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JP2007502515A - 光抽出素子を備えるエレクトロルミネッセンスパネル - Google Patents

光抽出素子を備えるエレクトロルミネッセンスパネル Download PDF

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Abstract

本発明は基板(1)を含むパネルに関し、基板は、エレクトロルミネッセンスセル(21)に分割され、一方は透明で他方は不透明な電極の2つの層の間に挿入された有機エレクトロルミネッセンス層と、反射の使用を包含する光抽出子の層(3)とを支持し、各抽出子(31)は、透明材料から成り、各セル(21)のエレクトロルミネッセンス層の領域が複数の抽出子と光学的に結合される場所に、入射区画(32)と、出射区画(33)と、反射的な側壁(34)とを含む。光抽出能力が向上すると共に、製造上の制約を限定し、限定的な幅のパネルを維持する。

Description

本発明は、セルによって発光された光の抽出を促進するための手段を有する有機エレクトロルミネッセンスセル(以下、「OLED」という)の一次元又は二次元マトリックスを含む照明又は映像ディスプレイパネルに関し、それは発光効率を著しく向上する。
そのようなディスプレイパネルは、エレクトロルミネッセンス(以下「EL」という)セルに分割され、且つ、各セルに電力供給するために、電極の少なくとも2つの配列、即ち、陽極の一方及び陰極の他方の間に挿入された有機EL薄層を支持する基板を含むのが一般的である。そのようなディスプレイパネルは、基板に対する反対側で、電極層の1つに塗布される封入層も含む。EL層を如何なる損傷の危険性からも保護するよう、特に大気中の酸素又は水蒸気の影響から保護するよう、それはセルを密閉して封止するよう設計されている。
この基板は一般的にガラス製であるが、プラスチック製でも良い。基板の厚さは一般的に300μmと1500μmとの間の範囲であり、それは有機EL層よりも100〜500倍厚い。側辺の長さ又はセル(ピクセル又はサブピクセル)の直径は、一般的に100μmと300μmとの間の範囲であり、或いは、基板よりも1〜15倍薄い。
基板とEL層との間に挿入される電極の層は、幾つかの電極配列を含んでよく、一般的には「ボトム層」と呼ばれる。何故ならば、従来的な組立工程において、それはEL層より前に塗布されるからである。EL層の後及び「上」に塗布される他の電極層は「トップ層」と呼ばれる。
構造に依存して、表示されるべき映像の観察者に到達するために、EL層によって発光される光は、基板、よって、電極のボトム層を通過しなければならず(「バックエミッション方式」ディスプレイと呼ばれるものの場合)、或いは、他方、「トップエミッション方式」ディスプレイと呼ばれるものの場合には、電極のトップ層を通過しなければならない。双方の場合において、EL層によって発光される光は電極層の一方を通過しなければならず、他方の電極層は一般的に不透明である。
透明電極層は、一般的に「ITO」から成り、ITOの電子特性を前提として、陽極セルとして作用し、不透明である他方の電極層は一般的に金属製であり、その場合には、陰極セルとして作用する。観察者に対して反対方向に発光される光を回収するために、この後者の層は反射的であり得る。
従って、ディスプレイの各セルは、透明な電極層領域を含む「窓」、場合によっては、透明な基板領域を通じて、外側に向かって光を発光する。
多様な発光又は透明層は、概ね高い屈折率を示す。即ち、EL層に関しては、1.6〜1.7であり、ITO電極層に関しては、1.6〜2であり、発光された光が基板を通過する場合、ガラス基板に関しては、約1.5である。これらの層と観察者が位置する空気(指数=1)との間の屈折率の大きな差は、EL層によって発光される光の抽出効率を大幅に制限し、次いで、それはディスプレイの発光効率を制限する。実際には、この界面における屈折の臨界角(又は全反射角)よりも大きい入射角を備える、これらの層の間(或いは最終層と空気との間)の光界面の1つに到達する如何なる光線も、全反射され、ディスプレイパネル内に捕捉され、且つ、概ね失われる。以下に記載されるような追加的な抽出システムがなければ、不透明な電極層が反射的である好適な場合において、抽出効率は概ね約0.19である。
光の抽出を向上するために、米国特許第6、091、384号(Pioneer)及び米国特許第6,229,160号(Lumileds Lighting)の文献は、反射による抽出のためのシステムを提案している。即ち、透明な光抽出バーが各セルの発光窓に当接されている。他の文献は、レンズ(1つのセルにつき1つのレンズを備える)、又は、日本国公報2001−117499号のようなマイクロレンズ(1つのセルにつき複数のレンズを備える)に基づく屈折による抽出のためのシステムを提案している。
光抽出バーに関する前述の文献によれば、これらの抽出バーの各々は、透明材料から成り、且つ、セルの発光窓に当接された透明な入射界面と、ディスプレイの外部方向に向けられた透明な出射界面と、これらの界面の間の反射側壁とを含む光路を形成している。
EL層内で発光される光の大部分がこれらのバー内に浸透するよう、バー材料の屈折率が選択される。従って、各バーは対応するセルのための光抽出路を形成している。
