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JP2007307612A - 自動溶接方法及び自動溶接装置並びに自動溶接に用いる基準治具 - Google Patents

自動溶接方法及び自動溶接装置並びに自動溶接に用いる基準治具 Download PDF

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JP2007307612A
JP2007307612A JP2006182112A JP2006182112A JP2007307612A JP 2007307612 A JP2007307612 A JP 2007307612A JP 2006182112 A JP2006182112 A JP 2006182112A JP 2006182112 A JP2006182112 A JP 2006182112A JP 2007307612 A JP2007307612 A JP 2007307612A
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Akinori Hayashi
彰紀 林
Hikari Yamamoto
光 山本
Manabu Hirakawa
学 平川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】 2本の電極を用いて自動溶接を行うときに、電極の曲り具合を検出して溶接位置等の補正を行うことにより、溶接部の精度や品質を向上させる。
【解決手段】 溶接ロボット2のトーチ4には、ワーク17の溶接を行う2本の電極5A,5Bを設ける。また、溶接ロボット2の近傍には、所定の位置に基準治具11を設ける。そして、自動溶接時には、電極5A,5Bを基準治具11のテーパ穴13,14に挿入してタッチセンシングすることにより、各電極5A,5Bの曲り量が許容範囲内であるか否かを判定する。また、曲り量が許容範囲を超えているときには、基準治具11の立上り壁15,16にタッチセンシングすることにより、具体的な曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を検出する。これにより、電極5A,5Bの曲り具合に応じて溶接位置等を適切に補正することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば2本の電極を用いてアーク溶接等を自動的に行うのに好適に用いられる自動溶接方法及び自動溶接装置並びに自動溶接に用いる基準治具に関する。
一般に、自動溶接装置としては、予め設定されたプログラムに従ってトーチを作動させることにより、各種の形状をもつ溶接対象物(ワーク)に対してアーク溶接を自動的に行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−232271号公報
この種の従来技術による自動溶接装置は、例えば移動及び回転が可能なトーチを有する多関節型の溶接ロボットと、この溶接ロボットを制御する制御装置とによって大略構成されている。また、トーチの先端側には、ワイヤ供給装置等から供給される溶接ワイヤ(電極)が取付けられ、この電極は所定の突出し長さをもってトーチから突出している。
そして、自動溶接装置を用いた溶接作業では、例えば組立ライン等に沿って個々のワークが搬送されてくると、まず溶接ロボットの電極をワークに接触させることによってワークの位置を検出(タッチセンシング)し、制御装置に予め記憶された溶接開始位置等の位置情報をワークの位置ずれ量に応じて補正する。次に、電極の先端側をワークに接触させつつ、予め教示(ティーチング)された溶接線等に沿って電極を移動させることにより、ワークの所定部位に溶接を行う。
この場合、従来技術では、例えばトーチの先端側に2本の電極を設け、これらの電極を同一の溶接線に沿って移動させつつ、個々の電極の溶接部位を重ね合わせることにより、タンデム溶接と呼ばれる2重の溶接を行う構成とした自動溶接装置もある。
ところで、上述した従来技術では、トーチから突出する電極の先端側をワークに接触させることによって溶接を行う構成としている。しかし、電極の先端側は、例えばドラム等に巻回されていたときの曲り癖や、溶接時に加わる外力等によって曲ることがある。この場合、単一の電極を用いる自動溶接装置では、例えばワークの位置をタッチセンシングすることにより、ワークの位置ずれ分だけでなく、電極の曲り分も補正することができる。
これに対し、2本の電極を用いるタンデム溶接型の自動溶接装置では、一方の電極でタッチセンシングを行うことになるため、この一方の電極の曲り等は補正することができても、他方の電極の曲りを補正するのが難しいという問題がある。
このため、従来技術では、タンデム溶接を行うときに、一方の電極を予め設定された溶接線に沿って移動させたとしても、他方の電極の先端側は溶接線から外れた位置で溶接を行うことがあり、これによって溶接部の外観が悪くなったり、溶接不良が生じ易くなる。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、2本の電極を用いてタンデム溶接を行うときに、それぞれの電極の曲り等を確実に補正することができ、各電極の溶接位置を正確に合わせることができると共に、溶接部の強度や外観を向上できるようにした自動溶接方法及び自動溶接装置並びに自動溶接に用いる基準治具を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明による自動溶接方法は、互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ有底状のテーパ穴と立上り壁とを有する基準治具とを備え、前記溶接ロボットの2本の電極を前記基準治具のテーパ穴にそれぞれ挿入することにより前記各電極の曲り量が許容範囲内であるか否かを判定し、前記2本の電極の曲り量が許容範囲を超えているときに該各電極を前記基準治具の立上り壁と接触させることによって前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出し、前記曲り量の検出結果を用いて前記溶接対象物に対する前記2本の電極の溶接位置を補正するようにしている。
また、請求項2の発明による自動溶接装置は、互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられた基準治具と、前記溶接ロボットの2本の電極を前記基準治具と接触させることにより前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段とから構成している。
また、請求項3の発明による自動溶接装置は、互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられた基準治具と、前記溶接ロボットの2本の電極を前記基準治具と接触させることにより前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段と、前記電極曲り検出手段により検出した前記曲り量が許容範囲を超えているときに前記曲り量を用いて前記2本の電極の先端部を結ぶ直線と溶接進行方向とのなす角度を演算する角度演算手段と、前記2本の電極のうち一方の電極を中心として他方の電極を前記角度演算手段により演算された前記角度分だけ回転させる電極回転手段とから構成している。
さらに、請求項4の発明による基準治具は、2本の電極を有する自動溶接用の溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられる基台と、前記基台の表面から裏面に向けて縮径する有底穴として設けられ前記2本の電極を挿入するときのタッチセンシングに用いられる2個のテーパ穴と、前記2個のテーパ穴を挟む位置で前記基台の表面から突出すると共に前記基台に沿ってL字状に延び前記2本の電極を前記表面に沿って移動させるときのタッチセンシングに用いられる2個の立上り壁とから構成している。
一方、請求項5の発明による自動溶接方法は、互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ前記2本の電極の位置情報をそれぞれ検出する非接触式センサを有する基準治具とを備え、前記溶接ロボットの2本の電極を用いて溶接を行うときに該各電極の位置情報を前記非接触式センサによって検出し、前記2本の電極の位置情報を用いて該各電極の曲り量をそれぞれ検出し、前記曲り量の検出結果を用いて前記溶接対象物に対する前記2本の電極の溶接位置を補正するようにしている。
また、請求項6の発明による自動溶接装置は、互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ前記2本の電極の位置情報をそれぞれ検出する非接触式センサを有する基準治具と、前記非接触式センサによる位置情報の検出結果を用いて前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段とによって構成している。
また、請求項7の発明による自動溶接装置は、互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ前記2本の電極の位置情報をそれぞれ検出する非接触式センサを有する基準治具と、前記非接触式センサによる位置情報の検出結果を用いて前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段と、前記電極曲り検出手段により検出した前記曲り量が許容範囲を超えているときに前記曲り量を用いて前記2本の電極の先端部を結ぶ直線と溶接進行方向とのなす角度を演算する角度演算手段と、前記2本の電極のうち一方の電極を中心として他方の電極を前記角度演算手段により演算された前記角度分だけ回転させる電極回転手段とによって構成している。
また、請求項8の発明による基準治具は、2本の電極を有する自動溶接用の溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられる基台と、前記基台に設けられた発光部と受光部とを有し前記溶接ロボットの電極が前記発光部から前記受光部に向けて発射される光線の光路上に達したときに当該電極の位置情報を検出する非接触式センサと、前記基台に設けられ前記光路を2箇所でそれぞれL字状に屈曲させる2個の反射部材とによって構成している。
さらに、請求項9の発明による自動溶接装置は、前記溶接ロボットの電極を前記溶接対象物と接触させることにより前記溶接対象物の位置ずれ量を検出して前記電極回転手段の回転中心となる前記一方の電極による溶接位置を補正する位置ずれ補正手段を設ける構成としている。
請求項1の発明によれば、溶接を行う前には、まず溶接ロボットの2本の電極を基準治具のテーパ穴にそれぞれ挿入しつつ、例えばタッチセンシング等の手段を用いて電極と基準治具との接触位置を検出することができる。この場合、テーパ穴の穴形状を、その奥所側(テーパ穴の底面側)に向けて縮径する形状としておくことにより、例えば電極の先端部がテーパ穴の底面に接触したときには、電極が曲っていないか、または電極の曲り量が許容範囲内に収まっていると判定することができる。
