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JP2007229641A - 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 Download PDF

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JP2007229641A JP2006055514A JP2006055514A JP2007229641A JP 2007229641 A JP2007229641 A JP 2007229641A JP 2006055514 A JP2006055514 A JP 2006055514A JP 2006055514 A JP2006055514 A JP 2006055514A JP 2007229641 A JP2007229641 A JP 2007229641A
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Abstract

【課題】 製造工程が簡易で、高い浄化率を長期間保持することができる排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 排気ガスに接触して触媒反応を起こす貴金属粒子2と、この貴金属粒子2を金属結合で固着して担持する酸化物基材粒子3と、この貴金属粒子2を担持した酸化物基材粒子3の周囲を覆う酸化物一次粒子4とを有する排気ガス浄化用触媒1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
排気ガス浄化用触媒は、一般にアルミナ等の酸化物よりなる基材の表面に貴金属粒子を担持したものであり、排気ガス中に含まれる有害な成分、例えば、未燃焼炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を、この貴金属粒子で酸化し、無害な成分である水やCOガスに変換する。
近年、自動車用の排出ガス規制はますます厳しくなる一方であり、排気ガス浄化用触媒には、上述の未燃焼炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)の浄化をより高効率で行うことが要求されている。このような要求に応えるために、触媒の浄化性能が、一般に貴金属粒子の表面積の大きいほど向上するということを利用して、排気ガス浄化用触媒中の貴金属粒子の粒径を小さくすることにより、この貴金属粒子の表面積を大きくして表面エネルギーを増大させ、排ガス浄化用触媒の性能を高めることが行われている。
ここで、排気ガス浄化用触媒の貴金属粒子は、初期段階では数nm以下の超微粒子状態になっている。しかし、排気ガス浄化用触媒が実際に使用され、高温の酸化雰囲気中に晒されているうちに、貴金属粒子の表面が酸化され、近隣する貴金属粒子が互いに凝集、合体して数十nmに粗大化してしまい、貴金属粒子の表面積が低下して有害物質の浄化率が経時的に低下するという問題がある。また、セリア(CeO2)等の助触媒を含有させた触媒においては、セリア自体の凝集が生じると、貴金属粒子間の間隔が狭まるので、この点でも貴金属が凝集する問題があった。
この貴金属粒子の粗大化による表面積低下を防止し、更なる高活性化を目指して、表面積の大きい貴金属粒子を製造できる製法として、逆ミセル法についての開発が進んでいる。この逆ミセル法は、製造工程の過程で、貴金属粒子の原料を含む水溶液の逆ミセルが形成されたエマルジョン溶液を用いる製法である。この逆ミセル法の一例では、まず、有機溶媒中に界面活性剤と触媒活性な成分(例えば、貴金属元素)を含む水溶液とを混合する。その後、有機溶媒中に、貴金属を含む水溶液を含有する逆ミセルが形成されたエマルジョン溶液を調製し、貴金属を沈殿させた後、還元又は不溶化し、逆ミセルの中で微粒化した貴金属を析出させる。
また、特開2000−42411号公報には、逆ミセル法のエマルジョン溶液調製工程において、逆ミセルの中に酸素吸蔵作用を有する元素を含有させて触媒を製造する方法が開示されている。この逆ミセル法では、エマルジョン溶液中に含まれる逆ミセルの中で、基材に触媒活性な成分を担持した後、逆ミセルを崩壊させて、得られた沈殿物を濾過、乾燥、粉砕、焼成する各工程を経て触媒としている。この製造方法を用いて製造された触媒は、基材に酸素吸蔵作用を有する元素を担持できるだけではなく、基材の最表面及び基材中に形成された孔部表面にも触媒活性な成分を担持するため、触媒の活性を高めることができる。
特開2000−42411号公報
しかしながら、前述した逆ミセル法では、製造工程が複雑化して製造コストが上昇するので、量産性の面で問題があった。
前記問題を有利に解決する本発明の排気ガス浄化用触媒は、少なくとも白金を含む貴金属粒子と、この貴金属粒子を金属結合で固着して担持する、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物基材粒子と、この貴金属粒子を担持した酸化物基材粒子の周囲を覆う酸化物一次粒子とを有することを要旨とする。
前記貴金属粒子が、少なくともパラジウムを含む場合には、酸化物基材粒子は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ストロンチウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。また、前記貴金属粒子が、少なくともロジウムを含む場合には、酸化物基材粒子は酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化バリウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上であることか好ましい。
また、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法は、酸化物基材粒子上に貴金属粒子を付着させる工程と、この酸化物基材粒子上に付着した貴金属粒子を、この酸化物基材粒子に金属結合で固着させる合金化処理工程と、合金化処理工程後の貴金属粒子が固着した酸化物基材粒子を、酸化物一次粒子前駆体の分散液中に分散させた後、乾燥、焼成させる工程とを有することを要旨とする。
本発明の排気ガス浄化用触媒によれば、貴金属粒子が酸化物基材粒子に金属結合により固着されているので、貴金属粒子の移動が抑制され、凝集を抑制することができ、また、貴金属粒子が担持された酸化物基材粒子を酸化物一次粒子で覆っているので、酸化物基材粒子の移動による凝集化も抑制することができ、長時間にわたって貴金属の表面積を大きい状態に保持することができる。
また、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法によれば、本発明の排気ガス浄化用触媒を効率的に製造することができる。
以下、本発明の排気ガス浄化用触媒の実施形態を図面を用いつつ説明する。
図1は、本発明に係る排気ガス浄化用触媒の一例の模式図である。同図において、排気ガス浄化用触媒1は、排気ガスに接触して有害成分を浄化させる活性金属である貴金属粒子2と、この貴金属粒子2を担持する酸化物基材粒子3と、この貴金属粒子2を担持する酸化物基材粒子3を覆う酸化物一次粒子4とを有している。そして、この貴金属粒子2は、酸化物基材粒子3上に担持され、金属結合により固着されている。微視的には、貴金属粒子2と酸化物基材粒子3との接触界面には、この貴金属粒子2と、この酸化物基材粒子3の構成成分とからなる化合物(合金)が形成されている。また、図示した例では、酸化物一次粒子4が繊維状又は針状の形状を有していて、このような形状の酸化物一次粒子4が、貴金属粒子2を担持した酸化物基材粒子3の周囲を、ケージ(鳥の巣)状に覆っている。
