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JP2007523245A - ポリマー安定化、結晶化カタニオニック膜、それらの調製方法およびそれらの用途 - Google Patents

ポリマー安定化、結晶化カタニオニック膜、それらの調製方法およびそれらの用途 Download PDF

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JP2007523245A JP2006553612A JP2006553612A JP2007523245A JP 2007523245 A JP2007523245 A JP 2007523245A JP 2006553612 A JP2006553612 A JP 2006553612A JP 2006553612 A JP2006553612 A JP 2006553612A JP 2007523245 A JP2007523245 A JP 2007523245A
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Abstract

本発明は、0.5を超えるモル分率Q<SB>TA</SB>/(Q<SB>TA</SB>+Q<SB>TC</SB>)を有する、共晶化した、H対イオンを有するアニオン界面活性剤(TA)およびOH-対イオンを有するカチオン界面活性剤(TC)を外側に交互に含む、組織化された固体二重層形態の結晶化カタニオニック膜に関するものである。本発明によれば、膜は、少なくとも部分的に平坦な面を形成し、二重層は、中性および疎水性であるか、またはカタニオニック膜の有効な電荷とは逆の総括的電荷を有する少なくとも1種のポリマーにより安定にされ、該ポリマーは、表面上に吸着される。また、本発明は、膜の調製方法、それらの使用、例えば、活性種のベクトル化または揮発性分子の保持のための薬剤としての使用に関するものである。

Description

本発明は、ポリマー安定化結晶性カタニオニック膜、それらを調製する方法およびその使用特に、活性種のベクトル化または、吸着を介して、揮発性分子を保持するための薬剤としての使用に関するものである。
水性媒体におけるアニオンおよびカチオン界面活性剤の混合物は、簡便に「カタニオニック」溶液と言われるところのものを生じる。
イオン対の形成後、対イオンは、過剰の塩を形成し、静電気的相互作用を遮断するサンプルの高導電率を誘発する。塩の存在しないカタニオニック配合物の1つの特定のタイプは、HおよびOH-の対イオンだけを使用して得られ、それで2種の界面活性剤の混合によって、過剰の塩は形成されない(Dubois M. et al., C. R. Acad. Sci. Paris II C, 1998, 1(9) 567-565)。得られたカタニオニック系は、一般に、「真のカタニオニック系」として知られている。
これらのカタニオニック溶液が、鎖の融点より高い温度に加熱されると、アニオンおよびカチオン界面活性剤は、様々な形態(球、円筒または折り畳まれた二重層)の安定なミセルの形態で自己会合する。それから、カチオンおよびアニオン構成成分間の相対的割合に応じ、様々な構造形態を、これらの溶液の冷却中に得ることができる。
カタニオニック溶液が過剰のカチオン界面活性剤を含む場合、その調節可能な直径が数ミクロン〜約30nmの範囲であってもよく、正電荷が、スライスにおいて主に配置されている、硬い外側膜を有するサンドイッチ構造から形成される結晶性ナノディスクの形成が観測される。構造およびこれらのカタニオニックナノディスクを調製する方法は、Zemb T.et al.による論文, Science, 1999, 283, 816-819において特に記載されている。
逆に、カタニオニック溶液が過剰のアニオン界面活性剤を含む場合、中空多面体の形成が観測され、その形状は、アニオン界面活性剤の過剰量の関数として変動することになる。或る条件下では、特に、中空20面体の形成が観察され、その形状は、ウイルスキャプシドタンパク質について観察されるものを思い出させる。それらの構造およびそれらを調製する方法は、Dubois M. et al.による論文Nature, 2001, 411, 672-675において特に記載されている。該論文は、約1010ダルトンの重量の、マイクロメートルサイズの20面体について特に記載し、その構造は、その多面体の頂点における細孔の存在により部分的に安定化される。該論文によれば、20面体の形成は、次の3つの条件の関連を必要とする:
1)アニオンおよびカチオン界面活性剤溶液の高温等モル混合中の安定な単一層状小胞の形成、
2)過剰のアニオン界面活性剤は、水ならびにアニオンおよびカチオン界面活性剤の等モル混合中に得られる結晶性二重層において不溶でなければならない、
3)過剰における界面活性剤の量は、小胞当たり10〜15の細孔の形成を可能にするようなものでなければならない。
条件3)が欠けると、開放した結晶性の大きな二重層または細孔を含むナノディスクを形成するに至る。
更に、該論文の教示するところに従えば、およびこれらの細孔の存在により、その様な多面体の様々な使用が想定できる。それらは、例えば、有効成分もしくは遺伝子治療におけるDNAの調節された放出または有害酵素の作用に対してそれらを保護するためのRNAストランドの単離のための薬剤として使用されてもよい。しかしながら、これらの多面体は、極僅かな塩の存在に対して特に敏感である大きな欠点を有し、かつ、一緒になって凝集する傾向を有し、そのため、例えば、生理学的媒体、例えば、血液におけるそれらの使用、したがって、それらの静脈注射を妨げる。
更に、持続放出形態を含めて、有効成分を送達するための様々な構造は、既に提案されており、小胞内部の有効成分のカプセル化をベースとするものである。このように、この目的を有する、大多数の従来の文献は、リポソームとして一般に表示される1以上の脂質二重層から成る球状小胞の使用について記載している。しかしながら、リポソームの使用は、特に安定性に関して、また、それらの調製が、有機溶媒の使用を必要とする方法を伴い、その使用は、生理学的媒体および特定の材料と必ずしも適合し得るものではないので、常に全体的に満足できるというものではない。
