JP2007216687A - 銅張積層板の製造方法、電子部品用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来公知の基板用の銅張積層板では不可能であったファインパタ−ン化への対応を可能とするためのオ−ルポリイミドの基板材料として好適な銅張積層板を提供する。
【解決手段】 耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとが加圧下に熱圧着−冷却して積層されてなり、銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとの接着強度が0.7N/mm以上で、キャリアと銅箔との剥離強度が0.2N/mm以下である銅張積層板、及びダブルベルトプレスによって加圧下に、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上で400℃以下の温度で熱圧着−冷却して積層する前記の銅張積層板の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとが加圧下に熱圧着−冷却して積層されてなり、銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとの接着強度が0.7N/mm以上で、キャリアと銅箔との剥離強度が0.2N/mm以下である銅張積層板、及びダブルベルトプレスによって加圧下に、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上で400℃以下の温度で熱圧着−冷却して積層する前記の銅張積層板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
この発明は、銅張積層板及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは極薄の銅箔を使用するにも関わらず大きな接着強度を有し、製品外観が良好であり、基板材料として好適な銅張積層板に関するものである。
カメラ、パソコン、液晶ディスプレイなどの電子機器類への用途として芳香族ポリイミドフィルムは広く使用されている。
芳香族ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント板(FPC)やテ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料として使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
芳香族ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント板(FPC)やテ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料として使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
芳香族ポリイミドフィルムは耐熱性、機械的強度、電気的特性などが優れているが、接着剤の耐熱性等が劣るため、本来のポリイミドの特性を損なうことが指摘されている。
このような問題を解決するために、接着剤を使用しないでポリイミドフィルムに銅を電気メッキしたり、銅箔にポリアミック酸溶液を塗布し、乾燥、イミド化したり、熱可塑性ポリイミドを熱圧着させたオ−ルポリイミド基材が開発されている。
しかし、これらの方法によって得られるオ−ルポリイミドの金属箔積層体は、接着強度が小さいとか、接着強度は大きいが広幅、長尺の製品を得ることが困難であり、塗工厚みが厚い場合にイミド化に長時間を要し生産性が悪いという問題点が指摘されている。
このような問題を解決するために、接着剤を使用しないでポリイミドフィルムに銅を電気メッキしたり、銅箔にポリアミック酸溶液を塗布し、乾燥、イミド化したり、熱可塑性ポリイミドを熱圧着させたオ−ルポリイミド基材が開発されている。
しかし、これらの方法によって得られるオ−ルポリイミドの金属箔積層体は、接着強度が小さいとか、接着強度は大きいが広幅、長尺の製品を得ることが困難であり、塗工厚みが厚い場合にイミド化に長時間を要し生産性が悪いという問題点が指摘されている。
また、特許文献1には、ポリイミドフィルムと金属箔との間にポリイミド接着剤をサンドイッチ状に接合したポリイミドラミネ−トが知られている。
しかし、このポリイミドラミネ−トでは、低熱線膨張のビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミドフィルムについては接着強度が小さく使用できないという問題がある。
しかし、このポリイミドラミネ−トでは、低熱線膨張のビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミドフィルムについては接着強度が小さく使用できないという問題がある。
このため、ロ−ルラミネ−ト法においてラミネ−トロ−ルの材質として特定の硬度を有する金属を使用する方法や、熱圧着性のポリイミドとして特定の芳香族ジアミンによって得られたものを使用する方法が提案されている。
しかし、このポリイミドラミネ−トおよびその製法は、接着強度の大きい銅張積層板を得ることが困難であった。
しかし、このポリイミドラミネ−トおよびその製法は、接着強度の大きい銅張積層板を得ることが困難であった。
一方、ファインパタ−ン化の要求は大きく、銅箔として12μm程度の厚みのものが使用されはじめている。
しかし、このような改良によっても更なるファインパタ−ン化への要求には対応が困難である。
このため、蒸着またはスパッタ法によってあらかじめポリイミドフィルムに下地金属層を形成し銅メッキによって所定の厚さの銅メッキして得られる積層板や、キャリア無しあるいは有機系接合剤を使用したキャリア付き極薄銅箔をポリイミドフィルムにラミネ−トする試みもされているが、得られる銅張積層板は接着強度が小さいとか銅張基板に発泡が生じるとか後工程の加熱時に剥離するという問題が指摘されている。
米国特許第4543295号公報
しかし、このような改良によっても更なるファインパタ−ン化への要求には対応が困難である。
