、椎弓根ネジ部品から関節面部品までの距離を医師が調整することができないようである。図6のFJRシステムは、この距離を手術中に調整しうるため特別な利点を有する。いくつかの実施形態では、図6のFJRの上部部品に、縦方向に長い本体の上部端部を収納するように構成された溝を有する椎弓根ネジが含まれる。使用に際しては、椎弓根ネジが最初に骨中に挿入され、縦方向に長い本体の上部端部(この場合には棒状のもの)が溝中に置かれる。ついで、医師が、内面609の適切な場所が設定されるまで、縦方向に長い本体を溝に対してスライドさせることができる。ついで、医師は、止めネジ625を、縦方向に長い本体の上部端部の最上部にある溝中に挿入して、内面の位置を係止することができる。
そのため、本発明によれば、椎間関節置換部品において、
a)細長い第一の端部と関節面を形成する第二の端部とを有する本体と、
b)骨に締結されるように構成された遠位の筋状体を有する軸部と、当該縦方向に長い本体の細長い第一の端部を収納するように構成された横溝を有する近位端とを有する締結部と、
を含み、
当該縦方向に長い本体の細長い第一の端部の一部が当該締結部の溝にスライド可能に収納される、
椎間関節置換部品が提供される。
図6のFJRシステムは、配置を手術中に調整できるという特別な利点も有する。これらの実施形態では、椎弓根ネジが、実質的に縦方向に長い本体の上部端部を収納するように構成された溝を有する多軸ネジである。このネジの多軸の特性により、医師が、ネジの溝部品の配置を調節し、これによって、関節面の配置を調整することができるようになる。
そのため、本発明によれば、椎間関節置換部品において、
a)細長い第一の端部と関節面を形成する第二の端部とを有する本体と、
b)縦方向に長い本体に調節可能に固定されるように構成された多軸ネジと、
を備えた椎間関節置換部品が提供される。
図6のFJRシステムは、関節接合力が実質的に下部ネジを通して確実に伝わるようにすることにより、下部椎弓根ネジ上のモーメントを減少させるか、または排除するという特別な利点も有する。これは、上部部品の関節面が実質的に下部椎弓根ネジを二等分することを確実に行うことにより達成される。
そのため、本発明によれば、椎間関節置換部品において、
a)第一の椎間関節部品であって、
i)第一の端部と第二の端部とを有し、下部端部が第一の内部関節面を形成する縦方向に長い本体、および、
ii)縦方向に長い本体を骨に取り付けるための手段、
を含む、第一の椎間関節部品と、
b)第二の椎間関節部品であって、
i)本体部分、
ii)骨に取り付けられるように構成されており、貫通穴を有する外側部分、
iii)第一の椎間関節部品の内部関節面と関節接合をなすように構成された第二の内部関節面を有する内側部分、および、
iv)貫通ネジ穴に収納される締結部、
を含む、第二の椎間関節部品と、
を含み、
第一の内部関節面と第二の内部関節面とが、関節接合力ベクトルを画定する関節接合界面を形成するように構成されており、
関節接合力ベクトルが締結部を通して伝えられる、椎間関節置換部品が提供される。
図6のFJRシステムは、上部部品と下部部品との両方が、もう一つの骨構造体(例えば、薄板、椎弓根、横突起(transverse process)または棘突起)に取り付けられうるかまたは当接しうる特別な利点も有する。第二の取り付け点は、椎弓根ネジ上のモーメントを減少または除去しうる。
次に、図7を参照すると、その他の実施形態では、上部椎間関節部品と下部椎間関節部品とが、内部関節面を有さず、むしろ、弾性のあるクッションコア(elastic cushion core)によって結合されている。その好ましい実施形態では、本「クッションタイプ(cushion-type)」のプロテーゼには、
a)上部椎間関節突起に取り付けられるように構成された外面203および内面205を有する上部終板を形成する上部椎間関節部品201と、
b)下部椎間関節突起に取り付けられるように構成された外面213および内面215を有する下部終板を形成する下部椎間関節部品211と、
c)上部椎間関節部品の内面に取り付けられるように構成された上部面223および下部椎間関節部品の内面に取り付けられるように構成された下部面225を有する弾性のあるコア221と、
を備えている。
本発明の目的に関し、本実施形態は、「クッションプロテーゼ(cushion prosthesis)」と呼ばれる。その好ましい実施形態では、本装置が、軸方向の負荷がかかる間に弾性的に圧縮され、負荷が除去されると弛緩するように構成されたエラストマーを備えている。
上部椎間関節部品と下部椎間関節部品とを有するプロテーゼを備えた本発明の実施形態では、それらの固定部が取り付け具を含みうる。好ましい取り付け具は、歯(teeth)、キール(keel)、スパイク(spikes)、ピン(pins)、穴およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、再び図5を参照すると、本椎間関節置換部品は、
a)上部椎間関節突起に取り付けられるように構成された外面515を有する上部固定部513を有する上部椎間関節部品511と、
b)下部椎間関節突起に取り付けられるように構成された外面525を有する下部固定部523を有する下部椎間関節部品521と、
を備える。
いくつかの実施形態では、FJRの取り付け面が、棘突起に取り付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、FJRの取り付け面が、薄板部を取り付け、および/または、この薄板部を支えるように構成されている。いくつかの実施形態では、FJRの取り付け面が、椎弓根に取り付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、FJRの取り付け面が、横突起に取り付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、FJRの取り付け面が、生得の椎間関節突起に取り付けられるように構成されている。
いくつかの実施形態では、FJRの取り付け面の骨への取り付けが、フィブリン接着剤または骨セメント等の接着剤の使用により強化される。
いくつかの実施形態では、締結部および/またはFJR部品の骨取り付け面が、骨生物学的特性を有する材料を含んでいる。この材料は、締結部および/または取り付け面を骨に確実に取り付けるのに必要な骨一体化プロセスを助ける。
いくつかの実施形態では、締結部および/または取り付け面が矯正誘導性を有する(orthoconductive)部分を備える。矯正誘導性を有する部分は、典型的には、骨誘導性を有する(osteoconductive)細胞の進入を許容するように構成された多孔(好ましくは約20μm〜250μmの間)と、これらの細胞に付着するように構成された多孔によって画定された内面とを有する。いくつかの実施形態では、締結部が、骨が内殖するように構成された外面を有する。この外面は、その上に、TCP被覆またはヒドロキシアパタイト被覆等の骨誘導性を有する被覆を有しうる。
いくつかの実施形態では、締結部および/または取り付け面が、矯正誘導性を有する(orthoinductive)部分を備える。この矯正誘導性を有する部分は、好ましくはタンパク質であり、成長因子であることがより好ましい。好ましい成長因子には、TGF−β、IGF−、BMP−、およびCDMP−系成長因子が含まれる。MP52がCDMPとして選択されることが好ましい。
いくつかの実施形態では、締結部および/または取り付け面が、定向進化的な(orthogenetic)部分を備える。この定向進化的な部分は、好ましくは間葉系幹細胞を有する。MSCが、患者の生得の骨髄中にあるものより高い濃度で存在することがより好ましい。
いくつかの実施形態では、締結部および/または取り付け面を、抗血栓被覆または抗菌被覆およびNSAIDS等の鎮痛剤といった他の所望の薬剤でも被覆しうる。