一方、電極の先端部がテーパ穴の内周面に接触したときには、電極が許容範囲を超えて大きく曲っていると判定することができる。そして、この場合には、各電極を基準治具の立上り壁と接触させることにより、例えばタッチセンシング等の手段を用いて各電極の曲り量をそれぞれ検出することができ、これらの検出結果を用いて溶接対象物に対する2本の電極の溶接位置を適切に補正することができる。
このため、溶接を行うときには、何れかの電極に曲りが生じていたとしても、2本の電極の先端部を所望の溶接線上に高い精度で位置合わせすることができ、電極の先端部が溶接線から外れるのを確実に防止することができる。従って、これらの電極によって溶接線上に重なり合うように2重の溶接(タンデム溶接)を行うことができ、このときに各電極の溶接ビードのずれ等を抑えることができるから、十分な量の溶接ビードを短時間で効率よく形成することができ、溶接部の強度や外観を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、電極曲り検出手段は、溶接ロボットの各電極を基準治具に接触させることができ、このときに例えばタッチセンシング等の手段を用いることにより、2本の電極の曲り量をそれぞれ検出することができる。これにより、例えば各電極の先端部の位置ずれ量等を容易に求めることができ、これらの位置ずれ量に応じて溶接開始位置の位置情報等を適切に補正することができる。
このため、溶接を行うときには、何れかの電極に曲りが生じていたとしても、2本の電極の先端部を所望の溶接線上に高い精度で位置合わせすることができる。従って、請求項1の発明とほぼ同様に、2本の電極によって溶接線上に十分な量の溶接ビードを効率よく形成することができ、溶接部の強度や外観を向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、電極曲り検出手段は、例えば基準治具をタッチセンシングすることによって2本の電極の曲り量をそれぞれ検出することができる。また、角度演算手段は、各電極の曲り量を用いて電極先端部の位置を求めることにより、各電極の先端部を結ぶ直線と溶接進行方向とのなす角度を容易に演算することができる。さらに、電極回転手段は、2本の電極のうち、例えば溶接進行方向に対して先行する一方の電極を中心として他方の電極を回転させることができ、このときの回転角度を前記角度演算手段による角度の演算値に設定することができる。
これにより、2本の電極の先端部がそれぞれ異なる方向に曲っていたとしても、これらの先端部を溶接進行方向(溶接線)と平行な直線上に配置することができ、電極の位置を適切に回転補正することができる。従って、この回転補正後には、例えば溶接対象物の位置等を検出して一方の電極の位置を補正することにより、2本の電極の先端部を溶接線上に正確に位置合わせすることができる。従って、請求項1の発明とほぼ同様に、2本の電極によって溶接線上に十分な量の溶接ビードを効率よく形成することができ、溶接部の強度や外観を向上させることができる。
さらに、請求項4の発明によれば、電極の曲り具合を判定するときには、その先端部を基準治具のテーパ穴に挿入することができ、このとき電極の先端部によってテーパ穴の深さ方向にタッチセンシングを行うことにより、電極の曲り量が許容範囲内であるか否かを容易に判定することができる。
また、電極の曲り量を検出するときには、その先端部を基準治具の表面に沿って移動しつつ、立上り壁のタッチセンシングを行うことができる。この場合、立上り壁の突出した方向を、例えば互いに直交するX軸,Y軸,Z軸のうちZ軸方向とすれば、L字状をなす立上り壁がX軸及びY軸方向に延びる各部位にそれぞれタッチセンシングを行うことにより、電極の曲り量を2次元座標での具体的な寸法値として正確に検出することができる。
従って、基準治具を用いることにより、電極の曲り量の許容判定、その具体的な曲り量等を効率よく把握することができ、これらの内容に応じて適切な補正を行うことができる。このため、溶接を行うときには、2本の電極によって溶接線上に十分な量の溶接ビードを効率よく形成することができ、溶接部の強度や外観を向上させることができる。
一方、請求項5の発明によれば、溶接を行うときには、例えば電極を基準の位置から光路に向けて一定の方向に移動し、電極がセンサの検出可能範囲となる所定の位置に達したときには、この状態を非接触式センサによって検出することができる。このとき、自動溶接用の制御装置等は、例えば電極が検出可能な位置に達するまでに移動した移動量を位置情報として取得したり、または非接触式センサによって検出した電極とセンサとの距離を、位置情報として取得することができる。
そして、このような電極の位置情報を、例えば曲っていない電極を用いて予め検出しておいた位置情報と比較することにより、2本の電極の曲り量をそれぞれ正確に検出することができ、これらの検出結果を用いて溶接対象物に対する2本の電極の溶接位置を適切に補正することができる。
従って、請求項1の発明の場合とほぼ同様に、2本の電極の何れかに曲りが生じていたとしても、両方の電極の先端部を所望の溶接線上に高い精度で位置合わせすることができ、タンデム溶接を効率よく行いつつ、溶接部の強度や外観を向上させることができる。また、非接触式のセンサを用いることにより、各電極を基準治具やセンサ等に接触させなくても、電極の位置情報を正確かつ容易に検出することができる。このため、例えば基準治具の各部を電極の接触部位として高い寸法精度に形成する必要がないから、その加工を容易に行うことができる。
また、請求項6の発明によれば、電極曲り検出手段は、基準治具の非接触式センサによって各電極の位置情報を検出することができ、さらに電極の位置情報を用いて電極先端部の曲り量を検出することができる。従って、例えば各電極の先端部の位置ずれ量等を容易に求めることができ、これらの位置ずれ量に応じて溶接開始位置の位置情報等を適切に補正することができる。
また、請求項7の発明によれば、電極曲り検出手段は、非接触式センサの検出結果を用いて、2本の電極の曲り量をそれぞれ検出することができる。そして、角度演算手段は、各電極の先端部を結ぶ直線と溶接進行方向とのなす角度を容易に演算することができ、電極回転手段は、例えば溶接進行方向に対して先行する一方の電極を中心として他方の電極を適切な角度だけ回転補正することができる。従って、請求項3の発明とほぼ同様に、2本の電極の先端部がそれぞれ異なる方向に曲っていたとしても、これらの先端部を溶接線上に正確に位置合わせすることができる。
また、請求項8の発明によれば、非接触式センサは、発光部からビーム光、レーザ光等の光線を発射することにより、この光線を反射部材を介して受光部に受光させることができ、これによって基台上の所定位置に光路を形成することができる。そして、電極の曲り量を検出するときには、まず電極を基準の位置から光路に向けて一定の方向に移動することができ、この電極が光線を遮断したり、反射したときには、電極の先端部が光路に達したことを非接触式センサによって検出することができる。
このとき、自動溶接用の制御装置等は、例えば電極が光路に達するまでに移動した移動量を位置情報として取得したり、または非接触式センサによって検出した光路上の電極とセンサとの距離を、位置情報として取得することができる。そして、このような電極の位置情報を、例えば曲っていない電極を用いて予め検出しておいた位置情報と比較することにより、電極先端部の曲り量を検出することができる。
この場合、2個の反射部材は、非接触式センサの発光部から受光部に至る光路を2箇所でL字状に屈曲させることができ、これによって光路を互いに直交する2軸方向(例えば、X軸方向とY軸方向)に延ばすことができる。これにより、電極の位置情報を検出するときには、X軸方向とY軸方向のそれぞれについて、電極を光路に達する位置まで移動することにより、これら2方向の位置情報を個別に得ることができ、電極の曲り量を2次元座標での具体的な寸法値として正確に検出することができる。
従って、非接触式センサを搭載した基準治具を用いることにより、基準治具と電極とを接触させなくても、電極の具体的な曲り量を効率よく把握することができ、これらの内容に応じて適切な補正を行うことができる。
さらに、請求項9の発明によれば、位置ずれ補正手段は、例えばタッチセンシング等の手段によって溶接対象物の位置ずれ量を検出することができ、この検出結果を用いることにより、例えば溶接進行方向に対して先行する一方の電極が溶接線上に配置されるように、電極の位置を補正することができる。従って、位置ずれ補正手段と電極回転手段とが協働することにより、溶接対象物の位置ずれや各電極の曲り具合に影響されることなく、2本の電極の先端部を溶接線上に正確に位置合わせすることができる。
以下、本発明の実施の形態による自動溶接方法及び自動溶接装置並びに自動溶接に用いる基準治具について、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図18は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、タッチセンシング式の基準治具を用いる場合を例に挙げて述べる。
図中、1は自動溶接装置を示し、この自動溶接装置1は、後述の溶接ロボット2、溶接電源6,7、制御装置8、基準治具11等によって構成されている。そして、自動溶接装置1は、溶接ロボット2を予め設定された一定の動作パターンで自動的に作動させることにより、後述のワーク17(溶接対象物)にアーク溶接を行うものである。
2はアーク溶接を行う溶接ロボットで、該溶接ロボット2は、例えば屈曲及び回転が可能な複数個の関節等を有する多関節型のアーム3と、該アーム3の先端側に回転可能に設けられたトーチ4と、後述の電極5A,5Bとによって大略構成されている。そして、トーチ4は、アーム3の各関節が制御装置8によって屈曲または回転されることにより、各電極5A,5Bと一緒に任意の位置及び向きに移動可能となっている。
5A,5Bはトーチ4の先端面4Aに設けられた2本の電極で、これらの電極5A,5Bは、例えば消耗電極式のアーク溶接を行うことによって先端部5a,5bが消耗される溶接ワイヤであり、消耗した分は溶接ロボット2の近傍に設置されたワイヤ供給装置(図示せず)等によって新たに供給される。また、電極5A,5Bは、図2、図3に示す如く、トーチ4の先端面4Aから所定の突出し長さをもってほぼ垂直に突出し、互いに間隔をもってほぼ平行に延びている。
そして、溶接動作を行うときには、例えば図7に示すように、まずトーチ4を移動させることによって各電極5A,5Bの先端部5a,5bをワーク17の所定部位に接触させる。次に、これらの先端部5a,5bを所定の溶接線Wに沿って同一線上で移動させつつ、各電極5A,5Bとワーク17との間に溶接電源6,7から電流を通電する。