このため、蒸着またはスパッタ法によってあらかじめポリイミドフィルムに下地金属層を形成し銅メッキによって所定の厚さの銅メッキして得られる積層板や、キャリア無しあるいは有機系接合剤を使用したキャリア付き極薄銅箔をポリイミドフィルムにラミネ−トする試みもされているが、得られる銅張積層板は接着強度が小さいとか銅張基板に発泡が生じるとか後工程の加熱時に剥離するという問題が指摘されている。
この発明の目的は、従来公知の基板用の銅張積層板では不可能であったファインパタ−ン化への対応を可能とするための極薄銅箔を使用することによる接着強度が小さいこと及び発泡の発生や加熱時の剥離発生等の問題点を解消した、オ−ルポリイミドの基板材料として好適な銅張積層板を提供することである。
すなわち、この発明は、耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとが加圧下に熱圧着−冷却して積層されてなり、銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとの接着強度が0.7N/mm以上で、キャリアと銅箔との剥離強度が0.2N/mm以下である銅張積層板に関する。
また、この発明は、耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとをダブルベルトプレスによって加圧下に、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上で400℃以下の温度で熱圧着−冷却して積層する前記の銅張積層板の製造方法に関する。
この発明によれば、以上のような構成を有しているため、次のような効果を奏する。
この発明によれば、接着強度が大きく外観良好で極薄銅箔であるため細線パタ−ンエッチングに対応できる銅張積層板を得ることができ、特に40μmピッチ以下の細線配線に有効な銅張積層板を得ることができる。
また、この発明によれば、上記の銅張積層板を容易に得ることができる。
この発明によれば、接着強度が大きく外観良好で極薄銅箔であるため細線パタ−ンエッチングに対応できる銅張積層板を得ることができ、特に40μmピッチ以下の細線配線に有効な銅張積層板を得ることができる。
また、この発明によれば、上記の銅張積層板を容易に得ることができる。
以下にこの発明の好ましい態様を列記ずる。
1)耐熱性キャリア付き極薄銅箔が、厚み1〜7μmの極薄銅箔を積層したものである上記の銅張積層板。
2)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、厚み7〜50μmである上記の銅張積層板。
3)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、共押出−流延製膜成形法によって高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を積層一体化して得られるものである上記の銅張積層板。
1)耐熱性キャリア付き極薄銅箔が、厚み1〜7μmの極薄銅箔を積層したものである上記の銅張積層板。
2)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、厚み7〜50μmである上記の銅張積層板。
3)熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、共押出−流延製膜成形法によって高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を積層一体化して得られるものである上記の銅張積層板。
この発明の銅張積層板の構成としては、例えば次の組み合わせが挙げられる。
次の記載でTPI−Fは熱圧着性多層ポリイミドフィルムを示す。
(1)耐熱性キャリア付き極薄銅箔/TPI−F
(2)耐熱性キャリア付き極薄銅箔/TPI−F/金属箔またはセラミック箔
(3)耐熱性キャリア付き極薄銅箔/TPI−F/TPI/耐熱性キャリア付き極薄銅箔
次の記載でTPI−Fは熱圧着性多層ポリイミドフィルムを示す。
(1)耐熱性キャリア付き極薄銅箔/TPI−F
(2)耐熱性キャリア付き極薄銅箔/TPI−F/金属箔またはセラミック箔
(3)耐熱性キャリア付き極薄銅箔/TPI−F/TPI/耐熱性キャリア付き極薄銅箔
この発明においては、耐熱性キャリア付き極薄銅箔を使用することが必要である。この耐熱性キャリア付き極薄銅箔のキャリアとしては、金属系、セラミックス系等の耐熱性を有する接合剤と厚み20〜35μm程度の肉厚の銅箔などの金属とからなるものが挙げられ、極薄銅箔の厚みが3〜5μmであるものが好適である。
前記の耐熱性キャリア付き極薄銅箔の具体例としては、例えばオ−リン社製の極薄銅箔(XTF:厚さ5μm/35μm、厚さ3μm/35μm、いずれも極薄銅箔/キャリア銅箔)、古河電気工業社製の極薄銅箔(F−CP:厚さ5μm/35μm、厚さ3μm/35μm、いずれも極薄銅箔/キャリア銅箔)が挙げられる。
この発明における熱圧着性多層ポリイミドフィルムは、例えば高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体(ポリアミック酸ともいう)溶液乾燥膜の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液を積層した後、あるいは好ましくは、共押出し−流延製膜法によって高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液を積層した後、乾燥、イミド化して熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得る方法によって得ることができる。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミドとしては、300〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑性の芳香族ポリイミドであれば何でも良い。好適には1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)(以下、TPERと略記することもある。)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある。)とから製造される。
