JP2007303339A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼室内を攪拌して燃焼速度を向上させノッキングの発生を抑制することのできる内燃機関を提供する。
【解決手段】燃焼室10と、燃焼室10に連通する吸気ポート及び排気ポートと、頂面の縁部に燃焼室10の壁面46に沿った突部32を有するピストン30と、燃焼室10又は吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射手段と、壁面46と突部32の外面との間に形成される押出流形成部50と、突部32に形成され、押出流形成部50と燃焼室10の中心側とを連通する噴孔60とを備え、押出流形成部50は、突部32の先端32a側に押し出し流を形成する先端側形成部51と、突部32の基端32b側に押し出し流を形成する基端側形成部52とを有し、該基端側形成部52では噴孔60に向かって壁面46と突部32の外面との間隔d2が広くなることを特徴とする内燃機関である。
【選択図】図3
【解決手段】燃焼室10と、燃焼室10に連通する吸気ポート及び排気ポートと、頂面の縁部に燃焼室10の壁面46に沿った突部32を有するピストン30と、燃焼室10又は吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射手段と、壁面46と突部32の外面との間に形成される押出流形成部50と、突部32に形成され、押出流形成部50と燃焼室10の中心側とを連通する噴孔60とを備え、押出流形成部50は、突部32の先端32a側に押し出し流を形成する先端側形成部51と、突部32の基端32b側に押し出し流を形成する基端側形成部52とを有し、該基端側形成部52では噴孔60に向かって壁面46と突部32の外面との間隔d2が広くなることを特徴とする内燃機関である。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関に関し、特に、ピストンの頂面形状に関するものである。
従来から内燃機関では、燃焼室の中央部で点火された混合気の燃焼は、燃焼室外縁部へと伝播していくが、例えば、燃焼室内の外縁部において空気と燃料との混合が十分でないと、その燃焼速度が不十分となりノッキングが発生することが知られている。このようなノッキングの発生を抑制するため、燃焼室内にスキッシュ流などを形成し燃料の気化を促進して均質混合気を形成することで燃焼速度を向上させると共に出力向上を図る技術が知られている。
このような内燃機関としては、ピストン冠面をシリンダとクリアランスをもって配置し、この冠面にクリアランスと燃焼室とを連通する連通穴を設けることで、燃焼室内に押し出されるスキッシュ流の一部を連通穴から燃焼室内へ送ることにより燃焼室内のスワール流を強化し、これにより燃焼室内を攪拌して均質混合気を形成し燃焼速度を向上させるものがある(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている直噴式内燃機関では、スキッシュ流の多くは流れやすい燃焼室の天井側に向かってしまい、連通穴側にはほとんど導かれず、したがって、燃焼室内の攪拌も不十分で燃焼速度の向上も十分ではなかった。
そこで本発明は、燃焼室内を攪拌して燃焼速度を向上させノッキングの発生を抑制することのできる内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による内燃機関は、燃焼室と、前記燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートと、頂面の縁部に前記燃焼室の壁面に沿った突部を有するピストンと、前記燃焼室又は前記吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記壁面と前記突部の外面との間に形成される押出流形成部と、前記突部に形成され、前記押出流形成部と前記燃焼室の中心側とを連通する噴孔とを備え、前記押出流形成部は、前記突部の先端側に押し出し流を形成する先端側形成部と、前記突部の基端側に押し出し流を形成する基端側形成部とを有し、該基端側形成部では前記噴孔に向かって前記壁面と前記突部の外面との間隔が広くなることを特徴とする。
請求項2に係る発明による内燃機関では、前記先端側形成部では前記突部の先端に向かって前記壁面と前記突部の外面との間隔が一定であることを特徴とする。
請求項3に係る発明による内燃機関では、前記燃焼室の壁面は、ペントルーフ型に形成された筒内天井部を有し、前記突部は、前記筒内天井部に沿って突出していることを特徴とする。
請求項4に係る発明による内燃機関では、前記噴孔は、前記燃焼室の中心側に向けて押し出し流を噴出可能であることを特徴とする。
請求項5に係る発明による内燃機関では、前記噴孔は、複数形成されることを特徴とする。
