JP2007218022A - 型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外断熱工法に適用して型枠兼用として建て込みができるとともに、外装材などの支持強度や通気性を確保することができる型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法を提供すること。
【解決手段】硬質発泡プラスチックボード11の屋外側となる面に、複数本の金属素材の縦桟木12を、一部を埋め込んで設ける一方、これら縦桟木の間に建て込み用の補助桟木14を、一部を埋め込んで取り付け得るとともに、取り外して通気路とする桟木取付通気溝13を設ける。
金属素材の縦桟木12で、外装材を固定できる強度を確保し、コンクリート打設時の側圧荷重に対しては縦桟木12と桟木取付通気溝13に取り付けた補助桟木14とで耐圧強度を確保する。側圧荷重が作用しないコンクリートの固化養生後に補助桟木14を取り外すことで、桟木取付通気溝13までも通気路として通気性を大幅に高めるようにする。
これにより、この型枠兼用外断熱パネルを用いることで、外断熱通気工法を簡単に施工することができる。
【選択図】図2
【解決手段】硬質発泡プラスチックボード11の屋外側となる面に、複数本の金属素材の縦桟木12を、一部を埋め込んで設ける一方、これら縦桟木の間に建て込み用の補助桟木14を、一部を埋め込んで取り付け得るとともに、取り外して通気路とする桟木取付通気溝13を設ける。
金属素材の縦桟木12で、外装材を固定できる強度を確保し、コンクリート打設時の側圧荷重に対しては縦桟木12と桟木取付通気溝13に取り付けた補助桟木14とで耐圧強度を確保する。側圧荷重が作用しないコンクリートの固化養生後に補助桟木14を取り外すことで、桟木取付通気溝13までも通気路として通気性を大幅に高めるようにする。
これにより、この型枠兼用外断熱パネルを用いることで、外断熱通気工法を簡単に施工することができる。
【選択図】図2
Description
この発明は、型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法に関し、鉄筋コンクリートなどの建築物の外断熱を、コンクリート打設用の型枠の建て込みと同時に通気断熱施工ができるようにしたものである。
従来、鉄筋コンクリート造の集合住宅やオフィスビルなどの建築物では、省エネルギーや快適居住のため外気と接する外壁部や屋根部などを断熱材で覆って断熱性を高める断熱施工が普及しつつある。
このようなコンクリート建築物の断熱施工には、壁面の内側に断熱材を設ける内断熱工法と、壁面の外側に断熱材を設ける外断熱工法とがあり、これまでは、内断熱工法が主流となっている。
このような内断熱工法における施工の効率化を図るため、断熱型枠パネルが開発されており(例えば、特許文献1参照)、硬質発泡プラスチックボードの室内側面に複数の縦桟木と横桟木を半埋め込み式で取り付けて構成されている。
そして、縦桟木と横桟木とが取り付けられた断熱型枠パネルを内型枠とし、打設空間を空けて外型枠を建て込み、コンクリートを打設した後、外型枠だけを取り外して内側の断熱型枠パネルをそのまま残して断熱材とし、縦桟木と横桟木を利用して内装下地材を設けて内装施工するようにしている。
特開2000−199288号公報
最近、建築物に対する断熱性能の向上が求められ、これまでの内断熱工法に代え、壁面の外側を断熱材で覆う外断熱工法が採用される傾向にある。
この外断熱工法でも、コンクリート打設用の型枠の建て込みと断熱材の取り付けとを同時にできる型枠兼用パネルの使用が求められる。
そこで、これまでの内断熱工法に用いられてきた断熱型枠パネルをそのまま使用することが考えられるが、次のような問題があり、そのまま転用することができない。
内断熱工法では、断熱型枠パネルの桟木を利用して内装下地材を取り付け、この内装下地材の上に壁紙などの内装材を接着するなどの内装施工が行われる。
これに対し、外断熱工法では、断熱型枠パネルの外側に外装下地材や外装材を取り付ける外装施工を行うが、外装材などは、内装下地材および内装材に比べ重量があり、大きな荷重を支持できるものでなければならない。
また、タイルや窯業系など外装材の材質によっては、内装材に比べて透湿性が低く外装材などの内側に結露が生じ易く、またコンクリートからの水分が外装材の内側に放出されることから、内断熱工法に比べ、断熱型枠パネルと外装下地材や外装材との間の通気性を大幅に高める必要がある。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、外断熱工法に適用して型枠兼用として建て込みができるとともに、外装材などの支持強度や通気性を確保することができる型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法を提供しようとするものである。
