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JP2007234340A - 燃料電池スタック - Google Patents

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JP2007234340A
JP2007234340A JP2006053235A JP2006053235A JP2007234340A JP 2007234340 A JP2007234340 A JP 2007234340A JP 2006053235 A JP2006053235 A JP 2006053235A JP 2006053235 A JP2006053235 A JP 2006053235A JP 2007234340 A JP2007234340 A JP 2007234340A
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Yasuaki Tanaka
泰明 田中
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】省電力且つ簡素な構造で発電性能を向上できる燃料電池スタックおよび燃料電池システムを提供する。
【解決手段】ガス供給を受けて発電するセル11が複数積層されて構成される燃料電池スタック10であって、セル11のうち積層方向両端側の端部セル11aにおける電流密度が、積層方向中央側のセル11bにおける電流密度よりも高く設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池スタックに関し、特に積層方向両端側のセルの発電性能低下防止に関する。
近年、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池をエネルギ源とする燃料電池自動車等が注目されている。
このような燃料電池としては、電解質膜の両側に電極を配置するとともに、これら電極のさらに両外側にセパレータを配置してなるセルを複数積層した燃料電池スタックが通常用いられている。この燃料電池スタックにおいて、上記したセパレータは、隣接する電極への反応ガス(燃料ガス又は酸化ガス)の供給と、隣り合うセル同士間の反応ガスの隔離と、隣接する電極からの集電とを行うようになっており、さらには隣接する電極とは反対側に冷却媒体を流すための冷却流路を形成するようになっている。
ところで、燃料電池スタックにおいて、発電性能を維持するためには、各セルを一定温度に保つ必要があるが、積層方向両端側のセルは、中央側のセルよりも放熱量が大きいため、積層方向両端側のセルの温度が中央側のセルの温度よりも低くなり、発電性能が低下してしまう。
このため、積層方向両端のセルのセパレータの冷却流路を、中央側のセルのセパレータの冷却流路よりも減らすことによって発電性能の低下を防止する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−216806号公報
しかしながら、上記のように冷却流路の数を異ならせるのでは、例えば低温時における発電性能低下防止の効果が低い等の理由から、積層方向両端のセルの外側にヒータを設置し、加熱する必要があった。つまり、このような構造にすると、ヒータの加熱のために余分な電力が必要になり、また、ヒータを制御する回路が必要でシステムが複雑になってしまう可能性があった。
そこで、本発明は、省電力且つ簡素な構造で発電性能を向上できる燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ガス供給を受けて発電するセルが複数積層されて構成される燃料電池スタックであって、前記セルのうち積層方向両端に位置する端部セルにおける電流密度が、積層方向中央側のセルにおける電流密度よりも高く設定されている。
例えば、前記端部セルにおける発電面積が、前記積層方向中央側のセルにおける発電面積よりも小さく設定されていてもよい。
また、前記端部セルにおける発電可能面積とこの端部セルの積層方向外面側に配置された集電体との接触面積が、前記端部セルにおける発電可能面積よりも小さく設定されていてもよい。
かかる構成とすることによって、電流密度が高い積層方向両端側の端部セルは、電流密度が低い積層方向中央側のセルよりも発熱量が多くなる。これにより、積層方向中央側のセルと比較して放熱量が多い端部セルの温度の低下を抑制でき、積層方向における温度分布の不均一を抑制できる。しかも、端部セルの電流密度を積層方向中央側のセルの電流密度よりも高くするだけ良いため、ヒータが不要であり、省電力且つ簡素な構造で発電性能を向上できる。
本発明の燃料電池スタックは、さらに、前記端部セルの積層方向外面に面方向に相互離間して配置された複数の集電体と、前記複数の集電体からの集電の有無を選択的に切り換える切換部と、を備えてもよい
かかる構成とすることによって、端部セルにおける発電可能面積とこの端部セルの積層方向外面に配置された集電体との接触面積が調整可能となる。これにより、端部セルにおける電流密度を積層方向中央側のセルにおける電流密度よりも高くすることができるだけでなく、端部セルにおける電流密度の可変制御が可能となる。