いくつかの実施形態では、FJRシステムの締結部部品が椎弓根ネジである。いくつかの実施形態では、椎弓根ネジが一体化用ナットを有する縦方向に長い軸部を備える。このナットの遠位部において、軸部が、軸部上にある第一の遠位筋状体と遠位のテーパ状の端部とを有する。一体化用ナットの近位部においては、軸部が、軸部上にある第二の近位筋状体とスロットを有する近位の取り付け端部とを有する。
いくつかの実施形態では、椎弓根ネジが多軸ネジである。
いくつかの実施形態では、締結部が、穴であってその穴への骨の内殖ができるようになっている穴を画定する、カニューレの付いた軸部(cannulated shank)を有する。いくつかの実施形態では、この穴が骨の内殖が可能なように構成されている内面を画定する。この内面は、その上に、TCP被覆またはヒドロキシアパタイト被覆等の骨誘導性を有する被覆を有しうる。
本発明の上部椎間関節部品および下部椎間関節部品は、ヒトの外科的な植え込みに適する任意の材料から作製してもよく、チタン、チタン合金、クロム合金およびステンレス鋼等の全ての外科的に適切な金属、ならびに、カーボン繊維材料、樹脂、プラスチックおよびセラミックス等の非金属材料を含むが、これらに限られるわけではない。
弾性を有するコアが選択された場合には、このコアには、ポリウレタン、発泡ポリエチレン、シリコーン、ゴム、コポリマーまたはヒドロゲルが含まれうる。
いくつかの実施形態では、FJR部品が片側式である。片側式のFJRは、単一の椎間関節の機能を少なくとも部分的に置換する。いくつかの実施形態では、FJR部品が両側式である。両側式のFJRは、FSUの両方の椎間関節の機能を少なくとも部分的に置換する。
いくつかの実施形態では、FJR部品が、椎間関節の単一の椎間関節突起を置換する。この置換突起は残余の生得の椎間関節突起と関節接合をなすように構成されている。そのいくつかの実施形態では、上部突起が置換され、その他の実施形態では、下部突起が置換される。
その他の実施形態では、FJR部品が、椎間関節の両方の椎間関節突起を置換し、これらの置換突起が互いに関節接合をなす。
いくつかの実施形態では、実質的に椎間関節突起の全体が人工FJRで置換される。その他の実施形態では、実質的に対象突起の関節面のみが置換され、これにより、その下にある骨構造が保存される。この置換表面は、残余の生得の椎間関節突起表面と関節接合をなすように構成されている。いくつかの実施形態では、置換表面がキャップを備える。
いくつかの実施形態では、FJR部品が単一レベルFJRである。単一レベルFJRは少なくとも部分的に単一レベルFSUの機能を置換する。いくつかの実施形態では、FJR部品が多重レベルFJRである。多重レベルFJRは、FSUの少なくとも二つのレベルにある椎間関節の機能を少なくとも部分的に置換する。
いくつかの実施形態では、FJRが生得の椎弓を置換するように構成されており、そのため、横方向の椎弓部品を含んでいる。いくつかの実施形態では、FJRが生得の突起を置換するように構成されており、そのため、棘突起部品を含んでいる。いくつかの実施形態では、FJRが少なくとも一つの生得の横突起を置換するように構成されており、そのため、横突起部品を含んでいる。いくつかの実施形態では、FJRが少なくとも一つの椎弓根を置換するように構成されており、そのため、椎弓根部品を含んでいる。
次に、図8A〜8Dを参照すると、本発明の汎用靱帯(generic ligament)3において、
i)中間部分5、
ii)第一および第二の端部7,9、ならびに、
iii)第一および第二の形状順応性を有する部分11,13、
を有し、
第一の形状順応性を有する部分が、中間部分と第一の端部との間に配置され、第二の形状順応性を有する部分が、中間部分と第二の端部との間に配置され、
iv)第一および第二の締結部15,17、
を有し、
第一の端部7が第一の締結部15と協調的に結合するような形状をなし、第二の端部9が第二の締結部17と協調的に結合するような形状をなす、汎用靱帯3が提供される。
いくつかの実施形態では、締結部が、骨ネジ、フック、ワイヤおよびピンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、靱帯の中間部分が、ケーブル、ワイヤ、相互連結面および、締結部に結合され上部締結部と下部締結部との間で伸張する柔軟なポリマーからなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、椎間関節が、上部椎骨および下部椎骨または、上部および下部人工椎間関節部品において固定された締結部を有する人工靱帯により圧縮と伸張の両方で安定化される。いくつかの実施形態では、締結部が、骨ネジ、フック、ワイヤおよびピンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、靱帯の中間部分が、ケーブル、ワイヤ、相互連結面、および、締結部に結合され、上部締結部と下部締結部との間で伸張する柔軟なポリマーからなる群から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、靱帯が、椎間関節突起の関節接合により発生した破片が、周囲の組織特に種々の神経系の構造体に広がるのを防止できるシースの形状を有している。以前の椎間関節置換物の発明では、椎間関節と金属またはポリマーとの接触面を置換する表面再生技術が記述されている。椎間関節の変化に富む独特の動きにより、これらの再生された接触面は、不可避的に、摩耗による破片を発生させ、組織を刺激しやすい。接触面を囲み、発生した粒子を捕捉する薄膜またはシースは、組織の刺激および炎症を減少することができる。これらの薄膜またはシースは、それ自身構成上の一体性も有し、過度の伸張に抵抗し、それにより、引っ張り強さに対する抵抗性を与えうる。
いくつかの実施形態では、シースの幅がずっと大きい。好ましいシースでは、実質的に椎間関節を包含するサイズを有する。いくつかの実施形態では、シースが液体透過性を有する。この特徴により、椎間関節の関節面から摩耗による破片が出てくるのを防止しつつ、関節の潤滑を助ける液体の進入が許容される。いくつかの実施形態では、シースが潤滑用の液体を含み、それにより、生得の椎間関節包を模倣する。好ましい実施形態では、シースが、植え込み前に予め組立てられてもよく、または、接着剤、縫合糸、ワイヤ、熱的に活性化された凝集もしくはインサイツのポリマーの包埋により取り付けられてもよい。
好ましい実施形態では、この人工椎間関節の靱帯は、本椎間関節の相対的運動を抑制するように、生得のまたは人工の椎間関節の対向する側の結合点に取り付けることができる。
本発明の靱帯は、椎間関節間の相対的運動を抑制はするが完全に排除するものではないように構成された、生体適合性を有する任意の材料から作製することができる。この点から、本発明の椎間関節靱帯は、生得の椎間関節包を模倣する。本発明の靱帯は、三つの特徴を有する。第一に、本靱帯は、椎間関節を横切るように構成されなければならない。第二に、本靱帯は、椎間関節を横切る屈曲が起こることをある程度許容するものでなければならない。第三に、本靱帯は、椎間関節の過度の屈曲に抵抗するものでなければならない。
好ましい実施形態では、本靱帯が、一対の取り付け端部と一つの中間部分とを備える。
本靱帯の中間部分は、弾性、柔軟性、緊張可能性(tensionability)および伸張性等の靱帯に見出される好ましい機械的性質を有するように構成されうる。これらの性質の組み合わせにより、関節面を幾分ずらしうるが、過度のずれには抵抗できるようになる。
本椎間関節靱帯の中間部分には、ポリエステル(特に、ポリアルキレンテレフタレート等の芳香族エステル);ポリアミド;ポリアルケン;ポリ(ビニルフルオライド)(poly(vinyl fluoride));ポリウレタン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);カーボン繊維;シルク;ゴム;ヒドロゲル、およびガラス、ならびにそれらの混合物を含む生体非再吸収性の材料が含まれるのが好ましい。