一般に、セリア(CeO2)やジルコニア(ZrO2)等の酸化物粒子にPt等の貴金属粒子を担持した触媒では、例えば貴金属粒子がPtで酸化物粒子がセリアの場合、このPtの表面は酸化されてPt−O−Ptのように酸素と結合した状態となり、また、セリアは、表面でCe−O−Ceの状態となっている。この表面のPtと結合している酸素(O)は,負(−)の電荷を帯び、セリア表面の酸素(O)も負(−)の電荷を帯びるから、Ptとセリアとの間に斥力を生じ、Ptはセリア上で移動し易くなっている。このため、従来の排気ガス浄化用触媒では、近隣のPtが凝集、結合して、粒成長を生じ易かった。
これに対し、本発明の排気ガス浄化用触媒では、貴金属粒子として例えばPt粒子と、酸化物基材粒子として例えばセリア粒子との場合について、両者の接触部の一部又は全てを合金化し、接触界面にPtとセリアの成分であるCeとの合金、例えばCePt5を形成する。CePt5を接触界面に形成することにより、Ptがセリアに対して金属結合で固着される。そのため、金属結合のアンカー効果によりPtの移動が抑制され、Pt粒子の凝集が抑えられる。これにより排気ガス浄化用触媒の使用中の性能の低下を抑制することができる。
また、Ptを担持したセリア粒子自体を、アルミナ等の酸化物一次粒子で覆ったことにより、この酸化物一次粒子が、セリア粒子間の仕切り材の役割を果し、セリア粒子同士の接触によるセリア粒子の凝集が抑制される。この点でもPt粒子の接触が抑制され、排気ガス浄化用触媒の使用中の性能低下を抑制することができる。
これらの効果は、貴金属粒子がPtであっても、Pdであっても、Rhであっても同様に得られる。また、酸化物基材粒子がセリア以外の後述する好適な酸化物の場合であっても同様に得られる。
貴金属粒子2は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)から選ばれる一種又は二種以上の金属とする。これらの金属は、いずれも、排気ガス浄化用触媒に用いられる貴金属である。
貴金属粒子2が少なくとも白金を含有している場合には、酸化物基材粒子3は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物とする。これらの酸化物は、いずれも、白金と化合物を形成することのできる酸化物である。これらの酸化物とPtとの化合物は、それぞれ酸化セリウムの場合はCePt5、酸化ジルコニウムの場合はPt3Zr5、酸化鉄の場合はFePt3、酸化ランタンの場合はLaPt5、酸化バリウムの場合はBaPt5、酸化カルシウムの場合はCaPt2O4、酸化エルビニウムの場合はErPt5がある。上掲した酸化物のうち、酸化セリウム及び酸化ジルコニウムは、排気ガス浄化用触媒に用いた場合に助触媒機能を有するので、本発明の排気ガス浄化用触媒において好ましい酸化物である。
貴金属粒子2が少なくともパラジウムを含有している場合には、酸化物基材粒子3は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ストロンチウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物とする。これらの酸化物は、いずれも、パラジウムと化合物を形成することのできる酸化物である。これらの酸化物とPdとの化合物は、それぞれ酸化セリウムの場合はCePd7、酸化ジルコニウムの場合はPd3Zr2、酸化鉄の場合はFePd3、酸化ランタンの場合はLaPd3、酸化バリウムの場合はBaPd5、酸化カルシウムの場合はCaPd3O4、酸化チタンの場合はTiPd3、酸化ストロンチウムの場合はSrPdO2、そして酸化エルビニウムの場合はErPd3がある。上掲した酸化物のうち、酸化セリウム及び酸化ジルコニウムは、排気ガス浄化用触媒に用いた場合に助触媒機能を有するので、本発明の排気ガス浄化用触媒において好ましい酸化物である。
貴金属粒子2が少なくともロジウムを含有している場合には、酸化物基材粒子3は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化バリウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物とする。これらの酸化物は、いずれも、ロジウムと化合物を形成することのできる酸化物である。これらの酸化物とRhとの化合物は、それぞれ酸化セリウムの場合はCeRh3、酸化ジルコニウムの場合はZrRh3、酸化ランタンの場合はLaRh3、酸化バリウムの場合はBaRh2、そして酸化エルビニウムの場合はErRh2がある。上掲した酸化物のうち、酸化セリウム及び酸化ジルコニウムは、排気ガス浄化用触媒に用いた場合に助触媒機能を有するので、本発明の排気ガス浄化用触媒において好ましい酸化物である。
貴金属粒子2を担持した酸化物基材粒子3の周囲を覆う酸化物一次粒子4は、図1に示したような繊維状又は針状の形状を有するものに限定されない。例えば球状のものであってもよいし、また、薄片状のものであってもよい。酸化物一次粒子4の材質は、排気ガス浄化用触媒に用いた場合に求められる耐熱性を有するアルミナやジルコニアが好ましい。これらの酸化物の粒子は、大きさが数十ナノメートル〜数百ナノメートルの一次粒子であることが好ましい。より好適なサイズは、長さが10nm〜200nm、幅が5nm〜20nmである。
次に、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、貴金属粒子2の原料と所定の粒径を有する酸化物基材粒子3とを用意する。貴金属粒子2の原料は、図面では粒状のものとして示しているが、例えば溶液中に含有された溶質としての態様で用意することができる。貴金属粒子2の原料を含有する溶液中に酸化物基材粒子3を添加することにより、後工程で貴金属粒子2を酸化物基材粒子3上に確実に付着させることができる。
次に、図3に示すように、貴金属粒子2を酸化物基材粒子3上に付着させる。この付着させる工程は、析出反応により貴金属粒子2原料を含有する溶液から貴金属粒子2を酸化物基材粒子3上で析出させる工程であることが好ましい。
次に、この酸化物基材粒子3上に付着した貴金属粒子2を、この酸化物基材粒子3に金属結合で固着させる合金化処理を行う。この合金化処理のために、例えば貴金属粒子2を析出させた酸化物基材粒子3を溶液から分離、乾燥させた後、還元性雰囲気での加熱を行う。還元性雰囲気での加熱を行うことにより、貴金属粒子2と酸化物基材粒子3との接触部においては貴金属粒子2と酸化物基材粒子3の成分との化合物が形成され、貴金属粒子2は、酸化物基材粒子3上に金属結合により固着することになる。貴金属粒子2を酸化物基材粒子3上に金属結合により固着させるためには、加熱時の雰囲気を還元性雰囲気とすることが必要である。加熱時の温度は、還元性雰囲気での加熱により貴金属粒子2を酸化物基材粒子3上に金属結合により固着させるのに必要な温度として適宜定めることができる。生産性よく、かつ、十分に固着させるための温度として例えば500℃以上とすることができるが500℃以上に限定されるものではない。また、あまりに高温での加熱では、酸化物基材粒子3が溶融してしまうし、製造コストも嵩む。酸化物基材粒子3が溶融しない範囲として、例えば貴金属粒子2が白金の場合は900℃以下、パラジウムの場合は700℃以下というようにすることができるが、これらの数値に限定されるものではない。
