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JP2007532538A - プロブコール誘導体の製造方法 - Google Patents

プロブコール誘導体の製造方法 Download PDF

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JP2007532538A JP2007507293A JP2007507293A JP2007532538A JP 2007532538 A JP2007532538 A JP 2007532538A JP 2007507293 A JP2007507293 A JP 2007507293A JP 2007507293 A JP2007507293 A JP 2007507293A JP 2007532538 A JP2007532538 A JP 2007532538A
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ポール エー ジャス
ジェイソン スコット ダグラス
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Abstract

本発明は式(II)を有する多形態プロブコール化合物の水溶性誘導体を製造する方法について述べる(R、R、R、R、R、R6、ZおよびZ’は本発明に定義される。)。式R−C(O)−R’を有する化合物(RおよびR’が、同一かまたは異なってC〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜C12のアリール基、少なくとも1個のC〜Cのアルキル基によって置換されたC〜C12のアリール基、C〜C12のヘテロアリール基、または少なくとも1個のC〜Cのアルキル基によって置換されたC〜C12のヘテロアリール基である。)を反応工程(1)の溶媒として用いることを含む、改良された製造方法である。

Description

本発明は、一般名称が“プロブコール(probucol)”として知られ、ここでもそのように呼ぶ、4,4’−(イソプロピリデンジチオ)ビス[2,6−ジ−tert−ブチルフェノール]およびプロブコールの誘導体に関する。より具体的には本発明は、プロブコール誘導体の改良された製造の方法に関する。
プロブコールは、2−(3)−3級ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−3級ブチル−4−メチルフェノールなどの抗酸化性化合物に関係する周知の抗酸化物質である。これらの化合物は、食品や食物製品に酸化劣化を防ぐために用いられる。
プロブコールは次の構造式により表される:
Figure 2007532538
この化合物の製造は多段階からなる製造方法であり、通常は、触媒量の強酸存在下で、適切に置換された4−メルカプトフェノール溶液とアセトンとを反応させることにより開始される。プロブコールは反応混合液から沈殿し、容易に分離され精製される。その反応は、米国特許第3,862,332号において詳細が記載されている(Barhhartら)。
同様に、プロブコールおよびその特定の誘導体が、米国特許第3,485,843号(Wang)、3,576,833号(Neuworth)および4,985,465号(Handler)にもまた記載されている。
プロブコールおよびその誘導体は、抗アテローム形成性、脂質低下などを含む薬学的性質を有する。しかしながらプロブコールおよびその多数誘導体は、体液にわずかに可溶性でしかない。
体内におけるプロブコール利用に関係して低水溶性の問題を回避するために、より水溶性の誘導体が製造された。したがって米国特許第5,262,439(Pathasarathy)号(参照により本明細書に取り込まれる)は、プロブコール分子のフェノール性水酸基を置換する1個またはそれ以上のエステル基を有する水溶性プロブコール誘導体類を開示している。この文献に開示されるいくつかの化合物は、エステル基に結合する極性官能基または荷電した官能基、例えばカルボン酸、アミド、アミノやアルデヒドなどの基を有する。これらの水溶性プロブコール化合物の製造について開示された方法は、触媒の存在下で、所望の極性または荷電した官能基を有するカルボン酸無水物化合物とプロブコールの反応を含んでいる。
同様に米国特許第6,323,359号および6,548,699号もまた水溶性プロ
ブコール誘導体を開示している。前者の特許に記載された化合物は、プロブコールジアニオンのカルボン酸無水物との反応を含むプロセスによって製造される。米国特許第6,548,699号に開示される化合物は、プロブコールと、とりわけハロ置換の脂肪族エステルとの反応により合成される。
先行技術の製造方法は、所望するアルキル化プロブコール誘導体を相当の収率で製造するには有効でないことから不利となっている。
従って、高収率でプロブコール誘導体を効率的に製造する方法を得ることが望まれている。
本発明の製造方法は、混合物として、プロブコールのモノ-およびジ-アルカリ金属塩類、例えば4,4’−(イソプロピリデンジチオ)ビス[2,6−ジ−tert−ブチルフェノール]またはその誘導体のモノもしくはジアルカリ金属塩を製造するために、プロブコールをアルカリ金属またはアンモニウムを含有する化合物と反応させることによる製造方法における改良法である。
