JP2007310009A - デジタルカメラ及びカメラシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】使用する交換レンズの光学特性及びフォーカスレンズ駆動機構に依らずに、高速且つ高精度な焦点調節を行うことができるデジタルカメラ及びカメラシステムを提供すること。
【解決手段】被写体の光像を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像素子7と、第1の焦点検出方法によって上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第1焦点検出部12と、第2の焦点検出方法によって上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第2焦点検出部14と、上記第1の焦点検出部12及び上記第2焦点検出部14のうち少なくとも一方の検出した焦点情報を選択し、該選択した焦点情報に基づいて、上記フォーカスレンズの焦点位置を制御する焦点制御信号を生成する制御部16と、を具備し、上記制御部16は、交換レンズ2に関する情報に基づいて上記選択を行う。
【選択図】図1
【解決手段】被写体の光像を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像素子7と、第1の焦点検出方法によって上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第1焦点検出部12と、第2の焦点検出方法によって上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第2焦点検出部14と、上記第1の焦点検出部12及び上記第2焦点検出部14のうち少なくとも一方の検出した焦点情報を選択し、該選択した焦点情報に基づいて、上記フォーカスレンズの焦点位置を制御する焦点制御信号を生成する制御部16と、を具備し、上記制御部16は、交換レンズ2に関する情報に基づいて上記選択を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動焦点調節(AF)機能を有するデジタルカメラ及びカメラシステムに関する。
従来より、銀塩フィルムを用いる一眼レフレックスカメラや、デジタル一眼レフレックスカメラにおけるAF機構としては、TTL(Through The Lens)位相差AF機構が多く用いられている。この場合、一眼レフレックスカメラ本体に、TTL位相差AFを行う為のデフォーカス検出機構が設けられている。そして、それら一眼レフレックスカメラに着脱可能な交換レンズの鏡筒内に設けられたフォーカシングレンズを、当該交換レンズの鏡筒内または一眼レフレックスカメラ本体内に設けられたモータによって駆動させることで焦点調節動作を行う。
ところで、コンパクトデジタルカメラやビデオカメラ等においては、撮像素子の信号の高周波成分によりコントラスト検知を行う方式のAFである所謂イメージャAFが多く行われている。ここで、イメージャAFとは、所定駆動量間隔でフォーカスレンズを移動させながら各フォーカスレンズ位置での焦点評価値を算出し、該焦点評価値がピーク値となるフォーカスレンズ位置を求める方式のAFである。
なお、TTL位相差AF及びイメージャAFは、それぞれ以下のような特徴を有する。
TTL位相差AFは、イメージャAFより高速なAFである。
イメージャAFは、TTL位相差AFより高精度なAFである。
このような特徴に基づいて、TTL位相差AFとイメージャAFとは、用途に応じて使い分けられている。ここで、TTL位相差AFとイメージャAFとの使い分けに関する技術として、例えば以下のような技術が知られている。
特許文献1には、TTL位相差AFとイメージャAFとを組み合わせて焦点調節を行う自動焦点装置が開示されている。具体的には、この自動焦点装置では、位相差AFにより粗調節を行った後に、イメージャAFで微調節を行う。
また、特許文献2にも、上記特許文献1に開示された自動焦点装置と同様に位相差AFにより粗調節を行った後に、イメージャAFで微調節を行う構成の自動焦点調節装置が開示されている。ただし、この特許文献2に開示された自動焦点調節装置においては、TTL位相差AFにより合焦可能と判断された場合には、イメージャAFよりもTTL位相差AFによる合焦を優先して実行することで、焦点調節における高速化を図っている。
特開平7−43605号公報
特開2003−302571号公報
ところで、レンズ交換式の一眼レフレックスカメラにおいては、銀塩フィルムを用いる一眼レフレックスカメラ用として、多くの交換レンズが発売され既に普及している。ここで、これら既に普及している交換レンズは、TTL位相差AFに対応するよう設計されている。すなわち、交換レンズ鏡筒内のフォーカスレンズの焦点調節機構等は、検出デフォーカス量に相当するレンズ駆動量を駆動するシステムとして設計されている。具体的には、交換レンズ鏡筒内の焦点調節の為の駆動源としては、直流モータ(DCモータ)が多く採用されている。一方、イメージャAFにおけるフォーカスレンズの駆動源としては、ステッピングモータが最適であり、実際にステッピングモータが多く採用されている。
したがって、カメラ本体側の焦点検出機構がイメージャAFである場合に、TTL位相差AFに対応するよう設計された交換レンズを用いてイメージャAFを実行すると、その制御性が著しく低下する。この制御性の低下は、DCモータの停止精度がステッピングモータの停止精度に比較して劣ることに起因する。
すなわち、カメラ本体側の焦点検出機構がイメージャAFである場合に、交換レンズとして上記の既に普及している交換レンズを用いると、高速かつ高精度に焦点調節を行うことが必ずしも出来るわけではない。
たとえば、イメージャAFの実行において、交換レンズ内のフォーカスレンズを最至近レンズ位置から無限遠レンズ位置(無限遠被写体)まで焦点調節して合焦する場合に、数秒を要してしまうようなマクロタイプの交換レンズも存在する。
なお、上記特許文献1及び2に開示された技術は、このような問題を考慮に入れて発明された技術ではない。したがって、上記特許文献1及び2に開示された技術は、上述の問題を解決していない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、使用する交換レンズの光学特性及びフォーカスレンズ駆動機構に依らずに、高速且つ高精度な焦点調節を行うことができるデジタルカメラ及びカメラシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、
交換レンズを着脱可能なレンズ交換式デジタルカメラであって、
上記交換レンズと通信を行う為の通信部と、
位相差方式により焦点検出を行う第1の焦点検出手段と、
コントラスト方式により焦点検出を行う第2の焦点検出手段と、
上記第1の焦点検出手段による焦点検出と、上記第2の焦点検出手段による焦点検出とを組み合わせて用いることにより焦点調節動作を行う制御手段と、
上記通信部を介した上記交換レンズとの通信に基づいて、上記交換レンズのタイプを判別し、且つ位相差方式の焦点調節に適しているか否か及びコントラスト方式の焦点調節に適しているか否かを判定する判定手段と、
を具備し、
上記判定手段が上記交換レンズを位相差方式の焦点調節に適していると判定した場合には、上記制御手段は、上記第1の焦点検出手段により焦点検出を実行して焦点調節を行い、
上記判定手段が上記交換レンズをコントラスト方式の焦点調節に適していると判定した場合には、上記制御手段は、上記第2の焦点検出手段により焦点検出を実行して焦点調節を行う。
交換レンズを着脱可能なレンズ交換式デジタルカメラであって、
上記交換レンズと通信を行う為の通信部と、
位相差方式により焦点検出を行う第1の焦点検出手段と、
コントラスト方式により焦点検出を行う第2の焦点検出手段と、
上記第1の焦点検出手段による焦点検出と、上記第2の焦点検出手段による焦点検出とを組み合わせて用いることにより焦点調節動作を行う制御手段と、
上記通信部を介した上記交換レンズとの通信に基づいて、上記交換レンズのタイプを判別し、且つ位相差方式の焦点調節に適しているか否か及びコントラスト方式の焦点調節に適しているか否かを判定する判定手段と、
を具備し、
上記判定手段が上記交換レンズを位相差方式の焦点調節に適していると判定した場合には、上記制御手段は、上記第1の焦点検出手段により焦点検出を実行して焦点調節を行い、
上記判定手段が上記交換レンズをコントラスト方式の焦点調節に適していると判定した場合には、上記制御手段は、上記第2の焦点検出手段により焦点検出を実行して焦点調節を行う。
上記構成によれば、
上記判定手段は、上記通信部を介した上記交換レンズとの通信に基づいて、上記交換レンズのタイプを判別し、上記交換レンズが位相差方式の焦点調節に適しているか否かを判定し、
上記判定手段が、上記交換レンズが位相差方式の焦点調節に適した交換レンズでると判定した場合には、上記制御手段は、上記第1の焦点検出手段により焦点検出(位相差方式)を実行して焦点調節を行う。
上記判定手段は、上記通信部を介した上記交換レンズとの通信に基づいて、上記交換レンズのタイプを判別し、上記交換レンズが位相差方式の焦点調節に適しているか否かを判定し、
上記判定手段が、上記交換レンズが位相差方式の焦点調節に適した交換レンズでると判定した場合には、上記制御手段は、上記第1の焦点検出手段により焦点検出(位相差方式)を実行して焦点調節を行う。
上記判定手段が、上記交換レンズがコントラスト方式の焦点調節に適した交換レンズでると判定した場合には、上記制御手段は、上記第2の焦点検出手段により焦点検出(コントラスト方式)を実行して焦点調節を行う。