請求項6に係る発明による内燃機関では、前記押し出し流は、前記押出流形成部から前記噴孔を通って前記燃焼室の中心側へ流れ、前記噴孔は、該流れ方向の下流側で通路断面積が小さくなることを特徴とする。
請求項7に係る発明による内燃機関では、前記噴孔は、前記押出流形成部側の開口部が前記ピストンの周方向に横長な楕円状に形成されることを特徴とする。
請求項8に係る発明による内燃機関では、前記噴孔は、前記ピストンの径方向に対して平行又は前記燃焼室の中心側が上向きに形成されることを特徴とする。
請求項9に係る発明による内燃機関では、前記燃料噴射手段は、前記燃焼室内に燃料を直接噴射することが可能であり、前記突部は、前記吸気ポート側と前記排気ポート側との間に位置することを特徴とする。
請求項10に係る発明による内燃機関では、前記燃料噴射手段は、前記吸気ポートに燃料を噴射することが可能であり、前記突部は、前記吸気ポート側及び該吸気ポート側と前記排気ポート側との間に位置することを特徴とする。
本発明に係る内燃機関によれば、燃焼室と、燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートと、頂面の縁部に燃焼室の壁面に沿った突部を有するピストンと、燃焼室又は吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射手段と、壁面と突部の外面との間に形成される押出流形成部と、突部に形成され、押出流形成部と燃焼室の中心側とを連通する噴孔とを備え、押出流形成部は、突部の先端側に押し出し流を形成する先端側形成部と、突部の基端側に押し出し流を形成する基端側形成部とを有し、該基端側形成部では噴孔に向かって壁面と突部の外面との間隔が広くなるので、燃焼室内を攪拌して燃焼速度を向上させノッキングの発生を抑制することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例に係る内燃機関としてのエンジンの部分断面図である。この内燃機関としてのエンジン1は、筒内直接噴射式であり、燃焼室10と、この燃焼室10に連通する吸気ポート20及び排気ポート21と、頂面31の縁部に燃焼室10の壁面46に沿った突部32を有するピストン30を備える。さらに、エンジン1は、燃焼室10内に燃料を直接噴射することが可能な燃料噴射手段としてのインジェクタ22と、燃焼室10の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ23を備える。さらに、エンジン1は、燃焼室10の壁面46を構成するシリンダヘッド40及びシリンダブロック41を備える。
シリンダヘッド40は、ヘッドガスケット42を介してシリンダブロック41上に締結される。シリンダブロック41は、内部に円筒形状のシリンダボア43が形成され、このシリンダボア43にピストン30が上下移動自在に嵌合する。そして、シリンダブロック41の下部にクランクケース70が締結され、このクランクケース70内にクランクシャフト71が回転自在に支持されており、ピストン30はコネクティングロッド72を介してこのクランクシャフト71に連結される。
燃焼室10は、シリンダヘッド40とシリンダブロック41とピストン30の頂面31により画成され、上部(シリンダヘッド40の下面)の中央が高くなるように傾斜したペントルーフ型の筒内天井部44をなす。後述するピストン30の突部32は、圧縮上死点位置においてこの筒内天井部44に沿うように山状に突出している。この燃焼室10の上部、つまり、シリンダヘッド40の下面に各々2つずつ吸気ポート20及び排気ポート21が形成される。この吸気ポート20及び排気ポート21の開口に、吸気弁24及び排気弁25が設けられる。
吸気弁24及び排気弁25は、シリンダヘッド40に固定された各ステムガイド(不図示)により軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、各バルブスプリング(不図示)により吸気ポート20及び排気ポート21を閉止する方向に付勢支持される。また、シリンダヘッド40には、吸気弁24及び排気弁25の各々に対してカムシャフト(不図示)が回転自在に支持されており、各カム(不図示)が吸気弁24及び排気弁25の上端部に接触している。したがって、エンジン1に同期して各カムシャフトが回転すると、各カムが吸気弁24及び排気弁25をバルブスプリングの付勢力に抗して押圧し、吸気弁24、排気弁25が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート20及び排気ポート21を開閉し、吸気ポート20と燃焼室10、燃焼室10と排気ポート21とをそれぞれ連通することができる。吸気ポート20は、燃焼室10に空気を導入し、この空気とインジェクタ22から燃焼室10内へ噴射される燃料とが混合して混合気を形成する。排気ポート21は、燃焼後の混合気を排ガスとして排出する。