そこで、外断熱用の型枠兼用断熱パネルについて鋭意検討を重ねた結果、打設されるコンクリートの側圧荷重を断熱パネルを介して支持するためには、桟木を増やして配置密度を高める必要がある一方、外装材や外装下地材との間の通気性を確保するためには、横桟木をなくすとともに、縦桟木を少なくしなければならないという相反する要求がある。
そこで、縦桟木だけを用いることにし、コンクリートの側圧荷重を支持する必要がある場合には、本数を多くし、コンクリート打設後は、一部の縦桟木を取り除くことで、通気路を確保できることを見出し、この発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、この発明の請求項1記載の型枠兼用外断熱パネルは、硬質発泡プラスチックボードの屋外側となる面に、複数本の金属素材からなる縦桟木の一部を埋め込んで設ける一方、これら縦桟木の間に建て込み用の補助桟木の一部を埋め込んで取り付け得るとともに、取り外して通気路とする桟木取付通気溝を設けたことを特徴とするものである。
また、この発明の請求項2記載の型枠兼用外断熱パネルは、請求項1記載の構成に加え、前記縦桟木と前記補助桟木とを同一断面形状の金属角パイプで構成したことを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項3記載の型枠兼用外断熱パネルは、請求項1または2記載の構成に加え、前記縦桟木を前記硬質発泡プラスチックボードに接着固定する一方、前記補助桟木を前記桟木取付通気溝に着脱可能に装着してなることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項4記載の型枠兼用外断熱パネルは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記縦桟木にコンクリート打設側に突き出すアンカー部材を設けてなることを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項5記載の型枠兼用外断熱パネルは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記硬質発泡プラスチックボードの屋外側の左右両端部に、隣接する前記硬質発泡プラスチックボードとで前記補助桟木を取り付け得る段差部を設けてなることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項6記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法は、硬質発泡プラスチックボードの屋外側となる面に、複数本の金属素材の縦桟木が一部を埋め込んで固定された型枠兼用外断熱パネルの前記縦桟木の間に設けられた桟木取付通気溝に、建て込み用の補助桟木の一部を埋め込んで取り付け、この型枠兼用外断熱パネルと打設空間をあけて内側型枠を組み立てた後、前記打設空間にコンクリートを打設・養生し、前記桟木取付通気溝に取り付けた前記補助桟木を取り外して通気路を形成するようにしたことを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項7記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法は、請求項6記載の構成に加え、前記縦桟木と前記補助桟木とを同一断面形状の金属角パイプで構成したことを特徴とするものである。
また、この発明の請求項8記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法は、請求項6または7記載の構成に加え、前記縦桟木にコンクリート打設側に突き出すアンカー部材を取り付けた後、コンクリートを打設するようにしたことを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項9記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法は、請求項6〜8のいずれかに記載の構成に加え、前記型枠兼用外断熱パネルを上下方向に連結して組み立てるとともに、これら型枠兼用外断熱パネルの前記上下の桟木取付通気溝にまたがって前記補助桟木を取り付けるようにしたことを特徴とするものである。