したがって、上記交換レンズのタイプと、実際に行う焦点調節の方法との不整合がない。つまり、上記交換レンズの光学特性や焦点調節機構に依らず、高速且つ高精度な焦点調節を行うことが可能となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、使用する交換レンズの光学特性及びフォーカスレンズ駆動機構に依らずに、高速且つ高精度な焦点調節を行うことができるデジタルカメラ及びカメラシステムを提供することを目的とする。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムを説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラのシステム構成を示す図である。なお、本第1実施形態においては、デジタルカメラとしてデジタル一眼レフレックスカメラを想定して説明する。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムを説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラのシステム構成を示す図である。なお、本第1実施形態においては、デジタルカメラとしてデジタル一眼レフレックスカメラを想定して説明する。
まず、図1において、参照符号1が付されているのはカメラボディである。また、参照符号2が付されているのはレンズユニットとしての交換レンズである。
ここで、上記交換レンズ2は、撮影レンズ系3と、レンズ駆動部4と、レンズコントロール部5と、エンコーダ15と、を有している。
上記撮影レンズ系3は、フォーカスレンズ3Aを備えている。そして、焦点調節の際には、上記フォーカスレンズ3Aが駆動されることにより焦点調節がなされる。上記レンズ駆動部4は、上記フォーカスレンズ3Aを光軸方向に調節する為のレンズ駆動部である。上記レンズコントロール部5は、上記カメラボディ1と通信すると共に、上記レンズ駆動部4をコントロールする為のレンズコントロール部である。上記エンコーダ15は、上記フォーカスレンズ3Aの移動に応じてパルス信号を発生し、上記レンズコントロール部5に上記パルス信号を出力するエンコーダである。
なお、上記レンズコントロール部5は、上記エンコーダ15の出力パルスをカウントすることで、上記フォーカスレンズ3Aの位置を認識する。
ところで、上記カメラボディ1は、ハーフミラー6と、撮像素子7と、位相差AFセンサーユニット9と、LCDパネル10と、ファインダー光学系11と、第1焦点検出部12と、画像処理部13と、第2焦点検出部14と、制御部16と、レリーズスイッチ18とを有している。
上記ハーフミラー6は、撮影光束を上記撮像素子7への光束と、上記位相差AFセンサーユニット9への光束とに分割する為の部材である。このような構成により、撮像動作と位相差AFの為の動作とを同時に行うことができる。上記LCDパネル10は、バックライトを内蔵した電子ビューファインダー用のLCDパネルである。上記ファインダー光学系11は、ユーザーが上記LCDパネル10を観察する為の部材である。上記第1焦点検出部12は、上記位相差AFセンサーユニット9の出力から、焦点ずれ量等を算出する部材である。
上記画像処理部13は、上記撮像素子7の出力する映像信号にホワイトバランス、輝度処理、及びカラーマトリックス処理等を施し、撮影画像である画像データとファインダー用の画像データとを形成する。また、これら画像データの形成と共に、上記画像処理部13は、上記撮像素子7の出力する信号を処理して画像情報を取得する。
なお、上記画像処理部13により形成されたファインダー用の画像データは、上記LCDパネル10に送られ、上記LCDパネル10に表示される。そして、上記ファインダー用の画像データは、上記ファインダー光学系11を介して、ユーザーによって観察される。また、撮影画像である画像データは、不揮発メモリ(不図示)等に記憶される。
さらに、上記画像処理部13は、後述する制御部16から送出される不図示の基準クロックに基づいて、上記撮像素子7の駆動制御信号の生成も行う。具体的には、上記画像処理部13は、上記撮像素子7における積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号、垂直同期信号VD、転送信号等)等のクロック信号を生成し、それら信号を上記撮像素子7に出力する。
ここで、上記画像処理部13は、上記垂直同期信号VDを、上記第2焦点検出部14、上記制御部16、及び上記レンズコントロール部5にも出力する。なお、上記レンズコントロール部5へは、後述するレンズ接点部8を介して垂直同期信号VDに一致する信号VDPとして出力する。上記レンズ接点部8とは、上記カメラボディ1内に設けられた上記制御部16と、上記交換レンズ2内に設けられた上記レンズコントロール部5との通信ライン等が結合されるレンズ接点部である。なお、上記レンズ接点部8は、上記カメラボディ1から上記交換レンズ2に供給されるレンズ電源を含む複数の電源の接続や、通信用のクロック/データ信号、垂直同期信号を含む複数の信号の伝達に要する複数の接点を有している。
上記第2焦点検出部14は、上記画像処理部13から得られる輝度信号の履歴を判断することで、合焦の度合いを表すAF評価値を算出する部材である。なお、AF評価値を算出する領域である焦点検出領域は、位相差検出における焦点検出領域と一致する領域として予め定められている。また、上記制御部16は、上記カメラボディ1及び上記交換レンズ2の全体をコントロールする部材である。
なお、本第1実施形態に係るカメラにおいては、レリーズ釦(不図示)は、二段階式の押下釦となっており、半押しされることでファーストレリーズスイッチ(以降、1RSWと称する)がONされ、後述する焦点検出動作が行われる。また、上記レリーズ釦(不図示)が全押しされることでセカンドレリーズスイッチ(以降、2RSWと称する)がONされ、後述する撮影動作が行われる。ここで、上記1RSWは上記レリーズスイッチ18が対応する。
以下、図2及び図3を参照して、イメージャAFについて説明する。
まず、上記第2焦点検出部14の内部には、図2に示すようにハイパスフィルタ(HPF)131、A/D変換器132、焦点検出エリア選択ゲート133、加算器134が、この順に接続されて設けられている。ここで、上記第2焦点検出部14の内部に設けられている各部構成部材は、AF評価値を求める為の回路ブロックである。
上記画像処理部13は、撮像素子7の出力信号から生成した輝度信号を、上記第2焦点検出部14の上記HPF131に入力する。そして、この輝度信号は、上記画像処理部13において以下のように処理される。
まず、上記輝度信号は、上記HPF131によって、上記輝度信号に含まれる高周波成分が抽出される。この抽出された高周波成分は、画像の鮮鋭度が高い程多く含まれる。したがって、この高周波成分を、所定の画像範囲について積分することによって、その画像範囲における平均的な画像の鮮鋭度の高低を数値化することができる。
次に、上記HPF131を通過した高周波成分は、上記A/D変換器132によってデジタル信号に変換され、上記焦点検出エリア選択ゲート133に入力される。この焦点検出エリア選択ゲート133は、撮像画面上の複数の焦点検出エリアに対応する信号のみを抽出する回路である。したがって、上記焦点検出エリア選択ゲート133は、上記焦点検出エリアに写された被写体に関する情報のみを抽出する。なお、上記焦点検出エリアが、上記の積分する所定の画像範囲に対応する。
ここで、上記焦点検出エリアとしては、複数の焦点検出エリアのうち、所定の選択アルゴリズム(たとえば最至近選択アルゴリズム)に基づいて選択された焦点検出エリアを採用するとしても良い。また、複数の焦点検出エリアのうち、ユーザーにより選択された焦点検出エリアを採用するとしても勿論良い。
そして、上記焦点検出エリア選択ゲート133によって抽出されたデジタル信号は、上記加算器134に入力される。この加算器134においては、1フレーム分の上記デジタル信号が積算(積分)される。なお、この加算器134によって積算された値は、画像の鮮鋭度を示すAF評価値として上記制御部16に入カされる。上記制御部16は、このようにして算出したAF評価値を使用して、公知の山登り方式のオートフォーカスであるイメージャAFを行うことができる。
なお、上記画像処理部13は、上記輝度信号を上記第2焦点検出部14に出力すると共に、映像信号に合せて同期信号を、上記焦点検出エリア選択ゲート133、上記加算器134、上記制御部16に出力する。
ここで、上記制御部16は、イメージャAFを行う場合には、上記レンズコントロール部5を介して上記レンズ駆動部4によって上記フォーカスレンズ3Aを移動させ且つ上記フォーカスレンズ3Aの位置情報を取得すると共に上記加算器134からAF評価値を入力して、図3に示すようにAF評価座標値((P1,H1)(P2,H2)(P3,H3))を得る。
そして、上記制御部16は、AF評価値が最大値すなわちピーク値となる時の上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置を、上記AF評価座標値を用いて補間演算等によって算出する。その後、上記AF評価値がピーク値となる時のレンズ位置であるフォーカス目標位置PMに、上記フォーカスレンズ3Aを移動させる。
以下、TTL位相差AFについて説明する。
まず、上記位相差AFセンサーユニット9は、図4に破線で囲って示すように、視野マスク101と、コンデンサレンズ102と、絞りマスク103A及び103Bと、2次光学系104A及び104Bと、光電変換素子列105A及び105Bとを有する。
上記視野マスク101は、図4に示すように、撮影レンズ系3によって被写体像が形成される予定結像面近傍に設けられている。さらに、上記コンデンサレンズ102は、上記視野マスク101近傍に設けられている。そして、上記絞りマスク103A及び103Bは多孔の絞りマスクであり、上記コンデンサレンズ102の光路上における後方に設けられている。そして、上記2次光学系104A及び104Bは2次結像レンズを備え、上記絞りマスク103A及び103Bの光路上における後方に設けられている。上記光電変換素子列105A及び105Bは、上記2次結像レンズの光路上の後方に設けられている。なお、上記撮影レンズ系3は、図4に示すように異なる2つの瞳領域106A及び106Bを備えている。
