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JP2007216825A - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

車両用エアバッグ装置 Download PDF

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JP2007216825A JP2006039289A JP2006039289A JP2007216825A JP 2007216825 A JP2007216825 A JP 2007216825A JP 2006039289 A JP2006039289 A JP 2006039289A JP 2006039289 A JP2006039289 A JP 2006039289A JP 2007216825 A JP2007216825 A JP 2007216825A
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Abstract

【課題】乗員両肩に対する拘束性能を確保しつつ乗員頭部・頸部に対する反力を軽減することができ、しかも構造の簡素化を図る。
【解決手段】シングルチャンバ構造のエアバッグ本体50の乗員側先端部50Aの内側面には、縦長の低圧膨張部52が形成されている。低圧膨張部52には複数の連通孔56が形成されており、エアバッグ本体50が膨張してからそのガスが連通孔56から流入して膨張するが、エアバッグ本体50の内圧よりも低い圧力で膨張する。この低圧膨張部52に乗員頭部が当接することにより、乗員頭部・頸部に対する反力を軽減することができる。しかも、低圧膨張部52はエアバッグ本体50の内側面に縫製しているだけなので、構造も簡素である。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝突時に乗員側へ向けてエアバッグを展開させる車両用エアバッグ装置に関する。
下記特許文献1には、助手席用エアバッグ装置において、バッグ展開時に、エアバッグにおける乗員頭部当接領域を予め凹状に形成することで、乗員頭部への反力を低減する技術が開示されている。
特開2000−233157号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、予め凹部を形成するためにバッグ基布の形状を変更したり、エアバッグを複数に分割する等、構造が複雑になるという課題がある。
本発明は上記事実を考慮し、乗員両肩に対する拘束性能を確保しつつ乗員頭部・頸部に対する反力を軽減することができ、しかも構造の簡素化を図ることができる車両用エアバッグ装置を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、車両衝突時に作動してガスを噴出するガス供給手段と、前記ガス供給手段からガスの供給を受けて乗員側へ膨張展開し、少なくとも乗員の両肩を拘束するシングルチャンバ構造のエアバッグ本体と、前記エアバッグ本体内における乗員側先端部に乗員頭部の保護領域に対応して設けられ、エアバッグ本体の膨張展開時に当該エアバッグ本体の内圧よりも低い圧力で膨張する低圧膨張部と、を有することを特徴としている。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車両用エアバッグ装置において、前記低圧膨張部は、前記エアバッグ本体内のバッグ幅方向の略中間部にバッグ上下方向に沿って延在されている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の車両用エアバッグ装置において、前記低圧膨張部には、前記エアバッグ本体が先に膨張展開してから当該エアバッグ本体からガスの供給を受けるように連通手段が設けられている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の車両用エアバッグ装置において、前記連通手段は、低圧膨張部を厚さ方向に貫通する一又は二以上の連通孔として構成されている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明は、請求項3記載の車両用エアバッグ装置において、前記連通手段は、低圧膨張部の外周部の所定箇所にエアバッグ本体への非固定部位を設けることにより形成されたガス流入路として構成されている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用エアバッグ装置において、前記低圧膨張部には、当該低圧膨張部の内部とエアバッグ本体の外部とを連通する排気孔が設けられている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、車両衝突時になると、ガス供給手段によってガスが噴出され、エアバッグ本体内へ供給される。これにより、シングルチャンバ構造のエアバッグ本体が乗員側へ膨張展開し、少なくとも乗員の両肩を拘束する。