このアニオン性中間体混合物は、次にジカルボン酸置換プロブコール化合物の反応混合物を形成するために、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、スベリン酸無水物、セバシン酸無水物、アゼライン酸無水物、フタル酸無水物またはマレイン酸無水物などのカルボン酸無水物と反応させられる。これら水溶性プロブコール化合物は、その後に該反応混合物より分離される。
先行技術を改良したその製造方法は、溶媒として式R−C(O)−R’を有する化合物を使用することによって、モノ-またはジ-アルカリ金属塩を生成する反応である第1工程を実施することを含む。ここで、RとR’は同一かまたは異なってC〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜C12のアリール基、少なくとも1個のC〜Cアルキル基により置換されたC〜C12のアリール基、C〜C12のヘテロアリール基、あるいは少なくとも1個のC〜Cアルキル基によって置換されたC〜C12のヘテロアリール基である。
本発明は、特定の水溶性プロブコール誘導体を製造する方法を提供する。本明細書において、用語“C〜Cアルキル”とは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの基が挙げられる、C〜Cの直鎖アルキルまたは分岐アルキルである基を含むことを意図する。
用語“C〜C12のアリール”とは、アルキル、ニトロまたはハロにより1回またはそれ以上に置換されてもよく、あるいは置換されなくともよい芳香環系において炭素数6から12個を有する芳香族ラジカルを含むことを意図する。例えばフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラセニル、チエニル、ピラゾリルなどが挙げられる。
用語“C〜Cのアルケニル”とは、C〜Cの直鎖または分岐のアルケニルである基を含むことを意図し、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニルなどの基が挙げられる。
用語“アルカリ金属”とは、元素周期律表でI族およびIa族の金属類で、リチウム、カ
リウム、ナトリウムなどを含むことを意図する。
本発明においてプロブコール化合物の水溶性誘導体は、プロブコールまたはプロブコール誘導体の水酸基の一方または両方を、プロブコールのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を形成する化合物と溶液で反応させることによって得られる。すなわちアルカリ金属またはアンモニウムは、プロブコール水酸基の一方または両方の水素を置換する。
これらの塩を形成する化合物は、強い塩基性の反応物質である。それらはアルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルキルアンモニウムアルコキシドまたはアルキルアンモニウム水酸化物により例示される。これらの化合物の混合物もまた所望するプロブコール塩を製造することにおいて有用である。カリウムはこの工程において使用される強塩基性の反応物質のうち最も好ましいアルカリ金属である。この工程は米国特許第6,323,359号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
この塩生成反応においてケトン溶媒を用いることにより、生成物であるプロブコール化合物の収率が高められることが見出された。この塩生成反応を実施するために使用されるケトン溶媒は、R−C(O)−R’の式を有する;ここでRとR’は同一かまたは異なってもよく、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜C12のアリール基、少なくとも1個のC〜Cアルキルにより置換されたC〜C12のアリール基、C〜C12のヘテロアリール基あるいは少なくとも1個のC〜Cアルキルにより置換されたC〜C12のヘテロアリール基である。これらのケトン溶媒の混合物を用いてもよい。
RとR’は、同一かまたは異なりC〜Cアルキル基であることが好ましく、メチルとエチルが最も好ましい基である。この反応において特に好ましい溶媒はアセトンである。
上記の塩生成反応におけるプロブコールもしくはその誘導体の濃度は、先行技術の類似反応で開示されているものよりも劇的に高い。したがって、塩生成反応の実施において、溶媒のプロブコール誘導体に対する割合は、約2:1から約1:5、好ましくは約1:1から約3:10まで、最も好ましくは3:5である。
さらにプロブコールもしくはプロブコール誘導体の、アルカリ金属またはアンモニウム化合物との反応において有利であることがらは、塩生成の変換を上昇させるには反応温度が決定的な要因であるという発見にあった。したがって塩生成反応が、約15℃〜約75℃までの温度で実施され、好ましくは約30℃〜約60℃であり、最も好ましくは約35℃〜約45℃である。