このような構成の下、上記撮影レンズ系3の備える瞳領域106A,106Bをそれぞれ通過した光束による2つの被写体像が、それぞれ上記光電変換素子列105A,105B上に再結像する。この再結像した2つの被写体像の相対的位置関係が、上記撮影レンズ系3の合焦状態により変化することを利用して焦点検出を行う。なお、この2つの被写体像の相対的位置関係である位相差は、その相関を求めることで算出することができる。以下、この算出の概念について、図5を参照して説明する。
すなわち、図5に斜線のハッチングを付して示す2つの被写体像(A像、B像)の重ならない領域の面積S(A像、B像の対応する画素の差の絶対値の総和)に関し、一方の像(本例ではA像)を光電変換素子1画素(1ビット)ずつシフトさせていくことで、その最小値を求めていく。
ここで、A像とB像とが一致する時、必然的に上記面積Sは最小値となる。そして、この最小値をもたらす為に要する一方の像(本例ではA像)のシフト量が、A像とB像との相対的ずれ量である位相差である。このように、上記の2つの瞳領域106A及び106Bの重心間隔を三角測量における基線長として、光電変換素子列105A及び105B上の相対的ずれ量である位相差に基づいて、上記撮影レンズ系3の焦点ずれ量を求めることができる。
図6は、本第1実施形態に係るデジタルカメラにおいて、主としてTTL位相差AFに関わる構成部を抜き出して示した図である。ここで、上記光電変換素子列105A及び105Bは、上記位相差AFセンサーユニット9に含まれている。A/D変換器111は、上記第1焦点検出部12に含まれている。上記光電変換素子列105A及び105Bにおける各画素からのアナログ出力は、上記A/D変換器111によりデジタル信号に変換される。さらに、上記第1焦点検出部12には、例えばマイクロコンピュータである演算処理部112が内蔵されている。上記のような構成にて、2つの像(A像、B像)の位相差を求め、この位相差に基づいて上記フォーカスレンズ3Aの制御を行う。以下、具体的に説明する。
まず、上記A/D変換器111によりA/D変換された上記光電変換素子列105Aの出力値をL(1),L(2),…,L(n)とし、上記A/D変換器111によりA/D変換された上記光電変換素子列105Bの出力値をR(1),R(2),…,R(n)とする。
この(1)式から、もし上記光電変換素子列105A及び105B上の2つの像が相対的にk画素ピッチずれているとすると、F(k)=0となる。ただし、画素ノイズ等の影響の為に、上記光電変換素子列105Aにおける像信号の形と上記光電変換素子列105B上における像信号の形とが完全に同じになることは無いので、通常はF(k)>0となる。図7は、上記のようなiとF(i)との関係の1例を示している。上述したように(i,F(i))は実際には離散的なデータであるが、図7においては便宜上連続なグラフとして示している。なお、iの所定の範囲においてF(i)の最小値を求めた後、高精度の検出を行う為に最小値の前後の相関関数値を用いて補間計算を行う。
以下、本第1実施形態に係るデジタルカメラの制御部16による動作制御を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、上記カメラボディ1に設けられた不図示の電源がユーザーにより投入されると、上記カメラボディ1内の上記制御部16は、上記交換レンズ2内の上記レンズコントロール部5と通信を行う(ステップS100)。具体的には、このステップS100は、上記制御部16が、上記交換レンズ2内の不図示の記憶部に記憶されている種々のデータを読み出し、該データを上記制御部16内の不図示の記憶部に記憶するステップである。
なお、上記カメラボディ1内の上記制御部16と、上記交換レンズ2内の上記レンズコントロール部5との間の通信を、以降、ボディ・レンズ通信と称する。また、このボディ・レンズ通信において、通信される上記交換レンズ2に関するデータとしては、上記交換レンズ2のレンズタイプ、焦点距離、撮影可能距離、移動範囲、フォーカスパルス総数、モータタイプ等の情報、及びAFに関わる種々の補正値といった情報を挙げることができる。
続いて、ユーザーにより上記レリーズ釦が半押しされて、上記レリーズスイッチ18(上記1RSW)がONとされるまで待つ(ステップS101)。そして、上記1RSWがONされると、上記ステップS101をYESに分岐して、オートフォーカスによる合焦動作がスタートする。すなわち、まず上記交換レンズ2のレンズタイプの判定を行う(ステップS102)。具体的には、このステップS102のレンズタイプ判定においては、上記ステップS100におけるボディ・レンズ通信により取得したレンズタイプデータを参照し、図9に示すレンズタイプ対応表に基づいて、上記交換レンズ2のレンズタイプを判別する。ここで、上記レンズタイプ対応表とは、3種類のレンズタイプデータ(0,1,2)と、各レンズタイプデータのAF適性とを対応付けした表である。
なお、レンズタイプ0は、当該交換レンズが位相差AFのみに対応していることを示す。また、レンズタイプ1は、当該交換レンズがイメージャAFのみに対応していることを示す。さらに、レンズタイプ2は、当該交換レンズが位相差AF及びイメージャAFの両方に対応していることを示す。
上記ステップS102における処理を終えた後、上記交換レンズ2のレンズタイプがレンズタイプ1であるか否かを判定する(ステップS103)。このステップS103において、上記交換レンズ2がレンズタイプ1であると判定した場合は、後述するステップS110に移行する。一方、上記ステップS103で、上記交換レンズ2がレンズタイプ1ではないと判定した場合は、上記交換レンズ2がレンズタイプ0であるか否かを判定する(ステップS104)。このステップS104において上記交換レンズ2がレンズタイプ0であると判定した場合は、後述するステップS115に移行する。
上記ステップS104において、上記交換レンズ2がレンズタイプ0ではないと判定した場合(上記交換レンズ2がレンズタイプ2である場合)は、位相差検出を実行する(ステップS105)。このステップS105における位相差検出では、上位第1焦点検出部12によって上記位相差AFセンサーユニット9から信号を取得し、焦点ずれ量を算出する。また、上記ステップS105においては、位相差検出可能か否かを評価し、位相差検出の信頼性の高さも計算する。
続いて、上記ステップS105における位相差検出において信頼性の高い焦点ずれ量を求められたか否か、換言すれば位相差検出可能か否かを判定する(ステップS106)。このステップS106において位相差検出可能であると判定した場合は、上記ステップS105において検出した焦点ずれ量が、後述する所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS107)。なお、この所定範囲とは、焦点ずれ量が、この範囲内にあればイメージャAFにより十分に高精度且つ高速に合焦動作を行うことができるとして、予め定められた範囲である。
上記ステップS107において焦点ずれ量が上記所定範囲内にあると判定した場合は、その旨を示す範囲内フラグをセットする(ステップS130)。そして、後述するステップS110に移行する。
ところで、上記ステップS107において焦点ずれ量が上記所定範囲内にないと判定した場合は、得られた焦点ずれ量から、合焦状態にする為に要する上記フォーカスレンズ3Aのレンズ駆動量及び駆動方向を算出する(ステップS108)。そして、このステップS108において算出したレンズ駆動量及び駆動方向に基づいて、上記フォーカスレンズ3Aのレンズ駆動を行う(ステップS109)。
具体的には、上記ステップS109においては、上記ステップS109にて算出したレンズ駆動量及び駆動方向を、位相差AFレンズ駆動コマンドとして、上記レンズ接点部8を介して上記交換レンズ2内の上記レンズコントロール部5に送信する。そして、上記レンズコントロール部5は、上記レンズ駆動部4を制御して上記フォーカスレンズ3Aを駆動する。このステップS109における処理を終えた後は、上記ステップS105へ戻る。
ところで、上記ステップS130の処理を終えた後には、イメージャAFを実行する(ステップS110)。このイメージャAFにおける具体的な処理内容は、図10に示すフローチャートを参照して後に詳述する。上記ステップS110においてイメージャAFの処理を終えた後、そのイメージャAFの結果から、合焦状態が得られたか否かを判断する(ステップS111)。
上記ステップS111において合焦状態を得ることができたと判断した場合は、合焦となった旨を示す合焦表示を、上記画像処理部13によってLCDパネル10に表示する(ステップS112)。一方、上記ステップS111において合焦状態を得ていないと判断した場合は、非合焦である旨を示す表示を、上記画像処理部13によってLCDパネル10に表示する(ステップS113)。
そして、上記ステップS112または上記ステップS113における処理を終えた後は、ユーザーによってレリーズ釦が全押しされる等により撮影が指示されると、通常の撮影シーケンスに基づいて撮影を行う(ステップS114)。
上記ステップS114における処理を終えた後は、上記ステップS130において上記範囲内フラグをセットしていた場合には上記範囲内フラグをリセットする(ステップS131)。そして、上記レリーズスイッチ18すなわち上記1RSWがOFFとなるのを待つ(ステップS132)。このステップS132において上記1RSWがOFFとなったと判断した場合は、上記ステップS101へ戻る。