これより、全てのこれらの欠点を解消し、かつ、安定で、高イオン強度耐性があり、使用が簡単な、活性分子を送達するための新規なシステムを提供するために、本発明者等は、本発明の主題を形成するところのものを開発した。
したがって、本発明の第一の主題は、H対イオンを有するアニオン界面活性剤および共晶化OH-対イオンを有するカチオン界面活性剤の外側交互配列を含み、モル分率(MF):アニオン界面活性剤のモル量(QAS)/(アニオン界面活性剤のモル量(QAS)+カチオン界面活性剤のモル量(QCS))が、0.5を超え(すなわち、QAS/(QAS+QCS)>0.5)、膜が、少なくとも部分的に平坦な表面を形成する、組織化固体二重層の形態のカタニオニック膜であって、該二重層が、中性および疎水性であり、または、該カタニオニック膜の有効な電荷と逆の総括電荷の、少なくとも1種のポリマーで安定化され、該ポリマーが、該表面上に吸着されていることを特徴とする、カタニオニック膜である。
それらの表面上に吸着されたポリマーの存在は、ブラウン運動の間に、本発明に従うカタニオニック膜を安定にさせることを可能にし、特に、それらの沈殿を避け、したがって、等張液、例えば、海水または血液等でそれらの希釈を可能にして、少なくとも1nmの距離を2つの膜間で保持することを可能にする。
本発明により使用されてよいカチオンおよびアニオン界面活性剤は、好ましくは、結晶形態になるように、作業温度を超える融点を有する化合物から選択される。作業温度は、20〜30℃の範囲がよいので、30℃を超える融点を有する界面活性剤が一層特に選択されることになる。
二重層の形成のために、本発明により使用されてよいカチオン界面活性剤は、好ましくは、以下のそれぞれの式(I)および(I′)の一鎖状および二鎖状第四級アンモニウムならびにそれらの混合物から選択される:
Figure 2007523245
[式中、
1、R2およびR3は、同じでもまたは異なっていてもよく、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、または(C1〜C4)アルキルエーテル基を表し、
R′1およびR′2は、同じでもまたは異なっていてもよく、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、または(C1〜C4)アルキルエーテル基を表し、
R′3およびR′4は、同じでもまたは異なっていてもよく、飽和もしくは不飽和C8〜C24炭化水素ベースの鎖、ベンジルもしくは(C4〜C20)アルキルベンジル基または(C4〜C20)アルキルエステル基を表し、
4は、飽和もしくは不飽和C8〜C24炭化水素ベースの鎖、ベンジルもしくは(C4〜C20)アルキルベンジル基または(C4〜C20)アルキルエステル基を表す]。
上記式(I)および(I′)のカチオン界面活性剤のC1〜C4アルキル基の中で、メチル基が特に好ましい。
R′3、R′4およびR′4基のC8〜C24炭化水素ベースの鎖の中で、特に、アルキル鎖、例えば、ステアリル、セチル、ドデシルおよびテトラデシル鎖を挙げることができる。
R′3、R′4およびR4基について述べられている(C4〜C20)アルキルエステル基の中で、特に、(C16)アルキルエステルおよび(C12)アルキルエステルを挙げることができる。
OH-対イオンを有する上記式(I)の化合物の中で、特に、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、N−(2−カルボキシエチル)−N,N−ジメチル−1−ヘキサデカンアミニウムヒドロキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチル−1−ヘキサデカンアミニウムヒドロキシド、セチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリエチルアンモニムヒドロキシド、ステアリルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、セチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリプロピルアンモニムヒドロキシド、ステアリルトリプロピルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラデシルトリプロピルアンモニウムヒドロキシドを挙げることができる。
上記式(I′)の化合物の中で、特に、ジドデシルジメチルアンモニムヒドロキシド、ジドデシルジエチルアンモニムヒドロキシド、ジドデシルジプロピルアンモニムヒドロキシド、ジドデシルジブチルアンモニムヒドロキシドおよびジセチルジメチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドを挙げることができる。
二重層の形成のために、本発明により使用されてもよいアニオン界面活性剤は、好ましくは、H対イオンを有する、C8〜C24炭素ベースの疎水性鎖を有するカルボン酸ならびに1つまたは2つのC12〜C20アルキル鎖を含む、H対イオンを有するホスフェートおよびスルホネートから選択される。
これらのアニオン界面活性剤の中で、特に、脂肪酸、例えば、ミリスチン酸、ラウリン酸およびパルミチン酸等、ホスフェート、スルホネート、ベンジルスルフェートおよび、例えば、Rank J. L. et al.によりJ. Mol. Biol., 1974, 85(2), 249-277に記載されている、肩なしで、q=1.52±0.15Å-1に位置した、カチオン界面活性剤と組合せた後に大きな角度で微細X−線回折ピークを好ましくは有する、一鎖状グリセロールモノエステルを挙げることができる。
本発明によれば、一鎖状および二鎖状カチオン界面活性剤の混合をもくろむことは可能なので、H対イオンを有する任意のタイプのアニオン界面活性剤を、OH-対イオンを有する任意のタイプのカチオン界面活性剤、特に、式(I)および/または式(I′)の任意のカチオン界面活性剤と組合せることが可能である。