これらのバーの入射界面の形状は、セル発光窓の形状に適合されている。
バーの入射界面に入射する光の大部分が、直接的に或いはこのバーの側壁上での全反射後にその出射界面から出現するよう、これらのバーの出射界面の形状、これらのバーの長さ、及び、それらの側壁の形状が選択されている。
これらのバーの側壁は、不透明且つ反射的、又は、透明であり得る。反射的で不透明な壁は、例えば、金属化によって得られる。それらが透明である場合には、これらの壁によって形成される光界面を打つ光線の大部分を反射し、且つ、出射界面からの光線の抽出を可能にするために、これらの壁によって形成される光界面が可能な限り高い屈折の臨界角をもたらすことが重要である。
各バーの側壁の役割は、このバーの出射界面上でのこれらの光線の入射角を、この出射界面を通じた屈折の臨界角より下の値に低減するよう、反射によって、それらを打つ光線の方向を変更することである。
実際上は、光抽出バーは概ね互いに当接し合い、バックエミッション型ディスプレイの場合には、EL層とは反対側の上で基板に塗布され、トップエミッション型ディスプレイの場合には、透明な電極のトップ層に塗布される抽出層を形成する。
抽出層の厚さは、各セルの発光窓の表面領域に依存する。それは基板の厚さよりも概ね大きい。従って、この層は比較的厚く、それはディスプレイを重くし、フレキシブルパネルディスプレイのためにそのような層を予想し得ない。
そのような層の塗布中、整列の問題がある。実際には、それは、各バーの入射界面がセルの発光窓と一致するよう位置付けられなければならない。これらの位置決めの制約は、ディスプレイの製造工程をより困難にする。
本発明の1つの目的は、上述の欠点を回避することである。
この目的のために、本発明の主題は、エレクトロルミネッセンスセルに分割され、且つ、一方は透明で他方は不透明な2つの電極の層の間に挿入された有機エレクトロルミネッセンス層と、反射によって動作する光抽出子の層とを有し、各抽出子は、透明な材料から成り、且つ、エレクトロルミネッセンス層に光学的に結合される光入射界面と、ディスプレイパネルの外側方向に向けられた光出射界面と、抽出子の内部に伝播する光のための反射光界面を形成する側壁とを支持する基板を含む照明又は映像ディスプレイパネルであって、各抽出子の側壁は、閉塞された反射表面を形成し、且つ、各セルのエレクトロルミネッセンス層領域は、複数の抽出子に光学的に結合されていることを特徴とするディスプレイパネルである。
そのようなディスプレイパネルにおいて、各セルは、各層の1つの電極を被覆する領域に対応する。各セルは、発光窓を通じてディスプレイの外側方向に光を発光する能力があり、それは、抽出子の層の上流と、電極の透明層の透明領域と、場合によっては、基板の透明領域とを含む。複数の抽出子に対するエレクトロルミネッセンス層の光学的結合が行われるのは、これらの上に位置する透明領域を介してである。
よって、本発明によれば、各セルの発光窓は複数の抽出子を含むことで、このセルによって発光される光は、それらの出射界面を介してディスプレイから出現する前に、それらの出射界面を介してこの複数の抽出子に分配される。本発明に従った幾つかの抽出子に亘る各セルの光のこの分配の故に、この層の抽出性能を低減すること無しに、抽出層の幅を著しく減少し得る。従って、エレクトロルミネッセンス層に対する抽出子の入射界面の光学的結合は、米国特許第6,320,633号の文献におけるような誘電体層を介してではなく、透明電極層を介して行われる。
単一且つ同一のセル又はエレクトロルミネッセンスダイオードが、幾つかの多少の別個の発光領域を含むよう、米国公報第2002/101152号の文献の図3、4B、22、及び、23に例証されるように、各層からの電極によって被覆される領域を分割し得る。本発明とは逆に、これらの同一の図3、4B、22、及び、23に特に例証されているように、同一セルと関連する抽出子の側壁は、閉塞表面を全て形成するわけではないことがさらに留意されるべきである(これらの図面中の2つの上部発光領域の場合)。
従って、各抽出子は透明材料から成るバーを含み、その両端は光入射界面及び光出射界面を形成し、その側壁は閉塞反射表面、換言すれば、「光密」経路を形成する。閉塞表面は、入射又は出射界面と平行な如何なる断面も、正方形又は円形のような閉塞された曲線を形成することを意味するものと理解される。これらの断面は如何なる形状でもあり得る。例えば、概ね正方形又は円形の形状である。この反射表面の形状は特に円錐形であり得る。
透明電極層は必ずしも全体的に透明である必要はない。それは、例えば、セルの発光窓の間に挿入された不透明な伝導グリッドを含み得る。
バックエミッション方式の場合には、それ故に透明な基板は、必ずしも全体的に透明である必要はない。例えば、アクティブマトリックスディスプレイの場合には、この基板は、米国公報US2002/101152号の文献におけるように、セル発光窓の間に配置されたセルを駆動するための電子回路を統合する。
不透明電極層は反射的であるのが好ましく、それは、ディスプレイ出力と反対方向のEL層から発光される光の著しい部分が、セル発光窓に方向変更されるのを可能にする。これはディスプレイ発光効率の向上を可能にする。
抽出子の層は、例えば、典型的には2〜3μm前後の厚さである、抽出子の層よりもずっと薄い透明接着剤の層を介して、透明電極の上に直接的に塗布されるのが好ましい。