この発明の請求項1記載の型枠兼用外断熱パネルによれば、硬質発泡プラスチックボードの屋外側となる面に、複数本の金属素材からなる縦桟木の一部を埋め込んで設ける一方、これら縦桟木の間に建て込み用の補助桟木の一部を埋め込んで取り付け得るとともに、取り外して通気路とする桟木取付通気溝を設けたので、金属素材の縦桟木を一部を埋め込んで断熱材となる硬質発泡プラスチックボードに取り付けておくことで、外装材を固定し易くできるとともに、その固定強度を確保することができ、コンクリート打設時の側圧荷重に対しては縦桟木と桟木取付通気溝に取り付けた補助桟木とで強度を確保することができ、一方、側圧荷重が作用しないコンクリートの固化養生後に補助桟木を取り外すことで、桟木取付通気溝までも通気路として通気性を大幅に高めることができる。
これにより、この型枠兼用外断熱パネルを用いることで、外断熱通気工法を簡単に施工することができる。
また、この発明の請求項2記載の型枠兼用外断熱パネルによれば、前記縦桟木と前記補助桟木とを同一断面形状の金属角パイプで構成したので、金属角パイプで外装材の取付強度やコンクリートの側圧荷重に対する強度を確保しながら軽量化を図ることができるとともに、型枠としての建て込みや外装材の取り付けも角パイプの平面部分を利用して簡単に行うことができ、しかも1種類の金属角パイプを用意するだけで型枠兼用外断熱パネルの製造とその施工が可能となる。
さらに、この発明の請求項3記載の型枠兼用外断熱パネルによれば、前記縦桟木を前記硬質発泡プラスチックボードに接着固定する一方、前記補助桟木を前記桟木取付通気溝に着脱可能に装着したので、型枠としての建て込みが短時間に効率的にでき、コンクリートの固化養生後は補助桟木を取り外すだけで通気路の施工ができる。
また、この発明の請求項4記載の型枠兼用外断熱パネルによれば、前記縦桟木にコンクリート打設側に突き出すアンカー部材を設けたので、縦桟木の取付強度を増大することができ、一層外装材の支持強度を向上することができる。
さらに、この発明の請求項5記載の型枠兼用外断熱パネルによれば、前記硬質発泡プラスチックボードの屋外側の左右両端部に、隣接する前記硬質発泡プラスチックボードとで前記補助桟木を取り付け得る段差部を設けたので、隣接する段差部を合わせることで補助桟木を取り付けることができ、型枠建て込み時の位置合わせが容易にできる。とともに、コンクリートののろの漏れ出しを抑えることができる。
また、この発明の請求項6記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法によれば、硬質発泡プラスチックボードの屋外側となる面に、複数本の金属素材の縦桟木が一部を埋め込んで固定された型枠兼用外断熱パネルの前記縦桟木の間に設けられた桟木取付通気溝に、建て込み用の補助桟木の一部を埋め込んで取り付け、この型枠兼用外断熱パネルと打設空間をあけて内側型枠を組み立てた後、前記打設空間にコンクリートを打設・養生し、前記桟木取付通気溝に取り付けた前記補助桟木を取り外して通気路を形成するようにしたので、コンクリート打設時の側圧に対して金属素材の縦桟木と桟木取付通気溝に取り付けた補助桟木とで耐圧強度を確保することができ、金属素材の縦桟木により外装材を固定できる強度を確保するとともに、側圧が作用しないコンクリートの固化養生後に補助桟木を取り外すことで、桟木取付通気溝までも通気路として通気性を大幅に高めた外断熱通気工法を簡単に施工することができる。
さらに、この発明の請求項7記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法によれば、前記縦桟木と前記補助桟木とを同一断面形状の金属角パイプで構成したので、金属角パイプにより外装材の取付強度やコンクリートの側圧荷重に対する強度を確保しながら軽量化を図るとともに、型枠としての建て込みや外装材の取り付けも角パイプの平面部分を利用して簡単でき、しかも1種類の角パイプを用意するだけで簡単に施工することができる。
また、この発明の請求項8記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法によれば、前記縦桟木にコンクリート打設側に突き出すアンカー部材を取り付けた後、コンクリートを打設するようにしたので、縦桟木のコンクリートへの取付強度を増大することができ、一層外装材の支持強度を向上することができる。
さらに、この発明の請求項9記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法によれば、前記型枠兼用外断熱パネルを上下方向に連結して組み立てるとともに、これら型枠兼用外断熱パネルの前記上下の桟木取付通気溝にまたがって前記補助桟木を取り付けるようにしたので、上下の型枠兼用外断熱パネルの位置合わせを桟木取付通気溝にまたがる補助桟木で簡単にでき、一層容易に施工することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4は、この発明の型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱パネル通気工法の一実施の形態にかかり、図1は型枠兼用外断熱パネルの平面図および正面図、図2は型枠建て込み状態の水平断面図および垂直断面図、図3はそれぞれ型枠建て込み状態の正面図、図4はそれぞれ施工完了状態の水平断面図である。
