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JP2007322382A - 転炉内溶鋼の測温方法 - Google Patents

転炉内溶鋼の測温方法 Download PDF

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JP2007322382A JP2006156275A JP2006156275A JP2007322382A JP 2007322382 A JP2007322382 A JP 2007322382A JP 2006156275 A JP2006156275 A JP 2006156275A JP 2006156275 A JP2006156275 A JP 2006156275A JP 2007322382 A JP2007322382 A JP 2007322382A
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Atsuhiro Ishikawa
淳浩 石川
Toshitaka Yuki
敏隆 湯木
Masahito Sugiura
雅人 杉浦
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Abstract

【課題】転炉内の溶鋼温度を測定するための視野を確保して、溶鋼温度を連続的に精度良く測定できると共に、羽口溶損を抑制して羽口の長寿命化を達成可能な転炉内溶鋼の測温方法を提供する。
【解決手段】内管10とその外側周囲に間隔を有して配置される外管11とを備える羽口12が底部13に設けられた転炉14内に、内管10からOガスを含む混合ガスを吹込むと共に、内管10と外管11との間からCOガスを含む冷却ガスを吹込みながら、転炉14内の溶鋼15温度を羽口12を介して輝度測定手段16により連続的に測定可能な転炉内溶鋼の測温方法であって、内管10に流す混合ガス中のOガス量を17%以上30%未満とし、しかも外管11と内管10との間に流すCOガス量を内管10に流すOガス量の10%を超え45%未満とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、転炉内の溶鋼温度を連続的に測定可能な転炉内溶鋼の測温方法に関する。
転炉内の溶鋼温度の測定は、溶鋼の温度制御を行うことはもとより精錬技術の観点からも重要である。通常、転炉内の温度測定は、サブランスと呼ばれる消耗型熱伝対を転炉内に挿入して行っているが、このサブランスは溶鋼中に投入した瞬間の溶鋼温度しか測定できず、間欠的な測定であるため、溶鋼温度のきめ細かな制御に活用しにくい。
そこで、連続的な溶鋼温度の測温が望まれている。
例えば、特許文献1には、溶鋼(溶融金属)の入った容器に設けられた測温用ノズルにより、イメージファイバを介して容器内を撮影し、得られた画像データを元に溶鋼温度を演算して得る方法が開示されている。なお、測温用ノズルには、これに付着する地金を除去するためにOガスが吹き込まれている。
また、特許文献2には、転炉内の観察のため、ガス吹込内管よりOガスを含有するガスを吹き込み、溶鋼と直接接触しない観察孔の閉塞を防止しつつ、炉内観察を行う方法が開示されている。
特開2004−37163号公報 特開昭60−228930号公報
しかしながら、前記従来の測温方法には未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1に開示された技術は、溶鋼温度の測定時におけるノズル閉塞の対処方法として、ノズルにOガスを流すことについて言及しており、そのOガス量は50%以上が望ましいと記載している。しかし、このように酸素ガス量が多過ぎる場合、測温時にノズルを閉塞する金属をOガスで焼き切るような現象が生じ、溶鋼の発する輝度以外の輝度(例えば、ハレーション)が影響して、溶鋼温度の測温精度の悪化、及び羽口の溶損が生じる。
また、特許文献2に開示された技術は、内管に吹き込むガスのOガス量を変化させることで、観察孔の閉塞を回避することについて言及している。しかし、特許文献2の第3頁右下欄9〜13行目、及び表1に示すように、外管に冷却用として流すCOガス量は、内管に流すOガス量の50〜200%に設定されており、その冷却効果が強過ぎるため、観察孔に地金が生成して閉塞する現象が発生している。
