JP2007232733A - 対象物内部品質測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明においては、対象物を連続して搬送する搬送手段と、搬送手段上に載置された対象物の位置を検知する検知手段と、対象物に測定光を投光する投光手段と、該対象物を透過した光を受光する受光手段と、受光手段が受光した光により、対象物の内部品質を解析する解析手段と、検知手段からの信号に基づいて、投光手段と受光手段との間の光路中に所定の光学特性を有する参照体を挿入する参照体挿入手段とを有し、解析手段は、参照体が挿入された際に受光した光とあらかじめ保持された参照データとを比較して、解析結果を補正する。
【選択図】図1
Description
この装置においては、コンベア850上の複数の被検物体852を連続的に測定するにつれて、測定値にバラツキが生じていた。これは、測定時間の経過につれて、分光器の測定値のベースライン(測定の基準となる値)が変化することに起因すると考えられる。この変化は分光器および装置自体並びにその周辺の環境の変化によるところが大きい。
この装置では、ベルトコンベア870上の遮光バケット872に載ったメロン等の被検物体874にランプ876から近赤外光を投射し、被検物体874を透過して出射した光を光ファイバ878を通して分光器880で受光する。分光器880では、透過光の吸収スペクトルが計測され、この吸収スペクトルにより被検物体880の内部品質を知ることができる。
この装置においては、複数の遮光バケット872に1つずつ搭載された複数の被検物体874を連続的に測定するにつれて、測定値にバラツキが生じていた。これは、測定時間の経過につれて、分光器880の測定値のベースライン(測定の基準となる値)が変化することに起因すると考えられる。この変化は分光器880およびその周辺の環境の変化によるところが大きい。
T = Is/Ir
として計算することにより校正を行っている。即ち被検体の透過率の値を校正体の透過率との比を取ることで校正し、光源や測定計の変動に起因する透過光の変化をキャンセルするわけである。
T =(Is−D)/(Ir−D)
により計算する場合もある。
しかし、従来例においては、投光光源の高さが一定であるため、被検体たる青果物の大きさが異なる場合、大きな被検体と小さな被検体とでは、照射位置が異なっていた。すなわち、小さな被検体においては被検体の中心部に投光されているのに対して、大きな被検体においては被検体の下部に投光されることとなり、各被検体に対して同じ条件で測定しているとは言えなかった。
しかし、一定量の光を照射した青果物を透過する光の量は、青果物の種類によっては非常に小さくなることがあり、その場合には測定が困難になる。すなわち、一般にメロン・スイカ等は透過光量が小さく、ミカン等は透過光量が大きく、透過光量の小さな青果物の内部品質を測定する場合には、各被検体の吸収スペクトルの強度の違いが現われにくいため、吸収スペクトルによる計測が難しくなる。
具体的にはコンベアの移動路中のある位置に、被検体に光を投光する投光装置と被検体からの透過光を受光し吸収スペクトルを計測するためのセンサーとからなる計測装置を配置し、各被検体が計測位置を通過した時に測定を行う。そして得られた吸収スペクトルに基づいて、被検体である青果物の糖度や酸度等を算出するものである。
1)被検体青果物に光源から光を照射する方向とほぼ同位置に受光センサを設け、青果物表面から内部に数ミリ貫入した散乱・反射光を受光することによって測定を行うタイプ(ここでは反射型と呼ぶ)と、
2)光源(通常1灯)からの光を被検体青果物に側方から投光し、前記光源に対して青果物を挟んで対向する位置に受光センサを配置して透過光を受光するタイプ(ここでは対向受光型と呼ぶ)と、
3)遮光キャリア(あるいはバケット)上に載置した被検体青果物の側方に光源(多くの場合多灯)を設けて側方より光を投光し、青果物内部で散乱され下方に出射した透過光をキャリアに設けた穴を通して下から取り出し、青果物の下方に設けた受光センサにより投受光方向を直交させて受光するタイプ(ここでは下方受光型と呼ぶ)と、
がある。
そこで、本発明の目的は、被検物体を透過する光により青果物の内部品質を測定する装置において、測定を中断することなしに装置のキャリブレーションを行うことにより、ベースラインの変動を排除して、青果物の内部品質を正確に測定することができる装置を提供することにある。
本発明はこのような問題を解決する補正方法を提供するものである。
対向受光型の装置の場合、測定光が青果物の横径を貫通することになるので、光路長がかなり長くなる。このため被検物がリンゴやモモ等の光を通しにくいものである場合には、被検物を透過して出射する光がきわめて微弱であり、信号がとれないという問題がある。特に、青果物内部品質の測定に重要なスペクトル吸収のある長波長領域ほど通りにくいことも問題である。透過光量を増やすためには投光光量を増やすことが考えられるが、この対向受光型の場合にはその構造上投光系が通常1灯に限られるので、投光光量を増やすことは難しい。
