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JP2007223403A - 動力出力装置およびその制御方法並びに車両 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに車両 Download PDF

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JP2007223403A
JP2007223403A JP2006045049A JP2006045049A JP2007223403A JP 2007223403 A JP2007223403 A JP 2007223403A JP 2006045049 A JP2006045049 A JP 2006045049A JP 2006045049 A JP2006045049 A JP 2006045049A JP 2007223403 A JP2007223403 A JP 2007223403A
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JP
Japan
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power
output
driving force
torque
shaft
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JP2006045049A
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Toshiya Hashimoto
俊哉 橋本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】より適正に環境に対処すると共に運転者に違和感を与えるのを抑制する。
【解決手段】駆動軸に要求可能なトルクの上限である仮要求トルク制限Trmaxtmpとエンジンの空気密度を反映する大気圧Paや吸気温度Taに基づく補正係数αとバッテリの出力制限Woutに基づく補正値βとを用いて要求トルク制限Trmaxを設定し(S120〜S150)、要求トルク制限Trmaxを用いて駆動軸に要求される要求トルクTr*を制限して実行トルクT*を設定し(S160)、実行トルクT*が駆動軸に出力されるようエンジンとモータMG1,MG2とを制御する(S170〜S230)。これにより、空気密度が低いときや出力制限Woutが小さいときに、エンジンやモータMG1の回転変動に伴うイナーシャが駆動軸に作用するか否かによる駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制でき、運転者に違和感を与えるのを抑制できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに車両に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、エンジンの出力軸にキャリアが接続されると共に車軸側にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、プラネタリギヤに動力を入出力する第1モータと、車軸側に動力を入出力する第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力をやりとり可能なバッテリと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、アクセルペダルの踏み込み量とリングギヤの回転数とに基づいてリングギヤに出力すべきトルク指令値を設定し、設定したトルク指令値がリングギヤに出力されるようエンジンと二つのモータとを制御する。
特開平9−308012号公報
上述の動力出力装置では、その環境が通常状態(例えば、大気圧が1気圧で外気温度が25度)のときにはよいが、例えば、高地の環境では、大気圧が低く空気密度が小さいことから、低地の環境に比してエンジンから出力可能なパワーの上限が小さくなり、リングギヤに定常的に出力可能なトルクの上限が小さくなる。空気密度が小さいときに、通常状態のときと同様にリングギヤに出力すべきトルク指令値を設定すると共にこのトルク指令値がリングギヤに出力されるようエンジンと二つのモータを制御すると、リングギヤに定常的に出力可能なトルクの上限よりもトルク指令値が大きいときに、エンジンや第1モータの回転変動に伴うイナーシャがリングギヤに作用するか否かに応じてリングギヤに出力されるトルクが変動し、運転者に違和感を与えることがある。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、より適正に環境に対処することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、運転者に違和感を与えるのを抑制することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、
前記内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量を検出する空気密度関連物理量検出手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力と前記検出された空気密度関連物理量とに基づいて前記駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段と、
前記設定された目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備える動力出力装置。
