JP2007304012A - メタボリックシンドロームの診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、メタボリックシンドロームを検出する方法。
【選択図】なし
Description
1)ウエスト(腹囲)が男性で102cm以上(日本人では85cm以上)、女性で88cm以上(日本人では90cm以上)
2)中性脂肪が150mg/dl以上
3)HDLコレステロールが男性で40mg/dl未満、女性で50mg/dl未満
4)血圧が最大血圧で130mmHg以上または最小血圧で85mmHg以上
5)空腹時血糖値が110mg/dl以上
1)内臓肥満:ウエスト/ヒップ比>0.9(男性)、>0.85 (女性)またはBMI30以上または腹囲94cm以上
2)脂質代謝異常:中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール35mg/dl未満(男性)、39mg/dl未満(女性)
3)高血圧(最大血圧140/最小血圧90mmHg以上)か降圧剤内服中
4)マイクロアルブミン尿症(尿中アルブミン排泄率20μg/min以上か尿中アルブミン/クレアチニン比30mg/g.Cr以上)
[1] 被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、メタボリックシンドロームを検出する方法。
[2] 被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、メタボリックシンドロームにおいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
[3] 被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度の増加が、前記被験者の動脈硬化性疾患を起こす危険性の増加を示す、[2]のメタボリックシンドロームにおいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
[4] small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、およびsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる[1]のメタボリックシンドロームを検出する方法。
[5] small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、およびsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる[2]または[3]のメタボリックシンドロームにおいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
[6] small,dense LDLコレステロールの測定用試薬を含む、メタボリックシンドローム検出用キット。
Small,dense LDLとは一般的にはLDL画分のうち直径が約22.0〜約25.5nmの亜分画、比重1.040〜1.063の亜分画を指す。LDLを大きさにより亜分画に分けているのは、LDLのうち粒子径が小さいものが動脈硬化惹起性が高く、LDLの中でもより悪性度が高いので、LDLの中でも小さいものを分別測定する必要があったからである。LDL内で直径分布や比重分布は連続しており、比重がどの程度のものが特に悪性度が高いというように明確に区別できるものではない。従って、上記の比重1.040〜1.063という値もsmall,dense LDLの特性として確立したものではなく、広く用いられており確立した値といえるLDLの比重範囲1.019〜1.063を中央点で分けたものである。例えば、別の報告では1.044〜1.060に分画される(Atherosclerosis:106 241-253 1994)。Small,dense LDLの比重をどの範囲にするかは、報告者により若干の違いがあるが、いずれもその範囲で分別した場合のsmall,dense LDLの存在が臨床的な悪性度と関連している。
動脈硬化性疾患を発症していない男性健常人184名の腹腔内脂肪蓄積量およびsmall,dense LDLコレステロールの測定を行った。腹腔内脂肪蓄積量としてはウエスト周囲径の測定を行った。small,dense LDLコレステロール測定はデンカ生研社製small,dense LDLコレステロール測定用試薬であるsd LDL-C「生研」を使用した。結果を表1および図1に示す。表1および図1に示すようにウエスト<85cm群でのsmall,dense LDLコレステロール値に対し、メタボリックシンドローム診断基準であるウエスト≧85cm群ではsmall,dense LDLコレステロール値が有意に高値となった。以上の記載はsmall,dense LDLコレステロール値がメタボリックシンドローム診断基準の判定に有用であることを示すものである。本実施例の結果から、ウエスト<85cm群の平均値26.2mg/dLと、ウエスト≧85cm群の平均値35.1mg/dLの中間値約31mg/dLをsmall,dense LDLコレステロール値によるメタボリックシンドローム診断基準とすることができる。つまり、small,dense LDLコレステロール値が31mg/dL以上の場合、メタボリックシンドロームの可能性が高いと判断することができる。
動脈硬化性疾患を発症していない健常人481名の収縮期血圧、拡張期血圧およびsmall,dense LDLコレステロールの測定を行った。Small,dense LDLコレステロール測定は実施例1と同様の試薬を用いた。メタボリックシンドローム診断基準では血圧は収縮期血圧≧130mmHgかつ/または拡張期血圧≧85mmHgと定義されているため、対象を収縮期血圧<130mmHgかつ拡張期血圧<85mmHg、収縮期血圧≧130mmHgまたは拡張期血圧≧85mmHg、収縮期血圧≧130mmHgかつ拡張期血圧≧85mmHgの3群に分けてsmall,dense LDLコレステロール値を比較した。結果を表2および図2に示す。表2および図2に示すようにsmall,dense LDLコレステロールは血圧正常群に対し高血圧群では有意に測定値が高値となった。また、高血圧群の中でも収縮期血圧、拡張期血圧ともに異常の場合、最も測定値が高値となった。以上の記載はsmall,dense LDLコレステロール値がメタボリックシンドローム診断基準の判定に有用であることを示すものである。本実施例の結果から、収縮期血圧<130mmHgかつ拡張期血圧<85mmHg群の平均値22.5mg/dLと、収縮期血圧≧130mmHgまたは拡張期血圧≧85mmHg群の平均値28mg/dLの中間値約25mg/dLをsmall,dense LDLコレステロール値によるメタボリックシンドローム診断基準とすることができる。つまり、small,dense LDLコレステロール値が25mg/dL以上の場合、メタボリックシンドロームの可能性が高いと判断することができる。