さらに受光センサをコンベアベルトの下方、即ちベルトコンベアのループ内に設けなければならないので、装置の組立やメインテナンスの手間が煩雑になるという問題もある。
また、本発明の別の目的は、添付した図面を参照しつつ以下の実施例により明らかになるであろう。
これにより装置あるいは周囲環境の温度調節(管理)をする必要がなくなるので、それらのコストも低減できる。
また複数の濃度の人工青果物体を用いて補正することにより、更に正確な補正を行うことができる。
また本発明の人工青果物体で、水溶液にゲル化剤を加えてゲル化することで、光分散体が沈降することのない安定した人工青果物を得ることができる。
また、人工青果物参照体を複数個供え、それぞれの参照体の濃度を異ならせた装置では、被検体青果物の濃度に応じたより正確な補正を可能なものとできる。
また被検体の移動路において本計測位置の上流と下流の両方で移動手段上の被検体位置を検出し、両者にずれがある場合は計測エラーと判定しているので、計測精度に疑問のある被検体を認識でき、更に問題のある被検体を再測定にまわす等の処理も可能であり、より確実性の高い計測が保証される。
また、投光手段を移動手段を挟んで両側に設けた場合、遮光プレートも両側に一対設け、両遮光プレート間の間隔を調節可能とすれば測定対象に応じて遮光プレート間隔を被検体と干渉せずに有効に遮光できる。更に、移動経路中の測定を行う位置よりも上流側に設置され、被検体の横径を測定する横径測定手段と、横径測定手段の出力に基づいて遮光プレートの間隔を調節する調節手段とを設ければ、個々の被検体のサイズに応じて遮光プレートの調節が可能となる。
図1に示すように、本実施例の装置1はベルトコンベア2、センサ4、測定部6等からなる。
ランプ12は、被検物体8のほぼ全体にその側面から光を投射可能なように配置されている。ランプ12から被検物体8に投射される光22は、例えば近赤外域の波長(650〜950nm)を有するものであり、この光が投射された被検物体8の内部で一部が吸収された後に、被検物体8から透過光24が出射される。
さらに、制御部18はキャリブレーション駆動機構32に接続されており、これを駆動するための信号を出力して、フィルタ30の駆動を制御する。
まず、測定を開始する前に装置1のキャリブレーションおよびダーク電流の測定を行う。キャリブレーションは、測定部6に被検物体8がない状態において、キャリブレーション駆動機構32によりランプ12の前にフィルタ30を配置し、ランプ12からフィルタ30を介して分光器16に照射された光の光量を測定することにより行う。この光の光量は、分光器16で電流値に変換されて、これが被検物体8の測定のベースライン(または参照値)となる。一方、ダーク電流の測定は、分光器16に入る外光を一切遮断した状態で行う。これは、ランプ12が点灯した状態で分光器16への光を遮蔽しても良いし、ランプ12を消灯した状態であっても良い。ダーク電流は、分光器16に光が入らない状態における装置1自体が有するものであって、この後の分光器16による測定(光電変換した電流値)からダーク電流値を差し引くことにより、装置のノイズ等の影響を取り除いた電流値を算出することができる。
このフィルタによる減衰光の光量を測定することにより、装置1のベースラインを測定することができる。ベースラインは随時その変動を追従することができる。ベースラインの測定値は演算部20に保存される。
Ti=(Si−D)/(R−D) ・・・(1)
すなわち、フィルタ30を介したランプ12からの出射光に対する被検物体8からの出射光の比をとって、これを被検物体8の透過率としている。ここで、分子及び分母のそれぞれにおいて、出射光による周波数スペクトルの測定値Siまたはキャリブレーションによる電流値の平均値Rからダーク電流値Dを減算している。これにより、分光器16固有のノイズを排除している。
本実施例では、フィルタ30は3枚のNDフィルタ26a、26b、26cと拡散板28という構成にしたが、NDフィルタの枚数は1枚であっても良いし、もっと枚数が多くても良い。
各NDフィルタの光の透過率は本実施例とは別の値であっても良い。
NDフィルタの代わりに、光の透過率が分かっているほかの種類のフィルタも使用可能である。
フィルタ30を拡散板のみで構成しても良い。
被検物体8の検知は、別途設けた光電センサ4への光の入射により行ったが、分光器16への入射光の光量により判断しても良い。
ベルト3に設けた重量センサにより、被検物体8の有無を判断しても良い。
光電センサ4から発する光は、赤外光以外の波長の光であっても良い。
ランプ12から発する光は、近赤外光以外の波長の光であっても良い。
