以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態に係る携帯電話1の蓋を開いた状態の正面図に相当する外観図である。この携帯電話1は、CDMA 20000 1xEV−DO(商標)に対応する機能を備えるものであり、CDMA 20000 1xEV−DO(商標)とは、CDMA方式の無線通信規格IMT−2000に含まれているCDMA 20000 1x(商標)の派生サービスであり、データ通信用に特化されたものである。
このCDMA 20000 1xEV−DOは、HDR(High Data Rate)の一種であり、音声通信に必須とされるリアルタイム応答性や高速移動時の通信の保証(ハンドオーバー、Rake受信)を廃止することにより、1.25MHzの帯域幅をすべてデータ通信向けに割り振り、下り伝送速度を最大2.4Mbps、上り伝送速度を最大153Kbpsにするサービスであり、この下り伝送速度を利用して、通信事業者は映像コンテンツなどの大容量のデータ配信サービスを予定している。
このサービスに対応させるため、本実施の形態の携帯電話1は、通常の音声通信を行うための無線通信モジュールのほかに、無線高速データ通信用の無線通信モジュールを備える。
図示のように、蓋部2は本体部3に対し第1ヒンジ部100を回転軸として開閉可能(垂直回転(図4の矢印α)可能)に配置されているほか、第2ヒンジ部12を軸(内蔵)に回転軸として回転可能(水平回転(図1の矢印β)可能)になっている。また、後述するが、第2サイドスイッチ4、メインスピーカ5、表示部6、サブスピーカ7を備え、データ通信用の内蔵アンテナ16を内蔵している。第2サイドスイッチは、ロータリースイッチであって上下回動移動検出によりメニュー表示等におけるフォーカス移動が実行され、中央押しで選択メニューの決定がなされる。表示部6は、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な2.7inch(240×428ドット)TFT液晶(QVGAもしくは、HVGA相当の解像度を備える)カラー液晶からなる。
本体部3は、キー入力部8と、第1サイドスイッチ9、マイク10を備える。キー入力部8は、メニュー表示時におけるフォーカス移動のための十字キー81、決定のための決定キー82、アドレス帳データ閲覧のためのアドレス帳キー83、ネットワーク接続を指示するためのネットワーク接続キー84、ムービー再生モードを起動させるためのムービー再生キー85、メールモード(受信、作成、編集、送信)を起動させるためのメールキー86、オフフックキー87、クリアキー88(キャンセル検出)、オンフックキー89(オールクリア:着信待ち状態にジャンプ指示)、電話番号や文字記号を入力するためのテンキー810等からなる。また、第1サイドスイッチ9は、待受け状態ではマナーキーとして機能し、カメラモードではシャッターキーとして機能する。
なお、内蔵アンテナ16とメインアンテナ11は、蓋部2を回動させた状態であっても、閉じた状態であっても、スペースダイバーシチ受信を行うのに有効な位置関係にある。
図2(a)は蓋部2を表示部6とキー入力部8と対面させる形で畳んだ状態を示す図であり、メインアンテナ11は伸縮可能である。また、同図(b)において、13は報知用LED、14は報知用スピーカ、15は矢印の方向にスライド可能なレンズバリアである。レンズバリア15を矢印の方向にスライドさせると、図3に示すように、撮像レンズ17が露出し、カメラモードに切り替わる。
図4は、側面から見た状態を示す図であり、第1ヒンジ部100では所定角度α(例えば120°)以上開いたことを検出するためのセンサー(後述する第1角度検出部28)を内蔵する。一方、第2ヒンジ部12は所定角度β(例えば120°)以上回転したことを検出するためのセンサー(後述する第2角度検出部29)を内蔵する。
図5は、携帯電話1の回路構成を示すブロック図である。受信信号処理部18は、データ通信モードの開始指示をスイッチ回路201より受けると、外部の無線基地局とのネゴシエーション(端末認証、回線接続)を開始し、通信帯域幅を一時的に占有する処理を行う。そして、内蔵アンテナ16により受信された無線信号より自機宛に符号変調された信号を抽出して、スイッチ回路201を介して通信データ処理部202に出力する。