本発明によれば、省電力且つ簡素な構造で発電性能を向上できる。
次に、本発明の第1実施形態を図1〜図8を参照しつつ説明する。
図1は、燃料電池スタック10を概略的に示すものである。この燃料電池スタック10は、燃料電池自動車の車載発電システムや船舶、航空機、電車あるいは歩行ロボット等のあらゆる移動体用の発電システム、さらには、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システム等に適用可能であるが、具体的には自動車用となっている。
燃料電池スタック10は、燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて発電するセル11を複数積層して構成されるもので、各セル11は、図2に示すように、固体高分子型電解質膜12及びこの固体高分子型電解質膜12の両面に配置される一対のアノード電極13及びカソード電極14からなるMEA(Membrane Electrode Assembly)15と、MEA15のアノード電極13及びカソード電極14の更に外側に配置されるアノード側セパレータ16及びカソード側セパレータ17とで構成されている。
各セル11において、アノード電極13に隣接するアノード側セパレータ16は、隣接するアノード電極13への燃料ガス(例えば水素ガス)の供給と、隣り合うセル11との間の反応ガスの隔離と、隣接するアノード電極13からの集電とを行うもので、アノード電極13側の面に燃料ガスをアノード電極13に供給するための燃料ガス流路20が形成され、アノード電極13とは反対側の面に冷却媒体を流すための冷却流路21が形成されている。
また、各セル11において、カソード電極14に隣接するカソード側セパレータ17は、隣接するカソード電極14への酸化ガス(例えば空気)の供給と、隣り合うセル11との間の反応ガスの隔離と、隣接するカソード電極14からの集電とを行うもので、カソード電極14側の面に酸化ガスをカソード電極14に供給するための酸化ガス流路22が形成されている。
そして、上記構成のセル11が、隣り合うもの同士がアノード側セパレータ16とカソード側セパレータ17とを互いに重ね合わせるようにして複数積層されている。
図1に示すように、積層方向両端部に位置するセル11(以下、端部セル11a)の両外面側には、電力取出用の一対のターミナルプレート(集電体)25が設けられている。これらのターミナルプレート25は、図3に示すように、端部セル11aの内側所定範囲に接合される大きさとされている。なお、符号26は電力取出用の端子部である。
ここで、積層方向中央側のセル11(以下、積層方向中央側のセル11b)における図4に二点鎖線で囲んだ発電可能範囲Z1の発電可能面積Sよりも、端部セル11aにおける図5に二点鎖線で囲んだ発電範囲Z2の発電面積S’が小さくなるように、端部セル11aに接合するターミナルプレート25の接触面積が設定されている。
つまり、端部セル11aは、発電可能な電極面積を積層方向中央側のセル11bを含む他の全てのセル11と同等に有しているが、ターミナルプレート25の接触面積がこの電極面積よりも小さくされていることで、発電面積S’が、積層方向中央側のセル11bの発電面積Sよりも小さく(狭く)なっている。
なお、発電可能範囲Z1とは、発電に寄与し得る最大の範囲であって、本実施形態では、電極13,14とガス流路20,22とが平面視にて重複する部分を少なくとも包含している。また、発電範囲Z2とは、発電に寄与し得る範囲のうち実際に発電している範囲であって、本実施形態では、発電可能範囲Z1と集電体であるターミナルプレート25とが平面視にて重複する部分をいう。
そして、総電流X〔A〕を得る場合、積層方向中央側のセル11bの電流密度は、X/S〔A/cm2〕となり、端部セル11aの電流密度は、X/S’〔A/cm2〕となって、上記のようにS>S’であることから、端部セル11aの電流密度X/S’>積層方向中央側のセル11bの電流密度X/Sとなる。
ここで、この端部セル11aの発電面積及び電流密度の関係から、積層方向両端側のいくつかのセル11において、これらよりも中央側にあるセル11よりも発電面積が小さく、よって電流密度が大きくなる。ただし、これらの積層方向両端側のいくつかのセル11において、端部セル11aの発電面積が最も小さく、よって電流密度が最も大きく、中央側に位置するほど、発電面積が徐々に大きく、電流密度が徐々に小さくなる。
つまり、積層方向両端側のセル11における発電面積を、積層方向中央側のセル11における発電面積よりも小さくすることで、図6(A)に二点鎖線で模式的に示すように、端部セル11aにおける電流密度が、積層方向中央側のセル11bにおける電流密度よりも高くなっている。
電流密度〔A/cm2〕とセル電圧〔V〕との関係を示すと、図7に示すように、小さい電流密度X/Sである積層方向中央側のセル11bのセル電圧が、大きい電流密度X/S’である端部セル11aのセル電圧よりも低くなり、この電圧の低下分、図6(B)に示すように、端部セル11aの発熱量が積層方向中央側のセル11bよりも増加することになる。