既に示したとおり、本発明の必須の特徴の内の1つは、二重層の形成のために使用される界面活性剤のMF(QAS/(QAS+QCS))を、0.5より大きくすべきことである。本発明の1つの好ましい態様によれば、このMFは、0.52〜0.66であり、更に好ましくは0.55〜0.58である。
本発明の1つの特定のおよび好ましい態様によれば、二重層は、
a)上記で定義されたカルボン酸(ここで、C8〜C24炭素ベースの疎水性鎖は、X±4炭素原子を含む)と組合せた、上記で定義された式(I)(ここで、R1、R2およびR3基は、同じでありかつメチル基を表し、R4は、X炭素原子(Xは、8〜24(それぞれを含む)である)を含む炭化水素ベースの鎖を表す)のカチオン界面活性剤;
b)または、上記で定義されたカルボン酸(ここで、C8〜C24炭素ベースの疎水性鎖は、X±4炭素原子を含む)と組合せた、上記で定義された式(I′)(ここで、R′1およびR′2基は、同じでありかつメチル基を表し、R′3およびR′4は、同じでありかつX炭素原子(Xは、8〜24を含む)を含む炭化水素ベースの鎖を表す)のカチオン界面活性剤;
c)または、上記で定義された式(I)(ここで、R1、R2およびR3基は、同じでありかつメチル基を表し、R4は、C8〜C24アルキル鎖を表す)のカチオン界面活性剤と組合せた、X炭素原子(Xは、8〜24を(それぞれ含む)である)を含む2つの同じアルキル鎖を含むホスフェートもしくはスルホネート;
d)または、上記で定義された式(I′)(ここで、R′1およびR′2基は、同じでありかつメチル基を表し、R′3およびR′4は、同じで、C8〜C24アルキル鎖を表す)のカチオン界面活性剤と組合せた、X炭素原子(Xは、8〜24(それぞれを含む)である)を含む1つだけのアルキル鎖を含むホスフェートもしくはスルホネート
のいずれかから成る。
本発明のなお一層特に好ましい形態によれば、二重層は、OH-対イオンを有するセチルトリメチルアンモニウムとH対イオンを有するミリスチン酸との組合せから形成される。
対イオンを有するアニオン界面活性剤に加えて、本発明による二重層は、また、金属対イオン、特に、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、クロム、バナジウムまたはニッケル対イオンを有する、少モル量のアニオン界面活性剤を含んでもよく、例えば、該界面活性剤は、勿論、対イオンの性質は別にして、上述したアニオン界面活性剤から選択される。本発明によれば、「少」モル量と言う用語は、最終のMFを上に規定した通りの0.52〜0.66の範囲内にもたらすのに必要な、金属対イオンを有するアニオン界面活性剤の量を意味する。
本発明の1つの特定の実施態様によれば、カチオンおよびアニオン界面活性剤の極性頭部を形成するイオン対は、六方晶系ネットワーク上で、約q=1.52±0.15Å-1に位置した最初の微細ピークにより検出されることができる結晶性鎖の領域に好ましくは等しい領域を直角に占める。
本発明の1つの有利な実施態様によれば、本発明によって二重層を安定化するために使用さることができるポリマーは、非脂質ポリマーであり、中性であるポリマーまたはカタニオニック膜の有効な電荷と逆の総括の電荷、即ち、「弱い」負の総括の電荷を有するポリマーから選択される。
本発明の目的から、「有効な電荷」と言う用語は、例えば、陽極に向かう二重層の移動による電気泳動度で表わされる、結晶における酸の見掛けのpKaを考慮に入れた総括の電荷を意味する。この電荷は、検定可能な構造的電荷とは異なり、相図における組成の場合を決めることから推定される。
また、本発明の目的から、「弱い」負の総括の電荷の「ポリマー」と言う用語は、引かれた長さ2nm当たり1未満の元素電荷を含むポリマーを意味する。
それらが中性ポリマーである場合、それらは、好ましくは、多糖類、例えば、デキストランおよびセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等、合成ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリビニルアルコール、例えば、PVA、Ethenol(登録商標)、Poval(登録商標)、Acroflex(登録商標)、Airvol(登録商標)、Alcotex(登録商標)またはAquafilm(登録商標)等の商品名で販売されている製品等、オキシエチレン化ジブロックポリマー、例えば、Degussa−Goldschmidt社によりVaronic(登録商標)の商品名で販売されているポリマー等、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをベースとしたブロックコポリマー、例えば、BASF社によりPluronic(登録商標)およびLutrol(登録商標)の商品名で販売されているポリマー等、およびそれらの水溶性均等物、水溶性トリブロックコポリマー、即ち、親水性−疎水性−親水性ブロックで構成されるコポリマー、例えば、メチルオキシラン、EOPOコポリマー、Antarox(登録商標)、Arcol(登録商標)、Daltocel(登録商標)またはDowfax(登録商標)および疎水性基としてポリスチレンを含むそれらの類似体等から選択される。
それらが、弱い負の総括の電荷のポリマーである場合、それらは、好ましくは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートおよびポリスチレン−スルホネートから選択され、該ポリマーは、75%を越えて、中性水溶性基、例えば、ポリオキシエチレン基等でランダムに置換される。
本発明によって使用されることができるポリマーの中で、弱く吸着されるポリマー、例えば、ポリオキシエチレン、デキストラン、PVPまたはVaronic(登録商標)、Pluronic(登録商標)およびLutrol(登録商標)、メチルオキシラン、Pluronic(登録商標)、Antarox(登録商標)、Arcol(登録商標)、Daltocel(登録商標)およびDowfax(登録商標)の商品名で販売されているポリマーを使用することが最も好ましい。
これらのポリマーの中で、5000〜50000Da、更に好ましくは、10000〜20000Daの分子質量を有するポリエチレングリコールを使用することがなお一層特に好ましい。