次に、合金化処理工程後の貴金属粒子2が固着した酸化物基材粒子3を、酸化物一次粒子前駆体の分散液中に分散させる。この分散処理では、酸化物一次粒子の前駆体が分散している分散液に、合金化処理工程後の粒子を直接的に加えても良い。もっとも、分散液中で当該粒子を十分に分散させるためには、この粒子を直接的に加えるよりは、この粒子をいったん有機化合物によりコロイド化し、このコロイド化した粒子を分散液に加えて分散させることが好ましい。
図4(a)は、合金化処理工程後の貴金属粒子2が固着した酸化物基材粒子3の周囲をコロイド材5としての高分子有機化合物で覆っている態様を示している。このコロイド材5としては、例えば、ポリビニールピロリドン(PVP)、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸などが好ましい。
合金化処理工程後の粒子とは別途に、酸化物一次粒子の前駆体を分散させた分散液を用意する。この酸化物一次粒子の前駆体は、例えばアルミナ前駆体であるベーマイトとすることができ、また、セリウム化合物や遷移金属化合物を含んだベーマイトも用いることもできる。図4(b)に示すように、酸化物一次粒子前駆体6は例えば針状又は繊維状の形状を有し、その酸化物一次粒子の前駆体6を水溶液に添加して分散液とする。
この分散液に、合金化処理後の粒子を直接的に、又は図4(a)に示したようにコロイド化した粒子を添加して分散させる。分散させた状態を図5に示す。同図に示すように、合金化処理後の貴金属粒子2を担持した酸化物基材粒子3の周囲に酸化物一次粒子の前駆体6が形成されている。
その後、分散させる液を乾燥させ、所定の温度で焼成して本発明の排気ガス浄化用触媒の粉末を得る。乾燥は、スプレードライヤや減圧乾燥や真空凍結乾燥などにより行うことができる。この粉末を用いてスラリー化し、ハニカム担体に塗布したのち、乾燥及び焼成することにより、本発明に係る排気ガス浄化用触媒を製造することができる。
以上説明した本発明の製造方法によれば、本発明の排気ガス浄化用触媒1を効率的に製造することができる。
[実施例1]
実施例1は、貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子にセリアを用い、両者の接触界面にCePt5が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径15nmのセリア99.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400 mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子をセリア粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPt担持セリア試料とした。このPt担持セリア試料をX線回折で分析したところ、PtとCePt5が確認された。
このPt担持セリア試料100gを水400 mlに分散し、ポリビニールピロリドン(以下、「PVP」と略記する。)を100g加え、Pt担持セリア粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPt担持セリア粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し、乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末A)とした。
この粉末Aを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーa)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L(リットル、以下同じ))に前述したスラリーaを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例1の試料とした。
得られた実施例1の触媒は、Ptを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例2]
実施例2は、貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子に酸化鉄を用い、両者の接触界面にFePt3が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径40nmの酸化鉄99.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子を酸化鉄粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPt担持酸化鉄試料とした。このPt担持酸化鉄試料をX線回折で分析したところ、PtとFePt3が確認された。
このPt担持酸化鉄試料100gを水400 mlに分散し、PVPを100g加え、Pt担持酸化鉄粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPt担持酸化鉄粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末B)とした。
この粉末Bを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーb)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gとこのジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーbを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例2の試料とした。
得られた実施例2の触媒は、Ptを0.559g/L、Rhを0.236g/Lを各々担持した触媒である。
[実施例3]
実施例3は、貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子に酸化ジルコニウムを用い、両者の接触界面にZrPt3が形成されて金属結合により固着されている例である。
平均粒子径30nmの酸化ジルコニウム99.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子を酸化ジルコニウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で700℃で焼成してPt担持酸化ジルコニウム試料とした。このPt担持酸化ジルコニウム試料をX線回折で分析したところ、PtとZrPt3が確認された。
このPt担持酸化ジルコニウム試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pt担持酸化ジルコニウム粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散、解膠し、前述のPt担持酸化ジルコニウム粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末C)とした。
この粉末Cを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーc)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーcを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例3の試料とした。