図1〜図4は、この発明の型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱パネル通気工法の一実施の形態にかかり、図1は型枠兼用外断熱パネルの平面図および正面図、図2は型枠建て込み状態の水平断面図および垂直断面図、図3はそれぞれ型枠建て込み状態の正面図、図4はそれぞれ施工完了状態の水平断面図である。
この型枠兼用外断熱パネルは、コンクリート建築物の外断熱用の型枠兼用の断熱パネルであり、外型枠として内型枠と組み立て、コンクリートを打設した後、そのまま残すことで、コンクリートの外壁面に断熱パネルを取り付けた状態にするもので、断熱パネルの取り付けと同時に、通気路を形成するものである。
すなわち、この型枠兼用外断熱パネル10は、例えば図1に示すように、硬質発泡プラスチックボード11と、この硬質発泡プラスチックボード11に一部を埋め込んで外側に突き出した状態で取り付けられ施工時に上下方向に配置される金属素材の複数本の縦桟木12と、これら縦桟木12の間に形成され、断熱パネルとして機能させる施工後の状態では、通気路を形成し、型枠として機能させる間は、補助桟木14の取り付けに用いるための施工時に上下方向に配置される複数の桟木取付通気溝13とを備えて構成されている。
この型枠兼用外断熱パネル10を構成する硬質発泡プラスチックボード11は、断熱効果の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂素材で形成された発泡プラスチックボードで、例えばポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、フェノールフォームなどが用いられる。
なかでも硬質発泡プラスチックボード11としては、外断熱工法としてコンクリートの外面に取り付けられることから、コンクリートに含まれる湿度分を透過させることができる、透湿性に優れた硬質ポリスチレンフォームが好ましく、金型成形により溝加工が容易な硬質ポリスチレンフォームのビーズ法によるものが特に好ましい。
この硬質ポリスチレンフォームは、水は通さないが、水蒸気(湿度分)は通し、その透湿係数は、100〜300ng/m2sPa程度であり、コンクリートの透湿係数が15〜30ng/m2sPaであるのに比べ、透湿性に優れる。
なお、透湿性については、この型枠兼用外断熱パネル10の外側に取り付けられる外装下地材や外装材に対して、外側ほど透湿係数が大きくなる素材を配置することが好ましく、それ故に打設後のコンクリート中に含まれる湿度分を外気へ透過させ易くできる。その結果、結露防止機能をより高めることができる。
外装下地材として使用可能な市販の多くのパネルは、透湿係数が硬質ポリスチレンフォームより小さいことから、少なくとも透湿係数が100ng/m2sPa以上(500ng/m2sPa以下)のものを選択するのが良く、好ましくは200ng/m2sPa以上のものが好ましい。
一方、外装材との関係から、例えば外装用の塗装材の透湿係数としては500ng/m2sPa程度のものが多く、外装下地材の透湿係数は、500ng/m2sPa以下、好ましくは400ng/m2sPa以下のものが好ましい。
したがって、この型枠兼用外断熱パネル10と組み合わせて使用する外装下地材は、その透湿係数が、200〜400ng/m2sPa程度のものが好ましく、例えば外装下地材として軽量モルタル板(透湿係数:243ng/m2sPa)を、外装材として塗装材(透湿係数:500ng/m2sPa)を使用すれば良い。
このような硬質発泡プラスチックボード11には、縦桟木12を一部埋め込んで取り付けるための横断面形状が矩形の桟木取付溝12aが両端部および中央部の3箇所に形成されるとともに、それぞれの桟木取付溝12aの間に2箇所ずつ補助桟木14を取り付けたり、通気路とする横断面形状が矩形の桟木取付通気溝13が形成してある。
この型枠兼用外断熱パネル10では、桟木取付溝12aと桟木取付通気溝13が同一寸法とされ、等間隔に7本形成してあり、コンクリート壁面の上下方向に沿って溝が配置されるようにする。その結果、コンクリート打設時にこのパネル10にかかる側圧を均一に分散させることができるので、このパネル10の破損をより防止することができる。