これにより、ワーク17には、2本の電極5A,5Bによって溶接部がそれぞれ形成され、これらの溶接部は溶接線Wに沿って互いに重なり合うように配置される。このように、溶接ロボット2は、溶接進行方向に沿って直列に並べた2本の電極5A,5Bによって2重の溶接(所謂タンデム溶接)を行うことにより、強度の高い溶接ビードを短時間で効率よく形成することができる。
8は溶接ロボット2の自動制御を行う制御装置で、該制御装置8は、例えば記憶回路と演算処理回路とを備えたマイクロコンピュータ等によって構成されている。そして、制御装置8の記憶回路には、溶接ロボット2によって行われる所定の動作パターンや、ワーク17に対する後述の溶接線W(図7参照)、溶接開始位置、溶接終了位置等の位置情報、後述する基準治具11のテーパ穴13,14、立上り壁15,16等の位置情報(座標データ)、図13ないし図15に示す制御プログラム等が予め記憶されている。
また、制御装置8には、例えば基準治具11、ワーク17等からなる導電性の目標物に対して、電圧を印加した状態の電極5A,5Bを接触させることにより、接触したときの電圧または電流の変化を利用して目標物の位置を検出するタッチセンシング機構(図示せず)が設けられている。
そして、タッチセンシング機構は、例えば互いに直交するX軸,Y軸,Z軸方向について、目標物に対するタッチセンシングをそれぞれ行うことにより、目標物の位置情報(例えば、XYZ座標系での座標データ等)を検出し、この位置情報を制御装置8の記憶回路に記憶させることができる。
これにより、制御装置8は、溶接作業中に順次搬送されてくる複数のワーク17に対して、それぞれタッチセンシングを行うことによってワーク17の位置(位置ずれ量)を検出する。そして、個々のワーク17の位置ずれ量に応じて溶接開始位置等の位置情報を補正した後に、予め設定された溶接線Wに沿って溶接開始位置から溶接終了位置までワーク17の溶接を行う。
また、制御装置8は、ワーク17の溶接を行う前に、後述の如く基準治具11を目標物としてタッチセンシングを行うことにより、電極5Aの先端部5aの曲り量(ΔXa,ΔYa)と、電極5Bの先端部5bの曲り量(ΔXb,ΔYb)とをそれぞれ検出する。なお、電極5A,5Bの曲り量を表す4つの成分ΔXa,ΔXb,ΔYa,ΔYbは、個々の電極5A,5Bの曲り方向に応じて、それぞれプラス、マイナスまたは零のうち何れかの値をとるものである。
そして、少なくとも一方の曲り量が許容限度を越えている場合には、後述の図10、図11に示す如く、これらの先端部5a,5bを結ぶ直線Lが溶接線Wに対して平行となるように、トーチ4の補正角度Φを演算し、この補正角度Φ分だけトーチ4の回転補正を行う構成となっている。
11は例えば溶接ロボット2の近傍等に所定の位置関係をもって設けられ、自動溶接に用いられるタッチセンシング式の基準治具を示している。この基準治具11は、例えば金属等の導電性を有する材料によって形成され、溶接作業時にタッチセンシングを行うことによって電極5A,5Bの曲り具合の検出に用いられるものである。
ここで、基準治具11は、図2ないし図4に示す如く、例えばX軸及びY軸方向に延びる四角形状の平板として形成され、表面12Aと裏面12Bとを有する基台12と、後述のテーパ穴13,14、立上り壁15,16とによって大略構成されている。また、基準治具11は、溶接ロボット2に対して予め定められた位置関係を有し、これらの位置関係は、例えばテーパ穴13,14、立上り壁15,16等の位置を表す座標データとして制御装置8に記憶されている。
13,14は例えば基台12の表面中央に設けられた2個のテーパ穴で、これらのテーパ穴13,14には、それぞれ電極5A,5Bが挿入されることによってZ軸方向のタッチセンシングが行われる。これにより、テーパ穴13,14は、個々の電極5A,5Bの曲り量が許容範囲内であるか否かを判定するときに用いられるものである。
ここで、テーパ穴13,14は、例えば基台12の厚さ方向(Z軸方向)に延びつつ、その表面12Aから裏面12B側に向けてテーパ状(円錐状)に縮径する有底穴として形成され、Z軸方向に対して所定の深さを有している。また、各テーパ穴13,14の間隔は、電極5A,5Bの間隔と等しい寸法に設定されている。
また、電極5A用のテーパ穴13は、例えば電極5Aの曲り量の許容範囲に対応した大きさ(半径)を有する円形状の底面13Aと、該底面13Aを取囲む円錐状の内周面13Bとによって構成されている。
これにより、例えば電極5Aの曲り量が許容範囲を超えていない場合には、図5に示すように、電極5Aをテーパ穴13の中心位置に沿ってZ軸方向に挿入すると、その先端部5aがテーパ穴13の底面13Aに接触する。また、電極5Aの曲り量が許容範囲を超えている場合には、図8に示す如く、電極5Aの先端部5aはテーパ穴13の底面13Aに接触する前に、これよりも浅い位置で内周面13Bに接触するようになる。
このため、制御装置8は、電極5Aの曲り具合を判定するときに、所定の突出し長さを有する電極5Aをテーパ穴13に挿入しつつ、基準治具11の位置をZ軸方向に対してタッチセンシングする。そして、タッチセンシングによる基準治具11の検出位置と、制御装置8に予め記憶された底面13Aの位置情報とを比較する。これにより、制御装置8は、電極5Aがテーパ穴13の底面13Aと内周面13Bのうち何れの部位に接触したかを識別し、接触部位に応じて電極5Aの曲り量が許容範囲内であるか否かを判定する。
一方、電極5B用のテーパ穴14も、テーパ穴13と同様に、底面14Aと内周面14Bとによって構成され、電極5Bの曲り量が許容範囲内であるか否かを判定するときに用いられるものである。
15,16は例えば各テーパ穴13,14を挟む位置で基台12の表面12Aに設けられた2個の立上り壁で、これらの立上り壁15,16は、基台12の対角線をなす2つの角隅に配置されている。そして、立上り壁15,16は、基台12の表面12Aに沿ってX軸方向及びY軸方向に延びるL字状の突起として形成され、表面12AからZ軸方向に沿って垂直に突出している。
ここで、電極5A用の立上り壁15は、電極5Aの基準位置(Xa0,Ya0,Za0)を取得したり、その曲り量(ΔXa,ΔYa)を検出するときに用いられるもので、電極5Aを基台12の表面12Aに沿って移動させつつ、X軸方向及びY軸方向のタッチセンシングを行うときに目標物となるものである。また、立上り壁15は、Y軸方向に沿って延びる縦板部15Aと、X軸方向に沿って延びる横板部15Bとによって構成され、これらの部位の位置情報は制御装置8に予め記憶されている。
そして、溶接作業の開始前に行われる後述の教示(ティーチング)作業では、例えば曲りが生じていない教示用電極(図示せず)等を用いて、立上り壁15を目標物としてX軸方向及びY軸方向のタッチセンシングが行われ、これによって電極5Aの基準位置(Xa0,Ya0,Za0)が取得される。
また、立上り壁15には、溶接作業中にも電極5Aによってティーチング時とほぼ同様のタッチセンシングが自動的に行われ、これによって電極5Aの曲り量(ΔXa,ΔYa)が検出される。これらのタッチセンシング動作では、立上り壁15の縦板部15Aを目標物としてX軸方向のタッチセンシングが行われ、横板部15Bを目標物としてY軸方向のタッチセンシングが行われる。
一方、電極5B用の立上り壁16は、縦板部16Aと横板部16Bとによって構成され、これらの部位の位置情報も制御装置8に予め記憶されている。そして、立上り壁16は、立上り壁15の場合とほぼ同様に、電極5Bの基準位置(Xb0,Yb0,Zb0)を取得したり、その曲り量(ΔXb,ΔYb)を検出するときに用いられるものである。
なお、図1において、17は溶接対象物となるワークを示している。そして、溶接ロボット2は、例えば作業現場の組立ライン18等に沿って複数のワーク17が搬送されてくるときに、個々のワーク17に対して順次溶接作業を自動的に行う構成となっている。
本実施の形態による自動溶接装置1は上述の如き構成を有するもので、次に、図13を参照しつつ、溶接ロボット2を用いた自動溶接方法について説明する。
まず、ステップ1では、組立ライン18でワーク17の溶接作業を開始する前に、例えば溶接動作の動作パターン、ワーク17の形状、位置等を含めて自動制御に必要な情報を制御装置8に教示(ティーチング)する。そして、この教示作業では、後述の初期設定処理を行うことにより、電極5A,5Bの基準位置(Xa0,Ya0,Za0),(Xb0,Yb0,Zb0)を検出、取得し、そのデータを制御装置8に記憶させる。
次に、ステップ2では、溶接ロボット2のトーチ4を基準治具11の位置に移動し、ステップ3では、後述の電極曲り検出処理を行うことにより、電極5A,5Bの曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を検出する。そして、これ以後は制御装置8によってステップ4〜19の自動制御を繰返すことにより、個々のワーク17に対する溶接を行う。
そして、この自動制御では、まずステップ4で、例えば溶接ロボット2に付設されたワイヤカット装置(図示せず)等を作動させることにより、教示点側の電極(本実施の形態では、電極5Aとして例示)の先端側を切断し、その突出し長さを所定の寸法に調整する。この場合、教示点とは、制御装置8に溶接動作をティーチングするときに位置情報の基準となる点である。
次に、ステップ5では、ステップ3で電極曲り検出処理を行ったときに、電極5A,5Bの曲り量が何れも許容範囲内であったか否かを判定する。そして、ステップ5で「YES」と判定したときには、ステップ6でトーチ4をワーク17(組立ライン18)の位置に移動し、ステップ7では、教示点側の電極5Aを用いてワーク17のタッチセンシングを行う。これにより、ステップ8では、タッチセンシングの検出結果を用いてワーク17の位置(位置ずれ量)を検出する。
そして、ステップ9では、ワーク17の位置ずれ量に応じて、制御装置8に予め記憶された溶接開始位置等の位置情報を補正し、位置ずれしたワーク17に対しても所定の溶接線Wに沿って溶接を行うことができるようにする。
次に、ステップ10では、図7に示す如く、教示点側の電極5Aを予め設定された溶接線W上の溶接開始位置に移動し、ステップ11では、各電極5A,5Bの先端部5a,5bを溶接線Wに沿って溶接進行方向(矢示A方向)に移動しつつ、これらの電極5A,5Bによってワーク17の所定部位にタンデム溶接を行う。
そして、溶接動作の終了後には、後述のステップ19で溶接作業が終了したと判定するまでステップ2〜19の処理を繰返すことにより、組立ライン18に沿って搬送されてくる個々のワーク17に対して順次溶接を行う。
一方、ステップ5で「NO」と判定したときには、ワーク17の位置ずれ量だけでなく、電極5A,5Bの曲り具合にも対応した補正を行う必要がある。そこで、この場合には、まずステップ12〜14で前記ステップ6〜8と同様の処理を行い、ワーク17の位置ずれ量を検出する。
このとき、ステップ14では、例えば先端部5aが曲った電極5Aによってワーク17のタッチセンシングを行うことになるから、このタッチセンシングによって検出した位置ずれ量には、ワーク17の位置ずれ量だけでなく、電極5Aの曲り量も含まれている。