ランプ12は、光ファイバでもよく、その数は1灯でも2灯以上でも良い。
人工青果物体40は光透過体48の内部に該光透過体48の温度を計測するためのサーミスタ等を用いた測温体(温度測定手段)58を備えている。
この参照体を用いた青果物内部品質測定の補正方法の一例を、酸度の測定を例にとって以下に説明する。
以上の変動の関係性(直線の傾きS)と基準酸度値DRは予め求めておいて、測定装置の処理系にデータとして記憶させておく。
C =(DR−D)×S
こうして得た補正値を実際の被検体であるそれぞれの青果物の測定値に加算することにより測定値が補正され、環境条件に影響されない正しい酸度値に近づく。
C =(1.0−1.2)×0.9 = −0.18
と求められる。この補正値「−0.18」を被検体青果物に対して得た測定値に加算する(つまり0.18を減算する)ことにより補正する。
以上述べたように、本発明によると、投光系および受光系の変更なしに被検体の変更に応じた人工青果物体40を選択することが可能となる。
さらに、ガラス44と側面42との間に空気層が存在するため、人工青果物参照体40が投光により加熱されても放熱しやすくなり、さらに耐久性が向上する。
また、ガラス44は水平方向にスライドして取り外すことが可能であるため、ガラス44の耐熱性が落ちた場合は、ガラス44を交換することにより常に十分な耐熱性を確保することができる。
すなわち、人工青果物体40の容器は、ポリエチレン(PE)の代わりにポリフッ化エチレン(PFE)やガラス44であってもよい。
樹脂容器46側面42に設けるガラス44の代わりに、耐熱性のNDフィルタを用いてもよい。
樹脂容器46の側面42の厚さは、対向する面で同一としたが、4側面42の厚さの組み合わせは任意でもよい。
樹脂容器46の側面42とガラス44との間の空気層52は、任意の厚さでよく、なくてもよい。
光透過体48は、ゲル状物質、たとえば、1%クエン酸水溶液に光散乱体として径約0.3μmの酸化セリウムを混合して均一に拡散させ、それをポリアクリルアミドゲルによってゲル化したものであってもよい。
人工青果物体40の回転は、反時計回りでもよい。
人工青果物体40は、その底面の中心を通る鉛直方向の軸78に代えて投光装置70から投光される光の光軸とほぼ垂直であって、側面42の中心を通る水平方向の軸を中心に回転することとしても良い。この場合は、側面と上面または底面の厚さを異ならせて、それぞれに耐熱ガラスを上述の方法により設けるのが望ましい。
人工青果物40の回転は、鉛直方向の軸であれば容器46の底面の中心を通らなくても良い。
図8は、本実施例にかかる装置の概略構成図である。すでに説明した校正部分については説明を省略する。投光光学系70および分光器72はそれぞれ矢印F、Gで示す鉛直方向に昇降可能であり、被検体88の測定時には、投光光学系70の光軸80および分光器72の受光レンズ92の光軸94を一致させ、これらを昇降させることによりこれらの光軸上に被検体88の赤道部90が位置するように配置する。
本実施例においては、しぼり66は同心円状に連続的に変化する開口部100を有する。しぼり66の背面に配置したランプ64から一定の投光量の光が投光された場合、開口部100からはその口径に比例した光量の光がしぼり66正面から出射される。
まず、光を透過しやすいミカンの内部品質を測定する。しぼり66の開口部100は、最小の口径に設定する。この場合は、被検体88への投光量は小さいが、被検体88から出射される光量は十分大きいため、この吸収スペクトルにより被検体88の内部品質を計測可能である。
この状態で、ランプ64から光を被検体88に向けて投光する。ランプ64から発した光96はしぼり66の開口部100を通って、レンズ68に入射する。レンズ68により適度に集光された光は、赤道部90を中心として被検体88に照射される。被検体88に照射された光は、被検体88の表面及び内部においてその一部が反射・吸収された後、出射され、分光器72に受光される。
これ以外の測定条件は被検体がミカンである場合と同一であり、被検体88からの出射光の吸収スペクトルにより被検体88の内部品質を測定することができる。
本実施例においては、投光光学系70の光軸80、受光レンズ92の光軸94及び被検体の赤道部90を一致させるのに投光光学系70、分光器72を昇降させることとしたが、被検体88を搭載したベルトコンベア60の位置を昇降させてもよい。また、投光光学系70中にミラーを設けて、このミラーの角度を変更することにより被検体88への投光位置を変更することとしても良い。さらに、分光器72の受光レンズ92と被検体88との間にミラーを設けて、このミラーの角度を変更することにより、常に被検体88の赤道部90からの出射光を受光するようにしても良い。
図10および図11はそれぞれ本実施例の糖度酸度測定装置の概略を概念的に説明する図であり、図10は上面図、図11は側面図である。