また、前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(DANPG)と4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造される。
あるいは、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)およびピロメリット酸二無水物と1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから製造される。
また、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから、あるいは3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから製造される。
また、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、単にs−BPDAと略記することもある。)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下、単にDADEと略記することもある。)とから製造される。
また、前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(DANPG)と4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造される。
あるいは、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)およびピロメリット酸二無水物と1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから製造される。
また、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから、あるいは3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから製造される。
また、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、単にs−BPDAと略記することもある。)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下、単にDADEと略記することもある。)とから製造される。
この熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のテトラカルボン酸二無水物、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物などで置き換えられてもよい。
また、熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどの複数のベンゼン環を有する芳香族ジアミン、によって置き換えられてもよい。
前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドのアミン末端を封止するためにジカルボン酸類、例えば、フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロフタル酸およびその置換体など、特に、無水フタル酸を使用してもよい。
また、熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどの複数のベンゼン環を有する芳香族ジアミン、によって置き換えられてもよい。
前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドのアミン末端を封止するためにジカルボン酸類、例えば、フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロフタル酸およびその置換体など、特に、無水フタル酸を使用してもよい。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムにおける高耐熱性の芳香族ポリイミドは、好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラ−フェニレンジアミン(以下単にPPDと略記することもある。)と場合によりさらに4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルおよび/またはピロメリット酸二無水物(以下単にPMDAと略記することもある。)とから製造される。この場合PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。また、s−BPDA/PMDAは100:0〜50/50であることが好ましい。
また、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、ピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。この場合DADE/PPD(モル比)は90/10〜10/90であることが好ましい。
さらに、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)とパラフェニレンジアミン(PPD)および4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADE)とから製造される。この場合、酸二無水物中BTDAが20〜90モル%、PMDAが10〜80モル%、ジアミン中PPDが30〜90モル%、DADEが10〜70モル%であることが好ましい。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で、他の種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン等を使用してもよい。