通信信号処理部19は、待受け状態においても、また、データ通信モードにおいても、常に電源供給されており、通信データ処理部からのデジタル変調信号(送信音声データ、メールデータ、ネットワーク接続情報を含むパケットデータ)を、符号変調してメインアンテナ11より出力する。また一方で、無線基地局より送信され、メインアンテナ11により受信された無線信号より自機宛に符号変調された信号を抽出して、スイッチ回路201を介して通信データ処理部202に出力する。
第1制御部20は、無線基地局、及びその後段にあたる、通信サービス事業者、インターネット等のネットワークインフラを介して接続されるデータベース等の、情報資源との接続制御を中心とした処理を行う。なお、本実施の形態においては、携帯電話1は二つの制御部を備えており、通信処理全般については第1制御部20、その他、撮影処理、画像処理、および、映像の再生処理に関しては後述の第2制御部22で行う。
スイッチ回路201は、通信データ処理部202からの制御信号を受け、受信信号処理部18、通信信号処理部19への電源供給、処理動作開始終了の制御を行う。詳細には、通常電源オン状態、もしくは、受信ONモード状態であれば、通信信号処理部19のみに電源を供給して動作させ、一方で、ユーザーがネットワーク接続キー84を操作したか、あるいは、予め設定されたスケジュールに従い、データ通信モードの開始が指示された場合は、受信信号処理部18と通信信号処理部19とを動作させる。
通信データ処理部202は、音声処理部205より出力されたCELP系デジタル音声データをPSK系方式に対応する信号に変調、及び拡散符号に変調するとともに、受信信号処理部18、通信信号処理部19にて受信される符号変調された信号をPSK系方式、及び/又は、QAM系方式のデジタル信号に復号する処理を行う。また2020は、IDメモリであり、当該携帯電話1に予め割り当てられ、無線基地局、通信サービス事業者、及びインターネット接続のための固有情報を記憶する。この情報とは、例えば、サービス事業者毎に割り当てられたサービスコードであったり、当該携帯電話1を呼び出すための電話番号であったり、当該携帯電話1のメーカーコードであったり、インターネット接続のためのIPアドレス、メールアドレスが含まれる。
システムROM203は、通信制御のための制御プログラムを格納する。本実施の形態の特徴としては、通常の通信ネゴシエーションプログラムの他に受信信号処理部18と通信信号処理部19との動作切替制御プログラムを記憶する。これにより、データ通信モードの開始が指示された場合は、メインアンテナ11と内蔵アンテナ16によるスペースダイバーシチ受信を行わせて、一時的に通信帯域幅を占有し、受信信号処理部18、通信信号処理部19の双方より出力される符号変調された信号をほぼ同時にQAM系方式のデジタル信号(本実施の形態においては、MPEG−2、−4形式で圧縮された映像コンテンツ)に復号、合成して、インターフェイス処理部204を介してバス200に出力するプログラムを記憶する。
音声処理部205は、CELP系の音声変調/復調システムと、MPEGオーディオ系の音声復調システムとをあわせ持っている。
スイッチ回路206は、後述の処理に従い、通話状態においては、音声処理部205から出力されるアナログ音声をメインスピーカ5から出力させるともに、後述のムービー再生モードにおいては、オーディオアンプ207を介してムービーファイルに格納されるオーディオ信号をメインスピーカ5から出力させる処理を行う。
スイッチ21は、第2制御部22からの制御により、ムービーファイルに格納されるオーディオデータがステレオ対応である場合、メインスピーカ5、サブスピーカ7の両方にオーディオ信号を出力する。
第2制御部22は、ムービー再生モードにおけるデータ通信モードによりダウンロードしたムービーファイルや、カメラモードにおける静止画/動画の再生表示処理、及び、カメラモードにおける撮影処理全般の制御を行う。なお、本実施の形態においては、携帯電話機能による着信割り込み時において上述の第1制御部20との並行処理が可能だが、これらの処理に伴うバス200へのアドレス/データの割り込み処理については、インターフェイス処理部204が行うものとする。
プログラムROM23は、後述のムービー再生モード、カメラモード等の各処理プログラムを格納するとともに、特に本発明に関わる、後述の表示バッファ62への書き込み開始/終了アドレスの制御を行う表示ドライバ61の制御プログラムを記憶し、ユーザー操作により適宜第2制御部22にロードされる