ベルトコンベア60の最上流側にはコンベアをはさんで、フォトダイオード等の投光素子102aおよび受光素子102bのペアにより構成される第1光電センサ102が配されている。投光素子102aは受光素子102bに向けて検出光を射出している。受光素子102bはこれを受光して電気信号に変換して後述するCPU120(中央処理ユニット:図12)に出力する。
62000−61400=600
である。また上述のようにエンコーダ113は0.1mmの移動毎に1パルスとなるように(即ち0.1[mm/パルス])設定されているので、被検体m3 の横径は、
600[パルス]×0.1[mm/パルス]=60mm
と認識できる。
また被検体が第1光電センサ位置を離れた後のエンコーダパルス数をカウントすることにより、CPUは被検体の位置情報も常時得ることができる。
図14のフローチャートに示す動作において、測定を開始するとまずステップS1において被検体が第1光電センサを通過したかどうかを検出する。ここで通過が検出されるまで待機し、検出されるとステップS2に進む。
ステップS2では第1光電センサから得た信号およびエンコーダのパルス信号に基づく被検体の通過データ(パルスデータ)を読み込む。
次にステップS4において横径が正常範囲内にあるか否かを判定する。横径が正常範囲を超えて大きい場合には、2つ以上の被検体が近接してひとつながりになってしまったものと考えられ、その場合には各被検体の中心位置を特定できないため、計測不能であるので、ステップ22に進みエラーとされる。
ステップS4で測定可能範囲と判定されるとステップS5に進み、正常な横径に対する処理に入る。
ステップS7においてステップ6にて得られた本計測位置を計測待ち状態にある被検体の配列情報として一旦保存する。
ステップS8において、計測待ち配列情報が保存されている未計測被検体があるかどうかを判断する。言い換えると計測待ち配列情報が得られる状態になるまで待機する。
ステップS8で計測待ち状態にある被検体があると判定されるとS9において計測待ち配列情報を読み込む。
計測が完了するとステップS11にてステップS10で得られた計測結果に基づいて糖度・酸度を演算し、位置データと関連づけて保存する。
ステップS12において通過が検出されると、ステップS13において第2光電センサから得た信号に基づく被検体の通過データを読み取る。
そしてステップS15において、S13で読みとった第2光電センサでの位置データから、第1、第2光電センサ間の距離にもとづいて該データに相当する被検体が第1光電センサを通過した時の位置データを算出する。これは即ち第2光電センサによる位置データから両センサ間の距離を減算し、当該被検体が遡って第1光電センサを通過した際にはどのような位置であったはずかを、求めるものである。
ステップ19で計測済みと判定された場合には、計測過程における問題がなく、正しい計測が行われたと判断して測定過程を終了する。
例えば本実施例はベルトコンベアの上流側に被検体供給手段を有し、被検体を自動供給しているが、手作業により被検体をコンベア上に個々に載置してもよい。実際、被検体が桃等の衝突により痛みやすい青果物である場合、手で載置することも多い。
また本実施例の装置では糖度と酸度を測定しているが、青果物のその他の内部品質の測定にももちろん適用できる。
すなわち、分光器16の受光レンズには開閉式のシャッタ34が設けられており、ソレノイドを用いたシャッタ駆動機構36により開閉が制御され、シャッタは上下方向Kに移動する。
シャッタ駆動機構36については、制御部18からの駆動信号により、キャリブレーション終了後に直ちにシャッタ34を駆動させるようにしている。シャッタ34は、分光器16の受光レンズに外光が入らないように、受光レンズ全面に移動され配置される。この状態においては、制御部18の光電変換で現われる電流(ダーク電流)は、ごく微小である。これは装置固有のノイズ等により生ずるものであり、この値を上記測定値から差し引くことによりさらに正確な測定値を得ることが可能となる。
ベースラインの測定が終わると、分光器16から制御部18に終了信号が出力される。この信号を受けて、制御部18はシャッタ駆動機構36のソレノイドに対して駆動信号を出力する。シャッタ駆動機構36は、この駆動信号によりシャッタ34を分光器16の受光レンズの全面に移動し、分光器16へ外光が入射しないようにする。この状態で、分光器16はダーク電流を測定する。ダーク電流は装置固有のノイズ等により生ずるものであり、ごく微小な値である。この値を、演算部20において、ベースラインまたは各被検物体8の測定値から差し引くことにより、それぞれについて、さらに正確な測定値を得ることが可能となる。
Ti=(Si−D)/(R−D) ・・・(1)
