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JP2007216358A - Memsデバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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JP2007216358A
JP2007216358A JP2006042012A JP2006042012A JP2007216358A JP 2007216358 A JP2007216358 A JP 2007216358A JP 2006042012 A JP2006042012 A JP 2006042012A JP 2006042012 A JP2006042012 A JP 2006042012A JP 2007216358 A JP2007216358 A JP 2007216358A
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mems
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Abstract

【課題】小型のMEMSデバイスおよび小型のMEMSデバイスが一連の工程で製造できる簡略化した製造方法を提供すること。
【解決手段】CMOS素子23上に可動電極5が形成されているので、CMOS素子23とは別の領域に可動電極5を形成した場合と比較して、MEMSデバイス1の基板表面に占める面積を少なくでき、小型のMEMSデバイス1を得ることができる。また、可動電極5の形成とバンプ90の形成とがメッキ工程で同時に行なわれる。したがって、MEMSデバイス1が半導体製造工程の一連の工程で製造でき、製造方法を簡略化できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板とMEMS構造体とを備えたMEMSデバイス、およびMEMSデバイスの製造方法に関する。
半導体基板とMEMS(Micro Electro Mechanical System)構造体とを備えたMEMSデバイスは、加速度センサー、映像デバイス等に利用され、その需要も伸びている。
半導体基板は、半導体素子、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を備えている。一方、MEMS構造体は、シリコン基板、ガリウム砒素基板等の基板を直接加工することによって形成されている。例えば、ガリウム砒素基板に直接形成されたMEMS構造体を有するマイクロマシンスイッチが開示されている(特許文献1参照)。
特開2005−166622号公報(3頁、図1および図2)
しかしながら、基板を直接加工することによってMEMS構造体を形成するには、基板に形成された半導体素子とは別の領域にMEMS構造体を形成しなければならない。したがって、MEMSデバイス全体として大きな基板面積が必要となり、MEMSデバイスの小型化が難しい。また、半導体素子形成工程とMEMS構造体形成工程がそれぞれ別途必要である。
本発明の目的は、小型のMEMSデバイスおよび小型のMEMSデバイスが一連の工程で製造できる簡略化した製造方法を提供することにある。
本発明のMEMSデバイスは、半導体素子を備えた半導体基板と、可動部を有するMEMS構造体と、バンプとを備え、前記MEMS構造体は前記半導体素子上に形成され、前記バンプと前記MEMS構造体とが同一材料で形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、半導体素子上にMEMS構造体が形成されているので、半導体素子とは別の領域にMEMS構造体を形成した場合と比較して、MEMSデバイスの基板表面に占める面積が少なくなり、小型のMEMSデバイスが得られる。
本発明では、前記材料は、金を含むのが好ましい。
この発明では、MEMS構造体が化学的に安定した金で形成されるため、耐蝕性に優れたMEMS構造体が得られる。
本発明のMEMSデバイスの製造方法は、半導体素子を備えた半導体基板と、可動部を有するMEMS構造体と、バンプとを備えたMEMSデバイスの製造方法であって、前記半導体基板を準備する工程と、前記半導体基板上の前記可動部が形成される領域に犠牲層を形成する工程と、前記半導体基板上にメッキ用電極を形成する工程と、前記MEMS構造体および前記バンプが形成される領域外にマスクを形成する工程と、前記MEMS構造体および前記バンプを形成するメッキ工程と、前記マスクを除去する工程と、前記MEMS構造体および前記バンプが形成された領域外の前記メッキ用電極を除去する工程と、前記可動部と前記半導体基板との間の前記犠牲層をエッチングして、前記可動部と前記半導体基板とを分離するリリースエッチング工程とを含むことを特徴とする。
この発明によれば、MEMS構造体の形成とバンプの形成とがメッキ工程で同時に行なわれる。したがって、MEMSデバイスが半導体製造工程の一連の工程で製造され、製造方法が簡略化される。