これらのポリマーは、好ましくは、二重層の全重量に対して、10〜400重量%、更に一層特には、100〜200重量%に相当する。
本発明の特定の実施態様によれば、カタニオニック膜は、MFQAS/(QAS+QCS)が、0.55〜0.58である場合は、特に小面中空微結晶の形態にあってもよい。
この場合に、これらの微結晶は、約12〜30の三角面を含む中空多面体(分子ボックス)の形態を取ってもよく、最も特には、0.1〜10μ3の内部容積を有する中空20面体の形態を取ってもよい。
これらの微結晶の面の各々の組織化固体二重層内では、共結晶化アニオンおよびカチオン界面活性剤の外側交互配列は六方晶系であり、該面の平坦部分は、化学量論量のHまたはOH-対イオンを含む種だけから成るのに対し、該面の頂点は、過剰でありかつにありかつ0.55〜0.58のMFQAS/(QAS+QCS)を得るのに十分な量でありかつアニオン種から主として形成される内部半円環体の形態である。
この配置によれば、即ち、各面の頂点が、内部半円環体の形態にある場合には、微結晶の面の各々の頂点は、同じ微結晶の隣接面の頂点と一緒になって細孔を形成する。この場合に、各微結晶は、約10〜15の細孔を含んでよい。
中性ポリマーまたは、凝集および合体を阻止する、それらの表面上に吸着された弱い負の電荷を有するポリマーの存在によって、これらの分子ボックスは、等浸透圧点まで、イオン強度、即ち、塩の存在に耐えることができる。分子ボックス形態のカタニオニック膜の提示は、本発明により特に好まれる。
本発明によるカタニオニック膜は、また、中空多面体のフラグメントの形態、即ち、分子ボックスの開放および小面のフラグメントの緻密な堆積から生じる、「プレートの積み重ね」の形態の三次元カタニオニック結晶の堆積の形態であってもよい。
それらの形成後であって特定の安定化ポリマーの吸着前に、膜溶液のpHは、2〜6の任意のpH値に調整されてもよい。これは、酸性媒体中で行われる反応を可能とし、また、巨視的結晶の沈殿を妨げる。これを行うためには、好ましくは、親水性対イオンを有する酸、例えば、塩酸、酢酸およびクエン酸が使用されることになる。
これらのカタニオニック膜は、生理学的媒体中で安定であり、特に、薬学的または化粧用活性分子、あるいは代わりに、細胞、例えば、バクテリア等を吸着および/またはカプセル化により保持し、それらのゆっくりした拡散を調節することを可能にする。それらは、特に、高浸透圧に耐え、水の氷への転換にも耐えさえし、同時に、硬くて局所的に平坦な壁を有する、明確に個別化された凝集体の形態で残ることができる。
本発明の主題は、また、本発明による、上記したようなカタニオニック膜を調製するための方法であり、該方法は、以下の工程を含むことを特徴とするものである:
1)低い導電率の水性溶媒中で:
a)モル量QCSの、OH-対イオンを有するカチオン界面活性剤(CS)および
b)厳密にQCSを超えかつモル量QASの、以下の式(1)〜(3):
AS=QAS1+QAS2 (1)
AS1=QCS (2)および
AS2<2(QCS) (3)
(式中、QAS1は、H対イオンを有するアニオン界面活性剤のモル量であり、
AS2は、H対イオンまたは金属対イオンを有するアニオン界面活性剤のモル量である)に対応する1種以上のアニオン界面活性剤(AS)であって、CSまたはQAS1量において使用される、H対イオンを有するASと同じ炭素ベースの鎖を有するもの
を混合することにより単一層状小胞を形成する第一工程であって、カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤の混合物が、該界面活性剤の鎖の融点より高い温度において調製される工程;
2)第一工程において得られた混合物を冷却して該混合物中に存在する該界面活性剤の鎖の融点より低い温度にすることにより、唯一の相互に噛み合わされたまたは相互に噛み合わされない結晶分子二重層から形成される平坦な集合体を得る第二工程;
3)低い導電率の水性溶媒に溶解した、少なくとも1種の、中性および疎水性ポリマー、または弱い負の総括の電荷のポリマーを添加することにより、上記第二工程において得られた該結晶性分子二重層を安定にする第三工程であって、該工程が、該混合物中に存在する該界面活性剤の鎖の融点より低い温度において行われる工程。
第一工程の間、水性溶媒への界面活性剤の溶解は、好ましくはゆっくりと行われ、特に、最少に機械的に攪拌しながら、加熱なしで、1時間〜1週間の範囲の可変時間にわたって行われてもよい。
この方法の第一の特定の実施態様によれば、そして、第一工程中に使用されるアニオン界面活性剤がH対イオンを有するASのみから成る時には、これは、OH-対イオン(CSによって供される)およびH対イオンのみを含む真のカタニオニック混合物と呼ばれる。この場合には、ASおよびCSの混合物は、場合により、溶媒に溶解する前に、粉末形態において前以って調製されてもよい。
この方法の第二の実施態様によれば、そして、過剰のASが金属対イオンを有するASから成る時には、本発明に従う方法の第一工程は、下記:
OH-対イオンを有するCSが、初めにQCSに等しいQAS1量の、H対イオンを有するASと混合される第一サブ工程、および次いで、
金属対イオンを有するASのモル量QAS2が添加される第二サブ工程
を含む。
この場合、金属対イオンの性質は、本発明によるカタニオニック膜を与えることが所望される性質の関数として選択されてもよい。例として、特に、耐食性を有するナトリウム対イオン、およびまた、鉄合金に関して電気化学的腐食阻止性を有する、クロム、バナジウムおよびニッケル鉄が挙げられる。
一担、界面活性剤溶液が光学的に均質になれば、加熱工程は、ゆっくりした溶解中に形成されるイオンの対と会合した界面活性剤の鎖を完全に溶融することを可能にする。この工程の間に、本発明による二重層を形成する意図の化合物は、高い静電気的反発力を有する小胞の形態で分散される。各小胞は、流体二重層(液体鎖)から形成されるマイクロ反応器を構成し、流体二重層は、冷却工程後に、硬い二重層(ゲル化鎖)に転換されることになる。
この方法中に使用される水性溶媒は、好ましくは、約1MOhm以下の導電率を有する。それらは、好ましくは、水およびグリセロールならびにそれらの混合物から選択される。