得られた実施例3の触媒は、Ptを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例4] 実施例4は、貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子に酸化ランタンを用い、両者の接触界面にLaPt5が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径30nmの酸化ランタン99.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子を酸化ランタン粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPt担持酸化ランタン試料とした。このPt担持酸化ランタン試料をX線回折で分析したところ、PtとLaPt5が確認された。
このPt担持酸化ランタン試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pt担持酸化ランタン粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPt担持酸化ランタン粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末D)とした。
この粉末Dを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーd)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーdを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例4の試料とした。
得られた実施例4の触媒は、Ptを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例5]
実施例5は、貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子に酸化エルビウムを用い、両者のせ接触界面にErPt5が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径40nmの酸化エルビウム99.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子を酸化エルビウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPt担持酸化エルビウム試料とした。このPt担持酸化エルビウム試料をX線回折で分析したところ、PtとErPt5が確認された。
このPt担持酸化エルビウム試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pt担持酸化エルビウム粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に前述のPt担持酸化エルビニウム粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末E)とした。
この粉末Eを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 基材の粉砕0を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーe)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリー eを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、スラリーRを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例5の試料とした。
得られた実施例5の触媒は、Ptを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例6]
実施例6は、貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子にセリアを用い、両者の接触界面にCePd7が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径15nmのセリア99.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル加え、Pd粒子をセリア粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPd担持セリア試料とした。このPd担持セリア試料をX線回折で分析したところ、PdとCePd7が確認された。
このPd担持セリア試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pd担持セリア粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPd担持セリア粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末F)とした。
この粉末Fを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーf)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリー fを141g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例6の試料とした。
得られた実施例6の触媒は、Pdを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例7]
実施例7は、貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子に酸化鉄を用い、両者の接触界面にFePd3が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径40nmの酸化鉄99.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル加え、Pd粒子を酸化鉄粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPd担持酸化鉄試料とした。このPd担持酸化鉄試料をX線回折で分析したところ、PdとFePd3が確認された。
このPd担持酸化鉄試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pd担持酸化鉄粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPd担持酸化鉄粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末G)とした。
この粉末Gを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーg)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーgを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例7の試料とした。
得られた実施例7の触媒は、Pdを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例8]