すなわち、フィルタを介したランプ12からの出射光に対する被検物体8からの出射光の比をとって、これを被検物体8の透過率としている。ここで、分子及び分母のそれぞれにおいて、出射光による周波数スペクトルの測定値Siまたはキャリブレーションによる電流値の平均値Rからダーク電流値の平均値Dを減算している。これにより、分光器16固有のノイズを排除している。
なお、本実施例では、キャリブレーションの直後にダーク電流を測定することとしているが、ダーク電流の測定の直後にキャリブレーションを行うこととしても良い。
これ以外の構成・工程・効果は第1実施例と同一である。
図16に示すように、本実施例の装置1は、遮光バケット5、センサ4、測定部6等からなる。
ランプ215と被検物体8との間には、ランプ215の数と同数の第1光ファイバ217が設けられている。それぞれの光ファイバ217の受光部は、それぞれのランプ215に向けられており、ランプ215からの光を直接受光可能である。
まず、測定を開始する前に装置のキャリブレーションおよびダーク電流の測定を行う。キャリブレーションは、第2シャッタ225を閉じた状態において、第1シャッタ223を開放して、第1光ファイバ217からフィルタ部221を介して分光器227に照射された光の光量を測定することにより行う。この光の光量は、分光器227で電流値に変換されて、これが被検物体8の測定のベースライン(または参照値)となる。一方、ダーク電流の測定は、第1及び第2の両方のシャッタ223、225を閉鎖して、分光器227に入る外光を一切遮断した状態で行う。ダーク電流は、分光器227に光が入らない状態における分光器227自体が有するものであって、この後の分光器227による測定値(光電変換した電流値)からダーク電流値を差し引くことにより、分光器227自体の影響を取り除いた電流値を算出することができる。
このフィルタ部221による減衰光の光量を測定することにより、装置のベースラインを測定することができる。ベースラインは随時その変動を追従することができ、ベースラインの測定値は演算部231に保存される。
Ti=(Si−D)/(R−D) ・・・(1)
すなわち、フィルタ部221を介したランプ215からの出射光に対する被検物体8からの出射光の比をとって、これを被検物体8の透過率としている。ここで、分子及び分母のそれぞれにおいて、出射光による周波数スペクトルの測定値Siまたはキャリブレーションによる電流値の平均値Rからダーク電流値Dを減算している。これにより、分光器227固有のノイズを排除している。
第1シャッタ223は第1光ファイバ217の光路途中または端部に設けても良い。
第2シャッタ225は第2光ファイバ219の光路途中または端部に設けても良く、また、ベルトコンベア2側の端部に設ける場合は、ベルトコンベア2に接するように設けることが好ましいが、接していなくても良い。
被検物体8の検知は、別途設けた光電センサ4への光の入射により行ったが、第2光ファイバ219への入射光の光量により判断しても良い。
ランプ215から被検物体8への光の投射は、被検物体8のほぼ全体に光を投射可能であれば、側面からでなく上面等からでもよい。
光電センサ4から発する光は、赤外光以外の波長の光であっても良い。
ランプ215から発する光は、近赤外光以外の波長の光であっても良い。
ランプ215は、光ファイバでもよく、その数も3灯に限らず1灯でも2灯でもそれ以上でも良い。
本実施例においては、キャリブレーションを任意のときに行うことができることとしている。すなわち、測定部6内に被検物体8があるかどうかに関わらず、本装置の使用者が所望するとき、または、必要に応じてキャリブレーションを行うことができる。
本実施例においては、青果物の内部品質の測定開始後、本装置の使用者が機械的又は電気的な操作によりキャリブレーション開始の指示を出す、または、演算部231または制御部229において測定のベースラインが一定の範囲を超えたと判断したときに自動的に、測定部6内の被検物体8の有無に関らず、第2シャッタ225を閉鎖し、第1シャッタ223を開放してキャリブレーションを行うこととしている。
これ以外の構成・工程・効果は第3実施例と同一である。
本実施例においては、青果物の内部品質の測定開始後のキャリブレーションに引き続いてダーク電流の測定を行うこととしている。
本実施例による青果物の内部品質の測定の工程を説明する。ここでも、第3実施例と異なる部分についてのみ説明する。
Ti=(Si−D)/(R−D) ・・・(1)
すなわち、フィルタを介したランプ215からの出射光に対する被検物体8からの出射光の比をとって、これを被検物体8の透過率としている。ここで、分子及び分母のそれぞれにおいて、出射光による周波数スペクトルの測定値Siまたはキャリブレーションによる電流値の平均値Rからダーク電流値の平均値Dを減算している。これにより、分光器227固有のノイズを排除している。