本発明では、前記メッキ工程は、金メッキ工程であるのが好ましい。
この発明では、MEMS構造体が化学的に安定した金で形成されるため、耐蝕性に優れたMEMS構造体が得られる。
以下、本発明を具体化した実施形態および変形例について、図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態および各変形例の図面において、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明にかかるMEMSデバイス1の実施形態を示す概略構成図である。図1(a)はMEMSデバイス1の概略部分平面図、図1(b)は同図(a)のA−A断線に沿う概略部分断面図である。
図1において、MEMSデバイス1は、半導体基板2とMEMSスイッチ3とを備えている。
半導体基板2は、シリコン基板22に形成された半導体素子としてのCMOS素子23と絶縁層24とアルミ配線10とホール層間膜11とコンタクト電極6と制御電極7と固定用電極8と外部接続電極80と絶縁最上層4とを備えている。ここで、コンタクト電極6と制御電極7と固定用電極8と外部接続電極80とは、最上部電極である。
CMOS素子23は、絶縁層24を介して所定のアルミ配線10と接続されている(コンタクトホール等は図示していない)。
また、制御電極7は、絶縁最上層4で覆われているが、その他の最上部電極は、その一部が露出している。
なお、絶縁最上層4は、プラズマによって形成されたシリコン窒化膜等を使用することができ、厚みは0.8〜1.4μm程度である。また、最上部電極は、それぞれアルミニュウムで形成されている。
コンタクト電極6と制御電極7と固定用電極8と外部接続電極80は、ホール電極9を介して下層のアルミ配線10と接続されている。そして、これらの電極とアルミ配線10とは、ホール層間膜11によって絶縁されている。ホール層間膜11は、二酸化シリコンで形成されている。
なお、アルミ配線10とホール層間膜11は、シリコン基板表面に形成されたCMOS素子まで複数層形成されていてもよい。
MEMSスイッチ3は、半導体基板2のコンタクト電極6と制御電極7と固定用電極8とMEMS構造体である可動電極5とで構成されている。
可動電極5は、可動部50とコンタクト電極6と電気的接続を得るためのコンタクト部51と基部52とを備えている。
基部52は、可動電極5の一方の端に設けられ、固定用電極8に固定されている。また、可動部50は半導体基板2との間に間隙を有し、可動電極5はいわゆる片持梁構造となっている。そして、コンタクト部51は、基部52とは反対の端に形成されている。
なお、可動電極5は、金メッキによって形成されており、メッキの際使用されるメッキ用電極12を有している。メッキ用電極12には、チタンタングステン合金が用いられる。
コンタクト電極6は、コンタクト部51が形成された位置に対向する半導体基板2の位置に形成されている。制御電極7は、固定用電極8とコンタクト電極6との間で、半導体基板2の可動部50と対向する位置に形成されている。
外部接続電極80には、バンプ90が金メッキによって形成されている。そして、可動電極5と同様にメッキ用電極12を有している。外部接続電極80は、半導体基板2と外部のデバイス等との電気的接続をとるための電極である。
本実施形態では、可動電極5およびバンプ90は、半導体基板2に対して同じ高さに形成されている。ここで、MEMSデバイス1を基板等に実装する際に、バンプ90の高さを調整する必要があるときは、予めホール層間膜11等の厚みを、MEMSスイッチ3の位置と外部接続電極80の位置とで変えることによって、バンプ90の半導体基板2に対する高さを変えることができる。
MEMSスイッチ3は、以下のように作動する。
制御電極7と可動電極5とに異符号の電圧を印加すると、図中に示した距離Lだけ離れた制御電極7と可動電極5の可動部50との間には、引力としての静電気力が働き、可動電極5が制御電極7に引きつけられる。可動電極5が引きつけられることによって、可動電極5のコンタクト部51がメッキ用電極12を介してコンタクト電極6に接触し、コンタクト電極6と固定用電極8との電気的接続が得られ、スイッチとして作動する。
一方、制御電極7と可動電極5との間に静電気力が働かないときは、可動電極5の剛性により、コンタクト部51とコンタクト電極6とは離れており、コンタクト電極6と固定用電極8との電気的接続は得られない。
以下に、本実施形態にかかるMEMSデバイス1の製造方法を図面に基づいて説明する。
図2には、MEMSデバイス1の製造方法のフローチャート図が示されている。また、図3〜図5には、各工程における概略断面図が示されている。
図2において、MEMSデバイス1の製造方法は、半導体基板準備工程(S1)、犠牲層形成工程(S2)、メッキ用電極形成工程(S3)、マスク形成工程(S4)、メッキ工程(S5)、マスク除去工程(S6)、メッキ用電極除去工程(S7)、リリースエッチング工程(S8)を含んでいる。