ところで、上記ステップS104において上記交換レンズ2がレンズタイプ0であると判定した場合は、位相差検出を実行する(ステップS115)。具体的には、このステップS115においては、上記位相差AFセンサーユニット9から出力された信号をもとに、上記第1焦点検出部12によって焦点ずれ量を算出する。また、位相差検出可能か否かを評価し、検出の信頼性の高さを計算する。
その後、上記ステップS115における位相差検出において信頼性の高い焦点ずれ量が求められたか否かを判定する(ステップS116)。このステップS116において位相差検出可能であると判定した場合は、検出した現在の焦点ずれ量が合焦範囲内にあるか否を判定する(ステップS117)。ここで、上記合焦範囲とは、当該焦点ずれ量が、この範囲内にあれば合焦状態であると予め定められた数値である。このステップS117において現在の焦点ずれ量が合焦範囲内にないと判定した場合は、上記焦点ずれ量をもとに、合焦状態にする為に要する上記フォーカスレンズ3Aの駆動量及び駆動方向を算出する(ステップS118)。
そして、上記ステップS118にて算出した上記フォーカスレンズ3Aの駆動量及び駆動方向に基づいて、上記フォーカスレンズ3Aのレンズ駆動を行う(ステップS119)。具体的には、上記ステップS118にて算出したレンズ駆動量及び駆動方向を、位相差AFレンズ駆動コマンドとして、上記交換レンズ2内の上記レンズコントロール部5に送信する。そして、上記レンズコントロール部5は、上記レンズ駆動部4を制御してフォーカスレンズ3Aの駆動を行う。その後、上記ステップS115へ戻る。
ところで、上記ステップS116において位相差検出可能でないと判定した場合は、非合焦である旨を示す表示を、上記画像処理部13によって上記LCDパネル10に表示する(ステップS121)。また、上記ステップS117において現在の焦点ずれ量が合焦範囲内にあると判定した場合は、合焦となった旨を示す合焦表示を、上記画像処理部13によって上記LCDパネル10に表示する(ステップS120)。そして、これらステップS120またはステップS121の処理を終えた後は、上述したステップS114の撮影シーケンスに移行する。
以上述べたように、本第1実施形態に係るデジタルカメラでは、上記交換レンズ2がレンズタイプ0である場合には位相差AFのみを実行する。また、上記交換レンズ2がレンズタイプ1である場合にはイメージャAFのみを実行する。そして、上記交換レンズ2がレンズタイプ2である場合には位相差AFにより焦点調節の粗調節を行った後に、イメージャAFにより焦点調節の微調節を行う。
ここで、上記交換レンズ2のレンズタイプと焦点調節に要する時間との関係について説明する。まず、ユーザーが違和感を感じることなくイメージャAFを行う為には、焦点調節に要する時間をある程度短くする(たとえば1秒以下にする)必要がある。もし、焦点調節に要する時間が極端に長い場合、シャッターチャンスを逃したり、撮影者が故障と判断したりするという問題が発生するからである。
したがって、上記フォーカスレンズ3Aの駆動時間が所定時間より長くなってしまうような場合には、AF評価値を取得しながら上記フォーカスレンズ3AをスキャンしてAF評価値のピークを探索するイメージャAFには適さないと考えられる。このような考え方に基づいて、上記の各レンズタイプが定められている。
具体的には、撮影距離範囲全域である無限遠から最至近距離までのフォーカスレンズの駆動時間が所定時間以内の交換レンズを、イメージャAFに適したレンズであるレンズタイプ1、2とする。そして、撮影距離範囲全域である無限遠から最至近距離までのフォーカスレンズの駆動時間が所定時間以上の交換レンズを、イメージャAFに適さないレンズであるレンズタイプ0とする。
ここで、レンズタイプ0である交換レンズとしては、等倍マクロ等の撮影倍率が高いマクロレンズや長焦点距離の望遠レンズ等を挙げることができる。また、レンズタイプ1のレンズとしては短焦点距離の広角レンズ等を挙げることができる。そして、レンズタイプ2のレンズとしては中焦点距離の標準レンズ等を挙げることができる。
このようなレンズタイプの分類の下、上記交換レンズ2としてレンズタイプ0である例えば長焦点距離の望遠レンズを用いる場合には、上述したようにイメージャAFに適さない交換レンズであるので、位相差AFのみで焦点調節を行う。また、上記交換レンズ2としてレンズタイプ1である例えば短焦点距離の広角レンズを用いる場合には、イメージャAFにてフォーカスレンズを撮影距離範囲全域にわたってスキャンさせる際、十分短時間に駆動を終了させることができる為、高精度なイメージャAFのみで焦点調節を行う。さらに、上記交換レンズ2としてレンズタイプ2である例えば中焦点距離の標準レンズを用いる場合には、イメージャAFのみではレンズタイプ1に比較して焦点調節に長い時間を要するので、位相差AFで粗調節し且つイメージャAFで微調節することで、焦点調節の時間と精度とを両立させる。
以下、図10に示すフローチャートを参照して、上記ステップS110におけるイメージャAFによる合焦検出動作を説明する。
まず、上記ステップS130において上記範囲内フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS200)。ここで、上記範囲内フラグがセットされていると判定した場合は、イメージャAFのスキャン範囲を設定する(ステップS201)。ここで、上記スキャン範囲は、現在のフォーカスレンズ3Aの位置を中心位置とし、その前後△Xに設定される。この△Xは、イメージャAFにより十分に高精度且つ高速に合焦動作を行えるよう予め定められたスキャン範囲であり、上記交換レンズ2内の不図示のメモリに記憶されており、上記制御部16により読み出されて使用される。なお、上記△Xは、たとえば上記交換レンズ2の焦点距離、フォーカスレンズ3Aの位置(距離)、位相差検出の信頼性の高さ等のパラメータにより適宜変更される。
上記ステップS200において上記範囲内フラグがセットされていないと判定した場合は、上記フォーカスレンズ3Aのスキャン範囲をフォーカスレンズ可動域全域、すなわち最至近から無限遠までに設定する(ステップS202)。このステップS202における処理は、信頼できる位相差が検出できなかったか、または事前に位相差AFが実行されていないことに起因して、上記フォーカスレンズ3Aが合焦付近に位置していない可能性が高いことを考慮した処理である。
このようにして上記ステップS201または上記ステップS202において設定したスキャン範囲を、ボディ・レンズ通信により上記レンズコントロール部5に送信した後、上記レンズコントロール部5に所定のコマンドを送信して、レンズコントロール部5を介してレンズ駆動部4を制御して、カメラボディ1に近い側の上記スキャン範囲端に上記フォーカスレンズ3Aを移動する(ステップS203)。
そして、イメージャAFのレンズ駆動コマンドを、上記レンズコントロール部5に送信して、上記フォーカスレンズ3Aのスキャン動作を開始させる(ステップS204)。さらに、上記画像処理部13によって、垂直同期信号VD発生時から所定のタイミングにて、上記撮像素子7の露出(EXP)及び画像データ読み出し(READ)を実行し、この読み出した画像データに基づいて、イメージャAFのAF評価値を算出する(ステップS205)。
つづいて、上記画像処理部13からの垂直同期信号VDの立ち上りを待ち(ステップS206)、垂直同期信号VDの立ち上りが検出されると、上記レンズコントロール部5から送信される上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置を受信する(ステップS207)。そして、上記ステップS205にて取得したAF評価値と、上記ステップS207にて取得したフォーカスレンズ3Aのレンズ位置とを、AF評価値履歴として不図示の記憶部に記憶する(ステップS208)。なお、このようなフォーカスレンズ3Aのレンズ位置とAF評価値との関係は、図3を参照して上述したようになる。
その後、AF評価値履歴を参照して、合焦点(AF評価値のピーク値)を通過したか否かを判定する(ステップS209)。このステップS209において合焦点(AF評価値のピーク値)を通過していないと判定した場合は、上記ステップS201または上記ステップS202で設定したスキャン範囲を、全てスキャンし終わったか否かを判断する(ステップS210)。このステップS210においてスキャン範囲を全てスキャンし終わっていないと判断した場合は、スキャンする領域が残っているので、上記ステップS205へ戻る。
なお、上記ステップS205〜上記ステップS210のループにおいては、上記フォーカスレンズ3Aの駆動をし続けており、上記ステップS205〜上記ステップS210の処理を繰り返すことで、イメージャAFのピーク探索を行うことができる。
ところで、上記ステップS209において合焦点(AF評価値のピーク値)を通過していると判定した場合は、ボディ・レンズ通信により、上記レンズコントロール部5に、上記フォーカスレンズ3Aの駆動を停止させるコマンドを送信し、上記フォーカスレンズ3Aの駆動を停止させる(ステップS211)。
つづいて、AF評価値履歴を参照して、AF評価値がピーク値となる時の上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置を、補間処理によって詳細に求め、ボディ・レンズ通信により上記レンズコントロール部5を介して上記レンズ駆動部4によって、上記レンズ位置に上記フォーカスレンズ3Aを移動する(ステップS212)。
その後、イメージャAFの結果であるAF評価値のピーク値を不図示の記憶部に記憶して(ステップS213)、イメージャAFの処理を終了し、図8に示すフローチャートのメインルーチンに戻る。