また、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミンの芳香環にフッ素基、水酸基、メチル基あるいはメトキシ基などの置換基を導入してもよい。
さらに、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)とパラフェニレンジアミン(PPD)および4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADE)とから製造される。この場合、酸二無水物中BTDAが20〜90モル%、PMDAが10〜80モル%、ジアミン中PPDが30〜90モル%、DADEが10〜70モル%であることが好ましい。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で、他の種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン等を使用してもよい。
また、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミンの芳香環にフッ素基、水酸基、メチル基あるいはメトキシ基などの置換基を導入してもよい。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドとしては、単層のポリイミドフィルムの場合にガラス転移温度が約340℃未満程度の温度では確認不可能であるものが好ましく、特に線膨張係数(50〜200℃)(MD、TDおよびこれらの平均のいずれも)が5×10−6〜25×10−6cm/cm/℃であるものが好ましい。
この高耐熱性の芳香族ポリイミドの合成は、最終的に各成分の割合が前記範囲内であればランダム重合、ブロック重合、ブレンド、あるいはあらかじめ2種類以上のポリアミック酸溶液を合成しておき各ポリアミック酸溶液を混合してポリアミック酸の再結合によって共重合体を得る、いずれの方法によっても達成される。
この高耐熱性の芳香族ポリイミドの合成は、最終的に各成分の割合が前記範囲内であればランダム重合、ブロック重合、ブレンド、あるいはあらかじめ2種類以上のポリアミック酸溶液を合成しておき各ポリアミック酸溶液を混合してポリアミック酸の再結合によって共重合体を得る、いずれの方法によっても達成される。
前記のポリアミック酸を得るために使用する有機溶媒は、高耐熱性の芳香族ポリイミドおよび熱圧着性の芳香族ポリイミドのいずれに対しても、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾ−ル類などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリアミック酸のゲル化を制限する目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル等をポリアミック酸重合時に固形分(ポリマ−)濃度に対して0.01〜1%の範囲で添加することができる。また、イミド化促進の目的で、ド−プ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができる。例えば、イミダゾ−ル、2−イミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ルなどをポリアミック酸(固形分)に対して0.01〜20重量%、特に0.5〜10重量%の割合で使用することができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを形成するため、イミド化が不十分となることを避けるために使用する。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造においては、好適には共押出し−流延製膜法、例えば上記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を共押出して、これをステンレス鏡面、ベルト面等の支持体面上に流延塗布し、100〜200℃で半硬化状態またはそれ以前の乾燥状態とする方法が採用できる。200℃を越えた高い温度で流延フィルムを処理すると、熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造において、接着性の低下などの欠陥を来す傾向にある。この半硬化状態またはそれ以前の状態とは、加熱および/または化学イミド化によって自己支持性の状態にあることを意味する。
前記高耐熱性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸の溶液と熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸の溶液との共押出しは、例えば特開平3−180343号公報(特公平7−102661号公報)に記載の共押出法によって二層あるいは三層の押出し成形用ダイスに供給し、支持体上にキャストしておこなうことができる。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与える押出し物層の片面あるいは両面に、熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を積層して多層フィルム状物を形成して乾燥後、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上で劣化が生じる温度以下の温度、好適には300〜400℃の温度(表面温度計で測定した表面温度)まで加熱して(好適にはこの温度で1〜60分間加熱して)乾燥およびイミド化して、高耐熱性(基体層)の芳香族奥ポリイミドの片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドを有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを製造することができる。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与える押出し物層の片面あるいは両面に、熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を積層して多層フィルム状物を形成して乾燥後、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上で劣化が生じる温度以下の温度、好適には300〜400℃の温度(表面温度計で測定した表面温度)まで加熱して(好適にはこの温度で1〜60分間加熱して)乾燥およびイミド化して、高耐熱性(基体層)の芳香族奥ポリイミドの片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドを有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを製造することができる。