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸に要求される要求駆動力と内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量とに基づいて駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定し、設定した目標駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御する。即ち、空気密度関連物理量を考慮して目標駆動力を設定して制御するのである。これにより、空気密度関連物理量に応じてより適正に制御することができる。この結果、より適正に環境に対処することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記目標駆動力設定手段は、前記駆動軸に要求可能な駆動力の上限である上限駆動力と前記検出された空気密度関連物理量とに基づいて制限駆動力を設定すると共に該設定した制限駆動力を用いて前記要求駆動力を制限した駆動力を前記目標駆動力として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、空気密度関連物理量に応じてより適正に設定された制限駆動力を用いて目標駆動力を設定することができる。ここで、「上限駆動力」は、駆動軸に定常的に出力可能な駆動力の上限以下の駆動力、即ち内燃機関を含む系の回転変動に伴うイナーシャが駆動軸に作用するか否かに拘わらずに駆動軸に出力可能な駆動力の上限以下の駆動力であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記空気密度関連物理量検出手段は、大気圧を検出する大気圧検出手段を含む手段であるものとすることもできる。ここで、制限駆動力を用いて目標駆動力を設定するものにおいて、前記目標駆動力設定手段は、前記検出された大気圧が低いほど小さくなる傾向に前記制限駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、大気圧に応じてより適正に目標駆動力を設定することができる。この結果、大気圧が低く空気密度が小さいときに、大気圧に拘わらずに目標駆動力を設定するものに比してイナーシャが駆動軸に作用するか否かに基づく駆動軸に出力される駆動力の変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記空気密度関連物理量検出手段は、前記内燃機関に吸入される空気の温度である吸入空気温度を検出する温度検出手段を含む手段であるものとすることもできる。ここで、制限駆動力を用いて目標駆動力を設定するものにおいて、前記目標駆動力設定手段は、前記検出された吸入空気温度が高いほど小さくなる傾向に前記制限駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、吸気温度に応じてより適正に目標駆動力を設定することができる。この結果、吸入空気温度が高く空気密度が小さいときに、吸入空気温度に拘わらずに目標駆動力を設定するものに比してイナーシャが駆動軸に作用するか否かに基づく駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
あるいは、本発明の動力出力装置において、前記目標駆動力設定手段は、前記要求駆動力と前記検出された空気密度関連物理量と前記蓄電手段の出力制限とに基づいて前記目標駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の出力制限を加味してより適正に目標駆動力を設定することができる。この場合、前記目標駆動力設定手段は、前記上限駆動力と前記検出された空気密度関連物理量と前記蓄電手段の出力制限とに基づいて、該蓄電手段の出力制限が大きく制限されるほど小さくなる傾向に前記制限駆動力を設定すると共に該設定した制限駆動力を用いて前記要求駆動力を制限した駆動力を前記目標駆動力として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の出力制限が大きく制限されて電動機から出力可能な駆動力の上限が大きく制限されているときに、蓄電手段の出力制限に拘わらずに目標駆動力を設定するものに比してイナーシャが駆動軸に作用するか否かに基づく駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
本発明の動力出力装置において、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続されると共に前記蓄電手段と電力をやりとり可能で、電力と動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段を備え、前記制御手段は、前記設定された目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力動力入出力手段とを制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、前記内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量を検出する空気密度関連物理量検出手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力と前記検出された空気密度関連物理量とに基づいて前記駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段と、前記設定された目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、空気密度関連物理量に応じてより適正に制御することができ、より適正に環境に対処することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求駆動力と前記内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量とに基づいて前記駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定し、該設定した目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、駆動軸に要求される要求駆動力と内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量とに基づいて駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定し、設定した目標駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御する。即ち、空気密度関連物理量を考慮して目標駆動力を設定して制御するのである。これにより、空気密度関連物理量に応じてより適正に制御することができる。