以上のことから、特許文献1、2を使用した場合、転炉内の溶鋼温度を測定するためのノズル及び観察孔の視野の確保と、これに伴う測温精度の向上及び羽口溶損の抑制を同時に達成できない。
なお、特許文献2については、温度変換の際の演算方法において、得られた画像データのどの部分を温度への換算データとして使用するかについても明確にされていないため、適切な温度変換を実施できない恐れもある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、転炉内の溶鋼温度を測定するための視野を確保して、溶鋼温度を連続的に精度良く測定できると共に、羽口溶損を抑制して羽口の長寿命化を達成可能な転炉内溶鋼の測温方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る転炉内溶鋼の測温方法は、内管とその外側周囲に間隔を有して配置される外管とを備える羽口が底部に設けられた転炉内に、前記内管からOガスを含む混合ガスを吹込むと共に、前記内管と前記外管との間からCOガスを含む冷却ガスを吹込みながら、前記転炉内の溶鋼温度を前記羽口を介して輝度測定手段により連続的に測定可能な転炉内溶鋼の測温方法であって、
前記内管に流す前記混合ガス中の前記Oガス量を17%以上30%未満とし、しかも前記外管と前記内管との間に流す前記COガス量を前記内管に流す前記Oガス量の10%を超え45%未満とする。
本発明に係る転炉内溶鋼の測温方法において、前記輝度測定手段で得られた画像データの最高輝度を100%とした場合に、該最高輝度の85%以上の輝度を示す領域を用いて前記溶鋼温度を算出することが好ましい。
本発明に係る転炉内溶鋼の測温方法において、前記溶鋼はステンレス溶鋼であることが好ましい。
本発明に係る転炉内溶鋼の測温方法において、前記羽口は複数あって、該羽口のいずれか1又は2以上に前記輝度測定手段が配置されていることが好ましい。
本発明に係る転炉内溶鋼の測温方法において、前記輝度測定手段はCCDカメラであることが好ましい。
請求項1〜5記載の転炉内溶鋼の測温方法は、内管に流す混合ガス中のOガス量を所定範囲に設定するので、羽口の炉内側周辺部への地金の付着による羽口閉塞を抑制、更には防止できると共に、例えばハレーションのような他の輝度の影響を抑制、更には防止でき、溶鋼温度の測温精度の向上を図ることができる。
また、冷却ガスとして使用するCOガス流量を所定範囲に設定するので、羽口の炉内側周辺部への地金の付着による羽口閉塞を抑制、更には防止できると共に、羽口の溶損を抑制、更には防止でき、溶鋼温度の測温精度の向上を図ることができる。
これにより、転炉内の溶鋼温度を測定するための視野を確保して、溶鋼温度を連続的に精度良く測定できると共に、羽口溶損を抑制して羽口の長寿命化を達成できる。
特に、請求項2記載の転炉内溶鋼の測温方法は、輝度測定手段で得られた画像データの最高輝度の85%以上の輝度を示す領域を用いて溶鋼温度を算出するので、例えば羽口の内面反射光のような他の輝度の影響を抑制、更には防止できると共に、溶鋼温度の算出に必要なデータ量を確保でき、溶鋼温度の測温精度の更なる向上を図ることができる。
請求項3記載の転炉内溶鋼の測温方法は、溶鋼としてステンレス溶鋼を使用するため、その温度制御を精度良く実施でき、これに伴うステンレス溶鋼の還元精度の向上を図ることができる。従来、ステンレス溶鋼を転炉で処理する際、その原料として、例えば、広範囲のCr濃度を備える種々の原料を使用していたためクロム酸化量が変動し、ステンレス溶鋼の還元精度が悪化していた。しかし、ステンレス溶鋼の温度制御を精度良く実施することで、これに伴うステンレス溶鋼の還元精度を向上させることができる。これにより、例えば、過還元によるステンレス溶鋼の成分不良(高[Si]、高[N])と、還元不足による低歩留及びスラグ流出を防止でき、転炉操業を安定化させることができる。
請求項4記載の転炉内溶鋼の測温方法は、複数の羽口のいずれか1に輝度測定手段が配置されている場合は、装置構成を簡単にできる。また、複数の羽口のいずれか2以上に輝度測定手段が配置されている場合は、各輝度測定手段から得られた画像データから、溶鋼温度の算出に必要な有効なデータを多く得ることができ、溶鋼温度の測温精度の更なる向上を図ることができる。