この発明における熱圧着性多層ポリイミドを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミドは、前記の酸成分とジアミン成分とを使用することによって、ガラス転移温度が180〜275℃、特に200〜275℃であって、好適には前記の条件で乾燥・イミド化して熱圧着性の芳香族ポリイミドのゲル化を実質的に起こさせないことによって得られる、ガラス転移温度以上で300℃以下の範囲内の温度で液状化せず、かつ弾性率が、通常275℃での弾性率が室温付近の温度(50℃)での弾性率の0.0002〜0.2倍程度を保持しているものが好ましい。
この発明において、前記の熱圧着性多層ポリイミドを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミド層の厚みは各々0.5〜10μm、特に1〜8μm程度が好ましい。0.5μm未満では接着性能が低下し、10μmを超えても使用可能であるが特に効果はなく、むしろ銅張積層板の耐熱性が低下する。
また、この発明において、前記の熱圧着性多層ポリイミドを構成する高耐熱性の(基体層)ポリイミド層の厚さは5〜50μm、特に5〜40μmであることが好ましい。5μm未満では作成した熱圧着性多層ポリイミドフィルムの機械的強度、寸法安定性に問題が生じる。
また、熱圧着性多層ポリイミドフィルムは厚みが7〜50μm、特に7〜50μmであることが好ましい。7μm未満では作成したフィルムの取り扱いが難しく、50μmより厚くなるとファインパタ−ン化に不利である。
また、この発明において、前記の熱圧着性多層ポリイミドを構成する高耐熱性の(基体層)ポリイミド層の厚さは5〜50μm、特に5〜40μmであることが好ましい。5μm未満では作成した熱圧着性多層ポリイミドフィルムの機械的強度、寸法安定性に問題が生じる。
また、熱圧着性多層ポリイミドフィルムは厚みが7〜50μm、特に7〜50μmであることが好ましい。7μm未満では作成したフィルムの取り扱いが難しく、50μmより厚くなるとファインパタ−ン化に不利である。
前記の共押出し−流延製膜法によれば、高耐熱性の芳香族ポリイミド層とその片面あるいは両面の熱圧着性の芳香族ポリイミドとを比較的低温度でキュアして熱圧着性の芳香族ポリイミドの劣化を来すことなく、自己支持性フィルムのイミド化、乾燥を完了させることができ、良好な電気特性および接着強度を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得ることができる。
この発明においては、前記の耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムと、場合によりさらに同種の耐熱性キャリア付き極薄銅箔あるいは異種の金属箔とをダブルベルトプレスに導入し、好適には導入する直前のインラインで150〜250℃程度に予熱して、加圧下に高温加熱−冷却して積層一体化して、銅張積層板を得る。
また、ダブルベルトプレスの加熱圧着ゾ−ンの温度が熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上高く400℃以下の温度、特にガラス転移温度より30℃以上高く400℃以下の温度で加圧下に熱圧着し、引き続いて冷却ゾ−ンで加圧下に冷却して、好適には熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上低い温度、特に30℃以上低い温度まで冷却して、銅張積層板を得ることが好ましい。
前記の方法において、3層構造の熱圧着性多層ポリイミドフィルムを使用して片面耐熱性キャリア付き極薄銅箔の1層と積層する場合には、剥離容易な高耐熱性フィルム、例えばRzが2μm未満の高耐熱性フィルム、好適にはポリイミドフィルム(宇部興産社製、ユ−ピレックスS)やフッ素樹脂フィルムなどの高耐熱性樹脂フィルムや圧延銅箔などであって表面粗さが小さく表面平滑性の良好な金属箔を保護材として、巻き取り時に熱圧着性ポリイミド層と他の耐熱性キャリア付き極薄銅箔の耐熱性キャリア面との間に介在させてもよい。この保護材は積層後、積層体から除いて巻き取っても良く、保護材を積層したままで巻き取って使用時に取り除いてもよい。
この発明においては、耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとをダブルベルトプレスによって加圧下に、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上で400℃以下の温度で熱圧着−冷却して積層することによって、銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとの接着強度が0.7N/mm以上で、キャリアと銅箔との剥離強度が0.2N/mm以下、好適には0.1N/mm以下であり、耐熱性キャリア表面に発泡が実質的に認められない程外観が良好な銅張積層板を得ることができる。
この発明の銅張積層板は、そのままあるいはロ−ル巻き、エッチング、および場合によりカ−ル戻し等の各処理を行った後、必要ならば所定の大きさに切断して、電子部品用基板として使用できる。
例えば、FPC、TAB、多層FPC、フレックスリジッド基板の基板として好適に使用することができる。