動脈硬化性疾患を発症していない健常人388名のHDLコレステロール、中性脂肪およびsmall,dense LDLコレステロールの測定を行った。HDLコレステロール、および中性脂肪の測定はそれぞれデンカ生研社製のHDL-EX、FG-TG(S)を使用し、small,dense LDLコレステロール測定は実施例1と同様の試薬を用いた。メタボリックシンドローム診断基準では脂質代謝異常は中性脂肪≧150mg/dLかつ/またはHDL-C<40mg/dLと定義されているため、対象を中性脂肪<150mg/dLかつHDL-C≧40mg/dL、中性脂肪≧150mg/dLまたはHDL-C<40mg/dL、中性脂肪≧150mg/dLかつHDL-C<40mg/dLの3群に分けてsmall,dense LDLコレステロール値を比較した。結果を表3および図3に示す。表3および図3に示すように正常群に比べ脂質代謝異常群ではsmall,dense LDLコレステロールが有意に高値となり、中性脂肪、HDL-Cともに異常な群では測定値が最も高値となった。以上の記載はsmall,dense LDLコレステロール値がメタボリックシンドローム診断基準の判定に有用であることを示すものである。本実施例の結果から、中性脂肪<150mg/dLかつHDL-C≧40mg/dL群の平均値24.2mg/dLと、中性脂肪≧150mg/dLまたはHDL-C<40mg/dL群の平均値43.4mg/dLの中間値約34mg/dLをsmall,dense LDLコレステロール値によるメタボリックシンドローム診断基準とすることができる。つまり、small,dense LDLコレステロール値が34mg/dL以上の場合、メタボリックシンドロームの可能性が高いと判断することができる。
動脈硬化性疾患を発症していない健常人455名の空腹時血糖およびsmall,dense LDLコレステロールの測定を行った。血糖の測定はデンカ生研社製のGLU-Sを使用し、small,dense LDLコレステロール測定は実施例1と同様の試薬を用いた。結果を表4および図4に示す。表4および図4に示すようにメタボリックシンドローム診断基準である血糖値≧110mg/dLの高血糖群ではsmall,dense LDLコレステロール値が有意に高値となった。以上の記載はsmall,dense LDLコレステロール値がメタボリックシンドローム診断基準の判定に有用であることを示すものである。本実施例の結果から、血糖値≧110mg/dL群の平均値32.8mg/dLと、血糖値<110mg/dL群の平均値23.7mg/dLの中間値約28mg/dLをsmall,dense LDLコレステロール値によるメタボリックシンドローム診断基準とすることができる。つまり、small,dense LDLコレステロール値が28mg/dL以上の場合、メタボリックシンドロームの可能性が高いと判断することができる。
動脈硬化性疾患を発症していない男性の健常人184名をATPIIIの診断基準に基づいてメタボリックシンドローム群と非メタボリックシンドローム群に分け、small,dense LDLの測定を行った。small,dense LDLコレステロール測定は実施例1と同様の試薬を用いた。結果を表5および図5に示す。表5および図5に示すようにメタボリックシンドローム群ではsmall,dense LDLコレステロール値が有意に高値となった。以上の記載はsmall,dense LDLコレステロール値がメタボリックシンドローム診断基準の判定に有用であることを示すものである。本実施例の結果に従いsmall,dense LDLコレステロール値によるメタボリックシンドローム診断基準の判定値を定めるなら、非メタボリックシンドローム群の平均値28mg/dLと、メタボリックシンドローム群の平均値44.3mg/dLの中間値約36mg/dLを判定値とすることができる。つまり、small,dense LDLコレステロール値が36mg/dL以上の場合、メタボリックシンドロームと判断することができる。
Claims (6)
- 被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、メタボリックシンドロームを検出する方法。
- 被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、メタボリックシンドロームにおいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
- 被験者から採取した被検試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度の増加が、前記被験者の動脈硬化性疾患を起こす危険性の増加を示す、請求項2記載のメタボリックシンドロームにおいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
- small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、およびsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる請求項1記載のメタボリックシンドロームを検出する方法。
- small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、およびsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる請求項2または3に記載のメタボリックシンドロームにおいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
- small,dense LDLコレステロールの測定用試薬を含む、メタボリックシンドローム検出用キット。
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WO2017141895A1 (ja) | 2016-02-18 | 2017-08-24 | メディカルフォトニクス株式会社 | 体調管理装置及びその方法 |
Citations (1)
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WO2004053500A1 (ja) * | 2002-12-06 | 2004-06-24 | Denka Seiken Co., Ltd. | 小粒子低比重リポ蛋白の定量法 |
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WO2004053500A1 (ja) * | 2002-12-06 | 2004-06-24 | Denka Seiken Co., Ltd. | 小粒子低比重リポ蛋白の定量法 |
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