実施例8は、貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子に酸化ジルコニウムを用い、両者の接触界面にZrPd3が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径30nmの酸化ジルコニウム99.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル加え、Pd粒子を酸化ジルコニウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で700℃で焼成してPd担持酸化ジルコニウム試料とした。このPd担持酸化ジルコニウム試料をX線回折で分析したところ、PdとZrPd3が確認された。
このPd担持酸化ジルコニウム試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pd担持酸化ジルコニウム粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPd担持酸化ジルコニウム粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料とした(粉末H)。
この粉末Hを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした。(スラリーh)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に、前述したスラリーhを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、スラリーRを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例8の試料とした。
得られた実施例8の触媒は、Pdを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例9]
実施例9は、貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子に酸化ランタンを用い、両者の接触界面にLaPd3が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径30nmの酸化ランタン99.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル加え、Pd粒子を酸化ランタン粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPd担持酸化ランタン試料とした。このPd担持酸化ランタン試料をX線回折で分析したところ、PdとLaPd3が確認された。
このPd担持酸化ランタン試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pd担持酸化ランタン粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPd担持酸化ランタン粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末I)とした。
この粉末Iを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーi)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした。(スラリーR)
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーiを141g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例9の試料とした。
得られた実施例9の触媒は、Pdを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例10]
実施例10は、貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子に酸化エルビウムを用い、両者の接触界面にErPd3が形成されて金属結合により固着されている例である。
平均粒子径40nmの酸化エルビウム99.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル加え、Pd粒子を酸化エルビウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPd担持酸化エルビウム試料とした。このPd担持酸化エルビウム試料をX線回折で分析したところ、PdとErPd3が確認された。
このPd担持酸化エルビウム試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pd担持酸化エルビウム粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPd担持酸化エルビウム粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末J)とした。
この粉末Jを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーj)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーjを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例10の試料とした。
得られた実施例10の触媒は、Pdを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例11]
実施例11は、貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子に酸化チタンを用い、両者の接触界面にTiPd3が形成されて金属接合により固着されている例である。
平均粒子径30nmの酸化チタン99.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル加え、Pd粒子を酸化チタン粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してPd担持酸化チタン試料とした。このPd担持酸化チタン試料をX線回折で分析したところ、PdとTiPd3が確認された。
このPd担持酸化チタン試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pd担持酸化チタン粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPd担持酸化チタン粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し乾燥の後、焼成して、粉末試料(粉末K)とした。
この粉末Kを173.4gとベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーk)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーkを141g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例11の試料とした。
得られた実施例11の触媒は、Pdを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例12]
実施例12は、貴金属粒子にロジウムを、酸化物基材粒子にセリアを用い、両者の接触界面にCeRh3が形成されて金属結合により固着されている例である。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子をこのアルミナ基材上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥してPt担持試料とした(粉末L)。