次に、ステップ15では、前記ステップ9とほぼ同様に、位置ずれ量の検出結果に応じて溶接開始位置等の位置情報を補正する。これにより、教示点側の電極5Aについては、ワーク17の位置ずれ量だけでなく、電極5A自体の曲り量も補正したことになるから、ステップ16では、ワーク17の位置ずれや電極5Aの曲り具合に影響されることなく、電極5Aを所定の溶接開始位置に移動することができる。
しかし、この状態では、図11中に仮想線で示す如く、他方の電極5Bが先端部5bの曲り量分だけ溶接線Wから外れた状態となっている。そこで、ステップ17では、例えばトーチ4をZ軸周りで回転させることにより、トーチ4の回転補正を行う。この回転補正では、電極5A,5Bのうち溶接進行方向(矢示A方向)の先行位置にある一方の電極5Aを中心として、他方の電極5Bを補正角度Φ分だけ回転させる。この場合、補正角度Φは、ステップ3で後述の電極曲り検出処理を行うことによって演算された角度である。
この回転補正を行うことにより、図11中に実線で示す如く、電極5Aを一定の位置に保持しつつ、電極5Bを溶接線W上に移動させることができる。この結果、電極5A,5Bの先端部5a,5bは、図12に示す如く、溶接線W上に並んだ状態となるので、ステップ18では、前記ステップ11とほぼ同様に、これらの先端部5a,5bにより溶接線Wに沿ってタンデム溶接を行う。そして、溶接動作の終了後には、ステップ19で溶接作業が終了したと判定するまで他のワーク17に対してステップ4〜19の処理を繰返す。
次に、図14を参照しつつ、例えば溶接作業を開始する前にティーチング作業の一部として行われる初期設定処理について説明する。
まず、ステップ21では、例えば曲りが生じていない2本の教示用電極をトーチ4にセットし、これらの教示用電極の先端側をワイヤカット装置によって切断することにより、トーチ4から突出する各教示用電極の突出し長さを制御装置8に予め記憶された所定の寸法に調整する。
次に、ステップ22では、トーチ4を基準治具11の位置に移動し、ステップ23では、一方の教示用電極の先端部によって基準治具11の立上り壁15をX軸方向及びY軸方向にタッチセンシングする。これにより、ステップ24では、電極5Aに曲りが生じていないときの先端部5aの位置に相当する基準位置(Xa0,Ya0,Za0)を取得する。
次に、ステップ25では、他方の教示用電極の先端部によって基準治具11の立上り壁16をX軸方向及びY軸方向にタッチセンシングする。これにより、ステップ26では、電極5Bに曲りが生じていないときの先端部5bの位置に相当する基準位置(Xb0,Yb0,Zb0)を取得し、ステップ27でリターンする。
次に、図15を参照しつつ、電極5A,5Bの曲り具合を検出する電極曲り検出処理について説明する。
まず、ステップ31では、図3に示す如く、電極5A,5Bを基準治具11のテーパ穴13,14の中心に合わせた位置に移動し、これらの先端部5a,5bをテーパ穴13,14の中心位置に挿入していく。そして、最初に、例えば電極5AによってZ軸方向のタッチセンシングを行うことにより、基準治具11のZ軸方向位置を検出する。
次に、ステップ32では、例えば電極5Aのタッチセンシングによる基準治具11の検出位置と、制御装置8に予め記憶されたテーパ穴13の底面13Aの位置情報等とを比較することにより、電極5Aの先端部5aがテーパ穴13の底面13Aに接触したか否かを判定する。
そして、ステップ32で「YES」と判定したときには、図5に示す如く、電極5Aが曲っていないか、またはその曲り量が許容できる程度に小さいので、後述のステップ33で電極5Bの曲り具合を判定する。
また、ステップ32で「NO」と判定したときには、図8に示す如く、電極5Aがテーパ穴13の内周面13Bに接触したので、その曲り量が許容限度を超えていると判断することができる。そこで、この場合には、後述のステップ36に移って各電極5A,5Bの曲り量を検出する。
次に、ステップ33では、電極5Aの場合とほぼ同様に、電極5Bによってテーパ穴14内でZ軸方向のタッチセンシングを行い、ステップ34では、電極5Bの先端部5bがテーパ穴14の底面14Aに接触したか否かを判定する。
そして、ステップ34で「YES」と判定したときには、ステップ35で何れの電極5A,5Bにも補正が必要なほど大きな曲りが生じていないと判断し、ステップ36〜42による曲り量の検出を行うことなく、後述のステップ43でリターンする。
この状態では、図6、図7に示す如く、各電極5A,5Bの先端部5a,5bがそれぞれの基準位置(Xa0,Ya0,Za0),(Xb0,Yb0,Zb0)にあるから、トーチ4の回転補正を行わなくても、ワーク17の位置ずれ分を補正するだけで、各電極5A,5Bの先端部5a,5bを溶接線W上に揃えることができる。
次に、ステップ36では、電極5A,5Bの何れかの曲り量が大きいと判断し、ステップ37では、図9に示す如く、まず電極5Aの先端部5aによって基準治具11の立上り壁15をX軸方向及びY軸方向にタッチセンシングする。これにより、ステップ38では、例えばタッチセンシングによる立上り壁15の検出位置と、制御装置8に予め記憶された立上り壁15の位置情報等とを比較することにより、X軸方向及びY軸方向に対する電極5Aの先端部5aの曲り量(ΔXa,ΔYa)を検出する。
また、ステップ39では、電極5Aの場合とほぼ同様に、電極5Bの先端部5bによって基準治具11の立上り壁16をX軸方向及びY軸方向にタッチセンシングし、ステップ40では、このタッチセンシングによる検出結果を用いて電極5Bの先端部5bの曲り量(ΔXb,ΔYb)を検出する。
次に、ステップ41では、図10に示す如く、ティーチング時に取得した電極5AのXY平面上における基準位置(Xa0,Ya0)と、ステップ38で検出した電極5Aの曲り量(ΔXa,ΔYa)とを用いて、電極5Aの先端部5aの位置(Xa,Ya)を下記数1のように算出する。
Figure 2007307612
また、電極5Bの基準位置(Xb0,Yb0)と曲り量(ΔXb,ΔYb)とを用いて、電極5Bの先端部5bの位置(Xb,Yb)を下記数2のように算出する。
Figure 2007307612
次に、ステップ42では、電極5Aの先端部5aの位置(Xa,Ya)と、電極5Bの先端部5bの位置(Xb,Yb)とを用いて下記数3の演算を行うことにより、これらの先端部5a,5bを結ぶ直線Lと溶接進行方向(溶接線W)とのなす角度、即ちトーチ4を回転させたときに直線Lが溶接線Wに対して平行となるような補正角度Φを算出する。
Figure 2007307612
この場合、前記数3の式は、図10において、2つの位置(Xa,Ya),(Xb,Yb)と、点C(Xb,Ya)とによって形成される直角三角形の正接(tangent)を考察することにより導出されるものである。
そして、ステップ43でリターンした後には、前述したように図13中のステップ17で補正角度Φ分の回転補正が行われる。この結果、図11に示すように、電極5A,5Bの先端部5a,5bを結ぶ直線Lを溶接線Wと平行に配置することができ、この状態で電極5Aを先行の電極として矢示A方向に溶接を行うことができる。
一方、例えば電極5Aによってワーク17のタッチセンシングを行った後に、溶接進行方向が逆向き(矢示B方向)の溶接を行う場合には、図16、図17に示すように、電極5Bが先行の電極となる。この場合には、電極5Bが基準となるように溶接開始位置等の位置情報を補正した上で、電極5Bを中心として電極5Aを回転させる必要があるから、矢示A方向の溶接時とは補正方法が異なるものとなる。
そこで、この場合の補正方法について説明すると、まず電極5Bを先行させるときに溶接開始位置等の補正に必要な補正量を(ΔXb′,ΔYb′)とすれば、この補正量(ΔXb′,ΔYb′)は、電極5Bの実際の曲り量(ΔXb,ΔYb)によって与えられる補正分に対して、電極5Aのタッチセンシングによって行われた補正(ΔXa,ΔYa)分の影響を除去したものとなり、下記数4のように算出される。
Figure 2007307612
また、電極5Bを中心として回転補正を行うときの補正角度Φは、図10と図16とを比較すると判るように、電極5Aを中心とした場合と同じ角度になる。このため、電極5Bを先行させて矢示B方向に溶接を行う場合には、溶接開始位置等の位置情報を前記数4の補正量(ΔXb′,ΔYb′)分だけ補正した後に、図18中のステップ16′に示す如く、電極5Bを溶接開始位置に移動し、ステップ17′では、電極5Bを中心として電極5Aを補正角度Φだけ回転させることにより、これらの先端部5a,5bを溶接線W上に揃えることができる。
かくして、本実施の形態によれば、自動溶接を行うときに、制御装置8は、基準治具11を用いて各電極5A,5Bの曲り具合、及び具体的な曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を検出する構成とし、この検出動作に対応して基準治具11には、有底状のテーパ穴13,14とL字状の立上り壁15,16とを設ける構成としている。
これにより、溶接動作を行う前には、まず溶接ロボット2の電極5Aを基準治具11のテーパ穴13に挿入しつつ、Z軸方向のタッチセンシングを行うことによって電極5Aと基準治具11との接触位置をそれぞれ検出することができる。そして、電極5Aがテーパ穴13の底面13Aに接触したときには、その曲り量が許容範囲内であると判定することができる。
また、電極5Aがテーパ穴13の内周面13Bに接触したときには、その曲り量が許容範囲を超えていると判定することができ、この場合には、電極5Aによって立上り壁15をX軸及びY軸方向にそれぞれタッチセンシングすることにより、その曲り量(ΔXa,ΔYa)を正確に検出することができる。この場合、立上り壁15の縦板部15Aと横板部15Bとにタッチセンシングを行うことにより、曲り量(ΔXa,ΔYa)を2次元座標での具体的な寸法値として容易に検出することができる。
一方、電極5Bについても、電極5Aの場合と同様に、基準治具11のテーパ穴14と立上り壁16とを用いることによって曲り量の許容判定と曲り量(ΔXb,ΔYb)の検出とを正確かつ容易に行うことができる。
この場合、最初にテーパ穴13,14を用いて曲り量の許容判定を行っているから、その曲り量が許容範囲内であるときには、X軸及びY軸方向のタッチセンシングによる具体的な曲り量の検出動作を省略することができ、不要な検出動作を省いて自動溶接時の作業効率を高めることができる。
また、制御装置8は、曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)の検出値を用いて各電極5A,5Bの先端部5a,5bを結ぶ直線Lと溶接線Wとのなす角度を補正角度Φとして演算し、さらに溶接進行方向に応じて各電極5A,5Bのうち一方の電極を中心として他方の電極を補正角度Φ分だけ回転させるようにしている。
これにより、2本の電極5A,5Bがそれぞれ異なる方向に曲っていたとしても、これらの先端部5a,5bを溶接進行方向(溶接線W)と平行な直線上に配置することができ、各電極5A,5Bの位置を適切に回転補正することができる。