この桟木取付溝12aは取り付けられる縦桟木12で型枠兼用外断熱パネル10の外側に取り付ける外装下地材や外装材の固定に必要な支持強度を満たすようにその本数や大きさが定められ、桟木取付通気溝13は取り付けられる補助桟木14と、桟木取付溝12aに取り付ける縦桟木12とでコンクリートの打設時の側圧荷重を支持するのに必要な支持強度を満たすようにその本数や大きさが定められる。
この型枠兼用外断熱パネル10では、例えば、硬質ポリスチレンフォームの硬質発泡プラスチックボード11を幅900〜910mm、長さ2500〜4000mm、厚さ60mmとした場合に、縦桟木12および補助桟木14として溶融亜鉛めっき鋼鈑、あるいはガルバリウム鋼鈑の厚みが1.0〜2.3mmで1辺が30mmの正方形断面の角パイプが用いられ、この場合には、上記縦桟木12を3本として支持強度を確保し、補助桟木14を4本として合計7本で側圧支持強度を確保するようにしてある。
そして、1辺が30mmの角パイプの縦桟木12は、桟木取付溝12aの深さを20mmとして埋め込まれるようにし、10mmだけ外側に突き出すようにしてあり、正方形乃至矩形の角パイプを用いることで、硬質発泡プラスチックボード11との接着を容易とするとともに、外装材や外装下地材などの取り付けをより一層容易とする。また、桟木取付通気溝13として幅30mm、深さ20mmの矩形断面の溝が形成され、例えば桟木取付溝12と同様、金型成形で成形される。
なお、縦桟木12や補助桟木14としては、厚みが1.0〜2.3mmで1辺が30mm以上の正方形断面あるいは長方形断面の角パイプであれば良く、必要強度と重量を考慮して肉厚が定められる。
この型枠兼用外断熱パネル10では、桟木取付溝12aに予め縦桟木12が接着剤や弾性接着剤などによる接着などで固定され、桟木取付通気溝13には、施工時に補助桟木14が着脱自在に取り付けられ、コンクリート打設後は、補助桟木14は取り外される。
次に、このような型枠兼用外断熱パネル10を用いる外断熱通気工法について説明する。
この型枠兼用外断熱パネル10を用いる外断熱通気工法では、図2に建て込み状態を示すように、建て込み前に予め現場あるいは工場などで一回のコンクリートの打設高さに必要な型枠兼用外断熱パネル10の桟木取付通気溝13に補助桟木14を嵌め込むなどで取り外すことができるように取り付ける。
この型枠兼用外断熱パネル10を用いる外断熱通気工法では、図2に建て込み状態を示すように、建て込み前に予め現場あるいは工場などで一回のコンクリートの打設高さに必要な型枠兼用外断熱パネル10の桟木取付通気溝13に補助桟木14を嵌め込むなどで取り外すことができるように取り付ける。
この後、型枠兼用外断熱パネル10の縦桟木12や補助桟木14が上下方向となるとともに、桟木12、14が屋外側となるように配置し、これまでのコンクリート打設用の型枠の建て込みと同様に、水平に配置される横端材21としての2本の単管とフォームタイ22を配置する。
一方、型枠兼用外断熱パネル10と打設空間23を空けて内型枠24を配置し、間隔をセパレータ25および断熱コーン26で支持確保するとともに、内型枠24の外側に縦端材27と横端材28としての2本の単管とフォームタイ29を配置し、内外のフォームタイ22,29を軸足30を介して連結して固定するようにする。
このようなセパレータ25を挟んで外側のフォームタイ22、29などを取り付ける部分は、型枠兼用外断熱パネル10の縦桟木12や補助桟木14の間の硬質発泡プラスチックボード11部分とすることで、作業を容易にすることができる。
また、縦桟木12には、図2(a)中に拡大して示すように、外側に大きい孔をあけ、この孔から入れたアンカー部材31を溝底面側から打設空間23に突き出すように取り付けておく。
このアンカー部材31としては、インサートねじを備えるもののほか、単なるねじ状のものなどコンクリートへの取付強度を確保できるものであればどのような形状のものでも良く、特に熱伝導率の小さい素材のものであることが断熱性能を確保するために好ましい。
また、型枠兼用外断熱パネル10の繋ぎ目には、ジョイナーなどを使用してコンクリートののろが漏出することを防止する。
なお、図示省略したが、出隅部分を建て込む場合には、角頂部に補助桟木を配置できる桟木取付通気溝を備えた出隅用型枠兼用外断熱パネルを用意し、標準のパネルである上記型枠兼用外断熱パネル10を角頂部の補助桟木と面一となるように直角に配置できる硬質発泡プラスチックボードの一部を切り欠いたものを用意することで、出隅用型枠兼用外断熱パネルと標準の型枠兼用外断熱パネル10を直角に突き合わすことで簡単に建て込むことができる。
また、型枠兼用外断熱パネル10を上下方向に連結して建て込む場合には、図3(a)に示すように、上下の型枠兼用外断熱パネル10の桟木取付通気溝13に跨るように補助桟木14を取り付けることで上下の型枠兼用外断熱パネル10の位置合わせを簡単に行うことができる。