この粉末Lを173.4gとベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーl)。
次に、平均粒子径15nmのセリア98.74gを、Rhを1.26g含む硝酸Rh溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル加え、Rh粒子を酸化セリウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で500℃で焼成してRh担持セリア試料とした。このRh担持セリア試料をX線回折で分析したところ、RhとCeRh3が確認された。
このRh担持セリア試料55.45gと酸化ジルコニウム116.55g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーS)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーlを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーSを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例12の試料とした。
得られた実施例12の触媒は、Ptを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例13]
実施例13は、貴金属粒子にロジウムを、酸化物基材粒子に酸化ジルコニウムを用い、両者の接触界面にZrRh3が形成されて金属結合により固着されている例である。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子をこのアルミナ基材上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥してPt担持試料とした(粉末L)。
この粉末Lを173.4gとベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 酸化セリウムを分散させるとともに、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーl)。
次に、平均粒子径30 nmの酸化ジルコニウム198.8gを、Rhを1.2g含む硝酸Rh溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル加え、Rh粒子を酸化ジルコニウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で700℃で焼成してRh担持酸化ジルコニウム試料とした。このRh担持酸化ジルコニウム試料をX線回折で分析したところ、RhとZrRh3が確認された。
このRh担持酸化ジルコニウム試料116.55gと、酸化セリウム55.45g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした。(スラリーT)
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーlを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーTを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例13の試料とした。
得られた実施例13の触媒は、Ptを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例14]
実施例14は、貴金属粒子にロジウムを、酸化物基材粒子に酸化ランタンを用い、両者の接触界面にLaRh3が形成されて金属結合により固着されている例である。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子をこのアルミナ基材上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥してPt担持試料とした(粉末L)。
この粉末Lを173.4gとベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、酸化セリウムを分散させるとともに、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーl)。
次に、平均粒子径30nmの酸化ランタン198.8gを、Rhを1.2g含む硝酸Rh溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル加え、Rh粒子を酸化ランタン粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で700℃で焼成してRh担持酸化ランタン試料とした。このRh担持酸化ランタン試料をX線回折で分析したところ、RhとLaRh3が確認された。
このRh担持酸化ランタン試料116.55gと又、酸化セリウムを55.45g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーU)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーlを141g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーUを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例14の試料とした。
得られた実施例14の触媒は、Ptを0.559g/L、Rhを0.236g/L を各々担持した触媒である。
[実施例15]
実施例15の触媒は、貴金属粒子にロジウムを、酸化物基材粒子に酸化エルビウムを用い、両者の接触界面にErRh2が形成されて金属結合により固着されている例である。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Ptをこのアルミナ基材上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥してPt担持試料とした(粉末L)。
この粉末Lを173.4gとベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、 酸化セリウムを分散させるとともに、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーl)。
次に、平均粒子径40nmの酸化エルビウム198.8gを、Rhを1.2g含む硝酸Rh溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル加え、Rh粒子を酸化エルビウム粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、水素雰囲気で700℃で焼成してRh担持酸化エルビウム試料とした。このRh担持酸化エルビウム試料をX線回折で分析したところ、RhとErRh2が確認された。
このRh担持酸化エルビウム試料116.55gと、酸化セリウム55.45g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーV)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーlを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーVを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例15の試料とした。