請求項5記載の転炉内溶鋼の測温方法は、輝度測定手段としてCCDカメラを使用するので、溶鋼の画像データを容易に得ることができ、その後のデータ処理も容易である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る転炉内溶鋼の測温方法を適用する装置構成の説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る転炉内溶鋼の測温方法は、内管10とその外側周囲に間隔を有して配置される外管11とを備える羽口(底吹羽口ともいう)12が底部13に設けられた転炉14内に、内管10からOガス(酸素ガス)を含む混合ガスを吹込むと共に、内管10と外管11との間からCOガス(炭酸ガス)を含む冷却ガスを吹込みながら、転炉14内の溶鋼15の温度を羽口12を介してCCDカメラ(輝度測定手段の一例)16により連続的に測定可能な方法である。以下、詳しく説明する。
転炉14では、予備処理を施した溶銑に対して脱炭精錬を行い、精錬末期に、羽口12の内管10(例えば、内径が10〜20mm程度)よりOガスを含む混合ガスを、外管11と内管10との隙間(例えば、半径方向の間隔が0.5〜5mm程度)より冷却ガスであるCOガスを、転炉14内にそれぞれ流して、転炉14内の溶鋼15の測温を行う。なお、冷却ガスが流れる部分の構造は、本実施の形態では空間となっているが、冷却ガスによる冷却効率が高められる構造であれば、これに限定されるものではない。
この転炉14内には、精錬時にOガス(酸素ガス)を吹込むための上吹きランス17が上方から挿入されている。なお、転炉14の容量は、例えば100トン以上200トン以下(ここでは、150トン)程度のものであるが、これに限定されるものではない。
転炉14内の溶鋼15は、転炉14内で処理されるものであれば特に限定されないが、高い測温精度を要する溶鋼、特にステンレス溶鋼を使用することで、本発明の効果がより顕著に現れる。
羽口12の内管10に流す混合ガスは、OガスとCOガスとで構成されているが、COガスの一部又は全部を他の不活性ガス(例えば、Nガス、Arガス)で代替してもよい。また、羽口12の外管11と内管10との間に流す冷却ガスは、COガスとしているが、溶鋼の撹拌効果を狙って、その一部(例えば、外管11と内管10との間に流すCOガス量の15%以上40%以下)をLPG(液化石油ガス:Liquefied petroleum gas)で代替してもよい。
ここで、羽口12の内管10に流すOガス量(ガス濃度)について説明する。
内管に流す混合ガスのOガス濃度が高くなるほど、羽口の炉内側周辺部(羽口周りともいう)に付着する地金を溶かす効果があり、その量が17%以上であれば、羽口の視野閉塞による溶鋼温度の測温不能という状況を回避でき、連続測温を安定にできる。
一方、混合ガスのOガス濃度が高過ぎると、火点影響、例えば、測温時にノズルを閉塞する金属をOガスで焼き切るような現象が生じ、溶鋼の発する輝度以外の輝度(例えば、ハレーション)が影響し、測温精度が低下してしまい、更に羽口の溶損も進行する。
以上のことから、内管に流すOガス量を混合ガス量の17%以上30%未満としたが、好ましくは下限値を20%とし、上限値を25%とする。
次に、羽口12の外管11と内管10との間に流すCOガス量(ガス濃度)について説明する。
内管に流すOガス量を前記した濃度に設定して、溶鋼温度の測定を行う場合、外管の冷却用COガス流量が多過ぎると、羽口の炉内側周辺部に地金が付着して羽口を閉塞してしまい、一方少な過ぎると羽口が溶損してしまう。
以上のことから、外管と内管との間に流すCOガス量を、内管に流すOガス量の10%を超え45%未満としたが、好ましくは下限値を15%とし、上限値を40%とする。
このように、混合ガスと冷却ガスを流す羽口12は、転炉14の底部13周方向に渡って複数設けられており、この羽口12の外側であって、羽口12内部を撮像できる位置にCCDカメラ16が配置されている。なお、CCDカメラ16は、複数の羽口12のいずれか1に配置すればよいが、2以上にそれぞれ設置してもよい。
このCCDカメラ16は、転炉14内の溶鋼15の輝度を撮像し、アナログ画像信号(輝度を表すビデオ信号)を出力するものであり、CCDカメラ16のシャッター速度及び読み取り(ビデオ信号出力レベル)は、コントローラを介して制御される。なお、輝度測定手段としては、転炉14内の溶鋼15の輝度を撮像できれば、CCDカメラに限定されるものではない。