本発明のこの配置によれば、基板はどんな場合にも決して抽出子の層と透明電極層との間に位置しない。従って、EL発光層と抽出子の入射界面との間の距離は極めて小さく、好ましくは、2μm以下であり、それは、EL層背後の反射電極層の存在下で、光抽出をさらに向上し、発光効率のさらなる向上を可能にする。
複数の抽出子は、100個より多くの抽出子を含むのが好ましい。抽出子のこの高密度は、特に以下の2つの重要な利点をもたらす。
− それは抽出層の厚さを大幅に減少されることを可能にし、ディスプレイの重量を比例して減少することを可能にする。
− それは、ディスプレイの製造中に抽出層が塗布されるときに、セルとの抽出子の整列に関する制約を極めて著しく低減することを可能にする。
もしセル発光窓の寸法が抽出層の入口で100μm×300μmであり、もし6個の抽出子が幅に亘って配置され且つ18個が長さに沿って配置されるならば、1つのセル当たり108個の抽出子が得られる。各セルのために、各セル発光窓は従って少なくとも100個を超える抽出子を介して通る。
抽出層は封入層として作用し、或いは、(後者が多層である場合には)封入層の一部であるのが好ましい。この配置はトップエミッション方式の場合に特に有利である。
本発明は、添付の図面を参照する非限定的な実施例の方法によって提示される以下の記載を読むことによってより良く理解されよう。
記載を単純化し、且つ、本発明が従来技術の技法に対して提示する相違及び利点をより明らかにするために、同一の機能をもたらす素子のために同一の参照符号が用いられている。
図1乃至5を参照して、先ず第一に、トップエミッション型の本発明に従ったEL映像ディスプレイパネルの製造方法を記載する。
国際公開第WO01/15244号(EMAGIN)及び米国特許第5,920,080号(FED Co.)の文献に記載されているような従来的な方法を用いて、例えばアルミニウムから成る金属製電極の層と、分割された有機EL層と、ITOから成る透明電極の層とが、ガラス基板1上に、例えば0.75mmの厚さで連続的に蒸着されている。
アルミニウム層は反射的である。通常、EL層は幾つかの副層を含む。即ち、実際のEL発光副層自体とは別に、それは、特に、陰極として作用する電極と接触する電子注入副層と、陽極としての電極と接触する正孔注入副層とを含む。
有機EL層の区画は、例えば、100μm×300μmの寸法を有する長方形ベースを備えるセル21を形成する。
EL層はセル21に分割されている。EL層の両側に位置する電極の配列に属する陰極と陽極との間の各セルに電力が供給される。これらの電極配列は図面に示されていない。
ELセルを備える基板が図1に示されている。
加えて、図6に示されるような抽出層3が準備される。典型的には、抽出子31のシートに多面体形状を形成するよう設計された形状を備える型を用いて、透明な熱可塑性重合体の熱成型によって、そのような層を経済的に製造し得る。ここで、各多面体は、正方形の光入射界面32と、正方形の光出射界面33と、4つの平面的な台形の側壁34とを含む。
本発明によれば、抽出子の長方形の入射界面32のために、セルベースよりもずっと小さな寸法が選択される。
例えば、以下の寸法を選択し得る。
− 入射界面の側辺L:3μm
− 出射界面の側辺L:4μm
− 抽出層の厚さ=各抽出子の高さ:3μm
− 隣接する抽出子の厚さ:3μm
出射界面が入射界面よりも大きな表面領域を有するという事実は、各抽出子がフレア形状を有することを意味する。円筒形部分(それ故にフレアではない)を各抽出子の入口及び/又は出口に当接し得る。
抽出層3の断面が、入口及び/又は出口に(正方形の断面を備える)円筒形部分を有する抽出子31の拡大図と共に、図3に示されている。
以下に説明されるように、EL層との抽出子の光学的結合を向上するために、且つ、抽出子の側壁が、これらの抽出子内で伝播する光のために、本質的に反射的な光界面を形成するよう、透明な重合体材料のために十分に高い屈折率を備える材料が選択される。例えばPMMAのようなポリアクリル酸(指数=1.49)、ポリカーボネート又はポリスチレン(指数=1.58〜1.59)を用い得る。
本発明に従ったディスプレイパネルの構造を以下に記載する。
透明な接着剤4が、図1に示されるような基板のELセルに塗布される。セルと抽出子との間の光学的結合を向上するために、セルを被覆する透明な電極の層の屈折率と抽出層3の屈折率との間の屈折率を有する接着剤が選択されるのが好ましい。接着剤層の厚さは概ね1〜2μmの範囲である。
このように接着剤層で被覆されたELセルを備える基板が図2に示されている。
次に、抽出層3が接着剤層4の上に塗布され、図4に示されるように、抽出子の入射界面が接着剤層内に浸透するよう、基板に対して押圧され、それはELセルと抽出子の入射界面との間の距離が1μmより下に減少されることを有利に可能にし、よって、抽出効率の向上を可能にする。
接着剤の硬化後、本発明に従ったディスプレイパネルが得られる。抽出子の入射界面32はEL層に光学的に結合され、図4に示されるように、出射界面33はディスプレイの外側方向に向けられる。
このようにして得られるディスプレイにおいて、各セルは、平均して1200個の抽出子を有する(セル領域/抽出子ピッチの二乗の比率)。
この高いセル当たり抽出子の平均数の故に、セル21上へ抽出層3を塗布する間の整列の制約が回避され、且つ、優れた抽出性能を依然として得ながら、ここでは、3μmだけ、或いは、接着剤層を含めて約4μmの、より薄い抽出層が用いられる(以下を参照)。