なお、本実施例では、キャリブレーションの直後にダーク電流を測定することとしているが、ダーク電流の測定の直後にキャリブレーションを行うこととしても良い。
これ以外の構成・工程・効果は第3実施例と同一である。
図18および図19は本発明の第6の実施例の青果物内部品質評価装置を図式的に示す図であり、図18はその上面図、図19は図18の19−19矢視図である。
ベルトコンベア2による搬送路中の所定の位置に、ベルトコンベア2を挟んで両側に、被検体青果物8に光を投光するハロゲンランプ光源12が設置されている。光源12は直径2cm程度のスポット光を青果物に照射するように構成されている。
なお、光源12と受光センサ303およびその周辺のコンベア2の一部は、一体的に不図示のボックスで囲ってあり、外光から遮蔽されている。
以上において、位置センサ、ベルトコンベアのエンコーダ、および受光センサはすべて装置CPUに接続されており、上記の計測タイミングの制御および横径の算出等すべての装置の制御はCPUにより行われる。
図20(a)および(b)に示すように、本実施例では青果物を挟むように2つの遮光プレート310を設けて、青果物8の表面で反射した光、該反射光が装置要素で更に反射された光、あるいは光源12から直接来る光等の迷光が受光センサ303に入射しないように遮光している。図20の(c)に最もよく示されているように、遮光プレートは光源12からの光が青果物8を照射する照射スポットQよりも上で青果物8の高さよりも低い位置にほぼ水平に設けられている。
3)の場合の装置制御系のブロック図を図21に示す。CPU320は位置・横径センサ4の出力に基づいて被検体の横径を算出し、算出した横径に応じた遮光プレート間隔となるように遮光プレート駆動装置306に指令を送る。それに応じて遮光プレート駆動装置306がモータ動力により遮光プレート310を動かして遮光プレート間隔を設定する。好適には、遮光の有効性を高めるため、遮光プレートと被検体青果物との隙間が微小となるように間隔を設定する。
図22の(a)および(b)に示すように、本実施例では2つの遮光プレート311を被検体青果物8の上方に設けて、青果物8の表面で反射した光、あるいは光源12から直接来る光等の迷光が受光センサ303に入射しないように遮光している。
3)の場合の装置制御系のブロック図を図23に示す。CPU320は高さセンサ307の出力に基づいて被検体の高さを算出し、算出した高さに応じた遮光プレート高さを設定するための指令を遮光プレート駆動装置306に送る。それに応じて遮光プレート駆動装置306が遮光プレート311を動かすモータを駆動して遮光プレート311の高さが算出した被検体の高さよりわずかに高くなるように設定する。
図25は第9実施例の装置の遮光プレートの構成を示す側面図である。それぞれの遮光プレート312は軸Oのまわりに枢動可能に支持されている。本実施例の装置の制御系の構成は図23に示した第8実施例と同様である。本実施例の装置では位置・横径センサ304によって検知される被検体青果物の横径または高さセンサ307により検知される被検体青果物の高さのいずれかまたは両方の情報に基づいて、遮光プレート312の軸Oまわりの角度位置を調節し、遮光プレートと青果物との間の隙間がわずかになるように設定する。図25はある実線で描いた大きさの被検体8に対する遮光プレート位置と、破線で描いたそれより一回り小さい被検体8′対する遮光プレート位置とを示している。なお、この実施例の制御系は、図23に示し上に説明した第8実施例と同様に構成できる。
以上いくつかの実施例を説明したが、本発明はこれら実施例の細部に限定されるものではない。例えば実施例おいてはベルトコンベアを用いているが、その他の様々な搬送装置を用いることができる。
また第6〜第10実施例では光源からの光は水平方向から投光しているが、これを斜め上方あるいは斜め下方から傾けて照射してもよい。また実施例では上方から見てベルトコンベアによる搬送方向に対して直角をなす方向から投光しているが、これも傾けて照射することも可能である。
本発明の装置の測定対象となる青果物はその種類、大きさに限定はなく、装置のサイズや光源の数・光量を適宜アレンジすることにより、様々な青果物に適用可能である。
また、本発明の装置により計測される内部品質も糖度、酸度を代表例として、その他分光分析によって計測しうるあらゆる青果物の内部品質測定が含まれる。
図28は本発明の実施例としての人工青果物参照体410を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。この人工青果物体は直径65mm高さ80mmの円筒状のガラス容器401とその中に収容された光透過体402からなる。容器上面もガラス製の蓋404で覆って密閉する。光透過体は1%クエン酸水溶液に光散乱体として径約0.3μmの酸化セリウムを混合して均一に拡散させ、それをポリアクリルアミドゲルによってゲル化したものである。混合する酸化セリウムの量は被検体となる青果物の種類に合わせて適宜設定する。