図3(a)は、半導体基板準備工程(S1)を示している。
半導体基板準備工程(S1)では、半導体基板2として、シリコン基板22に設けられたCMOS素子23、絶縁層24、アルミ配線10、ホール層間膜11、コンタクト電極6、制御電極7、固定用電極8、外部接続電極80、および絶縁最上層4の形成までを行う。この工程には、通常よく知られた半導体基板製造工程を使用することができる。
図3(b)、(c)、(d)、および図4(e)は、犠牲層形成工程(S2)を示している。
図3(b)において、絶縁最上層4、コンタクト電極6、外部接続電極80、および固定用電極8上に犠牲層20を形成する。犠牲層20は、最終的にエッチングによって取り除かれる層である。
犠牲層20の形成用材料としては、犠牲層20をエッチングする方法において、金属で形成される電極等のエッチングレートより早いエッチングレートの材料を用いる。例えば、エッチングにバッファードフッ酸を用い、犠牲層20を形成する材料として二酸化シリコンを用いることができる。
図3(c)において、よく知られたフォトリソ工程により、図1に示した可動部50と半導体基板2との間隙部に対応する犠牲層20上にフォトマスク30を形成する。
図3(d)において、エッチングによりフォトマスク30の形成された領域以外の犠牲層20を除去する。
図4(e)において、残存したフォトマスク30を除去する。
以上の工程により、可動部50と半導体基板2との間隙部に対応する位置に犠牲層20が形成される。
図4(f)は、メッキ用電極形成工程(S3)を示している。
メッキ用電極12は、メッキに使用する電極である。メッキ用電極12は、図1に示したバンプ90の形成される外部接続電極80上も含めた半導体基板2上に形成される。
図4(g)は、マスク形成工程(S4)を示している。
マスク40は、フォトリソ工程によって形成する。マスク40は、図1に示した可動電極5およびバンプ90を形成する領域外に形成する。
図4(h)は、メッキ工程(S5)を示している。
メッキ工程(S5)では、金メッキを行う。金メッキによって、可動電極5およびバンプ90が同時に形成される。このとき、コンタクト電極6に対応する位置にコンタクト部51が、固定用電極8に対応する位置に基部52が形成される。
図5(i)は、マスク除去工程(S6)を示している。
この工程は、不要となったマスク40を除去する工程である。マスク40の除去は通常知られた方法で行うことができる。
図5(j)は、メッキ用電極除去工程(S7)を示している。
この工程は、メッキ用電極12を除去し、犠牲層20の側面等を露出させる工程である。
図5(k)は、リリースエッチング工程(S8)を示している。
この工程では、犠牲層20をバッファードフッ酸でエッチングして、可動電極5の可動部50と半導体基板2とを切り離す工程である。バッファードフッ酸は、犠牲層20の側面等から侵入して犠牲層20をエッチングする。この工程により可動部50が可動可能な状態になる。
以上示した工程により、MEMSスイッチ3が最終的に形成され、MEMSデバイス1が得られる。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)CMOS素子23上に可動電極5が形成されているので、CMOS素子23とは別の領域に可動電極5を形成した場合と比較して、MEMSデバイス1の基板表面に占める面積を少なくでき、小型のMEMSデバイス1を得ることができる。
(2)可動電極5の形成とバンプ90の形成とがメッキ工程で同時に行なわれる。したがって、MEMSデバイス1が半導体製造工程の一連の工程で製造でき、製造方法を簡略化できる。
(3)可動電極5が化学的に安定した金で形成されているため、耐蝕性に優れた可動電極5を得ることができる。
(4)半導体製造工程で行うバンプ90形成工程によって可動電極5を形成するので、新たな工程を加える必要がなく、CMOS素子23の特性への影響が少ない。
(5)可動電極5が金で形成されているので、可動電極5自体の電気抵抗を小さくできる。したがって、シリコン基板22を加工して電極を形成する場合に行う、導電性を付与するためのイオン注入等を行う必要がない。
(第2実施形態)
図6は、本発明にかかるMEMSデバイス100の実施形態を示す概略構成図である。図6(a)は、MEMSデバイス100の概略部分平面図、図6(b)は同図(a)のB−B断線に沿う概略部分断面図である。
図6において、MEMSデバイス100は、半導体基板2とMEMS振動子60とを備えている。
半導体基板2は、シリコン基板22に形成された半導体素子としてのCMOS素子23と絶縁層24とアルミ配線10とホール層間膜11と制御電極7と2つの固定用電極8と外部接続電極80と絶縁最上層4とを備えている。ここで、制御電極7の上には、絶縁最上層4が形成されている。最上部電極および絶縁最上層4の材質、厚さ等は第1実施形態と同様である。