また、耐熱性キャリアを剥離した極薄銅箔の厚みが1〜7μm、特に3〜5μmで熱圧着性多層ポリイミドフィルム層の厚みが7〜50μmである片面銅箔積層体(全体厚みが15〜27μm)あるいは両面銅箔積層体(全体厚みが25〜40μm)から、エポキシ系接着剤あるいは熱可塑性ポリイミドや熱可塑性ポリアミドイミドあるいはポリイミドシロキサン−エポキシ系などの耐熱性ポリイミド系接着剤から選ばれる耐熱性接着剤(厚み5〜50μm、好ましくは5〜15μm、特に7〜12μm)で複数の銅箔積層体を接着することによって銅箔積層体が2〜10層で、高耐熱性・低吸水・低誘電率・高電気特性を満足する多層基板を好適に得ることができる。
この発明の銅張積層板には、長尺状のものだけでなく前記のように長尺状のものを所定の大きさに切断したものも含まれる。
例えば、FPC、TAB、多層FPC、フレックスリジッド基板の基板として好適に使用することができる。
また、耐熱性キャリアを剥離した極薄銅箔の厚みが1〜7μm、特に3〜5μmで熱圧着性多層ポリイミドフィルム層の厚みが7〜50μmである片面銅箔積層体(全体厚みが15〜27μm)あるいは両面銅箔積層体(全体厚みが25〜40μm)から、エポキシ系接着剤あるいは熱可塑性ポリイミドや熱可塑性ポリアミドイミドあるいはポリイミドシロキサン−エポキシ系などの耐熱性ポリイミド系接着剤から選ばれる耐熱性接着剤(厚み5〜50μm、好ましくは5〜15μm、特に7〜12μm)で複数の銅箔積層体を接着することによって銅箔積層体が2〜10層で、高耐熱性・低吸水・低誘電率・高電気特性を満足する多層基板を好適に得ることができる。
この発明の銅張積層板には、長尺状のものだけでなく前記のように長尺状のものを所定の大きさに切断したものも含まれる。
この発明の銅張積層板には、耐熱性キャリアを剥離してそれ自体公知のエッチング工程および加熱工程の逐次処理を加えて、回路基板として使用される。
前記のエッチング工程としては、例えば銅張積層板の銅箔を常温で塩化第二鉄水溶液などのエッチング処理液によってエッチング処理する方法が挙げられる。また、前記の加熱工程としては、例えば耐熱性キャリアを剥離した銅張積層板を280℃の半田浴に10秒間程度浸漬する半田処理や、他の銅張積層板と耐熱性接着剤によって積層して多層基板とする加熱圧着が挙げられる。
前記のエッチング工程としては、例えば銅張積層板の銅箔を常温で塩化第二鉄水溶液などのエッチング処理液によってエッチング処理する方法が挙げられる。また、前記の加熱工程としては、例えば耐熱性キャリアを剥離した銅張積層板を280℃の半田浴に10秒間程度浸漬する半田処理や、他の銅張積層板と耐熱性接着剤によって積層して多層基板とする加熱圧着が挙げられる。
以下、この発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
以下の各例において、物性評価は以下の方法に従って行った。
熱線膨張係数:50−200℃、5℃/分で測定(TD、MDの平均値)、cm/cm/℃
ガラス転移温度(Tg):粘弾性より測定。
接着強度:銅厚さを厚付けメッキでさらに10μm程増した状態で、90°剥離強度を10mm幅の試料について、50mm/分の速度で測定した。
剥離強度:キャリア銅箔と極薄銅箔との間の90°剥離強度を10mm幅の試料について、50mm/分の速度で測定した。
製品外観:積層後の製品外観について、発泡による膨れの有無を目視判定して評価。
○は発泡無しで良好、△は一部に発泡有り、×全面に発泡が発生
総合評価:○は良好、△はやや良好、×は不良
以下の各例において、物性評価は以下の方法に従って行った。
熱線膨張係数:50−200℃、5℃/分で測定(TD、MDの平均値)、cm/cm/℃
ガラス転移温度(Tg):粘弾性より測定。
接着強度:銅厚さを厚付けメッキでさらに10μm程増した状態で、90°剥離強度を10mm幅の試料について、50mm/分の速度で測定した。
剥離強度:キャリア銅箔と極薄銅箔との間の90°剥離強度を10mm幅の試料について、50mm/分の速度で測定した。
製品外観:積層後の製品外観について、発泡による膨れの有無を目視判定して評価。
○は発泡無しで良好、△は一部に発泡有り、×全面に発泡が発生
総合評価:○は良好、△はやや良好、×は不良
高耐熱性の芳香族ポリイミド製造用ド−プの合成例1
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、パラフェニレンジアミンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:998のモル比でモノマ−濃度が18%(重量%、以下同じ)になるように加えた。添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けた。得られたポリアミック酸溶液は褐色粘調液体であり、25℃における溶液粘度は約1500ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、パラフェニレンジアミンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:998のモル比でモノマ−濃度が18%(重量%、以下同じ)になるように加えた。添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けた。得られたポリアミック酸溶液は褐色粘調液体であり、25℃における溶液粘度は約1500ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プの合成−1
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを20:80:50:50のモル比でモノマ−濃度が22%になるように、またトリフェニルホスフェ−トをモノマ−重量に対して0.1%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続けた。このポリアミック酸溶液は、25℃における溶液粘度が約2000ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを20:80:50:50のモル比でモノマ−濃度が22%になるように、またトリフェニルホスフェ−トをモノマ−重量に対して0.1%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続けた。このポリアミック酸溶液は、25℃における溶液粘度が約2000ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