このアナログ画像信号は、画像入力手段に送られる。画像入力手段は、アナログ画像信号を256階調のデジタル画像データ(輝度を表す画像データ)に変換して、その内部メモリーに書き込み、これを繰り返して最新のデジタル画像データを保存するものである。そして、保存されたデジタル画像データをパソコン18に転送し、パソコン18はこのデジタル画像データを内部メモリに書き込む。
パソコン18は、取り込んだデジタル画像データを用いて温度計測処理を行い、その結果を外部の出力装置であるディスプレイ19に表示する。なお、出力装置には、プリンター及び外部記憶装置も含まれている。
ここで、CCDカメラ16で得られた画像データを温度に変換する処理方法について説明する。
理想状態では、羽口12内部を撮像した画像データの全体が、略均一の輝度を示すはずであるが、例えば、転炉14の使用に伴って羽口12の炉内側周辺部に地金が付着するため、画像データに溶鋼の輝度を示す領域と、この輝度が地金によって妨げられる領域とが現れる。
そこで、得られた画像データの最高輝度を100%とした場合に、この最高輝度の85%以上の輝度を示す領域を用いて溶鋼温度を算出した。
ここで、溶鋼温度の算出に使用する領域の輝度を、最高輝度の85%以上に設定したのは、金属の反射率が0.85%以下であり、最高輝度の85%未満の領域が羽口の内面反射光(ノイズ)を拾っている可能性が高いこと、また最高輝度に近い領域だけでは使用可能な画像データ量が少なくなり、測定精度が低下する可能性があることに起因する。
このことから、画像データとして使用する領域の輝度を、最高輝度の85%以上の輝度としたが、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上とする。
なお、最高輝度の85%とは、例えば、得られた画像データの最高輝度が256階調(0〜255)の最大値である場合、255×0.85=216.75、即ち217以上の輝度を意味する。従って、得られた画像データの最高輝度が下がれば、それに伴って85%に相当する輝度も下がる。
このようにして抽出された領域の輝度の平均値を求め、これを温度に換算することにより、溶鋼温度が測定できる。なお、輝度から温度への換算方法としては、例えば、予めオフラインの黒体炉で校正された輝度−温度換算の光電変換特性に基づく方法を使用できる。
これにより、転炉内の溶鋼温度を測定するための視野を確保して、溶鋼温度を連続的に精度良く測定できると共に、羽口溶損を抑制して羽口の長寿命化を達成できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
図1に示す装置を使用して、容量150トンの転炉でステンレス溶鋼の精錬を行い、溶鋼温度の連続測定を実施した。ここで、測温対象としたステンレス溶鋼は、予備処理を施した溶銑([C]=約4質量%、[Si]=約0.01質量%、[Mn]=約0.1質量%、[P]=約0.02質量%、[S]=約0.01質量%)に対して脱炭精錬を行ったもので、精錬末期([C]=約0.7質量%)のタイミングで5分程度、底吹羽口の内管よりOガスとCOガスとで構成される混合ガスを、外管と内管との間より冷却ガスであるCOガスを、転炉内にそれぞれ流して測温を行った。なお、ステンレス溶鋼には、精錬時に上吹きランスからOガスが吹き込まれると共に、Fe−Cr合金(フェロクロム合金)が添加されている。
そして、底吹羽口に設置したCCDカメラにより、転炉内の画像を連続的に撮影し、得られた画像データのうち、最高輝度に対して設定した割合以上の輝度を示す領域の平均の輝度を用いて、温度への変換を行った。
このとき、内管に流すOガス量(内管に流す混合ガス中のOガス量)、外管に流すCOガス量(内管に流すOガス量に対する外管と内管との間に流すCOガス量)、及び画像データとして使用する輝度の下限値を種々変化させ、羽口の視野、羽口の溶損状況、及び測温精度の結果について検討した。なお、羽口の視野の評価については、羽口の内面積の1/3以上で溶鋼が撮像できたものを「○」とし、内面積の1/3未満で溶鋼が撮像できたもの「×」とした。また、羽口の溶損状況の評価については、転炉で溶鋼を150チャージ(150回)処理した後の羽口交換時に、羽口が健全であったものを「○」とし、健全でなかったものを「×」とした。そして、測温精度の評価については、従来行っていたサブランスでの測定温度を基準として±30℃の範囲内を「○」とし、基準に対して+30℃を超え+50℃以下の範囲内又は−50℃以上−30℃未満の範囲内を「△」とし、+50℃を超える範囲又は−50℃未満の範囲を「×」とした。これらを表1に示す。