したがって本発明の上記製造方法におけるこの第1反応(反応工程1)は、次の式1で示すモノ-およびジアニオンの混合物を生成する(各Aは、それぞれプロトン、アルカリ
金属カチオンまたはアンモニウムカチオンである);
Figure 2007532538
[式1]
とRが同一かまたは異なって炭素数1から8のアルキル、アルケニルまたはアリールであり、R、R、RおよびRが同一かまたは異なって炭素数1から4のアルキルである。
好ましくはRとRが同一かつ炭素数1から6のアルキル、最も好ましくはメチルである。
好ましくはR、R、RおよびRが同一かつ炭素数1から4のアルキルであり、最も好ましくはtert−ブチルである。
プロブコール誘導体のモノ-およびジアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の混合物は
、通常約40℃で、混和後の早ければ30分で、または約6時間までに容易に生成する。ジフェノレート塩は、固体として反応溶液から除かれ(沈殿およびろ過などによる)、続いて製造方法の工程2に用いられる。あるいは反応の工程1から得られる反応溶液は、モノ-およびジアニオンの混合物を分離することなく、2番目の工程に“そのまま”用いる
ことができる。どちらの場合にしても第1工程で生成される塩は、プロブコールフェノラートのアルカリ金属もしくはアンモニウムのうちの少なくとも一方と反応する酸無水物で処理される。しかしながらモノ-およびジアニオンの混合物において利用され得る2つの
反応部位があるため、これら反応部位のうち一方または両方のどちらかが、入ってくる酸無水物部分によって置換されるということに注意すべきである。
式1の化合物の後続反応で、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、スベリン酸無水物、セバシン酸無水物、アゼライン酸無水物、フタル酸無水物、またはマレイン酸無水物といった酸無水物との反応により、下記の式2の化合物を生成する;
Figure 2007532538
[式2]
ZとZ’が同一かまたは異なって、水素原子または−C(O)−C〜Cアルキル−C(O)OA基または−C(O)−C〜CのアルケニルC(O)OA基である。ここでZとZ’とが両方とも水素であるということはない条件とともに、Aはアルカリ金属またはアンモニウムカチオンであり、アルキルおよびアルケニルは既に定義されるとおりである。
好ましくはZとZ’が異なって、水素原子および−C(O)−C〜Cアルキル−C(O)OA基であり、最も好ましくは水素および−C(O)−CH−C(O)OAである。上記置換反応は、通常、30分から約6時間までに有機溶媒中にて行われる。
上述のとおり、2種のプロブコール誘導体を形成してもよく、すなわち所望の単置換体生成物であり、ZとZ’とが異なって水素原子および−C(O)−C〜Cアルキル−C(O)OAもしくは−C(O)−C〜Cのアルケニル−C(O)OAであり(ここでAはアルカリ金属またはアンモニウムカチオンであり、アルキルおよびアルケニルは前記定義のとおりである。)、あるいは2置換体生成物であって、ZとZ’とが同一で−C
(O)−C〜Cアルキル−C(O)OAの基もしくは−C(O)−C〜Cアルケニル−C(O)OAの基である(Aはアルカリ金属またはアンモニウムカチオンであり、アルキルおよびアルケニルは前記定義のとおりである。)。
式2の化合物を生成する反応混合物は、約pH9〜約14であり、通常、未反応のプロブコールまたはプロブコール誘導体を式2の単置換体および2置換体の生成物とともに含む。そのような場合、本発明のさらなる実施態様として、式C2n+2(nが5〜12の整数)を有する有機炭化水素溶媒が、酸無水物とプロブコールもしくはプロブコール誘導体との反応から形成される高塩基性の反応混合物に加えられる。かかる炭化水素溶媒は、未反応のプロブコールまたはプロブコール誘導体を溶解し、R−C(O)R’溶媒(RとR’とは前記に定義される)中に式2の化合物のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の溶液がそのまま残される。
式2の化合物の溶液を、前もって未反応のプロブコールまたはプロブコール誘導体を除去するために用いられた同一または異なる有機炭化水素溶媒、すなわち式C2n+2(nが5〜12の整数)を有する炭化水素溶媒の存在下で酸性化する。炭化水素溶媒は優先的に式2の化合物(ZとZ’とが異なり水素原子および−C(O)−C〜Cアルキル−C(O)OH基または−C(O)−C〜Cアルケニル−C(O)OH基であり、アルキルおよびアルケニルが前記定義のとおりである)を溶解する。
さらに好ましくはその炭化水素溶媒の整数nは6〜9であり、最も好ましくは炭化水素溶媒がヘキサン、ヘプタンまたはオクタンである。
炭化水素溶媒を用いた、式2化合物の酸性化した溶液の形成は、>40℃の温度で、しかし150℃の温度を超えずにおこなう。好ましくは溶媒が形成する溶液温度は、約45℃〜約85℃である。
水溶性プロブコール化合物を調製するために用いられる本発明製造方法での最後の工程として、式2の化合物、すなわちZとZ’が同一かまたは異なって水素原子または−C(O)−C〜Cアルキル−C(O)OHの基またはC(O)−C〜Cアルケニル−C(O)OHの基(アルキルとアルケニルは前記で定義されるとおりであり、ZとZ’とは一緒に水素原子であることはない)の化合物の精製である。