ところで、上記ステップS210においてスキャン範囲を全てスキャンし終わったと判断した場合は、合焦点(AF評価値のピーク値)を得ることなく(上記ステップS209にてNO分岐)、且つスキャン範囲での処理を終了した場合(上記ステップS210でNO分岐)であるので、スキャン範囲の初期位置に、上記フォーカスレンズ3Aを移動する(ステップS214)。そして、イメージャAFが検出不能であったことを、不図示の記憶部に記憶して処理を終了し、図8に示すフローチャートのメインルーチンに戻る。
以下、上記レンズコントロール部5による上記交換レンズ2の動作制御を、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、不図示のカメラボディ1の電源が投入されると、カメラボディ側よりレンズ接点部8を介して交換レンズ2にレンズ電源が供給される。上記交換レンズ2にレンズ電源が供給されることにより、上記交換レンズ2内の各部が初期化され、上記レンズコントロール部5が動作可能となる。そして、上記制御部16からのボディ・レンズ通信要求待ちとなる(ステップS300)。ここで、上記制御部16からのボディ・レンズ通信要求が発生すると、ボディ・レンズ通信を行い、上記制御部16より送信されたコマンドを受信する(ステップS301)。
次に、イメージャAFにおけるレンズ駆動コマンドであるイメージャAFレンズ駆動コマンド(図11においてはIAFレンズ駆動コマンドと表記)を受信したか否かを判定する(ステップS302)。このステップS302においてイメージャAFレンズ駆動コマンドを受信したと判定した場合は、イメージャAFレンズ駆動コマンドに基づいて、上記フォーカスレンズ3Aのレンズ駆動を、上記レンズ駆動部4によって実行する(ステップS309)。なお、このステップS309は、図10に示すステップS204(レンズ移動開始)に対応するステップである。
上記ステップS309においてレンズ駆動を開始した後は、上記制御部16から上記レンズコントロール部5に上記レンズ接点部8を介して出力される、垂直同期信号VDに同期する信号VDPの立下がりを待つ(ステップS310)。ここで、信号VDPの立下りを検出すると、上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置を示す上記エンコーダ15の出力データを取得する(ステップS311)。そして、信号VDPの立ち上りを待つ(ステップS312)。ここで、信号VDPの立ち上りを検出すると、上記ステップS311において取得した上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置を、上記制御部16に送信する(ステップS313)。
その後、上記フォーカスレンズ3Aの駆動を停止させるコマンドであるレンズ停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS314)。このステップS314においてレンズ停止コマンドを受信したと判定した場合は、上記レンズ駆動部4によって上記フォーカスレンズ3Aの駆動を停止させる(ステップS315)。そして、上記ステップS300へ戻る。一方、上記ステップS314においてレンズ停止コマンドを受信していないと判定した場合は、上記ステップS310へ戻る。以後、上記ステップS314においてレンズ停止コマンドを受信したと判定するまで、上記ステップS310〜上記ステップS314の処理を繰り返す。
ところで、上記ステップS302においてイメージャAFレンズ駆動コマンドを受信していないと判定した場合は、TTL位相差AFのレンズ駆動コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS303)。このステップS303においてTTL位相差AFのレンズ駆動コマンドを受信したと判定した場合には、TTL位相差AFのレンズ駆動コマンドに含まれるレンズ駆動量及び駆動方向に基づいて、上記レンズ駆動部4によって、上記フォーカスレンズ3Aを駆動する(ステップS306)。このステップS306におけるレンズ駆動が終了すると、レンズ駆動終了通知を、上記制御部16へ送信する(ステップS307)。その後、上記ステップS300に戻る。
一方、上記ステップS303においてTTL位相差AFのレンズ駆動コマンドを受信していないと判定した場合、初期通信コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS304)。このステップS304において初期通信コマンドを受信したと判定した場合は、ボディ・レンズ初期通信を行う(ステップS308)。
なお、上記ステップS308において行うボディ・レンズ初期通信では、上記カメラボディ1の上記制御部16と通信を行って上記交換レンズ2内の初期設定を行うと共に、上記交換レンズ2内に記憶されている種々のデータを、上記制御部16に送信する。
なお、上記交換レンズ2内に記憶されているデータとしては、レンズタイプ、焦点距離、撮影可能距離、フォーカスパルス総数、モータタイプ等の情報やAF等に関わる種々の補正値等を挙げることができる。上記ステップS308における処理を終えた後は、上記ステップS300へ戻る。
また、上記ステップS304において初期通信コマンドを受信していないと判定した場合は、上記以外のコマンドを受信したか否かを判定し、該コマンドに応じた動作を実行する(ステップS305)。
以下、イメージャAFにおける動作制御のタイミングを、図12に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、図8に示すフローチャートにおける上記ステップS110(イメージャAF)の処理は、図10に示すフローチャートの一連の処理を示す。
まず、図10に示すフローチャートの上記ステップS204において、上記制御部16が、上記レンズコントロール部5に対してイメージャAFレンズ駆動コマンドを送信する。そして、上記レンズコントロール部5は、イメージャAFレンズ駆動コマンドを受信し、図11に示すフローチャートの上記ステップS309において、上記レンズ駆動部4によって上記フォーカスレンズ3Aのレンズ駆動を開始させる。
一方、上記エンコーダ15は、上記フォーカスレンズ3Aの移動に伴いエンコーダ信号である信号パルスを発生する。そして、上記レンズコントロール部5は、上記信号パルスをカウントすることにより、上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置を取得する。
なお、図12に示すタイミングチャートからも分かるように、上記制御部16は、上記フォーカスレンズ3Aを継続して駆動し続ける。また、上記カメラボディ1内では、上記画像処理部13が発生する垂直同期信号VDの所定のタイミングに合わせて、上記撮像素子7の撮像動作が行われる。
そして、上記撮像素子7の露光(図12に示す撮像素子7動作タイムチャートにおけるEXP)が終了すると、上記撮像素子7の画像データは、上記画像処理部13によって読み出される(図12に示す撮像素子7動作タイムチャートにおけるREAD)。また、この読み出し動作と並行して、上記画像処理部13によって、AF評価値の算出(IAF)が実行される(図10に示すフローチャートの上記ステップS205)。なお、AF評価値の計算の終了タイミングは、垂直同期信号VDの立ち上りの前に終了するように予め設定されている。
また、上記レンズコントロール部5は、信号VDPの立下りを待ち(図11に示すフローチャートの上記ステップS310)、信号VDPの立下りを検出すると上記エンコーダ15のパルスカウント出力より、上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置のデータを取得する(図11:ステップS311)。
その後、上記レンズコントロール部5は、信号VDP(垂直同期信号VD)の立ち上りを待ち(図11:ステップS312)、信号VDPの立ち上りを検出すると、上記のように取得した上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置のデータを上記制御部16に送信する(図11:ステップS313)。
換言すれば、上記制御部16は、垂直同期信号VDの立ち上りを待ち(図10:ステップS206)、垂直同期信号VDの立ち上りを検出すると、上記レンズコントロール部5から送信されるレンズ位置を受信する(図10:ステップS207)。
以上述べたように、上記制御部16は、垂直同期信号VDの立ち上りに同期して上記レンズコントロール部5とボディ・レンズ通信を行うことで、垂直同期信号VDの立ち下り時の上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置のデータを取得することができる。
なお、上記撮像素子7の露光動作から、上記レンズコントロール部5による上記制御部16への上記フォーカスレンズ3Aのレンズ位置のデータの送信動作までの一連の動作は、イメージャAF動作時の上記フォーカスレンズ3の駆動中に、繰り返し実行される。
そして、上記制御部16がボディ・レンズ通信により上記レンズコントロール部5にレンズ停止コマンドを送信すると、上記レンズコントロール部5は上記レンズ駆動部4に上記フォーカスレンズ3Aの駆動を停止させる(図11:ステップS315)。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、使用する交換レンズの光学特性及びフォーカスレンズ駆動機構に依らずに、高速且つ高精度な焦点調節を行うことができるデジタルカメラ及びカメラシステムを提供することができる。