RAM24は、データ通信処理や、音声通信において必要とされる各種データを記憶する。詳細には、図6に記載されるように、電話番号、メールアドレス、住所、固有のイメージ(画像、若しくはイラスト)を対応付けて記憶するアドレス帳記憶領域241、メール通信にて送受信されるメールデータを記憶するメールデータ記憶領域242、メールに添付された画像(静止画、動画)、及びカメラモードにて撮影された画像(静止画/動画)を圧縮処理された状態で記憶する画像記憶領域243、ネットワーク接続により受信した圧縮処理されたマルチメディアファイル(イラスト、静止画、動画(16:9のアスペクト含)、メロディ、オーディオ)を記憶するダウンロードデータ記憶領域244、及び、各種ファイルの圧縮処理、伸張処理の際に一時的に使用するためのワークメモリ245の各領域を備える。
圧縮伸張処理部25は、MPEG−2、−4に対応し、カメラモードにて撮影された静止画/動画を圧縮処理するとともに、ムービー再生モードにおけるデータ通信モードによりダウンロードしたムービーファイルや、カメラモードにおける静止画/動画を伸張処理する。
報知ドライバ26は、着信処理を検出した際、これを報知せしめるために報知用LED13、報知用スピーカ14を動作させる。スイッチ処理部27は、キー入力部8、第1サイドスイッチ9、第2サイドスイッチ4からの操作検出に伴う第1制御部20、第2制御部22への制御信号を出力する。また一方で、後述の第1角度検出部28、第2角度検出部29、レンズバリア検出部30からの検出信号に従い、キー入力部8、第1サイドスイッチ9、第2サイドスイッチ4の操作検出のオン/オフ、機能変更のための信号を受け、これらのキー、及び、スイッチの機能を制御する。
第1角度検出部28は、図4に図示する蓋部2と本体部3との開閉角度を検出し、その角度を第2制御部22に出力する。第2角度検出部29は、図1に示す蓋部2の本体部3との相対回転角度を検出し、その角度を第2制御部22に出力する。レンズバリア検出部30は、図2(b)、図3に図示されるレンズバリア15の開閉状態を検出し、第2制御部22に出力する。
なお、17はカメラレンズであるが、その後段には、CCD、若しくはCMOS等のイメージセンサーと光学ズーム用のステップモータからなる撮像デバイス171と、この撮像デバイスで撮り込まれたアナログ信号をデジタル信号に変換し、イメージデータを生成するためのDSP172とが備えられている。また、本実施の形態におけるイメージセンサーの有効画素領域は4:3のアスペクト比に固定されている。
以上の構成に係る本実施の形態において、携帯電話1が着信待受け状態にあるとき、第1制御部20は、システムROM203に格納されているプログラムに基づき、図7のフローチャートにおけるステップS1〜S8の処理を実行する。すなわち、先ずダウンロード指示が検出されたか否かを判断する(ステップS1)。ここで、ダウンロード指示とは、ユーザーがネットワーク接続キー84を操作して手動操作によりダウンロード指示を行った場合のみならず、予めスケジュールデータにダウンロード開始時刻とアドレス(URL)を登録しておくことで、例えば深夜にデータ通信モードの開始が指示された場合を意味する。
ダウンロード指示が検出が検出された場合には、受信信号処理部18を動作させる(ステップS2)。そして、受信信号処理部18を介してネットワークに接続し、これにより受信した圧縮処理されたマルチメディアファイル(イラスト、静止画、動画(16:9のアスペクト含)、メロディ、オーディオ)をダウンロードデータ記憶領域244に格納する(ステップS3)。さらに、このマルチメディアファイルのダウンロードの完了に伴って、受信終了処理を実行し、受信信号処理部18を停止させる(ステップS4)。
さらに、前述のステップS3でダウンロードデータ記憶領域244に格納したマルチメディアファイルが映像コンテンツであるか否かを判断する(ステップS5)。映像コンテンツである場合には、当該映像コンテンツがストリーミング再生用コンテンツ(ダウンロード後に一度再生させ、その後は消去してしまう、擬似的なストリーミング再生サービス)であるか否かを判断する(ステップS6)。前記映像コンテンツが、ストリーミング再生用コンテンツである場合には、表示部6にストリーミング再生用コンテンツがダウンロードデータ記憶領域244に格納されている旨のアイコンを表示させて、再生指示操作待ちの状態に入る(ステップS7)。しかし、ステップS5での判断の結果映像コンテンツでなかった場合、及びステップS6での判断の結果ストリーミング再生用コンテンツではなく再生制限のないコンテンツであった場合には、表示部6にステップS7で表示させたアイコンとは異なる所定のアイコンを表示させる(ステップS8)。