抽出の動作原理が、3つの隣接する抽出子31を含む、本発明に従ったディスプレイパネルの一部の断面を例証する図5に示されており、それらの抽出子の側辺Lの入射界面32は、接着剤層4を介して、同一のセル21に光学的に結合されている。
図面に示される実施例では、図3に示される実施例とは対称的に、抽出子側壁は湾曲しているが、動作原理は双方の場合において同一である。
セル21から出現して抽出子31の1つに浸透する所与の光線のために、以下の様々な異なるシナリオが考えられる。
− 光線R1の場合:それは抽出子31を直接的に通過し、如何なる中間反射又は屈折もなく、出射界面33にまで至る。出射界面で、光線はディスプレイの外側方向に屈折される。
− 光線R2の場合:それは屈折の臨界角よりも大きい入射角で抽出子31の側壁34の1つに衝突する。従って、それは出射界面33の方向に反射され、それはそこでディスプレイの外側方向に屈折される。
− 光線R3の場合:それは屈折の臨界角よりも小さい入射角で抽出子31の側壁34の1つに衝突する。従って、それはこの透明な壁を通過して隣接する抽出子に至り、第二の屈折後、それは隣接する抽出子に浸透し、次に、この第二の抽出子を直接的に通過し、反射されることも屈折されることもなく、出射界面33にまで至る。それはそこでディスプレイの外側方向に屈折される。
抽出子のベース又は入射界面で抽出層に衝突しない光線もある。これらの光線は、それらがこの層によって全反射されることなしに、その内側に浸透し、次に、上記の光線R3と同様の方法で、1つの手段又は他の手段によって、そこから出現するような入射角をこの地点で示すか、或いは、これらの光線は、この地点でより傾斜され、次に、抽出層によってディスプレイの内部方向に反射され、それらはそこで反射アルミニウム電極(陰極)の層での反射によって再循環される。
ディスプレイの外側方向に導く、セル21によって発光される光線のための他の経路も勿論可能である。
透明電極の層(陽極)と抽出子の層との間の全反射のための臨界角が極めて大きいことは注目すべきことである。何故ならば、これらの層の間の指数の差が実際上小さいためである。従って、EL層によって発光される光線の大部分はこの界面を横断する。それ故に、この界面での反射による再循環率は、上述の再循環に比べ、比較的低いままである。
今しがた記載された特定の抽出層を用いることで(上述の抽出層を参照)、抽出層のない同一ディスプレイと比較すると、ディスプレイから発光された光の80%の利得が得られた。本発明の故に、抽出層がない場合の19%に対し、光抽出効率は30%を超え得る。
今しがた記載された実施態様の変形によれば、抽出層は、ディスプレイセルを封止し、且つ、EL層を酸素及び水蒸気に対して保護するための封入層として作用する。よって、この層のために用いられる透明な重合体材料は、それ自体は既知の方法で、相応して選択される。
本発明の範囲から逸脱することなしに、上記に記載された形状以外の抽出子の形状、特に、長方形ベースを備える多面体(入射界面及び出射界面は長方形)、切頭円錐(入射界面及び出射界面は円形)、又は、湾曲した側壁を備える抽出子を用い得る。
本発明は、トップエミッション方式のOLEDディスプレイを参照して記載された。請求項の範囲から逸脱することなしに、それを他の種類のディスプレイパネル、具体的には、バックエミッション方式ディスプレイに適用し得ることが当業者に明らかであろう。その場合には、抽出層は基板とEL層との間に有利に挿入される。
本発明の第一実施態様に従ったディスプレイパネルの幾つかの製造ステップを示す概略図である。 本発明の第一実施態様に従ったディスプレイパネルの幾つかの製造ステップを示す概略図である。 図1、2、及び、4に示されるディスプレイパネルの製造において用いられる抽出層を示す断面図である。 本発明の第一実施態様に従ったディスプレイパネルの幾つかの製造ステップを示す概略図である。 本発明の第二実施態様に従ったディスプレイパネルの同一セルに結合された3つの隣接する抽出子を示す断面図である。 図3における抽出層の下方から見た斜視図である。
本発明は、セルによって発光された光の抽出を促進するための手段を有する有機エレクトロルミネッセンスセル(以下、「OLED」という)の一次元又は二次元マトリックスを含む照明又は映像ディスプレイパネルに関し、それは発光効率を著しく向上する。
そのようなディスプレイパネルは、エレクトロルミネッセンス(以下「EL」という)セルに分割され、且つ、各セルに電力供給するために、電極の少なくとも2つの配列、即ち、陽極の一方及び陰極の他方の間に挿入された有機EL薄層を支持する基板を含むのが一般的である。そのようなディスプレイパネルは、基板に対する反対側で、電極層の1つに塗布される封入層も含む。EL層を如何なる損傷の危険性からも保護するよう、特に大気中の酸素又は水蒸気の影響から保護するよう、それはセルを密閉して封止するよう設計されている。
この基板は一般的にガラス製であるが、プラスチック製でも良い。基板の厚さは一般的に300μmと1500μmとの間の範囲であり、それは有機EL層よりも100〜500倍厚い。側辺の長さ又はセル(ピクセル又はサブピクセル)の直径は、一般的に100μmと300μmとの間の範囲であり、或いは、基板よりも1〜15倍薄い。