さらに、窓などの開口部の部分では、例えば図3(b)に示すように、縦桟木12の上端に隙間を形成することで、通気路を確保するようにすれば良い。
こうして、型枠兼用外断熱パネル10を屋外側に配置し、内型枠を建て込んだ後、コンクリートを打設し、コンクリートを固化・養生する。
この後、図4に示すように、桟木取付通気溝13に取り付けた補助桟木14を取り外した後、外装を施工する。
例えば、外装施工として外装下地材41を取り付ける場合には、縦桟木12にタッピングビス42などを用いて固定したり、専用取付金具を用意して縦桟木12に装着して外装下地材41を固定する。
そして、外装下地材41の目地部分には、必要に応じて断熱材である硬質発泡プラスチックボード11と同一素材などの目地シール材43を接着するようにする。
こうして外装下地材41を取り付けた後、外装材を取り付けるようにすれば良い。
こうして外装下地材41を取り付けた後、外装材を取り付けるようにすれば良い。
このような型枠兼用外断熱パネル10によれば、桟木取付通気溝13を設けておき、型枠として機能させる場合に、補助桟木14を取り付けることで、コンクリートの打設に伴う側圧荷重を支持することができる。
例えば縦桟木12と硬質発泡プラスチックボード11との接着強度を3.0kg/cm2とし、縦桟木12を1m2あたり3本使用することで、2700kg/m2の保持力を確保することができ、コンクリートと硬質発泡プラスチックボード11との接着強度は、通常、1.3〜2.5kg/cm2であることから、型枠兼用外断熱パネル10として、1m2あたり13tonから25tonの外装材などの支持力を確保することができる。
また、コンクリートを打設する場合に型枠兼用外断熱パネル10の1m2あたりに作用する側圧は4800kg/m2であり、縦桟木12と補助桟木14を1m2あたり合計7本使用することで得られる支持荷重は、7000kg/m2であり、側圧荷重に対する強度も十分確保することができる。
一方、コンクリートの固化・養生後、補助桟木14を取り外すことで、桟木取付通気溝13を通気路として機能させることができ、外装材や外装下地材の裏側の通気性を確保することができる。
一方、コンクリートの固化・養生後、補助桟木14を取り外すことで、桟木取付通気溝13を通気路として機能させることができ、外装材や外装下地材の裏側の通気性を確保することができる。
また、取り除く補助桟木14は、使いまわすことができ、有効に利用することができる。
次に、この発明の型枠兼用外断熱パネルの他の一実施の形態について、図5により説明する。
この型枠兼用外断熱パネル10Aでは、縦桟木12と補助桟木14Aの大きさが変えてあり、幅の大きい角パイプを使用するとともに、縦桟木12の間に一本だけ配置するようにしている。
この型枠兼用外断熱パネル10Aでは、縦桟木12と補助桟木14Aの大きさが変えてあり、幅の大きい角パイプを使用するとともに、縦桟木12の間に一本だけ配置するようにしている。
また、硬質発泡プラスチックボード11の両端部に段差部11aが建て込み時に上下方向に配置されるよう桟木取付溝12aや桟木取付通気溝13Aと平行に形成してあり、型枠兼用外断熱パネル10A,10Aを隣り合わせて並べた場合に、両側の段差部11a,11aが補助桟木14を取り付ける溝となるようにしてある。
これにより、2つの段差部11a,11aに補助桟木14を取り付けることで、型枠兼用断熱パネル10A,10Aの位置合わせが容易にできるとともに、補助桟木14によって打設されるコンクリートののろの漏出を防止することができる。
また、この型枠兼用外断熱パネル10Aは、既に説明した型枠兼用断熱パネル10と同様にして建て込むことができ、同様の効果を奏する。
なお、上記実施の形態では、2つの型枠兼用外断熱パネル10、10Aを例に説明したが、段差部を設けることや、縦桟木と補助桟木の大きさや本数を変えることなどを組み合わせて構成するようにしても良い。
10,10A 型枠兼用外断熱パネル
11 硬質発泡プラスチックボード
12 縦桟木
12a 桟木取付溝
13,13A 桟木取付通気溝
14 補助桟木
21 横端材
22 フォームタイ
23 打設空間
24 内型枠
25 セパレータ
26 断熱コーン
27 縦端材
28 横端材
29 フォームタイ
30 軸足
31 アンカー部材
41 外装下地材
42 タッピングビス
43 目地シール材
11 硬質発泡プラスチックボード
12 縦桟木
12a 桟木取付溝
13,13A 桟木取付通気溝
14 補助桟木
21 横端材
22 フォームタイ
23 打設空間
24 内型枠
25 セパレータ
26 断熱コーン
27 縦端材
28 横端材
29 フォームタイ
30 軸足
31 アンカー部材
41 外装下地材
42 タッピングビス
43 目地シール材
Claims (9)