一方、ステップS1での判断の結果、ダウンロード指示が検出されなかった場合には、第2制御部22は、プログラムROM23に格納されているプログラムに基づき、ステップS9〜S20で、蓋部2と本体部3との開閉状態、相対角度の状態検出に伴う切替処理を実行する。すなわち、第1角度検出部28にて所定の角度以上が検出されたか否かを判断する(ステップS9)。そして、図4に示したように、蓋部2が開いて蓋部2が本体部3に対し所定の角度以上となった場合には、表示ドライバ61を起動し(ステップS10)、表示部6に待受画面を表示させる等の状態表示を行う(ステップS11)。
さらに、第2角度検出部29にて、所定の角度以上が検出されたか否かを判断する(ステップS12)。この第2角度検出部29は、前述のように蓋部2の本体部3との相対回転角度を検出するセンサーである。したがって、このステップS12の判断及び前述したステップS9の判断が共にYESであれば、蓋部2は開かれた後水平回転され、これにより図11に示すように、蓋部2が本体部3上に起立し、かつ蓋部2の表示部6がレンズバリア15及び撮像レンズ17が配置された本体部3の外面側を向いた状態にある。
そして、図11に示した状態にある場合には、キー入力部8(十字キー81、決定キー82、アドレス帳キー83、ネットワーク接続キー84、ムービー再生キー85、メールキー86、オフフックキー87、クリアキー88、オンフックキー89、テンキー810)に対する操作が無効となる状態にし、第2サイドスイッチ4に対する操作は有効となる状態に維持する(ステップS13)。つまり、誤操作を防止するため、キー入力部8の操作は全てキャンセルされる状態となり、一方で第2サイドスイッチ4の操作が有効にとなる。
引き続き、レンズバリア検出部30によりレンズバリア15の開放が検出されたか否かを判断し(ステップS14)、レンズバリア15の開放が検出されない場合には、後述するステップS21に進む。しかし、図11に示したように、レンズバリア15の開放され、これがレンズバリア検出部30により検出された場合には、撮像デバイス171、DSP172、圧縮伸張処理部25からなるカメラモジュールを起動させる(ステップS15)。
このように、表示部6及び撮像レンズ17が共に同一面側にある状態においては、ユーザがユーザ自身を撮影する、所謂自分撮りの撮影形態が想定される。つまり、図12に示すように、携帯電話1を横方向にして、両手LH、RHで携帯電話1を持ち、自分撮りを行うために左手人差し指L1でシャッター操作(第1サイドスイッチ9の操作)を行い、右手人差し指R1で各種設定操作(第2サイドスイッチ4の操作)を行うことが想定される。よって、被写体像を広角で表示部6に表示させ(ステップS16)、カメラモード処理を開始する(ステップS17)。なお、前述のように、本実施の形態におけるイメージセンサーの有効画素領域は4:3のアスペクト比に固定されているので、ステップS16において被写体像は4:3のアスペクト比で表示部9に表示される。
他方、ステップS12での判断の結果、第2角度検出部29にて、所定の角度以上が検出されていない場合には、図1に示したように、蓋部2が開かれたのみである。この場合表示部6は、本体部3の撮像レンズ17がある面とは反対側を向いており、ユーザがユーザ自身以外を撮影する通常の撮影形態が想定される。よって、レンズバリア検出部30によりレンズバリア15の開放が検出されたか否かを判断し(ステップS14)、レンズバリア15の開放が検出されない場合には、後述するステップS24に進む。しかし、レンズバリア15が開放され、これがレンズバリア検出部30により検出された場合には、撮像デバイス171、DSP172、圧縮伸張処理部25からなるカメラモジュールを起動させ(ステップS20)、カメラモード処理を開始する(ステップS17)。
一方、前記ステップS14の判断がNOであって、レンズバリア15の開放が検出されなかった場合には、図8のステップS21〜S23の処理で、ムービー再生モードへ移行する。すなわち、ステップS14の判断がNOであった場合には、図8のステップS21に進み、第1角度検出部28にて所定の角度以下が検出されたか否かを判断する(ステップS21)。このステップS21の判断がYESとなる場合とは、図2(a)の状態において、蓋部2を開いて第1ヒンジ部100を軸にして120°以上回動させ(ステップS9;YES)、第2ヒンジ部12を軸にして蓋部2を180°回転させ(ステップS12;YES)、再び、蓋部2を閉じた状態である(ステップS21;YES)。また、レンズバリア15が閉じている状態(ステップS14;NO)である。したがって、蓋部2は表示部6側を上面にして、本体部3のテンキー810等が設けられている内面上に折り重ねられ、この状態を表示部6側から見ると、図13に示すように、表示部6、メインスピーカ5及びサブスピーカ7が上面に位置しユーザに対向する。また、第2サイドスイッチ4は有効とされている(ステップS13参照)。