さらに、制御装置8は、例えば電極5Aによってワーク17の位置ずれを検出し、この位置ずれ分だけ溶接開始位置等の位置情報を補正するようにしている。このため、制御装置8は、例えば図11中の矢示A方向に向けて溶接を行う場合に、溶接進行方向に対して先行する一方の電極5Aが溶接線W上に配置されるように、電極5Aの位置を適切に補正することができる。一方、図17中の矢示B方向に向けて溶接を行う場合にも、例えば前記数4に示す補正量(ΔXb′,ΔYb′)分の補正を行うことにより、先行する電極5Bを溶接線W上に配置することができる。
そして、このようにワーク17の位置ずれ等に対処する補正と、各電極5A,5Bの曲りに対処する回転補正とを一緒に行うことにより、ワーク17の位置ずれや各電極5A,5Bの曲り具合に影響されることなく、2本の電極5A,5Bの先端部5a,5bを溶接線W上に正確に位置合わせすることができ、何れかの電極が溶接線Wから外れるのを確実に防止することができる。
従って、これらの電極5A,5Bによって溶接線W上に重なり合うように2重の溶接(タンデム溶接)を行うことができ、このときに各電極5A,5Bの溶接ビードのずれ等を抑えることができるから、十分な量の溶接ビードを短時間で効率よく形成することができ、溶接部の強度や外観を向上させることができる。
そして、このような自動溶接を行うときに、有底状のテーパ穴13,14とL字状の立上り壁15,16とを有する基準治具11を用いるようにしたので、電極5A,5Bの曲り量の許容判定、その具体的な曲り量等を効率よく把握することができ、これらの内容に応じて適切な補正を行うことができる。このため、基準治具11を用いて溶接部の精度や品質を向上させることができ、また作業の効率化を図ることができる。
次に、図19ないし図28は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、非接触式センサである光電センサを用いて電極の曲り具合を検出する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
21は自動溶接装置を示し、この自動溶接装置21は、第1の実施の形態とほぼ同様に、溶接ロボット2、溶接電源6,7と、後述の制御装置22、基準治具23等によって構成されている。
22は溶接ロボット2の自動制御を行う制御装置で、該制御装置22には、第1の実施の形態とほぼ同様に、自動溶接を行うために必要な各種のデータが予め記憶されており、このデータには、第1の実施の形態の図13に示す制御プログラムと、後述の図27及び図28に示す制御プログラムとが含まれている。
また、制御装置22には、第1の実施の形態とほぼ同様に、ワーク17の位置を検出するタッチセンシング機構と、トーチ4を移動したときにその移動量を検出、記憶する記憶回路(何れも図示せず)とが設けられている。
そして、制御装置22は、後述の光電センサ25による電極5A,5Bの位置情報の検出結果を用いて、電極5Aの先端部5aの曲り量(ΔXa,ΔYa)と、電極5Bの先端部5bの曲り量(ΔXb,ΔYb)とをそれぞれ検出する。また、制御装置22は、第1の実施の形態とほぼ同様に、電極5A,5Bの曲り量の検出結果を用いてトーチ4の補正角度Φを演算し、この補正角度Φ分だけトーチ4の回転補正を行う構成となっている。
23は例えば溶接ロボット2の近傍等に所定の位置関係をもって設けられ、自動溶接に用いられる非接触式の基準治具を示している。この基準治具23は、第1の実施の形態とほぼ同様に、電極5A,5Bの曲り具合の検出に用いられるものである。ここで、基準治具23は、図20ないし図22に示す如く、例えばX軸及びY軸方向に延びる四角形状の平板として形成された基台24と、該基台24の表面24A側に突設された後述の光電センサ25、反射部材26,27とによって大略構成されている。
25は基台24に設けられた非接触式センサとしての光電センサを示し、この光電センサ25は、図21に示す如く、例えばビーム状の光線を基台24の表面24Aと平行に発射する発光部25Aと、この光線を受光する受光部25Bとによって構成されている。ここで、発光部25Aと受光部25Bとは、例えば基台24の四隅のうち対角をなす2つの角隅に配置され、反射部材26,27を挟んで互いにX軸方向に離間すると共に、Y軸方向にも離間している。
そして、光電センサ25は、受光部25Bが光線を受光しているか否かに応じて、後述の光路P1,P2,P3上に遮蔽物が存在するか否かを識別するものである。これにより、光電センサ25は、後述の初期設定処理、電極曲り検出処理において、溶接ロボット2の電極5A,5B(または後述の基準電極100A,100B)が光路P1〜P3上に達したことを当該電極の位置情報として検出し、その検出結果を制御装置22に出力する。
26,27は基台24上に設けられた例えば2個の反射部材で、これらの反射部材26,27は、光電センサ25の発光部25Aから発射される光線の光路を2箇所でそれぞれL字状に屈曲させるものである。
ここで、一方の反射部材26は、光線の入射側が光電センサ25の発光部25AとX軸方向で対向し、光線の反射側が他方の反射部材27とY軸方向で対向している。そして、反射部材26は、発光部25Aから入射される光線を他方の反射部材27に向けて直角に反射する。これにより、基台24上には、発光部25Aから反射部材26に向けてX軸方向に延びる光路P1と、この反射部材26から他方の反射部材27に向けてY軸方向に延びる光路P2とが形成されている。
また、反射部材27は、反射部材26から入射される光線を光電センサ25の受光部25Bに向けて直角に反射するものである。これにより、基台24上には、反射部材27から受光部25Bに向けてX軸方向に延びる光路P3が形成されている。ここで、各光路P1,P2,P3は、全体としてX軸方向及びY軸方向に屈曲したクランク状の光路を構成しており、これらの光路P1〜P3は、後述の如くXY平面上で電極5A,5B(または基準電極100A,100B)の位置情報を得るときに用いられるものである。
そして、電極5A,5Bの曲り量を検出するときには、後述の如くトーチ4を基準位置からX軸方向及びY軸方向に移動しつつ、電極5A,5Bが光路P1〜P3に達したことを光電センサ25によって検出することにより、このときの移動量を用いて電極5A,5Bの曲り量を算出する構成となっている。
本実施の形態による自動溶接装置21は上述の如き構成を有するもので、次に、溶接ロボット2を用いた自動溶接方法について説明する。なお、図27、図28に示す初期設定処理と電極曲り検出処理とは、第1の実施の形態と同様の基本的な処理(図13参照)のステップ1,3において、初期設定処理と電極曲り検出処理(図14、図15参照)に代えて実行されるものであり、基本的な処理については、その説明を省略するものとする。
そして、まず最初に、図27を参照しつつ、例えば溶接作業を開始する前にティーチング作業の一部として行われる初期設定処理について説明する。
この初期設定処理では、まず曲っていない直線状の基準電極100A,100Bを用意し(図23ないし図25参照)、これらの基準電極100A,100Bを、電極5A,5Bに代えてトーチ4にそれぞれ取付ける。そして、ステップ51では、基準電極100A,100Bの突出し長さを、予め定められた電極5A,5Bの突出し長さmよりも大きな寸法値(検出用突出し長)に設定し、ステップ52では、トーチ4を基準治具23の位置に移動する。
次に、ステップ53では、光電センサ25を作動させ、その発光部25Aから発射された光線を反射部材26,27によって受光部25Bに受光させる。次に、ステップ54では、トーチ4を基準治具23に向けてZ軸方向に移動する。これにより、ステップ55では、図23に示すように、例えばトーチ4の最先端部が光電センサ25の光路(例えば、光路P2)の位置に達し、トーチ4によって光路P2が遮られる。このため、ステップ56では、光電センサ25の受光部25Bが非受光状態に変化し、この位置がトーチ4の先端面4Aの位置(高さH)として検出される。
次に、ステップ57では、トーチ4を、基準治具23から離れる方向に向けて、例えば電極5A,5Bの突出し長さm分だけZ軸方向に移動する。この結果、図24に示すように、基準電極100A,100Bの先端寄りの部位100a,100b(電極5A,5Bの最先端部に相当する部分)は、Z軸方向に対して光路P2とほぼ同じ高さに配置された状態となる。
そして、ステップ58では、この状態において、基準電極100Aの部位100aの座標データを、電極5Aの基準位置(Xa0,Ya0,Za0)として取得し、同じく基準電極100Bの部位100bの座標データを、電極5Bの基準位置(Xb0,Yb0,Zb0)として取得する。
次に、ステップ59では、まずトーチ4をX軸方向(図25中の右側)に移動し、基準電極100Aを光路P2に向けて変位させる。そして、基準電極100Aが光路P2に達し、これによって光路P2が遮断されたことを光電センサ25によって検出したときには、ステップ60において、基準位置(Xa0,Ya0)から光路P2までの移動量XaL0を、基準電極100Aの位置情報として検出し、この移動量XaL0を、電極5Aが曲っていない状態で基準位置から光路P2まで移動するときのX軸方向の基準移動量XaL0として制御装置22に記憶する。
次に、ステップ61では、トーチ4を、例えば電極5A,5Bが前記基準位置となるような検査開始位置に移動し、ステップ62では、基準電極100Aを検査開始位置から光路P1に向けてY軸方向に移動する。そして、ステップ63では、前記ステップ60の場合とほぼ同様に、基準電極100Aが光路P2に達したときに、基準位置(Xa0,Ya0)から光路P1までの移動量YaL0を、基準電極100Aの位置情報として検出し、この移動量YaL0を、電極5Aが曲っていない状態で基準位置から光路P1まで移動するときのY軸方向の基準移動量YaL0として記憶する。
また、ステップ64では、トーチ4を検査開始位置に戻し、ステップ65〜70では、他方の基準電極100Bを用いてステップ59〜64とほぼ同様の処理を行うことにより、曲っていない(直線状の)電極5Bが基準位置(Xb0,Yb0)から光路P2まで移動するときのX軸方向の基準移動量XbL0と、同じく直線状の電極5Bが基準位置から光路P3まで移動するときのY軸方向の基準移動量YbL0とを取得する。
そして、ステップ71では光電センサ25を停止し、第1の実施の形態とほぼ同様の制御(図13中のステップ2以降)にリターンする。
次に、図28を参照しつつ、実際の溶接に使用する電極5A,5Bの曲り具合を検出する電極曲り検出処理について説明する。
この検出処理では、まず電極5A,5Bをトーチ4に取付けた後に、ステップ81で光電センサ25を作動させ、ステップ82では、トーチ4を検査開始位置(基準位置)に移動する。そして、ステップ83,84では、電極5Aを用いて図27中に示すステップ59,60とほぼ同様の処理を行う。即ち、電極5AをX軸方向(図26中の右側)に移動しつつ、光電センサ25によって電極5Aが光路P2に達したことを検出する。これにより、電極5Aが基準位置(Xb0,Yb0)から光路P2まで移動するときのX軸方向の移動量XaL1を、電極5Aの位置情報として検出することができる。