インジェクタ22は、シリンダヘッド40の吸気ポート20側に装着される。また、インジェクタ22は、先端をシリンダ中心線に向けて上下方向に対して所定角度傾斜して設けられる。インジェクタ22は、後述するピストン30の頂面31に設けたキャビティ33に向けて燃料噴霧を噴射する。インジェクタ22にはデリバリパイプ(不図示)等を介して高圧ポンプ(不図示)が連結され、この高圧ポンプには低圧フィードポンプ(不図示)及び燃料タンク(不図示)が連結される。点火プラグ23は、ペントルーフ型の筒内天井部44の頂点(吸気ポート20と排気ポート21の間)に装着される。
ピストン30は、頂面31の中央部分にキャビティ33が形成される。キャビティ33は、皿状で、且つ、四隅が丸みを帯びた略長方形状の窪みとして形成される(図2参照)。さらに、ピストン30は、2つの吸気弁24に対向する位置に、それぞれ1つずつ吸気弁リセス34が形成される。同様に、2つの排気弁25に対向する位置に、それぞれ1つずつ排気弁リセス35が形成される。吸気弁リセス34、排気弁リセス35は、各々略円形状の窪みとして形成される。ピストン30の頂面31に吸気弁リセス34及び排気弁リセス35を設けることで、ピストン30が上死点にきた際に、吸気弁24、排気弁25とピストン30の頂面31とが接触することを防止することができる。
また、ピストン30の外周面には、周方向に沿って形成された溝にピストンリング36が嵌装される。ピストンリング36は、頂面31側から順にトップリング36a、セカンドリング36b、オイルリング36cの3本により構成される。ピストンリング36により、燃焼室10内の混合気や排気ガス等のクランクケース70への漏れや、クランクケース70内のオイル等の燃焼室10への浸入を抑制することができる。
このエンジン1では、低負荷域には圧縮行程において燃料噴射を行なって成層燃焼させ燃費向上を実現する。すなわち、吸気行程において吸気ポート20から燃焼室10に空気を導入すると共に、圧縮行程後半でピストン30が上死点近傍に接近した際に、インジェクタ22からピストン30のキャビティ33に向けて燃料を噴射し、点火プラグ23の近傍に燃料濃度の濃い混合気を偏在させて、燃焼室10全体としては理論空燃比よりも希薄な混合気で燃焼させる。
一方、高負荷時には、シリンダ内に吸入した空気をできるだけ有効に利用するために、吸気行程において、燃料噴射を行って均質な混合気を形成し均質燃焼させて出力向上を図っている。すなわち、吸気行程でピストン30が下死点側に位置している際に、インジェクタ22からピストン30に向けて燃料を噴射することによって、燃焼室10内の混合気を十分に均質な状態にして燃焼させる。
点火プラグ23により点火され燃焼する混合気は、その燃焼圧力によりピストン30を往復運動させる。ピストン30の往復運動は、コネクティングロッド72を介してクランクシャフト71に伝えられ、ここで回転運動に変換されて、エンジン1の出力として取り出される。燃焼室10で燃焼した後の混合気は、排ガスとなって排気ポート21へ排出される。排気ポート21から排出される排ガスは、浄化、消音された後に大気中へ放出される。
ところで、このエンジン1は、上述したように、ピストン30の頂面31の縁部に燃焼室10の壁面46に沿った突部32を有し、さらに、この壁面46と突部32の外面との間に形成され、押し出し流を形成する押出流形成部50(図2参照)と、突部32に形成され押出流形成部50と燃焼室10の中心側、つまり、キャビティ33とを連通する噴孔60を備えることで、燃焼室内を攪拌して燃焼速度を向上させノッキングの発生を抑制するとともに、燃料の炭化による不具合を抑制している。
なお、ここで燃焼室10の壁面46は、上述したシリンダボア43のボア周面45(ヘッドガスケット42の内周面も含む)及び筒内天井部44からなる。つまり、壁面46と突部32の外面との間に形成される押出流形成部50は、ピストン30が上死点に位置する際には筒内天井部44と突部32の外面との間に形成され、下死点側に位置している際にはボア周面45と突部32の外面との間に形成される。
図2は、本発明の実施例に係るエンジンのピストン頂面を見る部分断面図である。突部32は、上述したように上死点位置において筒内天井部44(図1参照)に沿うように山状に突出している。突部32は、吸気ポート20(図1参照)側と排気ポート21(図1参照)側との間に位置する。すなわち、突部32は、ピストン30の頂面31の縁部であって吸気弁リセス34と排気弁リセス35の間に位置する部分が突出するように形成される。ここでは、突部32は2箇所に形成されている。さらに具体的には、各突部32が形成される部分は、キャビティ33の縁33a、吸気弁リセス34の縁34a、排気弁リセス35の縁35a、ピストン30の頂面31の縁31aに囲まれた部分である。
なお、本実施例ではピストン30の頂面31の縁部であって2つの吸気弁リセス34の間に位置する部分はフラット部37となっている。これにより、ピストン30が上死点にきた際に、述したインジェクタ22(図1参照)とピストン30の頂面31とが接触することを防止することができる。同様に、ピストン30の頂面31の縁部であって2つの排気弁リセス35の間に位置する部分もフラット部37になっている。これにより、排気ポート21による排ガスの排気を良好に保つことができる。