基板とEL層との間に挿入される電極の層は、幾つかの電極配列を含んでよく、一般的には「ボトム層」と呼ばれる。何故ならば、従来的な組立工程において、それはEL層より前に塗布されるからである。EL層の後及び「上」に塗布される他の電極層は「トップ層」と呼ばれる。
構造に依存して、表示されるべき映像の観察者に到達するために、EL層によって発光される光は、基板、よって、電極のボトム層を通過しなければならず(「バックエミッション方式」ディスプレイと呼ばれるものの場合)、或いは、他方、「トップエミッション方式」ディスプレイと呼ばれるものの場合には、電極のトップ層を通過しなければならない。双方の場合において、EL層によって発光される光は電極層の一方を通過しなければならず、他方の電極層は一般的に不透明である。
透明電極層は、一般的に「ITO」から成り、ITOの電子特性を前提として、陽極セルとして作用し、不透明である他方の電極層は一般的に金属製であり、その場合には、陰極セルとして作用する。観察者に対して反対方向に発光される光を回収するために、この後者の層は反射的であり得る。
従って、ディスプレイの各セルは、透明な電極層領域を含む「窓」、場合によっては、透明な基板領域を通じて、外側に向かって光を発光する。
多様な発光又は透明層は、概ね高い屈折率を示す。即ち、EL層に関しては、1.6〜1.7であり、ITO電極層に関しては、1.6〜2であり、発光された光が基板を通過する場合、ガラス基板に関しては、約1.5である。これらの層と観察者が位置する空気(指数=1)との間の屈折率の大きな差は、EL層によって発光される光の抽出効率を大幅に制限し、次いで、それはディスプレイの発光効率を制限する。実際には、この界面における屈折の臨界角(又は全反射角)よりも大きい入射角を備える、これらの層の間(或いは最終層と空気との間)の光界面の1つに到達する如何なる光線も、全反射され、ディスプレイパネル内に捕捉され、且つ、概ね失われる。以下に記載されるような追加的な抽出システムがなければ、不透明な電極層が反射的である好適な場合において、抽出効率は概ね約0.19である。
光の抽出を向上するために、米国特許第6、091、384号(Pioneer)及び米国特許第6,229,160号(Lumileds Lighting)の文献は、反射による抽出のためのシステムを提案している。即ち、透明な光抽出バーが各セルの発光窓に当接されている。他の文献は、レンズ(1つのセルにつき1つのレンズを備える)、又は、日本国公報2001−117499号のようなマイクロレンズ(1つのセルにつき複数のレンズを備える)に基づく屈折による抽出のためのシステムを提案している。
光抽出バーに関する前述の文献によれば、これらの抽出バーの各々は、透明材料から成り、且つ、セルの発光窓に当接された透明な入射界面と、ディスプレイの外部方向に向けられた透明な出射界面と、これらの界面の間の反射側壁とを含む光路を形成している。
EL層内で発光される光の大部分がこれらのバー内に浸透するよう、バー材料の屈折率が選択される。従って、各バーは対応するセルのための光抽出路を形成している。
これらのバーの入射界面の形状は、セル発光窓の形状に適合されている。
バーの入射界面に入射する光の大部分が、直接的に或いはこのバーの側壁上での全反射後にその出射界面から出現するよう、これらのバーの出射界面の形状、これらのバーの長さ、及び、それらの側壁の形状が選択されている。
これらのバーの側壁は、不透明且つ反射的、又は、透明であり得る。反射的で不透明な壁は、例えば、金属化によって得られる。それらが透明である場合には、これらの壁によって形成される光界面を打つ光線の大部分を反射し、且つ、出射界面からの光線の抽出を可能にするために、これらの壁によって形成される光界面が可能な限り高い屈折の臨界角をもたらすことが重要である。
各バーの側壁の役割は、このバーの出射界面上でのこれらの光線の入射角を、この出射界面を通じた屈折の臨界角より下の値に低減するよう、反射によって、それらを打つ光線の方向を変更することである。
実際上は、光抽出バーは概ね互いに当接し合い、バックエミッション型ディスプレイの場合には、EL層とは反対側の上で基板に塗布され、トップエミッション型ディスプレイの場合には、透明な電極のトップ層に塗布される抽出層を形成する。
抽出層の厚さは、各セルの発光窓の表面領域に依存する。それは基板の厚さよりも概ね大きい。従って、この層は比較的厚く、それはディスプレイを重くし、フレキシブルパネルディスプレイのためにそのような層を予想し得ない。
そのような層の塗布中、整列の問題がある。実際には、それは、各バーの入射界面がセルの発光窓と一致するよう位置付けられなければならない。これらの位置決めの制約は、ディスプレイの製造工程をより困難にする。
本発明の1つの目的は、上述の欠点を回避することである。
この目的のために、本発明の主題は、エレクトロルミネッセンスセルに分割され、且つ、一方は透明で他方は不透明な2つの電極の層の間に挿入された有機エレクトロルミネッセンス層と、反射によって動作する光抽出子の層とを有し、各抽出子は、透明な材料から成り、且つ、エレクトロルミネッセンス層に光学的に結合される光入射界面と、ディスプレイパネルの外側方向に向けられた光出射界面と、抽出子の内部に伝播する光のための反射光界面を形成する側壁とを支持する基板を含む照明又は映像ディスプレイパネルであって、各抽出子の側壁は、閉塞された反射表面を形成し、且つ、各セルのエレクトロルミネッセンス層領域は、複数の抽出子に光学的に結合されていることを特徴とするディスプレイパネルである。