制御電極7と固定用電極8と外部接続電極80とは、ホール電極9を介して下層のアルミ配線10と接続されている。そして、これらの電極とアルミ配線10とは、ホール層間膜11によって絶縁されている。ホール層間膜11の材質、ホール層間膜11より下層の概略構造は、第1実施形態と同様である。
MEMS振動子60は、半導体基板2の制御電極7と固定用電極8とMEMS構造体である可動電極5とで構成されている。
可動電極5は、可動部50と、可動部50を挟む可動電極5の両端に2つの基部52とを備えている。2つの基部52は、固定用電極8に固定されていて、可動部50は半導体基板2との間に間隙を有し、可動電極5はいわゆる両持梁構造となっている。なお、可動電極5は、金メッキによって形成されており、メッキ用電極12を有している。
制御電極7は、2つの固定用電極8の間で、半導体基板2の可動部50と対向する位置に形成されている。
また、第1実施形態と同様に、外部接続電極80には、バンプ90が金メッキによって形成されている。
MEMS振動子60は、以下のように作動する。
制御電極7と可動電極5とに交電場を印加すると、距離L1だけ離れた制御電極7と可動電極5の可動部50との間には、引力および斥力としての静電気力が働き、可動電極5は、MEMS振動子60の構造に応じた共振周波数で振動し、MEMS振動子60として機能する。
以下に、本実施形態にかかるMEMSデバイス100の製造方法を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係るMEMSデバイス100の製造方法のフローチャート図は、第1実施形態で図2に示した図と同様である。図7〜図9には、本実施形態の各工程における概略断面図が示されている。
図7(a)は、半導体基板準備工程(S1)を示している。
半導体基板準備工程(S1)では、半導体基板2として、シリコン基板22に設けられたCMOS素子23、絶縁層24、アルミ配線10、ホール層間膜11、制御電極7、固定用電極8、外部接続電極80、および絶縁最上層4の形成までを行う。この工程には、通常よく知られた半導体基板製造工程を使用することができる。
図7(b)、(c)、(d)、および図8(e)は、犠牲層形成工程(S2)を示している。
図7(b)において、絶縁最上層4、外部接続電極80、および固定用電極8上に犠牲層20を形成する。
犠牲層20の形成用材料としては、第1実施形態と同様の材料を用いることができる。
図7(c)において、よく知られたフォトリソ工程により、図6に示した可動部50と半導体基板2との間隙部に対応する犠牲層20上にフォトマスク30を形成する。
図7(d)において、エッチングによりフォトマスク30の形成された領域以外の犠牲層20を除去する。
図8(e)において、フォトマスク30を除去する。可動部50と半導体基板2との間隙部に対応する位置の犠牲層20が残存する。
図8(f)は、メッキ用電極形成工程(S3)を示している。
メッキ用電極12は、メッキに使用する電極である。メッキ用電極12は、図6に示したバンプ90の形成される外部接続電極80上も含めた半導体基板2上に形成される。
図8(g)は、マスク形成工程(S4)を示している。
マスク40は、フォトリソ工程によって形成する。マスク40は、図6に示した可動電極5およびバンプ90を形成しない部分に形成する。
図8(h)は、メッキ工程(S5)を示している。
メッキ工程(S5)では、金メッキを行う。金メッキによって、可動電極5およびバンプ90が同時に形成される。このとき、固定用電極8に対応する位置に基部52が形成される。
図9(i)は、マスク除去工程(S6)を示している。
この工程は、不要となったマスク40を除去する工程である。マスク40の除去は通常知られた方法で行うことができる。
図9(j)は、メッキ用電極除去工程(S7)を示している。
この工程では、不要となったメッキ用電極12を除去し、犠牲層20の側面を露出させる工程である。
図9(k)は、リリースエッチング工程(S8)を示している。
この工程では、犠牲層20をバッファードフッ酸でエッチングして、可動電極5の可動部50と半導体基板2とを切り離す工程である。バッファードフッ酸は犠牲層20の側面等から侵入して犠牲層20をエッチングする。この工程により可動部50が可動可能な状態になる。
以上示した工程により、MEMS振動子60が最終的に形成され、MEMSデバイス100が得られる。
このような本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果がある。
(変形例1)
図10は、本発明にかかるMEMSデバイス1の第1実施形態の変形例を示す概略構成図である。図10(a)は、MEMSデバイス1の概略部分平面図、図10(b)は同図(a)のC−C断線に沿う概略部分断面図である。
図10において、MEMSデバイス1は、半導体基板2とMEMSスイッチ3とを備えている。以下に、第1実施形態と異なる点について説明する。