本椎間関節靱帯の中間部分は織編物(fabric)であるのが好ましい。この織編物は、平面的なもしくは環状の織り、編み、組み紐編み(braiding)、かぎ針編み(crocheting)または刺繍(embroidery)によって作製することができる。この織編物は、高い引っ張り強さを得るため、組み紐編みにすることが好ましい。この織編物として使用するための適切な材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、カーボン繊維、ガラス、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアラミド、金属、ポリマー、コポリマー、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、シルク、セルロース酸(cellusoseic acid)およびポリカプロラクトン繊維が好ましい。
使用中、本椎間関節靱帯の中間部分は、柔軟な組織構造にこすり合わされ、これらの構造のみならず、中間部分自体も損傷を受けることが考えられる。そのため、いくつかの形態では、本椎間関節靱帯の中間部分に潤滑性が与えられる。この潤滑剤は、本靱帯と柔軟な組織との間の摩擦係数を下げ、これにより、摩耗を減少させる。潤滑剤としては、ヒアルロン酸、プロテオグリカンおよびヒドロゲルが好ましい。
いくつかの実施形態では、本靱帯が矯正生物学的な(orthobiologic)性質を有する材料を含む。この材料は、身体の再生プロセスが生得の靱帯を再成長させ、本発明の人工靱帯が生得の靱帯で置き換えられるのを助ける。
いくつかの実施形態では、本靱帯がNSAID等の鎮痛特性を有する材料を含む。
いくつかの実施形態では、本靱帯が矯正誘導性を有する(orthoconductive)部分を有する。この矯正誘導性を有する部分は、典型的には、(好ましくは、約20μm〜250μm)の、骨誘導性を有する細胞の進入を許容するように構成された多孔と、これらの細胞に付着するように構成されたこの多孔により画定される内面とを有する。いくつかの形態では、矯正誘導性を有する部分が小腸下粘膜下組織(subintestinal submucosa)(SIS)を有する。他の実施形態では、この部分が合成ポリマーを含む。
いくつかの実施形態では、本靱帯が矯正誘導性を有する部分を有する。この矯正誘導性を有する部分は、蛋白質であることが好ましく、成長因子であることがより好ましい。好ましい成長因子には、TGF−βおよびIGF系成長因子が含まれる。
いくつかの実施形態では、本靱帯が定向進化的な部分を有する。この定向進化的な部分は、間葉系幹細胞を含むことが好ましく、MSC(間葉系幹細胞)が患者の生得の骨髄中より高濃度で存在することがより好ましい。
いくつかの実施形態では、本靱帯の中間部分のみが矯正生物学的な材料を含む。いくつかの実施形態では、本靱帯の取り付け端部のみが矯正生物学的な材料を含む。他の形態では、本靱帯の中間部分と取り付け端部のそれぞれが矯正生物学的な材料を含む。
本靱帯は、滅菌状態で提供されることが好ましい。いくつかの実施形態では、本靱帯が滅菌され、ついでパッケージに入れられる。パッケージの内面も滅菌されていることが好ましい。
いくつかの実施形態では、本靱帯の中間部分が緊張可能である。本靱帯の末端が互いに十分近づき、本靱帯の長さがその末端間の距離より短くなると、緊張可能な靱帯は弛緩した状態になる。この性質により、対向する椎間関節突起が、負荷のある状態で、本靱帯からの抵抗を受けることなく、互いにより近接することができるようになる。緊張可能な靱帯はまた、その端部が互いに十分離され、その結果、本靱帯の長さがその端部間の距離とほぼ同一になると、張りつめた状態にもなる。この性質により、対向する椎間関節突起間の相対的な運動が抑制される。いくつかの実施形態では、本靱帯の緊張性が5N/mm〜50N/mmである。
いくつかの実施形態では、本靱帯の中間部分の少なくとも一部が伸張可能である。伸張可能な靱帯はその端部に負荷がかかっていないときには第1の休止長さ(at-rest length)を取り、本靱帯が緊張下にあるときには、第2の、より大きな長さになる。この性質により、本靱帯は、緊張下においては、予め定められた量を「与える(give)」ことができるようになる。生得の椎間関節靱帯もまた伸張可能であるので、この性質は有利である。約250Nの負荷が与えられた場合、本靱帯が、その休止長さの10%〜30%の間の伸張性を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、本靱帯の伸張性が5N/mm〜50N/mmの間にある。他の実施形態では、本靱帯が伸張可能ではない。
いくつかの実施形態では、本靱帯の中間部分の少なくとも一部が柔軟性を有する。柔軟性を有する靱帯は、軸方向の負荷の下で屈し/生理的な曲げの負荷をかけた状態で容易に曲がり、負荷が取り除かれると、容易に元の形状を取り戻す。この性質により、本靱帯は、軸方向の負荷の下に応力を伝達しつつ、予め定められた量を「与える(give)」ことができるようになる。生得の椎間関節靱帯も柔軟性を有するので、この性質は有利である。本靱帯の柔軟性を有する部分は曲がった部分を含むことが好ましい。
本靱帯は、患者の生涯を通じてFSUの抑制された運動を許容するように構成されていることが好ましい。しかしながら、本部品が植え込まれた直後の期間中は、創傷領域のヒトの組織がかなりの損傷を受け、そのため、治癒のために相対的に安定した環境を必要とする。さらに、この手術後の初期期間中、運動椎間板とFJR部品の両方が、それらが取り付けられる骨表面と一体化する必要があり、そのため、相対的に安定した環境もまた必要とされるようである。
そのため、いくつかの実施形態では、本靱帯が時間と共に変化しうる性質を有するように設計される。特に、本靱帯は、時間と共に剛性が減少するように構成されている。この条件では、本靱帯が、手術直後の期間には所望の高い剛性を与え、それにより、この領域を安定化させ、組織の修復と骨の一体化(osteointegration)を促進しうる。創傷が治癒されると、本部品は一体化され、本靱帯の剛性が減少し、それにより、FSUの所望の運動範囲が許容されるようになる。
本靱帯は、最終(6ヶ月)のFSUの剛性が約1Nm/(曲げ度)〜2Nm/(曲げ度)の範囲にあることが好ましい。同様に、本靱帯は、最終(6ヶ月)のFSUの剛性が約2Nm/(伸長度)〜3Nm/(伸長度)の範囲にあることが好ましい。いくつかの実施形態では、本靱帯の初期の剛性が、最終(すなわち6ヶ月)の剛性の約2倍〜4倍の間にある。初期の剛性が最終の剛性の約4倍を超えている場合、癒合が結果として生じるものと考えられる。ただし、この理論によって本発明が制限を受けるわけではない。
これらの値により、損傷領域の初期の安定化に要求される所望の高い剛性とFSUの長期の柔軟性の両方が得られる。
いくつかの実施形態では、経時的に有意のクリープ(creep)を示す靱帯を与えることによって、本靱帯の剛性を様々に変えることができるようになる。好ましい実施形態では、クリープを示す靱帯には、ポリマー、好ましくは、ポリエステル、ポリオレフィンおよびPTFEからなる群から選ばれたもの、が含まれる。
好ましい実施形態では、靱帯中に再吸収性の材料を与えることによって、本靱帯の剛性を様々に変えることができるようになる。いくつかの実施形態では、本靱帯が、非再吸収性の材料と再吸収性の材料との両方を含む。植え込み後、非再吸収性の材料と再吸収性の材料とのそれぞれが、本靱帯の高い初期剛性に寄与する。時間が経つと、再吸収性の材料が分解し、それによって、本靱帯の剛性が低下する。いくつかの実施形態では、本靱帯の中間部分に、非再吸収性の繊維と再吸収性の繊維とが含まれる。特に好ましい実施形態では、本靱帯の中間部分に、非再吸収性の繊維と、PLA、PGA、PLGA、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた再吸収性の繊維とが含まれる。