得られた実施例15の触媒は、Ptを0.559g/L、 Rhを 0.236g/L を各々担持した触媒である。
[比較例1]
比較例1は、第1層触媒として貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子にセリア含有アルミナを用い、含浸担持して調製するものの、合金化処理を行わない例である。また、第2層触媒にも合金化処理を行わない。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、Ptをこのアルミナ基材に含浸させた。乾燥して400℃で焼成しPt担持試料とした(粉末L)。
この粉末Lを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーl)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーlを141g/Lコーティングし、乾燥後、前述したスラリーRを59g/Lコーティングし、乾燥後400℃で焼成して、比較例1の試料とした。
得られた比較例1の触媒は、Ptを 0.559g/L、Rhを0.236g/Lを担持した触媒である。
[比較例2]
比較例2は、第1層触媒として貴金属粒子にパラジウムを、酸化物基材粒子にセリア含有アルミナを用い、含浸担持して調製するものの、合金化処理を行わない例である。また、第2層触媒にも合金化処理を行わない。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Pdを0.80g含むジニトロジアミンPd溶液400mlに加え、Pdをこのアルミナ基材に含浸した。乾燥して400℃で焼成しPd担持試料とした(粉末M)。
この粉末Mを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーm)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーmを141g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して比較例2の試料とした。
得られた比較例2の触媒は、Pdを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
[比較例3]
比較例3は、第1層触媒として貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子にセリア含有アルミナを用い、析出担持して調製するものの、合金化処理を行わない例である。また、第2層触媒にも合金化処理を行わない。
γ−アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600℃で焼成して、酸化セリウムを20%含むアルミナ基材を調製した。このアルミナ基材199.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子をアルミナ基材上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥してPt担持試料とした(粉末N)。
この粉末Nを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、酸化セリウムを分散させるとともに、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーn)。
次に、酸化ジルコニウム198.8gを、Rhを1.2g含む硝酸Rh溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル加え、Rh粒子を酸化ジルコニウムに析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、400℃で焼成しRh担持試料とした。このRh担持酸化ジルコニウム試料116.55gと、酸化セリウム55.45g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーW)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーnを141g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーWを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して比較例3の試料とした。
得られた比較例3の触媒は、Ptを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
[比較例4]
比較例4は、第1層触媒として貴金属粒子に白金を、酸化物基材粒子にセリアを用い、析出担持して調製するものの、合金化処理を行わない例である。また、第2層触媒にも合金化処理を行わない。
平均粒子径15nmのセリア99.20gを、Ptを0.80g含むジニトロジアミンPt溶液400mlに加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル加え、Pt粒子をセリア粒子上に析出させた。これをろ過、洗浄、乾燥し、大気雰囲気で400℃で焼成してPt担持セリア試料とした。
このPt担持セリア試料100gを水400mlに分散し、PVPを100g加え、Pt担持セリア粒子をコロイド化した。別途、針状ベーマイトをアルミナとして100gの分量で水400mlに分散し、この分散液中に、前述のPt担持セリア粒子をコロイド化した溶液を加え、攪拌し、乾燥の後焼成して、粉末試料(粉末O)とした。
この粉末Oを173.4gと、ベーマイトアルミナ1.6g、更に水307.5g、10%硝酸水溶液を17.5g加えて、基材の粉砕を行い、平均粒径3μmの第1層触媒スラリーとした(スラリーo)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ−アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸して、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化し、ジルコニア基材を調製した。このロジウム0.6%担持粉末116.55gと、このジルコニア基材44.45g、アルミナ基材(γ−アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)11g、ベーマイトアルミナ3gをボールミルに加え、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmの第2層触媒スラリーとした(スラリーR)。
直径36mmφ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)に前述したスラリーoを41g/L コーティングした後、乾燥し、その後、前述したスラリーRを59g/L コーティングし、乾燥後、400℃で焼成して比較例4の試料とした。
得られた比較例4の触媒は、Ptを0.559g/L、Rh を0.236g/L を各々担持した触媒である。
以上説明した実施例1〜15、比較例1〜4の各試料について、耐久試験を行い、耐久試験後の触媒性能を調べた。この耐久試験では、排気量3500ccのV型エンジンの排気系に、片バンクあたり上記各試料の排気ガス浄化触媒を5個ずつ装着し、国内レギュラーガソリンを使用し、触媒入口温度を650℃とし、30時間運転した。