そこで、ステップS21の判断がYESであって、第1角度検出部28にて所定の角度以下が検出された場合には、レンズバリア検出部30によりレンズバリア15の開放が検出されたか否かを判断する(ステップS22)。レンズバリア15の開放が検出されない場合には、ユーザにおいて撮影の意思はないものと見なして、表示ドライバ61にワイドスクリーン表示を設定し(ステップS23)、ムービー再生モード処理に移行する(ステップS26)。したがって、ユーザは、図14(a)に示すように、表示部6を横長方向にして、両手LH、RHで前記折り重ねられた状態における携帯電話1の両端部に摘持しつつ再生ムービーを観賞することができる。
また、ステップS22での判断の結果、レンズバリア検出部30によりレンズバリア15の開放が検出された場合には、ステップS14に戻り、前述したステップS15、S16、S7の処理でカメラモード処理に移行する。よって、この場合には、図14(b)に例示するように、表示部6には4:3のアスペクト比で被写体像が表示され、ユーザは右手RHで携帯電話1を持ち、右手人差し指R1でシャッター操作(第1サイドスイッチ9)を行うことにより撮影を行うことができる。
また、前記ステップS18の判断がNOであって、レンズバリア15の開放が検出されなかった場合には、図8のステップS24に進み、ムービー再生モードが選択されたか否かを判断し(ステップS24)、ムービー再生モードが選択されなかった場合には、他のモード処理に移行する。ムービー再生モードが選択された場合には、表示ドライバ61に対し、縦長方向に合わせたワイドスクリーン表示を設定し(ステップS25)、前述と同様にムービー再生モード処理に移行する(ステップS26)。つまり、前記ステップS18の判断がNOである場合は、図2(a)の状態において、蓋部2を開いて第1ヒンジ部100を軸にして120°以上回動させたのみ(ステップS9;YES)であり、携帯電話1は図1の状態となっている。したがって、この場合には、縦長方向に合わせたワイドスクリーン表示でムービー再生を行う。
図9は、前記カメラモード処理(ステップS7)の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、S31〜S42は静止画撮影処理手順を示し、S43〜S52はムービー撮影の処理手順を示す。すなわち、先ずキー入力部8もしくは第2サイドスイッチ4によるムービーモード選択が検出されたか否かを判断する(ステップS31)。ムービーモード選択が検出されなかった場合には、キー入力部8もしくは第2サイドスイッチ4による設定変更処理が検出された否かを判断する(ステップS32)。設定変更処理が検出されなかった場合には、ステップS34に進み、設定変更処理が検出された場合には、操作に合わせて設定変更を行うとともに、表示部6に表示されているアイコンを変更する等により、設定変更をモニターに反映させる(ステップS13)。さらに、前述のように4:3のアスペクト比で、被写体像をモニター表示させる(ステップS34)。
すなわち、カメラモード処理の状態においては、図15に示すように、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な2.7inch(240×428ドット)表示部6において、4:3のアスペクト比の領域(240×320ドット)が、被写体像を表示させるモニター表示エリア601となる。したがって、モニター表示エリア601の両側に残余した表示領域を有効利用して、セルフタイマーアイコン602、撮影モードアイコン603、ホワイトバランスアイコン(表示例では屋外光)604、Ev(露出)ゲージ605、撮影モード表示(表示例ではUXGA相当の解像度、1600×1200(ドット))606、ズーム(光学ズーム3倍、デジタルズーム16倍で3×16、48倍まで拡大できる)607、受信状態アイコン608、電池残量アイコン609、ムービー撮影モード切替アイコン610等を表示することができる。よって、ステップS33では、これらアイコン等601〜610を操作に合わせて表示変更し、また、ステップS34ではモニター表示エリア601に被写体像を表示させる。