- 硬質発泡プラスチックボードの屋外側となる面に、複数本の金属素材からなる縦桟木の一部を埋め込んで設ける一方、これら縦桟木の間に建て込み用の補助桟木の一部を埋め込んで取り付け得るとともに、取り外して通気路とする桟木取付通気溝を設けたことを特徴とする型枠兼用外断熱パネル。
- 前記縦桟木と前記補助桟木とを同一断面形状の金属角パイプで構成したことを特徴とする請求項1記載の型枠兼用外断熱パネル。
- 前記縦桟木を前記硬質発泡プラスチックボードに接着固定する一方、前記補助桟木を前記桟木取付通気溝に着脱可能に装着してなることを特徴とする請求項1または2記載の型枠兼用外断熱パネル。
- 前記縦桟木にコンクリート打設側に突き出すアンカー部材を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の型枠兼用外断熱パネル。
- 前記硬質発泡プラスチックボードの屋外側の左右両端部に、隣接する前記硬質発泡プラスチックボードとで前記補助桟木を取り付け得る段差部を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の型枠兼用外断熱パネル。
- 硬質発泡プラスチックボードの屋外側となる面に、複数本の金属素材の縦桟木が一部を埋め込んで固定された型枠兼用外断熱パネルの前記縦桟木の間に設けられた桟木取付通気溝に、建て込み用の補助桟木の一部を埋め込んで取り付け、この型枠兼用外断熱パネルと打設空間をあけて内側型枠を組み立てた後、前記打設空間にコンクリートを打設・養生し、前記桟木取付通気溝に取り付けた前記補助桟木を取り外して通気路を形成するようにしたことを特徴とする型枠兼用外断パネルを用いた外断熱通気工法。
- 前記縦桟木と前記補助桟木とを同一断面形状の金属角パイプで構成したことを特徴とする請求項6記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法。
- 前記縦桟木にコンクリート打設側に突き出すアンカー部材を取り付けた後、コンクリートを打設するようにしたことを特徴とする請求項6または7記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法。
- 前記型枠兼用外断熱パネルを上下方向に連結して組み立てるとともに、これら型枠兼用外断熱パネルの前記上下の桟木取付通気溝にまたがって前記補助桟木を取り付けるようにしたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の型枠兼用外断熱パネルを用いた外断熱通気工法。
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---|---|---|---|
JP2006041970A JP2007218022A (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法 |
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JP2006041970A JP2007218022A (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006041970A Pending JP2007218022A (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 型枠兼用外断熱パネルおよびこれを用いた外断熱通気工法 |
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JP (1) | JP2007218022A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026919A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-10 | Sato Kogyo Co Ltd | ダブルスキン外壁を備えた建物 |
JP2012167535A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-09-06 | Wood One:Kk | 断熱リフォーム方法及び断熱リフォーム用断熱パネル |
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2006
- 2006-02-20 JP JP2006041970A patent/JP2007218022A/ja active Pending
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