そして、ステップ85では、電極5Aが曲っていないときの基準移動量XaL0と、実際の電極5Aの移動量XaL1とを比較することにより、下記数5に示すように、電極5AのX軸方向の曲り量(曲り量のX軸方向成分)ΔXaを、移動量XaL1と基準移動量XaL0との差として検出する。
Figure 2007307612
次に、ステップ86では、トーチ4を検査開始位置に戻し、ステップ87,88では、電極5Aを用いて図27中に示すステップ62,63とほぼ同様の処理を行うことにより、電極5Aが基準位置(Xb0,Yb0)から光路P1まで移動するときのY軸方向の移動量YaL1を検出する。そして、ステップ89では、下記数6に示すように、電極5AのY軸方向の曲り量(曲り量のY軸方向成分)ΔYaを、基準移動量YaL0と移動量YaL1との差として検出し、ステップ90でトーチ4を検査開始位置に戻す。
Figure 2007307612
一方、ステップ91〜97では、電極5Bを用いてステップ83〜89とほぼ同様の処理を行うことにより、電極5Bの移動量XbL1,YbL1を検出する。そして、これらの移動量XbL1,YbL1と基準移動量XbL0,YbL0とを用いることにより、下記数7,8に示す如く、電極5Bの曲り量のX軸方向成分ΔXbとY軸方向成分ΔYbとを検出する。
Figure 2007307612
Figure 2007307612
このように、電極5Aの曲り量(ΔXa,ΔYa)と、電極5Bの曲り量(ΔXb,ΔYb)とを検出することができる。
次に、ステップ98では、第1の実施の形態のステップ41とほぼ同様に、各電極5A,5Bの曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を用いて前記数1,数2の演算を行うことにより、電極5Aの先端部5aの位置(Xa,Ya)と、電極5Bの先端部5bの位置(Xb,Yb)とを導出する。そして、ステップ99では、これらの位置(Xa,Ya),(Xb,Yb)を用いて前記数3の演算を行うことにより、トーチ4の回転補正を行うときの補正角度Φを算出する。また、電極曲り検出処理を終了してリターンした後には、第1の実施の形態(図13中に示すステップ4〜20)とほぼ同様に、タッチセンシングによって検出したワーク17の位置ずれを補正したり、電極5A(または電極5B)を中心としてトーチ4を補正角度Φだけ回転補正する処理を行う。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、非接触式の光電センサ25を用いる構成としている。
これにより、電極5A,5Bの曲り量を検出するために、例えば電極5Aが基準位置(Xa0,Ya0)から光路P1(または光路P2)に達したときには、この状態を光電センサ25によって検出することができる。このとき、制御装置22は、電極5Aが光路P1,P2に達するまでに移動した移動量XaL1,YaL1を位置情報として取得することができる。
そして、これらの移動量XaL1,YaL1を、予め検出しておいた基準電極100Aの位置情報(基準移動量XaL0,YaL0)と比較することにより、電極先端部の曲り量(ΔXa,ΔYa)を正確に検出することができる。また、電極5Bについても同様に、電極5Bが基準位置(Xb0,Yb0)から光路P3(または光路P2)に達したことを光電センサ25によって検出することができ、このときの移動量XbL1,YbL1と基準電極100Bの位置情報(基準移動量XbL0,YbL0)と比較することにより、電極先端部の曲り量(ΔXb,ΔYb)を正確に検出することができる。
この場合、非接触式の光電センサ25を用いることにより、各電極5A,5Bを基準治具23等に接触させなくても、電極5A,5Bの位置情報を正確かつ容易に検出することができる。このため、例えば基準治具23の各部を電極5A,5Bの接触部位として高い寸法精度に形成する必要がないから、その加工を容易に行うことができる。
また、基準治具23には2個の反射部材26,27を設けているので、光電センサ25の発光部25Aから受光部25Bに至る光路P1,P2,P3を2箇所でL字状に屈曲させることができ、これによってX軸方向に延びる光路P1,P3と、Y軸方向に延びる光路P2とを形成することができる。
この結果、電極5A,5Bの移動量XaL1,YaL1,XbL1,YbL1を検出するときには、X軸方向とY軸方向のそれぞれについて、電極5A,5Bを光路P1,P3(または光路P2)に達する位置まで移動することにより、これら2方向の位置情報を個別に得ることができ、これによって電極5A,5Bの曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を2次元座標での具体的な寸法値として正確に検出することができる。
次に、図29ないし図35は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、レーザ式変位センサを用いて電極の曲り具合を検出する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は自動溶接装置を示し、この自動溶接装置31は、第2の実施の形態とほぼ同様に、溶接ロボット2、溶接電源6,7と、後述の制御装置32、基準治具33等によって構成されている。
32は溶接ロボット2の自動制御を行う制御装置で、該制御装置32には、自動溶接を行うために必要な各種のデータが予め記憶されており、このデータには、第1の実施の形態の図13に示す制御プログラムと、後述の図34及び図35に示す制御プログラムとが含まれている。また、制御装置32には、第2の実施の形態とほぼ同様に、ワーク17の位置を検出するタッチセンシング機構と、トーチ4を移動したときにその移動量を検出、記憶する記憶回路(何れも図示せず)とが設けられている。
そして、制御装置32は、後述のレーザ式変位センサ35による電極5A,5Bの位置情報の検出結果を用いて、電極5A,5Bの曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)をそれぞれ検出し、これら曲り量の検出結果を用いてトーチ4の補正角度Φを演算した後に、補正角度Φ分だけトーチ4の回転補正を行う構成となっている。
33は例えば溶接ロボット2の近傍等に所定の位置関係をもって設けられた非接触式の基準治具を示し、この基準治具33は、図30に示す如く、第2の実施の形態とほぼ同様に、例えばX軸及びY軸方向に延びる四角形状の平板として形成された基台34と、該基台34の表面34A側に突設された後述のレーザ式変位センサ35、反射部材36,37とによって大略構成されている。
35は基台34に設けられた非接触式センサとしてのレーザ式変位センサを示し、このレーザ式変位センサ35は、例えば半導体レーザ等によってレーザ光線を基台34の表面34Aと平行に発射する発光部35Aと、例えば光位置検出素子(PSD)等を有し、レーザ光線が検出対象物によって反射されたときに反射波を受光する受光部35Bとによって構成されている。そして、レーザ式変位センサ35は、反射波の受光状態に応じて検出対象物との距離を検出し、その検出結果を制御装置32に出力するものである。
ここで、レーザ式変位センサ35の検出信号は、図32に示す如く、受光部35Bによって反射波が受光されたときに、検出対象物との距離に応じた正常な信号値となる。また、反射波が受光されないときには、例えば検出可能な最大値、または検出不能(無限遠)等を表すエラー信号Eとなる。このため、図30に示すように、電極等の検出対象物が光路P1,P2,P3上に存在しないときには、レーザ光線が反射されることなく基台34の外部に放射されるので、レーザ式変位センサ35からエラー信号Eが出力される。
そして、レーザ式変位センサ35は、後述の初期設定処理、電極曲り検出処理において、溶接ロボット2の電極5A,5B(または基準電極)が光路P1〜P3上に達したか否かを表す位置情報と、光路P1〜P3上に達した電極5A,5B等との距離を表す位置情報とを検出することができる。
36,37は基台34上に設けられた例えば2個の反射部材で、これらの反射部材36,37は、第2の実施の形態とほぼ同様に、レーザ式変位センサ35から発射されるレーザ光線を直角に反射することにより、その光路を2箇所でそれぞれL字状に屈曲させるものである。ここで、一方の反射部材36は、レーザ式変位センサ35とX軸方向で対向し、他方の反射部材37とY軸方向で対向している。そして、各反射部材36,37は、全体としてクランク状に屈曲した光路P1,P2,P3を形成している。
本実施の形態による自動溶接装置31は上述の如き構成を有するもので、次に、溶接ロボット2を用いた自動溶接方法について説明する。なお、図34、図35に示す初期設定処理と電極曲り検出処理とは、第1の実施の形態と同様の基本的な処理(図13参照)のステップ1,3において、初期設定処理と電極曲り検出処理(図14、図15参照)に代えて実行されるものであり、基本的な処理については、その説明を省略するものとする。
そして、まず最初に、図34を参照しつつ、初期設定処理について説明すると、この初期設定処理は、第2の実施の形態とほぼ同様の手順によって行われるものである。即ち、ステップ101では、まず曲っていない直線状の基準電極200A,200B(図31参照)をトーチ4に取付け、ステップ102では、トーチ4を基準治具23の位置に移動する。また、ステップ103では、レーザ式変位センサ35を作動させ、ステップ104では、トーチ4を基準治具23に向けてZ軸方向に移動する。
そして、ステップ105では、例えばトーチ4の最先端部が光路P2上に達したときに、レーザ式変位センサ35の検出信号がエラー信号Eから正常な信号値に変化するので、ステップ106では、このときの位置をトーチ4の先端面4Aの位置として検出する。次に、ステップ107では、トーチ4を、基準治具33から離れる方向に向けて、例えば電極5A,5Bの突出し長さ分だけZ軸方向に移動し、ステップ108では、この状態で電極5A,5Bの基準位置(Xa0,Ya0,Za0),(Xb0,Yb0,Zb0)を取得する。
次に、ステップ109では、まずトーチ4をY軸方向(図31中の上側)に移動し、一方の基準電極200Aを光路P1に向けて変位させる。そして、基準電極200Aが光路P1に達すると、レーザ式変位センサ35の検出信号は、図32に示すように、エラー信号Eから基準電極200Aの位置情報を表す信号値に変化し、センサ35と基準電極200Aとの間のX軸方向の距離となる。そこで、ステップ110では、この距離を、曲っていない電極5Aが基準位置(Xa0,Ya0)にあるときのセンサ35と電極5Aとの間の基準距離XaD0として検出し、ステップ111でトーチ4を検査開始位置に戻す。
また、ステップ112では、基準電極200Aを光路P2の位置までX軸方向に移動する。これにより、レーザ式変位センサ35の検出信号は、センサ35と基準電極200Aとの間のY軸方向の距離に対応する信号値となる。そこで、ステップ113では、この距離を、基準位置(Xa0,Ya0)にある直線状の電極5Aと、レーザ式変位センサ35との間の基準距離YaD0として検出し、ステップ114でトーチ4を検査開始位置に戻す。