したがって、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な表示部6を採用したことにより、撮影時において、各アイコン等601〜610がモニター表示エリア601の被写体像と重なることがない。よって、撮影すべき画角を障害なく液晶表示させることができ、且つ、撮影設定内容や、当該携帯電話の各状態を見やすく表示させることができる。
そして、ステップS34に続くステップS35においては、カメラモードではシャッターキーとして機能する第1サイドスイッチ9の操作が検出されたか否かを判断し(テップS35)、検出されたならば、表示バッファ62のイメージデータを操作された時点のイメージデータに固定する(ステップS36)。引き続き、第1サイドスイッチ9の操作が再度検出されたか否かを判断し(ステップS37)、検出されない場合には、キャンセル操作が検出されたか否かを判断して、ステップS36→S37→S41→S36のループを繰り返しつつ待機する。
この間に、キャンセル操作が検出された場合には(ステップS41;YES)、表示バッファ62をクリアして(ステップS42)、ステップS34からの処理を再度実行する。また、再度第1サイドスイッチ9の操作が検出された場合には(ステップS41;YES)、表示バッファ62内に固定されたイメージデータを圧縮処理し(ステップS38)、この圧縮処理したイメージデータをRAM24の画像記憶領域243に日付をファイル名にして格納する(ステップS39)。更に、レンズバリア15が閉じられたことをレンズバリア検出部30が検出したか否かに基づき、カメラモード抜けが検出されたか否かを判断し(ステップS40)、検出されるまでステップS34からの処理を繰り返し、検出された時点で図7のフローチャートにおけるスタートへ戻る。
他方、ステップS31での判断の結果、ムービーモード選択が検出された場合には、キー入力部8もしくは第2サイドスイッチ4による設定変更処理が検出された否かを判断する(ステップS43)。設定変更処理が検出されなかった場合には、ステップS46に進み、設定変更処理が検出された場合には、それがシネマサイズ撮影の選択であるか否かを判断する(ステップS44)。シネマサイズ撮影の選択でなかった場合には(通常サイズの撮影選択のまま)、表示部6に表示されているアイコンを変更する等により、設定変更をモニターに反映させ(ステップS53)、通常サイズである4:3のアスペクト比で、被写体像をモニター表示させる(ステップS46)。
すなわち、ムービーモードであって通常サイズでの撮影状態においては、図16に示すようにカメラモードの場合と同様に、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な2.7inch(240×428ドット)表示部6において、4:3のアスペクト比の領域(240×320ドット)が、被写体像を表示させるモニター表示エリア601となる。そこで、モニター表示エリア601の両側に残余した表示領域を有効利用して、記録経過時間611、Ev(露出)ゲージ605、動画撮影サイズアイコン(S、M、L、CINEMAの4パターン)612、ズーム607、受信状態アイコン608、電池残量アイコン609、カメラ撮影モード切替アイコン613等を表示する。よって、ステップS53では、前記アイコン等を操作に合わせて表示変更する。
よって、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な表示部6を採用したことにより、ムービーモードの通常サイズ撮影時においても、前述と同様に各アイコン等がモニター表示エリア601の被写体像と重なることがない。その結果、撮影すべき画角を障害なく液晶表示させることができ、且つ、撮影設定内容や、当該携帯電話の各状態を見やすく表示させることができる。
また、ステップS44での判断の結果、シネマサイズ撮影が選択された場合には、モニターサイズをシネマサイズに変更して(ステップS45)、シネマサイズのアスペクト比で、被写体像をモニター表示させる(ステップS46)。