以上に述べた第1実施形態によれば、電流密度が高い端部セル11aは、電流密度が低い積層方向中央側のセル11bよりも発熱量が多くなる。これにより、積層方向中央側のセル11bと比較して放熱量が多い端部セル11aの温度の低下を抑制でき、積層方向における温度分布の不均一を抑制できる。しかも、端部セル11aの電流密度を、積層方向中央側のセル11bの電流密度よりも高くすれば良いため、ヒータが不要であり、省電力且つ簡素な構造で発電性能を向上できる。
しかも、端部セル11aにおける発電面積を、積層方向中央側のセル11bにおける発電面積よりも小さくするというように、発電面積を異ならせることで、端部セル11aの電流密度を、積層方向中央側のセル11bの電流密度よりも高くするため、簡素な構造で発電性能を向上できる。
なお、端部セル11aに対するターミナルプレート25の接触面積を小さくして電流密度を増やし発熱を増加させるためには、上記以外にも、例えば図8に示すように、ターミナルプレート25が中間所定範囲に端部セル11aに対し接触しない非接触部27を複数有する中抜け状をなすようにしても良い。発電部位のパターンはセル11の構造に応じて最適な形状に設計することになる。
また、端部セル11a内の電極面積(MEA15の面積)を他のセル11の電極面積(MEA15の面積)よりも小さくなるように設定してもよい。
次に、本発明の第2実施形態を主に図9を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して説明を略す。
第2実施形態では、端部セル11aにおいて、第1実施形態と同様のターミナルプレート25の両外面側に、本実施形態では一対のサブターミナルプレート(集電体)30を面方向に相互離間させて配置しており、これらサブターミナルプレート30からの集電の有無を切り替えるスイッチ(切換部)31がそれぞれ設けられている。
そして、予想される放熱量に応じて放熱を補うことができるように一対のサブターミナルプレート30のスイッチ31のオン・オフを制御する。具体的には、外気温が低い等の理由により放熱量が大きいと予想される場合には、一対のサブターミナルプレート30のスイッチ31をオフ状態として、ターミナルプレート25のみの小さな面積を発電面積とすることで、第1実施形態と同様に端部セル11aの発熱量を多くする。
他方、放熱量が小さいと予想される場合には、一対のサブターミナルプレート30のスイッチ31をオン状態として、ターミナルプレート25及び一対のサブターミナルプレート30の大きな面積を発電面積とし、電流密度を積層方向中央側のセル11aに合わせることで、端部セル11aの発熱量を少なくする。
この場合、放熱量を推定するシステムと、放熱量を補うために必要な発熱量を算出するシステムと、端部セル11aで必要な発熱量を得るために必要な発電面積を算出するシステムと、これらの結果に基づいて発電面積を調整するシステムとが必要になる。
このような第2実施形態によれば、集電体を、ターミナルプレート25及び一対のサブターミナルプレート30から構成して、発電面積を切り替えることで発熱量を詳細に制御することができる。この場合、さらにサブターミナルプレート30の個数を多くすればさらに詳細に発熱量を制御することができる。
なお、複数個の集電体の各部の電流量をチョッパー回路等により個別に制御できるシステムとしても良い。この場合、面内発電分布(発熱分布)を上記よりもきめ細かく制御することで発熱量を厳密に制御できる。
本発明の第1実施形態を示す断面図である。 同実施形態のセルを示す断面図である。 同実施形態の端部セル及びターミナルプレートを示す側面図である。 同実施形態の積層方向中央側のセルの発電範囲を示す側面図である。 同実施形態の両端部の端セルの発電範囲を示す側面図である。 同実施形態の電流密度を模式的に示す断面図(A)及び各セル位置の発熱量を示す特性線図(B)である。 電流密度とセル電圧との関係を示す特性線図である。 同実施形態の端部セル及びターミナルプレートの変形例を示す側面図である。 本発明の第2実施形態を示す正断面図である。
符号の説明
10…燃料電池スタック、11…セル、11a…端部セル、11b…積層方向中央側のセル、25…ターミナルプレート(集電体)、30…サブターミナルプレート(集電体)

Claims (4)

  1. ガス供給を受けて発電するセルが複数積層されて構成される燃料電池スタックであって、
    前記セルのうち積層方向両端に位置する端部セルにおける電流密度が、積層方向中央側のセルにおける電流密度よりも高く設定されている燃料電池スタック。
  2. 請求項1に記載の燃料電池スタックであって、
    前記端部セルにおける発電面積が、前記積層方向中央側のセルにおける発電面積よりも小さく設定されている燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池スタックであって、
    前記端部セルにおける発電可能面積とこの端部セルの積層方向外面側に配置された集電体との接触面積が、前記端部セルにおける発電可能面積よりも小さく設定されている燃料電池スタック。
  4. 請求項1又は2に記載の燃料電池スタックであって、
    前記端部セルの積層方向外面に面方向に相互離間して配置された複数の集電体と、
    前記複数の集電体からの集電の有無を選択的に切り換える切換部と、を備える燃料電池スタック。

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