そのようなディスプレイパネルにおいて、各セルは、各層の1つの電極を被覆する領域に対応する。各セルは、発光窓を通じてディスプレイの外側方向に光を発光する能力があり、それは、抽出子の層の上流と、電極の透明層の透明領域と、場合によっては、基板の透明領域とを含む。複数の抽出子に対するエレクトロルミネッセンス層の光学的結合が行われるのは、これらの上に位置する透明領域を介してである。
よって、本発明によれば、各セルの発光窓は複数の抽出子を含むことで、このセルによって発光される光は、それらの出射界面を介してディスプレイから出現する前に、それらの出射界面を介してこの複数の抽出子に分配される。本発明に従った幾つかの抽出子に亘る各セルの光のこの分配の故に、この層の抽出性能を低減すること無しに、抽出層の幅を著しく減少し得る。従って、エレクトロルミネッセンス層に対する抽出子の入射界面の光学的結合は、米国特許第6,320,633号の文献におけるような誘電体層を介してではなく、透明電極層を介して行われる。
単一且つ同一のセル又はエレクトロルミネッセンスダイオードが、幾つかの多少の別個の発光領域を含むよう、米国公報第2002/101152号の文献の図3、4B、22、及び、23に例証されるように、各層からの電極によって被覆される領域を分割し得る。本発明とは逆に、これらの同一の図3、4B、22、及び、23に特に例証されているように、同一セルと関連する抽出子の側壁は、閉塞表面を全て形成するわけではないことがさらに留意されるべきである(これらの図面中の2つの上部発光領域の場合)。
従って、各抽出子は透明材料から成るバーを含み、その両端は光入射界面及び光出射界面を形成し、その側壁は閉塞反射表面、換言すれば、「光密」経路を形成する。閉塞表面は、入射又は出射界面と平行な如何なる断面も、正方形又は円形のような閉塞された曲線を形成することを意味するものと理解される。これらの断面は如何なる形状でもあり得る。例えば、概ね正方形又は円形の形状である。この反射表面の形状は特に円錐形であり得る。
透明電極層は必ずしも全体的に透明である必要はない。それは、例えば、セルの発光窓の間に挿入された不透明な伝導グリッドを含み得る。
バックエミッション方式の場合には、それ故に透明な基板は、必ずしも全体的に透明である必要はない。例えば、アクティブマトリックスディスプレイの場合には、この基板は、米国公報US2002/101152号の文献におけるように、セル発光窓の間に配置されたセルを駆動するための電子回路を統合する。
不透明電極層は反射的であるのが好ましく、それは、ディスプレイ出力と反対方向のEL層から発光される光の著しい部分が、セル発光窓に方向変更されるのを可能にする。これはディスプレイ発光効率の向上を可能にする。
抽出子の層は、例えば、典型的には2〜3μm前後の厚さである、抽出子の層よりもずっと薄い透明接着剤の層を介して、透明電極の上に直接的に塗布されるのが好ましい。
本発明のこの配置によれば、基板はどんな場合にも決して抽出子の層と透明電極層との間に位置しない。従って、EL発光層と抽出子の入射界面との間の距離は極めて小さく、好ましくは、2μm以下であり、それは、EL層背後の反射電極層の存在下で、光抽出をさらに向上し、発光効率のさらなる向上を可能にする。
従って、本発明は、具体的には、米国公報第2001/035713号及び米国公報第2002/122642号に開示されているディスプレイパネルと区別される。
米国公報第2001/035713号において、トップエミッション方式有機発光ダイオードを例証する図5B、6B、及び、8Cは、EL層と抽出子との間に挿入された4つの層、即ち、電極510、607、806(もし陽極であれば、約300nmの厚さ)、パシベーション膜511,608、807(Si3N4、DLC:§60を参照)、封止膜512、610、808、及び、封止基板513、611、809があることを示している。当業者は、これに反して、これらの4つの層の結合された厚さが2μm以下であることをこの文献から推定し得ない。
米国公報第2002/122642号において、図8は、基板として並びに抽出層として作用するベース21上に実装された有機発光ダイオードを示している。段落54によれば、抽出層は各ダイオードのために複数の抽出子を含み、抽出子は図7に示される切頭円錐体の形態を有し得る。しかしながら、図3を参照して段落57で指し示されるように、300nm以下の粗さを得るために、抽出子の入射界面とダイオード自体との間に、有機又は無機層16を挿入することが推奨されている。従って、これに反して、当業者は、これに反して、ベース21の抽出層15とEL層25との間に挿入された層16の厚さが2μm以下であることをこの文献から推定し得ない。その上、この文献は、透明電極層が基板とは反対側で、換言すれば、ベース21とは反対側で、EL層の上に位置するトップエミッション方式ディスプレイを記載していない。
複数の抽出子は、100個より多くの抽出子を含むのが好ましい。抽出子のこの高密度は、特に以下の2つの重要な利点をもたらす。
− それは抽出層の厚さを大幅に減少されることを可能にし、ディスプレイの重量を比例して減少することを可能にする。
− それは、ディスプレイの製造中に抽出層が塗布されるときに、セルとの抽出子の整列に関する制約を極めて著しく低減することを可能にする。