このとき、表示部6は、16:9のアスペクト比の映像表示が可能であるが、本実施の形態におけるイメージセンサーの有効画素領域は前述のように4:3のアスペクト比に固定されており、イメージセンサーで捕らえることができる画素領域は16:9に対応していない。このため、ムービーモードであってシネマサイズ撮影の状態においては、図17に示すように、4:3の有効画素領域から、16:9に相当する領域を被写体像を表示させる動画表示エリア615(180×320ドット)とし、それ以外の上下領域は各々黒画像614((30×320ドット)×2)として取り込む。したがって、前述と同様に、モニター表示エリア601の両側に残余した表示領域を有効利用して、記録経過時間611、Ev(露出)ゲージ605、動画撮影サイズアイコン612、ズーム607、受信状態アイコン608、電池残量アイコン609、カメラ撮影モード切替アイコン613等を表示することができのみならず、黒画像614部分を有効利用して現在日時616を表示させることができる。
次に、第1サイドスイッチ9の操作が検出されたか否かを判断する(ステップS47)。検出されたならば、表示バッファ62に順次映像を取り込んで(ステップS48)、圧縮処理し(ステップS49)、第1サイドスイッチ9の操作が再度検出されるまで(ステップS50)、ステップS48及びS49の処理を繰り返す。そして、第1サイドスイッチ9の操作が再度検出されたならば(ステップS50;YES)、表示バッファ62に生成されている動画データをRAM24の画像記憶領域243に日付をファイル名にして格納する(ステップS51)。更に、レンズバリア15を閉めたことをレンズバリア検出部30が検出したか否かに基づき、カメラモード抜けが検出されたか否かを判断し(ステップS51)、検出されるまでステップS46からの処理を繰り返し、検出された時点で図7のフローチャートにおけるスタートへ戻る。
図10は、前記ムービー再生モード処理(ステップS26)の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、S61〜S63はダウンロードしたムービーファイルの再生処理手順を示し、S64(YES判定)〜S73は自機でムービー撮影されたファイルを再生する処理手順を示す。
先ず、このムービー再生モード処理が実行されるに際して、第2角度検出部29にての所定角度以上の検出が有った否かを判断する(ステップS61)。ここで、このステップS61の判断がYESの場合とは、前述のように、蓋部2は表示部6側を上面にして、本体部3のテンキー810等が設けられている内面上に折り重ねられ、レンズバリア15は閉じている。そして、ムービー再生モードにおけるこの状態は、図14(a)に示したように、表示部6を横長方向にして、両手LH、RHで前記折り重ねられた状態における携帯電話1の両端部に摘持しつつムービーを観賞する場合である。そして、この図14(a)の状態となっている場合のムービー再生時には、メインスピーカ5、7からの放音による適正なステレオ効果が生じることから、スイッチ21を閉じてメインスピーカ5とサブスピーカ7をオンにするステレオスピーカ設定を行う(ステップS62)。
また、ステップS61の判断がNOの場合とは、図2(a)の状態から蓋部2を開いて第1ヒンジ部100を軸にして120°以上回動させたのみ(ステップS9;YES)であって、携帯電話1は図1の状態となっており、表示部6を縦長方向にして、本体部3を握持してムービーを観賞する場合である。しかし、この図1の状態となっている場合のムービー再生時に、メインスピーカ5とサブスピーカ7とをオンにすると、上下から放音し違和感が生ずることから、スイッチ21を開いてメインスピーカ5のみをオンにするモノラルスピーカ設定を行う(ステップS63)。
次に、ユーザにより自端末(当該携帯電話1)で撮影したムービーが選択されたか否かを判断する(ステップS64)。自端末で撮影したムービーが選択された場合には、画像記憶領域243を検索し(ステップS65)、画像記憶領域243に格納されているムービーファイルの先頭フレームを表示部6にサムネイル一覧表示させる(ステップS66)。このとき、画像記憶領域243には、4:3サイズで撮影されたムービーファイルと、16:9で撮影(シネマサイズ撮影)されたムービーファイルとが混在して格納されていることから、図18に示すように、各サイズに応じた、異なる大きさでサムネイル620を表示する。このとき、シネマサイズで撮影されたムービーファイルの先頭フレームに関しては、前記黒画像614を削除した形でサムネイル化し、図示のように、表示される各サムネイル620の高さ方向を統一してメニュー表示する。