本靱帯のそれぞれの取り付け端部は、椎間関節の対向する側の固着面に取り付けられるように構成されている。典型的には、取り付け端部が締結部を備える。他の場合には、縫合糸または生体適合性を有する接着剤により取り付けることが可能である。しかしながら、他の実施形態では、取り付け端部が、単に、設計上中間部分と同一の末端でありうる。このような場合には、この末端が、椎間関節面を有するプロテーゼのポートのような、固着面にあるポートに挿入される。
前記のごとく、いくつかの実施形態では、本椎間関節靱帯の取り付け端部が一対の締結部を有する。締結部の機能は、椎間関節のどちらかの側にある取り付け面に結合し、椎間関節靱帯の中間部分を、椎間関節を横切って確実に締結することである。締結部は、椎間関節靱帯を、
a)椎間関節プロテーゼ部品または
b)椎間関節プロテーゼ部品に隣接している骨表面
のいずれかにある取り付け面に締結する構造を有するように構成しうる。
本発明の人工靱帯の取り付け端部は、この靱帯が椎間関節を横切っていれば、椎間関節の対向する側の任意の二つの固着面に取り付けうる。これらの固着面は、対向する椎骨の骨表面または、その他の人工椎間関節部品上に位置しうる。
一実施形態では、本靱帯の第一の取り付け端部が椎間関節プロテーゼの第一の負荷支え部分に取り付けられるように構成されている。この実施形態は、取り付けが、手術前に製造者により行うことができ、それによって使用容易性と繰り返し容易性を与える点で医師にとって扱いやすくなっている。
本靱帯が椎弓根ネジに取り付けられるいくつかの実施形態では、本靱帯の少なくとも一つの端部が、椎弓根ネジの軸径より僅かに大きい直径を有するループを含んでいる。使用に際しては、椎弓根にパイロット穴を穿孔し、ループをそのパイロット穴上に置き、椎弓根ネジをパイロット穴に挿入し、それによって、その間にループを固定する。
他の一実施形態では、本靱帯の第一の取り付け端部が、生得の椎骨の一部に取り付けられるように構成されている。そのいくつかの実施形態では、椎体が固着面として使用される。その好ましい実施形態では、椎体の椎弓根部分が固着面として使用される。他の一実施形態では、椎骨の椎間関節突起部分が固着面である。他の実施形態では、図9に示すように、棘突起の側壁が固着面として使用される。この特定の場合には、靱帯903の上部および下部締結部901のそれぞれが、上部および下部棘突起のそれぞれの側壁905にそれぞれ取り付けられる。他の一実施形態では、本靱帯の第一の端部が、横突起に取り付けられるように構成されている。他の一実施形態では、本靱帯の第一の端部が椎弓根に取り付けられるように構成されている。他の一実施形態では、本靱帯が、椎間関節の周りに巻かれている。
本靱帯の少なくとも一つの取り付け端部が骨に取り付けられる実施形態では、2001年3月30日に出願された米国特許出願第09/822,126号に記載された方法を使用しうる。この明細書は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
締結部は、ウイング付(winged)、有棘(barbed)、またはねじ込み機構等の、当技術分野における任意の公知の設計のものでよい。締結部は、かかり付きアンカーであると、引き抜きを防止し、容易に挿入されるので好ましい。取り付け面が骨表面の場合、締結部(fastener)は骨留め具(bone fastener)であってもよい。
次に図8Cを参照すると、締結部19は、縦方向に長い軸部21、軸部から横方向に延在する突起25を有する挿入端部23および、靱帯に連結するための上側面31を有する取り付け端部27を備えていることが好ましい。横突起は、軸部の軸に対して45°以下の角度αを画定する先端28を有することが好ましい。このような実施形態では、椎体表面に対する先端の支持面は、骨留め具が骨中に進行するのを実質上妨げない。先端が、30°以下の角度を画定することが好ましく、約20°〜30°の間であることがより好ましい。角度αが20°〜30°の間にあると、この角度は、骨留め具が進行するのを妨げない程十分に小さく、かつ、確実に固定するのに十分な大きさとなる。いくつかの実施形態では、骨留め具の突起の高さHが、縦方向に長い軸部の直径Dの70%以下である。この条件が選択されると、突起が段部になり、骨留め具が椎骨中にさらに入るのを止めるようになるリスクが最小限になる。H/D比は、40%以下が好ましく、約20%〜40%の間がより好ましい。このより好ましい枠内では、突起高さが、骨留め具の進行が妨げられない程十分に小さく、かつ、確実に固定するのに十分な大きさとなる。
骨留め具の外径(2H+D)は、約3mm〜9mmの間が好ましく、約4mm〜6mmの間がより好ましい。骨留め具の長さLBFは、約3mm〜45mmの間が好ましく、約15mm〜25mmの間がより好ましい。
いくつかの実施形態では、骨留め具の取り付け端部がセラミック材料から作製される。骨留め具がセラミックの場合、ドライバーの高衝撃に確実に耐えることができる。
いくつかの実施形態では、骨留め具の中間部分の少なくとも端部と取り付け端部とが同一の材料から作製される。材料をそのように選択すれば、これらの部分を容易に作製でき、予め一体型に連結することができる。この特徴により、縫合糸も不要になる。
なお図8Cを参照すると、本発明の他の一態様では、締結部の取り付け端部27が、ドライバー要素を受け入れるように構成される。この構成が選択されると、ドライバーにより、締結部の上側面31に軸方向の力を加えることのみで、骨留め具を、骨の中に押し込むことができる。そのため、本発明によれば、椎間関節靱帯において、
a)第一の端部と第二の端部とを有する靱帯と、
b)第一の締結部と第二の締結部と、
を備え、
第一の骨留め具が靱帯の第一の端部に連結され、第二の骨留め具が靱帯の第二の端部に連結され、第一の骨留め具がドライバーを受け止めるように構成されている、
椎間関節靱帯が提供される。
この構成が、締結部の取り付け端部27の上側面31上の凹部29を画定することが好ましい。この凹部29は、ドライバー(図示されず)を受け止めるよう構成されている。
いくつかの実施形態では、骨留め具の凹部29が、解放ネジ(rescue screw)を挿入でき、それによって、骨留め具の回収ができるように構成されうる。
いくつかの実施形態では、締結部が矯正生物学的な特性を有する材料を含む。この材料は、骨への締結部の確実な取り付けのために必要な骨一体化のプロセス(osteointegrative process)を助ける。
いくつかの実施形態では、締結部表面に、矯正誘導性を有する部分が含まれる。矯正誘導性を有する部分は、典型的には、矯正誘導性を有する細胞の進入を許容するように構成された多孔(約20μm〜250μmの間が好ましい)と、これらの細胞を付着させるように構成された多孔によって画定される内面とを有する。
いくつかの実施形態では、締結部に、矯正誘導性を有する部分が含まれる。矯正誘導性を有する部分は、タンパク質であることが好ましく、成長因子であることがより好ましい。好ましい成長因子には、TGF−β、IGF−、BMP−、およびCDMP−系成長因子が含まれる。MP52がCDMPとして選択されることが好ましい。
いくつかの実施形態では、締結部に、定向進化的な部分が含まれる。定向進化的な部分には、間葉系幹細胞が含まれることが好ましい。MCSは、患者の生得の骨髄中にあるものより高い濃度で存在することがより好ましい。
靱帯部品と締結部部品とは予め連結されることが好ましい。すなわち、これらの部品が、脊椎に置かれる前に物理的に取り付けられる。予め連結された部品は、互いへの確実な取り付けが保証され、その取り付けに医師が時間を浪費することがなくなるので有益である。部品は、物理的な係止、物理的な接続もしくは接着、または、部品を同一の材料から作製し、これらを一体的に繋ぐことにより予め連結しうる。予め連結された部品が(例えば、成形または熱形成により)一体的に形成されると、微細動作(micromotion)の危険性がなくなる。そのため、本発明によれば、椎間関節靱帯において、