第一工程の間、溶液中の界面活性剤(AS+CS)の全濃度は、好ましくは、該溶液の全重量に対して、0.01〜3重量%である。
また、第一工程の間、混合物を加熱して至らせる温度は、使用されるカチオンおよびアニオン界面活性剤の性質に依存するのは自明のことである。しかしながら、一般に、この温度は、一般に、30℃を超え、80℃未満、更に一層好ましくは、30〜70℃である。この温度は、各界面活性剤溶液について、示差走査熱量測定法(DSC)による吸熱ピークにより検出することのできる、検討対象の界面活性剤の混合物の温度より5℃高い温度に調整されてもよい。
この温度は、更に一層好ましくは、55〜70℃である。したがって、第二工程の間に、混合物は冷却されて、好ましくは、30℃未満の温度に、更に一層好ましくは20〜25℃の温度にされる。
本発明方法の1つの特定の実施態様によれば、カタニオニック膜の表面上に吸着されるおよび/または小胞(分子ボックス)内部にカプセル化される少なくとも1種の活性物質は、また、第一工程中に混合物に添加されてもよい。これらの活性物質の中で、特に、薬理学的有効成分、化粧目的用有効物質、特に揮発性の芳香を放つ分子、細胞、例えば、全てのバクテリア、およびDNAもしくはRNAフラグメントが挙げられる。
この際に、当業者は、本発明によるカタニオニック膜のどんな脱安定化も避けるために、電荷が十分に低くなる活性物質を選択するように気を付けることになる。
本発明方法の1つの特定の実施態様によれば、また、第二工程の間に、混合物のpHを、既に示した通りに2〜6に調整することも可能である。
本発明の1つの有利な実施態様によれば、そして、カタニオニック膜が中空多面体(分子ボックス)の形態にある時は、方法は、一般に、多面体にカプセル化されなかった、またはそれらの表面上に吸着された活性物質を除去するための追加工程を含む。この除去工程は、すすぎ処理、特に、膜の調製のために使用された溶媒と同じ水性溶媒を使用して、透析によりあるいは代わりに濾過により行われてもよい。
本発明によれば、第三工程中に混合物に添加されるポリマーの体積分率は、好ましくは、20面体タイプの小面多面体を破壊することなしに、または、三次元結晶を形成するカタニオニック種の沈殿なしに塩の添加を可能にする、立体的もしくは静電気的保護層を有するために、カチオンおよびアニオン界面活性剤の全質量の1〜2倍である。
最後に、本発明の主題は、また、活性種のベクトル化または揮発性分子の吸着およびゆっくりした拡散による保持のための薬剤としての使用のための、本発明による、上記した通りのカタニオニック膜である。
本発明の1つの有利な実施態様によれば、カタニオニック膜は、小面中空多面体の形態でありかつ下記:
それらをベクトル化するために薬剤をカプセル化する、
全てのバクテリアまたはDNAもしくはRNAフラグメントをカプセル化して、それらを免疫系に近づきにくくする、
多面体の内側で生起する化学反応のために試薬を保持する、
多面体の孔を横切って内側への試薬の遅い拡散により、多面体の内側で沈殿または結晶化反応を行う、
多面体の束の形態で凝集することにより得られる、クリームの製造のための化粧成分として、および逆の表面電位の表面、例えば、皮膚への多面体の吸着後に、活性分子の効率的な拡散を可能にする
ことのために使用される。
先の配置に加えて、本発明は、また、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびH対イオンを有するミリスチン酸をベースとした結晶性中空多面体の調製の実施例およびセチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびHおよびLi対イオンを有するミリスチン酸をベースとした結晶性中空多面体の調製の実施例、ならびに添付の図1〜4に言及する以下に続く記載から出現することになるその他の配置も含む。
しかしながら、これらの実施例は、本発明の主題の例示として単に挙げられるものであって、それらは、何ら、限定を構成するものでないことは、明瞭に理解されるべきである。
実施例1
セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびH対イオンを有するミリスチン酸をベースとした結晶性中空多面体の調製
本実施例は、本発明による二重層を調製するための方法の2つの変形の1つ、即ち、OH-対イオンを有するCSおよび過剰の、H対イオンを有するASが、ASおよびCSの等モル前混合の先のサブ工程を経て通すことなしに、真のカタニオニック混合物を得るために、直接に一緒に混合される方法を例示するものである。
これを行うために、0.023gのセチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(CTAOH)および0.022gの、H対イオンを有するミリスチン酸を、凍結乾燥粉末の形態において一緒に混合する。H対イオンを有するミリスチン酸/(H対イオンを有するミリスチン酸+CTAOH)のモル分率が0.56に等しい混合物を得る。次いで、4.46gのMillipore水(<1MOhm/cm)を、この様にして得た粉末混合物に添加して、界面活性剤の全重量濃度が1%で、モル分率AS/(AS+CS)が0.56に等しい溶液を形成する。化合物を、1週間、穏やかに攪拌しながら室温で溶解するために放置する。界面活性剤を完全に溶解した後(ミリスチン酸の固体粒の消失)後に、溶液を、均一温度で、界面活性剤の鎖の融点に相当する65℃よりも僅かに高い温度に1分間加熱する。次いで、溶液を、室温に冷却する。
別に、PEG 20000の名称で販売されているポリエチレングリコール(中性ポリマー)を1.5重量%含む溶液を調製する。界面活性剤溶液を、室温で、容量/容量基準で、穏やかに攪拌しながらポリマー溶液と混合する。得られた最終分散体は、鎖の結晶化、目的物のサイズ、溶液の低粘度および得られた最終分散体の低浸透圧(<1000Pa)を連結するために、簡単な濾過により濃縮されてもよい。
濃縮前に得られた溶液は、僅かに散乱しており、青みを帯びていて、大角度X−線散乱により、0.150nm-1〜0.156nm-1の間に位置した微細ブラッグピーク(<0.002nm)の存在と関連して、小角度(光または中性子)における散乱角の二乗で減少する特徴的散乱により検出され得る中空ミクロンサイズ小面対象物の分散体を含む。