ここで、本発明では、エアバッグ本体内における乗員側先端部に乗員頭部の保護領域に対応して低圧膨張部を設けたので、エアバッグ本体が膨張展開すると、エアバッグ本体の内圧よりも低い内圧で低圧膨張部が膨張した状態になる。この状態の低圧膨張部に乗員頭部が受け止められて車両衝突時に乗員頭部に作用する衝突エネルギーが吸収される。この際、低圧膨張部はエアバッグ本体に比べて内圧が低いので、乗員頭部への反力が抑制される。
すなわち、本発明によれば、乗員の両肩についてはエアバッグ本体でしっかりと拘束し、乗員頭部については低圧膨張部によってソフトに受け止めて乗員頭部・頸部に入力される荷重反力を下げることができる。
しかも、本発明では、シングルチャンバ構造のエアバッグ本体内における乗員側先端部に低圧膨張部を設ける構成であるため、エアバッグ本体自体は従前のものを使用することができる。従って、本発明の場合、先行技術のようにバッグ基布の裁断形状の変更及びそれに伴う縫製工程の変更や複数のバッグを一体化する工程等は不要である。このため、構造的には非常に簡素なものにすることができる。
請求項2記載の本発明によれば、低圧膨張部はエアバッグ本体内のバッグ幅方向の略中間部にバッグ上下方向に沿って延在するため、乗員の体格差をカバーすることができる。
請求項3記載の本発明によれば、低圧膨張部には連通手段が設けられているため、エアバッグ本体が先に膨張展開した後、連通手段を介して当該エアバッグ本体からガスの供給を受けて膨張する。従って、エアバッグ本体の迅速な展開性能は確保される。
請求項4記載の本発明によれば、連通手段が低圧膨張部を厚さ方向に貫通する一又は二以上の連通孔として構成されているため、エアバッグ本体内のガスはかかる連通孔を通って低圧膨張部内へ流入されてこれを膨張させる。従って、連通孔の数や径を変えることにより、低圧膨張部の内圧を任意に変更することができる。
請求項5記載の本発明によれば、連通手段が低圧膨張部の外周部の所定箇所にエアバッグ本体への非固定部位を設けることにより形成されたガス流入路として構成されているため、エアバッグ本体内のガスはかかるガス流入路を通って低圧膨張部内へ流入されてこれを膨張させる。従って、ガス流入路を絞ったり広げたりすることで、低圧膨張部の内圧を任意に変更することができる。
請求項6記載の本発明によれば、低圧膨張部に、その内部とエアバッグ本体の外部とを連通する排気孔を設けたので、乗員頭部が低圧膨張部に当接してきた際に低圧膨張部内のガスを排気孔から逃がすことができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、乗員両肩に対する拘束性能を確保しつつ乗員頭部・頸部に対する反力を軽減することができ、しかも構造の簡素化を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、乗員の体格の大小に拘わらず、乗員頭部・頸部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、乗員の両肩を迅速に拘束するという基本的な性能が良好に維持されるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、低圧膨張部の内圧のチューニングを容易に行うことができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、低圧膨張部の内圧のチューニングを容易に行うことができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、低圧膨張部に排気孔があることで低圧膨張部内のガスを外部に排出することが可能となり、低圧膨張部内の内圧が過大になることを抑制することができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る車両用エアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用エアバッグ装置としての助手席用エアバッグ装置10の作動状態の平断面構造が示されている。また、図2には、当該助手席用エアバッグ装置10の作動状態の縦断面構造が示されている。さらに、図3には、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10の要部が斜視図で示されている。
これらの図に示されるように、助手席用エアバッグ装置10は、インストルメントパネル12における上面12Aの助手席側に配設されている。助手席用エアバッグ装置10は、機能部品が収容されたエアバッグモジュール14と、当該エアバッグモジュール14の上端開放部を閉塞するエアバッグドア16と、を主要部として構成されている。エアバッグモジュール14は、上面側が開放されかつ機能部品を収容するモジュールケース18と、このモジュールケース18内に収納された略円柱形状のガス供給手段としてのインフレータ20と、このインフレータ20の周囲に折り畳み状態で格納された助手席用エアバッグ44と、を含んで構成されている。なお、装置によってはインフレータ20と助手席用エアバッグ44との間にガスを整流するためのディフューザ(整流手段)が配置されることもある。また、インフレータ20は略円柱形状のものに限らず、略円盤形状のものを用いてもよい。