この場合、センサ35の実際の検出距離は、光路P1の長さと基準距離YaD0とを加算した値となる。しかし、光路P1の長さについては、後述する数10の演算時に基準距離YaD0と距離YaD1との間で打消されるので、以下の説明では、距離の図示等を簡略化するために、実際の検出距離のうち光路P1の長さを除いた主要な寸法成分のみを基準距離YaD0として説明するものとする。また、後述の基準距離XbD0,YbD0と距離YaD1,XbD1,YbD1についても同様に、一定となる光路長を除いた主要な寸法成分のみに符号を付して説明する。
次に、ステップ115〜120では、他方の基準電極200Bを用いてステップ109〜114とほぼ同様の処理を行うことにより、基準位置(Xb0,Yb0)にある直線状の電極5Bとレーザ式変位センサ35との間のX軸方向の基準距離XbD0、及びこの状態の電極5Bとセンサ35との間のY軸方向の基準距離YbD0を検出する。
そして、ステップ121ではレーザ式変位センサ35を停止し、第1の実施の形態とほぼ同様の制御(図13中のステップ2以降)にリターンする。
次に、図35を参照しつつ、実際の溶接に使用する電極5A,5Bの曲り具合を検出する電極曲り検出処理について説明する。
この検出処理では、まず電極5A,5Bをトーチ4に取付けた後に、ステップ131でレーザ式変位センサ35を作動させ、ステップ132では、トーチ4を検査開始位置(基準位置)に移動する。そして、ステップ133,134では、電極5Aを用いて図34中に示すステップ109,110とほぼ同様の処理を行う。即ち、電極5AをY軸方向に沿って光路P1の位置まで移動し、レーザ式変位センサ35によって電極5Aの位置情報を、電極5Aとセンサ35との間のX軸方向の距離XaD1として検出する。
そして、ステップ135では、下記数9に示すように、電極5Aの曲り量のX軸方向成分ΔXaを、電極5Aが曲っていないときの基準距離XaD0と、実際の電極5Aの距離XaD1との差として検出する。
Figure 2007307612
次に、ステップ136では、トーチ4を検査開始位置に戻し、ステップ137,138では、電極5Aを用いて図34中に示すステップ112,113とほぼ同様の処理を行うことにより、電極5Aとレーザ式変位センサ35との間のY軸方向の距離YaD1を検出する。そして、ステップ139では、下記数10に示すように、電極5Aの曲り量のY軸方向成分ΔYaを、基準距離YaD0と距離YaD1との差として検出し、ステップ140でトーチ4を検査開始位置に戻す。
Figure 2007307612
一方、ステップ141〜147では、電極5Bを用いてステップ133〜139とほぼ同様の処理を行うことにより、電極5Bとレーザ式変位センサ35との間の距離XbD1,YbD1を検出する。そして、これらの距離XbD1,YbD1と基準距離XbD0,YbD0とを用いることにより、下記数11,12に示すように、電極5Bの曲り量のX軸方向成分ΔXbとY軸方向成分ΔYbとを検出する。
Figure 2007307612
Figure 2007307612
このように、電極5Aの曲り量(ΔXa,ΔYa)と、電極5Bの曲り量(ΔXb,ΔYb)とを検出することができる。
次に、ステップ148では、第1の実施の形態のステップ41とほぼ同様に、各電極5A,5Bの曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を用いて前記数1,数2の演算を行うことにより、電極5Aの先端部5aの位置(Xa,Ya)と、電極5Bの先端部5bの位置(Xb,Yb)とを導出する。そして、ステップ149では、これらの位置(Xa,Ya),(Xb,Yb)を用いて前記数3の演算を行うことにより、トーチ4の回転補正を行うときの補正角度Φを算出する。また、電極曲り検出処理を終了してリターンした後には、第1の実施の形態(図13中に示すステップ4〜20)とほぼ同様に、タッチセンシングによって検出したワーク17の位置ずれを補正したり、電極5A(または電極5B)を中心としてトーチ4を補正角度Φだけ回転補正する処理を行う。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1,第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、非接触式センサとしてレーザ式変位センサ35を用いる構成としたので、各電極5A,5Bの位置情報を、電極5A,5Bとセンサ35との距離XaD1,YaD1,XbD1,YbD1として正確かつ容易に検出することができる。
次に、図36ないし図39は本発明による第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、レーザ式変位センサによって電極との距離を検出するときに、電極の移動量も一緒に検出する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第3の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、図38、図39に示す初期設定処理と電極曲り検出処理とは、第1の実施の形態と同様の基本的な処理(図13参照)のステップ1,3において、初期設定処理と電極曲り検出処理(図14、図15参照)に代えて実行されるものである。
そして、まず最初に、図36及び図38を参照しつつ、初期設定処理について説明すると、この初期設定処理では、ステップ151〜158において、前記第3の実施の形態のステップ101〜108と同様の処理を行う。
次に、ステップ159では、まず一方の基準電極200Aを基準位置(Xa0,Ya0)から光路P1の位置までY軸方向に移動し、ステップ160では、図36に示す如く、第3の実施の形態と同様に、基準電極200Aが光路P1に達したときにX軸方向の基準距離XaD0を検出する。
このとき、自動溶接用の制御装置は、基準電極200Aが基準位置(Xa0,Ya0)から光路P1まで移動した移動量を把握しているから、ステップ161では、前記第2の実施の形態と同様に、この移動量をY軸方向の基準移動量YaL0として検出し、ステップ162でトーチ4を検査開始位置に戻す。
次に、ステップ163では、他方の基準電極200Bを基準位置(Xb0,Yb0)から光路P3の位置までY軸方向に移動する。そして、基準電極200Bが光路P3に達したときには、基準電極200Aの場合とほぼ同様に、ステップ164でX軸方向の基準距離XbD0を検出し、ステップ165でY軸方向の基準移動量YbL0を検出することにより、これらの検出動作を一緒に行う。そして、ステップ166では、レーザ式変位センサ35を停止する。
続いて、図37及び図39を参照しつつ、電極曲り検出処理について説明すると、この電極曲り検出処理では、まずステップ171,172において、第3の実施の形態のステップ131,132と同様の処理を行う。
次に、ステップ173では、まず一方の電極5Aを基準位置(Xa0,Ya0)から光路P1の位置までY軸方向に移動する。そして、電極5Aが光路P1に達したときには、図37に示す如く、基準電極200Aの場合とほぼ同様に、ステップ174でX軸方向の距離XaD1を検出し、ステップ175でY軸方向の移動量YaL1を検出する。
そして、ステップ176では、基準距離XaD0と距離XaD1とを用いて前記数9の演算を行うことにより、電極5Aの曲り量のX軸方向成分ΔXaを検出し、ステップ177では、基準移動量YbL0と移動量YaL1とを用いて前記数6の演算を行うことにより、曲り量のY軸方向成分ΔYaを検出する。
一方、ステップ179〜183でも同様に、他方の電極5Bを光路P3の位置までY軸方向に移動することにより、X軸方向の距離XbD1とY軸方向の移動量YbL1を一緒に検出した後に、前記数8,数11を用いて電極5Bの曲り量のX軸方向成分ΔXbとY軸方向成分ΔYbとを検出する。また、ステップ184,185では、第3の実施の形態のステップ148,149と同様の処理を行う。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、レーザ式変位センサ35によって基準電極200A,200B、電極5A,5Bとの距離を検出するときに、これらの電極の移動量も一緒に検出する構成としている。
これにより、初期設定処理では、基準電極200A,200Bを例えばY軸方向に移動させるだけで、X軸方向の基準距離XaD0,XbD0と、Y軸方向の基準移動量YaL0,YbL0とを一緒に検出することができる。また、電極曲り検出処理では、電極5A,5BをY軸方向に移動させるだけで、X軸方向の距離XaD1,XbD1と、Y軸方向の移動量YaL1,YbL1とを一緒に検出することができる。
従って、基準電極200A,200B及び電極5A,5Bをそれぞれ1軸方向に移動するだけで曲り量(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb)を速やかに検出することができ、個々の電極を2軸方向に移動させる必要がないから、電極の移動回数を減らして検出動作を効率よく行うことができる。
なお、前記第1の実施の形態では、図15中に示すステップ31〜40が電極曲り検出手段の具体例を示し、ステップ42が角度演算手段の具体例を示している。また、図13,18中に示すステップ8,9,14,15が位置ずれ補正手段の具体例を示し、ステップ17,17′が電極回転手段の具体例を示している。
また、第2の実施の形態では、図28中に示すステップ81〜97が電極曲り検出手段の具体例を示し、ステップ99が角度演算手段の具体例を示している。また、第3の実施の形態では、図35中に示すステップ131〜147が電極曲り検出手段の具体例を示し、ステップ149が角度演算手段の具体例を示している。さらに、第4の実施の形態では、図39中に示すステップ171〜183が電極曲り検出手段の具体例を示し、ステップ185が角度演算手段の具体例を示している。
また、第2ないし第4の実施の形態では、非接触式センサとして光電センサ25、レーザ式変位センサ35を用いる構成とした。しかし、本発明はこれらの光学式センサに限らず、非接触式センサとして、例えば電極の位置情報を超音波や磁力(磁界)によって検出する超音波センサ、電磁ピックアップ等を用いる構成としてもよい。
さらに、第4の実施の形態では、基準電極200A,200B(または電極5A,5B)をY軸方向に移動するときに、X軸方向の距離とY軸方向の移動量とを一緒に検出する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば電極をX軸方向に移動する時に、そのX軸方向の移動量とY軸方向の距離とを一緒に検出する構成としてもよい。
また、実施の形態では、図13中のステップ3に示すように、個々のワーク17の溶接を行う毎に電極5A,5Bの曲りを検出する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば溶接作業の開始時に電極5A,5Bの曲りを検出する構成としたり、一定回数の溶接動作が済む毎に電極5A,5Bの曲りを検出する構成としてもよい。