そのような場合、上記に示す溶液として得られた式2の化合物は、通常の手段(冷却、溶媒を除去する蒸留など)により、炭化水素溶媒または二塩基性のエステル溶媒から固体物質として分離される。その後、この固体物質をベンゼン、トルエンなどの通常の芳香族系溶媒に再溶解して、不純物を除去する化合物層、例えば、活性炭、クレー、シリカゲルなどに流通させる。その結果、生成する溶液は、本質的に所望する式2の化合物の溶液となる。一般的な分離方法により最終的な結晶生成物が生成する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例]
水溶性プロブコール誘導体の合成
−典型的な方法−
適当なサイズの容器において、プロブコール(1当量)とアセトン(60重量%)を混合する。攪拌しながら、カリウムtert−ブトキシド(0.67当量)を加え、得られた溶液を約45分間、〜40℃に加温する。無水コハク酸(0.67当量)を加え、少なくとも30分間、〜40℃にて攪拌する。ジサクシニル化プロブコール(DSP)塩、モ
ノサクシニル化プロブコール塩(MSP)および未反応プロブコール(PRO)の混合物である黒っぽい反応混合物が生じる。DSP、MSPおよびPROの比は、約4:29:67である。
実施例1の反応混合物を〜30℃に冷却し、水を加えて反応混合物のpHを45%水酸化カリウム水溶液により>13に調整する。この水溶液をヘプタンにて3回抽出する。プロブコールに富むヘプタン抽出液を循環処理用に保存し、他方、水性アセトン層を粉末化用に保存する。
実施例2のアセトン溶液にアセトン(20容量%)を加え、その溶液のpHを85重量%(wt%)リン酸水溶液で<3に調整する。この酸性溶液を少なくとも30分間混合して、その結果得られた主にリン酸二カリウムである固形物をろ過して除去する。その結果、ろ液は二層になり、そのうち下層の水層を分離して除去し、アセトン層を保存する。
上記の保存した層からアセトンを蒸留により除去し、ヘプタンを加える。その結果得られたスラリーを約30分間75〜85℃で粉末状にして、ろ過する。固形残留分を後の抽出用に保存する。冷却すると生成物に富むヘプタンのろ液からは、DSP:MSPが2:98の比を有する物質(およそ25mol%)である固体が得られる。
実施例3からの、MSPが富化された物質をトルエンに溶解してから、45%KOHで洗浄する。トルエン溶液を炭酸カリウムにより乾燥し、固形物をろ過にて除去する。その後DSPを除去するために、トルエン溶液をクレー・アブソーブ24/48(clay absorb 24/48)に流通させる。
実施例4で回収したトルエン溶液を43%HPO水溶液で一回、ならびに水にて一回洗浄する。該トルエン溶液を蒸留乾固して、熱ヘプタンを用いてスラリー状にする。ヘプタンのスラリーを冷却し、ろ過する。固形残留分はMSPであり、ヘプタンを用いて洗浄し、減圧下70℃で乾燥する。およそ15〜25mol%MSPの収率が得られる。
−具体的な方法−
適当なサイズの容器において、プロブコール(500g、0.97mol)とアセトン(300g)を混ぜる。攪拌しながら、カリウムtert−ブトキシド(73g、0.65mol)を加え、得られた溶液を少なくとも45分間、〜40℃に加温する。無水コハク酸(65g、0.65mol)を加えて、少なくとも30分間、〜40℃にて攪拌する。ジサクシニル化プロブコール(DSP)塩、モノサクシニル化プロブコール塩(MSP)および未反応プロブコール(PRO)の混合物である暗色の反応混合物を形成する。DSP、MSPおよびPROの比は、約4:29:67である。
反応混合物を〜30℃に冷却し、水(300g)を加えて、45%水酸化カリウム水溶液(KOH)(約40g)を用いることにより反応混合物のpHを>13に調整する。この水性溶液系をヘプタン(それぞれの抽出につき513g)で3回抽出する。プロブコールに富むヘプタン抽出液は、循環処理用に保存し、他方、水性のアセトン層を粉末化用に保存する。
上記の保存したアセトン溶液にアセトン(158g)を加え、その溶液のpHを85w
t%リン酸水溶液(145g)で<3に調整する。この酸性化溶液に追加のアセトン(200g)を加えて、少なくとも30分間混合する。下層の水層を分離して捨て、アセトン層を保存する。
保存した層からアセトンを蒸留により除去し、ヘプタン(665g)を加える。得られたスラリーを約30分間80℃で粉末にし、ろ過する。固形残留分を後の抽出用に保存する。生成物を多く含むヘプタンのろ液を〜20℃に冷却し、その結果、析出したMSPに富む固体をろ過にて回収する。80℃の粉末化工程を410gおよび310gのヘプタンで2回以上繰り返すことにより、DSP:MSPがおよそ2:98である133gの固体を得る。このMSPに富む物質をトルエン(500mL)に溶解し、次いで45gの45%KOHで洗浄する。該トルエン溶液に30分間未満で炭酸カリウム(44g)を混合し、固形物をろ過にて除去する。その後、トルエン溶液をクレー・アブソーブ24/48(clay absorb 24/48、2回で135g)に流通させる。それぞれの流通後に、クレー層を
トルエン(175g)で2回洗浄する。