図3は、図2に示すA−Aの断面図である。本図はピストン30が上死点位置ある状態を示す。押出流形成部50は、突部32の先端32a側に押し出し流としてのスキッシュ流V1を形成する先端側形成部51と、突部32の基端32b側に押し出し流としてのスキッシュ流V2を形成する基端側形成部52とを有する。基端側形成部52は、突部32の基端32b側に形成される噴孔60と先端側形成部51とを連通する。先端側形成部51では壁面46と突部32の外面との間隔d1が先端32a側に向かって、すなわち、筒内天井部44に向かって一定であり、一方、基端側形成部52では、基端32b側に向かって、すなわち、噴孔60に向かって壁面46と突部32の外面との間隔d2が広くなる。
圧縮行程後半において、ピストン30が上死点位置に至るにつれて燃焼室10内の空気(燃料噴霧)が圧縮され、壁面46と突部32の外面との間隔が狭くなり押出流形成部50内の空気(燃料噴霧)が圧縮される。そして、上記のように先端側形成部51における間隔d1を一定とし、基端側形成部52における間隔d2を噴孔60に向かって間隔d1よりも広くなるように形成することで、先端側形成部51により筒内天井部44の頂点に向かって壁面46に沿うようなスキッシュ流V1が形成され、基端側形成部52により圧縮された空気(燃料噴霧)の一部が噴孔60に誘導されやすくなり、キャビティ33に向うスキッシュ流V2が形成される。すなわち、押出流形成部50は、先端側形成部51と基端側形成部52により、2方向へのスキッシュ流V1、V2を共に十分な量で形成することができる。
このように、押出流形成部50により、筒内天井部44側から燃焼室10の上方へのスキッシュ流V1及び噴孔60からキャビティ33内部へのスキッシュ流V2の2方向のスキッシュ流を形成することで、燃焼室10内全体の気流を乱して確実に攪拌し、インジェクタ22(図1参照)から噴射される燃料噴霧を拡散させるので、混合気の生成時間を早めて短時間で燃焼室10内の混合気を均質にするため、燃焼速度を向上させることができる。
図4は、図2に示すピストンのB−B断面図、図5は、図2に示すピストンのC方向から見た矢視図である。以下の噴孔60の説明では適宜図2も参照する。噴孔60は、各突部32にそれぞれ3つずつ形成される。各噴孔60は、ピストン30の周方向に所定の間隔をあけて並んで形成される。各噴孔60は、下端が頂面31のフラットな部分に沿うように形成される。噴孔60を複数設けることでスキッシュ流V2の流量がより多くなる。
さらに、各噴孔60は、押出流形成部50側の開口部がピストン30の周方向に横長な楕円状に形成される。噴孔60の押出流形成部50側の開口部を横長な楕円状に形成することで、押出流形成部50側の開口部をできるだけ大きく形成した上で、噴孔60上方にスキッシュ流V1、スキッシュ流V2を形成するのに十分なスペースを確保することができる。また、各噴孔60は、燃焼室10の中心側、つまりキャビティ33のほぼ中央を向くように形成され、このキャビティ33の中央に向かってスキッシュ流V2を噴出する。すなわち、スキッシュ流V2は、噴孔60内を押出流形成部50からキャビティ33の中央へ向かって流れる。2つの突部32の各噴孔60をキャビティ33の中央付近を向き合うように形成することで、キャビティ33の両側からスキッシュ流V2を噴出させることができる。
さらに、各噴孔60は、スキッシュ流V2の流れる方向の下流側、すなわち、キャビティ33側で通路断面積が小さくなるように形成される。噴孔60の通路断面積とは、スキッシュ流V2が流れる方向に対して垂直な方向の断面積である。各噴孔60をキャビティ33側で通路断面積が小さくなるように形成することで、キャビティ33側が先細となるため、スキッシュ流V2の流速が向上する。すなわち、より強く攪拌できるようになる。また、各噴孔60は、ピストン30の径方向に対してキャビティ33側が上向きとなるように形成される。つまり、各噴孔60は、下流側が筒内天井部44を向くように俯角を持って形成される。各噴孔60をピストン30の径方向に対してキャビティ33側が上向きとなるように形成することで、噴孔60から噴出されるスキッシュ流V2が上向き(筒内天井部44の方向)に噴出されることから、燃焼室10内の気流をより効率的にかき乱すことができる。
また、噴孔60は、上述したように各突部32の側面を貫通するように形成される。このように、噴孔60を側方を向くように形成することから、吸気工程中にインジェクタ22(図1参照)から噴射される燃料は抵抗の少ないキャビティ33側に流れ、噴孔60への流入が抑制される。