実施例1〜15、比較例1〜4の各試料の触媒を耐久試験後、模擬排気ガス流通装置に組み込み、表1に示す組成の模擬排気ガスを流通させ(空間速度はSV=60000/hである)、触媒温度を30℃/分の速度で昇温させながら、NOx、CO、HCの浄化率が50%になる温度を調べた。この評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007229641
Figure 2007229641
この表2に示された、HCの浄化率が50%になる温度について、図6に棒グラフで示す。
既に述べたように、表2に示される比較例1の試料は、担体の第1層(内層)としてセリア入りアルミナ基材に、Ptを含浸担持し調製した触媒である。この試料の第2層はRhを含浸担持した触媒であり、いずれも貴金属の化合物生成のための処理は行っていない。また、比較例2の試料は、セリア入りアルミナ基材に、Pdを含浸担持し調製した触媒である。この試料の第2層はRhを含浸担持した触媒であり、いずれも貴金属の化合物生成のための処理は行っていない。更に、比較例3の試料は、担体の第1層(内層)としてセリア入りアルミナ基材に、Ptを析出担持し調製した触媒である。この試料の第2層はRhをジルコニア基材に析出担持した触媒であり、いずれも貴金属の化合物生成のための処理は行っていない。また、比較例4の試料は、担体の第1層(内層)として、平均径15nmのセリアにPtを析出担持し、この粒子をベーマイトアルミナで被覆し調製した触媒である。この試料の第2層はRhを含浸担持した触媒であり、いずれの貴金属も化合物生成のための処理は行っていない。
比較例1及び比較例4と実施例1〜実施例5とを比べると、いずれも試験の結果は実施例のほうが性能が向上している。また、耐久試験後の触媒の第1層をかき落とし、TEMによりPtの粒子径を調べたところ、比較例1での粒子径が20nmであったのに比べて、実施例ではいずれも小さく、7nm〜10nmであった。
比較例2と実施例6〜実施例11とを比べると、いずれの試験結果も実施例のほうが性能の向上が見られた。また、耐久試験後の触媒の第1層をかき落とし、TEMによりPdの粒子径を調べたところ、比較例2での粒子径が15nmであったのに比べて、実施例ではいずれも小さく、7nm程度であった。
比較例3と実施例1及び実施例14とを比べると、いずれの試験結果も実施例のほうが性能が良好であった。また、耐久試験後の触媒の第2層をかき落とし、TEMによりRhの粒子径を調べたところ、比較例3での粒子径が13nmであったのに比べて、実施例ではいずれも小さく、5〜8nm程度であった。
これらの結果について考察すると、比較例1、比較例4では、Ptは、表面が酸化されてPt−O−Ptのように酸素と結合した状態となり、また基材に含まれるセリアは、基材表面でCe−O−Ceの状態となり、Pt粒子表面のPt−O−Pt結合の酸素(O)は負(−)の電荷を帯び、セリア表面のCe−O−Ce結合のの酸素(O)も負(−)の電荷を帯び、互いに斥力を生じる。このため、比較例ではPtが移動し易くなっているものと考えられる。
これに対して、実施例でいずれも性能が良好であったのは、比較例に比べ、貴金属粒子径が小さく維持されていたことによるものと考えられる。この貴金属粒子が小さく維持されたのは、各試料において、貴金属粒子の一部を基材との化合物を生成するようにしたことにより、貴金属粒子と基材との結合が生じ、貴金属の移動を抑制するアンカー効果が発現したことによるものと考えられる。
図7に実施例1の試料についてX線回折で分析した結果をチャート図で示す。同図に示されるように、実施例1の試料では、PtとCePt5が確認された。すなわち、貴金属粒子であるPt粒子と、酸化物基材粒子であるセリアとの接触界面にCePt5が存在していることが分かる。
なお、図には示さないが、実施例2〜15の試料についても、接触界面に化合物が生成していることを確認している。
本発明に係る排気ガス浄化用触媒の一例の模式図である。 排気ガス浄化用触媒の製造に用いる貴金属粒子原料と酸化物基材粒子とを示す説明図である。 製造過程において貴金属粒子を酸化物基材粒子に付着させたところを示す説明図である。 製造過程においてコロイド材で基材粒子を覆っている態様を示す説明図である。 製造過程において酸化物一次粒子の前駆体を基材粒子の周囲に配設したところを示す説明図である。 実施例のHCの浄化率が50%になる温度を示す棒グラフである。 実施例1の試料のX線回折による分析結果を示すチャート図である。
符号の説明
1 排気ガス浄化用触媒
2 貴金属粒子
3 酸化物基材粒子
4 酸化物一次粒子

Claims (6)

  1. 少なくとも白金を含む貴金属粒子と、
    この貴金属粒子を金属結合で固着して担持する、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物基材粒子と、
    この貴金属粒子を担持した酸化物基材粒子の周囲を覆う酸化物一次粒子と
    を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 少なくともパラジウムを含む貴金属粒子と、
    この貴金属粒子を金属結合で固着して担持する、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ストロンチウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物基材粒子と、
    この貴金属粒子を担持した酸化物基材粒子の周囲を覆う酸化物一次粒子と
    を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  3. 少なくともロジウムを含む貴金属粒子と、
    この貴金属粒子を金属結合で固着して担持する、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化バリウム及び酸化エルビニウムから選ばれる1種又は2種以上の酸化物基材粒子と、
    この貴金属粒子を担持した酸化物基材粒子の周囲を覆う酸化物一次粒子と
    を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  4. 酸化物基材粒子上に貴金属粒子を付着させる工程と、
    この酸化物基材粒子上に付着した貴金属粒子を、この酸化物基材粒子に金属結合で固着させる合金化処理工程と、
    合金化処理工程後の貴金属粒子が固着した酸化物基材粒子を、酸化物一次粒子前駆体の分散液中に分散させた後、乾燥、焼成する工程と
    を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  5. 酸化物基材粒子上に貴金属粒子を付着させる工程と、
    この酸化物基材粒子上に付着した貴金属粒子を、この酸化物基材粒子に金属結合で固着させる合金化処理工程と、
    合金化処理工程後の貴金属粒子が固着した酸化物基材粒子を、有機化合物によりコロイド化する工程と、
    このコロイド化した粒子を、酸化物一次粒子前駆体の分散液中に分散させた後、乾燥、焼成する工程と
    を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 前記合金化処理工程が、金属粒子を付着させた酸化物基材粒子を還元性雰囲気中で加熱する処理であることを特徴とする請求項4又は5に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。

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