この実施例の人工青果物体410は光透過体402の内部に該光透過体の温度を計測するためのサーミスタ等を用いた測温体(温度測定手段)403を備えている。
図31にこの実施例の人工青果物体の透過光スペクトルを計測した結果を示す。同図には、一緒にミカン、ナシ、リンゴのそれぞれ実際の果実の透過光スペクトルも描かれているが、特に波長810nm以上の近赤外域において、人工青果物体410のスペクトル特性が実果実のスペクトル特性によく追随していることがわかる。
この実施例では1%、2%、3%のそれぞれのクエン酸濃度の人工青果物参照体を用いてそれぞれ補正値を求め、これら複数の補正値を用いて、被検体の酸濃度に応じた補正を行うことができるので、補正精度がより向上する。具体的にはそれぞれの補正値を近似的にリニアに結ぶ濃度−補正値直線を求め、該直線に基づいて被検体の濃度に応じた補正を行えばよい。
以上に実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明はその細部に限定されるものではない。
また人工青果物体において、透過光を減衰させるために水溶液に光分散体を混入している。光分散体を加える代わりに容器の方の透過率を下げることにより透過率調整することも考えられる。
また人工青果物体の容器として上記例ではガラスを用いているが、その他樹脂などで光透過性を有する材料でもよい。
以上述べた以外の構成、作用、効果は第1実施例と同様である。
図32は、本実施例の人工青果物参照体(人工青果物体)540を示す図であり、図32Aは斜視図、32Bは断面図である。本実施例においては、第1実施例の人工青果物体40に代えて、人工青果物体540を用いている。この人工青果物参照体540は、高さ80mm、底面が一辺65mmの正方形の直方体であってその側面542のうち1面にガラス544を設けてある樹脂容器546と、その中に収容された光透過体548とからなる。なお、容器上面は樹脂容器546と同じ材質の樹脂製の蓋550で覆って密閉する。樹脂容器546の側面542には、その側面542と平行に耐熱性のガラス544を設けている。
本実施例は例示であって本発明はこれに限定されない。
以上述べた以外の構成・作用・効果は第1実施例と同一である。
図33は、本実施例としての人工青果物参照体(人工青果物体)640の断面図である。本実施例においては、第1実施例の人工青果物体40または第12実施例の人工青果物体540に代えて人工青果物体640を用いており、図33に示すように、容器646の内面600は鉛直方向において階段状に形成されている。これにより、側面642の間隔は容器646の上部から底面に向けて段階的に狭くなり、側面642の厚さは、容器646の上部から底面に向けて段階的に厚くなっている。T方向から投光してU方向に出射させる場合においては、樹脂容器646の上部に投光すると側面642の薄い部分および光透過体648の長い部分を通って出射する一方、樹脂容器646の下部に投光すると側面642の厚い部分および光透過体648の短い部分を通って出射する。すなわち、樹脂容器646の上部に投光した光は、下部に投光した光よりも、側面642の影響を受けにくいため、より高い透過率をもって出射する。
以上述べた以外の構成・作用・効果は第1実施例または第12実施例と同一である。
本実施例においては、第1実施例のしぼり66に代えて遮光板712を用いている。図34は、投光光学系702の構成を示した斜視図である。
本実施例においては、遮光板712は複数例えば二つの円形の小孔720を有する。これらの小孔720は異なる直径を有し、各小孔720に遮光板712の背面に配置したランプ710から同一の投光量の光が投光された場合、各小孔720からはその開口面積に比例した光量の光が遮光板712正面から出射される。遮光板712は、モータ730により鉛直方向Vに移動可能であり、小孔720はこの移動方向Vに沿って複数設けられている。したがって、モータ730により遮光板712を鉛直方向Vに移動することにより、ランプ710とレンズ714の光軸上に所望の小孔720を配置することができる。
第1の例として、光を透過しやすいミカンの内部品質を測定する。遮光板712の小孔は、直径の小さい方を選択する。この場合は、被検体への投光量は小さいが、被検体から出射される光量は十分大きいため、この吸収スペクトルにより被検体の内部品質を計測可能である。
これ以外の測定条件は被検体がミカンである場合と同一であり、被検体からの出射光の吸収スペクトルにより被検体の内部品質を測定することができる。
遮光板712に設ける小孔720の個数は複数であればいくつであっても良い。