この結果、より適正に環境に対処することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入する共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト23の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温度Ta,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,大気圧センサ89からの大気圧Pa,吸気温度Ta,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、吸気温度Taは、温度センサ149により検出された吸気温度TaをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図4に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図5にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に(ステップS110)、入力した車速Vにおけるアクセル開度Accが100%のときの要求トルクTr*を仮要求トルク制限Trmaxtmpとして設定する(ステップS120)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。図6中、アクセル開度Accが100%のときの要求トルクTr*は、通常状態(例えば、大気圧Paが1気圧で吸気温度Taが25度)のときにリングギヤ軸32aに出力可能な最大トルク以下のトルクとして設定することができるが、実施例では、簡単のために、通常状態のときにリングギヤ軸32aに定常的に出力可能な最大トルクを設定するものとした。ここで、通常状態のときにリングギヤ軸32aに定常的に出力可能な最大トルクは、エンジン22やモータMG1からなる系の回転変動に伴うイナーシャが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用するか否かに拘わらずリングギヤ軸32aに出力可能なトルクの上限としてエンジン22やモータMG1,MG2の定格などに基づいて設定することができる。仮要求トルク制限Trmaxtmpは、図6の要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*と同様に設定することができる。
続いて、エンジン22に吸入される吸入空気の密度を反映する大気圧Paと吸気温度Taとに基づいて補正係数αを設定すると共に(ステップS130)、バッテリ50の出力制限Woutに基づいて補正値βを設定し(ステップS140)、仮要求トルク制限Trmaxtmpに補正係数αを乗じたものから補正値βを減じることによりリングギヤ軸32aに定常的に出力可能なトルクの上限すなわちエンジン22やモータMG1からなる系の回転変動に伴うイナーシャがリングギヤ軸32aに作用するか否かに拘わらずリングギヤ軸32aに出力可能なトルクの上限である要求トルク制限Trmaxを設定し(ステップS150)、設定した要求トルク制限Trmaxで要求トルクTr*を制限することにより駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき実行トルクT*を設定する(ステップS160)。ここで、要求トルク制限Trmaxを計算する際に吸入空気の密度を反映する補正係数αを用いるのは、同一の回転数で同一のスロットル開度としても吸入空気の密度によってエンジン22から出力されるパワーが異なることにより、エンジン22から動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力可能なトルクの上限(以下、このトルクを上限直達トルクという)が異なるためである。実施例では、吸入空気の密度と要求トルク制限Trmaxとの関係を予め実験などにより定め、この関係を満たすように補正係数αを設定するものとした。この補正係数αは、大気圧Paに基づいて補正係数αpを設定すると共に吸気温度Taに基づいて補正係数αtを設定し、設定した補正係数αpと補正係数αtとを乗じて設定するものとした。大気圧Paと補正係数αpとの関係を図7に示し、吸気温度Taと補正係数αtとの関係を図8に示す。図7の例では、大気圧Paが標準圧(例えば、1気圧)Psetを含む圧力P1から圧力P2の範囲となるときには補正係数αpに値1.0を設定し、大気圧が圧力P1より低いときには大気圧Paが低くなるほど小さくなるよう補正係数αpを設定し、逆に大気圧Paが圧力P2より高いときには大気圧Paが高くなるほど大きくなるよう補正係数αpを設定するものとした。即ち、圧力P1から圧力P2は、標準圧Psetのときの補正係数αpを保持する不感帯を設定する圧力となるのである。実施例では、大気圧Paが低いほど空気密度が小さくなり、エンジン22からの上限直達トルクが小さくなるから、大気圧Paが低いほど小さくなる傾向に補正係数αpを設定して要求トルク制限Trmaxの計算に用いるものとした。なお、不感帯を設けることにより、大気圧Paが標準圧Pset近傍のときの大気圧Paによる過剰な補正を抑制することができる。図8の例では、吸気温度Taが標準温度(例えば25℃)Tsetを含む温度T1から温度T2の範囲となるときには補正係数αtに値1.0を設定し、吸気温度Taが温度T1より低いときには吸気温度Taが低いほど大きくなる傾向に補正係数αtを設定し、逆に吸気温度Taが温度T2より高いときには吸気温度Taが高くなるほど大きくなるよう補正係数αtを設定するものとした。即ち、温度T1から温度T2は、標準温度Tsetのときの補正係数αtを保持する不感帯を設定する温度となるのである。実施例では、吸気温度Taが高いほど空気密度が小さくなり、エンジン22からの上限直達トルクが小さくなるから、吸気温度Taが高いほど小さくなる傾向に補正係数αtを設定して要求トルク制限Trmaxの計算に用いるものとした。なお、不感帯を設けることにより、吸気温度Taが標準温度Tset近傍のときの吸気温度Taによる過剰な補正を抑制することができる。要求トルク制限Trmaxを計算する際にバッテリ50の出力制限Woutに基づく補正値βを用いるのは、バッテリ50の出力制限Woutに応じてモータMG2から出力可能なトルクの上限が異なり、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力可能なトルクの上限が異なるためである。実施例では、バッテリ50の出力制限Woutと要求トルク制限Trmaxとの関係を予め実験などにより定め、この関係を満たすように補正値βを設定するものとした。バッテリ50の出力制限Woutと補正値βとの関係を図9に示す。図9の例では、バッテリ50の出力制限Woutが小さいほど補正値βが大きくなる傾向に設定するものとした。これは、バッテリ50の出力制限Woutが比較的大きく制限されるとき即ちバッテリ50から放電可能な電力が大きく制限されるときにはモータMG2から出力可能なトルクの上限が大きく制限され、モータMG2からリングギヤ軸32aに出力可能なトルクの上限が大きく制限されるためである。このように補正値αおよび補正値βを設定することにより、要求トルク制限Trmaxは、大気圧Paが低いほど小さくなる傾向に設定され、吸気温度Taが高いほど小さくなる傾向に設定され、バッテリ50の出力制限Woutが大きく制限されるほど小さくなる傾向に設定されることになる。