参考例1
上記の高耐熱性の芳香族ポリイミド用ド−プと熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プとを三層押出し成形用ダイス(マルチマニホ−ルド型ダイス)を設けた製膜装置を使用し、ダイスの厚みを変え、金属製支持体上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィルムを形成した。この固化フィルムを支持体から剥離した後加熱炉で200℃から320℃まで徐々に昇温して溶媒の除去、イミド化を行って、次の2種類の熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムを巻き取りロ−ルに巻き取った。
この熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムは、次のような物性を示した。
上記の高耐熱性の芳香族ポリイミド用ド−プと熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プとを三層押出し成形用ダイス(マルチマニホ−ルド型ダイス)を設けた製膜装置を使用し、ダイスの厚みを変え、金属製支持体上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィルムを形成した。この固化フィルムを支持体から剥離した後加熱炉で200℃から320℃まで徐々に昇温して溶媒の除去、イミド化を行って、次の2種類の熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムを巻き取りロ−ルに巻き取った。
この熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムは、次のような物性を示した。
1)熱圧着性多層ポリイミドフィルム
厚み構成:4μm/17μm/4μm(合計25μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:261℃
熱線膨張係数(50〜200℃):19×10−6×cm/cm/℃
体積抵抗:5×1015Ω・cm
2)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2
厚み構成:5μm/28μm/5μm(合計38μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:265℃
熱線膨張係数(50〜200℃):20×10−6×cm/cm/℃
体積抵抗:6×1015Ω・cm
厚み構成:4μm/17μm/4μm(合計25μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:261℃
熱線膨張係数(50〜200℃):19×10−6×cm/cm/℃
体積抵抗:5×1015Ω・cm
2)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2
厚み構成:5μm/28μm/5μm(合計38μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:265℃
熱線膨張係数(50〜200℃):20×10−6×cm/cm/℃
体積抵抗:6×1015Ω・cm
実施例1
熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−1と、耐熱性キャリア付き極薄銅箔としてオ−リン社製のXTF(極薄銅箔の厚さ5μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)2枚とを、ダブルベルトプレスに連続的に供給し、予熱後、加熱ゾ−ンの温度(最高加熱温度)330℃(設定)、冷却ゾ−ンの温度(最低冷却温度)117℃)、圧着圧力40kg/cm2、圧着時間2分で、連続的に加圧下に熱圧着−冷却して積層し、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.00N/mm
総合評価:○
熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−1と、耐熱性キャリア付き極薄銅箔としてオ−リン社製のXTF(極薄銅箔の厚さ5μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)2枚とを、ダブルベルトプレスに連続的に供給し、予熱後、加熱ゾ−ンの温度(最高加熱温度)330℃(設定)、冷却ゾ−ンの温度(最低冷却温度)117℃)、圧着圧力40kg/cm2、圧着時間2分で、連続的に加圧下に熱圧着−冷却して積層し、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.00N/mm
総合評価:○
実施例2
耐熱性キャリア付き極薄銅箔として、オ−リン社製のXTF(極薄銅箔の厚さ3μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.0N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.00N/mm
総合評価:○
耐熱性キャリア付き極薄銅箔として、オ−リン社製のXTF(極薄銅箔の厚さ3μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.0N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.00N/mm
総合評価:○
実施例3
熱圧着性多層ポリイミドフィルムとして熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.00N/mm