a)第一の端部と第二の端部とを有する靱帯と、
b)第一の締結部と第二の締結部と
を備え、
第一の締結部が靱帯の第一の端部に予め連結され、第二の締結部が靱帯の第二の端部に予め連結される、
椎間関節靱帯が提供される。
いくつかの実施形態では、靱帯の少なくとも一部にバネが含まれる。バネの性質により、靱帯は、軸方向の圧縮負荷または緊張負荷に対して初期には降伏し、最終的には抵抗するようにできる。いくつかの実施形態では、バネは膨張バネである。その他の実施形態では、バネは圧縮バネである。
一対の人工椎間関節面と人工椎間関節靱帯との両方を有する本発明のいくつかの実施形態では、生得の脊椎の伸張が本発明により制限される。これらの実施形態では、伸張が7°以下に制限される。5°以下に制限されることが好ましい。伸張をこのように制限するには、本装置が、少なくとも2Nm/°の脊椎の剛性を生成するのが好ましい。
人工椎間関節靱帯を有する本発明のいくつかの実施形態では、屈曲が本発明により抵抗を受ける。これらの実施形態では、屈曲が、15°以下に制限される。12°以下に制限されることが好ましい。人工椎間関節包の引っ張り強さは、好ましくは50N〜300Nの間にある。少なくとも100Nであることが好ましく、少なくとも200Nであることがより好ましい。
一対の人工椎間関節面と人工椎間関節靱帯との両方を有する本発明のいくつかの実施形態では、軸方向の回転が本発明による抵抗を受ける。これらの実施形態では、本発明の一対の装置が使用され、その結果、機能的脊椎単位のそれぞれの椎間関節が一つの装置を有し、それにより、第一の装置が軸方向の回転を制限し、第二の装置の靱帯が緊張下に置かれることが好ましい。この動きは、屈曲(flexion)と横方向への曲げ(lateral bending)を伴う組合せ運動を発生させる傾向にある。いくつかの実施形態では、第一の装置の人工関節面が、少なくとも100N、より好ましくは少なくとも150N、さらにより好ましくは少なくとも200N、の圧縮力に耐えるのに十分な強さを有する。
一対の人工椎間関節面と人工椎間関節靱帯との両方を有する本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも前方−後方の剪断が本発明の抵抗を受ける。これらの実施形態では、人工関節面が接触し、人工関節面が、少なくとも500N、より好ましくは少なくとも750N、さらにより好ましくは少なくとも1000N、の前方−後方接触の剪断力に耐えるのに十分な強さを有する。
椎弓切除等のいくつかの手術手順では、患者の棘上靭帯(SSL)がしばしば損傷を受ける。SSLは、患者の屈曲を抑制するのに重要な役割を演ずるため、FSUの安定性にとって重要である。SSLは脊椎関連の靱帯の回転軸に対し最大のモーメントを有するので、SSLへの損傷は、FSUに著しい不安定性をもたらすことになりうる。そのため、いくつかの実施形態では、本発明の靱帯が、SSLの機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている。そのような実施形態では、本発明の靱帯が高い柔軟性と高い最終引っ張り強さとを有する。人工SSLは、少なくとも50N、好ましくは少なくとも100N、より好ましくは少なくとも150N、最も好ましくは少なくとも200N、の引っ張り強さを有することが好ましい。
他の一実施形態では、本発明の靱帯が棘間靭帯(ISL)の機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている。
他の一実施形態では、本発明の靱帯が椎間関節包(FC)の機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている。
他の一実施形態では、本発明の靱帯が黄色靱帯(LF)の機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている。この実施形態は、後弓が除去された場合に選択しうる。
他の一実施形態では、本発明に、棘上靭帯(SSL)、棘間靭帯(ISL)、椎間関節包(FC)および黄色靱帯からなる群から選ばれた、少なくとも二つの靱帯の機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている二つの靱帯が含まれる。
他の一実施形態では、本発明に、棘上靭帯(SSL)、棘間靭帯(ISL)、椎間関節包(FC)および黄色靱帯からなる群から選ばれた少なくとも三つの靱帯の機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている三つの靱帯が含まれる。
他の一実施形態では、本発明に、棘上靭帯(SSL)、棘間靭帯(ISL)、椎間関節包(FC)および黄色靱帯のそれぞれの機能を少なくとも部分的に置換するように構成されている三つの靱帯が含まれる。
本発明は、関節突起炎、狭窄、脊椎すべり症、椎弓切除後脊柱後弯症および脊柱側弯症を軽減するように考えられた治療手順に使用しうる。
本発明はまた、次の手術手順に関連して使用することもできる:減圧椎弓削除、椎間関節突起切除、薄板部切除および椎体形成術。
〔実施例1〕
この机上の実験例(prophetic example)は、本発明の部品の植え込みの一方法を示すものである。
いくつかの実施形態では、2004年3月31日、ホーキンス(Hawkins)等が出願した、名称を「椎間板の挿入の方法と装置(Method and Apparatus for Disc Insertion)」(代理人番号3518.100−001)とする米国仮特許出願第60/459,280号に記載された方法に実質的にしたがって、運動椎間板が植え込まれる。なお、この出願の明細書は参照によりその全体が本明細書に包含される。
まず、医師が標準の後方アプローチ(両側または片側)を採用し、椎間関節突起を除覆する。次に、医師が、骨鉗子またはキューレット等の標準的な切除器具を用いて、椎間関節突起(facet process)を切り取る(切除する)。
次に、医師が、椎弓根ネジを挿入できるようにそれぞれの椎弓根の表面を準備する。これには、適切な軌道を見つけ、パイロット穴を探査し、ネジを収納するように椎弓根表面を作製することが必要である。
次に、医師が、上部椎弓根中に上部椎弓根ネジを植え込み、ネジ頭の周りに靱帯の輪になった端部を置く。
次に、医師が、上部部品の縦方向に長い部分を、ネジ頭の溝中に置き、次いで、止めネジをその縦方向に長い部分の上に置き、効果的に縦方向に長い部分を固定する。
上部部品の長さは一つの表面が生得の上部椎弓に当接するようになっているべきである。医師が上部部品の長さを調節しようとする場合、医師は、上部ネジを緩め、所望の長さに再調整しさえすればよい。
これで、上部部品の位置が固定されたので、上部部品は下部部品の位置を固定するためのテンプレートとして使用しうる。特に、これら二つの部品の関節面が、(典型的には、それらの間に間隙を残して)、所望の位置に整列される。この整列は、下部関節接合力が下部椎弓根ネジの軸を通して伝わるようになっているべきである。整列が固定されると、ネジ穴の位置にマークが付けられ、パイロット穴が穿たれる。
次に、靱帯の輪になった端部をパイロット穴の周りに置き、パイロット穴が下部部品中の穴と整列するように、下部本体を配置する。
最後に、椎弓根ネジを、下部部品を通して挿入し、パイロット穴に通し、これにより、下部部品の位置を固定する。
前記の椎間関節置換物構築物のいくつかは、機能的脊椎単位の屈曲、伸張、回転に対し必要な制限を与えるものであるが、これらの構築物のサイズが大きいため、比較的に侵襲的な切開手術により植え込まれる必要性もありうる。さらに、これらの構築物では、椎間関節包の完全な除去が必要となる傾向がある。
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、構築された椎間関節置換物が、椎間関節包および周囲の柔軟な組織に対し与える損傷を、可能な限り最小にとどめる外科技術によりその植え込みを行えるように設計される。