もしセル発光窓の寸法が抽出層の入口で100μm×300μmであり、もし6個の抽出子が幅に亘って配置され且つ18個が長さに沿って配置されるならば、1つのセル当たり108個の抽出子が得られる。各セルのために、各セル発光窓は従って少なくとも100個を超える抽出子を介して通る。
抽出層は封入層として作用し、或いは、(後者が多層である場合には)封入層の一部であるのが好ましい。この配置はトップエミッション方式の場合に特に有利である。
本発明は、添付の図面を参照する非限定的な実施例の方法によって提示される以下の記載を読むことによってより良く理解されよう。
記載を単純化し、且つ、本発明が従来技術の技法に対して提示する相違及び利点をより明らかにするために、同一の機能をもたらす素子のために同一の参照符号が用いられている。
図1乃至5を参照して、先ず第一に、トップエミッション型の本発明に従ったEL映像ディスプレイパネルの製造方法を記載する。
国際公開第WO01/15244号(EMAGIN)及び米国特許第5,920,080号(FED Co.)の文献に記載されているような従来的な方法を用いて、例えばアルミニウムから成る金属製電極の層と、分割された有機EL層と、ITOから成る透明電極の層とが、ガラス基板1上に、例えば0.75mmの厚さで連続的に蒸着されている。
アルミニウム層は反射的である。通常、EL層は幾つかの副層を含む。即ち、実際のEL発光副層自体とは別に、それは、特に、陰極として作用する電極と接触する電子注入副層と、陽極としての電極と接触する正孔注入副層とを含む。
有機EL層の区画は、例えば、100μm×300μmの寸法を有する長方形ベースを備えるセル21を形成する。
EL層はセル21に分割されている。EL層の両側に位置する電極の配列に属する陰極と陽極との間の各セルに電力が供給される。これらの電極配列は図面に示されていない。
ELセルを備える基板が図1に示されている。
加えて、図6に示されるような抽出層3が準備される。典型的には、抽出子31のシートに多面体形状を形成するよう設計された形状を備える型を用いて、透明な熱可塑性重合体の熱成型によって、そのような層を経済的に製造し得る。ここで、各多面体は、正方形の光入射界面32と、正方形の光出射界面33と、4つの平面的な台形の側壁34とを含む。
本発明によれば、抽出子の長方形の入射界面32のために、セルベースよりもずっと小さな寸法が選択される。
例えば、以下の寸法を選択し得る。
- 入射界面の側辺L:3μm
- 出射界面の側辺L:4μm
- 抽出層の厚さ=各抽出子の高さ:3μm
- 隣接する抽出子の厚さ:3μm
出射界面が入射界面よりも大きな表面領域を有するという事実は、各抽出子がフレア形状を有することを意味する。円筒形部分(それ故にフレアではない)を各抽出子の入口及び/又は出口に当接し得る。
抽出層3の断面が、入口及び/又は出口に(正方形の断面を備える)円筒形部分を有する抽出子31の拡大図と共に、図3に示されている。
以下に説明されるように、EL層との抽出子の光学的結合を向上するために、且つ、抽出子の側壁が、これらの抽出子内で伝播する光のために、本質的に反射的な光界面を形成するよう、透明な重合体材料のために十分に高い屈折率を備える材料が選択される。例えばPMMAのようなポリアクリル酸(指数=1.49)、ポリカーボネート又はポリスチレン(指数=1.58〜1.59)を用い得る。
本発明に従ったディスプレイパネルの構造を以下に記載する。
透明な接着剤4が、図1に示されるような基板のELセルに塗布される。セルと抽出子との間の光学的結合を向上するために、セルを被覆する透明な電極の層の屈折率と抽出層3の屈折率との間の屈折率を有する接着剤が選択されるのが好ましい。接着剤層の厚さは概ね1〜2μmの範囲である。
このように接着剤層で被覆されたELセルを備える基板が図2に示されている。
次に、抽出層3が接着剤層4の上に塗布され、図4に示されるように、抽出子の入射界面が接着剤層内に浸透するよう、基板に対して押圧され、それはELセルと抽出子の入射界面との間の距離が1μmより下に減少されることを有利に可能にし、よって、抽出効率の向上を可能にする。
接着剤の硬化後、本発明に従ったディスプレイパネルが得られる。抽出子の入射界面32はEL層に光学的に結合され、図4に示されるように、出射界面33はディスプレイの外側方向に向けられる。
このようにして得られるディスプレイにおいて、各セルは、平均して1200個の抽出子を有する(セル領域/抽出子ピッチの二乗の比率)。
この高いセル当たり抽出子の平均数の故に、セル21上へ抽出層3を塗布する間の整列の制約が回避され、且つ、優れた抽出性能を依然として得ながら、ここでは、3μmだけ、或いは、接着剤層を含めて約4μmの、より薄い抽出層が用いられる(以下を参照)。
抽出の動作原理が、3つの隣接する抽出子31を含む、本発明に従ったディスプレイパネルの一部の断面を例証する図5に示されており、それらの抽出子の側辺Lの入射界面32は、接着剤層4を介して、同一のセル21に光学的に結合されている。
図面に示される実施例では、図3に示される実施例とは対称的に、抽出子側壁は湾曲しているが、動作原理は双方の場合において同一である。
セル21から出現して抽出子31の1つに浸透する所与の光線のために、以下の様々な異なるシナリオが考えられる。