次に、設定した実行トルクT*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和としてエンジン22に要求される要求パワーPe*を計算し(ステップS170)、計算した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS180)。ここで、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。また、目標回転数Ne*および目標トルクTe*の設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図10に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に目標トルクTe*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとモータMG1の目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS190)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図11に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。式(2)は、エンジン22から出力されてサンギヤ31に作用するトルクに対して釣り合いを取るためのトルクと、モータMG1の目標回転数Nm1*と回転数Nm1との差を打ち消すためのトルクと、エンジン22やモータMG1からなる系のイナーシャTiを加味したトルクと、の和としてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する式である。式(2)中、右辺第1項は図11の共線図から容易に導き出すことができる。また、右辺第2項および第3項はモータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御の項であり、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。さらに、右辺第4項はエンジン22やモータMG1からなる系の慣性モーメントやモータMG1の回転数Nm1の時間微分を用いて計算することができる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=-ρ/(1+ρ)・Te*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt+Ti (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS200)、実行トルクT*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS210)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS220)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する実行トルクT*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図11の共線図から容易に導き出すことができる。また、式(5)中、トルク指令Tm1*はエンジン22やモータMG1からなる系のイナーシャを加味したトルクであるため、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクもイナーシャが加味されていることになる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(T*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS230)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
いま、大気圧Paが低くて空気密度が小さいときや吸気温度Taが高くて空気密度が小さいときであってバッテリ50の出力制限Woutが比較的小さいときに運転者がアクセル開度Accを比較的大きく踏み込んでいるときを考える。空気密度が小さいときには、標準圧Psetで標準温度Tsetのときに比してエンジン22からの上限直達トルクが小さくなる。また、バッテリ50の出力制限Woutが大きく制限されるときには、出力制限Woutがそれほど制限されないときに比してモータMG2からリングギヤ軸32aに出力可能なトルクの上限が小さくなる。このように空気密度が小さくてバッテリ50の出力制限Woutが小さいときに、要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御すると、リングギヤ軸32aに定常的に出力可能なトルクの上限(要求トルク制限Trmax)よりも要求トルクTr*が大きいときに、エンジン22やモータMG1からなる系の回転変動に伴うイナーシャが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用するか否かによってリングギヤ軸32aに出力されるトルクが変動し、運転者に違和感を与えることがある。一方、実施例のように、空気密度を反映する大気圧Paや吸気温度Taに基づく補正係数αおよびバッテリ50の出力制限Woutに基づく補正値βを用いて仮要求トルク制限Trmaxtmpを補正して要求トルク制限Trmaxを設定すると共に設定した要求トルク制限Trmaxを用いて要求トルクTr*を制限してリングギヤ軸32aに出力すべき実行トルクT*を設定し、実行トルクT*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御すれば、エンジン22やモータMG1からなる系の回転変動に伴うイナーシャがリングギヤ軸32aに作用するか否かによるリングギヤ軸32aに出力されるトルクの変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の吸入空気の密度を反映する大気圧Paや吸気温度Taに基づく補正係数αとバッテリ50の出力制限Woutに基づく補正値βとリングギヤ軸32aに要求可能なトルクの上限である仮要求トルク制限とを用いて設定される要求トルク制限Trmaxを用いてリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*を制限して実行トルクT*を設定すると共に設定した実行トルクT*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するから、空気密度が低いときやバッテリ50の出力制限Woutが大きく制限されているときにエンジン22やモータMG1からなる系の回転変動に伴うイナーシャがリングギヤ軸32aに作用するか否かに基づくリングギヤ軸32aに出力されるトルクの変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。