更に、等張容量オスモル濃度までの塩水の存在における本発明による膜の安定性は、0.15Mの最終塩水濃度が得られるまで濃縮された塩化ナトリウム溶液と混合することにより証明された。
この様にして得られた20面体ボックスを、低温破壊顕微鏡で直接に観察した。中性ポリマーで安定にされる前および安定にされた後で得られた画像は、添付の図1および2において挙げられる。面の結晶性は、更に、同じ化学的性質で、更に濃縮されたサンプルに関してのX−線散乱により確認された(65℃の温度(非結晶性構造)および25℃の温度(結晶性構造)における、波長ベクターQ(Å-1)の関数としての散乱強度(cm-1)を示す添付の図3において見られる通りにq=1.52±0.01Å-1におけるバンド)。
実施例2
セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびH対イオンを有するミリスチン酸ならびにLi対イオンを有するミリスチン酸の過剰をベースとした結晶性中空多面体の調製
本実施例は、本発明による方法の第二の変形、即ち、既に明白に記載した通りの2つのサブ工程において、この方法の第一工程の実行を課する、アニオン界面活性剤の過剰が、リチウム対イオンを有するアニオン界面活性剤で構成される、中空多面体の調製を例示するものである。
正に実施例1の通りにして、初めに0.0230gの凍結乾燥CTAOHおよび0.0174gの、H対イオンを有するミリスチン酸を一緒に混合し、次いで、1重量%の全界面活性剤を含む溶液を形成するのに十分な量のMillipore水(>1MOhm/cm)を添加する。この溶液においては、CTAOHのモル量Qは、H対イオンを有するミリスチン酸のモル量QA1と同じである。次いで、肉眼で見て、最早何ら異成分を含まず、ミリスチン酸結晶に相当する溶液が得られるまで、界面活性剤混合物をゆっくり攪拌することにより室温で溶解させる。
次いで、溶液を、50℃より高い温度に1分間加熱する;この溶液は透明であって、何らの凝集体も含まないはずである。それを室温に冷却させる。次いで、0.0051gの粉末ミリスチン酸リチウムをこの溶液に添加する。次いで、ミリステート(H+Li)/(ミリステート(H+Li)+CTAOH)のモル分率が0.56に等しい、カタニオニック界面活性剤の溶液が得られる。ミリスチン酸リチウムが完全に溶解するまで、混合物を、室温で1週間攪拌する。次いで、カタニオニック溶液を65℃より高い温度に1分間加熱し、次いで、溶液を、室温に冷却させる。この方法により得られた目的物は、上の実施例1のものと同じ構造を有し、低温破壊顕微鏡で得られた添付の図4において示される。
別に中性ポリマー:ポリエチレングリコール(PEG 20000)を1.5重量%含む溶液を調製する。カタニオニック溶液を、室温で、容量/容量で、穏やかに攪拌しながら中性ポリマー溶液と混合する。上の実施例1の通りにして、得られた最終分散体は、簡単な濾過によって濃縮されることができる。
構造的特徴(示されない)は、低温破壊およびX−線の両方により、実施例1のそれと同様である。
中性ポリマー(PEG 20000)で安定にする前の、水中の界面活性剤の全濃度が1重量%で、モル分率AS/(AS+CS)が0.56に等しい、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびH対イオンを有するミリスチン酸をベースとした結晶性中空多面体の低温破壊顕微鏡写真である。 中性ポリエチレングリコールポリマー(PEG 20000)で安定にした後の、水中の界面活性剤の全濃度が1重量%で、モル分率AS/(AS+CS)が0.56に等しい、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびH対イオンを有するミリスチン酸をベースとした結晶性中空多面体の低温破壊顕微鏡写真である。 拡散強度(cm-1)が、波長ベクトルQ(Å-1)の関数として表される、CTAOHとH対イオンを有するミリスチン酸とのカタニオニック混合物の25℃(結晶構造)および65℃(非結晶構造)におけるX−線回折スペクトルを示す。 等モル量の、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびH対イオンを有するミリスチン酸ならびにLi対イオンを有するミリスチン酸の過剰をベースとした結晶性中空多面体の低温破壊顕微鏡写真である。

Claims (33)

  1. 対イオンを有するアニオン界面活性剤および共晶化OH-対イオンを有するカチオン界面活性剤の外側交互配列を含み、モル分率(MF):アニオン界面活性剤のモル量(QAS)/(アニオン界面活性剤のモル量(QAS)+カチオン界面活性剤のモル量(QCS))が、0.5を超え、膜が、少なくとも部分的に平坦な表面を形成する、組織化固体二重層の形態におけるカタニオニック膜であって、該二重層が、中性および疎水性である、または、該カタニオニック膜の有効な電荷と逆の全体の電荷の、少なくとも1種のポリマーで安定化され、該ポリマーが、該表面上に吸着されていることを特徴とする、カタニオニック膜。
  2. カチオンおよびアニオン界面活性剤が、30℃を超える融点を有する界面活性剤から選択されることを特徴とする、請求項1記載の膜。
  3. カチオン界面活性剤が、以下のそれぞれの式(I)および(I′)、
    Figure 2007523245

    [式中、
    1、R2およびR3は、同じでもまたは異なっていてもよく、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキルまたは(C1〜C4)アルキルエーテル基を表し、
    R′1およびR′2は、同じでもまたは異なっていてもよく、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキルまたは(C1〜C4)アルキルエーテル基を表し、
    R′3およびR′4は、同じでもまたは異なっていてもよく、飽和もしくは不飽和C8〜C24炭化水素ベースの鎖、ベンジルもしくは(C4〜C20)アルキルベンジル基または(C4〜C20)アルキルエステル基を表し、