上記機能部品について補足すると、インフレータ20はガス発生剤封入タイプと高圧ガス封入タイプとがあり、いずれを使用することも可能である。また、インフレータ20は電気着火式と機械着火式とがあり、いずれを使用することも可能であるが、本実施形態では電気着火式を使用している。電気着火式のインフレータ20の場合、図示しない点火装置を備えており、コンソールボックス下方付近等に配設された図示しないエアバッグECUによってその作動が制御されている。すなわち、フロントエアバッグセンサ、センタエアバッグセンサ等によって前面衝突が検出されると(或いはフロントバンパの中央付近に配設されたミリ波レーダ等によるプリクラッシュセンサによって前面衝突することが予測されると)、エアバッグECUでエアバッグ作動と判定されて点火装置に所定電流が通電されるようになっている。
また、インフレータ20の周壁部の所定位置にはガスを噴出するためのガス噴出孔が形成されており、かかるガス噴出孔から噴出されたガスがディフューザによって整流されてから助手席用エアバッグ44内へ流入されるようになっている。また、本実施形態では、助手席用エアバッグ44内にインフレータ20が挿入状態で配置される構成を採っているが、これに限らず、例えば、助手席用エアバッグ44に形成されたガス流入用開口部の周縁内側にディフューザを配置し、当該ディフューザによってモジュールケース18の底部に固定されたインフレータ20の上半分が覆われるように助手席用エアバッグ44を配置するようにしてもよく、インフレータ20から噴出されたガスが助手席用エアバッグ44内へ流入される構成であればすべて適用可能である。
上記モジュールケース18はインストルメントパネル12内に車両幅方向に沿って配置された高強度・高剛性部材であるインパネリインフォースメントに図示しないブラケットを介して支持されている。
一方、エアバッグドア16はインストルメントパネル12に一体化されるタイプと別体のドアをインストルメントパネル12に形成された開口部に嵌め込むタイプとがあり、どちらのタイプを適用してもよい。インストルメントパネル12の表面側又は裏面側にはエアバッグドア16を展開させるための破断部として機能するティアラインが形成されており、エアバッグドア16に作用するバッグ膨張圧が所定値以上になると、ティアラインに沿ってインストルメントパネル12が破断して片開き又は両開きするようになっている。なお、エアバッグドア16の裏面側からは脚部16Aが一体に形成されており、この脚部16Aには係止孔24が形成されている。これに対応して、モジュールケース18の上端側にはフック26が取り付けられており、エアバッグドア16の脚部16Aの係止孔24内へモジュールケース18のフック26を挿入係止させることにより、モジュールケース18の上面側がエアバッグドア16によって塞がれるようになっている。
ここで、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10の要部である助手席用エアバッグ44の構造について詳細に説明する。
図1及び図2に示されるように、助手席用エアバッグ44は、袋状に形成されたシングルチャンバ構造のエアバッグ本体50と、このエアバッグ本体50の内部における乗員側先端部50Aに設けられた低圧膨張部52と、を備えている。低圧膨張部52はエアバッグ本体50のバッグ幅方向の中間部に配置されており、バッグ上下方向に沿って延在されている。つまり、低圧膨張部52は、前面衝突時における乗員頭部の保護領域に対応して設けられている。
図3に示されるように、低圧膨張部52はその外周部が全周に亘って縫製されている。また、低圧膨張部52の縫製部54の内側には、低圧膨張部52の基布を厚さ方向に貫通する左右一対の連通手段としての連通孔56がバッグ上下方向に複数対形成されている。これにより、エアバッグ本体50の内部と低圧膨張部52の内部とが相互に連通されている。因みに、助手席用エアバッグ44の膨張展開時では、エアバッグ本体50の内圧を1とすると、低圧膨張部52の内圧は1/2〜1/3程度に設定される。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