Figure 2007322382
まず、内管に流すOガス量について検討した結果について説明する。
この比較検討は、実施例1〜3、比較例1、2を使用して行った。なお、外管に流すCOガス量は、内管に流すOガス量の28%に設定し、画像データとして使用した輝度の領域を最高輝度の80%以上に設定した。
比較例1に示すように、Oガス量が最適範囲の下限値を下回る(10%)ことで、Oガス量が少なくなり過ぎたため、羽口の溶損は抑制できた(○)が、羽口の炉内側周辺部に地金が付着し、転炉内の輝度を撮像するための視野を確保できなかった(×)。このため、溶鋼温度は測定できなかった(−)。
一方、実施例1〜3に示すように、Oガス量を最適範囲(17%以上30%未満)内に設定することで、羽口の溶損は抑制でき(○)、羽口の炉内側周辺部への地金の付着も抑制できた(○)。なお、画像データとして使用した輝度の領域が、最適範囲の下限値を下回った範囲も含んでいた(80%以上)ため、測温精度はやや低下するが、転炉操業について問題ない程度の測温精度を得ることはできた(△)。
また、比較例2に示すように、Oガス量が最適範囲の上限値を上回る(30%)ことで、Oガス量が多くなり過ぎたため、羽口の炉内側周辺部への地金の付着は抑制でき、視野は確保できた(○)が、羽口の溶損が進行し(×)、更にハレーションによる測温精度の低下が発生した(×)。
以上のことから、内管より転炉内に吹込むOガス量を17%以上30%未満に設定する必要があることを確認できた。
次に、外管に流すCOガス量について検討した結果について説明する。
この比較検討は、実施例2、4、6、比較例3、4を使用して行った。なお、内管に流すOガス量は20%に設定し、画像データとして使用した輝度の領域を最高輝度の80%以上に設定した。
比較例3に示すように、COガス量が最適範囲の下限値を下回る(10%)ことで、COガス量が少なくなり、羽口の炉内側周辺部への地金の付着を抑制できて視野を確保できた(○)。また、ハレーションも発生しなかったため、溶鋼温度の測温精度も問題なかった(△)。しかし、COガス量が少なくなり過ぎたため、羽口の溶損が発生した(×)。
一方、実施例2、4、6に示すように、COガス量を最適範囲(10%を超え45%未満)内に設定することで、羽口の溶損は抑制でき(○)、羽口の炉内側周辺部への地金の付着も抑制できた(○)。なお、画像データとして使用した輝度の領域が、最適範囲の下限値を下回った範囲も含んでいた(80%以上)ため、測温精度はやや低下するが、転炉操業について問題ない程度の測温精度を得ることはできた(△)。
また、比較例4に示すように、COガス量が最適範囲の上限値を上回る(45%)ことで、COガス量が多くなり過ぎたため、羽口の溶損は抑制できた(○)が、羽口の炉内側周辺部への地金の付着が著しく、転炉内の輝度を撮像するための視野を確保できなかった(×)。このため、溶鋼温度は測定できなかった(−)。
以上のことから、外管より転炉内に吹込むCOガス量を、内管より転炉内に吹込むOガス量の10%を超え45%未満に設定する必要があることを確認できた。
そして、画像データとして使用する輝度について検討した結果について説明する。
この比較検討は、実施例2、5、7〜9を使用して行った。なお、内管に流すOガス量を20%に設定し、外管に流すCOガス量を、内管に流すOガス量の28%に設定した。
実施例2は、前記したように、画像データとして使用した輝度の領域が、最適範囲の下限値を下回った範囲も含んでいた(80%以上)ため、測温精度はやや低下するが、転炉操業について問題ない程度の測温精度を得ることはできた(△)。
一方、実施例5に示すように、画像データとして使用した輝度を、最適範囲である最高輝度の85%以上に設定することにより、良好な測温精度を得ることができた(○)。
更に、実施例7、8に示すように、画像データとして使用した輝度の領域を、更に限定する(90%以上、95%以上)ことで、更に良好な測温精度を得ることができた(○)。