    4は、飽和もしくは不飽和C8〜C24炭化水素ベースの鎖、ベンジルもしくは(C4〜C20)アルキルベンジル基または(C4〜C20)アルキルエステル基を表す]の一鎖状および二鎖状第四級アンモニウムならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の膜。
  4. 1〜C4アルキル基が、メチル基であることを特徴とする、請求項3記載の膜。
  5. 式(I)の化合物が、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、N−(2−カルボキシエチル)−N,N−ジメチル−1−ヘキサデカンアミニウムヒドロキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチル−1−ヘキサデカンアミニウムヒドロキシド、セチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリエチルアンモニムヒドロキシド、ステアリルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、セチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリプロピルアンモニムヒドロキシド、ステアリルトリプロピルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラデシルトリプロピルアンモニウムヒドロキシドから選択されることを特徴とする、請求項3または4記載の膜。
  6. 式(I′)の化合物が、ジドデシルジメチルアンモニムヒドロキシド、ジドデシルジエチルアンモニムヒドロキシド、ジドデシルジプロピルアンモニムヒドロキシド、ジドデシルジブチルアンモニムヒドロキシドおよびジセチルジメチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドから選択されることを特徴とする、請求項3または4記載の膜。
  7. アニオン界面活性剤が、H対イオンを有する、C8〜C24炭素ベースの疎水性鎖を有するカルボン酸ならびに1つまたは2つのC12〜C20アルキル鎖を含む、H対イオンを有するホスフェートおよびスルホネートから選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の膜。
  8. アニオン界面活性剤が、ミリスチン酸、ラウリン酸およびパルミチン酸、ホスフェート、スルフェート、ベンジルスルフェートおよび一鎖状グリセロールモノエステルから選択されることを特徴とする、請求項7項記載の膜。
  9. 二重層が、
    a)請求項6記載のカルボン酸(ここで、C8〜C24炭素ベースの疎水性鎖は、X±4炭素原子を含む)と組合せた、請求項3記載の式(I)(ここで、R1、R2およびR3基は、同じであり、メチル基を表し、R4は、X炭素原子(Xは、8〜24(それぞれを含む)である)を含む炭化水素ベースの鎖を表す)のカチオン界面活性剤、または
    b)請求項6記載のカルボン酸(ここで、C8〜C24炭素ベースの疎水性鎖は、X±4炭素原子を含む)と組合せた、請求項3記載の式(I′)(ここで、R′1およびR′2基は、同じであり、メチル基を表し、R′3およびR′4は、同じであり、X炭素原子(Xは、8〜24(それぞれを含む)である)を含む炭化水素ベースの鎖を表す)のカチオン界面活性剤、または
    c)請求項3記載の式(I)(ここで、R1、R2およびR3基は、同じであり、メチル基を表し、R4は、C8〜C24アルキル鎖を表す)のカチオン界面活性剤と組合せた、X炭素原子(Xは、8〜24(それぞれを含む)である)を含む2つの同じアルキル鎖を含むホスフェートもしくはスルホネート、または
    d)請求項3記載の式(I′)(ここで、R′1およびR′2基は、同じであり、メチル基を表し、R′3およびR′4は、同じであり、C8〜C24アルキル鎖を表す)のカチオン界面活性剤と組合せた、X炭素原子(Xは、8〜24(それぞれを含む)である)を含む1つだけのアルキル鎖を含むホスフェートもしくはスルホネート、
    のいずれかから成ることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項記載の膜。
  10. 二重層が、OH-対イオンを有するセチルトリメチルアンモニウムおよびH対イオンを有するミリスチン酸との組合せから形成されることを特徴とする、請求項9記載の膜。
  11. モル分率QAS/(QAS+QCS)が、0.52〜0.66であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の膜。
  12. 二重層が、また、金属対イオンを有するアニオン界面活性剤を少モル量含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の膜。
  13. 中性ポリマーが、多糖類、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、オキシエチレン化ジブロックポリマー、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをベースとしたブロックコポリマー、ならびに親水性−疎水性−親水性ブロックで構成されるトリブロックコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の膜。
  14. カタニオニック膜の有効な電荷と逆の総括的電荷を有するポリマーが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートおよびポリスチレン−スルホネートから選択される弱い負の電荷のポリマーであり、該ポリマーが、中性の水溶性基でランダムに75%を超えて置換されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の膜。
  15. 前記ポリマーが、5000〜50000Daの分子質量を有するポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項14記載の膜。