まず最初に、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10の全体的な作動を概説する。図示しないフロントエアバッグセンサ及びセンタエアバッグセンサによって前面衝突状態が検出されると、或いは図示しないプリクラッシュセンサによって前面衝突することが予測されると、エアバッグECUによってインフレータ20が作動される。インフレータ20が作動すると、インフレータ20の周壁部に形成された複数のガス噴出孔からガスが噴出される。噴出されたガスはディフューザによって整流された後に、助手席用エアバッグ44内へ流入される。その結果、助手席用エアバッグ44が膨張し、バッグ内圧が所定値以上に達すると、エアバッグドア16がティアラインに沿って破断して、ウインドシールドガラス46の内側面46A側へ片開きに展開される。エアバッグドア16が展開すると、インストルメントパネル12の上面12Aにバッグ膨出用開口部48が形成されて、助手席用エアバッグ44が助手席28側へ向けて膨出される。
ここで、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10では、エアバッグ本体50内における乗員側先端部50Aに乗員頭部の保護領域に対応して低圧膨張部52を設けたので、エアバッグ本体50が膨張展開すると、その後に複数の連通孔56を通ってガスが低圧膨張部52内へ流入される(ガスの流入を図1〜図3に矢印Aで示す)。これにより、エアバッグ本体50が先行して膨張展開し、その後に低圧膨張部52が遅れて膨張する。低圧膨張部52は複数の連通孔56の径や個数によってガスの流入規制がされているため、エアバッグ本体50の内圧よりも低い内圧で低圧膨張部52は膨張した状態になる。この状態の低圧膨張部52に乗員頭部が受け止められて前面衝突時に乗員頭部に作用する衝突エネルギーが吸収される。この際、低圧膨張部52はエアバッグ本体50に比べて内圧が低いので、乗員頭部への反力が抑制される。
すなわち、本実施形態によれば、乗員の両肩についてはエアバッグ本体50でしっかりと拘束し、乗員頭部については低圧膨張部52によってソフトに受け止めて乗員頭部・頸部に入力される荷重反力を下げることができる。
しかも、本実施形態では、シングルチャンバ構造のエアバッグ本体50内における乗員側先端部50Aに低圧膨張部52を設ける構成であるため、エアバッグ本体50自体は従前のものを使用することができる。従って、本実施形態の場合、先行技術のようにバッグ基布の裁断形状の変更及びそれに伴う縫製工程の変更や複数のバッグを一体化する工程等は不要である。このため、構造的には非常に簡素なものにすることができる。
以上より、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10によれば、乗員両肩に対する拘束性能を確保しつつ乗員頭部・頸部に対する反力を軽減することができ、しかも構造の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10では、低圧膨張部52がエアバッグ本体50内のバッグ幅方向の略中間部にバッグ上下方向に沿って延在するため、乗員の体格差をカバーすることができる。つまり、相対的に大柄な乗員の場合には、頭部の位置が相対的に高くなり、逆に相対的に小柄な乗員の場合には、頭部の位置が相対的に低くなるが、低圧膨張部52がバッグ上下方向に沿って延在すれば、広範囲の体格の乗員に対して効果を発揮することができる。従って、本実施形態によれば、乗員の体格の大小に拘わらず、乗員頭部・頸部の保護性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10では、低圧膨張部52の外周部については全周に亘って縫製し、縫製部54の内側に複数の連通孔56を設定する構成であるため、エアバッグ本体50が先に膨張展開した後に、複数の連通孔56を介して当該エアバッグ本体50からガスの供給を受けて膨張する。従って、エアバッグ本体50の迅速な展開性能は確保される。その結果、本実施形態によれば、乗員の両肩を迅速に拘束するという基本的な性能を良好に維持することができる。
加えて、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10では、連通手段が低圧膨張部52を厚さ方向に貫通する複数の連通孔56として構成されているため、エアバッグ本体50内のガスはかかる連通孔56を通って低圧膨張部52内へ流入されてこれを膨張させる。従って、連通孔56の数や径を変えることにより、低圧膨張部52の内圧を任意に変更することができる。よって、本実施形態によれば、低圧膨張部52の内圧のチューニングを容易に行うことができる。
なお、図4に示されるように、低圧膨張部52の乗員側面を構成するエアバッグ本体50のバッグ基布58に低圧膨張部52の内部とエアバッグ本体50の外部とを連通する排気孔(ベントホール)60を形成してもよい。この場合、乗員頭部が低圧膨張部52に当接してきた際に低圧膨張部52内のガスを排気孔60から逃がすことができる。従って、低圧膨張部52内の内圧が過大になることを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図5を用いて、本発明に係る車両用エアバッグ装置の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図5に示されるように、この第2実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10では、低圧膨張部70の外周部が全周に亘って縫製されるのではなく、両サイドのみ縫製されており、上端部及び下端部にはエアバッグ本体50の内部と連通する連通手段としてのガス流入路72が形成されている点に特徴がある。