具体的には、上記交換レンズ2が、TTL位相差AFに適するか否か、イメージャAFに適するか否かを、予めレンズタイプデータとして上記交換レンズ2に記憶させておく。そして、実際に用いる交換レンズ2が、TTL位相差AFに適するか否か、イメージャAFに適するか否かを判定する。ここで、実際に用いる交換レンズ2がTTL位相差AFに適すると判定した場合はTTL位相差AFにて焦点調節を行う。また、実際に用いる交換レンズ2がイメージャAFに適すると判定した場合はイメージャAFにて焦点調節を行う。そして、実際に用いる交換レンズ2がTTL位相差AFおよびイメージャAFの両方に適すると判定した場合は、TTL位相差AF方式で焦点調節の粗調整を行い、その後イメージャAFにて微調整して焦点調節を行う。このようにして、実際に用いる交換レンズ2の光学特性や焦点調節機構に応じて、最適なオートフォーカスの方法が自動的に選択されて焦点調節が行われるので、高速且つ高精度な焦点調節が可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムについて説明する。なお、上記第1実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムと相違する内容についてのみ説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムについて説明する。なお、上記第1実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムと相違する内容についてのみ説明する。
以下、図13に示すフローチャートを参照して、本第2実施形態に係るデジタルカメラの制御部16による動作制御を説明する。
まず、上記カメラボディ1に設けられた不図示の電源がユーザーにより投入されると、上記カメラボディ1内の上記制御部16は、ボディ・レンズ通信を行う(ステップS400)。すなわち、このステップS400は、上記制御部16が、上記交換レンズ2内の不図示の記憶部に記憶されている種々のデータを読み出し、該データを上記制御部16内の不図示の記憶部に格納するステップである。
そして、このボディ・レンズ通信において通信される上記交換レンズ2に関するデータとしては、上記交換レンズ2の撮影距離範囲全域に対応するフォーカスパルス総数(以下レンズパルス総数と称する)、フォーカスレンズ駆動速度(以下レンズ速度と称する)、焦点距離、撮影可能距離、駆動モータ種類等の情報やAF等に関わる種々の補正値といった情報を挙げることができる。なお、本第2実施形態においては、フォーカスレンズ駆動速度は、単位時間当たりの駆動パルス数として捉えている。
上記ステップS400においてボディ・レンズ通信を終えた後、ユーザーにより上記レリーズ釦が半押しされて、上記レリーズスイッチ18(上記1RSW)がONとされるまで待つ(ステップS401)。そして、上記1RSWがONされると、上記ステップS401をYESに分岐して、上記ステップS400におけるボディ・レンズ初期通信にて取得したデータに基づいて、上記交換レンズ2のレンズデータ判別を行う(ステップS402)。具体的には、このステップS402におけるレンズデータ判別では、上記レンズパルス総数と上記レンズ速度のデータに基づいて判定を行い、その判定結果を制御部16内に設けられた不図示の記憶部に記憶する。
その後、上記レンズパルス総数が、所定値Aより小さいか否かを判定する(ステップS403)。このステップS403において上記レンズパルス総数が所定値Aより小さいと判定した場合は、上記レンズ速度が所定値Vよりも大きいか否かを判定する(ステップS404)。このステップS404において上記レンズ速度が所定値Vよりも大きくないと判定した場合は、ステップS405乃至ステップS414、ステップS430、ステップS431、及びステップS432の処理を行う。ここで、ステップS405乃至ステップS414は、上記第1実施形態における上記ステップS105乃至上記ステップS114と同様の処理を行うステップである。また、ステップS430、ステップS431、及びステップS432は、それぞれ上記第1実施形態における上記ステップS130、上記ステップS131、上記ステップS132と同様の処理を行うステップである。そして、ステップS432における処理を終えた後は、上記ステップS401へ戻る。
ところで、上記ステップS403において上記レンズパルス総数が所定値Aより小さくないと判定した場合は、ステップS415乃至ステップS421の処理を行う。ここで、ステップS415乃至ステップS421は、上記第1実施形態における上記ステップS115乃至上記ステップS121と同様の処理を行うステップである。そして、これらステップS420またはステップS421の処理を終えた後は、上記ステップS414の撮影シーケンスに移行する。
以上述べたように、本第2実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムでは、レンズパルス総数が所定値Aより大きい値である場合にはTTL位相差AFのみを実行する。また、レンズパルス総数が所定値Aより小さい値であり且つレンズ速度が所定値Vよりも大きい値である場合にはイメージャAFのみを実行する。そして、レンズパルス総数が所定値Aより小さい値であり且つレンズ速度が所定値Vよりも小さい値である場合にはTTL位相差AFにより焦点調節の粗調節を行い、イメージャAFにより焦点調節の微調節を行う。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏するデジタルカメラ及びカメラシステムを提供することができる。
すなわち、本第2実施形態においては、上記交換レンズ2の撮影距離範囲全域に対応するフォーカスパルス総数であるレンズパルス総数、及びフォーカスレンズ駆動速度であるレンズ速度をパラメータとして、上記交換レンズ2がTTL位相差AFに適した交換レンズか否か、イメージャAFに適した交換レンズか否かを判定する。ここで、上記交換レンズ2がTTL位相差AFに適すると判定した場合はTTL位相差AFにて焦点調節を行う。また、上記交換レンズ2がイメージャAFに適すると判定した場合はイメージャAFにて焦点調節を行う。そして、上記交換レンズ2がTTL位相差AFおよびイメージャAFの両方に適すると判定した場合は、TTL位相差AF方式で焦点調節の粗調整を行い、その後イメージャAFにて微調整して焦点調節を行う。このようにして、上記交換レンズ2の光学特性や焦点調節機構に応じて、最適なオートフォーカスの方法が自動的に選択されて焦点調節が行われるので、高速且つ高精度な焦点調節が可能となる。
[変形例]
なお、上記交換レンズ2の撮影距離範囲全域に対応するフォーカスパルス総数であるレンズパルス総数、及び上記フォーカスレンズ3Aの移動速度であるレンズ速度をパラメータと設定する代わりに、レンズパルス総数をレンズ速度で割った数値(レンズパルス総数/レンズ速度)をパラメータとして設定しても勿論良い。
なお、上記交換レンズ2の撮影距離範囲全域に対応するフォーカスパルス総数であるレンズパルス総数、及び上記フォーカスレンズ3Aの移動速度であるレンズ速度をパラメータと設定する代わりに、レンズパルス総数をレンズ速度で割った数値(レンズパルス総数/レンズ速度)をパラメータとして設定しても勿論良い。
ここで、レンズパルス総数をレンズ速度で割った数値は、レンズ駆動時間すなわち焦点調節に要する時間に比例するパラメータである。したがって、このレンズパルス総数をレンズ速度で割った数値を用いても、焦点調節時間の大小を判別することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムについて説明する。なお、上記第1実施形態と相違する内容についてのみ説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムについて説明する。なお、上記第1実施形態と相違する内容についてのみ説明する。
以下、図14に示すフローチャートを参照して、本第3実施形態に係るデジタルカメラの制御部16による動作制御を説明する。
まず、上記カメラボディ1に設けられた不図示の電源がユーザーにより投入されると、上記カメラボディ1内の上記制御部16は、ボディ・レンズ通信を行う(ステップS500)。すなわち、このステップS500は、上記制御部16が、上記交換レンズ2内の不図示の記憶部に記憶されている種々のデータを読み出し、該データを上記制御部16内の不図示の記憶部に格納するステップである。そして、このボディ・レンズ通信において、通信される上記交換レンズ2に関するデータとしては、上記交換レンズ2の撮影領域全域に対応する撮影可能距離焦点距離、駆動モータ種類等の情報やAF等に関わる種々の補正値といった情報を挙げることができる。
上記ステップS500においてボディ・レンズ通信を終えた後、ユーザーにより上記レリーズ釦が半押しされて、上記レリーズスイッチ18(上記1RSW)がONとされるまで待つ(ステップS501)。ここで、上記1RSWがONされていない場合は、ボディ・レンズ通信を行って、上記交換レンズ2の状態を取得し(ステップS523)、上記ステップS501に戻る。なお、上記ステップS523において取得する上記交換レンズ2の情報とは、例えば、上記交換レンズ2が例えばズームタイプの交換レンズである場合には、ズームして焦点距離が変化した場合の焦点距離値であり、上記交換レンズ2が撮影可能距離範囲を限定することが可能な機能を有する交換レンズである場合には、最至近距離が変更された場合の最至近距離値である。
ところで、上記ステップS501において上記1RSWがONされたと判断すると、上記ステップS500におけるボディ・レンズ初期通信にて取得したデータに基づいて、上記交換レンズ2のレンズデータ判別を行う(ステップS502)。
具体的には、上記ステップS502におけるレンズデータ判別では、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離、焦点距離、及び上記フォーカスレンズ3Aを駆動するモータの種類のデータに基づいて判定を行い、その判定結果を制御部16内に設けられた不図示の記憶部に記憶する。