即ち、より適正に環境に対処することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、吸入空気の密度を反映するものとして大気圧Paと吸気温度Taとを用いて補正係数αを設定するものとしたが、吸気温度Taを用いずに大気圧Paだけを用いて補正係数αを設定するものとしてもよいし、大気圧Paを用いてずに吸気温度Taだけを用いて補正係数αを設定するものとしてもよい。また、直接検出した吸入空気の密度や、大気圧Paや吸気温度Taなどに基づいて推定した吸入空気の密度を用いて補正係数αを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、大気圧Paや吸気温度Taに基づく補正係数αとバッテリ50の出力制限Woutに基づく補正値βとリングギヤ軸32aに要求可能なトルクの上限である仮要求トルク制限Trmaxtmpとを用いて要求トルク制限Trmaxを設定するものとしたが、補正値βを用いることなく、補正係数αおよび仮要求トルク制限Trmaxtmpだけを用いて要求トルク制限Trmaxを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、仮要求トルク制限Trmaxtmpと大気圧Paや吸気温度Taに基づく補正係数αとバッテリ50の出力制限Woutに基づく補正値βとを用いて要求トルク制限Trmaxを設定すると共に設定した要求トルク制限Trmaxを用いて要求トルクTr*を制限することにより実行トルクT*を設定するものとしたが、要求トルク制限Trmaxを設定することなく、要求トルクTr*と大気圧Paや吸気温度Taとバッテリ50の出力制限Woutとを用いて又は要求トルクTr*と大気圧Paや吸気温度Taとを用いて実行トルクT*を直接設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、動力分配統合機構30にエンジン22とモータMG1と駆動軸とを接続すると共に駆動軸にモータMG2とを接続し、モータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50を備える構成としたが、エンジンからの動力を駆動軸に出力することができると共にモータからの動力を駆動軸に出力することができるタイプであれば、如何なる構成としても構わない。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 大気圧Paと補正係数αpとの関係の一例を示す説明図である。 吸気温度Taと補正係数αtとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の出力制限Woutと補正値βとの関係の一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 大気圧センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構。230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
    前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、
    前記内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量を検出する空気密度関連物理量検出手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力と前記検出された空気密度関連物理量とに基づいて前記駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段と、
    前記設定された目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記目標駆動力設定手段は、前記駆動軸に要求可能な駆動力の上限である上限駆動力と前記検出された空気密度関連物理量とに基づいて制限駆動力を設定すると共に該設定した制限駆動力を用いて前記要求駆動力を制限した駆動力を前記目標駆動力として設定する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記空気密度関連物理量検出手段は、大気圧を検出する大気圧検出手段を含む手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記空気密度関連物理量検出手段は、前記内燃機関に吸入される空気の温度である吸入空気温度を検出する温度検出手段を含む手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記目標駆動力設定手段は、前記要求駆動力と前記検出された空気密度関連物理量と前記蓄電手段の出力制限とに基づいて前記目標駆動力を設定する手段である請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続されると共に前記蓄電手段と電力をやりとり可能で、電力と動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段を備え、
    前記制御手段は、前記設定された目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力動力入出力手段とを制御する手段である
    動力出力装置。
  7. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項6記載の動力出力装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  9. 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力と前記内燃機関に吸入される空気の密度に関連する空気密度関連物理量とに基づいて前記駆動軸に出力すべき目標駆動力を設定し、該設定した目標駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する
    動力出力装置の制御方法。

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