第1実施形態においては、制御電極7と可動電極5との間に絶縁最上層4が存在しており、図1に示すように、制御電極7と可動電極5との間の距離Lが長い。本変形例では、半導体基板2の制御電極7上の絶縁最上層4が形成されていない。さらに、可動部50の基部52とコンタクト部51との間には、半導体基板2に向かって凸部53が形成されている。したがって、制御電極7と可動電極5との間の距離L2は図1に示した距離Lより短くなっている。
以下に、本変形例にかかるMEMSデバイス1の製造方法を図面に基づいて説明する。
本変形例に係るMEMSデバイス1の製造方法のフローは、第1実施形態と同様である。図11〜図13には、本変形例の各工程における概略断面図が示されている。
図11(a)は、半導体基板準備工程(S1)を示している。
半導体基板準備工程(S1)では、半導体基板2として、シリコン基板22に設けられたCMOS素子23、絶縁層24、アルミ配線10、ホール層間膜11、コンタクト電極6、制御電極7、固定用電極8、外部接続電極80、および絶縁最上層4の形成までを行う。ここで、本変形例では、制御電極7の上の絶縁最上層4が除去された半導体基板2を用いる。この工程には、通常よく知られた半導体製造工程を使用することができる。
図11(b)、(c)、(d)、および図12(e)は、犠牲層形成工程(S2)を示している。
図11(b)は、絶縁最上層4、コンタクト電極6、制御電極7、外部接続電極80、および固定用電極8上に犠牲層20を形成する工程である。
半導体基板2および犠牲層20の形成用材料、各層の厚み等は、第1実施形態と同様の材料を用いることができる。
図11(c)において、フォトリソ工程により、図10に示した可動部50と半導体基板2との間隙部に対応する犠牲層20上にフォトマスク30を形成する。
図11(d)において、エッチングによりフォトマスク30の形成された領域以外の犠牲層20を除去する。
図12(e)において、フォトマスク30を除去する。したがって、図10に示した可動部50と半導体基板2との間隙部に対応する位置の犠牲層20が残存する。
図12(f)は、メッキ用電極形成工程(S3)を示している。
メッキ用電極12は、メッキに使用する電極である。メッキ用電極12は、図10に示したバンプ90の形成される外部接続電極80上も含めた半導体基板2上に形成される。
図12(g)は、マスク形成工程(S4)を示している。
マスク40は、フォトリソ工程によって形成する。マスク40は、図10に示した可動電極5およびバンプ90を形成する領域外に形成する。
図12(h)は、メッキ工程(S5)を示している。
メッキ工程(S5)では、金メッキを行う。金メッキによって、可動電極5およびバンプ90が同時に形成される。このとき、固定用電極8に対応する位置に基部52が、制御電極7に対応する位置に凸部53が形成される。
図13(i)は、マスク除去工程(S6)を示している。
この工程は、不要となったマスク40を除去する工程である。マスク40の除去は通常知られた方法で行うことができる。
図13(j)は、メッキ用電極除去工程(S7)を示している。
この工程は、不要となったメッキ用電極12を除去し、犠牲層20の側面等を露出させる工程である。
図13(k)は、リリースエッチング工程(S8)を示している。
この工程では、犠牲層20をエッチングして、可動電極5の可動部50と半導体基板2とを切り離す工程である。この工程により可動部50が可動可能な状態になる。
この工程により、MEMSスイッチ3が最終的に形成され、MEMSデバイス1が得られる。
このような本変形例によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(6)制御電極7上の一部に絶縁最上層4が形成されてなく、可動電極5の制御電極7に対向する位置に凸部53を設けたので、可動電極5と制御電極7との間の距離L2を第1実施形態における距離Lより短くできる。したがって、小さい静電気力つまり少ない電力でMEMSスイッチ3を作動させることができる。
(変形例2)
図14は、本発明にかかるMEMSデバイス1の第1実施形態の変形例を示す概略構成図である。図14(a)は、MEMSデバイス1の概略部分平面図、図14(b)は同図(a)のD−D断線に沿う概略部分断面図である。
図14において、MEMSデバイス1は、半導体基板2とMEMSスイッチ3とを備えている。以下に、第1実施形態および変形例1と異なる点について説明する。
第1実施形態においては、制御電極7と可動電極5との間に絶縁最上層4が存在しており、図1に示すように、制御電極7と可動電極5との間の距離Lが長い。本実施形態では、半導体基板2の制御電極7上の絶縁最上層4が形成されていない。さらに、可動部50には、半導体基板2に向かって凸部53が形成されている。したがって、制御電極7と可動電極5との間の距離L3は図1に示した距離Lより短くなっている点は変形例1と同様である。
変形例1と異なる点は、制御電極7と可動電極5との間の距離L3が図10に示した変形例1の距離L2より長くなっている点である。その他使用する材質、厚さ等は、変形例1と同様である。
以下に、本変形例にかかるMEMSデバイス1の製造方法を図面に基づいて説明する。
