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JP2007321802A - 円錐ころ軸受 - Google Patents

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Hiromitsu Kondo
博光 近藤
Shoji Matsuoka
章二 松岡
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】鉄道車両用駆動装置の小歯車の回転軸を支持する円錐ころ軸受のように、運転初期に外部から潤滑油が供給されなくても、円錐ころと内外輪の軌道面との転動面や、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面における焼付きを的確に防止できるようにすることである。
【解決手段】保持器5の柱部5dの内径面に、ポケット5aの軸方向長さよりも短い独立した油溜まり溝6を設けることにより、これらの油溜まり溝6に効率よく潤滑油を溜め、溜めた潤滑油を保持器5の回転によって速やかに回転方向と反対側の側方に放出し、運転初期に外部から潤滑油が供給されなくても、放出した潤滑油をポケット5aから円錐ころ4の転動面や、内輪の大鍔と摺接する大端面4aに供給して、これらの転動面や摺接面における焼付きを的確に防止できるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、円錐ころ軸受に関し、特に、鉄道車両用駆動装置の小歯車の支持に好適な円錐ころ軸受に関する。
鉄道車両用駆動装置は、本発明の実施形態を説明する図3に示すように、車輪21の車軸22に固設された大歯車23に、回転駆動源から駆動力を伝達される小歯車24を噛み合わせて、車軸22を回転駆動するようになっている。通常、小歯車24の回転軸25は、一対の円錐ころ軸受1によって支持されており、この円錐ころ軸受1は、大歯車23の一部が浸漬し、その回転によってかき上げられる油溜まり27のギヤ油によって潤滑されるようになっている。
前記大歯車23が固設された車軸22を支持する円錐ころ軸受26は、油溜まり27から近い位置にあるので、大歯車23の回転によってギヤ油の飛沫が多く降りかかるが、小歯車24の回転軸25を支持する円錐ころ軸受1は、油溜まり27から上方に離れた位置にあるので、ギヤ油の飛沫が降りかかる量が比較的少ない。
このため、前記小歯車の回転軸を支持する円錐ころ軸受は、鉄道車両が高速で走行しているときは、潤滑に必要なギヤ油の飛沫が供給されるが、鉄道車両が低速で走行し始めるときには、ギヤ油の飛沫があまり供給されず、潤滑が不十分となることがある。特に、寒冷地で夜間停止し、早朝に走行し始めるときには、ギヤ油の粘度が高くなっているので、ギヤ油の飛沫がほとんど供給されず、潤滑状態が悪化して、円錐ころの転動面と内外輪の軌道面や、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面で焼付きが発生することがある。特に、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面では、この摺接による内輪の急激な温度上昇によって初期の軸受隙間がなくなり、摺接面圧の上昇によって短時間で焼付きが発生しやすい。
上述したような、鉄道車両が寒冷地で走行し始めるときにおける、小歯車の回転軸を支持する円錐ころ軸受での潤滑状態の悪化を防止する手段としては、円錐ころ軸受の外輪内周面の大径側非軌道面部に円周方向の溝を設け、この溝に潤滑油保持用の弾性部材を装着したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−344100号公報
特許文献1に記載されたものは、外輪内周面に設けた円周方向溝に装着した弾性部材によって潤滑油を保持することはできるが、この円周方向溝を設けた外輪は回転しないので、鉄道車両が走行し始めても、弾性部材によって保持された潤滑油が保持されたままで、円錐ころと内外輪の軌道面との転動面や、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面にあまり供給されず、これらの転動面や摺接面での焼付きを的確に防止できない問題がある。特に、より厳しい条件となる摺接面での焼付きは防止できない。
そこで、本発明の課題は、鉄道車両用駆動装置の小歯車の回転軸を支持する円錐ころ軸受のように、運転初期に外部から潤滑油が供給されなくても、円錐ころと内外輪の軌道面との転動面や、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面における焼付きを的確に防止できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明は、片側に大鍔を有する内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に、複数の円錐ころが大端面を前記内輪の大鍔側に向けて配列され、これらの円錐ころが、大径円環部と小径円環部と、これらの円環部を連結する複数の柱部とで形成された保持器のポケットに保持された円錐ころ軸受において、前記保持器の柱部の内径面または外径面に、前記ポケットの軸方向長さよりも短い独立した油溜まり溝を設けた構成を採用した。
すなわち、保持器の柱部の内径面または外径面に、ポケットの軸方向長さよりも短い独立した油溜まり溝を設けることにより、柱部の油溜まり溝に効率よく潤滑油を溜め、この油溜まり溝に溜めた潤滑油を、保持器の回転によって速やかに回転方向と反対側の側方に放出し、運転初期に外部から潤滑油が供給されなくても、放出した潤滑油をポケットから円錐ころの転動面と内外輪の軌道面や、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面に供給して、これらの転動面や摺接面における焼付きを的確に防止できるようにした。
前記油溜まり溝の深さは前記柱部の厚みの1/2以下、その幅は柱部の幅の2/3以下とするのが、柱部の強度を確保する上で好ましい。