上記ステップS502におけるレンズデータ判別処理を終えた後、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより小さいか否かを判定する(ステップS503)。このステップS503において上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより小さいと判定した場合は、上記交換レンズ2の焦点距離が所定値fよりも小さいか否かを判定する(ステップS504)。このステップS504において上記交換レンズ2の焦点距離が所定値fよりも小さいと判定した場合は、後述するステップS511に進む。
一方、上記ステップS504において上記交換レンズ2の焦点距離が所定値fよりも小さくないと判定した場合は、上記レンズ駆動部4に含まれる駆動源が、ステッピングモータであるか否かを判定する(ステップS505)。
なお、上記ステップS505における駆動源判定の為の駆動源データは、たとえば図15に示すように設定されている。すなわち、レンズ駆動源データ(0,1,2)は、それぞれ、駆動源が、DCモータ、ステッピングモータ、超音波モータであることを示すデータである。
上記ステップS505において上記レンズ駆動部4に含まれる駆動源がステッピングモータであると判定した場合は、後述するステップS511へ進む。一方、上記ステップS505において上記レンズ駆動部4に含まれる駆動源がステッピングモータでないと判定した場合は、ステップS506乃至ステップS515、ステップS530、ステップS531、及びステップS532の処理を行う。
ここで、ステップS506乃至ステップS515は、上記第2実施形態における上記ステップS405乃至上記ステップS414と同様の処理を行うステップである。また、ステップS530乃至ステップS532は、それぞれ、上記第2実施形態における上記ステップS430乃至ステップS432と同様の処理を行うステップである。
ところで、上記ステップS503において上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより小さくないと判定した場合は、ステップS516乃至ステップS522の処理を行う。ここで、ステップS516乃至ステップS522は、上記第1実施形態における上記ステップS115乃至上記ステップS121と同様の処理を行うステップである。
なお、ステップS521において合焦となった旨を示す合焦表示を、上記画像処理部13によって上記LCDパネル10に表示した後、及び上記ステップS522において非合焦である旨を示す表示を、上記画像処理部13によって上記LCDパネル10に表示した後は、上記ステップS515の撮影シーケンスに移行する。
以上述べたように、本第3実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムでは、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより大きい場合はTTL位相差AFのみを実行する。また、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより小さく且つ焦点距離が所定値fよりも小さい場合、及び上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより小さく且つ焦点距離が所定値fよりも大きく且つステッピングモータを上記フォーカスレンズ3Aの駆動源とする場合には、イメージャAFのみを実行する。そして、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離が所定値Lより小さく且つ焦点距離が所定値fよりも大きく且つステッピングモータ以外(DCモータ等)を上記フォーカスレンズ3Aの駆動源とする場合は、TTL位相差AFにより焦点調節の粗調節を行い、その後イメージャAFにより焦点調節の微調節を行う。
なお、上記交換レンズ2として、上述したような焦点距離が可変であるズームタイプの交換レンズや、ズームに応じて最至近距離が変化するタイプの交換レンズ、あるいは撮影可能距離範囲を変更することができる機能を有する交換レンズを用いる場合においても、上記ステップS523にて交換レンズ2の最新状態を取得するので、当該AF時点における焦点距離及び最至近距離については、上記ステップS503及び上記ステップS504の判定において必ず反映される。
以上説明したように、本第3実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏するデジタルカメラ及びカメラシステムを提供することができる。
すなわち、本第3実施形態においては、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離、焦点距離、上記フォーカスレンズ3Aの駆動モータの種類をパラメータとして、上記交換レンズ2がTTL位相差AFに適した交換レンズか否か、イメージャAFに適した交換レンズか否かを判定する。
ここで、上記交換レンズ2がTTL位相差AFに適すると判定した場合はTTL位相差AFにて焦点調節を行う。また、上記交換レンズ2がイメージャAFに適すると判定した場合はイメージャAFにて焦点調節を行う。そして、上記交換レンズ2がTTL位相差AFおよびイメージャAFの両方に適すると判定した場合は、TTL位相差AF方式で焦点調節の粗調整を行い、その後イメージャAFにて微調整して焦点調節を行う。このようにして、上記交換レンズ2の光学特性や焦点調節機構に応じて、最適なオートフォーカスの方法が自動的に選択されて焦点調節が行われるので、高速且つ高精度な焦点調節が可能となる。
なお、上記交換レンズ2の撮影可能な最至近距離の代わりに、撮影倍率を判定パラメータとして用いても、同様な効果が得られることは勿論である。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムについて説明する。なお、上記第1実施形態と相違する内容についてのみ説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムについて説明する。なお、上記第1実施形態と相違する内容についてのみ説明する。
以下、図16に示すフローチャートを参照して、本第4実施形態に係るデジタルカメラの制御部16による動作制御を説明する。
まず、上記カメラボディ1に設けられた不図示の電源がユーザーにより投入されると、上記カメラボディ1内の上記制御部16は、ボディ・レンズ通信を行う(ステップS600)。すなわち、このステップS600は、上記制御部16が、上記交換レンズ2内の不図示の記憶部に記憶されている種々のデータを読み出し、該データを上記制御部16内の不図示の記憶部に格納するステップである。
なお、このボディ・レンズ通信において、通信される上記交換レンズ2に関するデータとしては、上記交換レンズ2の撮影領域全域に対応する撮影可能距離、焦点距離、駆動モータ種類等の情報やAF等に関わる種々の補正値といった情報を挙げることができる。
上記ステップS600においてボディ・レンズ通信を終えた後、ユーザーにより上記レリーズ釦が半押しされて、上記レリーズスイッチ18(上記1RSW)がONとされるまで待つ(ステップS601)。ここで、上記1RSWがONされていない場合は、ボディ・レンズ通信を行って、上記交換レンズ2の状態を取得し(ステップS623)、上記ステップS601に戻る。
なお、上記ステップS623において取得する上記交換レンズ2の情報とは、上記交換レンズ2が例えばズームタイプの交換レンズである場合には、ズームして焦点距離が変化した場合の焦点距離値であり、上記交換レンズ2が撮影可能距離範囲を限定することが可能な機能を有する交換レンズである場合には、最至近距離が変更された場合の最至近距離値である。
そして、上記ステップS601をYESにおいて上記1RSWがONされたと判断すると、上記ステップS600におけるボディ・レンズ初期通信にて取得したデータに基づいて、上記交換レンズ2のレンズデータ判別を行う(ステップS602)。
具体的には、上記ステップS602におけるレンズデータ判別では、上記交換レンズ2に、テレコンバータ、ワイドコンバータ、中間リング(接写リング)等のアクセサリが装着されているか否かの判定を行い、その判定結果を制御部16内に設けられた不図示の記憶部に記憶する。
上記ステップS602におけるレンズデータ判別処理を終えた後、上記交換レンズ2にワイドコンバータが装着されているか否かを判定する(ステップS603)。このステップS603において上記交換レンズ2にワイドコンバータが装着されていると判定した場合は、後述するステップS611へ進む。
上記ステップS603において上記交換レンズ2にワイドコンバータが装着されていないと判定した場合は、上記交換レンズ2に中間リングが装着されているか否かを判定する(ステップS604)。このステップS604において上記交換レンズ2に中間リングが装着されていると判定した場合は、後述するステップS606へ進む。
上記ステップS604において上記交換レンズ2に中間リングが装着されていないと判定した場合は、上記交換レンズ2にテレコンバータが装着されているか否かを判定する(ステップS605)。このステップS605において上記交換レンズ2にテレコンバータが装着されていないと判定した場合は、後述するステップS606へ進む。
上記ステップS605において上記交換レンズ2にテレコンバータが装着されていると判定した場合は、ステップS616乃至ステップS622の処理を行う。ここで、ステップS616乃至ステップS622は、上記第1実施形態における上記ステップS115乃至上記ステップS121と同様の処理を行うステップである。
なお、ステップS621において合焦となった旨を示す合焦表示を、上記画像処理部13によって上記LCDパネル10に表示した後、及び上記ステップS622において非合焦である旨を示す表示を、上記画像処理部13によって上記LCDパネル10に表示した後は、上記ステップS515と同様の処理を行うステップS615の撮影シーケンスに移行する。