以上のように構成されるエンジン1は、高負荷時には、吸気行程でピストン30が下死点側に位置している際に、インジェクタ22からピストン30に向けて燃料を噴射することによって燃焼室10内を攪拌すると共に、圧縮行程後半において、ピストン30が上死点位置に至るにつれて、先端側形成部51により筒内天井部44の頂点に向かって壁面46に沿うようなスキッシュ流V1を形成し、基端側形成部52により圧縮された空気(燃料噴霧)の一部を噴孔60に誘導してキャビティ33に向うスキッシュ流V2を十分な量で形成することで、空気と燃料とが混合しにくい壁面46、キャビティ33の縁部付近を含む燃焼室10全体の混合気を短時間で十分に均質な状態にして燃焼させる。
以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、燃焼室10と、燃焼室10に連通する吸気ポート20及び排気ポート21と、頂面31の縁部に燃焼室10の壁面46に沿った突部32を有するピストン30と、燃焼室10に燃料を噴射するインジェクタ22と、壁面46と突部32の外面との間に形成される押出流形成部50と、突部32に形成され、押出流形成部50と燃焼室10の中心側に位置するキャビティ33とを連通する噴孔60とを備え、押出流形成部50は、突部32の先端32a側にスキッシュ流V1を形成する先端側形成部51と、突部32の基端32b側にスキッシュ流V2を形成する基端側形成部52を有し、該基端側形成部52では噴孔60に向かって壁面46と突部32の外面との間隔d2が広くなるように構成される。
したがって、燃焼室10に対して吸気ポート20を介して空気を吸入し、インジェクタ22によりこの燃焼室10内に直接燃料を噴射すると共に、ピストン30が上死点位置に接近する圧縮行程後半において、間隔d1が均一な先端側形成部51により筒内天井部44の頂点に向かってスキッシュ流V1を形成し、噴孔60側で間隔d2が広くなる基端側形成部52によりこの噴孔60に圧縮された空気(燃料)の一部を誘導し、噴孔60からキャビティ33に向うスキッシュ流V2を形成し、この2方向からのスキッシュ流によって、燃焼室10内の気流を乱して強く攪拌することで、インジェクタ22から噴射される燃料噴霧をすばやく燃焼室10内に均質に拡散させるので、燃料噴霧と空気との混合気の生成時間を早めて短時間で燃焼室10内の混合気を均質にすることができ、燃焼速度を向上してノッキングの発生を抑制することができる。
さらに、押出流形成部50とキャビティ33とを連通する噴孔60をピストン30の頂面31の縁部に壁面46に沿った突部32の側面を貫通するように形成し、この噴孔60が側方を向くように形成することから、吸気工程中にインジェクタ22から噴射される燃料は抵抗の少ないキャビティ33側に流れ、噴孔60への流入が抑制されるので、燃料流入に起因したデポジットによる噴孔60の閉塞を抑制でき、燃料の炭化による不具合を抑制することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、噴孔60は、2つの突部32に複数形成される。したがって、噴孔60からキャビティ33内部へのスキッシュ流V2の流量をより多くすることができるので、燃焼室10内の気流の乱れをより大きくすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、噴孔60は、押出流形成部50側の開口部がピストン30の周方向に横長な楕円状に形成される。したがって、噴孔60の押出流形成部50側の開口部をできるだけ大きく形成した上で、噴孔60の上方に形成される先端側形成部51、基端側形成部52をスキッシュ流V1、スキッシュ流V2を形成するのに十分な長さで設けることができ、ピストン30をよりコンパクトに形成することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、噴孔60は、キャビティ33側で通路断面積が小さくなるように形成される。したがって、噴孔60がスキッシュ流V2を噴出する下流側が先細となるので、スキッシュ流V2の流速を向上させることができ、すなわち、より強く攪拌でき、燃焼室10内の気流の乱れをより大きくすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、噴孔60は、キャビティ33の中央に向けてスキッシュ流V2を噴出する。したがって、2つの突部32の各噴孔60をキャビティ33の中央付近を向き合うように形成するので、キャビティ33の両側からスキッシュ流V2を噴出させることができ、これにより燃焼室10内の気流の乱れをより大きくすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、噴孔60は、ピストン30の径方向に対してキャビティ33側が上向きに形成される。したがって、各噴孔60がピストン30の径方向に対してキャビティ33側が上向きとなり、噴孔60から噴出されるスキッシュ流V2が上向き(筒内天井部44の方向)に噴出されるので、燃焼室10内の気流をより効率的にかき乱すことができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、燃焼室10の壁面46は、ペントルーフ型に形成された筒内天井部44を有し突部32は、筒内天井部44に沿って突出している。