そのため、いくつかの実施形態では、これらの目標が、生得の椎間関節を、椎間関節突起タイプの関節接合ができるように構成された頭を有する骨ネジを備えた構築物で置換することにより、達成される。
次に、図11Aを参照すると、医師が、側下部に僅かに角度の付いた後方アプローチ(posterior approach with slight lateral-inferior angulation)を選択し、目標とする椎間関節にアクセスするために小さな切開部を造る。アクセスができるようになると、医師は、上部椎間関節突起と下部椎間関節突起の表面を除去し、下部椎間関節突起の残余の部分に取り付け面801を生じさせる。
次に、図11Bを参照すると、医師が、ネジを椎弓根を介して椎体中に通すことにより、下部椎間関節突起置換部品を椎間関節中に挿入する。この実施形態では、下部椎間関節突起置換部品が、関節接合をなすように構成されたネジ込み軸803と近位頭部805とを有する骨ネジを含んでいる。このアプローチにより、最小限の侵襲性と、高い固定力の両方が得られる。
次に、図11Cを参照すると、上部椎間関節突起置換物807が、(好ましくは、下部部品の植え込みに使用した切開部と同じ切開部を通して)植え込まれ、次いで、上部薄板部の表面に固定される。このケースでは、骨ネジ809を上部部品中に通すことにより、固定が達成される。好ましい実施形態では、この上部部品が、その前方側にフック(図示されず)を備えている。他の実施形態では、薄板部への固定を向上させるために、上部部品がほぼU字の形状を有する。
次に、図11Dを参照すると、他の最小限に侵襲的な実施形態では、前記のMISの上部部品および下部部品が、予め組み立てられた椎間関節を形成するために、少なくとも一つの靱帯811に接続されることができる。このシステムへの靱帯の付加により椎間関節突起包靱帯の作用を模倣することで、このシステムの性能が向上する。いくつかの実施形態では、この予め組み立てられた椎間関節が、一体的に挿入され、前述通りに固定される。他の実施形態では、この予め組み立てられた椎間関節がバラバラに挿入され、その場で組み立てられる。
次に、図11Eを参照すると、いくつかの実施形態では、第二の小切開部を通して薄板部に挿入された薄板部間ボルト813への取り付けにより、上部椎間関節突起置換部品が脊椎に固定されうる。前記のごとく、上部椎間関節突起置換物の前方側は、薄板部上を掴むためのフックを有することが好ましい。
他の最小限に侵襲的な実施形態では、椎間関節突起に由来する疼痛が、神経切除により除去され、椎間関節置換部品が椎間関節強化部品によって置換される。
その好ましい一実施形態では、内側枝および背部分枝に対し一次療法がまず施され、この領域の神経が切除される、椎間関節病理の治療方法が提供される。いくつかの実施形態では、一次療法が、エネルギー源(高周波(RF)パルス、超音波およびマイクロ波等)、化学療法および凍結からなる群から選択される。
一次療法が完了すると、椎間関節に負荷の掛からない位置に患者を置き、椎間関節内に椎間関節増強剤(augmentation)を入れるために、(シリコーン、ポリメチルシロキサン(polymethsiloxiane)、ポリウレタン、ヒドロゲルおよびヒアルロン酸等の)注入材料を注射器から椎間関節中に注入する。いくつかの実施形態では、注入材料に、防腐剤なしのモルヒネ、ブピバカイン、テトラカイン、オピオイド、トラマドール、ジコノチド(ziconotide)、βメタゾン、クロニジン、アミトリプチリン(amitriptyline)、フルオキセチン、抗痙攣剤(トピラメート(topiramate)等)、カルバメザピン(carbamezapine)、ガバペンチン(gabapentin)、メチルプレドニゾロン酢酸モルヒネ3(methlprednisolone acetate morphine3)、アミノカプロン酸、抗TNFα分子、成長因子(TGF−b3、TGF−b1、GDF−5等)およびコリンエステラーゼ阻害薬(ネオスチグミンおよびグランタミン(glantamine)等)、ならびにこれらの組み合わせを含む少なくとも一つの治療薬を伴って注入されるが、これらに限定されるわけではない。注入がなされると、関節の増強剤によって、椎間関節を逸らし、椎間関節突起の表面を再形成し、クッションを与え、それによって、骨の衝撃に関連する疼痛を減少させる効果が得られる。
したがって、いくつかの実施形態では、椎間関節の治療方法において、
a)増強用材料(augmentation material)を椎間関節中に注入するステップ、
を含む治療方法(請求項32)が提供される。
いくつかの実施形態では、増強用材料が使用されない場合、メチルプレドニゾロン酢酸モルヒネ3、アミノカプロン酸または抗TNFα分子および/または成長因子(TGF−b3、TGF−b1、GDF−5等)等の他の治療薬が椎間関節に注入されうる。
次に、図12を参照すると、縦方向に長い本体の細長い第一の端部の一部が、スライド可能に、(図1および2に示すように)締結部の溝に収納される、本発明の他の一実施形態が提供される。図12には、ボールソケット関節接合(球関節接合)(ball and socket articulation)に基づく人工椎間関節が与えられている。椎弓根ネジが関連レベルの上部および下部に配置され、球関節としてネジに連結された器具類(hardware)が切除された椎間関節の位置に置かれ、後方椎骨間のバイオメカニクスを回復する。
〔実施の態様〕
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)椎間関節置換部品において、
a)細長い第一の端部、および関節面を形成する第二の端部、を有する本体と、
b)骨に締結されるように構成された遠位の筋状体(threadform)をその上に有する軸部、および縦方向に長い前記本体の細長い第一の端部を収納するように構成された横溝を有する近位端、を有する締結部と、
を含み、
前記縦方向に長い本体の細長い第一の端部の一部が、前記締結部の前記溝にスライド可能に収納される、
部品。
(2)実施態様(1)に記載の部品において、
c)前記締結部の前記横溝内に収納される止めネジ、
をさらに含む、部品。
(3)実施態様(1)に記載の部品において、
前記締結部が、一体化用ナットをさらに含む、部品。
(4)実施態様(1)に記載の部品において、
前記締結部が、多軸ネジである、部品。
(5)実施態様(1)に記載の部品において、
前記締結部が、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、部品。
(6)実施態様(1)に記載の部品において、
前記細長い第一の端部が、椎体の椎間関節突起領域から椎弓根領域に延在するように構成されている、部品。
(7)椎間関節置換システムにおいて、
a)上部椎間関節部品であって、
i)上部端部、および内面を形成する下部端部、を有する縦方向に長い本体、
ii)骨に締結されるように構成された遠位の筋状体、および前記縦方向に長い本体の前記上部端部を収納するように構成された近位溝、を有する第一の締結部、ならびに、
iii)前記締結部の近位溝内に収納される止めネジ、
を含む、上部椎間関節部品と、
b)下部椎間関節部品であって、
i)本体部分、
ii)骨に取り付けられるように構成されており、貫通ネジ穴を有する、外側部分、
iii)前記上部椎間関節部品の内面と関節接合をなすように構成された内面、を有する内側部分、ならびに、
iv)前記貫通ネジ穴に収納される第二の締結部、
を含む、下部椎間関節部品と、
を含む、システム。
(8)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記第一の締結部が、一体化用ナットをさらに含む、システム。
(9)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記第一の締結部が、多軸ネジである、システム。