本変形例にかかるMEMSデバイス1の製造方法のフローでは、第1実施形態の図2で示した犠牲層形成工程(S2)を2回行う点が異なる。
図15および図16には、本変形例の1回目の犠牲層形成工程(S2)の概略断面図が示されている。2回目の犠牲層形成工程(S2)の一部以降は、第1実施形態および変形例1と同様の工程であるので省略してある。
図15(a)は半導体基板準備工程(S1)、図15(b)、(c)、図16(d)、図16(e)は1回目の犠牲層形成工程(S2)を示している。
半導体基板準備工程(S1)は、変形例1と同様の工程で行うことができる。
本変形例では、1回目の犠牲層形成工程(S2)で、図14に示した可動部50に設けられた凸部53と制御電極7との間隙部に対応する位置に犠牲層20を形成する。
図15(b)において、半導体基板2上に犠牲層20を形成する。
図15(c)において、図14に示した可動部50に設けられた凸部53と制御電極7との間隙部に対応する犠牲層20上にフォトマスク30を形成する。
図16(d)において、エッチングによりフォトマスク30の形成された領域以外の犠牲層20を除去する。
図16(e)において、フォトマスク30を除去する。したがって、図14に示した可動部50に設けられた凸部53と制御電極7との間隙部に対応する位置に犠牲層20が形成される。
図16(f)は、2回目の犠牲層形成工程(S2)の一部を示している。
2回目の犠牲層形成工程(S2)では、絶縁最上層4、コンタクト電極6、外部接続電極80、固定用電極8、および制御電極7上に形成された犠牲層20上に犠牲層21を形成する。したがって、制御電極7上には、犠牲層20と犠牲層21とが重なり、他の部分と比較して厚い犠牲層が形成される。
以後、2回目の犠牲層形成工程(S2)を、変形例1と同様に行うことによって、図14に示したように、制御電極7と可動電極5との間の距離L3が変形例の距離L2より長いMEMSデバイス1が得られる。
このような本変形例によれば、第1実施形態および変形例1の効果に加えて以下の効果がある。
(7)MEMSスイッチ3の作動時に、コンタクト部51とコンタクト電極6との間隔と比較して、制御電極7と可動電極5の凸部53との距離L3が長いので、コンタクト部51とコンタクト電極6が接触する前に制御電極7と可動電極5の凸部53とが接触することを少なくできる。したがって、コンタクト部51とコンタクト電極6を確実に接触させることができる。
(変形例3)
図17は、本発明にかかるMEMSデバイス100の第2実施形態の変形例を示す概略構成図である。図17(a)は、MEMSデバイス100の概略部分平面図、図17(b)は同図(a)のE−E断線に沿う概略部分断面図である。
図17において、MEMSデバイス100は、半導体基板2とMEMS振動子60とを備えている。以下に、第2実施形態と異なる点について説明する。
第2実施形態においては、制御電極7と可動電極5との間に絶縁最上層4が存在しており、図6に示すように、制御電極7と可動電極5との間は距離L1ほど離れている。本変形例では、半導体基板2の制御電極7上の絶縁最上層4が形成されていない。さらに、可動部50には、半導体基板2に向かって凸部53が形成されている。したがって、制御電極7と可動電極5との間の距離L4は図6に示した距離L1より短くなっている。
本変形例にかかるMEMSデバイス100の製造方法で第2実施形態と異なるのは、制御電極7上の一部に絶縁最上層4を形成しない半導体基板2を準備して、凸部53を形成する点である。
このような本変形例によれば、第2実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(8)制御電極7上の一部に絶縁最上層4が形成されてなく、可動電極5の制御電極7に対向する位置に凸部53を設けたので、可動電極5と制御電極7との間の距離L4を第2実施形態における距離L1より短くできる。したがって、小さい静電気力つまり少ない電力でMEMS振動子60を作動させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、MEMS振動子としてのくし型振動子にも利用できる。
図18には、半導体基板上にくし型振動子70を備えたMEMSデバイス200の平面図が示されている。くし型振動子70の可動電極55,56は、それぞれ基部57,58によって図示しない半導体基板に固定されている。
可動電極55,56も前述のようにバンプの形成と同様に形成することができ、前述の効果を得ることができる。
また、本発明を実施するための最良の方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、使用する材料、厚さ、その他の詳細な事項において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材料、厚さなどを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの材料、厚さなどの限定の一部もしくは全部の限定を外した記載は、本発明に含まれるものである。