総合評価:○
熱圧着性多層ポリイミドフィルムとして熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.00N/mm
総合評価:○
実施例4
耐熱性キャリア付き極薄銅箔として、古河電気工業社製のF−CP(極薄銅箔の厚さ5μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.05N/mm
総合評価:○
耐熱性キャリア付き極薄銅箔として、古河電気工業社製のF−CP(極薄銅箔の厚さ5μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.05N/mm
総合評価:○
実施例5
耐熱性キャリア付き極薄銅箔として、古河電気工業社製のF−CP(極薄銅箔の厚さ3μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.04N/mm
総合評価:○
耐熱性キャリア付き極薄銅箔として、古河電気工業社製のF−CP(極薄銅箔の厚さ3μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.9N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.04N/mm
総合評価:○
実施例6
熱圧着性多層ポリイミドフィルムとして熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2を使用し、耐熱性キャリア付き極薄銅箔として古河電気工業社製のF−CP(極薄銅箔の厚さ5μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.8N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.06N/mm
総合評価:○
熱圧着性多層ポリイミドフィルムとして熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2を使用し、耐熱性キャリア付き極薄銅箔として古河電気工業社製のF−CP(極薄銅箔の厚さ5μm/キャリア銅箔の厚さ35μm)を使用した他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.8N/mm
キャリア銅箔剥離強度:0.06N/mm
総合評価:○
比較例1
銅箔として三井金属工業社製のMT35S−H(極薄銅箔のみの厚さ5μm)を使用し、圧着温度320℃とした他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:×(発泡激しい)
接着強度:0.8N/mm
総合評価:×
銅箔として三井金属工業社製のMT35S−H(極薄銅箔のみの厚さ5μm)を使用し、圧着温度320℃とした他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:×(発泡激しい)
接着強度:0.8N/mm
総合評価:×
比較例2
銅箔として三井金属工業社製のMT35S−H(極薄銅箔のみの厚さ5μm)を使用し、圧着温度340℃とした他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:×(発泡激しい)
接着強度:0.8N/mm
総合評価:×
銅箔として三井金属工業社製のMT35S−H(極薄銅箔のみの厚さ5μm)を使用し、圧着温度340℃とした他は実施例1と同様にして、銅張積層板(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。
得られた銅張積層板についての評価結果を次に示す。
製品外観:×(発泡激しい)
接着強度:0.8N/mm
総合評価:×
実施例1〜6で得られた銅箔キャリア付き極薄銅箔を両面に有する銅張積層板から巻替機にて銅箔キャリアを剥離し、ドライフィルムを使用し塩化第二鉄でエッチングすることによって、40μmピッチの細線配線を形成することができた。
Claims (5)
- 耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとが加圧下に熱圧着−冷却して積層されてなり、銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとの接着強度が0.7N/mm以上で、キャリアと銅箔との剥離強度が0.2N/mm以下である銅張積層板。
- 耐熱性キャリア付き極薄銅箔が、厚み1〜7μmの極薄銅箔を積層したものである請求項1に記載の銅張積層板。
- 熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、厚み7〜50μmである請求項1または2に記載の銅張積層板。
- 熱圧着性多層ポリイミドフィルムが、共押出−流延製膜成形法によって高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも片面に熱圧着性の芳香族ポリイミド層を積層一体化して得られるものである請求項1〜3のいずれかに記載の銅張積層板。
- 耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミド層および高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとをダブルベルトプレスによって加圧下に、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上で400℃以下の温度で熱圧着−冷却して積層する請求項1に記載の銅張積層板の製造方法。
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CN113225916A (zh) * | 2020-01-21 | 2021-08-06 | 达迈科技股份有限公司 | 微线路印刷电路板的制造方法 |
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