(10)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記第一の締結部が、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、システム。
(11)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記縦方向に長い本体が、椎体の椎間関節突起領域から椎弓根領域に延在するように構成されている、システム。
(12)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記第二の締結部が、一体化用ナットをさらに含む、システム。
(13)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記第二の締結部が、多軸ネジである、システム。
(14)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記第二の締結部が、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、システム。
(15)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記下部椎間関節部品の内面と前記上部椎間関節部品の内面が、ボールとソケットを形成する、システム。
(16)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記下部椎間関節部品の内面と前記上部椎間関節部品の内面が、それぞれ、円筒状の形状を有する、システム。
(17)実施態様(7)に記載のシステムにおいて、
前記下部椎間関節部品の内面と前記上部椎間関節部品の内面が、それぞれ、実質的に平面状の形状を有する、システム。
(18)椎間関節置換部品キットにおいて、
a)細長い第一の端部、および関節面を形成する第二の端部、を有する本体と、
b)縦方向に長い前記本体に対して調節自在な取り付けができるように構成された多軸ネジと、
を含む、キット。
(19)実施態様(18)に記載の部品において、
c)多軸ネジの横溝内に収納される止めネジ、
をさらに含む、部品。
(20)実施態様(18)に記載の部品において、
前記ネジが、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、部品。
(21)実施態様(18)に記載の部品において、
前記細長の第一の端部が、椎体の椎間関節突起領域から椎弓根領域まで延在するように構成されている、部品。
(22)椎間関節置換部品において、
a)第一の椎間関節部品であって、
i)第一の端部、および第一の内部関節面を形成する第二の端部、を有する縦方向に長い本体、ならびに、
ii)前記縦方向に長い本体を骨に取り付けるための手段、
を含む、第一の椎間関節部品と、
b)第二の椎間関節部品であって、
i)本体部分、
ii)骨に取り付けられるように構成されており、貫通穴を有する、外側部分、
iii)前記第一の椎間関節部品の前記内部関節面と関節接合をなすように構成された第二の内部関節面、を有する内側部分、ならびに、
iv)前記貫通ネジ穴に収納される締結部、
を含む、第二の椎間関節部品と、
を含み、
前記第一の内部関節面および前記第二の内部関節面が、関節接合力ベクトルを規定する関節接合界面を形成するように構成され、
前記関節接合力ベクトルが、前記締結部を通る、
部品。
(23)機能的脊椎単位に治療を施すためのキットにおいて、
前記単位は、上部椎体と上部椎間関節突起とを有する上部椎骨、および、下部椎体と下部椎間関節突起とを有する下部椎骨を備え、
これら前記椎体は、相互の間に椎間板用の空間を画定し、
前記上部椎間関節突起と前記下部椎間関節突起は、椎間関節を画定し、
前記キットは、
a)前記椎間板空間中に挿入するように構成された運動椎間板と、
b)前記椎間関節の少なくとも一部を置換するように構成された椎間関節置換システムと、
c)これら前記椎間関節突起の間の相対的な運動を抑制するように構成された靱帯と、
を有する、
キット。
(24)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記運動椎間板が、関節接合界面を備えている、キット。
(25)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記運動椎間板が、クッションを備えている、キット。
(26)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記運動椎間板が、バネを備えている、キット。
(27)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記運動椎間板が、前方挿入用に構成されている、キット。
(28)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記運動椎間板が、後方挿入用に構成されている、キット。
(29)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記椎間関節置換物が、関節接合界面を備えている、キット。
(30)実施態様(23)に記載のキットにおいて、
前記椎間関節置換システムが、
i)前記上部椎骨に取り付けるように構成された上部部品と、
ii)前記下部椎骨に取り付けるように構成された下部部品と、
を備える、
キット。
(31)椎間関節置換システムにおいて、
a)関節接合のためのネジ込み軸部、および近位の頭部、を有する骨ネジを備えた下部椎間関節突起置換部品と、
b)前記近位の頭部と関節接合をなすように構成された下部表面、および上部薄板部の表面に取り付けるように構成された上部表面、を有する上部椎間関節突起置換物と、
を供える、システム。
ヒトの脊椎に植え込まれた本発明の側面図である。 ヒトの脊椎に植え込まれた本発明の後面図である。 本発明の3点運動椎間板部品を示す図である。 本発明の2点運動椎間板部品を示す図である。 本発明の汎用の椎間関節接合置換部品を示す図である。 本発明の好ましい椎間関節接合置換部品を示す図である。 本発明のクッションタイプの椎間関節置換部品を示す図である。 本発明の汎用の靱帯部品を示す図である。 本発明の汎用の靱帯部品を示す図である。 本発明の汎用の靱帯部品の締結部部品を示す図である。 本発明の汎用の靱帯部品を示す図である。 本発明の好ましい靱帯部品を示す図である。 ヒトの脊椎の機能的脊椎単位(FSU)を示す図である。 ヒトの脊椎の機能的脊椎単位(FSU)を示す図である。 侵襲性が最小限の椎間関節置換システムの後面図である。 侵襲性が最小限の椎間関節置換システムの後面図である。 侵襲性が最小限の椎間関節置換システムの後面図である。 侵襲性が最小限の椎間関節置換システムの後面図である。 侵襲性が最小限の椎間関節置換システムの後面図である。 ボールソケットタイプ(球関節タイプ)の椎間関節置換システムの側面図である。

Claims (31)

  1. 椎間関節置換部品において、
    a)細長い第一の端部、および関節面を形成する第二の端部、を有する本体と、
    b)骨に締結されるように構成された遠位の筋状体をその上に有する軸部、および縦方向に長い前記本体の細長い第一の端部を収納するように構成された横溝を有する近位端、を有する締結部と、
    を含み、
    前記縦方向に長い本体の細長い第一の端部の一部が、前記締結部の前記溝にスライド可能に収納される、
    部品。
  2. 請求項1に記載の部品において、
    c)前記締結部の前記横溝内に収納される止めネジ、
    をさらに含む、部品。
  3. 請求項1に記載の部品において、
    前記締結部が、一体化用ナットをさらに含む、部品。
  4. 請求項1に記載の部品において、
    前記締結部が、多軸ネジである、部品。
  5. 請求項1に記載の部品において、
