JP2007221064A - 電磁波対策シート、電磁波対策シートの製造方法、および電子部品の電磁波対策構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁波対策シート1は、透磁率7以上の第1層11と、誘電率10以上の第2層12とを積層した構造になっている。第1層11は、金属磁性材料の扁平粉末をマトリクス樹脂中に分散させてなる複合磁性材料によって形成され、第2層12は、誘電材料の粉末をマトリクス樹脂中に分散させてなる非導電性の複合誘電材料によって形成されている。このように構成された電磁波対策シート1は、プリント配線板21上に実装された電子部品22に対して、第2層12と電子部品22とが接触するように貼付され、これにより、電子部品22から放射される電磁波を減衰させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明の電磁波対策シートは、透磁率7以上の第1層と、誘電率10以上の第2層とを積層してなることを特徴とする。
このように構成されていると、ICのような電子部品の上に直接貼り付けた場合でも、電子部品が備える端子間、あるいは、電子部品とその周辺にある別の電子部品や筐体との間で、電磁波対策シートを介した短絡が発生しなくなる。したがって、別途、短絡対策のための部材を設ける必要が無くなり、あるいは、過度に慎重な貼り付け作業を強いられることが無くなり、電磁波対策シートを利用する製品の製造コスト低減および生産性の向上を図ることができる。
このように構成されている場合、第2層側がICのような電子部品と接触するような向きにして、電磁波対策シートを電子部品上に直接貼り付ければ、電子部品が備える端子間で、電磁波対策シートを介した短絡が発生するのを、より確実に防止することができる。また、何らかの原因で第2層に含まれる成分が電子部品側に脱落したような場合にも、その脱落した成分を介した短絡が発生するのを防止することができる。
誘電材料としては、誘電率10以上の第2層を形成することができるような材料が選定され、一例を挙げれば、炭化ケイ素、チタン酸バリウムなどを用いることができるが、この中でも、炭化ケイ素を用いると好ましい。また、誘電材料は、例えば粒径D50=1〜100μmの粉末とされているとよく、この粒径が過度に小さくなると粉末が凝集しやすくなって分散性が低下する傾向があり、一方、粒径が過度に大きくても分散性が低下する傾向があり、いずれの場合とも誘電率の低下を招く要因となる。また、誘電材料の粉末は、第2層を形成する複合誘電材料全体に対する体積比で10〜55%配合されていると好ましい。この配合比を10〜55%の範囲内で調節することにより、第2層の特性をコントロールして、電磁波対策シートの性能を最適化することができる。なお、この配合比が10%を下回ると誘電材料粉末の充填密度が過度に下がるため、電磁波を減衰させる効果が弱くなる。また、この配合比が55%を上回るとマトリクス樹脂の連続性が損なわれて複合誘電材料の柔軟性が低下するとともに脆性が高くなるため、第2層を薄くて柔軟な層にすることが難しくなる。
(1)電磁波対策シートの構造
図1(a)に示すとおり、本発明の一実施形態として例示する電磁波対策シート1は、透磁率7以上の第1層11と、誘電率10以上の第2層12とを積層した構造になっており、全体としてはシート状になっている。
(2)電磁波対策シートの製法
次に、本発明の電磁波対策シートの製法について、一例を説明する。
(3)性能試験
次に、上記製法で製造した電磁波対策シートの試作品について、性能試験を行った。
減衰効果の大きい周波数は、透磁率と誘電率の組合せにより適宜調整することができるが、双方の値が大きいほど、減衰効果の大きい周波数が低周波側になりやすい傾向にある。
例えば、上記実施形態においては、金属磁性材料の扁平粉末、誘電材料粉末、各層のマトリクス樹脂について、具体的な物質名や物性を例示したが、各層に要求される物性を満足できれば、上記実施形態で例示したものに限らず、任意に各層を構成するための材料を選定することができる。
Claims (11)
- 透磁率7以上の第1層と、誘電率10以上の第2層とを積層してなる
ことを特徴とする電磁波対策シート。 - 前記第1層および前記第2層の積層方向についての体積抵抗率が、106〜1014Ω・cmである
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波対策シート。 - 前記第1層が、金属磁性材料からなるアスペクト比3以上の扁平粉末をマトリクス樹脂中に分散させてなる複合磁性材料によって形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁波対策シート。 - 前記金属磁性材料が、粒径D50=20〜60μmのFe−Si−Al合金であり、前記複合磁性材料に対する体積比で30〜50%配合されている
ことを特徴とする請求項3に記載の電磁波対策シート。 - 前記第2層が、体積抵抗率106〜1014Ω・cmの非導電性材料によって形成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電磁波対策シート。 - 前記第2層が、誘電材料の粉末をマトリクス樹脂中に分散させてなる複合誘電材料によって形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の電磁波対策シート。 - 前記誘電材料が、粒径D50=1〜100μmの炭化ケイ素であり、前記複合誘電材料に対する体積比で10〜55%配合されている
ことを特徴とする請求項6に記載の電磁波対策シート。 - 減衰量が最大となるピーク周波数が900MHz以下の周波数帯にある
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電磁波対策シート。 - 透磁率7以上の第1層と、誘電率10以上の第2層とを積層する
ことを特徴とする電磁波対策シートの製造方法。 - 前記第1層を形成するための第1の流動性原料組成物を、第1の基材上にコーティングして硬化させることにより、前記第1層と前記第1の基材とを積層してなる第1の積層体を形成し、
前記第2層を形成するための第2の流動性原料組成物を、第2の基材上にコーティングして硬化させることにより、前記第2層と前記第2の基材とを積層してなる第2の積層体を形成し、
前記第1層と前記第2層が接触するように、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを積層して、前記第1の基材および前記第2の基材を除去する
ことを特徴とする請求項9に記載の電磁波対策シートの製造方法。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電磁波対策シートを、前記第2層と電子部品が接触するように、前記電子部品に貼付してなる
ことを特徴とする電子部品の電磁波対策構造。
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