(a)は、本発明の第1実施形態にかかるMEMSデバイスの概略部分平面図、(b)は同図(a)のA−A断線に沿う概略部分断面図。 本発明にかかるMEMSデバイスの製造方法を示すフローチャート図。 本発明の第1実施形態にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の第1実施形態にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の第1実施形態にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 (a)は、本発明の第2実施形態にかかるMEMSデバイスの概略部分平面図、(b)は同図(a)のB−B断線に沿う概略部分断面図。 本発明の第2実施形態にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の第2実施形態にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の第2実施形態にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 (a)は、本発明の変形例1にかかるMEMSデバイスの概略部分平面図、(b)は同図(a)のC−C断線に沿う概略部分断面図。 本発明の変形例1にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の変形例1にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の変形例1にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 (a)は、本発明の変形例2にかかるMEMSデバイスの概略部分平面図、(b)は同図(a)のD−D断線に沿う概略部分断面図。 本発明の変形例2にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 本発明の変形例2にかかるMEMSデバイスの製造方法の各工程における概略断面図。 (a)は、本発明の変形例3にかかるMEMSデバイスの概略部分平面図、(b)は同図(a)のE−E断線に沿う概略部分断面図。 くし型振動子を表す平面図。
符号の説明
1,100,200…MEMSデバイス、2…半導体基板、5,55,56…MEMS構造体としての可動電極、6…最上部電極としてのコンタクト電極、7…最上部電極としての制御電極、8…最上部電極としての固定用電極、12…メッキ用電極、20,21…犠牲層、23…半導体素子としてのCMOS素子、30…フォトマスク、40…マスク、50…可動部、52…MEMS構造体の基部、90…バンプ。

Claims (4)

  1. 半導体素子を備えた半導体基板と、
    可動部を有するMEMS構造体と、
    バンプとを備え、
    前記MEMS構造体は前記半導体素子上に形成され、
    前記バンプと前記MEMS構造体とが同一材料で形成されている
    ことを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 請求項1に記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記材料は、金を含む
    ことを特徴とするMEMSデバイス。
  3. 半導体素子を備えた半導体基板と、可動部を有するMEMS構造体と、バンプとを備えたMEMSデバイスの製造方法であって、
    前記半導体基板を準備する工程と、
    前記半導体基板上の前記可動部が形成される領域に犠牲層を形成する工程と、
    前記半導体基板上にメッキ用電極を形成する工程と、
    前記MEMS構造体および前記バンプが形成される領域外にマスクを形成する工程と、
    前記MEMS構造体および前記バンプを形成するメッキ工程と、
    前記マスクを除去する工程と、
    前記MEMS構造体および前記バンプが形成された領域外の前記メッキ用電極を除去する工程と、
    前記可動部と前記半導体基板との間の前記犠牲層をエッチングして、前記可動部と前記半導体基板とを分離するリリースエッチング工程とを含む
    ことを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
  4. 請求項3に記載のMEMSデバイスの製造方法において、
    前記メッキ工程は、金メッキ工程である
    ことを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101430938B (zh) * 2007-11-07 2011-07-20 中国科学院微电子研究所 一种微尖端阵列器件及其制作方法

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