また、図18に示したメニュー表示の状態を維持して、いずれかのムービーが選択されるまで待機する(ステップS67)。この再生すべきムービーファイルの選択は、第2サイドスイッチ4の上下方向のロートクリック(回転)で行い、いずれかのムービーが選択されたならば、それがシネマサイズで撮影されたファイルであるか否かを判断する(ステップS68)。シネマサイズで撮影されたファイルである場合には、ムービーファイルの上下領域の各黒画像614を除いた画像を表示部6に全画面表示する(ステップS69)。したがって、シネマサイズで撮影されたムービーファイルが選択された場合には、図19に示すように、表示部6にはムービーファイルの先頭フレームが全画面(240×428ドット)表示される。
次に、再生指示が検出されたか否かを判断し(ステップS70)、第2サイドスイッチ4の中央が押圧されることにより再生指示が発生し、これが検出されたならば、当該ムービーファイルを伸長処理し、再生する(ステップS71)。このとき、前述したステップS61での判断結果に基づき、このステップS61の判断がNOであって、図14(a)に示したように、表示部6を横長方向にして、ムービーを観賞する状態にある場合には、図19に示したように、通常サイズで撮影されたムービーを表示部6に全画面表示する。また、前記ステップS61の判断がYESであって、図1に示したように、表示部6を縦長方向にして、ムービーを観賞する状態にある場合には、図20に示すように、シネマサイズで撮影されたムービーを上下の黒画像614とともに、表示部6の中央部に表示する。従って、この図20に示したシネマサイズムービーの再生表示状態においては、図示のように、表示部6の上下空白部分おける上部に、受信状態アイコン608、電池残量アイコン609、現在日時616を表示させ、下部にキー入力部8のムービー再生キー85、決定キー82、アドレス帳キー83に各々対する操作アイコン617、618、619を表示させる。
他方、ステップS68での判断の結果、選択されたムービーがシネマサイズではなく通常サイズで撮影されたファイルである場合には、先頭フレームを全画面表示する(ステップS75)。これにより、図19に示したように、表示部6には通常サイズのムービーファイルの先頭フレームが全画面表示される。
次に、再生指示が検出されたか否かを判断し(ステップS75)、第2サイドスイッチ4の中央が押圧されることにより再生指示が発生し、これが検出されたならば、当該ムービーファイルを伸長処理し、再生する(ステップS71)。このとき、前述したステップS61での判断結果に基づき、このステップS61の判断がNOであって、図14(a)に示したように、表示部6を横長方向にして、ムービーを観賞する状態にある場合には、図19に示したように、シネマサイズで撮影されたムービーを表示部6に全画面表示する。また、ステップS61の判断がYESであって、図1に示したように、表示部6を縦長方向にして、ムービーを観賞する状態にある場合には、図21に示すように、通常サイズで撮影されたムービーを表示部6の中央部に表示する。従って、この図21に示した通常サイズムービーの再生表示状態においても、図示のように、表示部6の表示エリア601の上下空白部分おける上部に、受信状態アイコン608、電池残量アイコン609、現在日時616を表示させ、下部にキー入力部8のムービー再生キー85、決定キー82、アドレス帳キー83に各々対する操作アイコン617、618、619を表示させる。
以上の処理によりシネマサイズ又は通常サイズのムービーを再生させたならば、当該ムービーの再生が終了したか否かを判断し(ステップS72)、再生が終了したならば当該ムービー再生モードのモード抜けが検出されたか否かを判断する。そして、モード抜けが検出されるまで、ステップS66からの処理を繰り返し、モード抜けが検出された時点で、図7に示したフローチャートのスタートに戻り、受信待受け状態に移行する。
この受信待受け状態において、図22に示すように、自機で撮影した画像を壁紙622として設定した場合、ワイドサイズであって縦方向の表示部6において、通常サイズの壁紙622を上下方向に表示させる。したがって、表示部6の上下に空白部分が残余することから、図示のように、この空白部分の上部に、受信状態アイコン608、電池残量アイコン609、現在時刻616を表示させ、下部に、壁紙622として使用した画像ファイルのExifデータを表示するエリア621を設けることも可能となる。
なお本実施の形態においては、CDMA 20000 1xEV−DOにおけるHDR(High Data Rate)をベースにした無線高速データ通信について詳述したが、所謂3.5世代携帯電話サービスにおけるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)技術による高速データ通信であっても良い。