ここで、実施例7の条件(冷却ガスであるCOガスの流量:25Nm/hr)について、溶鋼温度の測定時のCCDカメラによる撮影画像を図2に示す。なお、図2の円内部20が羽口の内部を示し、円内の閉曲線内部21が最高輝度の90%以上の輝度を現す領域であり、外部(円内部20の閉曲線内部21を除く部分)は90%未満、もしくは地金により閉塞された領域である。
このように、実施例7においては、羽口に流すOガス量及びCOガス量を、適正範囲に設定していたため、羽口の視野は測温可能な程度に安定的に開孔しており(比較例1〜4と比較して)、図3に示すように、溶鋼温度の連続測温が可能となった。なお、図3に示す測温は、数秒間隔で測温した結果であるが、測温の間隔を調整することで、1秒以下の測温も勿論可能である。一方、従来使用していた代表的な測温手段であるサブランスによる測温では、2〜3分に1回の測温を行うことが限界であり、通常は1チャージに1回程度である。
従って、従来できなかったきめ細かな温度制御ができることを確認できた。
また、実施例7について、サブランス(SL)による測温結果とCCDカメラによる測定温度との関係は、図4に示すように、±30℃の範囲内に収めることができ、画像データとして使用した輝度の下限値を設定することが、測温精度に影響を及ぼすことがわかる。
しかし、実施例9に示すように、画像データとして使用した輝度が最高輝度に近づき過ぎる場合(97%以上)、使用可能な画像データ量が少なくなり過ぎて、測温精度が低下した(△)。
以上のことから、画像データとして最高輝度の85%以上の輝度の領域のデータを使用する必要があることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の転炉内溶鋼の測温方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係る転炉内溶鋼の測温方法を適用する装置構成の説明図である。 本発明の実施例7に示す条件での測温時のCCDカメラによる撮影画像の説明図である。 本発明の実施例7に示す条件での連続測温の結果を示す説明図である。 本発明の実施例7に示す条件でのサブランス(SL)による測温結果とCCDカメラによる測定温度との関係を示す説明図である。
符号の説明
10:内管、11:外管、12:羽口、13:底部、14:転炉、15:溶鋼、16:CCDカメラ(輝度測定手段)、17:上吹きランス、18:パソコン、19:ディスプレイ、20:円内部、21:閉曲線内部

Claims (5)

  1. 内管とその外側周囲に間隔を有して配置される外管とを備える羽口が底部に設けられた転炉内に、前記内管からOガスを含む混合ガスを吹込むと共に、前記内管と前記外管との間からCOガスを含む冷却ガスを吹込みながら、前記転炉内の溶鋼温度を前記羽口を介して輝度測定手段により連続的に測定可能な転炉内溶鋼の測温方法であって、
    前記内管に流す前記混合ガス中の前記Oガス量を17%以上30%未満とし、しかも前記外管と前記内管との間に流す前記COガス量を前記内管に流す前記Oガス量の10%を超え45%未満とすることを特徴とする転炉内溶鋼の測温方法。
  2. 請求項1記載の転炉内溶鋼の測温方法において、前記輝度測定手段で得られた画像データの最高輝度を100%とした場合に、該最高輝度の85%以上の輝度を示す領域を用いて前記溶鋼温度を算出することを特徴とする転炉内溶鋼の測温方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の転炉内溶鋼の測温方法において、前記溶鋼はステンレス溶鋼であることを特徴とする転炉内溶鋼の測温方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の転炉内溶鋼の測温方法において、前記羽口は複数あって、該羽口のいずれか1又は2以上に前記輝度測定手段が配置されていることを特徴とする転炉内溶鋼の測温方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の転炉内溶鋼の測温方法において、前記輝度測定手段はCCDカメラであることを特徴とする転炉内溶鋼の測温方法。
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