  16. 前記ポリマーが、二重層の全重量に対して10〜400重量%になることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項記載の膜。
  17. そのモル分率QAS/(QAS+QCS)が、0.55〜0.58であり、小面中空微結晶の形態にあることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項記載の膜。
  18. 12〜30のほぼ三角面を含む中空多面体の形態にあることを特徴とする、請求項17記載の膜。
  19. 0.1〜10μ3の内部容積を有する中空20面体の形態にあることを特徴とする、請求項18記載の膜。
  20. 前記微結晶の面の各々の組織化固体二重層内において、共晶化アニオンおよびカチオン界面活性剤の外側交互配列が、六方晶系であり、該面の平坦部分が、化学量論量において、HまたはOH-対イオンを含む種だけから成るのに対し、該面の頂点が、過剰のアニオン種から主として形成される内部半円環体の形態にありかつ0.55〜0.58のMFQAS/(QAS+QCS)を得るのに十分な量にあることを特徴とする、請求項18または19記載の膜。
  21. 微結晶の面の各々の頂点が、同じ微結晶の隣接面の頂点と一緒になって細孔を形成することを特徴とする、請求項20記載の膜。
  22. 「プレートの積み重ね」の形態にある三次元カタニオニック結晶の堆積を構成する中空多面体のフラグメントの形態にあることを特徴とする、請求項17記載の膜。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項記載のカタニオニック膜を調製する方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする方法:
    1)低導電率の水性溶媒中で、
    a)モル量QCSの、OH-対イオンを有するカチオン界面活性剤(CS)および
    b)厳密にQCSより多く、かつ以下の式(1)〜(3):
    AS=QAS1+QAS2 (1)
    AS1=QCS (2)および
    AS2<2(QCS) (3)
    (式中、QAS1は、H対イオンを有するアニオン界面活性剤のモル量であり、
    AS2は、H対イオンまたは金属対イオンを有するアニオン界面活性剤のモル量である)に対応するモル量QASの、1種以上のアニオン界面活性剤(AS)であって、CSまたはQAS1量において使用される、H対イオンを有するASと同じ炭素ベースの鎖を有するもの
    を混合することにより単一層状小胞を形成する第一工程であって、カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤の混合物が、該界面活性剤の鎖の融点より高い温度において調製される工程;
    2)第一工程において得られた混合物を冷却して該混合物中に存在する該界面活性剤の鎖の融点より低い温度にすることにより、唯一の相互に噛み合わされたまたは相互に噛み合わされない結晶分子二重層から形成される平坦な集合体を得る第二工程;
    3)低い導電率の水性溶媒に溶解した、少なくとも1種の、中性および疎水性ポリマー、または弱い負の総括電荷のポリマーを添加することにより、上記第二工程において得られた該結晶性分子二重層を安定にする第三工程であって、該工程が、該混合物中に存在する該界面活性剤の鎖の融点より低い温度において行われる工程。
  24. アニオン界面活性剤の過剰が、金属対イオンを有するアニオン界面活性剤から成る場合に、方法の第一工程が、
    OH-対イオンを有するカチオン界面活性剤が、初めにQCSに等しいQAS1量の、H対イオンを有するアニオン界面活性剤と混合される第一サブ工程、および次いで、
    金属対イオンを有するアニオン界面活性剤のモル量QAS2が添加される第二サブ工程
    を含むことを特徴とする、請求項23記載の方法。
  25. 水性溶媒が、1MOhm以下の導電率を有することを特徴とする、請求項23または24記載の方法。
  26. 水性溶媒が、水およびグリセロールならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか1項記載の方法。
  27. 第一工程の間、溶液中の界面活性剤の全濃度が、該溶液の全重量に対して、0.01〜3重量%であることを特徴とする、請求項23〜26のいずれか1項記載の方法。
  28. 第一工程の間、混合物が、30℃を超え、80℃未満の温度に加熱されることを特徴とする、請求項23〜27のいずれか1項記載の方法。
  29. 第一工程の間、少なくとも1種の活性物質が混合物に添加されることを特徴とする、請求項23〜28のいずれか1項記載の方法。
  30. 活性物質が、薬学的活性成分、化粧用活性物質、細胞およびDNAまたはRNAフラグメントから選択されることを特徴とする、請求項29記載の方法。
  31. 第三工程中に混合物に添加されるポリマーの体積分率が、カチオンおよびアニオン界面活性剤の全質量の1〜2倍であることを特徴とする、請求項23〜30のいずれか1項記載の方法。
  32. 活性種のベクトル化または揮発性分子の吸着およびゆっくりした拡散による保持のための薬剤として使用するための、請求項1〜22のいずれか1項記載のカタニオニック膜。
  33. 小面中空多面体の形態にあり、かつ、
    薬剤をベクトル化する目的のために該薬剤をカプセル化するため、
    全てのバクテリアまたはDNAもしくはRNAフラグメントをカプセル化するため、
    該多面体の内側で生起する化学反応のために試薬を保持するため、
    該多面体の細孔を横切って内側の試薬の遅い拡散により、該多面体の内側で沈殿または結晶化反応を行うため、
    多面体の束の形態において凝集により得られる、クリームの製造用化粧成分として、
    使用され、逆の表面電位の表面への該多面体の吸着後に、活性分子の効率的な拡散を可能にすることを特徴とする、請求項32記載のカタニオニック膜。
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