本実施例においては、遮光板712は一方向Vに昇降することとし、その昇降方向Vに沿って小孔720が設けられていたが、遮光板712の移動方向を鉛直方向Vのみに限定せず、例えば、鉛直方向Vおよび遮光板712を含む面内で鉛直方向Vに垂直な方向の2方向で移動が可能であるとしてもよい。この場合は、小孔720は遮光板712内の任意の位置に設けることができ、遮光板712を前記の2方向に移動することにより、所望の小孔720をランプ710の光軸18上に配置することができる。
小孔の形状は円形でなくても良い。
被検体に投光する光の光量の制御は、本実施例のように遮光板に設けた小孔により行うのではなく、フィルタによって行っても良い。
以上述べた以外の構成、作用、効果については第1実施例と同様である。
本実施例においては、投光光学系702の光軸718に垂直な面内に円形の遮光板740が設けられている。遮光板740は、その中心から遮光板740に垂直な方向に設けられた軸741に接続されたモータ742により、軸741を中心として回転する。遮光板740には、複数例えば二つの直径の異なる円形の小孔744が遮光板740の中心から等距離の位置に設けられている。この構成により、被検体の種類に応じて、小孔744を選択することができる。
これ以外の構成・作用については、第1実施例と同様である。
第16実施例においては、青果物は1または複数個あり、コンベア上を搬送される。コンベアの途中には、コンベアを挟んで第14の実施例と同様の投光光学系、分光器を有する測定部が備えてある。さらに、本実施例においては、コンベアの途中にその搬送方向であって、測定部よりも上流側又は測定部内に光電センサが設けてあり、これによりコンベア上の各青果物の大きさを測定することが可能である。
このため、連続的に搬送される各被検体の内部品質を同じ条件で高速に測定することが可能である。
これ以外の構成・作用については、第1実施例と同様である。
図36は、本発明の実施例としての人工青果物参照体(人工青果物体)760を示す断面図である。この人工青果物参照体760は、直径65mm、高さ80mmの円筒状の塩化ビニル製容器751、その中に収容された光透過体752、塩化ビニル製容器の側面に貼りつけられた光散乱層たる粘着テープ770とからなる。なお、容器上面は容器751と同じ材質の塩化ビニル製の蓋754で覆って密閉する。
また、容器751の側面には、粘着テープ770の周囲を囲むように容器の側面に平行に耐熱ガラス780が設けられている。耐熱ガラス780は、2枚の耐熱ガラス層を約10mmの間隙782をあけて容器側面に平行に設けており、この隙間は1%クエン酸水溶液で満たされている。このように構成することにより、耐熱ガラスのみを用いるよりさらに耐熱性が向上する。
本実施例は例示であって以下のような変形も可能である。
粘着テープは、セルロースを含むもの、例えば紙製のテープでもよく、粘着性のないものでもよい。また、樹脂以外の高分子物質からなるものでもよい。粘着テープに代えて、塗装、スプレー、浸漬等により容器751の表面に光散乱層を設けても良い。粘着テープは容器751への照射光の光路部分のみに貼ってもよい。
以上述べた以外の構成・作用・効果は第1実施例と同様である。
4 センサ
6 測定部
8 被検物体
12 ランプ
14 フィルタ部
16 分光器
18 制御部
20 演算部
40 人工青果物体
Claims (1)
- 対象物の内部品質測定装置であって、
対象物を連続して搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上に載置された該対象物の間隔を検知する検知手段と、
該対象物に光を投光する投光手段と、
該対象物を透過した光を観測する受光手段と、
前記受光手段に入射する光を遮蔽する遮蔽手段と、
前記投光手段から投光される光の光量を調整する光量調整手段と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記受光手段に入射する光量を制御する制御手段とを有し、
前記検知手段により、前記搬送手段上の該対象物の間隔が所定値未満であると判断している間は、前記制御手段は、前記投光手段から前記光量調整手段を介さずに該対象物に投光させ、該対象物を透過した光を前記受光手段に観察させ、
前記検知手段により、前記搬送手段上の該対象物の間隔が所定値以上であると判断した場合は、前記制御手段は、前記光量調整手段により前記受光手段に入射する光量を調整し、該調整された光量を前記受光手段に観測させ、
さらに
前記受光手段による観測結果を、前記制御手段により入射光量を制御したときの前記受光手段による観測結果と、前記遮蔽手段により入射光を遮蔽したときの前記受光手段による観測結果に基づいて補正する演算手段と
を有することを特徴とする対象物の内部品質測定装置。
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