本発明の第1の実施の形態による自動溶接装置を示す全体構成図である。 図1中のトーチ、電極及び基準治具を拡大して示す斜視図である。 基準治具を図2中の矢示III−III方向からみた縦断面図である。 基準治具を上側からみた平面図である。 曲っていない電極が基準治具のテーパ穴内で底面に接触する状態を示す縦断面図である。 各電極の基準位置を示す説明図である。 曲っていない電極によって溶接を行う状態を示す部分拡大斜視図である。 曲った電極が基準治具のテーパ穴内で内周面に接触する状態を示す縦断面図である。 タッチセンシングによって電極の曲り量を検出する状態を図4と同様位置からみた平面図である。 各電極の基準位置、曲り量及び補正角度の関係を示す説明図である。 電極の位置を回転補正して溶接を行う状態を示す説明図である。 曲った電極によって溶接を行う状態を示す部分拡大斜視図である。 自動溶接制御を示す流れ図である。 図13中の初期設定処理を示す流れ図である。 図13中の電極曲り検出処理を示す流れ図である。 図11中の溶接進行方向と逆方向に溶接を行う場合に各電極の基準位置、曲り量及び補正角度の関係を示す説明図である。 電極の位置を回転補正して逆方向の溶接を行う状態を示す説明図である。 逆方向の溶接を行う場合の自動溶接制御を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態による自動溶接装置を示す全体構成図である。 図19中のトーチ、電極及び基準治具を拡大して示す斜視図である。 基準治具を上側からみた平面図である。 基準治具を図21中の矢示XXII−XXII方向からみた縦断面図である。 電極の基準位置を取得するためにトーチの先端面によって光路を遮断した状態を示す縦断面図である。 トーチを図23中の位置から電極の突出し長さ分だけ上昇させた縦断面図である。 基準電極を基準位置から光路の位置まで移動させることにより基準移動量を検出する状態を示す平面図である。 光電センサを用いて電極の位置情報を検出する状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態による自動溶接方法で図14の処理に代えて行う初期設定処理を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態による自動溶接方法で図15の処理に代えて行う電極曲り検出処理を示す流れ図である。 本発明の第3の実施の形態による自動溶接装置を示す全体構成図である。 図29中のトーチ、電極及び基準治具を拡大して示す平面図である。 基準電極を基準位置から光路の位置まで移動させることにより基準移動量を検出する状態を示す平面図である。 レーザ式変位センサによって検出される電極の位置情報とセンサの検出信号との関係を示す特性線図である。 レーザ式変位センサによって電極の位置情報を検出する状態を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態による自動溶接方法で図14の処理に代えて行う初期設定処理を示す流れ図である。 本発明の第3の実施の形態による自動溶接方法で図15の処理に代えて行う電極曲り検出処理を示す流れ図である。 本発明の第4の実施の形態による自動溶接装置の基準治具を示す図25と同様の平面図である。 レーザ式変位センサによって電極の位置情報を検出する状態を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態による自動溶接方法で図14の処理に代えて行う初期設定処理を示す流れ図である。 本発明の第4の実施の形態による自動溶接方法で図15の処理に代えて行う電極曲り検出処理を示す流れ図である。
符号の説明
1,21,31 自動溶接装置
2 溶接ロボット
3 アーム
4 トーチ
4A 先端面
5A,5B 電極
5a,5b 先端部
8,22,32 制御装置
11,23,33 基準治具
12,24,34 基台
12A,24A,34A 表面
12B 裏面
13,14 テーパ穴
13A,14A 底面
13B,14B 内周面
15,16 立上り壁
15A,16A 縦板部
15B,16B 横板部
17 ワーク(溶接対象物)
25 光電センサ(非接触式センサ)
25A,35A 発光部
25B,35B 受光部
35 レーザ式変位センサ(非接触式センサ)
26,27,36,37 反射部材
100A,100B,200A,200B 基準電極
L 直線
Φ 補正角度
(Xa0,Ya0,Za0),(Xb0,Yb0,Zb0) 基準位置
(ΔXa,ΔYa),(ΔXb,ΔYb) 曲り量
P1,P2,P3 光路
XaL0,YaL0,XbL0,YbL0 基準移動量(基準電極の位置情報)
XaL1,YaL1,XbL1,YbL1 移動量(電極の位置情報)
XaD0,YaD0,XbD0,YbD0 基準距離(基準電極の位置情報)
XaD1,YaD1,XbD1,YbD1 距離(電極の位置情報)

Claims (9)

  1. 互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、
    前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ有底状のテーパ穴と立上り壁とを有する基準治具とを備え、
    前記溶接ロボットの2本の電極を前記基準治具のテーパ穴にそれぞれ挿入することにより前記各電極の曲り量が許容範囲内であるか否かを判定し、
    前記2本の電極の曲り量が許容範囲を超えているときに該各電極を前記基準治具の立上り壁と接触させることによって前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出し、
    前記曲り量の検出結果を用いて前記溶接対象物に対する前記2本の電極の溶接位置を補正する自動溶接方法。
  2. 互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、
    前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられた基準治具と、
    前記溶接ロボットの2本の電極を前記基準治具と接触させることにより前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段とから構成してなる自動溶接装置。
  3. 互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、
    前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられた基準治具と、
    前記溶接ロボットの2本の電極を前記基準治具と接触させることにより前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段と、
    前記電極曲り検出手段により検出した前記曲り量が許容範囲を超えているときに前記曲り量を用いて前記2本の電極の先端部を結ぶ直線と溶接進行方向とのなす角度を演算する角度演算手段と、
    前記2本の電極のうち一方の電極を中心として他方の電極を前記角度演算手段により演算された前記角度分だけ回転させる電極回転手段とから構成してなる自動溶接装置。
  4. 2本の電極を有する自動溶接用の溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられる基台と、
    前記基台の表面から裏面に向けて縮径する有底穴として設けられ前記2本の電極を挿入するときのタッチセンシングに用いられる2個のテーパ穴と、
    前記2個のテーパ穴を挟む位置で前記基台の表面から突出すると共に前記基台に沿ってL字状に延び前記2本の電極を前記表面に沿って移動させるときのタッチセンシングに用いられる2個の立上り壁とから構成してなる自動溶接に用いる基準治具。
  5. 互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、
    前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ前記2本の電極の位置情報をそれぞれ検出する非接触式センサを有する基準治具とを備え、
    前記溶接ロボットの2本の電極を用いて溶接を行うときに該各電極の位置情報を前記非接触式センサによって検出し、
    前記2本の電極の位置情報を用いて該各電極の曲り量をそれぞれ検出し、
    前記曲り量の検出結果を用いて前記溶接対象物に対する前記2本の電極の溶接位置を補正する自動溶接方法。
  6. 互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、
    前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ前記2本の電極の位置情報をそれぞれ検出する非接触式センサを有する基準治具と、
    前記非接触式センサによる位置情報の検出結果を用いて前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段とから構成してなる自動溶接装置。
  7. 互いに間隔をもって突出する2本の電極を有し前記2本の電極によって溶接対象物を溶接する溶接ロボットと、
    前記溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられ前記2本の電極の位置情報をそれぞれ検出する非接触式センサを有する基準治具と、
    前記非接触式センサによる位置情報の検出結果を用いて前記2本の電極の曲り量をそれぞれ検出する電極曲り検出手段と、
    前記電極曲り検出手段により検出した前記曲り量が許容範囲を超えているときに前記曲り量を用いて前記2本の電極の先端部を結ぶ直線と溶接進行方向とのなす角度を演算する角度演算手段と、
    前記2本の電極のうち一方の電極を中心として他方の電極を前記角度演算手段により演算された前記角度分だけ回転させる電極回転手段とから構成してなる自動溶接装置。
  8. 2本の電極を有する自動溶接用の溶接ロボットと予め定められた位置関係をもって設けられる基台と、
    前記基台に設けられた発光部と受光部とを有し前記溶接ロボットの電極が前記発光部から前記受光部に向けて発射される光線の光路上に達したときに当該電極の位置情報を検出する非接触式センサと、
    前記基台に設けられ前記光路を2箇所でそれぞれL字状に屈曲させる2個の反射部材とから構成してなる自動溶接に用いる基準治具。
  9. 前記溶接ロボットの電極を前記溶接対象物と接触させることにより前記溶接対象物の位置ずれ量を検出して前記電極回転手段の回転中心となる前記一方の電極による溶接位置を補正する位置ずれ補正手段を設けてなる請求項3または7に記載の自動溶接装置。
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