なお、低圧膨張部70の上端側及び下端側のガス流入路72は一般部70Aに比べて絞られている。
上記構成によれば、前面衝突時、エアバッグ本体50を膨張させたガスは、低圧膨張部70のガス流入路72から流入してきてこれを膨張させる(ガスの流入を図5に矢印Bで示す)。従って、ガス流入路72を絞ったり広げたりすることで、低圧膨張部70の内圧を任意に変更することができる。その結果、本実施形態によれば、低圧膨張部70の内圧のチューニングを容易に行うことができる。
なお、上記実施形態では、低圧膨張部70の上端部及び下端部のガス流入路72からガスが入り込むようになっていたが、これに限らず、低圧膨張部70の上端部及び下端部は閉止して両側部の一部を開放する構成を採ってもよい。
〔上記実施形態の補足説明〕
上述した各実施形態では、助手席用エアバッグ装置10に本発明を適用することを前提として説明してきたが、これに限らず、ステアリング構造が従前のステアリングホイールを使わないレバー操作タイプの車両等の場合には、運転席用エアバッグ装置として本発明を適用することも可能である。
また、本発明における「前面衝突時」には、エアバッグセンサによって自己の車両が前面衝突した状態が検出された場合が含まれる他、プリクラッシュセンサ等の衝突予測センサによって自己の車両が相手車両等と前面衝突することが予測された場合も含まれる。
さらに、上述した各実施形態では、連通孔56、ガス流入路72が複数個形成されていたが、これに限らず、1個でもよい。
第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置の作動状態の平断面図である。 図1に示される助手席用エアバッグ装置の作動状態の縦断面図である。 第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置の要部を拡大して示す拡大斜視図である。 低圧膨張部の変形例を示す図3に対応する拡大斜視図である。 第2実施形態に係る車両用エアバッグ装置の要部を拡大して示す拡大斜視図である。
符号の説明
10 助手席用エアバッグ装置(車両用エアバッグ装置)
20 インフレータ(ガス供給手段)
44 助手席用エアバッグ
50 エアバッグ本体
50A 乗員側先端部
52 低圧膨張部
54 縫製部
56 連通孔(連通手段)
58 バッグ基布(低圧膨張部)
60 排気孔
70 低圧膨張部
72 ガス流入路(連通手段)

Claims (6)

  1. 車両衝突時に作動してガスを噴出するガス供給手段と、
    前記ガス供給手段からガスの供給を受けて乗員側へ膨張展開し、少なくとも乗員の両肩を拘束するシングルチャンバ構造のエアバッグ本体と、
    前記エアバッグ本体内における乗員側先端部に乗員頭部の保護領域に対応して設けられ、エアバッグ本体の膨張展開時に当該エアバッグ本体の内圧よりも低い圧力で膨張する低圧膨張部と、
    を有することを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  2. 前記低圧膨張部は、前記エアバッグ本体内のバッグ幅方向の略中間部にバッグ上下方向に沿って延在されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置。
  3. 前記低圧膨張部には、前記エアバッグ本体が先に膨張展開してから当該エアバッグ本体からガスの供給を受けるように連通手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用エアバッグ装置。
  4. 前記連通手段は、低圧膨張部を厚さ方向に貫通する一又は二以上の連通孔として構成されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の車両用エアバッグ装置。
  5. 前記連通手段は、低圧膨張部の外周部の所定箇所にエアバッグ本体への非固定部位を設けることにより形成されたガス流入路として構成されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の車両用エアバッグ装置。
  6. 前記低圧膨張部には、当該低圧膨張部の内部とエアバッグ本体の外部とを連通する排気孔が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用エアバッグ装置。
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