ところで、上記ステップS604において上記交換レンズ2に中間リングが装着されていると判定した場合、及びステップS605において上記交換レンズ2にテレコンバータが装着されていないと判定した場合は、ステップS606乃至ステップS615、ステップS630乃至ステップS632の処理を行う。ここで、ステップS606乃至ステップS615は、上記第1実施形態における上記ステップS105乃至上記ステップS114と同様の処理を行うステップである。また、ステップS630乃至ステップS632は、それぞれ、上記ステップS130乃至上記ステップS132と同様の処理を行うステップである。そして、ステップS632における処理を終えた後は、上記ステップS601へ戻る。
なお、上記ステップS603において上記交換レンズ2にワイドコンバータが装着されていないと判定した場合は、第1実施形態における上記ステップS110と同様の処理を行うステップS611へ進み、イメージャAFを実行する。このイメージャAFにおける具体的な処理内容は、図10に示すフローチャートを参照して詳述した通りである。
以上述べたように、本第4実施形態に係るデジタルカメラ及びカメラシステムでは、上記交換レンズ2にワイドコンバータが装着されている場合はイメージャAFのみを実行する。上記交換レンズ2にワイドコンバータが装着されている場合には、上記交換レンズ2の焦点距離がより短焦点距離側に変換されるため、焦点調節時間は変化せず被写界深度が大きくなり焦点調節精度としては高い方向に変化するので、TTL位相差AFよりも高精度なイメージャAFを使用するのがより適切だからである。また、上記交換レンズ2にテレコンバータが装着されている場合にはTTL位相差AFのみを実行する。これは、上記交換レンズ2の焦点距離が長焦点距離側に変換される為、所定の焦点ずれ量の変化に対するAF評価値(コントラスト)の変化が少なくなり、イメージャAFにとって不利な条件となるからである。そして、上記交換レンズ2に中間リングが装着されている場合には、TTL位相差AFにより焦点調節の粗調節を行い、その後イメージャAFにより焦点調節の微調節を行う。これは、上記交換レンズ2に中間リングが装着されると、焦点ずれ量とレンズ移動量との関係が変化するためにTTL位相差AFによる焦点調節は精度的低下が発生し、合焦までに要する時間が長くなってしまうからである。したがって、このような場合にはTTL位相差AFは粗調節のみに用い、その後精度低下が発生しないイメージャAFにて微調節を行う。
以上説明したように、本第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏するデジタルカメラ及びカメラシステムを提供することができる。
すなわち、本第4実施形態においては、上記交換レンズ2にワイドコンバータ、中間リング、テレコンバータ等のアクセサリが装着されているか否かをパラメータとして、上記交換レンズ2がTTL位相差AFに適した状態か否か、イメージャAFに適した状態か否かを判定する。ここで、上記交換レンズ2がTTL位相差AFに適すると判定した場合はTTL位相差AFにて焦点調節を行う。また、上記交換レンズ2がイメージャAFに適すると判定した場合はイメージャAFにて焦点調節を行う。そして、上記交換レンズ2がTTL位相差AFおよびイメージャAFの両方に適すると判定した場合は、TTL位相差AF方式で焦点調節の粗調整を行い、その後イメージャAFにて微調整して焦点調節を行う。このようにして、上記交換レンズ2の光学特性や焦点調節機構に応じて、最適なオートフォーカスの方法が自動的に選択されて焦点調節が行われるので、高速且つ高精度な焦点調節が可能となる。
以上、第1実施形態乃至第4実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
1…カメラボディ、 2…交換レンズ、 3…撮影レンズ系、 3A…フォーカスレンズ、 4…レンズ駆動部、 5…レンズコントロール部、 6…ハーフミラー、 7…撮像素子、 8…レンズ接点部、 9…AFセンサーユニット、 10…LCDパネル、 11…ファインダー光学系、 12…第1焦点検出部、 13…画像処理部、 14…第2焦点検出部、 15…エンコーダ、 16…制御部、 18…レリーズスイッチ、 101…視野マスク、 102…コンデンサレンズ、 103A…絞りマスク、 104A,104B…2次光学系、 105A,105B…光電変換素子列、 106A,106B…瞳領域、 112…演算処理部、 131…ハイパスフィルタ、 111,132…A/D変換器、 133…焦点検出エリア選択ゲート。
Claims (11)
- 撮影光学系としてのフォーカスレンズを有するレンズユニットを着脱可能なデジタルカメラであって、
上記レンズユニットを介して入射した被写体の光像を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像手段と、
第1の焦点検出方法によって上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第1の焦点検出手段と、
第2の焦点検出方法によって上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第2の焦点検出手段と、
上記第1の焦点検出手段及び上記第2の焦点検出手段のうち少なくとも一方の検出した焦点情報を選択し、該選択した焦点情報に基づいて、上記フォーカスレンズの焦点位置を制御する焦点制御信号を生成する制御手段と、
上記焦点制御信号を上記レンズユニットに送信し、且つ上記レンズユニットから送信されるレンズユニットに関する情報を受信する為の送受信手段と、
を具備し、
上記制御手段は、上記送受信手段を介して取得した上記レンズユニットに関する情報に基づいて、上記選択を行うことを特徴とするデジタルカメラ。 - 上記制御手段は、上記撮像素子に被写体の光像が結像するように、上記フォーカスレンズのレンズ位置を制御する為の信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
- 上記第1の焦点検出方法とは、位相差方式による焦点検出方法であり、
上記第2の焦点検出方法とは、コントラスト方式による焦点検出方法であることを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。 - 上記レンズユニットは、上記フォーカスレンズを駆動する為の焦点調節部を含み、
上記レンズユニットに関する情報とは、上記焦点調節部における上記フォーカスレンズを駆動する為の部材の種類を示す情報であることを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。 - 上記レンズユニットに関する情報とは、上記フォーカスレンズの焦点距離を示す情報であることを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
- 上記レンズユニットに関する情報とは、上記レンズユニットによる撮影可能距離を示す情報であることを特徴とする請請求項3に記載のデジタルカメラ。
- 上記レンズユニットに関する情報とは、上記レンズユニットにおける上記フォーカスレンズの移動範囲を示す情報であることを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
- 上記レンズユニットに関する情報とは、上記フォーカスレンズの移動速度を示す情報であることを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
- 上記制御手段は、上記レンズユニットにコンバージョンレンズまたは中間リングが装着されているか否かを判別する判別手段を更に有し、
上記制御手段は、上記判別手段による判別結果に基づいて、上記選択を行うことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。 - カメラ本体と、該カメラ本体に着脱可能なレンズユニットで構成されるカメラシステムであって、
上記レンズユニットは、
撮影光学系としてのフォーカスレンズと、
上記レンズユニットに関する情報を記憶する記憶手段と、
上記カメラ本体と通信を行う為の通信手段と、
を具備し、
上記カメラ本体は、
上記レンズユニットを介して入射した被写体の光像を電気信号に変換する撮像素子を含む撮像手段と、
第1の焦点検出方法にて上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第1の焦点検出手段と、
第2の焦点検出方法にて上記フォーカスレンズの焦点情報を検出する為の第2の焦点検出手段と、
上記第1の焦点検出手段及び上記第2の焦点検出手段のうち少なくとも一方の検出した焦点情報を選択し、該選択した焦点情報に基づいて、上記フォーカスレンズの焦点位置を制御する焦点制御信号を生成する制御手段と、
上記レンズユニットから上記通信手段を介して送信される上記レンズユニットに関する情報を受信し、上記焦点制御信号を上記レンズユニットに送信する為の送受信手段と、
を具備し、
上記制御手段は、上記送受信手段を介して取得した上記レンズユニットに関する情報に基づいて、上記選択を行うことを特徴とするカメラシステム。 - 上記記憶手段に記憶されている上記レンズユニットに関する情報とは、上記焦点調節部における上記フォーカスレンズを駆動する為の部材の種類を示す情報、上記フォーカスレンズの焦点距離を示す情報、上記レンズユニットによる撮影可能距離を示す情報、上記レンズユニットにおける上記フォーカスレンズの移動範囲を示す情報、上記フォーカスレンズの移動速度を示す情報のうち少なくとも1つを含む情報であることを特徴とする請求項10に記載のカメラシステム。
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