− 光線R1の場合:それは抽出子31を直接的に通過し、如何なる中間反射又は屈折もなく、出射界面33にまで至る。出射界面で、光線はディスプレイの外側方向に屈折される。
− 光線R2の場合:それは屈折の臨界角よりも大きい入射角で抽出子31の側壁34の1つに衝突する。従って、それは出射界面33の方向に反射され、それはそこでディスプレイの外側方向に屈折される。
− 光線R3の場合:それは屈折の臨界角よりも小さい入射角で抽出子31の側壁34の1つに衝突する。従って、それはこの透明な壁を通過して隣接する抽出子に至り、第二の屈折後、それは隣接する抽出子に浸透し、次に、この第二の抽出子を直接的に通過し、反射されることも屈折されることもなく、出射界面33にまで至る。それはそこでディスプレイの外側方向に屈折される。
抽出子のベース又は入射界面で抽出層に衝突しない光線もある。これらの光線は、それらがこの層によって全反射されることなしに、その内側に浸透し、次に、上記の光線R3と同様の方法で、1つの手段又は他の手段によって、そこから出現するような入射角をこの地点で示すか、或いは、これらの光線は、この地点でより傾斜され、次に、抽出層によってディスプレイの内部方向に反射され、それらはそこで反射アルミニウム電極(陰極)の層での反射によって再循環される。
ディスプレイの外側方向に導く、セル21によって発光される光線のための他の経路も勿論可能である。
透明電極の層(陽極)と抽出子の層との間の全反射のための臨界角が極めて大きいことは注目すべきことである。何故ならば、これらの層の間の指数の差が実際上小さいためである。従って、EL層によって発光される光線の大部分はこの界面を横断する。それ故に、この界面での反射による再循環率は、上述の再循環に比べ、比較的低いままである。
今しがた記載された特定の抽出層を用いることで(上述の抽出層を参照)、抽出層のない同一ディスプレイと比較すると、ディスプレイから発光された光の80%の利得が得られた。本発明の故に、抽出層がない場合の19%に対し、光抽出効率は30%を超え得る。
今しがた記載された実施態様の変形によれば、抽出層は、ディスプレイセルを封止し、且つ、EL層を酸素及び水蒸気に対して保護するための封入層として作用する。よって、この層のために用いられる透明な重合体材料は、それ自体は既知の方法で、相応して選択される。
本発明の範囲から逸脱することなしに、上記に記載された形状以外の抽出子の形状、特に、長方形ベースを備える多面体(入射界面及び出射界面は長方形)、切頭円錐(入射界面及び出射界面は円形)、又は、湾曲した側壁を備える抽出子を用い得る。
本発明は、トップエミッション方式のOLEDディスプレイを参照して記載された。請求項の範囲から逸脱することなしに、それを他の種類のディスプレイパネル、具体的には、バックエミッション方式ディスプレイに適用し得ることが当業者に明らかであろう。その場合には、抽出層は基板とEL層との間に有利に挿入される。
本発明の第一実施態様に従ったディスプレイパネルの幾つかの製造ステップを示す概略図である。 本発明の第一実施態様に従ったディスプレイパネルの幾つかの製造ステップを示す概略図である。 図1、2、及び、4に示されるディスプレイパネルの製造において用いられる抽出層を示す断面図である。 本発明の第一実施態様に従ったディスプレイパネルの幾つかの製造ステップを示す概略図である。 本発明の第二実施態様に従ったディスプレイパネルの同一セルに結合された3つの隣接する抽出子を示す断面図である。 図3における抽出層の下方から見た斜視図である。

Claims (5)

  1. エレクトロルミネッセンスセルに分割され、且つ、一方は透明で他方は不透明な2つの電極の層の間に挿入され、各セルは、各層の1つの電極を被覆する領域に対応する、有機エレクトロルミネッセンス層と、
    反射によって動作する光抽出子の層とを有し、
    各抽出子は、透明な材料から成り、且つ、前記透明な電極の層を介して、前記エレクトロルミネッセンス層に光学的に結合される光入射界面と、ディスプレイパネルの外側方向に向けられた光出射界面と、前記抽出子の内部に伝播する光のための反射光界面を形成する側壁とを支持する基板を含む、
    照明又は映像ディスプレイパネルであって、
    各抽出子の前記側壁は、閉塞された反射表面を形成し、且つ、各セルの前記エレクトロルミネッセンス層領域は、複数の抽出子に光学的に結合されていることを特徴とする、
    ディスプレイパネル。
  2. 前記セルに関連する前記複数の抽出子は、100個を超える抽出子を含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
  3. 前記透明な電極の層は、前記基板とは反対側の前記有機エレクトロルミネッセンス層の上に位置し、
    当該ディスプレイパネルは、前記透明な電極の層の上に位置する封入層を含み、
    前記抽出層は、前記封入層の一部を形成することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のディスプレイパネル。
  4. 前記抽出子の層は、前記透明な電極の層の上に直接的に塗布されることを特徴とする、請求項3に記載のディスプレイパネル。
  5. 前記不透明な電極層は反射的であることを特徴とする、上記請求項のうちいずれか1項に記載のディスプレイパネル。
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