したがって、先端側形成部51により形成されるスキッシュ流V1を傾斜を有した筒内天井部44に沿って斜めに噴出することができるため、燃焼室10内の攪拌の効率を向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、2つの突部32は、ピストン30の頂面31の縁部であって吸気弁リセス34と排気弁リセス35の間に位置する部分が突出するように形成される。したがって、吸気ポート20側に設けられるインジェクタ22を設置するための逃げを確保するとともに、排気ポート21による混合気が燃焼した後の排ガスの排気を良好に保つことができる。
なお、上述した本発明の実施例に係るエンジン1は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、エンジン1は筒内直接噴射式であるものとして説明したが、ポート噴射式であってもよい。ポート噴射式では、燃料噴射手段としてのインジェクタ22を吸気ポート20内に設け、このインジェクタ22によって吸気ポート20内に燃料を噴射する。この場合、ピストン30の頂面31上方にインジェクタ22を設置する必要がないことから、図6に示すように、ピストン30の頂面31の縁部であって2つの吸気弁リセス34の間に位置する部分にも突部32を設け、この突部32にも噴孔60を複数設けることができる。
このように構成することで、上述したスキッシュ流V2に加え、このスキッシュ流V2に交差する方向にスキッシュ流を噴出することができるので、燃焼室10内の気流の乱れをさらに大きくすることができる。
また、以上の説明では、ピストン30の頂面31の縁部であって2つの排気弁リセス35の間に位置する部分には、突部32及び噴孔60を設けないものとして説明したが、この部分に突部32及び噴孔60を設けてもよい。すなわち、頂面31の縁部の全周に突部32及び噴孔60を設けてもよい。この場合も、上述したスキッシュ流V2に加え、このスキッシュ流V2に交差する方向にスキッシュ流を噴出することができるので、燃焼室10内の気流の乱れをさらに大きくすることができる。
また、以上の説明では、筒内天井部44は傾斜を有するペントルーフ型の天井であるものとして説明したが、フラットの天井であっても本発明の構成によれば、燃焼速度を向上してノッキングの発生を抑制するができる。また、噴孔60は、ピストン30の径方向に対してキャビティ33側が上向きになるように形成するものとして説明したが、平行となるように形成してもよい。
また、噴孔60は、押出流形成部50側の開口部がピストン30の周方向に横長な楕円状に形成されるものとして説明したが、縦長に形成してもよいし、楕円形以外の形状にしてもよい。また、噴孔60は、複数設けるものとして説明したが、もっと多く形成してもよいし、1つだけでもよい。さらに、噴孔60は下流側で通路断面積が小さくなるように形成するものとして説明したが、これに限らず、通路断面積が均一であってもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、燃焼速度を向上してノッキングの発生を抑制するものであり、いずれの種類の内燃機関に用いても好適である。なお、ここでは一気筒のみを図示しているが、本発明は、直列やV型等の形式に拘らず多気筒の内燃機関に適用される。
1 エンジン(内燃機関)
10 燃焼室
20 吸気ポート
21 排気ポート
22 インジェクタ(燃料噴射手段)
23 点火プラグ
30 ピストン
31 頂面
32 突部
32a 先端
32b 基端
33 キャビティ
34 吸気弁リセス
35 排気弁リセス
40 シリンダヘッド
41 シリンダブロック
42 ヘッドガスケット
43 シリンダボア
44 筒内天井部
45 ボア周面
46 壁面
50 押出流形成部
51 先端側形成部
52 基端側形成部
60 噴孔
d1、d2 間隔
V1、V2 スキッシュ流
10 燃焼室
20 吸気ポート
21 排気ポート
22 インジェクタ(燃料噴射手段)
23 点火プラグ
30 ピストン
31 頂面
32 突部
32a 先端
32b 基端
33 キャビティ
34 吸気弁リセス
35 排気弁リセス
40 シリンダヘッド
41 シリンダブロック
42 ヘッドガスケット
43 シリンダボア
44 筒内天井部
45 ボア周面
46 壁面
50 押出流形成部
51 先端側形成部
52 基端側形成部
60 噴孔
d1、d2 間隔
V1、V2 スキッシュ流
Claims (10)
- 燃焼室と、
前記燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートと、
頂面の縁部に前記燃焼室の壁面に沿った突部を有するピストンと、
前記燃焼室又は前記吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記壁面と前記突部の外面との間に形成される押出流形成部と、