上記クレー・アブソーブを通す流通から回収したトルエン溶液を、43%HPO水溶液(300g)で一回、ならびに水(300g)で一回洗浄する。トルエン溶液を蒸留乾固する。その結果得られた残留物を80℃、30分未満でヘプタン(275g)を用いてスラリー化させる。このヘプタンのスラリーを10℃に冷却し、ろ過する。固形残留分は、MSPである。これをヘプタン(2×70g)によって洗浄し、およそ3時間、減圧下70℃で乾燥する。97g、16mol%の収率が得られる。

Claims (15)

  1. 次式で示される水溶性プロブコール誘導体:
    Figure 2007532538
    [式2]
    およびRが同一かまたは異なってC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニルまたはアリールであり、R、R、RおよびRが同一かまたは異なってC〜Cのアルキルであり、ZおよびZ’が同一かまたは異なって水素原子または−C(O)−C〜Cアルキル−C(O)OH基であり(ZおよびZ’が一緒に水素であることはない)の製造方法において、
    (1)次式のプロブコール化合物
    Figure 2007532538
    (R、R、R、R、RおよびRは、上記に定義されるもの)と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルキルアンモニウムアルコキシド、アルキルアンモニウム水酸化物およびそれらの混合物よりなる群から選択される化合物とを反応させ、これにより該プロブコール化合物のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩を形成させること、
    (2)該塩とカルボン酸無水物とを反応させて反応混合物を形成させること、ならびに
    (3)該反応混合物から水溶性プロブコール誘導体を分離すること、
    に基づき、式R−C(O)−R’を有する化合物(RおよびR’が、同一かまたは異なってC〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜C12のアリール基、少なくとも1個のC〜Cのアルキル基によって置換されたC〜C12のアリール基、C〜C12のヘテロアリール基、または少なくとも1個のC〜Cのアルキル基によって置換されたC〜C12のヘテロアリール基である。)を反応工程(1)の溶媒として用いることを含む、改良された製造方法。
  2. RとR’が同一かまたは異なってC〜Cのアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. RとR’がメチル基またはエチル基であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. RとR’とがメチル基であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記溶媒とプロブコール誘導体との比が、約2:1から約1:5であることを特徴とす
    る請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記比率が約1:1から約3:10であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記比率が3:5であることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記の工程(1)の反応温度が、約15℃から約75℃であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記反応温度が、約30℃〜約60℃であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記反応温度が、約35℃〜約45℃であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
  11. 反応工程(2)で形成された前記反応混合物のpHを7未満に低下させ、式C2n+2(nが5〜12の整数である。)を有する有機炭化水素溶媒を、pHを低下させた後の該反応混合物に加えることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  12. 前記炭化水素溶媒の整数nが6〜9であること特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記炭化水素溶媒がヘキサンもしくはヘプタンであること特徴とする請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記炭化水素溶媒が、>40℃であるが150℃を超えない温度で、式2の化合物と混合されることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記温度が約45℃〜約75℃であることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
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