    前記締結部が、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、部品。
  6. 請求項1に記載の部品において、
    前記細長い第一の端部が、椎体の椎間関節突起領域から椎弓根領域に延在するように構成されている、部品。
  7. 椎間関節置換システムにおいて、
    a)上部椎間関節部品であって、
    i)上部端部、および内面を形成する下部端部、を有する縦方向に長い本体、
    ii)骨に締結されるように構成された遠位の筋状体、および前記縦方向に長い本体の前記上部端部を収納するように構成された近位溝、を有する第一の締結部、ならびに、
    iii)前記締結部の近位溝内に収納される止めネジ、
    を含む、上部椎間関節部品と、
    b)下部椎間関節部品であって、
    i)本体部分、
    ii)骨に取り付けられるように構成されており、貫通ネジ穴を有する、外側部分、
    iii)前記上部椎間関節部品の内面と関節接合をなすように構成された内面、を有する内側部分、ならびに、
    iv)前記貫通ネジ穴に収納される第二の締結部、
    を含む、下部椎間関節部品と、
    を含む、システム。
  8. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記第一の締結部が、一体化用ナットをさらに含む、システム。
  9. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記第一の締結部が、多軸ネジである、システム。
  10. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記第一の締結部が、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、システム。
  11. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記縦方向に長い本体が、椎体の椎間関節突起領域から椎弓根領域に延在するように構成されている、システム。
  12. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記第二の締結部が、一体化用ナットをさらに含む、システム。
  13. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記第二の締結部が、多軸ネジである、システム。
  14. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記第二の締結部が、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、システム。
  15. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記下部椎間関節部品の内面と前記上部椎間関節部品の内面が、ボールとソケットを形成する、システム。
  16. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記下部椎間関節部品の内面と前記上部椎間関節部品の内面が、それぞれ、円筒状の形状を有する、システム。
  17. 請求項7に記載のシステムにおいて、
    前記下部椎間関節部品の内面と前記上部椎間関節部品の内面が、それぞれ、実質的に平面状の形状を有する、システム。
  18. 椎間関節置換部品キットにおいて、
    a)細長い第一の端部、および関節面を形成する第二の端部、を有する本体と、
    b)縦方向に長い前記本体に対して調節自在な取り付けができるように構成された多軸ネジと、
    を含む、キット。
  19. 請求項18に記載のキットにおいて、
    c)多軸ネジの横溝内に収納される止めネジ、
    をさらに含む、キット。
  20. 請求項18に記載のキットにおいて、
    前記ネジが、椎体の椎弓根部分に締結されるように構成されている、キット。
  21. 請求項18に記載のキットにおいて、
    前記細長の第一の端部が、椎体の椎間関節突起領域から椎弓根領域まで延在するように構成されている、キット。
  22. 椎間関節置換部品において、
    a)第一の椎間関節部品であって、
    i)第一の端部、および第一の内部関節面を形成する第二の端部、を有する縦方向に長い本体、ならびに、
    ii)前記縦方向に長い本体を骨に取り付けるための手段、
    を含む、第一の椎間関節部品と、
    b)第二の椎間関節部品であって、
    i)本体部分、
    ii)骨に取り付けられるように構成されており、貫通穴を有する、外側部分、
    iii)前記第一の椎間関節部品の前記内部関節面と関節接合をなすように構成された第二の内部関節面、を有する内側部分、ならびに、
    iv)前記貫通ネジ穴に収納される締結部、
    を含む、第二の椎間関節部品と、
    を含み、
    前記第一の内部関節面および前記第二の内部関節面が、関節接合力ベクトルを規定する関節接合界面を形成するように構成され、
    前記関節接合力ベクトルが、前記締結部を通る、
    部品。
  23. 機能的脊椎単位に治療を施すためのキットにおいて、
    前記単位は、上部椎体と上部椎間関節突起とを有する上部椎骨、および、下部椎体と下部椎間関節突起とを有する下部椎骨を備え、
    これら前記椎体は、相互の間に椎間板用の空間を画定し、
    前記上部椎間関節突起と前記下部椎間関節突起は、椎間関節を画定し、
    前記キットは、
    a)前記椎間板空間中に挿入するように構成された運動椎間板と、
    b)前記椎間関節の少なくとも一部を置換するように構成された椎間関節置換システムと、
    c)これら前記椎間関節突起の間の相対的な運動を抑制するように構成された靱帯と、
    を有する、
    キット。
  24. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記運動椎間板が、関節接合界面を備えている、キット。
  25. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記運動椎間板が、クッションを備えている、キット。
  26. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記運動椎間板が、バネを備えている、キット。
  27. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記運動椎間板が、前方挿入用に構成されている、キット。
  28. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記運動椎間板が、後方挿入用に構成されている、キット。
  29. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記椎間関節置換物が、関節接合界面を備えている、キット。
  30. 請求項23に記載のキットにおいて、
    前記椎間関節置換システムが、
    i)前記上部椎骨に取り付けるように構成された上部部品と、
    ii)前記下部椎骨に取り付けるように構成された下部部品と、
    を備える、
    キット。
  31. 椎間関節置換システムにおいて、
    a)関節接合のためのネジ込み軸部、および近位の頭部、を有する骨ネジを備えた下部椎間関節突起置換部品と、
    b)前記近位の頭部と関節接合をなすように構成された下部表面、および上部薄板部の表面に取り付けるように構成された上部表面、を有する上部椎間関節突起置換物と、
    を備える、システム。
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