前記油溜まり溝を、前記大径円環部側へ寄せて設けることにより、油溜まり溝から放出される潤滑油をより速やかに多く、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面に供給し、この摺接面における焼付きをより的確に防止することができる。
前記大径円環部に、前記油溜まり溝を設けた内径面側または外径面側へ突出する環状リブを設けることにより、油溜まり溝から放出されて、保持器の回転に伴う遠心力で内径面または外径面に沿って大径円環部側へ移動する潤滑油を環状リブで堰き止め、堰き止めた潤滑油をポケットの大径円環部側から円錐ころの大端面に供給し、内輪の大鍔との摺接面における焼付きをさらに的確に防止することができる。
上述した各円錐ころ軸受は、鉄道車両の車軸に固設された大歯車に駆動力を伝達する鉄道車両用駆動装置の小歯車を支持するものに好適である。
本発明の円錐ころ軸受は、保持器の柱部の内径面または外径面に、ポケットの軸方向長さよりも短い独立した油溜まり溝を設けたので、柱部の油溜まり溝に効率よく潤滑油を溜め、この油溜まり溝に溜めた潤滑油を、保持器の回転によって速やかに回転方向と反対側の側方に放出し、運転初期に外部から潤滑油が供給されなくても、放出した潤滑油をポケットから円錐ころと内外輪の軌道面との転動面や、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面に供給して、これらの転動面や摺接面における焼付きを的確に防止することができる。
前記油溜まり溝を、大径円環部側へ寄せて設けることにより、油溜まり溝から放出される潤滑油をより速やかに多く、円錐ころの大端面と内輪の大鍔との摺接面に供給し、この摺接面における焼付きをより的確に防止することができる。
前記大径円環部に、油溜まり溝を設けた内径面側または外径面側へ突出する環状リブを設けることにより、油溜まり溝から放出されて、保持器の回転に伴う遠心力で内径面または外径面に沿って大径円環部側へ移動する潤滑油を環状リブで堰き止め、堰き止めた潤滑油をポケットの大径円環部側から円錐ころの大端面に供給し、内輪の大鍔との摺接面における焼付きをさらに的確に防止することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この円錐ころ軸受1は、図1に示すように、両側に大鍔2bと小鍔2cが設けられた内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に、複数の円錐ころ4が大端面4aを内輪2の大鍔2b側に向けて配列され、これらの円錐ころ4が保持器5のポケット5aに保持されている。
前記保持器5は、図2(a)、(b)に示すように、円錐ころ4を保持するポケット5aが、大径円環部5bと小径円環部5cと、これらの円環部5b、5cを連結する複数の柱部5dとで形成され、各柱部5dの内径面に、ポケット5aの軸方向長さよりも短い独立した油溜まり溝6が、大径円環部5b側へ寄せて設けられるとともに、大径円環部5bに内径面側へ突出する環状リブ7が設けられている。各油溜まり溝6の深さは柱部5dの厚みの1/2以下、その幅は柱部5dの幅の2/3以下とされている。したがって、各柱部5dの油溜まり溝6に溜められた潤滑油が、保持器5の回転によって速やかに回転方向と反対側の側方に放出され、放出された潤滑油の一部がそのままポケット5aから円錐ころ4の転動面に供給されるとともに、残りの潤滑油が内径面に沿って大径円環部5b側に移動し、環状リブ7に堰き止められて、ポケット5aの大径円環部5b側から円錐ころ4の大端面4aに供給される。
図3は、上述した円錐ころ軸受1を採用した鉄道車両用駆動装置を示す。この鉄道車両用駆動装置は、車輪21の車軸22に固設された大歯車23に、回転駆動源から駆動力を伝達される小歯車24を噛み合わせて、車軸22を回転駆動するようになっており、小歯車24の回転軸25が、一対の円錐ころ軸受1によって支持されている。この円錐ころ軸受1は、大歯車23の一部が浸漬し、その回転によってかき上げられる油溜まり27のギヤ油によって潤滑されるようになっている。
上述した実施形態では、保持器の油溜まり溝を全ての柱部の内径面に設けたが、これらの油溜まり溝は柱部の外径面に設けることもでき、一部の柱部のみに設けることもできる。また、油溜まり溝を柱部の外径面に設ける場合は、大径円環部の環状リブも外径面側へ突出させるとよい。
円錐ころ軸受の実施形態を示す縦断面図 aは図1の保持器の切欠き斜視図、bはaのIIb−IIb線に沿った断面図 図1の円錐ころ軸受を採用した鉄道車両用駆動装置を示す縦断面図
符号の説明
1 円錐ころ軸受
2 内輪
2a 軌道面
2b 大鍔
2c 小鍔
3 外輪
3a 軌道面
4 円錐ころ
4a 大端面
5 保持器
5a ポケット
5b 大径円環部
5c 小径円環部
5d 柱部
6 油溜まり溝
7 環状リブ
21 車輪
22 車軸
23 大歯車
24 小歯車
25 回転軸
26 円錐ころ軸受
27 油溜まり

Claims (5)

  1. 片側に大鍔を有する内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に、複数の円錐ころが大端面を前記内輪の大鍔側に向けて配列され、これらの円錐ころが、大径円環部と小径円環部と、これらの円環部を連結する複数の柱部とで形成された保持器のポケットに保持された円錐ころ軸受において、前記保持器の柱部の内径面または外径面に、前記ポケットの軸方向長さよりも短い独立した油溜まり溝を設けたことを特徴とする円錐ころ軸受。
  2. 前記油溜まり溝の深さを前記柱部の厚みの1/2以下、その幅を柱部の幅の2/3以下とした請求項1に記載の円錐ころ軸受。
  3. 前記油溜まり溝を、前記大径円環部側へ寄せて設けた請求項1または2に記載の円錐ころ軸受。
  4. 前記大径円環部に、前記油溜まり溝を設けた内径面側または外径面側へ突出する環状リブを設けた請求項1乃至3のいずれかに記載の円錐ころ軸受。
  5. 前記円錐ころ軸受が、鉄道車両の車軸に固設された大歯車に駆動力を伝達する鉄道車両用駆動装置の小歯車を支持するものである請求項1乃至4のいずれかに記載の円錐ころ軸受。
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