前記突部に形成され、前記押出流形成部と前記燃焼室の中心側とを連通する噴孔とを備え、
前記押出流形成部は、前記突部の先端側に押し出し流を形成する先端側形成部と、前記突部の基端側に押し出し流を形成する基端側形成部とを有し、該基端側形成部では前記噴孔に向かって前記壁面と前記突部の外面との間隔が広くなることを特徴とする、
内燃機関。 - 前記先端側形成部では前記突部の先端に向かって前記壁面と前記突部の外面との間隔が一定であることを特徴とする、
請求項1に記載の内燃機関。 - 前記燃焼室の壁面は、ペントルーフ型に形成された筒内天井部を有し、
前記突部は、前記筒内天井部に沿って突出していることを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載の内燃機関。 - 前記噴孔は、前記燃焼室の中心側に向けて押し出し流を噴出可能であることを特徴とする、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関。 - 前記噴孔は、複数形成されることを特徴とする、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関。 - 前記押し出し流は、前記押出流形成部から前記噴孔を通って前記燃焼室の中心側へ流れ、
前記噴孔は、該流れ方向の下流側で通路断面積が小さくなることを特徴とする、
請求項1又は請求項5に記載の内燃機関。 - 前記噴孔は、前記押出流形成部側の開口部が前記ピストンの周方向に横長な楕円状に形成されることを特徴とする、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関。 - 前記噴孔は、前記ピストンの径方向に対して平行又は前記燃焼室の中心側が上向きに形成されることを特徴とする、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の内燃機関。 - 前記燃料噴射手段は、前記燃焼室内に燃料を直接噴射することが可能であり、
前記突部は、前記吸気ポート側と前記排気ポート側との間に位置することを特徴とする、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の内燃機関。 - 前記燃料噴射手段は、前記吸気ポートに燃料を噴射することが可能であり、
前記突部は、前記吸気ポート側及び該吸気ポート側と前記排気ポート側との間に位置することを特徴とする、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006131570A JP2007303339A (ja) | 2006-05-10 | 2006-05-10 | 内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006131570A JP2007303339A (ja) | 2006-05-10 | 2006-05-10 | 内燃機関 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007303339A true JP2007303339A (ja) | 2007-11-22 |
Family
ID=38837481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006131570A Withdrawn JP2007303339A (ja) | 2006-05-10 | 2006-05-10 | 内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007303339A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009180116A (ja) * | 2008-01-30 | 2009-08-13 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃焼室 |
JP2012097664A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-05-24 | Toyota Motor Corp | ピストンおよび火花点火式内燃機関 |
JP2012117501A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Toyota Motor Corp | ピストンおよび火花点火式内燃機関 |
-
2006
- 2006-05-10 JP JP2006131570A patent/JP2007303339A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|---|
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